説明

質量流量制御方法及び質量流量制御デバイス

【課題】角度をなして位置決めされたチャンネル(1)の向き合った側壁(2及び3)の一部を形成する揺動及び/又は摺動シフト可能に移動自在のエレメント(5及び10)によって流路を変化する制御方法を提供する。
【解決手段】エレメントは、シフト後、流れを停止し、又は流れを別の受け入れデバイスに差し向け又は多数の受け入れデバイスに同時に差し向ける。移動自在のエレメント(5及び10)を前の位置にシフトした後、流れを回復する。デバイスはチャンネル(1)に配置されており、チャンネルの第1側壁(2)には移動自在の第1エレメント(5)が設けられており、反対側の第2側壁(3)の一部が移動自在の第2側壁(10)を形成し、移動自在の第1エレメント(5)は、枢軸(6)に垂直プレート(7)ともに取り付けられている。更に、垂直プレート(7)には、移動自在の第2エレメント(10)がアクチュエータ(9)によって取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の要旨は、ロッド状物品、詳細にはタバコ産業の製品の多層流の形態の質量流量を制御する方法、及び前記流れを制御するためのデバイスである。
【背景技術】
【0002】
タバコ等のロッド状物品を製造する製造ラインでは、製造プロセス中にフィルタ又はフィルタ付きタバコを積み重ねる。前記製品は、製造機械を出た後、包装機又は貯蔵部でパケットをなして配置される前にかなりの距離に亘って移動する。流れは、通常は、整然とした多層流をなして形成され、これにより変形や破壊が生じないようにする。製品を製造ラインで使用される様々なデバイスに、又はこれらのデバイスから搬送するため、製品の流れを取り扱う必要がある。この目的のため、物品を搬送する水平コンベヤの経路上に、一つの水平コンベヤを別の水平コンベヤ又はレシーバに連結するほぼ垂直なチャンネルを形成する。ロッド状物品は垂直チャンネル及び原理的に水平なコンベアを一杯に充填する。これがこれらの物品の整然とした状態を決定する。水平経路上の流れは、通常は、コンベアによって生じ、これに対し、角度をなして配置されたチャンネル内の流れは重力によって生じる。前記流れ取り扱い方法は、物品が流れるチャンネルを遮断する工程や物品の流れを別の受け入れデバイスに差し向けたりする多くの工程を含み、流れの制御時にロッド状物品に加わる損傷をできるだけ小さくする必要がある。流れを停止するためのデバイス及び/又は流れの方向を変えるデバイスは、当該技術分野で周知である。例えば、タバコ産業のロッド状物品の質量流量を連結するためのデバイスが米国特許第5,217,101号から周知である。このデバイスでは、水平コンベヤと角度をなしたチャンネルとの連結点の近くに配置された、軸線に旋回取り付けされたプレート又は賦形ゲートを使用する。プレート又は賦形ゲートは、流れが小さすぎることが検出された場合、又は流れを連結する必要が生じた場合に開放される。賦形ゲートは、ロッド状物品が貯蔵されたり溢流したりする暫定的小貯蔵部を形成する。ロッド状物品を輸送するための別のデバイスが、米国特許第5,529,164号から周知である。この構造では、必要な場合に垂直チャンネルの上部分での流れの方向に従って角度をなして挿入され、かくしてその入口を遮断する可撓性テープが設けられた摺動自在のプレートを使用する。可撓性テープは、水平コンベヤの下壁の一部となる。物品の一時的溢流は、水平コンベヤの上壁にチャンネル軸線に配置された自動的に整合する二つのアームによって形成された一般的に周知のポケットによって吸収される。アーム端部は、メンブレンによって連結されている。他方、ロッド状物品を取り扱うためのデバイスに関する米国特許第4,986,408号には、ロッド状物品の水平方向流路と平行に配置された摺動自在のプレートを使用する試みが記載されている。摺動自在のプレートは、この流れを垂直チャンネルから分離する。この発明は、プレート自体並びにその作動手段について技術的に困難な解決策を提供する。この解決策の欠点は、こうした物品で充填されたチャンネルの領域にプレートを水平に挿入するとき、ロッド状物品が損傷することがあるということである。垂直チャンネルの入口の上方でロッド状物品間に挿入されるテープ型エレメントによって流れを遮断する同様の原理が、米国特許第4,553,660号に示されている。適用された発明の要旨に最も近い解決策は、ロッド状物品の多層流の分離に関する米国特許第7,044,286号に記載されている。ここに説明された方法によれば、ロッド状物品を、分離の目的で、水平コンベヤ又は角度をなして配置されたチャンネルの境界領域から取り出し(これはパッシブ流となる)、水平チャンネル又はコンベアの領域に入れる(これはアクティブ流となる)。取り出された物品の量は、水平コンベヤの幅及び/又はチャンネルの幅と対応する半径を持つ円筒体の対応する部分の容積と等しい。円筒体の壁は、非平行流を互いに分離する軸線と平行である。前記物品を、回転軸線を持つ回転円筒体の内側に形成された水平コンベヤ又はチャンネルの形状の待避所即ちニッチ(niche)に閉じ込めてもよい。円筒体の回転軸線は、水平コンベヤ及び/又はチャンネルの対称平面内にあり、物品は、円筒体の回転によって遮断される。前記発明に従って流れを分離するためのバルブデバイスは、円筒体形態のバルブを含み、又はそのセクタが、水平コンベヤ及びチャンネルの交点に配置される。バルブの回転軸線は、円筒体の軸線であり、水平コンベヤの壁の上面の交差縁部がチャンネルの側壁の平面と重なり、又は水平コンベヤの下壁の平面とチャンネルの側壁の平面との交差縁部と重なり、又はバルブの回転軸線はチャンネル及び/又は水平コンベヤの対称平面内に、チャンネルの側壁と水平コンベヤの壁との交差縁部から、円筒体の半径と等しいか或いはこれよりも僅かに大きい所定距離にある。この際、チャンネルの内部には、チャンネル及び/又は水平コンベヤの形状の貫通ニッチ(through nitch) が形成されている。バルブの回転軸線は、ニッチの対称平面内にある。以上の解決策は、パッシブ流での物品の外層の劣化を部分的になくし、任意の速度の多層流を助長し、物品をアクティブ流に取り出すことにより、流れの圧力の上昇を防ぎ、物品を境界領域から取り出すことによって整然とした往復動構成を乱すことがないようにする。取り出された物品は、流れが流れる円筒体の壁によって置換されるが、円筒形バルブの先の尖った縁部を物品の流れに挿入したとき、衝撃を吸収できず、前記縁部と直接的に接触した物品の一部の損傷が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,217,101号
【特許文献2】米国特許第5,529,164号
【特許文献3】米国特許第4,986,408号
【特許文献4】米国特許第4,553,660号
【特許文献5】米国特許第7,044,286号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述した従来技術の解決策の欠点を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、水平平面に関して角度をなして位置決めされたチャンネルを充填するロッド状物品の多層流であって、ロッド状物品の流れは重力によって生じ、又は強制的に流される形態の質量流量を制御する方法の重要な特徴は、角度をなして位置決めされたチャンネルの向き合った側壁の一部である揺動及び/又は摺動シフト可能なエレメントによって、質量流量の経路を変化することである。チャンネルの各壁には少なくとも一つの移動自在のエレメントが設けられている。これらの移動自在のエレメントは、互いに独立して平行移動即ちシフトする。これらのエレメントは、シフト時に平行を保持してもよいし平行でなくてもよい。移動自在のエレメントは、シフト後、角度をなして位置決めされたチャンネル内の質量流量を停止し、又は流れを別の受け入れデバイスに流し、又は多数の受け入れデバイスに同時に流し、移動自在のエレメントを前の位置にシフトした後、前の流れを回復できる。このような方法により、反対側の壁の移動自在のエレメントを側方に押すことによって、一方の側壁の移動自在のエレメントの圧力を吸収することにより、ロッド状物品の外層が劣化をすることを少なくできる。更に、質量流量を停止してもよく、又は別のレシーバに差し向けてもよく、又は多数のレシーバに同時に差し向けてもよい。
【0006】
本発明の対象は、更に、水平平面に関して角度をなして位置決めされたチャンネルを充填するロッド状物品の多層流の形態の質量流量を制御するためのデバイスの構造である。ロッド状物品の流れは重力によって生じ、又は強制的に生ぜしめられる。前記チャンネルは側壁を有し、これらの壁のうちの第1壁には移動自在の第1エレメントが設けられており、反対側の第2側壁には、チャンネルの第2側壁の一部を形成する移動自在の第2エレメントが配置されている。第1側壁の下部分は、側壁の平面と平行であり且つ第1側壁の上部分の直ぐ下に配置された枢軸に旋回取り付けされた移動自在の第1エレメントによって形成されていてもよい。枢軸には、移動自在の第1エレメントが、チャンネルの側壁に対して垂直なプレートとともに旋回取り付けされている。プレートには、反対側の第2側壁の一部を形成する移動自在の第2エレメントが取り付けられている。プレートに取り付けられたアクチュエータによって第2エレメントを往復動する。好ましくは、移動自在の第2エレメントは、チャンネルの第2側壁の狭幅部分の幅と対応する内側切欠きを持つ円筒体セクタ形状を有する。移動自在の第1エレメントの下の第1側壁の端部は、第1側壁の外側に配置された遮断エレメントを形成する。前記遮断エレメントは、好ましくは、移動自在の第1エレメントの長さと対応する半径を持つ円筒形ジャケットセクタの形状を有する。本発明によるデバイスの構造上の変形例では、第1側壁の下部分は、第1側壁の外方に摺動自在に取り付けられた、移動自在の第1エレメントによって形成されている。第1エレメントは、チャンネルの下部分の外側に形成された貯蔵部の内側で移動する。反対側の第2側壁の一部を形成する移動自在の第2エレメントは、第2エレメントを往復動するアクチュエータによって、側壁の平面と平行な枢軸に旋回取り付けされたプレートに取り付けられている。移動自在の第1エレメントは、スコッチヨーク機構によってプレートに連結されている。本発明によるデバイスの別の構造上の変形例では、第1側壁の下部分は、端部が枢軸及びに側壁の平面と平行に夫々旋回取り付けされた二つのプレート即ち上プレート及び下プレートを含む移動自在の第1エレメントを形成し、上プレートは、第1側壁の不動部分の端部に配置された枢軸に取り付けられており、下プレートは、チャンネルの端部に配置された枢軸に取り付けられており、移動自在の第2エレメントは、長側部が第2側壁と平行であり且つチャンネルの第2側壁の狭幅部分の幅と対応する内側切欠きを持つ三角柱形状を有し、長側部の反対側の頂点を移動自在の第1エレメントの上プレート及び下プレートの接触点の側に向けて、チャンネルの内側への方向に往復動する。本発明によるデバイスの構造上の別の変形例では、第1側壁の下部分は、側壁の平面と平行であり、第1側壁の上部分の直ぐ下に配置された枢軸に旋回取り付けされた移動自在の第1エレメントを形成し、第2側壁の下部分は、側壁の平面と平行であり、第2側壁の上部分の直ぐ下に配置された枢軸に旋回取り付けされた移動自在の第2エレメントを形成し、処分経路が移動自在のエレメントの下にチャンネルに対して斜めに配置されている。処分経路の下には、欠陥のあるロッド状物品用のコンテナが配置されている。移動自在のエレメントは、互いに平行でないように移動してもよいし平行に移動してもよい。本発明によるデバイスの構造上の更に別の変形例では、第1側壁の下部分は、側壁の平面と平行であり、第1側壁の上部分の直ぐ下に配置された枢軸に旋回取り付けされた移動自在の第1エレメントを形成し、第2側壁の下部分は、側壁の平面と平行であり、第2側壁の上部分の直ぐ下に配置された枢軸に旋回取り付けされた移動自在の第2エレメントを形成し、移動自在の第1エレメントの下の第1側壁には、第1側壁の外側に配置された遮断エレメントが設けられている。遮断エレメントは、円筒形ジャケットセクタの形状を備えていてもよい。好ましくは、移動自在のエレメントは平行に移動する。本発明による全ての構造上の変形例の利点は、水平コンベヤに対して角度をなして配置されたチャンネル内でのロッド状物品の質量流量を自由に制御できるということである。これには、物品の流れを様々なレシーバ又は一時的流れ停止装置に差し向ける工程が含まれ、ロッド状物品は、原理的には、移動自在のエレメントの作動中にチャンネルの側壁で劣化しない。
本発明の目的を添付図面の実施例に示す。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、揺動プレート形状のチャンネルの側壁を形成する移動自在のエレメント及び円筒体セクタを使用してロッド状物品の質量流量を制御するためのデバイスの斜視図である。
【図2】図2は、図1のデバイスの反対側の斜視図である。
【図3】図3は、流れ遮断位置の図1のデバイスの正面図である。
【図4】図4は、円筒形セクタ形状の移動自在のエレメントの中間位置戻し位置の図3のデバイスの図である。
【図5】図5は、円筒形セクタ形状の移動自在のエレメントの中間戻し位置の後の、流れを開放した図3のデバイスの図である。
【図6】図6は、摺動自在のプレートの形状の移動自在の第1エレメントを使用する、図1のデバイスの実施例の斜視図である。
【図7】図7は、図6のデバイスの反対側の斜視図である。
【図8】図8は、流れ遮断位置の図6のデバイスの正面図である。
【図9】図9は、移動自在のエレメントのプレートが開放流シフト位置にあり、円筒形セクタ形状の移動自在のエレメントが引っ込められた中間位置にある、図8のデバイスの図である。
【図10】図10は、開放流位置にあり、円筒形セクタ形状の移動自在のエレメントが別の中間位置まで引っ込められた、図8のデバイスの図である。
【図11】図11は、回転自在の二枚のプレートの形状の移動自在のエレメント及び摺動自在の三角柱を使用するデバイスの一実施例の開放流状態の斜視図である。
【図12】図12は、流れ遮断状態の図11のデバイスの正面図である。
【図13】図13は、揺動プレート形状の移動自在のエレメントを使用する変形例のデバイスの斜視図である。
【図14】図14は、質量流量を斜方経路に差し向けた場合の図13のデバイスの側面図である。
【図15】図15は、処分経路の下にコンテナを配置した、図14のデバイスの図である。
【図16】図16は、揺動プレート形状の移動自在のエレメント及び外側の遮断エレメントを使用するデバイスの開放流状態の斜視図である。
【図17】図17は、質量流量を遮断した図16のデバイスの図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
実施例I
第1側壁2及び第2側壁3を持つ垂直に位置決めされたチャンネル1内を水平コンベア4の方向に流れるロッド状物品の質量流量の制御するための図1乃至図5に示すデバイスは、第1側壁2の下部分を形成する移動自在の第1エレメント5を含む。第1エレメント5は、側壁2及び3の平面と平行な枢軸6に旋回取り付けされており、第1側壁2の直ぐ下にその平面内に配置されている。枢軸6には、プレート7が側壁2及び3に対して垂直に旋回取り付けされており、移動自在の第1エレメント5は、プレート7とともに回転する。移動自在の第1エレメント5の下の第1側壁2の端部には、遮断エレメント8が設けられている。遮断エレメント8は第1側壁2の外側に配置されており、移動自在の第1エレメント5の長さと対応する半径rの円筒形ジャケットセクタの形状を有する。プレート7に設けられたアクチュエータ9には、第2側壁3の一部を形成する移動自在の第2エレメント10が取り付けられている。アクチュエータ9により第2エレメント10を往復動する。移動自在の第2エレメント10は、第2側壁3の狭幅部分12の幅と対応する内側切欠き11を持つ円筒体の形状を有する。枢軸6の駆動装置13及びアクチュエータ9がプレート7の後側に設けられている。
【0009】
第1側壁2の一部が移動自在の第1エレメント5を形成し、第2側壁3の一部が狭幅部分12とともに移動自在の第2エレメント10を形成するチャンネル1内を流れるロッド状物品の質量流量を停止する必要がある場合には、枢軸6を中心としてプレート7をこれらのエレメント5及び10とともに回転する。回転は、移動自在の第2エレメント10の端部が遮断エレメント8の縁部のところに配置され、移動自在の第1エレメント5が遮断エレメント8の端部のところに配置されるまで行われる。回転中、移動自在の第2エレメント10の弦平面を移動自在の第1エレメント5の平面と平行な状態に保持する。このようにして流れを遮断し、移動自在のエレメント5及び10及び遮断エレメント8が形成する待避所即ちニッチにロッド状物品を置く。チャンネル1の流れを再開するとき、ロッド状物品が劣化しないようにするため、先ず最初にアクチュエータ9によって移動自在の第2エレメント10を引っ込め、狭幅部分12がチャンネル1の第2壁3を形成し、次いで、移動自在の第1エレメント5の平面が第1側壁2の平面と重なるまでプレート7を移動自在のエレメント5及び10とともに戻り方向に回転し、その後、アクチュエータ9により移動自在の第2エレメント10を元の位置に戻し、チャンネル1の第2側壁3の狭幅部分12の平面と重ねる。
【0010】
実施例II
図6乃至図10に示すロッド状物品の質量流量を制御するためのデバイスは、移動自在の第1エレメント5’がスコッチヨーク機構14’によって枢軸6’に連結されたプレートを構成することを除き、実施例1に説明したデバイスと同様のデバイスである。移動自在の第1エレメント5’は、第1側壁2’の上部分の外ベンド端16’及び移動自在の第1エレメント5’の下に配置された水平壁17’によって形成された貯蔵部15’の内側で往復動する。この他の全てのエレメントは、構造的にも機能的にも図1におけるのと同じであり、図において「’」を付した同じ参照番号が付してある。
【0011】
実施例III
第1側壁22及び第2側壁23を有し、チャンネル21内を水平コンベヤ24の方向に流れるロッド状物品の質量流量を制御するための図11及び図12に示すデバイスは、第1側壁22の下部分を形成する移動自在の第1エレメント25を含む。第1エレメント25は上プレート25’及び下プレート25’’を含み、上プレート25’の上端が枢軸26’に旋回取り付けされている。枢軸26’は側壁22及び23の平面と平行であり、第1側壁22の直ぐ下にその平面内に配置されている。下プレート25’’は、チャンネル21の端部に配置された枢軸26’’に取り付けられている。デバイスは、第2側壁23の一部を形成する移動自在の第2エレメント30に連結されている。エレメント30は三角柱形状を有し、その長側部30’が第2側壁23と平行であり、頂点30’’が長側部30’の反対側にあり、移動自在の第1エレメント25の上プレート25’及び下プレート25’’の接触点に差し向けられている。移動自在の第2エレメント30は、第2側壁23の狭幅部分32の幅と対応する内側切欠き31を有する。
【0012】
質量流量を停止する必要がある場合には、アクチュエータ29によって駆動される移動自在の第2エレメント30の頂点30が、ロッド状物品で充填されたチャンネル21の領域に進入し、ここで、エレメント30の圧力を吸収するため、駆動装置33が上プレート25’及び下プレート25’’を側方に押し、エレメント30と向き合った暫定的小貯蔵部を形状する。エレメント30は、流れを中断するためにチャンネル21を完全に遮断する必要がない。これは、頂点30’’の作動領域で圧力が上昇するためにロッド状物品が停止するためである。エレメント30を引っ込めることにより流れを回復し、上プレート25’及び下プレート25’’を、これらのプレートが第1側壁22と同一平面内に位置決めされるまで同時に回転する。
【0013】
実施例IV
チャンネル41内の質量流量を制御するための図13、図14、及び図15に示すデバイスは、第1側壁42及び第2側壁43を有し、ロッド状物品が水平コンベヤ44の方向に流れる。このデバイスは、側壁42の一部を形成する移動自在の第1エレメント45を含む。移動自在の第1エレメント45は、側壁42及び43の平面と平行であり且つその平面内で第1側壁42の上部分の直ぐ下に配置された枢軸46に旋回取り付けされている。移動自在の第1エレメント45の下には、第1側壁42の下部分の外側に処分経路58が設けられている。処分経路58は、チャンネル41に対して斜めに配置されており、その出口が追加の水平コンベヤ44’の上方に配置されている。別の態様では、コンベヤ44’の代りに、欠陥のあるロッド状物品用のコンテナ44’’が配置されていてもよい(図15参照)。第2側壁43の上部分の下には、第2側壁43の一部を形成する移動自在の第2エレメント50が枢軸46’に旋回取り付けされている。枢軸46は、側壁42及び43の平面と平行であり、その平面内で第2側壁43の上部分の直ぐ下に配置されている。枢軸46及び46’’は駆動装置53に連結されている。
【0014】
流れを別のレシーバに差し向ける必要がある場合には、駆動装置53によって枢軸46及び46’を中心として回転することによって移動自在のエレメント45及び50を平行移動し、ロッド状物品用を処分経路58のスロートの上方に及び追加のコンベア44’又はコンテナ44’’に差し向ける。移動自在のエレメント45及び50は、平行でない態様で移動することもでき、これによりコンベア44及び44’に同時に質量流量を供給してもよい。
【0015】
実施例V
第1側壁62及び第2側壁63を有し、ロッド状物品が重力によってチャンネル61を下方に流れるチャンネル61内の質量流量を制御するための図16及び図17に示すデバイスは、側壁62の一部を形成する移動自在の第1エレメント65を含む。移動自在のエレメント65は、枢軸66に旋回取り付けされている。枢軸66は、側壁62及び63の平面と平行であり、その平面内で第1側壁62の上部分の直ぐ下に配置されている。移動自在の第1エレメント65の下には、円筒形ジャケットセクタの形状の遮断エレメント68が設けられている。第2側壁63の上部分の下には、第2側壁63の一部を形成する移動自在の第2エレメント70が枢軸66’に旋回取り付けされている。枢軸66’は側壁62及び63の平面と平行であり、その平面内で第2側壁63の上部分の直ぐ下に配置されている。枢軸66及び66’は駆動装置73に連結されている。
【0016】
流れを遮断する必要がある場合には、駆動装置73によって枢軸66及び66’を中心として回転することによって移動自在のエレメント65及び70を平行に移動する。この移動は、移動自在の第1エレメント65の端部が遮断エレメント68の端部のところに配置され、移動自在の第2エレメント70の端部が遮断エレメント68の縁部のところに配置されるまで行われる。移動自在のエレメント65及び70を初期位置まで引っ込めることにより、チャンネル61内の質量流量を回復する。
【符号の説明】
【0017】
2 第1側壁
3 第2側壁
4 水平コンベヤ
5 移動自在の第1エレメント
6 枢軸
7 プレート
8 遮断エレメント
9 アクチュエータ
10 移動自在の第2エレメント
11 内側切欠き
12 狭幅部分
13 駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平平面に対して角度をなして位置決めされた、ロッド状物品が重力により流れ、又は強制的に流されるチャンネルを充填するロッド状物品の多層流の形態の質量流量を制御する方法において、
各壁に少なくとも一つの移動自在のエレメントが設けられた前記角度をなして位置決めされたチャンネルの向き合った側壁の一部である揺動及び/又は摺動シフト可能に移動自在のエレメントによって質量流量の前記経路を変化する、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、互いに独立してシフトされる、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、互いに対して平行な状態を維持しながらシフトされる、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、互いに対して平行でない状態でシフトされる、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、シフト後、前記角度をなして位置決めされたチャンネル内の前記質量流量を停止し、前記移動自在のエレメントを前の位置までシフトすることによって前の流れを回復できる、ことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、シフト後、前記質量流量を別の受け入れデバイスに差し向け、前記移動自在のエレメントを前の位置までシフトすることによって前の流れを回復できる、ことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の方法において、
前記移動自在のエレメントは、シフト後、前記質量流量を多数の受け入れデバイスに差し向け、前記移動自在のエレメントを前の位置までシフトすることによって前の流れを回復できる、ことを特徴とする方法。
【請求項8】
水平平面に対して角度をなして位置決めされたチャンネルを充填するロッド状物品の多層流の形態の質量流量を制御するためのデバイスであって、前記ロッド状物品の流れは、重力によって、又は強制的に発生し、前記チャンネルは、側壁を有し、これらの側壁のうちの第1側壁には移動自在の第1エレメントが設けられている、デバイスにおいて、
反対側の第2側壁(3)には、前記チャンネル(1)の前記第2側壁(3)の一部を形成する移動自在の第2エレメント(10)が配置されている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記第1側壁(2)の下部分は、前記側壁(2、3)の平面と平行な枢軸(6)に旋回取り付けされた前記移動自在の第1エレメント(5)を構成し、前記枢軸(6)は、前記第1側壁(2)の上部分の直ぐ下に配置されており、前記枢軸(6)には、プレート(7)が、前記チャンネル(1)の前記側壁(2、3)に対して垂直に永久的に及び前記移動自在の第1エレメント(5)とともに旋回取り付けされており、前記プレート(7)には、反対側の第2側壁(3)の一部を形成する移動自在の第2エレメント(10)が、前記プレート(7)に取り付けられた、前記第2エレメント(10)を往復動するアクチュエータ(9)によって取り付けられている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項9に記載のデバイスにおいて、
前記移動自在の第2エレメント(10)は、前記チャンネル(1)の前記第2側壁(3)の狭幅部分(12)の幅と対応する内側切欠き(11)を持つ円筒形セクタ形状を有する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のデバイスにおいて、
前記移動自在の第1エレメント(5)の下の前記第1側壁(2)の端部は、前記第1側壁(2)の外側に配置された遮断エレメント(8)を形成する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスにおいて、
前記遮断エレメント(8)は、前記移動自在の第1エレメント(5)の長さと対応する半径(r)の円筒形ジャケットセクタの形状を有する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記第1側壁(2’)の下部分は、前記第1側壁(2’)の外側に摺動自在に取り付けられた移動自在の第1エレメント(5’)を形成し、前記移動自在の第1エレメント(5’)は、前記チャンネル(1’)の下部分の外側に形成された貯蔵部(15’)内を移動し、前記移動自在の第2エレメント(10’)は反対側の第2側壁(3’)の一部を形成し、前記移動自在の第2エレメント(10’)は、前記第2エレメント(10’)を往復動するアクチュエータ(9’)によって、前記側壁(2’、3’)の前記平面と平行な枢軸(6’)に旋回取り付けされたプレート(7’)に取り付けられている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスにおいて、
前記移動自在の第1エレメント(5’)は、スコッチヨーク機構(14’)によって前記プレート(7’)に連結されている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記第1側壁(22)の前記下部分は、端部が枢軸(26’)及び(26’’)に側壁(22、23)の平面と平行に夫々旋回取り付けされた二つのプレート即ち上プレート(25’)及び下プレート(25’’)を含む移動自在の第1エレメント(25)を形成し、前記上プレート(25’)は、前記第1側壁(22)の不動部分の端部に配置された前記枢軸(26’)に取り付けられており、前記下プレート(25’’)は、前記チャンネル(21)の端部に配置された前記枢軸(26’’)に取り付けられており、前記移動自在の第2エレメント(30)は、長側部(30’)が前記第2側壁(23)と平行であり且つ前記チャンネル(21)の前記第2側壁(23)の狭幅部分(32)の幅と対応する内側切欠き(31)を持つ三角柱形状を有し、前記長側部(30’)の反対側の頂点(30’’)を前記移動自在の第1エレメント(25)の前記上プレート(25’)及び前記下プレート(25’’)の接触点に向けて、前記チャンネル(21)の内側への方向に往復動する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記第1側壁(42)の前記下部分は、前記側壁(42、43)の平面と平行であり、前記第1側壁(42)の前記上部分の直ぐ下に配置された枢軸(46)に旋回取り付けされた前記移動自在の第1エレメント(45)を形成し、前記第2側壁(43)の前記下部分は、前記側壁(42、43)の平面と平行であり、前記第2側壁(43)の前記上部分の直ぐ下に配置された枢軸(46’)に旋回取り付けされた前記移動自在の第2エレメント(50)を形成し、処分経路(58)が前記移動自在のエレメント(45、50)の下に前記チャンネル(41)に対して斜めに配置されている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載のデバイスにおいて、
前記処分経路(58)の下には、欠陥のあるロッド状物品用のコンテナ(44’’)が配置されている、ことを特徴とするデバイス。
【請求項18】
請求項16又は17に記載のデバイスにおいて、
前記移動自在のエレメント(45、50)は、平行でないように移動する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項19】
請求項16又は17に記載のデバイスにおいて、
前記移動自在のエレメント(45、50)は、平行に移動する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項20】
請求項8に記載のデバイスにおいて、
前記第1側壁(62)の前記下部分は、前記側壁(62、63)の平面と平行であり、前記第1側壁(62)の前記上部分の直ぐ下に配置された枢軸(66)に旋回取り付けされた移動自在の第1エレメント(65)を形成し、前記第2側壁(63)の前記下部分は、前記側壁(62、63)の平面と平行であり、前記第2側壁(63)の前記上部分の直ぐ下に配置された枢軸(66’)に旋回取り付けされた前記移動自在の第2エレメント(70)を形成し、前記移動自在の第1エレメント(65)の下の前記第1側壁(62)には、前記第1側壁(62)の外側に配置された遮断エレメント(68)が設けられ、前記移動自在のエレメント(65、70)は平行に移動する、ことを特徴とするデバイス。
【請求項21】
請求項19に記載のデバイスにおいて、
前記遮断エレメント(68)は円筒形ジャケットセクタの形状を有する、ことを特徴とするデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2013−519608(P2013−519608A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552832(P2012−552832)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【国際出願番号】PCT/PL2011/000012
【国際公開番号】WO2011/099880
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(510298012)インターナショナル タバコ マシーネリー ポーランド エスピー. ゼット オー.オー. (8)
【Fターム(参考)】