超ワイドバンド信号を時間的位置において安定化する方法及びこれを実施する生存物監視レーダー
本発明は、捜索及び救出作業に係り、瓦礫の積極的測量に使用できる。本発明は、探索作業に影響を及ぼす温度やオペレータの手の動きや震えに関連した干渉保護を改善できるようにする。本発明の方法は、基準信号に基づいて超帯域巾信号(UBW)を形成し、このように形成されたUBW信号を空間へ放出し、UBW信号を受信し、UBW信号を、基準UBW信号との相関により処理し、受信したUBW信号を処理する間に、基準UBW信号を、前記相関された信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイントの初期位置をセットする時間だけ、遅延させ、前記チェックポイントの位置を周期的に監視し、そしてチェックポイントの位置が初期位置からずれているときには、前記整形された超ワイドバンド信号の空間への送信の遅延を変更して、チェックポイントの位置をリセットすることで構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、捜索及び救出部門の活動に係り、生存者の存在を生命サイン、即ち呼吸、心鼓動、動きで客観的に決定すると共に、例えば、脈拍数及び呼吸の遠隔測定のような医療の目的で、非常時又は自然災害の結果として生じる瓦礫の積極的探査に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
人間の脈拍数又は呼吸に対応する無線信号変調成分を分離するための補償チャンネルを使用すると共に無線波干渉計の動作原理を使用した種々の装置が知られている(RU、A、2159942号)。
【0003】
又、マイクロ波レーダーも知られており、このレーダーは、変調器及び送信器を備え、送信器は、発振器、電力分割器、送信アンテナで構成され、これらは全て信号入力と信号出力との間に直列に接続され、このレーダーは、変調された無線信号を送信できるように構成され、更に、受信アンテナ、UHF受信器、前置増幅器/復調器、信号処理ユニットで構成された受信器も備え、これらは全て信号出力と信号入力との間に直列に接続され、この受信器は、生存者の脈拍数及び/又は呼吸の成分により変調された反射無線信号を受信して、その成分を前置増幅器/復調器の出力において分離できるように構成され、又、電力分割器の第2の信号出力は、UHF受信器の制御出力に接続され、変調器の第1制御出力は、送信器に接続され、そして変調器の第2及び第3出力は、前置増幅器/復調器の第1及び第2制御入力に接続される(US、A、4958638号)。
【0004】
前記技術的解決策は、それらの動作に対する種々の不安定化ファクタ、即ち温度、オペレータの手の動きや震えによるレーダー位置の不安定さ、生存者の位置の不安定さ即ち動きの影響による干渉裕度が低いという制約がある。
【0005】
テクトロニクスや、ヒューレットパッカードが、信号パラメータを測定するためのストロボ式オシログラフの製造を開始した後に、1960年代に超ワイドバンド(UWB)信号を使用した装置が広く使用されるようになった。これらのストロボ式オシログラフは、探査信号の周期的繰り返し特性を使用して、その形状を連続的に回復するものであった。超ワイドバンド信号のソースと組み合せたときには(ピコ秒巾の電圧降下が通常使用される)、このようなストロボ式オシログラフは、パルス反射計と称されている。時間ドメイン反射測定(TDR)の方法は、波抵抗、即ち分布した経路の不規則性を調査するだけでなく、誘電体材料の特性を評価し、土壌の湿度を決定し、半導体デバイスでの測定を行うためにも、広く普及した。この方法は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)のようなデジタル信号処理のアルゴリズムを使用するが、チェーン信号分析器により測定されるものと同様に、対象物の周波数特性が得られるような、より広い範囲の時間ドメイン測定へと徐々に変化した。
【0006】
超ワイドバンド(UWB)信号は、通常、信号スペクトルの高い周波数をfHとし、低い周波数をfLとすれば、相対的周波数帯域Δf=2(fH−fL)/(fH+fL)が0.25より大きい範囲であるような信号として理解される。この定義は、唯一のものではなく、例えば、ある部門における「超ワイドバンド信号」という語は、一定の物理的スペクトル巾(一般に、500MHz以上の)も仮定しており、他の部門では、このようなスペクトルがゼロ周波数付近に位置すると考えられ、それ故、これらの定義は、かなり条件付きとなる。しかし、最近では、この用語が広く使用されている。というのは、UWB信号を無線技術で処理する方法がある程度一般化し、最近数年間に著しく開発されたためである。この用語は、ナノ秒及びピコ秒巾の電磁信号を使用する種々のシステム、時間ドメイン通信及び測定のシステム、時間ドメイン反射計、巾が数ナノ秒以下の無線パルスを伴うレーダーを網羅する。
【0007】
ロシアにおいてナノ秒パルス装置の形成に関する情報は、Morugin L. A.、 Glebovich G. V.,“Nanosecond pulse equipment”,Sov. Radio、1964年、及びRyabinin Yu. A.,“Stroboscopic oscillography”,M., Sov. Radio、1973年のような文献に見ることができる。ピコ秒装置の用途で得られる結果に関する研究が、G. V. Glebovich、A. V. Andriyanov氏等の書籍、“Studying objects with picosecond pulses”,Radio I Svyaz、1984年において検討されている。
【0008】
UWB信号を探索に使用するときには、UHFレーダーの場合と同じ制約を受ける。これらの制約は、主として、信号の時間的位置の温度に伴う低速ドリフト、及びレーダー又は探査対称物の位置の短時間変化に関連したものである。しかしながら、時間ドメイン位置、即ち位相及び周波数を安定化するために無線信号を使用するときには、位相固定ループ周波数制御が広く使用されるが、これは、短い巾のパルスで動作するときにUWB信号の範囲内で使用することが非常に困難である。それでも、UWB信号位置の安定化は、必要であり且つ非常に重要である。というのは、探査信号ソースからの信号の遅延が、レーダー位置の温度変化と共に変化するからである。所与の距離で信号を読み取るためには、UWB信号の時間ドメイン位置の長期間安定性が要求される。しかし、電子回路では、キャリアの寿命が温度に依存し、信号の時間遅延が200−500ピコ秒までの量だけ変化することがある。巾が1ナノ秒未満の探査信号を使用するときには、固定信号振幅の遅延を最大からゼロ値まで変化させる。現在まで、UWB信号の時間ドメイン位置を安定化する方法は知られていない。
【0009】
ここに請求する技術的解決策に最も近いものは、人々を監視するための超ワイドバンドレーダーであり、その特許をMcEwanが取得している(US、A、5361070号)。
【0010】
前記レーダーは、マスター発振器、ランダマイザー、基準及び同調遅延のユニット、2つのアンテナ、超ワイドバンド(UWB)信号の発振器、信号検出器を備えている。人々を見つけて監視するために、送信アンテナがUWBパルス信号を送信し、人間から反射された信号が受信アンテナの使用で受信される。基準及び同調遅延は、信号が登録されたレンジに基づいてあるエリアを分離するためにのみ使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この既知の技術の解決策は、レーダーがいかなる距離でも人々を捜索できるというものではなく、且つ信号パラメータを測定するときに、不安定化ファクタ、例えば、温度や、見つかった対象物及びレーダー自身の両方の位置の不安定さにより生じる影響を受けるために、生存する人々を監視する能力に制約がある。前記ファクタが変化したときは、信号遅延、ひいては、登録された電圧の振幅も変化する。前記ファクタのために、この既知のレーダーは、所定の距離において生存物を見つけるのに使用することしかできない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここに請求する本発明の目的は、UWB信号処理のクオリティを改善することである。
本発明の方法を実施したときに達成できる技術的結果は、超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置の長期間安定性を改善すると共に、温度ドリフトや、例えば、送信装置の振動又は対象物位置の移動で生じる送信ポイント位置及び探査対象物位置の不安定さからの信号の時間的安定さの独立性を改善することである。
【0013】
本発明の装置を形成するときに達成できる技術的結果は、超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置の長期間安定性を改善し、不安定化ファクタ、例えば、温度ドリフトや、生存物及びレーダー自体の両方の位置的不安定さを排除し、且つ生存物までの距離を決定する精度を改善することである。
【0014】
上述した目的は、本発明の方法が、
− 超ワイドバンド信号を基準信号に基づいて整形するステップと、
− 整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するステップと、
− 超ワイドバンド信号を受信するステップと、
− 受信した超ワイドバンド信号を、基準の超ワイドバンド信号との相関により処理するステップと、
− 受信した超ワイドバンド信号を処理するときに、前記相関された信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイントの初期位置をセットするのに必要な時間、超ワイドバンド信号を遅延するステップと、
− その制御ポイントの位置を規則的にチェックし、チェックポイントの位置が初期位置からずれている場合には、前記整形された超ワイドバンド信号の空間への送信の遅延を変更して、チェックポイントの位置が初期位置へ戻るようにするステップと、
を備えたことにより達成される。
【0015】
次のことが好都合である前記方法の付加的な変形態様が考えられる。
− チェックポイントの初期位置は、発生した超ワイドバンド信号を、対象物からその後の超ワイドバンド信号が受け取られる空間エリアへ直接送信することにより、対象物からその後の超ワイドバンド信号を受け取る前に、セットされねばならず、
− チェックポイントの初期位置は、動かない対象物から超ワイドバンド信号を受け取る間にセットされねばならず、
− チェックポイントの位置として、前記相関信号のセクタにおいて最大勾配を有するポイントの位置が選択され、基準相関電圧のUCO値がそのポイントにおいて測定され、更に、相関電圧のUC現在値が基準相関電圧のUCO値と相違するようになったときには、前記整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信する遅延を、相関電圧のUC現在値に関して変化させ、チェックポイントにおける相関信号の負の勾配においては、UC>UCOのときに遅延を減少し、UC<UCOのときに遅延を増加し、或いはチェックポイントにおける相関信号の正の勾配においては、UC>UCOのときに遅延を増加し、UC<UCOのときに遅延を減少し、
− 安定化パラメータeがセットされ、これは、チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるという条件で選択され、
− 超ワイドバンド信号として、パルスバーストが使用され、各パルスは、その形状が調波発振の1周期に対応するものであり、
− 超ワイドバンド信号として、擬似ランダムシーケンスのパルスバーストが使用される。
【0016】
上述した技術的結果を達成すると共に設定タスクを解消するために、生存物を監視するためのレーダーは、クロックパルスジェネレータと、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータと、第1の調整可能な遅延ユニットと、制御可能とされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器と、送信アンテナとを備え、これらは直列に接続され、更に、第2の調整可能な遅延ユニットと、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器と、ミクサと、増幅器と、受信アンテナとを備え、第2の調整可能な遅延ユニットの入力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの出力に接続され、そしてその出力は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の入力に接続され、その出力は、ミクサの第1入力に接続され、受信アンテナは、増幅器の入力に接続され、その出力は、ミクサの第2入力に接続され、更に、可変増幅器と、バンドパスフィルタと、アナログ/デジタルコンバータとを備え、これらは直列に接続され、可変増幅器の入力は、ミクサの出力に接続され、更に、処理ユニット及びコンデンサーを備え、コンデンサーの1つの接続ピンは、ミクサの出力に接続され、そして他の接続ピンは、本体に接続され、処理ユニットのクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータの出力に接続され、そしてその駆動入力は、アナログ/デジタルコンバータの出力に接続され、処理ユニットは、5つの駆動出力で構成され、処理ユニットの第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、可変増幅器の駆動入力に接続され、そしてその第5の駆動出力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの駆動入力に接続され、処理ユニットは、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成され、処理ユニットは、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、コンデンサーにおいて相関信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置を変更するときに第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延を変更できるように構成され、更に、処理ユニットは、生存物までの距離を決定するために第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、生存物までの距離が増加したときに、受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、可変増幅器の増幅ファクタの変更を保証するように構成される。
【0017】
本発明の前記効果及び特定の特徴は、添付図面を参照し、好ましい実施形態において詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の方法は、レーダーを動作することにより実現されるので、ブロック図(図1)に含まれた機能的要素について最初に説明する。
【0019】
生存物を監視するためのレーダーは、クロックパルスジェネレータ1と、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2(PRS)と、第1の調整可能な遅延ユニット3と、制御可能にされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4と、送信アンテナ5とを備え、これらは、直列に接続されている。又、レーダーは、第2の調整可能な遅延ユニット6と、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器7と、ミクサ8と、増幅器9と、受信アンテナ10と、可変増幅器11と、バンドパスフィルタ12と、アナログ/デジタルコンバータ13と、処理ユニット14と、コンデンサー15とを有する。第2の調整可能な遅延ユニット6の入力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2の出力に接続され、そしてその出力は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器7の入力に接続される。第2の整形器7の出力は、ミクサ8の第1入力に接続される。受信アンテナ10は、増幅器9の入力に接続され、その出力は、ミクサ8の第2入力に接続される。
【0020】
可変増幅器11と、バンドパスフィルタ12と、アナログ/デジタルコンバータ13は、直列に接続される。可変増幅器11の入力は、ミクサ8の出力に接続される。
【0021】
コンデンサー15の1つの接続ピンは、ミクサ8の出力に接続され、そしてコンデンサー15の他の接続ピンは、本体に接続される。処理ユニット14のクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータ1の出力に接続され、そしてその駆動入力は、アナログ/デジタルコンバータ13の出力に接続される。
【0022】
処理ユニット14は、5つの駆動出力で構成される。処理ユニット14の第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、第1の調整可能な遅延ユニット3の駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、可変増幅器11の駆動入力に接続される。処理ユニット14の第5の駆動出力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2の駆動入力に接続される。
【0023】
ユニット14は、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成される。ユニット14は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成される。
【0024】
処理ユニット14は、受信アンテナ10により受信された超ワイドバンド信号の電圧の振幅特性の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に基づいて遅延の変更を保証し、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置を変更するときに第1の調整可能な遅延ユニット3の駆動入力に基づいて遅延を変更するように構成される。更に、ユニット14は、生存物までの距離を決定するために第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に基づいて遅延の変更を保証する。更に、ユニット14は、生存物までの距離が増加したときに、受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、可変増幅器11の増幅ファクタの変更を保証するように構成される。
【0025】
超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置を安定化する本発明の方法は、PSRジェネレータ2(図1)により送信された基準信号に基づいて超ワイドバンド信号パルスを第1の整形器4により整形することを含む。発生された超ワイドバンド(UWB)信号は、送信アンテナ10を通して空間へ送信される。受信されたUWB信号を、ミクサ8において、UWB信号パルスの第2整形器7により発生された基準超ワイドバンド信号と混合(乗算)することにより、相関信号を得る。受信したUWB信号を処理するときには、第2のUWB信号整形器7により発生される基準超ワイドバンド信号は、相関信号の中間セクタにおいてミクサ8の後のコンデンサー15でUCOチェックポイントの初期位置をセットする時間だけ遅延される(中間セクタは、相関信号の振幅特性の中間、即ち相関信号の最大電圧と最小電圧との間、又は最大勾配により特徴付けられる相関信号のポイント、に位置するセクタとして理解される)。そのUCOチェックポイントの位置は、対象物から反射されるその後のUWB信号の受信と受信との間に規則的に制御され、このような受信において対象物までの距離が決定される。対象物から反射されるその後のUWB信号を受信するときに、UCOチェックポイント位置が初期位置からシフトした場合には(図2b、c)、第1の調整可能な遅延線2を使用することにより、第1の整形器4により発生される超ワイドバンド信号送信の遅延が変更され、UCOチェックポイントの位置を初期位置(図2a)へ戻させる。
【0026】
UCOチェックポイントの初期位置は、異なる方法でチェックすることができる。例えば、これは、対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受信する前に、第1の整形器4により発生されるUWB信号パルスを送信アンテナ5により空間フィールド(ここでは、受信アンテナ10が対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受信する)へ直接送信することにより、セットすることができる。これは、送信アンテナ5から受信アンテナ10への直接パスのシーケンスが使用されることを意味する。このような場合に、安定化の間に、例えば、大きな勾配を有する振幅特性セクタにおけるUCOチェックポイントの相関信号値が記憶される。将来、この値は、周期的にチェックされ、エラーの程度に基づいて、第1の調整可能な遅延ユニット3の遅延値が変更される。前記安定化は、対象物からのUWB信号の受信と受信との間のインターバルで自動的に行われ、このインターバルは、送信アンテナ5により空間中へ送信される超ワイドバンド信号の遅延の温度ドリフトを排除するように設計者によりセットされる。
【0027】
変形例として、安定化のための基準信号は、走査モードにおいて、マーカーを使用して信号の安定化チェックポイントを指示することにより選択されてもよい。周期的に、例えば、距離走査周期中に一度、選択されたUCOチェックポイントにおいて信号の値が読み取られる。
【0028】
更に、UCOチェックポイントの初期位置は、動かない(死んだ)対象物から反射される超ワイドバンド信号を受信するときにセットされてもよい。このような場合に、本発明の方法は、例えば、オペレータの手の震えにより生じるレーダーの僅かな動きを排除することができる。この安定化は、生存物からのUWB信号の受信と受信との間のインターバルで自動的に行われてもよい。安定化は、UWB信号(巾の短いパルス)で機能するときに特に重要である。巾が100ピコ秒のパルスについては、時間的遅延安定化エラーが1ピコ秒以上でなければならない。
【0029】
UCOチェックポイント位置として、最大の勾配を有する相関信号のUC電圧振幅特性上のポイントの位置を選択するのが賢明である(図2a)。このポイントにおける基準電圧のUCO値が測定され、対象物から反射されたその後の超ワイドバンド信号の電圧の現在UC値が、基準電圧のUCO値から異なる場合に(図2b、c)、発生された超ワイドバンドの空間への送信における第1の調整可能な遅延線3の遅延が、その電圧のUC現在値に関して変更され、チェックポイントにおける信号の負の勾配において、UC>UCOのときは、第1の調整可能な遅延線3の遅延が減少され、そしてUC<UCOのときは、その遅延が増加される。チェックポイントにおける信号の勾配が正であれば、遅延を変更する法則が逆でもよい。従って、遅延の増加又は減少は、基準電圧を読み取るために選択されたチェックポイントにおける勾配の符合により決定される。従って、電圧の現在UC値と基準UCO値との間の差は、処理ユニット14により感知され、そして第1の調整可能な遅延線3の遅延時間を調整するのに使用される。
【0030】
更に、本発明の方法は、チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるときの条件で選択される安定化パラメータeをセットすることができる。例えば、適当な値は、3倍の二乗平均(tripled root-mean-square)ノイズ値である。
【0031】
原理的に、この方法は、異なる形状の超ワイドバンド信号及び絶対的に異なるシーケンスのUWB信号パルスと共に作用できることが重要である。より詳細には、以下に述べるように、超ワイドバンド信号として、1周期の調波発振の形状を各々有するパルスバーストを使用することができる。
【0032】
超ワイドバンド信号として、パルス間に等しい時間周期をもつ一連のパルス、及び擬似ランダムシーケンスのパルスバーストを使用することができる。
【0033】
レーダー(図1)は、次のように機能する。
クロックパルスジェネレータ1は、パルス状PRSジェネレータ2をアクチベートするクロックパルスの周期的シーケンス(図3a)を発生する。パルス状PRSジェネレータ2において、クロックパルスジェネレータ1により発生されたパルスから周期的時間擬似ランダムシーケンスTPRSが発生され(図3b)、これは、更に、第1及び第2の調整可能な遅延線3及び6に各々送り込まれる。パルス状PRSジェネレータ2で形成されたパルスは、そのシーケンスインターバルが一定の設定法則に基づいて変更される。第1の調整可能な遅延線3の出力からの信号は、送信アンテナ5に接続された第1の超ワイドバンド信号(探査信号)パルス整形器4をアクチベートする。第2の調整可能な遅延ユニット6の出力からの信号は、第2のUWB信号パルス整形器7へ送り込まれ、これは、ミクサ8のためのヘテロダイン信号を形成する。
【0034】
受信器の中間周波数を形成できるよう保証するために、第1整形器4は、パルスバーストを形成するモードで作用する。PRSのある周期に、第1整形器4がスイッチオンされ、そして次の周期に、それがスイッチオフされる(図4a)−UPS1信号。このモードを保証するために、第1整形器4の駆動(インターロック)入力が、処理ユニット14の第1駆動出力に接続される。第2のUWB信号パルス整形器7からミクサ8への信号は、インターバルをとらずに送り込まれる(図4b)−UPS2信号。
【0035】
対象物から反射されたパルスシーケンスは、受信アンテナ10で受信され、増幅器9へそして更にミクサ8へ送り込まれる。ミクサ8では、対象物から反射された信号と、第2のUWB信号パルス整形器7の出力からのヘテロダイン信号とが一緒に乗算される。ミクサ8の出力から、混合の結果として得られた信号が、コンデンサー15に形成された積分器へ送り込まれる。離れた対象物から反射された信号の遅延と、ヘテロダイン信号の遅延が一致する場合には、周期的波形の形状をもつ相関信号であって、その振幅が反射信号の振幅に比例し且つその周期がPRSシーケンスの繰返し周期の2倍に対応するような相関信号がコンデンサー15に発生される(図4c)−UC信号。
【0036】
コンデンサー15により積分された後に、パルスは、増幅器11において可変増幅ファクタで増幅される。可変増幅器11の増幅ファクタは、処理ユニット14の第4駆動出力に基づいてセットされ、これは、可変増幅器11の駆動入力に接続され、従って、反射物までの距離の増加により生じる信号の減衰を走査して補償する開始と終了で異なる増幅を与えることができる。ミクサ8の出力にあるキャパシタ15では、PRS巾に対応する時間中に信号が累積される。可変増幅器11の出力には、バンドパスフィルタ12が接続され、これは、第1の中間周波数を選択する。この第1の中間周波数は、第1のUWB信号パルス整形器4へ送り込まれるパルスバーストの巾で決定される。この信号は、アナログ/デジタルコンバータ13においてアナログ信号からデジタル信号へ変換され、更に、処理ユニット14の駆動入力(デジタルデータの入力)へ送り込まれ、処理ユニットは、受け取った信号をゼロの中間周波数に変換すると共に、反射信号の振幅を分離して、生存物の呼吸又は脈拍数に対応するそれらの成分を分析する。
【0037】
第1のUWB信号パルス整形器4は、PRSジェネレータ2の駆動パルスから探査信号を発生する。探査信号の1つのパルスとして、1周期の調波発振(図5a)の形状をもつパルスをレーダーに使用するのが好ましい。このような形状をもつ信号の使用は、送信アンテナ15によりこれを効率的に送信できるようにする。パルススペクトルの中心周波数f0、及びその信号により得られる効率的な周波数範囲ΔFは、1/T0に等しい(図5b)。ガウスのパルスの形態のパルス信号と比較すると、この信号は、著しく低いレベルのスペクトル成分を低い周波数に含み、それ故、送信及び受信時に、各々、送信アンテナ5及び受信アンテナ10に良好に相関させることができる。
【0038】
1周期の調波発振の形状を有するパルスを発生するためにジェネレータ2からのPRS駆動パルスシーケンスが第1整形器4に及ぼす作用の結果として、送信アンテナ5により送信される信号の形状は、図6に示すものに対応する。第2整形器7の出力におけるパルス形状は、その形状については、第1整形器4の出力におけるパルスに一致する。
【0039】
反射する生存物の位置までの距離を決定するために、レンジ走査が実行される。このモードでは、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値が、距離の各座標に対して次々に変更される(図1)。PRS巾に等しい時間に対して、コンデンサー15に電圧が蓄積される。この電圧は、可変増幅器11により増幅され、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)13によりデジタル形態で読み取られ、そして処理ユニット14のメモリに記憶される。次いで、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値が変更され、新たな電圧値が読み取られる。反射する生存物が距離座標Lに存在し、そして光の速度をcとすれば、第2の調整可能な遅延ユニット6の出力におけるシーケンスが時間2L/cだけ遅延される場合には、コンデンサー15において、反射する生存物の振幅に比例する電圧が分離される。第2の整形器7からミクサ8へ送り込まれた基準UPS2に対して受信したシーケンスU0がシフトすると、図7a、b、cに示されたものに基づいてコンデンサー15の電圧が変化する。第2の調整可能な遅延ユニット6の信号遅延が探査信号T0の巾に等しいときに、コンデンサー15から取り出されるUCパルス巾、及び信号形状は、反射信号及びヘテロダイン信号の相関関数に対応する。多数の反射する生存物が存在する場合には、それらの各々の応答は、信号がその生存物へ進んで戻る時間に等しい遅延τで観察されることになる。生存物のパラメータを決定するときには、ヘテロダイン信号UPS2の遅延τは、受信信号の最大値を保証するポイントに固定され、そしてユニット14は、振幅の変化により、呼吸及び心鼓動のパラメータを決定する。
【0040】
ユニット14は、呼吸及び心鼓動のパラメータを次のように測定する。第1の調整可能な遅延ユニット3の使用で送信される超ワイドバンド信号の遅延を安定化するための動作を終了した後に、第2の調整可能な遅延ユニット6により、信号遅延を、調査距離の選択されたレンジ及び距離に対する必要な離散性により決定された設定ステップで、ある初期値から最終値まで連続的に変更することにより、コンデンサー15における電圧のN個のサンプル捕獲が、各遅延に対して次々に、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットに記憶される。処理ユニット14に含まれるマイクロコントローラは、RAMユニットに記録される信号のパラメータ(振幅、分散、周波数)を分析し計算することができる。距離の一定レンジは、第2の調整可能な遅延ユニット6における各遅延値に対応する。同時に、生存者から反射される信号がその遅延について変調され、それ故、第2の調整可能な遅延ユニット6の設定遅延値が変化する。呼吸による変調周波数は、0.05−0.3Hzであり、心鼓動については、0.7−3Hzである。遅延距離に対する設定距離レンジにおいて反射信号が実現される処理ユニット14のメモリに記録された後に、N個のポイントに対して記録された電圧の分散が、第2の調整可能な遅延ユニット6の各遅延値について計算される。生存者が存在する場合には、それらの位置に対応する遅延(距離)に対する反射信号の分散が、他の遅延に対する反射信号の分散を越えることになる。ユニット14は、電圧の最大分散が生じるか、又は分散値が加算的ノイズの分散レベルを越えるところの第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値を選択する。次いで、人間の生命活動成分での変調信号の反射に対応するUC電圧が次々に読み取られて、ユニット14に記憶される。このUC電圧は、デジタルデータコンバータによりフィルタされ、そしてユニット14がその変化の周期を測定する。どんなパラメータが測定されるか、呼吸又は心鼓動、に基づいて、デジタルデータコンバータは、帯域0.7−3Hz又は0.05−0.3Hzをもつフィルタに対応するパラメータを記録する。デジタルフィルタリングの後に、周波数が測定される。最も簡単なケースでは、信号電圧の繰返し周期の逆数値として周波数が決定される。周期は、時間インターバルとして測定され、その後、信号値が繰り返しを開始する。周波数を決定する別のアルゴリズムも考えられ、これは、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延設定値において得られる信号の時間的インスタンス(instantiation)の離散的フーリエ変換方法を使用し、そして最大振幅値をもつスペクトル成分の周波数を、周波数として選択することより成る。
【0041】
又、処理ユニット14(図8)は、USBポートを経てパーソナルコンピュータと通信し、パーソナルコンピュータからインストラクションを受け取り、パーソナルコンピュータへ情報を送信し、レーダー(図1)の回路及びユニットのためのインストールされたソフトウェアを更新する。又、PCは、反射信号のパラメータ(周波数、反射信号振幅、等)を測定して、それをモニタに表示することができる。
【0042】
ユニット14は、次のユニットを備えている(図8)。
− USBインターフェイスユニット21(Cypressにより製造されたCY7C68001−56PVCチップにおいて実現できる)、Analog Devicesにより製造されたAD6620チップをベースとするデジタルデータコンバータ22(DDC)、コントローラユニット23、マイクロコントローラユニット24、Samsungにより製造されたK6R4016V1D−TI08チップが使用されるところのRAMユニット25、コンピューティングユニット26(制御ユニット及びコンピューティングユニットは、ALTERAにより製造されたEP1K50QI208−2チップにおいて実現できる)、デジタル/アナログコンバータDAC1−27、DAC2−28、DAC3−29(Analog Devicesにより製造されたAD5542がDACとして使用されてもよい)。コンピューティングユニットの機能図が、図9に示されている。コンピューティングユニットは、チェックポイントUCO電圧のためのコードレジスタ30、チェックポイントUC電圧のためのコードレジスタ31、減算器32、比較器33、エラーコードレジスタ34、コード修正器35、及び第1の調整可能な遅延ユニットのためのコードレジスタ36を含む。
【0043】
USBインターフェイスユニット21は、USBポートを経て外部パーソナルコンピュータと情報交換するように意図される。DDCユニット22は、情報処理のために意図される。このような処理は、周波数変換及び帯域又は低周波フィルタリングを含み、情報処理の形式は、マイクロコントローラ又はパーソナルコンピュータからのインストラクションにより決定される。制御ユニット23は、処理ユニット14の駆動出力を経てレーダーユニットを制御するように意図される。これとは別に、アナログ/デジタルコンバータ13からデータを得て、それをデジタルデータコンバータ22へロードし、デジタルデータコンバータ22からフィルタリングされたデータを得、USBインターフェイスユニット21へ情報を送信して、それを更にパーソナルコンピュータへ送信し、パーソナルコンピュータからUSBインターフェイスユニット21を経てデータをロードし、ユニット14の第5駆動出力を経てPRSを形成するためのコードをロードし、第1整形器及び第2整形器7をアクチベートし、反射信号のパラメータ、即ち反射信号の振幅、分散及び周波数を上述したアルゴリズムに基づいて計算するのにも使用される。
【0044】
マイクロコントローラユニット24は、リンクのスタート前ロードを行い、レーダー回路及びユニットをテストし、必要に応じて、テスト結果を外部パーソナルコンピュータへ発行し、反射信号のパラメータ(振幅、遅延、周波数)を計算し、そして必要なときに、ラインディスプレイ、スピーカ等の他の装置へ情報を発行するように意図される。
【0045】
処理ユニット14(図8)は、次のように動作する。ADCユニット13からのデータは、DDCユニット22に記憶され、そこで、周波数が第1の中間周波数からゼロ周波数のキャリア波へ変換され、そしてローパスフィルタ又はバンドパスフィルタにおいて結果がフィルタリングされる。従って、呼吸周波数又は心鼓動周波数を分離することができる。AD6620チップは、信号の変換及びデジタルフィルタリングに必要な全ての技術的リソースを含む。アルゴリズム(図10)に基づくインスタンス記録のモードでは、制御ユニットは、反射信号のインスタンスをRAMユニット25に記録する。自動安定化モードをスイッチオンした後に、制御ユニット23は、コンピューティングユニット26に、アナログ/デジタルコンバータからのコード値を記録し、これは、安定化が行なわれるインスタンス(UCO30値コードレジスタ)におけるチェックポイントの信号値に対応する。遅延の半スケールに対応するコード値が、第1の調整可能な遅延コードレジスタ36に入力される。調整スレッシュホールドεの値が、エラーコードレジスタ34に入力される。信号インスタンスを次々に取り上げるモードがアクチベートされる。各信号インスタンスから、アナログ/デジタルコンバータからの新たな信号値が、チェックポイントUC値レジスタ31に入力され、このような新たな信号値は、UCO値がUCO値コードレジスタ30に入力されたところの同じインスタンスチェックポイントにおいて取り上げられる。安定化モードがアクチベートされたときにUCO値コードレジスタ30に信号が一度だけ入力され、安定化のプロセス中にそれが変更されることはない。次の信号インスタンスが取り上げられるたびにUC値コードレジスタ31に信号が記録され、減算器32は、UC及びUCOコードを差し引き、そして比較器33は、差のモジュールをスレッシュホールド値εと比較する。差の符号と、比較器33におけるエラーとスレッシュホールド値εとの間の比較の結果とに基づいて、1だけ大きいか又は小さい新たなコード値が第1の調整可能な遅延コードレジスタ36に入力される。これは、コード調整器35を使用して行なわれる。アルゴリズムを繰り返し実行した結果(図11)、UCコード値は、ほぼUCO値となって、エラーがεの値を越えることはなく、即ち安定化のための基準として取り上げられた信号の時間的位置が、自動安定化モードがアクチベートされたときに存在した時間的位置に対応することになる。
【0046】
第1及び第2の調整可能な遅延のユニット3及び6における遅延値を変更するために、DAC1(27)及びDAC2(28)ユニットが使用される。DAC3(29)は、可変増幅器11を制御するのに使用される。
【0047】
処理ユニット14は、制御ユニット23及びコンピューティングユニット26を使用するために、PLIC(プログラム可能なロジック集積回路)又はFPGA(現場でプログラム可能なゲートアレー)を備えている。電源をスイッチオンした後に機能するために、マイクロコントローラ24は、内部構造を決定するコンフィギュレーションファイルをロードする。ALTERAにより作成された推奨勧告には多数のロード方法が述べられており、それらの1つは、マイクロコントローラを使用する(アプリケーションノード116を参照)。コンフィギュレーションファイルは、PLICの内部組成、その振舞い、及び入力信号に対する反応を決定する。それ故、電源をスイッチオンした後に、PLICによりレーダーの回路及びユニットをテストするために、第1のコンフィギュレーションファイルがPLICにロードされる(LOADERモード)。テストが満足であった場合には、PLICをレーダーの動作モード(RUNモード)へ移行させるように意図された他のコンフィギュレーションファイルがロードされる。マイクロコントローラは、PLICに対する2つのコンフィギュレーションファイルをそのフラッシュメモリに記憶する。
【0048】
電源をスイッチオンした後に、レーダーの制御は、マイクロコントローラのユニット24へ移行される。ユニット24は、マイクロコントローラそれ自身と、データメモリとを含む。マイクロコントローラは、データメモリからのデータをUSBインターフェイスマイクロ回路21にロードすることで、それを始動させる。同様に、データメモリから、PLICマイクロ回路のコンフィギュレーションファイルがロードされる(動作モード1−LOADER)。マイクロコントローラは、システムテストを行い、ポイントに関する情報を収集するためのソフトウェアをアクチベートし、ADCユニット13、DDCユニット22をテストし、等々を行なう。テスト結果は、USBインターフェイスを経て外部コンピュータへ転送することができる。テストがエラーを露呈しない場合には、PLICマイクロ回路のためのコンフィギュレーションファイルをロードするインストラクションが動作モード2−RUNとして与えられる。この点において、マイクロコントローラのデータメモリに記憶されたコンフィギュレーションファイルのバージョンと、いつ外部PCと共に機能するかとに基づいて、変形態様が考えられる。外部PCに使用されるバージョンがより新しいものである場合には、それが最初に外部プログラムからマイクロコントローラのデータメモリへロードされ、その後、PLICへロードされる。ロード動作の後に、動作モード2に対するPLICコンフィギュレーションがメイン動作モードになる。レーダーの制御は、マイクロコントローラユニット24から制御ユニット23へ移行される。というのは、処理速度及び制御に対する要求が増加され、マイクロコントローラユニット24により保証されないことがあり、且つ制御ユニット23のロジック回路により保証されねばならないからである。外部プログラムは、インスタンスにおけるポイントコード、インスタンスにおける信号を増幅するためのコード、及びユーザによりセットされる他のパラメータを送信する。処理ユニット14は、情報を収集し、それを外部コンピュータへ転送するか、又は反射信号のパラメータをそれらの処理及び指示(例えば、信号振幅変化率に関する)と一緒に計算する。
【0049】
走査モードにおいて、制御ユニット23は、次のように動作する(図10)。電源をスイッチオンすると、マイクロコントローラユニット24(図9)は、第1の調整可能な遅延ユニット3の初期値(遅延平均値)に対するコードをロードし、そして反射信号のインスタンスを入力する動作をスタートする。このため、初期遅延コードが第2の調整可能な遅延ユニット6(図1)に記録され、これは、最初にセットされた距離からの信号の読み取りを保証し、コンデンサー15の電圧UC値が読み取られてRAMユニット25へ記録され、第2の調整可能な遅延ユニットの遅延コードが増加され、そしてコンデンサー15の電圧がもう一度記録される。これらの動作は、遅延(距離)の全範囲がチェックされるまで繰り返される。その結果、遅延(距離)の設定範囲における反射信号のインスタンスを表わすファイルがRAMユニット25に形成される。
【0050】
UWB信号(図2)の時間的位置を安定化するために、処理ユニット14に含まれた制御ユニット23は、次のように機能する(図11)。これは、チェックポイントにおける現在電圧UC値と、UCO安定化プログラムをアクチベートするときまでに記憶された値との間の差を計算する。チェックポイントの勾配及び差の符号に基づいて、第1の調整可能な遅延ユニット6(図1)の遅延を増加又は減少する。差が、ノイズレベルUnを越えるときの条件で選択されたスレッシュホールド値eより小さく、即ち|UC−UCO|<eである場合には、制御プログラムが距離走査のために実行される(図9)。時間的位置の安定化における動作は、反射信号のインスタンスを取り上げる各サイクルに一度実行される。
【0051】
遅延に関する1つのサンプルを取り上げる周期が1マイクロ秒であり、且つインスタンスにおけるサンプル捕獲の数が1000である場合には、安定化動作を繰り返す時間が1ミリ秒である。1ミリ秒の時間中に、チェックポイントは、その遅延を著しく変更することがなく、相関信号振幅特性の単調なセクタの範囲を出ることがない。というのは、このような変化は、機械的な移動及び温度変化により引き起こされる低速プロセスから生じるからである。同時に、前記動作は、反射信号インスタンスにおいて選択された基準信号に関して送信信号の安定な時間的位置を保証する。探査信号の巾が0.5ナノ秒以下である場合には、単調なセクタの長さが0.2ナノ秒以下である。安定化に使用される基準信号の振幅が0.5Vに等しく、且つ受信器のノイズレベルが0.5mVである場合には、ノイズ電圧の2倍の値に等しいスレッシュホールドe=1mVにおける時間的安定化のエラーが、ほぼ200ピコ秒1mV/500mV=0.4ピコ秒となる。チェックポイントで読み取られた電圧値を平均化した場合には、更に正確な安定化を得ることができる。このとき、エラーは、平均化されたサンプル捕獲の数をMとすれば、√Mだけ減少される。
【0052】
従って、最も近い同様の解決策と比較して、レーダーの所与の実施形態(図1)は、次のことを保証する。
【0053】
受信中の第1中間周波数の形成は、1/2TPRSに等しい。第1中間周波数の形成は、半導体コンポーネントのフリッカノイズの作用が小さい周波数の信号を増幅することができる。送信スキップインターバルを伴うコード化パルスバーストの周期的シーケンスの形態で駆動パルスを整形するここに提案する構成(図4a)は、ミクサ8、送信アンテナ5及び受信アンテナ10における同期低周波数ピックアップを排除することができる。このようなケースでは、主たる増幅が中間周波数において保証され、低周波数のフリッカノイズをあまり受けない。測定値として、探査信号を送信するときに得られるミクサ8の出力の電圧と、第1整形器4がアクチベートされないときに得られるミクサ8の出力の電圧との間の可変電圧振幅が生じる。
【0054】
擬似ランダム法則のもとで時間により配列されるパルスの送信は、クロックパルスジェネレータ1(CPG)の繰返し周期により決定される離散的周波数成分においてパルスのスペクトル密度を減少することができ、ひいては、レーダーの他のユニットに対する影響を減少することができる。アナログ解決策とは対照的に、PRSジェネレータ2を使用して駆動パルスを整形するのに使用される構成は、CPGジェネレータ1からのパルスシーケンスの周期をTとすれば、−T/2からT/2の範囲内で探査パルスシーケンスの擬似ランダム法則を形成することができる。例えば、直交MシーケンスをPRSとして使用することは、相関受信における信号/雑音比に関して最適な相関特性を有する。PRS法則及び周波数の知識は、探査信号を受信するための自律的チャンネルを実施するのに充分であり、これは、マルチチャンネル機構を実施するときに重要である。同時に、シーケンスの擬似ランダム法則は、送信される探査信号をノイズ信号に接近させ、従って、レーダーの他のユニットにおいて探査信号の繰返し周期に等しい周波数での同期ピックアップを排除する。
【0055】
要点として、ここに請求する方法及び装置は、受信アンテナ10により受信された所与の時間信号に関する反射信号の時間的位置を安定化させることができる。安定化が必要とされるのは、温度の変化又はレーダーの位置の変化に伴い、有効対象物から受信される信号の遅延も変化するからである。対象物から反射された信号U0(t)及びヘテロダインUPS2(t)の時間ドメインシーケンスの小さな相互シフトにおいて、登録信号の振幅が迅速に変化する(図7)。設定距離からの信号を正確に読み取るために、UWB信号時間ドメイン位置の長期間安定性が必要になる。
【0056】
超ワイドバンド信号の時間的位置を安定化するここに請求する方法、及び生存物を監視するための本発明のレーダーは、捜索及び救出部門において生存者を見つけてその座標を決定する目的で産業上適用することができ、又、この方法は、数ナノ秒以下の巾をもつパルス信号を使用する他の技術的用途にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】レーダーの機能図である。
【図2】a)は、信号の時間ドメイン位置の安定化を実現するために相関信号の振幅特性におけるチェックポイントの選択を示し、b)及びc)は、不安定化ファクタ、例えば、レーダーの振動又は温度の変化の影響によるチェックポイントの考えられるドリフトを示す。
【図3】a)は、クロックパルス、b)は、擬似ランダムシーケンス(PRS)のパルスを示す。
【図4】タイミング図であって、a)は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるPRSパルスバーストを示し、b)は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるPRSパルスバーストを示し、c)は、第1及び第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の遅延が一致するときにコンデンサー(積分器)における信号波形を示す。
【図5】a)は、1つのパルスに対して送信される超ワイドバンド信号の形状を示し、b)は、1つのパルスに対する超ワイドバンド信号のスペクトル密度を示す。
【図6】パルスバーストの送信UWB信号の擬似ランダムシーケンスを示す。
【図7】a)は、受信したUWB信号を示し、b)は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるヘテロダイン信号を示し、c)は、信号間の相互スキューτに基づく相関器(ミクサ及びコンデンサー)における電圧振幅を示す。
【図8】処理ユニットの機能図である。
【図9】コンピューティングユニットの機能図である。
【図10】レーダーが基準信号の遅延を走査し安定化するモードで動作されるときの処理ユニットの制御手段の機能アルゴリズムを示す図である。
【図11】基準信号の遅延を安定化するアルゴリズムを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、捜索及び救出部門の活動に係り、生存者の存在を生命サイン、即ち呼吸、心鼓動、動きで客観的に決定すると共に、例えば、脈拍数及び呼吸の遠隔測定のような医療の目的で、非常時又は自然災害の結果として生じる瓦礫の積極的探査に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
人間の脈拍数又は呼吸に対応する無線信号変調成分を分離するための補償チャンネルを使用すると共に無線波干渉計の動作原理を使用した種々の装置が知られている(RU、A、2159942号)。
【0003】
又、マイクロ波レーダーも知られており、このレーダーは、変調器及び送信器を備え、送信器は、発振器、電力分割器、送信アンテナで構成され、これらは全て信号入力と信号出力との間に直列に接続され、このレーダーは、変調された無線信号を送信できるように構成され、更に、受信アンテナ、UHF受信器、前置増幅器/復調器、信号処理ユニットで構成された受信器も備え、これらは全て信号出力と信号入力との間に直列に接続され、この受信器は、生存者の脈拍数及び/又は呼吸の成分により変調された反射無線信号を受信して、その成分を前置増幅器/復調器の出力において分離できるように構成され、又、電力分割器の第2の信号出力は、UHF受信器の制御出力に接続され、変調器の第1制御出力は、送信器に接続され、そして変調器の第2及び第3出力は、前置増幅器/復調器の第1及び第2制御入力に接続される(US、A、4958638号)。
【0004】
前記技術的解決策は、それらの動作に対する種々の不安定化ファクタ、即ち温度、オペレータの手の動きや震えによるレーダー位置の不安定さ、生存者の位置の不安定さ即ち動きの影響による干渉裕度が低いという制約がある。
【0005】
テクトロニクスや、ヒューレットパッカードが、信号パラメータを測定するためのストロボ式オシログラフの製造を開始した後に、1960年代に超ワイドバンド(UWB)信号を使用した装置が広く使用されるようになった。これらのストロボ式オシログラフは、探査信号の周期的繰り返し特性を使用して、その形状を連続的に回復するものであった。超ワイドバンド信号のソースと組み合せたときには(ピコ秒巾の電圧降下が通常使用される)、このようなストロボ式オシログラフは、パルス反射計と称されている。時間ドメイン反射測定(TDR)の方法は、波抵抗、即ち分布した経路の不規則性を調査するだけでなく、誘電体材料の特性を評価し、土壌の湿度を決定し、半導体デバイスでの測定を行うためにも、広く普及した。この方法は、例えば、高速フーリエ変換(FFT)のようなデジタル信号処理のアルゴリズムを使用するが、チェーン信号分析器により測定されるものと同様に、対象物の周波数特性が得られるような、より広い範囲の時間ドメイン測定へと徐々に変化した。
【0006】
超ワイドバンド(UWB)信号は、通常、信号スペクトルの高い周波数をfHとし、低い周波数をfLとすれば、相対的周波数帯域Δf=2(fH−fL)/(fH+fL)が0.25より大きい範囲であるような信号として理解される。この定義は、唯一のものではなく、例えば、ある部門における「超ワイドバンド信号」という語は、一定の物理的スペクトル巾(一般に、500MHz以上の)も仮定しており、他の部門では、このようなスペクトルがゼロ周波数付近に位置すると考えられ、それ故、これらの定義は、かなり条件付きとなる。しかし、最近では、この用語が広く使用されている。というのは、UWB信号を無線技術で処理する方法がある程度一般化し、最近数年間に著しく開発されたためである。この用語は、ナノ秒及びピコ秒巾の電磁信号を使用する種々のシステム、時間ドメイン通信及び測定のシステム、時間ドメイン反射計、巾が数ナノ秒以下の無線パルスを伴うレーダーを網羅する。
【0007】
ロシアにおいてナノ秒パルス装置の形成に関する情報は、Morugin L. A.、 Glebovich G. V.,“Nanosecond pulse equipment”,Sov. Radio、1964年、及びRyabinin Yu. A.,“Stroboscopic oscillography”,M., Sov. Radio、1973年のような文献に見ることができる。ピコ秒装置の用途で得られる結果に関する研究が、G. V. Glebovich、A. V. Andriyanov氏等の書籍、“Studying objects with picosecond pulses”,Radio I Svyaz、1984年において検討されている。
【0008】
UWB信号を探索に使用するときには、UHFレーダーの場合と同じ制約を受ける。これらの制約は、主として、信号の時間的位置の温度に伴う低速ドリフト、及びレーダー又は探査対称物の位置の短時間変化に関連したものである。しかしながら、時間ドメイン位置、即ち位相及び周波数を安定化するために無線信号を使用するときには、位相固定ループ周波数制御が広く使用されるが、これは、短い巾のパルスで動作するときにUWB信号の範囲内で使用することが非常に困難である。それでも、UWB信号位置の安定化は、必要であり且つ非常に重要である。というのは、探査信号ソースからの信号の遅延が、レーダー位置の温度変化と共に変化するからである。所与の距離で信号を読み取るためには、UWB信号の時間ドメイン位置の長期間安定性が要求される。しかし、電子回路では、キャリアの寿命が温度に依存し、信号の時間遅延が200−500ピコ秒までの量だけ変化することがある。巾が1ナノ秒未満の探査信号を使用するときには、固定信号振幅の遅延を最大からゼロ値まで変化させる。現在まで、UWB信号の時間ドメイン位置を安定化する方法は知られていない。
【0009】
ここに請求する技術的解決策に最も近いものは、人々を監視するための超ワイドバンドレーダーであり、その特許をMcEwanが取得している(US、A、5361070号)。
【0010】
前記レーダーは、マスター発振器、ランダマイザー、基準及び同調遅延のユニット、2つのアンテナ、超ワイドバンド(UWB)信号の発振器、信号検出器を備えている。人々を見つけて監視するために、送信アンテナがUWBパルス信号を送信し、人間から反射された信号が受信アンテナの使用で受信される。基準及び同調遅延は、信号が登録されたレンジに基づいてあるエリアを分離するためにのみ使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この既知の技術の解決策は、レーダーがいかなる距離でも人々を捜索できるというものではなく、且つ信号パラメータを測定するときに、不安定化ファクタ、例えば、温度や、見つかった対象物及びレーダー自身の両方の位置の不安定さにより生じる影響を受けるために、生存する人々を監視する能力に制約がある。前記ファクタが変化したときは、信号遅延、ひいては、登録された電圧の振幅も変化する。前記ファクタのために、この既知のレーダーは、所定の距離において生存物を見つけるのに使用することしかできない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ここに請求する本発明の目的は、UWB信号処理のクオリティを改善することである。
本発明の方法を実施したときに達成できる技術的結果は、超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置の長期間安定性を改善すると共に、温度ドリフトや、例えば、送信装置の振動又は対象物位置の移動で生じる送信ポイント位置及び探査対象物位置の不安定さからの信号の時間的安定さの独立性を改善することである。
【0013】
本発明の装置を形成するときに達成できる技術的結果は、超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置の長期間安定性を改善し、不安定化ファクタ、例えば、温度ドリフトや、生存物及びレーダー自体の両方の位置的不安定さを排除し、且つ生存物までの距離を決定する精度を改善することである。
【0014】
上述した目的は、本発明の方法が、
− 超ワイドバンド信号を基準信号に基づいて整形するステップと、
− 整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するステップと、
− 超ワイドバンド信号を受信するステップと、
− 受信した超ワイドバンド信号を、基準の超ワイドバンド信号との相関により処理するステップと、
− 受信した超ワイドバンド信号を処理するときに、前記相関された信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイントの初期位置をセットするのに必要な時間、超ワイドバンド信号を遅延するステップと、
− その制御ポイントの位置を規則的にチェックし、チェックポイントの位置が初期位置からずれている場合には、前記整形された超ワイドバンド信号の空間への送信の遅延を変更して、チェックポイントの位置が初期位置へ戻るようにするステップと、
を備えたことにより達成される。
【0015】
次のことが好都合である前記方法の付加的な変形態様が考えられる。
− チェックポイントの初期位置は、発生した超ワイドバンド信号を、対象物からその後の超ワイドバンド信号が受け取られる空間エリアへ直接送信することにより、対象物からその後の超ワイドバンド信号を受け取る前に、セットされねばならず、
− チェックポイントの初期位置は、動かない対象物から超ワイドバンド信号を受け取る間にセットされねばならず、
− チェックポイントの位置として、前記相関信号のセクタにおいて最大勾配を有するポイントの位置が選択され、基準相関電圧のUCO値がそのポイントにおいて測定され、更に、相関電圧のUC現在値が基準相関電圧のUCO値と相違するようになったときには、前記整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信する遅延を、相関電圧のUC現在値に関して変化させ、チェックポイントにおける相関信号の負の勾配においては、UC>UCOのときに遅延を減少し、UC<UCOのときに遅延を増加し、或いはチェックポイントにおける相関信号の正の勾配においては、UC>UCOのときに遅延を増加し、UC<UCOのときに遅延を減少し、
− 安定化パラメータeがセットされ、これは、チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるという条件で選択され、
− 超ワイドバンド信号として、パルスバーストが使用され、各パルスは、その形状が調波発振の1周期に対応するものであり、
− 超ワイドバンド信号として、擬似ランダムシーケンスのパルスバーストが使用される。
【0016】
上述した技術的結果を達成すると共に設定タスクを解消するために、生存物を監視するためのレーダーは、クロックパルスジェネレータと、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータと、第1の調整可能な遅延ユニットと、制御可能とされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器と、送信アンテナとを備え、これらは直列に接続され、更に、第2の調整可能な遅延ユニットと、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器と、ミクサと、増幅器と、受信アンテナとを備え、第2の調整可能な遅延ユニットの入力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの出力に接続され、そしてその出力は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の入力に接続され、その出力は、ミクサの第1入力に接続され、受信アンテナは、増幅器の入力に接続され、その出力は、ミクサの第2入力に接続され、更に、可変増幅器と、バンドパスフィルタと、アナログ/デジタルコンバータとを備え、これらは直列に接続され、可変増幅器の入力は、ミクサの出力に接続され、更に、処理ユニット及びコンデンサーを備え、コンデンサーの1つの接続ピンは、ミクサの出力に接続され、そして他の接続ピンは、本体に接続され、処理ユニットのクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータの出力に接続され、そしてその駆動入力は、アナログ/デジタルコンバータの出力に接続され、処理ユニットは、5つの駆動出力で構成され、処理ユニットの第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、可変増幅器の駆動入力に接続され、そしてその第5の駆動出力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの駆動入力に接続され、処理ユニットは、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成され、処理ユニットは、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、コンデンサーにおいて相関信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置を変更するときに第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延を変更できるように構成され、更に、処理ユニットは、生存物までの距離を決定するために第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、処理ユニットは、生存物までの距離が増加したときに、受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、可変増幅器の増幅ファクタの変更を保証するように構成される。
【0017】
本発明の前記効果及び特定の特徴は、添付図面を参照し、好ましい実施形態において詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の方法は、レーダーを動作することにより実現されるので、ブロック図(図1)に含まれた機能的要素について最初に説明する。
【0019】
生存物を監視するためのレーダーは、クロックパルスジェネレータ1と、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2(PRS)と、第1の調整可能な遅延ユニット3と、制御可能にされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4と、送信アンテナ5とを備え、これらは、直列に接続されている。又、レーダーは、第2の調整可能な遅延ユニット6と、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器7と、ミクサ8と、増幅器9と、受信アンテナ10と、可変増幅器11と、バンドパスフィルタ12と、アナログ/デジタルコンバータ13と、処理ユニット14と、コンデンサー15とを有する。第2の調整可能な遅延ユニット6の入力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2の出力に接続され、そしてその出力は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器7の入力に接続される。第2の整形器7の出力は、ミクサ8の第1入力に接続される。受信アンテナ10は、増幅器9の入力に接続され、その出力は、ミクサ8の第2入力に接続される。
【0020】
可変増幅器11と、バンドパスフィルタ12と、アナログ/デジタルコンバータ13は、直列に接続される。可変増幅器11の入力は、ミクサ8の出力に接続される。
【0021】
コンデンサー15の1つの接続ピンは、ミクサ8の出力に接続され、そしてコンデンサー15の他の接続ピンは、本体に接続される。処理ユニット14のクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータ1の出力に接続され、そしてその駆動入力は、アナログ/デジタルコンバータ13の出力に接続される。
【0022】
処理ユニット14は、5つの駆動出力で構成される。処理ユニット14の第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、第1の調整可能な遅延ユニット3の駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、可変増幅器11の駆動入力に接続される。処理ユニット14の第5の駆動出力は、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータ2の駆動入力に接続される。
【0023】
ユニット14は、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成される。ユニット14は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器4の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成される。
【0024】
処理ユニット14は、受信アンテナ10により受信された超ワイドバンド信号の電圧の振幅特性の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に基づいて遅延の変更を保証し、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置を変更するときに第1の調整可能な遅延ユニット3の駆動入力に基づいて遅延を変更するように構成される。更に、ユニット14は、生存物までの距離を決定するために第2の調整可能な遅延ユニット6の駆動入力に基づいて遅延の変更を保証する。更に、ユニット14は、生存物までの距離が増加したときに、受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、可変増幅器11の増幅ファクタの変更を保証するように構成される。
【0025】
超ワイドバンド信号の時間ドメイン位置を安定化する本発明の方法は、PSRジェネレータ2(図1)により送信された基準信号に基づいて超ワイドバンド信号パルスを第1の整形器4により整形することを含む。発生された超ワイドバンド(UWB)信号は、送信アンテナ10を通して空間へ送信される。受信されたUWB信号を、ミクサ8において、UWB信号パルスの第2整形器7により発生された基準超ワイドバンド信号と混合(乗算)することにより、相関信号を得る。受信したUWB信号を処理するときには、第2のUWB信号整形器7により発生される基準超ワイドバンド信号は、相関信号の中間セクタにおいてミクサ8の後のコンデンサー15でUCOチェックポイントの初期位置をセットする時間だけ遅延される(中間セクタは、相関信号の振幅特性の中間、即ち相関信号の最大電圧と最小電圧との間、又は最大勾配により特徴付けられる相関信号のポイント、に位置するセクタとして理解される)。そのUCOチェックポイントの位置は、対象物から反射されるその後のUWB信号の受信と受信との間に規則的に制御され、このような受信において対象物までの距離が決定される。対象物から反射されるその後のUWB信号を受信するときに、UCOチェックポイント位置が初期位置からシフトした場合には(図2b、c)、第1の調整可能な遅延線2を使用することにより、第1の整形器4により発生される超ワイドバンド信号送信の遅延が変更され、UCOチェックポイントの位置を初期位置(図2a)へ戻させる。
【0026】
UCOチェックポイントの初期位置は、異なる方法でチェックすることができる。例えば、これは、対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受信する前に、第1の整形器4により発生されるUWB信号パルスを送信アンテナ5により空間フィールド(ここでは、受信アンテナ10が対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受信する)へ直接送信することにより、セットすることができる。これは、送信アンテナ5から受信アンテナ10への直接パスのシーケンスが使用されることを意味する。このような場合に、安定化の間に、例えば、大きな勾配を有する振幅特性セクタにおけるUCOチェックポイントの相関信号値が記憶される。将来、この値は、周期的にチェックされ、エラーの程度に基づいて、第1の調整可能な遅延ユニット3の遅延値が変更される。前記安定化は、対象物からのUWB信号の受信と受信との間のインターバルで自動的に行われ、このインターバルは、送信アンテナ5により空間中へ送信される超ワイドバンド信号の遅延の温度ドリフトを排除するように設計者によりセットされる。
【0027】
変形例として、安定化のための基準信号は、走査モードにおいて、マーカーを使用して信号の安定化チェックポイントを指示することにより選択されてもよい。周期的に、例えば、距離走査周期中に一度、選択されたUCOチェックポイントにおいて信号の値が読み取られる。
【0028】
更に、UCOチェックポイントの初期位置は、動かない(死んだ)対象物から反射される超ワイドバンド信号を受信するときにセットされてもよい。このような場合に、本発明の方法は、例えば、オペレータの手の震えにより生じるレーダーの僅かな動きを排除することができる。この安定化は、生存物からのUWB信号の受信と受信との間のインターバルで自動的に行われてもよい。安定化は、UWB信号(巾の短いパルス)で機能するときに特に重要である。巾が100ピコ秒のパルスについては、時間的遅延安定化エラーが1ピコ秒以上でなければならない。
【0029】
UCOチェックポイント位置として、最大の勾配を有する相関信号のUC電圧振幅特性上のポイントの位置を選択するのが賢明である(図2a)。このポイントにおける基準電圧のUCO値が測定され、対象物から反射されたその後の超ワイドバンド信号の電圧の現在UC値が、基準電圧のUCO値から異なる場合に(図2b、c)、発生された超ワイドバンドの空間への送信における第1の調整可能な遅延線3の遅延が、その電圧のUC現在値に関して変更され、チェックポイントにおける信号の負の勾配において、UC>UCOのときは、第1の調整可能な遅延線3の遅延が減少され、そしてUC<UCOのときは、その遅延が増加される。チェックポイントにおける信号の勾配が正であれば、遅延を変更する法則が逆でもよい。従って、遅延の増加又は減少は、基準電圧を読み取るために選択されたチェックポイントにおける勾配の符合により決定される。従って、電圧の現在UC値と基準UCO値との間の差は、処理ユニット14により感知され、そして第1の調整可能な遅延線3の遅延時間を調整するのに使用される。
【0030】
更に、本発明の方法は、チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるときの条件で選択される安定化パラメータeをセットすることができる。例えば、適当な値は、3倍の二乗平均(tripled root-mean-square)ノイズ値である。
【0031】
原理的に、この方法は、異なる形状の超ワイドバンド信号及び絶対的に異なるシーケンスのUWB信号パルスと共に作用できることが重要である。より詳細には、以下に述べるように、超ワイドバンド信号として、1周期の調波発振の形状を各々有するパルスバーストを使用することができる。
【0032】
超ワイドバンド信号として、パルス間に等しい時間周期をもつ一連のパルス、及び擬似ランダムシーケンスのパルスバーストを使用することができる。
【0033】
レーダー(図1)は、次のように機能する。
クロックパルスジェネレータ1は、パルス状PRSジェネレータ2をアクチベートするクロックパルスの周期的シーケンス(図3a)を発生する。パルス状PRSジェネレータ2において、クロックパルスジェネレータ1により発生されたパルスから周期的時間擬似ランダムシーケンスTPRSが発生され(図3b)、これは、更に、第1及び第2の調整可能な遅延線3及び6に各々送り込まれる。パルス状PRSジェネレータ2で形成されたパルスは、そのシーケンスインターバルが一定の設定法則に基づいて変更される。第1の調整可能な遅延線3の出力からの信号は、送信アンテナ5に接続された第1の超ワイドバンド信号(探査信号)パルス整形器4をアクチベートする。第2の調整可能な遅延ユニット6の出力からの信号は、第2のUWB信号パルス整形器7へ送り込まれ、これは、ミクサ8のためのヘテロダイン信号を形成する。
【0034】
受信器の中間周波数を形成できるよう保証するために、第1整形器4は、パルスバーストを形成するモードで作用する。PRSのある周期に、第1整形器4がスイッチオンされ、そして次の周期に、それがスイッチオフされる(図4a)−UPS1信号。このモードを保証するために、第1整形器4の駆動(インターロック)入力が、処理ユニット14の第1駆動出力に接続される。第2のUWB信号パルス整形器7からミクサ8への信号は、インターバルをとらずに送り込まれる(図4b)−UPS2信号。
【0035】
対象物から反射されたパルスシーケンスは、受信アンテナ10で受信され、増幅器9へそして更にミクサ8へ送り込まれる。ミクサ8では、対象物から反射された信号と、第2のUWB信号パルス整形器7の出力からのヘテロダイン信号とが一緒に乗算される。ミクサ8の出力から、混合の結果として得られた信号が、コンデンサー15に形成された積分器へ送り込まれる。離れた対象物から反射された信号の遅延と、ヘテロダイン信号の遅延が一致する場合には、周期的波形の形状をもつ相関信号であって、その振幅が反射信号の振幅に比例し且つその周期がPRSシーケンスの繰返し周期の2倍に対応するような相関信号がコンデンサー15に発生される(図4c)−UC信号。
【0036】
コンデンサー15により積分された後に、パルスは、増幅器11において可変増幅ファクタで増幅される。可変増幅器11の増幅ファクタは、処理ユニット14の第4駆動出力に基づいてセットされ、これは、可変増幅器11の駆動入力に接続され、従って、反射物までの距離の増加により生じる信号の減衰を走査して補償する開始と終了で異なる増幅を与えることができる。ミクサ8の出力にあるキャパシタ15では、PRS巾に対応する時間中に信号が累積される。可変増幅器11の出力には、バンドパスフィルタ12が接続され、これは、第1の中間周波数を選択する。この第1の中間周波数は、第1のUWB信号パルス整形器4へ送り込まれるパルスバーストの巾で決定される。この信号は、アナログ/デジタルコンバータ13においてアナログ信号からデジタル信号へ変換され、更に、処理ユニット14の駆動入力(デジタルデータの入力)へ送り込まれ、処理ユニットは、受け取った信号をゼロの中間周波数に変換すると共に、反射信号の振幅を分離して、生存物の呼吸又は脈拍数に対応するそれらの成分を分析する。
【0037】
第1のUWB信号パルス整形器4は、PRSジェネレータ2の駆動パルスから探査信号を発生する。探査信号の1つのパルスとして、1周期の調波発振(図5a)の形状をもつパルスをレーダーに使用するのが好ましい。このような形状をもつ信号の使用は、送信アンテナ15によりこれを効率的に送信できるようにする。パルススペクトルの中心周波数f0、及びその信号により得られる効率的な周波数範囲ΔFは、1/T0に等しい(図5b)。ガウスのパルスの形態のパルス信号と比較すると、この信号は、著しく低いレベルのスペクトル成分を低い周波数に含み、それ故、送信及び受信時に、各々、送信アンテナ5及び受信アンテナ10に良好に相関させることができる。
【0038】
1周期の調波発振の形状を有するパルスを発生するためにジェネレータ2からのPRS駆動パルスシーケンスが第1整形器4に及ぼす作用の結果として、送信アンテナ5により送信される信号の形状は、図6に示すものに対応する。第2整形器7の出力におけるパルス形状は、その形状については、第1整形器4の出力におけるパルスに一致する。
【0039】
反射する生存物の位置までの距離を決定するために、レンジ走査が実行される。このモードでは、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値が、距離の各座標に対して次々に変更される(図1)。PRS巾に等しい時間に対して、コンデンサー15に電圧が蓄積される。この電圧は、可変増幅器11により増幅され、アナログ/デジタルコンバータ(ADC)13によりデジタル形態で読み取られ、そして処理ユニット14のメモリに記憶される。次いで、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値が変更され、新たな電圧値が読み取られる。反射する生存物が距離座標Lに存在し、そして光の速度をcとすれば、第2の調整可能な遅延ユニット6の出力におけるシーケンスが時間2L/cだけ遅延される場合には、コンデンサー15において、反射する生存物の振幅に比例する電圧が分離される。第2の整形器7からミクサ8へ送り込まれた基準UPS2に対して受信したシーケンスU0がシフトすると、図7a、b、cに示されたものに基づいてコンデンサー15の電圧が変化する。第2の調整可能な遅延ユニット6の信号遅延が探査信号T0の巾に等しいときに、コンデンサー15から取り出されるUCパルス巾、及び信号形状は、反射信号及びヘテロダイン信号の相関関数に対応する。多数の反射する生存物が存在する場合には、それらの各々の応答は、信号がその生存物へ進んで戻る時間に等しい遅延τで観察されることになる。生存物のパラメータを決定するときには、ヘテロダイン信号UPS2の遅延τは、受信信号の最大値を保証するポイントに固定され、そしてユニット14は、振幅の変化により、呼吸及び心鼓動のパラメータを決定する。
【0040】
ユニット14は、呼吸及び心鼓動のパラメータを次のように測定する。第1の調整可能な遅延ユニット3の使用で送信される超ワイドバンド信号の遅延を安定化するための動作を終了した後に、第2の調整可能な遅延ユニット6により、信号遅延を、調査距離の選択されたレンジ及び距離に対する必要な離散性により決定された設定ステップで、ある初期値から最終値まで連続的に変更することにより、コンデンサー15における電圧のN個のサンプル捕獲が、各遅延に対して次々に、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニットに記憶される。処理ユニット14に含まれるマイクロコントローラは、RAMユニットに記録される信号のパラメータ(振幅、分散、周波数)を分析し計算することができる。距離の一定レンジは、第2の調整可能な遅延ユニット6における各遅延値に対応する。同時に、生存者から反射される信号がその遅延について変調され、それ故、第2の調整可能な遅延ユニット6の設定遅延値が変化する。呼吸による変調周波数は、0.05−0.3Hzであり、心鼓動については、0.7−3Hzである。遅延距離に対する設定距離レンジにおいて反射信号が実現される処理ユニット14のメモリに記録された後に、N個のポイントに対して記録された電圧の分散が、第2の調整可能な遅延ユニット6の各遅延値について計算される。生存者が存在する場合には、それらの位置に対応する遅延(距離)に対する反射信号の分散が、他の遅延に対する反射信号の分散を越えることになる。ユニット14は、電圧の最大分散が生じるか、又は分散値が加算的ノイズの分散レベルを越えるところの第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延値を選択する。次いで、人間の生命活動成分での変調信号の反射に対応するUC電圧が次々に読み取られて、ユニット14に記憶される。このUC電圧は、デジタルデータコンバータによりフィルタされ、そしてユニット14がその変化の周期を測定する。どんなパラメータが測定されるか、呼吸又は心鼓動、に基づいて、デジタルデータコンバータは、帯域0.7−3Hz又は0.05−0.3Hzをもつフィルタに対応するパラメータを記録する。デジタルフィルタリングの後に、周波数が測定される。最も簡単なケースでは、信号電圧の繰返し周期の逆数値として周波数が決定される。周期は、時間インターバルとして測定され、その後、信号値が繰り返しを開始する。周波数を決定する別のアルゴリズムも考えられ、これは、第2の調整可能な遅延ユニット6の遅延設定値において得られる信号の時間的インスタンス(instantiation)の離散的フーリエ変換方法を使用し、そして最大振幅値をもつスペクトル成分の周波数を、周波数として選択することより成る。
【0041】
又、処理ユニット14(図8)は、USBポートを経てパーソナルコンピュータと通信し、パーソナルコンピュータからインストラクションを受け取り、パーソナルコンピュータへ情報を送信し、レーダー(図1)の回路及びユニットのためのインストールされたソフトウェアを更新する。又、PCは、反射信号のパラメータ(周波数、反射信号振幅、等)を測定して、それをモニタに表示することができる。
【0042】
ユニット14は、次のユニットを備えている(図8)。
− USBインターフェイスユニット21(Cypressにより製造されたCY7C68001−56PVCチップにおいて実現できる)、Analog Devicesにより製造されたAD6620チップをベースとするデジタルデータコンバータ22(DDC)、コントローラユニット23、マイクロコントローラユニット24、Samsungにより製造されたK6R4016V1D−TI08チップが使用されるところのRAMユニット25、コンピューティングユニット26(制御ユニット及びコンピューティングユニットは、ALTERAにより製造されたEP1K50QI208−2チップにおいて実現できる)、デジタル/アナログコンバータDAC1−27、DAC2−28、DAC3−29(Analog Devicesにより製造されたAD5542がDACとして使用されてもよい)。コンピューティングユニットの機能図が、図9に示されている。コンピューティングユニットは、チェックポイントUCO電圧のためのコードレジスタ30、チェックポイントUC電圧のためのコードレジスタ31、減算器32、比較器33、エラーコードレジスタ34、コード修正器35、及び第1の調整可能な遅延ユニットのためのコードレジスタ36を含む。
【0043】
USBインターフェイスユニット21は、USBポートを経て外部パーソナルコンピュータと情報交換するように意図される。DDCユニット22は、情報処理のために意図される。このような処理は、周波数変換及び帯域又は低周波フィルタリングを含み、情報処理の形式は、マイクロコントローラ又はパーソナルコンピュータからのインストラクションにより決定される。制御ユニット23は、処理ユニット14の駆動出力を経てレーダーユニットを制御するように意図される。これとは別に、アナログ/デジタルコンバータ13からデータを得て、それをデジタルデータコンバータ22へロードし、デジタルデータコンバータ22からフィルタリングされたデータを得、USBインターフェイスユニット21へ情報を送信して、それを更にパーソナルコンピュータへ送信し、パーソナルコンピュータからUSBインターフェイスユニット21を経てデータをロードし、ユニット14の第5駆動出力を経てPRSを形成するためのコードをロードし、第1整形器及び第2整形器7をアクチベートし、反射信号のパラメータ、即ち反射信号の振幅、分散及び周波数を上述したアルゴリズムに基づいて計算するのにも使用される。
【0044】
マイクロコントローラユニット24は、リンクのスタート前ロードを行い、レーダー回路及びユニットをテストし、必要に応じて、テスト結果を外部パーソナルコンピュータへ発行し、反射信号のパラメータ(振幅、遅延、周波数)を計算し、そして必要なときに、ラインディスプレイ、スピーカ等の他の装置へ情報を発行するように意図される。
【0045】
処理ユニット14(図8)は、次のように動作する。ADCユニット13からのデータは、DDCユニット22に記憶され、そこで、周波数が第1の中間周波数からゼロ周波数のキャリア波へ変換され、そしてローパスフィルタ又はバンドパスフィルタにおいて結果がフィルタリングされる。従って、呼吸周波数又は心鼓動周波数を分離することができる。AD6620チップは、信号の変換及びデジタルフィルタリングに必要な全ての技術的リソースを含む。アルゴリズム(図10)に基づくインスタンス記録のモードでは、制御ユニットは、反射信号のインスタンスをRAMユニット25に記録する。自動安定化モードをスイッチオンした後に、制御ユニット23は、コンピューティングユニット26に、アナログ/デジタルコンバータからのコード値を記録し、これは、安定化が行なわれるインスタンス(UCO30値コードレジスタ)におけるチェックポイントの信号値に対応する。遅延の半スケールに対応するコード値が、第1の調整可能な遅延コードレジスタ36に入力される。調整スレッシュホールドεの値が、エラーコードレジスタ34に入力される。信号インスタンスを次々に取り上げるモードがアクチベートされる。各信号インスタンスから、アナログ/デジタルコンバータからの新たな信号値が、チェックポイントUC値レジスタ31に入力され、このような新たな信号値は、UCO値がUCO値コードレジスタ30に入力されたところの同じインスタンスチェックポイントにおいて取り上げられる。安定化モードがアクチベートされたときにUCO値コードレジスタ30に信号が一度だけ入力され、安定化のプロセス中にそれが変更されることはない。次の信号インスタンスが取り上げられるたびにUC値コードレジスタ31に信号が記録され、減算器32は、UC及びUCOコードを差し引き、そして比較器33は、差のモジュールをスレッシュホールド値εと比較する。差の符号と、比較器33におけるエラーとスレッシュホールド値εとの間の比較の結果とに基づいて、1だけ大きいか又は小さい新たなコード値が第1の調整可能な遅延コードレジスタ36に入力される。これは、コード調整器35を使用して行なわれる。アルゴリズムを繰り返し実行した結果(図11)、UCコード値は、ほぼUCO値となって、エラーがεの値を越えることはなく、即ち安定化のための基準として取り上げられた信号の時間的位置が、自動安定化モードがアクチベートされたときに存在した時間的位置に対応することになる。
【0046】
第1及び第2の調整可能な遅延のユニット3及び6における遅延値を変更するために、DAC1(27)及びDAC2(28)ユニットが使用される。DAC3(29)は、可変増幅器11を制御するのに使用される。
【0047】
処理ユニット14は、制御ユニット23及びコンピューティングユニット26を使用するために、PLIC(プログラム可能なロジック集積回路)又はFPGA(現場でプログラム可能なゲートアレー)を備えている。電源をスイッチオンした後に機能するために、マイクロコントローラ24は、内部構造を決定するコンフィギュレーションファイルをロードする。ALTERAにより作成された推奨勧告には多数のロード方法が述べられており、それらの1つは、マイクロコントローラを使用する(アプリケーションノード116を参照)。コンフィギュレーションファイルは、PLICの内部組成、その振舞い、及び入力信号に対する反応を決定する。それ故、電源をスイッチオンした後に、PLICによりレーダーの回路及びユニットをテストするために、第1のコンフィギュレーションファイルがPLICにロードされる(LOADERモード)。テストが満足であった場合には、PLICをレーダーの動作モード(RUNモード)へ移行させるように意図された他のコンフィギュレーションファイルがロードされる。マイクロコントローラは、PLICに対する2つのコンフィギュレーションファイルをそのフラッシュメモリに記憶する。
【0048】
電源をスイッチオンした後に、レーダーの制御は、マイクロコントローラのユニット24へ移行される。ユニット24は、マイクロコントローラそれ自身と、データメモリとを含む。マイクロコントローラは、データメモリからのデータをUSBインターフェイスマイクロ回路21にロードすることで、それを始動させる。同様に、データメモリから、PLICマイクロ回路のコンフィギュレーションファイルがロードされる(動作モード1−LOADER)。マイクロコントローラは、システムテストを行い、ポイントに関する情報を収集するためのソフトウェアをアクチベートし、ADCユニット13、DDCユニット22をテストし、等々を行なう。テスト結果は、USBインターフェイスを経て外部コンピュータへ転送することができる。テストがエラーを露呈しない場合には、PLICマイクロ回路のためのコンフィギュレーションファイルをロードするインストラクションが動作モード2−RUNとして与えられる。この点において、マイクロコントローラのデータメモリに記憶されたコンフィギュレーションファイルのバージョンと、いつ外部PCと共に機能するかとに基づいて、変形態様が考えられる。外部PCに使用されるバージョンがより新しいものである場合には、それが最初に外部プログラムからマイクロコントローラのデータメモリへロードされ、その後、PLICへロードされる。ロード動作の後に、動作モード2に対するPLICコンフィギュレーションがメイン動作モードになる。レーダーの制御は、マイクロコントローラユニット24から制御ユニット23へ移行される。というのは、処理速度及び制御に対する要求が増加され、マイクロコントローラユニット24により保証されないことがあり、且つ制御ユニット23のロジック回路により保証されねばならないからである。外部プログラムは、インスタンスにおけるポイントコード、インスタンスにおける信号を増幅するためのコード、及びユーザによりセットされる他のパラメータを送信する。処理ユニット14は、情報を収集し、それを外部コンピュータへ転送するか、又は反射信号のパラメータをそれらの処理及び指示(例えば、信号振幅変化率に関する)と一緒に計算する。
【0049】
走査モードにおいて、制御ユニット23は、次のように動作する(図10)。電源をスイッチオンすると、マイクロコントローラユニット24(図9)は、第1の調整可能な遅延ユニット3の初期値(遅延平均値)に対するコードをロードし、そして反射信号のインスタンスを入力する動作をスタートする。このため、初期遅延コードが第2の調整可能な遅延ユニット6(図1)に記録され、これは、最初にセットされた距離からの信号の読み取りを保証し、コンデンサー15の電圧UC値が読み取られてRAMユニット25へ記録され、第2の調整可能な遅延ユニットの遅延コードが増加され、そしてコンデンサー15の電圧がもう一度記録される。これらの動作は、遅延(距離)の全範囲がチェックされるまで繰り返される。その結果、遅延(距離)の設定範囲における反射信号のインスタンスを表わすファイルがRAMユニット25に形成される。
【0050】
UWB信号(図2)の時間的位置を安定化するために、処理ユニット14に含まれた制御ユニット23は、次のように機能する(図11)。これは、チェックポイントにおける現在電圧UC値と、UCO安定化プログラムをアクチベートするときまでに記憶された値との間の差を計算する。チェックポイントの勾配及び差の符号に基づいて、第1の調整可能な遅延ユニット6(図1)の遅延を増加又は減少する。差が、ノイズレベルUnを越えるときの条件で選択されたスレッシュホールド値eより小さく、即ち|UC−UCO|<eである場合には、制御プログラムが距離走査のために実行される(図9)。時間的位置の安定化における動作は、反射信号のインスタンスを取り上げる各サイクルに一度実行される。
【0051】
遅延に関する1つのサンプルを取り上げる周期が1マイクロ秒であり、且つインスタンスにおけるサンプル捕獲の数が1000である場合には、安定化動作を繰り返す時間が1ミリ秒である。1ミリ秒の時間中に、チェックポイントは、その遅延を著しく変更することがなく、相関信号振幅特性の単調なセクタの範囲を出ることがない。というのは、このような変化は、機械的な移動及び温度変化により引き起こされる低速プロセスから生じるからである。同時に、前記動作は、反射信号インスタンスにおいて選択された基準信号に関して送信信号の安定な時間的位置を保証する。探査信号の巾が0.5ナノ秒以下である場合には、単調なセクタの長さが0.2ナノ秒以下である。安定化に使用される基準信号の振幅が0.5Vに等しく、且つ受信器のノイズレベルが0.5mVである場合には、ノイズ電圧の2倍の値に等しいスレッシュホールドe=1mVにおける時間的安定化のエラーが、ほぼ200ピコ秒1mV/500mV=0.4ピコ秒となる。チェックポイントで読み取られた電圧値を平均化した場合には、更に正確な安定化を得ることができる。このとき、エラーは、平均化されたサンプル捕獲の数をMとすれば、√Mだけ減少される。
【0052】
従って、最も近い同様の解決策と比較して、レーダーの所与の実施形態(図1)は、次のことを保証する。
【0053】
受信中の第1中間周波数の形成は、1/2TPRSに等しい。第1中間周波数の形成は、半導体コンポーネントのフリッカノイズの作用が小さい周波数の信号を増幅することができる。送信スキップインターバルを伴うコード化パルスバーストの周期的シーケンスの形態で駆動パルスを整形するここに提案する構成(図4a)は、ミクサ8、送信アンテナ5及び受信アンテナ10における同期低周波数ピックアップを排除することができる。このようなケースでは、主たる増幅が中間周波数において保証され、低周波数のフリッカノイズをあまり受けない。測定値として、探査信号を送信するときに得られるミクサ8の出力の電圧と、第1整形器4がアクチベートされないときに得られるミクサ8の出力の電圧との間の可変電圧振幅が生じる。
【0054】
擬似ランダム法則のもとで時間により配列されるパルスの送信は、クロックパルスジェネレータ1(CPG)の繰返し周期により決定される離散的周波数成分においてパルスのスペクトル密度を減少することができ、ひいては、レーダーの他のユニットに対する影響を減少することができる。アナログ解決策とは対照的に、PRSジェネレータ2を使用して駆動パルスを整形するのに使用される構成は、CPGジェネレータ1からのパルスシーケンスの周期をTとすれば、−T/2からT/2の範囲内で探査パルスシーケンスの擬似ランダム法則を形成することができる。例えば、直交MシーケンスをPRSとして使用することは、相関受信における信号/雑音比に関して最適な相関特性を有する。PRS法則及び周波数の知識は、探査信号を受信するための自律的チャンネルを実施するのに充分であり、これは、マルチチャンネル機構を実施するときに重要である。同時に、シーケンスの擬似ランダム法則は、送信される探査信号をノイズ信号に接近させ、従って、レーダーの他のユニットにおいて探査信号の繰返し周期に等しい周波数での同期ピックアップを排除する。
【0055】
要点として、ここに請求する方法及び装置は、受信アンテナ10により受信された所与の時間信号に関する反射信号の時間的位置を安定化させることができる。安定化が必要とされるのは、温度の変化又はレーダーの位置の変化に伴い、有効対象物から受信される信号の遅延も変化するからである。対象物から反射された信号U0(t)及びヘテロダインUPS2(t)の時間ドメインシーケンスの小さな相互シフトにおいて、登録信号の振幅が迅速に変化する(図7)。設定距離からの信号を正確に読み取るために、UWB信号時間ドメイン位置の長期間安定性が必要になる。
【0056】
超ワイドバンド信号の時間的位置を安定化するここに請求する方法、及び生存物を監視するための本発明のレーダーは、捜索及び救出部門において生存者を見つけてその座標を決定する目的で産業上適用することができ、又、この方法は、数ナノ秒以下の巾をもつパルス信号を使用する他の技術的用途にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】レーダーの機能図である。
【図2】a)は、信号の時間ドメイン位置の安定化を実現するために相関信号の振幅特性におけるチェックポイントの選択を示し、b)及びc)は、不安定化ファクタ、例えば、レーダーの振動又は温度の変化の影響によるチェックポイントの考えられるドリフトを示す。
【図3】a)は、クロックパルス、b)は、擬似ランダムシーケンス(PRS)のパルスを示す。
【図4】タイミング図であって、a)は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるPRSパルスバーストを示し、b)は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるPRSパルスバーストを示し、c)は、第1及び第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の遅延が一致するときにコンデンサー(積分器)における信号波形を示す。
【図5】a)は、1つのパルスに対して送信される超ワイドバンド信号の形状を示し、b)は、1つのパルスに対する超ワイドバンド信号のスペクトル密度を示す。
【図6】パルスバーストの送信UWB信号の擬似ランダムシーケンスを示す。
【図7】a)は、受信したUWB信号を示し、b)は、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の出力におけるヘテロダイン信号を示し、c)は、信号間の相互スキューτに基づく相関器(ミクサ及びコンデンサー)における電圧振幅を示す。
【図8】処理ユニットの機能図である。
【図9】コンピューティングユニットの機能図である。
【図10】レーダーが基準信号の遅延を走査し安定化するモードで動作されるときの処理ユニットの制御手段の機能アルゴリズムを示す図である。
【図11】基準信号の遅延を安定化するアルゴリズムを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超ワイドバンド信号の時間的位置を安定化する方法において、超ワイドバンド信号を基準信号に基づいて整形するステップと、整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するステップと、超ワイドバンド信号を受信するステップと、受信した超ワイドバンド信号を、基準の超ワイドバンド信号との相関により処理するステップと、前記受信した超ワイドバンド信号の処理において、前記相関された信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイントの初期位置をセットする時間だけ、前記信号を遅延させるステップと、前記チェックポイントの位置を周期的に制御するステップと、前記チェックポイントの位置が初期位置からずれているときには、前記整形された超ワイドバンド信号の空間への送信の遅延を変更して、前記チェックポイントの位置が初期位置へ戻るようにするステップと、を備えた方法。
【請求項2】
前記チェックポイントの初期位置は、対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受け取る前に、対象物から反射されるその後の信号が受け取られる空間の部分に前記整形された超ワイドバンド信号を直接送信することによりセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チェックポイントの初期位置は、動かない対象物から反射される超ワイドバンド信号を受け取る間にセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チェックポイントの位置として、前記相関信号のセクタにおいて最大勾配を有するポイントの位置が選択され、前記基準相関電圧のUCO値がそのポイントにおいて測定され、更に、前記相関電圧のUC現在値が前記基準相関電圧のUCO値と相違するようになったときには、前記整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するときの遅延を、前記相関電圧のUC現在値に関して変化させ、前記チェックポイントにおける前記相関信号の負の勾配では、UC>UCOのときに遅延を減少し、UC<UCOのときに遅延を増加し、或いは前記チェックポイントにおける前記相関信号の正の勾配では、UC>UCOのときに遅延を増加し、UC<UCOのときに遅延を減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
安定化パラメータeがセットされ、これは、前記チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるという条件で選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記超ワイドバンド信号として、パルスバーストが使用され、各パルスは、その形状が調波発振の1周期に対応するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記超ワイドバンド信号として、擬似ランダムシーケンスのパルスバーストが使用される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
生存物を監視するためのレーダーにおいて、クロックパルスジェネレータと、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータと、第1の調整可能な遅延ユニットと、制御可能とされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器と、送信アンテナとを備え、これらは直列に接続され、更に、第2の調整可能な遅延ユニットと、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器と、ミクサと、増幅器と、受信アンテナとを備え、前記第2の調整可能な遅延ユニットの入力は、前記パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの出力に接続され、そしてその出力は、前記第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の入力に接続され、その出力は、前記ミクサの第1入力に接続され、前記受信アンテナは、前記増幅器の入力に接続され、その出力は、前記ミクサの第2入力に接続され、更に、可変増幅器と、バンドパスフィルタと、アナログ/デジタルコンバータとを備え、これらは直列に接続され、前記可変増幅器の入力は、前記ミクサの出力に接続され、更に、処理ユニット及びコンデンサーを備え、コンデンサーの一方の接続ピンは、前記ミクサの出力に接続され、そして他方の接続ピンは、本体に接続され、前記処理ユニットのクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータの出力に接続され、そしてその駆動入力は、前記アナログ/デジタルコンバータの出力に接続され、前記処理ユニットは、5つの駆動出力で構成され、前記処理ユニットの第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、前記第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、前記可変増幅器の駆動入力に接続され、そしてその第5の駆動出力は、前記パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの駆動入力に接続され、前記処理ユニットは、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成され、前記処理ユニットは、前記第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、前記コンデンサーにおいて相関信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置が変更されるときに前記第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延を変更できるように構成され、更に、前記処理ユニットは、生存物までの距離を決定するために前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、生存物までの距離が増加したときに、前記受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、前記可変増幅器の増幅ファクタの変更を保証するように構成されたレーダー。
【請求項1】
超ワイドバンド信号の時間的位置を安定化する方法において、超ワイドバンド信号を基準信号に基づいて整形するステップと、整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するステップと、超ワイドバンド信号を受信するステップと、受信した超ワイドバンド信号を、基準の超ワイドバンド信号との相関により処理するステップと、前記受信した超ワイドバンド信号の処理において、前記相関された信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイントの初期位置をセットする時間だけ、前記信号を遅延させるステップと、前記チェックポイントの位置を周期的に制御するステップと、前記チェックポイントの位置が初期位置からずれているときには、前記整形された超ワイドバンド信号の空間への送信の遅延を変更して、前記チェックポイントの位置が初期位置へ戻るようにするステップと、を備えた方法。
【請求項2】
前記チェックポイントの初期位置は、対象物から反射されるその後の超ワイドバンド信号を受け取る前に、対象物から反射されるその後の信号が受け取られる空間の部分に前記整形された超ワイドバンド信号を直接送信することによりセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チェックポイントの初期位置は、動かない対象物から反射される超ワイドバンド信号を受け取る間にセットされる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チェックポイントの位置として、前記相関信号のセクタにおいて最大勾配を有するポイントの位置が選択され、前記基準相関電圧のUCO値がそのポイントにおいて測定され、更に、前記相関電圧のUC現在値が前記基準相関電圧のUCO値と相違するようになったときには、前記整形された超ワイドバンド信号を空間へ送信するときの遅延を、前記相関電圧のUC現在値に関して変化させ、前記チェックポイントにおける前記相関信号の負の勾配では、UC>UCOのときに遅延を減少し、UC<UCOのときに遅延を増加し、或いは前記チェックポイントにおける前記相関信号の正の勾配では、UC>UCOのときに遅延を増加し、UC<UCOのときに遅延を減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
安定化パラメータeがセットされ、これは、前記チェックポイントのUCO電圧がノイズレベルUnを越えるという条件で選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記超ワイドバンド信号として、パルスバーストが使用され、各パルスは、その形状が調波発振の1周期に対応するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記超ワイドバンド信号として、擬似ランダムシーケンスのパルスバーストが使用される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
生存物を監視するためのレーダーにおいて、クロックパルスジェネレータと、パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータと、第1の調整可能な遅延ユニットと、制御可能とされた第1の超ワイドバンド信号パルス整形器と、送信アンテナとを備え、これらは直列に接続され、更に、第2の調整可能な遅延ユニットと、第2の超ワイドバンド信号パルス整形器と、ミクサと、増幅器と、受信アンテナとを備え、前記第2の調整可能な遅延ユニットの入力は、前記パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの出力に接続され、そしてその出力は、前記第2の超ワイドバンド信号パルス整形器の入力に接続され、その出力は、前記ミクサの第1入力に接続され、前記受信アンテナは、前記増幅器の入力に接続され、その出力は、前記ミクサの第2入力に接続され、更に、可変増幅器と、バンドパスフィルタと、アナログ/デジタルコンバータとを備え、これらは直列に接続され、前記可変増幅器の入力は、前記ミクサの出力に接続され、更に、処理ユニット及びコンデンサーを備え、コンデンサーの一方の接続ピンは、前記ミクサの出力に接続され、そして他方の接続ピンは、本体に接続され、前記処理ユニットのクロックパルス入力は、クロックパルスジェネレータの出力に接続され、そしてその駆動入力は、前記アナログ/デジタルコンバータの出力に接続され、前記処理ユニットは、5つの駆動出力で構成され、前記処理ユニットの第1駆動出力は、第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に接続され、その第2駆動出力は、前記第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第3駆動出力は、前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に接続され、その第4駆動出力は、前記可変増幅器の駆動入力に接続され、そしてその第5の駆動出力は、前記パルス状擬似ランダムシーケンスジェネレータの駆動入力に接続され、前記処理ユニットは、生存物の脈拍数又は呼吸に対応する変調成分を分離できるように構成され、前記処理ユニットは、前記第1の超ワイドバンド信号パルス整形器の駆動入力に基づいて周期的にスイッチイン/アウトできるようにして、超ワイドバンド信号のパルスバーストの形成を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、前記コンデンサーにおいて相関信号の最大電圧と最小電圧との間の中間セクタにチェックポイント位置を固定するために、前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、そのチェックポイントの位置を記憶し、そしてそのチェックポイントの位置が変更されるときに前記第1の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延を変更できるように構成され、更に、前記処理ユニットは、生存物までの距離を決定するために前記第2の調整可能な遅延ユニットの駆動入力に基づいて遅延の変更を保証するように構成され、更に、前記処理ユニットは、生存物までの距離が増加したときに、前記受信アンテナにより受信された超ワイドバンド信号の減衰を補償するために、前記可変増幅器の増幅ファクタの変更を保証するように構成されたレーダー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−514953(P2008−514953A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534534(P2007−534534)
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/RU2005/000483
【国際公開番号】WO2006/038832
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507100580)株式会社ライフセンサー (2)
【出願人】(507100591)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【国際出願番号】PCT/RU2005/000483
【国際公開番号】WO2006/038832
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(507100580)株式会社ライフセンサー (2)
【出願人】(507100591)
【Fターム(参考)】
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