説明

調節計

【課題】制御対象の複数の点において、同じプログラムパターンに従った制御を行なう場合に、コストおよび設置スペースを削減する。
【解決手段】マスタチャンネルである第1のチャンネルの調節手段6は、プログラムパターンに応じて目標値(PSP)を生成して該目標値(PSP)に従ってプログラム制御を行なうとともに、生成した目標値(PSP)をRAM14に書き込み、スレーブチャンネルである第2〜第4のチャンネルの調節手段7〜9は、RAM14の目標値(PSP)を読み出し、該目標値(PSP)に従って定値制御を行なうようにし、これによって、1台の調節計1によって、同じプログラムパターンに従った4チャンネルの制御を可能としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度制御などに好適な調節計に関し、更に詳しくは、目標値を時間の経過に伴って変化させるプログラム制御が可能な調節計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、工業炉などの制御対象の温度を、予め設定されたプログラムパターンに従って複数の点で均一に制御するような場合には、例えば、図5に示すようにして行なわれる。
【0003】
すなわち、プログラム制御が可能なプログラム調節計30と、複数の調節計31,32とを接続する。プログラム調節計30は、ユーザの設定に応じて、例えば、図3に示すプログラムパターンの目標温度を生成し、工業炉39内に配置された温度センサとしての熱電対33によって検出される温度が、目標温度になるように、SSR36を介してヒータ40への通電を制御する一方、複数の調節計31,32に対してプログラムパターンの目標温度をアナログ伝送する。各調節計31,32は、伝送された目標温度をそれぞれ受信し、工業炉39内に配置された熱電対34,35によって検出される温度が、目標温度になるように、SSR37,38を介してヒータ41,42の通電を制御するものである。
【0004】
かかる構成では、調節計31,32には、目標温度がアナログ伝送されるので、送信あるいは受信の際に誤差が生じ、各調節計30〜32の目標温度にずれが生じるといった課題がある。
【0005】
このため、アナログ伝送に代えて、プログラムパターンをディジタル伝送するシステムも提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2875677号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のシステムでは、制御対象の複数の点におけるプログラム制御を行なうとすると、プログラムパターンを生成するプログラム調節計と、このプログラム調節計から伝送されるプログラムパターンに従って温度制御を行なう複数の調節計とを必要とするとともに、各調節計間を配線接続しなければならず、このため、コストが増加するとともに、設置スペースが必要になるといった課題がある。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、制御対象の複数の点において、同じプログラムパターンで制御を行なう場合に、コストおよび設置スペースを削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の調節計は、プログラムパターンに従って複数チャンネルの制御を行なうことが可能な調節計であって、各チャンネルに個別的に対応する複数の調節手段を備え、前記複数チャンネルの内の一つのマスタチャンネルの調節手段は、プログラムパターンに応じて目標値を生成するとともに、該目標値に従ってプログラム制御を行なうものであり、前記マスタチャンネル以外の複数のスレーブチャンネルの調節手段は、前記マスタチャンネルの調節手段で生成した前記目標値に従って定値制御を行なうものである。
【0009】
調節手段は、制御対象からの検出値が入力される入力部と、この検出値と目標値とに基づいて、操作量を演算する制御部と、操作量を出力する出力部とを備えるのが好ましい。
【0010】
マスタチャンネルとは、プログラムパターンに応じて目標値を生成し、プログラム制御を行なうチャンネルであり、スレーブチャンネルとは、マスタチャンネルで生成された目標値に従って定値制御を行なうチャンネルである。
【0011】
マスタチャンネルの調節手段は、切換設定などによって定値制御を行なえるようにしてもよい。
【0012】
スレーブチャンネルの調節手段は、プログラムパターンに応じて生成された目標値に従った定値制御と、予め設定された目標値に従った定値制御とを切換えることができるようにしてもよい。
【0013】
本発明によると、マスタチャンネルの調節手段は、プログラムパターンに応じて目標値を生成して該目標値に従ったプログラム制御が可能であり、スレーブチャンネルの調節手段は、生成されたプログラムパターンの目標値に従った定値制御が可能であるので、複数の全てのチャンネルで同じプログラムパターンに従った制御が行なわれることになる。
【0014】
したがって、従来のように複数の調節計を必要とせず、それら調節計を配線接続する必要もなく、本発明に係る1台の調節計によって、制御対象の複数の点において、同じプログラムパターンに従った制御が可能となる。
【0015】
(2)本発明の調節計の他の実施形態では、前記マスタチャンネルの調節手段で生成される前記目標値が書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段の目標値として読み出される記憶手段を備えている。
【0016】
この実施形態によると、マスタチャンネルの調節手段でプログラムパターンに応じて生成された目標値が記憶手段に書き込まれ、この目標値が、スレーブチャンネルの調節手段で読み出されて定値制御が行なわれる。
【0017】
(3)本発明の調節計の一実施形態では、前記記憶手段は、マスタチャンネルに対応するマスタチャンネル記憶領域およびスレーブチャンネルに対応するスレーブチャンネル記憶領域を有し、前記マスタチャンネル記憶領域および前記スレーブチャンネル記憶領域には、前記マスタチャンネルの調節手段で生成される前記目標値が書き込まれ、前記スレーブチャンネルの調節手段は、前記スレーブチャンネル記憶領域の前記目標値を読み出して定値制御を行なうものである。
【0018】
マスタチャンネルの調節手段が、生成した前記目標値をマスタチャンネル記憶領域に書き込むとともに、該マスタチャンネル記憶領域の前記目標値を読み出してスレーブチャンネル記憶領域に書き込み、スレーブチャンネルの調節手段は、スレーブチャンネル記憶領域の前記目標値を読み出して定値制御を行なうようにしてもよい。
【0019】
この実施形態によると、マスタチャンネルの調節手段で生成した目標値を、記憶手段のスレーブチャンネル記憶領域に書き込み、スレーブチャンネルの調節手段は、スレーブチャンネル記憶領域に書き込まれた目標値を読み出して定値制御を行なうので、記憶手段を介して、マスタチャンネルとスレーブチャンネルとの間で目標値の受け渡しが行なわれることになり、これによって、マスタチャンネルおよびスレーブチャンネルで同じプログラムパターンに従った制御が可能となる。
【0020】
(4)本発明の調節計の他の実施形態では、前記複数の調節手段は、PID制御を行なうPID制御部をそれぞれ有し、前記マスタチャンネルの調節手段は、前記プログラムパターンに応じて前記スレーブチャンネルの調節手段のPID制御部のPID定数に関するデータを生成するものであり、生成されたPID定数に関するデータが前記記憶手段に書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段に読み出されて該データに基づいて、PID制御部のPID定数が設定されるものである。
【0021】
PID定数に関するデータは、PID定数そのものであってもよいし、あるいは、予め準備されているPID定数を指定するようなデータであってもよい。
【0022】
このPID定数に関するデータは、各チャンネルのPID制御部毎に、異なるデータであってもよいし、共通のデータとしてもよい。すなわち、PID制御部毎に、異なるPID定数としてもよいし、共通のPID定数としてもよい。
【0023】
この実施形態によると、プログラムパターンに応じたPID定数を設定してPID制御を行なうことができ、例えば、プログラムパターン毎にPID定数を異ならせたり、プログラムパターンの各ステップ(セグメント)毎にPID定数を異ならせるといったことができ、精度の高い制御が可能となる。
【0024】
(5)本発明の調節計の他の実施形態では、前記マスタチャンネルの調節手段は、前記プログラムパターンに応じて前記スレーブチャンネルの調節手段の警報に関するデータを生成するものであり、生成された警報に関するデータが前記記憶手段に書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段に読み出されて該データに基づいて、警報値が設定されるものである。
【0025】
警報に関するデータは、警報値そのものであってもよいし、あるいは、予め準備されている警報値を指定するようなデータであってもよい。
【0026】
この警報に関するデータは、各チャンネル毎に、異なるデータであってもよいし、共通のデータとしてもよい。すなわち、各チャンネル毎に、異なる警報値としてもよいし、共通の警報値としてもよい。
【0027】
警報値とは、警報を出力する条件となる値をいい、警報の種類は、任意であり、例えば、目標値に対する上限あるいは下限の偏差警報などであってもよい。
【0028】
この実施形態によると、プログラムパターンに応じた警報値が設定されて警報処理がされることになる。
【0029】
(6)本発明の調節計の更に他の実施形態では、前記記憶手段に対する書き込みおよび読み出しが、制御周期毎に行なわれるものである。
【0030】
この実施形態によると、制御周期毎に、プログラムパターンに応じて目標値が更新されて制御が行なわれることになる。
【0031】
(7)本発明の調節計の好ましい実施形態では、複数チャンネルの前記制御が、温度制御であり、前記目標値が目標温度である。
【0032】
この実施形態によると、加熱炉などの制御対象における複数点、例えば、複数のゾーンにおける温度を、同じプログラムパターンで制御することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、複数の調節計を必要とせず、それら調節計を配線接続する必要もなく、1台の調節計によって、制御対象の複数点において、同じプログラムパターンに従った制御が可能となり、これによって、コストの低減を図ることができるとともに、設置スペースを削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る調節計を用いた温度制御システムの概略構成図である。
【0035】
この実施形態の調節計1は、複数、例えば、4チャンネルの温度制御、すなわち、1台の調節計1で4ループの制御が可能であり、例えば、制御対象としての工業炉2の温度を制御する。
【0036】
調節計1には、工業炉2の温度を複数の点でそれぞれ検出する温度センサとしての4個の熱電対3−1〜3−4が接続されるとともに、工業炉2を加熱するヒータ4−1〜4−4に対する電流を開閉するSSR5−1〜5−4が接続される。
【0037】
図2は、この実施形態の調節計1の要部の機能ブロック図である。
【0038】
この調節計1は、第1〜第4の各チャンネルに個別的に対応する第1〜第4の調節手段6〜9を備えている。
【0039】
マスタチャンネルとしての第1のチャンネルに対応する第1の調節手段6は、予めユーザが設定した、例えば、図3に示されるプログラムパターンに従って時間の経過に伴って目標温度を変化させるプログラム制御を行なうものであり、スレーブチャンネルとしての第2〜第4のチャンネルに対応する第2〜第4の調節手段7〜9は、定値制御を行なうものである。なお、図3では、セグメント1〜4の4つのステップからなる台形のプログラムパターンの例を示している。
【0040】
プログラム制御を行なう第1の調節手段6は、上述の熱電対3−1が接続される入力部10と、SSR5−1が接続される出力部11と、ユーザによって予め設定されたプログラムパターンに応じた目標温度等を生成するプログラムパターン生成部12と、この生成されたプログラムパターンの目標温度(PSP)と入力部10からの検出温度(PV1)との偏差に基づいて、操作量(MV1)を演算して出力部11に与えるPID制御部13とを備えており、この第1の調節手段6は、生成したプログラムパターンを、記憶手段としてのRAM14に書き込むようにしている。
【0041】
更に、この実施形態では、プログラムパターン生成部12は、プログラムパターンに応じて、ユーザによって予め設定されているPID定数の複数組のいずれかの組のPID定数を指定するためのPID組番号(PID)およびユーザによって予め設定されている警報値の複数組のいずれかの組の警報値を指定するための警報組番号(ALM)を生成する。
【0042】
したがって、プログラムパターンに応じて、例えば、プログラムパターン毎に、適切なPID定数および警報値を指定するためのPID組番号(PID)および警報組番号(ALM)を生成することができる。
【0043】
なお、時間の経過に伴うプログラムパターンの変化に応じて、例えば、図3 の各セグメントに対応して適切なPID定数および警報値を指定するためのPID組番号(PID)および警報組番号(ALM)を生成するようにしてもよい。
【0044】
このPID組番号および警報組番号は、第2〜第4の各チャンネル毎に個別に生成してもよいし、共通に生成するようにしてもよい。
【0045】
なお、PID組番号(PID)および警報組番号(ALM)に対応するPID定数および警報値は、上述のようにユーザによって予め設定され、図示しないメモリに格納されている。
【0046】
この生成されたPID組番号(PID)および警報組番号(ALM)は、生成された目標温度(PSP)と共に、RAM14に書き込まれる。
【0047】
更に、RAM14には、運転開始/停止(RUN/RESET)指令も併せて書き込まれる。
【0048】
第1の調節手段6では、運転開始(RUN)指令が与えられると、プログラムパターン生成部12からプログラムパターンに応じた目標温度等を生成してPID制御を開始する一方、前記目標温度等をRAM14に書き込む。
【0049】
また、運転停止(RESET)指令が与えられると、PID制御部13からの操作量MVに代えてリセット時操作量を出力する。
【0050】
定値制御を行なう第2〜第4の各調節手段7〜9は、上述の熱電対3−2〜3−4がそれぞれ接続される入力部15〜17と、SSR5−2〜5−4がそれぞれ接続される出力部18〜20と、RAM14から読み出した目標温度(PSP)と入力部15〜17からの検出温度(PV2〜PV4)との偏差に基づいて、操作量(MV2〜MV4)をそれぞれ演算して出力部18〜20にそれぞれ与えるPID制御部21〜23をそれぞれ備えている。
【0051】
各調節手段7〜9は、RAM14から読み出した運転開始(RUN)指令に応じて運転を開始し、PID制御部21〜23からの操作量(MV2〜MV4)を出力部18〜20からそれぞれ出力し、RAM14から読み出した運転停止(RESET)指令に応じて運転を停止し、リセット時操作量を出力部18〜20から出力する。
【0052】
各PID制御部21〜23には、RAM14から読み出したPID組番号(PID)に対応するPID定数が設定されてPID制御が行なわれる。
【0053】
また、第2〜第4の各調節手段7〜9では、RAM14から読み出した警報組番号(ALM)に対応する警報値によって警報処理が行なわれる。
【0054】
RAM14への目標温度等の書き込みおよびその読み出しは、制御周期、例えば、50msec毎に行なわれる。
【0055】
このように第2〜第4の各調節手段7〜9は、RAM14からの読み出した目標温度等に従って定値制御を行なうものである。
【0056】
すなわち、この実施形態の調節計1は、プログラム制御機能を有するマスタチャンネルの第1の調節手段6と、この第1の調節手段6で生成されたプログラムパターンの目標温度等に従って定値制御を行なうスレーブチャンネルの第2〜第4の調節手段7〜9とを備えている。
【0057】
各調節手段6〜9のPID制御部13,21〜23およびプログラムパターン生成部12等は、例えば、マイクロコンピュータによって構成される。
【0058】
図4は、この実施形態の調節計1の動作説明に供するフローチャートである。
【0059】
先ず、第1のチャンネルに対応する第1の調節手段6によるプログラム制御を実行する(ステップn1)。すなわち、プログラムパターンに応じた目標温度、PID組番号および警報組番号を生成し、RAM14のマスタチャンネに対応する記憶領域に書き込み、目標温度と検出温度との偏差に基づいて、操作量を演算して出力する。
【0060】
次に、第1のチャンネルの目標温度、PID組番号および警報組番号を、RAM14のマスタチャンネルに対応する記憶領域から読み出してRAM14の第2〜第4のチャンネル、すなわち、スレーブチャンネルに対応する記憶領域にコピー、すなわち、書き込む (ステップn2)。
【0061】
第2のチャンネルに対応する第2の調節手段7は、定値制御を実行する(ステップn3)。すなわち、第2の調節手段7は、RAM14からPID組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときには、PID組番号に対応するPID定数をPID制御部21に設定する。
【0062】
また、RAM14から目標温度を読み出し、この目標温度と検出温度との偏差に基づいて、PID制御部21で操作量を演算して出力する。また、RAM14から警報組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときは、警報組番号の警報値を設定して警報処理を行なう。
【0063】
次に、第3のチャンネルに対応する第3の調節手段8は、定値制御を実行する(ステップn4)。すなわち、第3の調節手段8は、RAM14からPID組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときには、PID組番号に対応するPID定数をPID制御部22に設定する。
【0064】
また、RAM14から目標温度を読み出し、この目標温度と検出温度との偏差に基づいて、PID制御部22で操作量を演算して出力する。また、RAM14から警報組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときは、警報組番号の警報値を設定して警報処理を行なう。
【0065】
次に、第4のチャンネルに対応する第4の調節手段9は、定値制御を実行する(ステップn5)。すなわち、第4の調節手段9は、RAM14からPID組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときには、PID組番号に対応するPID定数をPID制御部23に設定する。
【0066】
また、RAM14から目標温度を読み出し、この目標温度と検出温度との偏差に基づいて、PID制御部23で操作量を演算して出力する。また、RAM14から警報組番号を読み出し、現在設定されている組番号と異なるときは、警報組番号の警報値を設定して警報処理を行なう。
【0067】
以上の処理を、制御周期毎に繰り返す。
【0068】
このように、1台の調節計1によって、工業炉2の複数の点において、同一のプログラムパターンに従った制御を行なえるので、図5の従来例にように、複数台の調節計を用いる必要がなく、各調節計との配線接続を行なう必要ない。これによって、設置スペースを削減できるとともに、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一つの実施形態の調節計を備えるシステムの概略構成図である。
【図2】図1の調節計の機能ブロック図である。
【図3】プログラムパターンの一例を示す図である。
【図4】図1の調節計の動作説明に供するフローチャートである。
【図5】従来例のシステムの概略構成図である。
【符号の説明】
【0070】
1,30〜32 調節計
2 工業炉
6〜9 第1〜第4の調節手段
12 プログラムパターン生成部
13,21〜23 PID制御部
14 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラムパターンに従って複数チャンネルの制御を行なうことが可能な調節計であって、
各チャンネルに個別的に対応する複数の調節手段を備え、
前記複数チャンネルの内の一つのマスタチャンネルの調節手段は、プログラムパターンに応じて目標値を生成するとともに、該目標値に従ってプログラム制御を行なうものであり、
前記マスタチャンネル以外の複数のスレーブチャンネルの調節手段は、前記マスタチャンネルの調節手段で生成した前記目標値に従って定値制御を行なうことを特徴とする調節計。
【請求項2】
前記マスタチャンネルの調節手段で生成される前記目標値が書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段の目標値として読み出される記憶手段を備える請求項1に記載の調節計。
【請求項3】
前記記憶手段は、マスタチャンネルに対応するマスタチャンネル記憶領域およびスレーブチャンネルに対応するスレーブチャンネル記憶領域を有し、
前記マスタチャンネル記憶領域および前記スレーブチャンネル記憶領域には、前記マスタチャンネルの調節手段で生成される前記目標値が書き込まれ、
前記スレーブチャンネルの調節手段は、前記スレーブチャンネル記憶領域の前記目標値を読み出して定値制御を行なう請求項2に記載の調節計。
【請求項4】
前記複数の調節手段は、PID制御を行なうPID制御部をそれぞれ有し、
前記マスタチャンネルの調節手段は、前記プログラムパターンに応じて前記スレーブチャンネルの調節手段のPID制御部のPID定数に関するデータを生成するものであり、
生成されたPID定数に関するデータが前記記憶手段に書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段に読み出されて該データに基づいて、PID制御部のPID定数が設定される請求項2または3に記載の調節計。
【請求項5】
前記マスタチャンネルの調節手段は、前記プログラムパターンに応じて前記スレーブチャンネルの調節手段の警報に関するデータを生成するものであり、
生成された警報に関するデータが前記記憶手段に書き込まれるとともに、前記スレーブチャンネルの調節手段に読み出されて該データに基づいて、警報値が設定される請求項2〜4のいずれか1項に記載の調節計。
【請求項6】
前記記憶手段に対する書き込みおよび読み出しが、制御周期毎に行なわれる請求項2〜5のいずれか1項に記載の調節計。
【請求項7】
複数チャンネルの前記制御が、温度制御であり、前記目標値が目標温度である請求項1〜6のいずれか1項に記載の調節計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−233716(P2007−233716A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−54980(P2006−54980)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】