説明

超臨界二酸化炭素をベースとする金属加工潤滑剤組成物

金属加工処理中の金属製仕掛品を潤滑する方法は、金属加工処理中の該仕掛品へ超臨界二酸化炭素を供給する工程を含む。超臨界二酸化炭素は、潤滑剤、冷却剤、チップ排出剤、及び/又はその他の潤滑剤又は腐食抑制剤のキャリアーとして作用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金属加工に関し、更に具体的に言えば、金属加工のための潤滑剤に関する。
(相互参照文献)
本出願は、2005年4月29日出願の米国特許仮出願第60/676531号の利益を主張する。
(連邦政府委託研究又は開発に関する声明)
本発明は、国立科学財団(NSF)の許可、許可番号第DMII0093514号、及び国立科学財団(NFS)/環境保護局(EPA)の許可、許可番号第RD83134701号により支援された研究の過程でなされたものである。合衆国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
金属加工流体(MWF)は、種々の金属加工処理(その幾つかの非限定的例としては、切断処理、成形処理等が挙げられる)中の金属を潤滑し、冷却し、適切な処理機能にとって有用である。特に、MWFは工具寿命を向上させ、適切な表面仕上げを実質的に確実にし、より速い製造速度を可能にし、機械加工中のエネルギー消費を低減する。これらは、一般に、水中油エマルジョンであり、切断帯を油が潤滑し、水が冷却する。しかしながら、油と水の混合物は、MWFの環境及び労働衛生問題を引き起す可能性を有している。これは、少なくとも部分的に、金属、有機成分、及びこれらの流体中に蓄積する可能性のある微生物、ならびに機械加工処理において相当過剰に噴霧される場合に形成する可能性のあるエアロゾルによる可能性がある。これらの油性溶液から形成してもよいエアロゾルは、加工現場の空気の質を低下させ、ある場合には、作業者に対して急性及び/又は慢性的な皮膚及び肺への影響を潜在的に有する。水中油エマルジョンは、微生物の攻撃及び硬水イオンの蓄積の結果として時間が経てば劣化する傾向にあり、特に混合物が毒性添加剤を含む場合は廃棄物処理の問題を引き起す可能性がある。したがって、MWFは、これらがその耐用年数の終わりに達した場合には、有害な廃棄物問題になる可能性がある。MWFに潜在的に関連する多数の環境及び健康問題は、水以外の溶剤の使用量を最少にして潤滑を行うことができれば、実質的に解消される可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、非水系溶剤の使用量を最少の必要量にして金属加工潤滑を行うことが望ましい。その様な代わりとなる溶剤は、水をベースとするMWFに関わる問題及び、それに続く、ポンプ及び分離システム等の従来のMWFの維持管理又は処理システムの必要性を好都合に低減し又は解消する可能性がある。更に、最少量の潤滑剤の供給は、資源を保護し、更に一貫した高品質な処理操作を維持し、従来の水をベースとするMWFに潜在的に関連する健康上の危険性及び損傷の問題の除去を実質的に助けながらライフサイクル排出を減少させる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
金属加工処理中の金属製仕掛品を潤滑する方法は、金属加工処理中の金属製仕掛品に対して超臨界二酸化炭素を供給する工程を含む。超臨界二酸化炭素は、潤滑剤、冷却剤、チップ排出剤、及び/又はその他の潤滑剤もしくは腐食抑制剤のキャリアーとして作用する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本発明の目的、特徴及び実施形態の利点は、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより明らかになる。
本発明者らは、超臨界二酸化炭素(scCO)が、金属加工処理/操作、例えば切断及び成形等において有効な潤滑剤及び潤滑剤担体(キャリアー)として使用できることを予想外に且つ偶然に見出した。更に、scCOは、金属加工において水よりも良好な基本的潤滑性を与え、scCO単独では、少なくとも、1つの機械加工用途において、基本的な半合成金属加工流体(MWF)の潤滑性に実質的に類似の潤滑性を有することが分かった。ストレートオイル、即ち、水が添加されていないオイル等の潤滑剤は、殆どの処理にとって最高の知られた潤滑剤の1つである。しかし、本発明者らは、また、scCOと潤滑剤との組合せが好都合に相乗的である、即ち、その組合せたものの潤滑性が、それぞれの単独の潤滑性よりも実質的に良好な潤滑性を与えることを見出した。これは、また、少量のオイルがscCOによって供給されるシステムに適用される場合でも事実であることが分かった。例えば、改善された性能は、同じオイルにおいてscCO供給システムを伴う場合と伴わない場合とを比較してみて(scCO供給システムを伴う場合に)分かったが、好都合なことに、それらの改善された結果は、scCO供給システムと一緒に使用される場合に少量の同じオイルと一緒に見出された。なお更に、本発明者らは、本明細書の実施形態による方法が、切断処理中にチップを好都合に片付け(チップ排出)、工具の摩耗を低減し、耐腐食性を与え、特定のシステムでの表面仕上げを改善する可能性のあることを考慮する。
【0006】
超臨界COは、製薬業界及び半導体業界、ならびに化学工学の抽出処理、エッチング処理、及びクリーニング処理では重要な構成要素になっているが、金属加工業界においてscCOの好都合な利用法があることは現在まで示されていない。本明細書で示される通り、scCO潤滑剤及び/又はscCOをベースとする潤滑剤流体は、実質的に制御された量で切断領域に添加されてもよく、それによって流体を作るために必要とされる原料の有効性及び回収を改善し、ならびに原料の量を低減する。したがって、scCOの使用は、全ての金属切断及び成形操作に適合し得るミクロ−/ナノ−潤滑技術の新しい部類と見なされてもよい。また、必要に応じて、金属加工帯に更にオイルを添加することも本発明の範囲内である(即ち、ミクロ−/ナノ−潤滑に限定されない)。
【0007】
なお更に、本明細書に開示される新規な分散方法(dispensing method)は、潤滑剤(1つ又は複数の追加の潤滑剤、例えばオイルが、scCOと一緒に潤滑剤として使用される場合)の実質的に強化された供給に加えて、過冷却効果(例えば、ドライアイスによる)を実質的に創り出す。ドライアイス冷却により達成される冷却度合いよりも厳しい冷却度合いが要求される機械加工操作に対しては、場合によっては、更なる冷却を与えるために、scCOシステムに、圧力解放冷却噴霧として圧縮空気又は窒素もしくはその他の不活性ガスの噴霧を組み合わせてもよい。
【0008】
本発明の実施形態の超臨界CO組成物が金属加工帯に到達する場合は、これらはもはや超臨界ではないが、潤滑剤は極めて微細に分散され、それが/それらが本来超臨界ではない組成物である場合よりも一層よく、金属加工帯(例えば、切断帯)に到達することができることが理解される。大きな圧力解放は、一般に、非超臨界組成物を伴うよりも、供給される潤滑剤の質量当たり、更なる冷却をもたらす。
【0009】
本明細書で更に十分に説明される通り、本発明の開示は、任意の機械加工及び/又は成形操作に限定されると意図されるものではなく、即ち、言及されるタッピング処理は、本発明の組成物の実施形態が有用であると考えられる多数の機械加工操作の1例に過ぎないことが理解される。更に、本発明の開示は、本発明の実施形態の潤滑剤の任意の単一調合物/組成物に限定されると意図されるものではないことが理解される。scCO単独に加えて、scCOに溶解もしくは分散したオイル、又はCOシステムにおいて乳化のために設計された界面活性剤を使用して乳化されたオイルとして、多数のオイル、エステル、脂肪酸、フッ素化オイル、ブロック共重合体、界面活性剤、イオン性液体、及びその他の化合物が、本発明の実施形態のscCOをベースとする潤滑剤での使用に適する可能性があることが、本発明の開示の範囲内にあるものと考えられる。また、二次添加剤が、場合により、本発明の実施形態の潤滑剤に添加されてもよいことが、本発明の開示の範囲内にあるものと考えられる。金属機械加工操作で一般に有用である二次添加剤の幾つかのクラスは、腐食抑制剤、極圧添加剤、境界潤滑剤、及び/又は耐摩耗添加剤であり、これらの個々のクラス内の幾つかのタイプはCOに溶解しない可能性があり、したがって、本出願にとって有用ではない可能性のあることが認められる。なお更に、本発明の実施形態の方法及び組成物/調合物は、金属切断(この非限定的例としては、ドリル加工、中繰り加工、旋削加工、フライス加工、ネジ立て加工、ブローチ削り加工、ネジ山形成加工、平削り加工、剪断加工、打ち抜き加工、リーマ仕上げ加工等が挙げられる)ならびに金属成形(この非限定的例としては、打ち抜き加工、延伸加工、圧延加工、押出し加工、鍛造加工等が挙げられる)に有用であり得ることが理解される。
【0010】
本明細書で使用される「金属加工」と言う用語は、全ての金属加工操作を包含することを意味し、その例として金属切断及び金属成形がある。「冷却」、「冷却剤」又は同様の用語は、少なくとも部分的に、ノズルでの/ノズル近傍での二酸化炭素の急速な膨張による金属製仕掛品の冷却の現象を包含することが意図される。本明細書で言及される潤滑剤組成物/調合物は、scCOそれ自体に加えて、scCOに任意の適当な手段で溶解及び/又は分散及び/又は乳化された任意のその様な潤滑剤を含むことが意図される。
【0011】
以下で更に詳細に検討される様に、図4a〜4eで示されるSEM画像及び図3で示されるタッピングトルクデータは、はっきりと相関関係にある。基底表面は高摩擦を示し、高摩擦は高トルクと同等と見なし、高トルクは低いタッピングトルク効率と同等と見なす。図3と図4a〜4eとの比較は、明らかにこの相関性を示す。したがって、本明細書で示されるデータから、タッピングトルク効率は潤滑性能の信頼できる指標であると思われる。
【0012】
更に、本明細書の実施形態の方法は、また、切断処理中にチップを好都合に片付け(チップ排出)、それによって本発明の実施形態の潤滑剤のより深い浸透を可能にする。その様なチップ排出は、少なくとも部分的に、本発明の方法の圧力によるものであってもよい。潤滑剤の深い浸透は、また、非常に微細な分散体及び二酸化炭素放出の高圧によるものであってもよく、非常に小さな小滴が、切断帯及びチップ排出帯に一層深く到達することを可能にすることが理解される。更に、scCOは水よりも低い表面張力を有し、scCOが溶解される液体の表面張力を減少させ、COで供給される潤滑剤の浸透能力を更に増加させることが知られている。
【0013】
幾つかの、植物をベースとする調合物は、石油をベースとする調合物に対する代替物として開発されている。タッピングトルクテストは、植物及び/又はscCOをベースとする新たな潤滑剤の性能を現在使用されている石油及び水をベースとするMWFと比較するために使用される。本明細書で示されるデータは、COをベースとするMWFの可能性を証明する最初のものであると考える。
【0014】
植物油は、これらが再生可能原料(外来のオイルへの依存を低減する)由来のものであり、これらは使用中及び耐用年数が過ぎた時点で毒性が少なく、これらは現場条件下で更に安定で且つ再生利用することが容易であることが示されているので、MWF用途での使用にとって望ましい。これらは、また、実質的に非毒性材料が使用されるので医療用途(例えば、医療製品の機械加工)ならびに従来の操作に特に適し得る。植物油は、また、鉱油よりも良好な潤滑剤であることが示されている。更に、COは、植物原料が成長する場合に隔離される。多数の原料が市場で入手できるが、3つの普通の、植物をベースとするオイル及び2つの普通の、石油をベースとするオイルが、本明細書で記載される実験のための実例として選択された。これらは、ナフテン系鉱油、ナフテン系及びパラフィン系鉱油の50:50ブレンド、大豆油、カノーラ油(75%のオレイン酸含有量)、及びTMPエステル(nC8及びnC10脂肪酸とトリメチロールプロパンとの混合物を反応させることにより作られるポリオールエステルは「TMP」エステルと称されてもよい)である。基油の性能についての乳化の影響を理解するために、5つのオイルが、純粋なオイル(ストレートオイル)として、ならびに可溶性オイル及び半合成MWFとしてテストされた。機械加工性能は、標準タッピングトルクテスト(ASTM D5619)の改良版を使用して評価した。MWF性能は、測定基準の「タッピングトルク効率」を使用して市販のMWFと比較して表わされる。高い効率はタッピングトルクテストでの改善された性能を示し、現場性能(以下で更に詳細に検討される様な)にとって適当な測定基準であることが示された。
【0015】
実験誤差の統計的推定を確立するために、25を超えるタッピングトルク実験を各テスト流体に対して行った。結果は、ストレートオイルとして、植物をベースとする全てのストックが、鉱油よりも顕著に良好に機能することを示す。この傾向は、断言はできないが、植物ストックが可溶性オイル及び半合成MWF中に乳化された後も持続する。この結果は、また、幾つかの植物オイルをベースとするストックは、大豆油及びTMPエステルが、乳化されたMWFにおけるカノーラ油に比べて改善されたタッピングトルク効率を与えることを示すデータによって、その他のものよりも潤滑性について高い能力を有することを示す。上記の実験は、植物をベースとするMWF(scCO中に配合されていない)が、石油をベースとするMWFよりも良好又は同等に機能することを示すために行われたことが理解される。
【0016】
この研究は、また、MWFとして利用できるscCO及び大豆油の安定な分散体を製造した。これらの分散体は、制御された量で局部的に潤滑性を与えるために、切断帯に噴霧することができる。急速に膨張するCOは、潤滑性を与えることに加えて、水に比べて優れた冷却能力を与える。更に、COの圧力放出は、また、MWFの作業構成成分にとってのキャリアーとして水を使用して以前に達成されたチップ排出機能を与える。
【0017】
COの超臨界温度及び超臨界圧力(Tc=31.1℃及びPc=72.8atm)は、工業的環境で容易に達成される。これらの条件下では、COは多数の材料の良好な溶剤であり、幾つかの、植物をベースとするオイルはCOに高い溶解性を有することが注目されるべきである。
scCOをベースとするMWFの可能性をテストするために、scCOへの大豆油の分散体を開発し、大豆油MWFマイクロエマルジョンと比較しつつタッピングトルク方法を使用してテストを行った。図1は、本発明の実施形態を組み込んだ実験設備10の実施形態を示す。これは非限定的実施形態であり、以下に列挙される要素の幾つかは必要でないことがあり、及び/又は、必要に応じて更なる要素が付加されることがあることが理解される。図1において、文字Aは、食品等級の二酸化炭素(Cryogenic Gases、ミシガン州)のタンクを表し、文字Bは逆止め弁を表し、文字Cは圧力ブースタ(High Pressure Equipment、ペンシルバニア州)を表し、文字Dは圧力ゲージを表し、文字Eは六方弁(Valco Instruments、テキサス州)を表し、文字Fはオイル入口を表し、文字Gは固定容積コイルを表し、文字Hは高圧容器を表し、文字Iは加熱要素を表し、文字Jは熱電対(Omega、コネチカット州、Stamford)を表し、文字Kは圧力変換器(Zook Enterprises、オハイオ州)を表し、文字Lはコンピュータを表し、文字Mは電磁弁(Clark Cooper、ニュージャージー州)を表し、文字Nはノズルを表し、文字Oはタッピングトルク装置を表し、文字Pはスチール製仕掛品を表し、文字V1〜V3はピンバルブを表す。
【0018】
設備10の実施形態においては、タンクAからのCOは、圧力ブースタCで超臨界圧力まで加圧されてもよい。入口Fを介してオイルは、任意の適当な弁又は装置であってもよい弁Eを使用して、加圧されたCOに添加されてもよい。次いで、加圧されたCO及びオイルの混合物は、加圧された混合物を含むのに適した任意の装置であることができる容器Hの中に通される。オイルは容器Hを出てもよく、ノズルNの外及び金属加工領域(例えば、タッピングトルク装置Oにおけるスチール製仕掛品P等)の上へ噴霧される前に、電磁弁Mを通過してもよい。
【0019】
任意の適当な計算装置であり得るコンピュータLは、電磁弁Mの作動を制御し及び/又はタッピングトルク装置Oからのデータを記録するために使用されてもよい。コンピュータLは、また、容器Hの内側の環境条件の監視/制御操作のために使用されてもよい。コンピュータLは、熱電対Jからの温度データ及び/又は感圧装置からの圧力データを受けてもよい。コンピュータLは、加熱要素I及び圧力変換器Kと接続していてもよく、両者は容器Hと連通していてもよく、それによって容器Hの内側の温度又は圧力が予め決められた範囲の外に落ち込む場合は、コンピュータが、加熱要素I及び/又は圧力変換器Kに命令して予め決められた範囲に相当する環境条件に修正する。
【0020】
実験設備10のその他の実施形態においては、オイルは、オイル入口Fを介して弁Eに添加されるオイルに代わって又は付加して、容器Hにおいて、加圧されたCOに添加されてもよく、一緒に混合されてもよい。その様な実施形態においては、撹拌棒が、COとオイルとの混合を促進するために容器Hに含まれてもよい。
図2Aは、ノズル18を介して供給される水をベースとするMWF12を使用するタッピングトルクテストを示し、図2Bは、ノズル18’を介して供給されるscCOをベースとするMWF14を利用する同じテストを示す。図2A及び2Bのタッピングトルクテストは、ロックナット24及び試料ナット26を有するタッピングトルクテスト工具22で行われる。過剰の、水をベースとするMWF28は図2Aで明らかであり、そのためにscCOをベースとするMWF14を使用する図2Bで示されるテストは、一般にその様な過剰な流体を持たない。図2Bで示されるテストは、十分な潤滑を与え、金属加工領域へ少ない容量の流体14を供給しながら適用比率を減少させる可能性を与え得ることが理解される。
【0021】
図3の図表は、水をベースとするMWF及びscCOをベースとするMWFのタッピングトルク効率を示す。この結果は、scCO中の大豆油(3E)は、以下において更に検討される大豆油MWFミクロエマルジョン(3C)よりも大体20%良好に機能することを示す。観察された性能の劇的な増加は、以前には観察されなかったタッピングトルクテストでの性能の水準に達した。COは安価で、不燃性であり、環境に優しく、生成物から簡単に除去できるが、人為的な地球温暖化に対する潜在的貢献物であることが示されている。産業で使用されるCOの大部分がその他の方法の副生成物であるから、この欠点は、結果的には、提案されている用途では相対的に小さくなる。要するに、工業的方法でのCOの使用は、その他の汚染物質に対する需要を創り出すのではなく、豊富な廃棄物の流れを活用するものである。したがって、人間の健康及び環境に対するMWFシステムの存在する有害性に関しては、scCOMWF方法の漸進的な地球温暖化の可能性は実質的に顕著ではない。
【0022】
この開示は、超臨界二酸化炭素(scCO)を使用する金属加工操作における潤滑、冷却、及び/又はチップ排出のための新たな方法を教示する。水をベースとする金属加工流体(MWF)は、水の使用が、高い経済負担、労働衛生コスト、及び環境コストをもたらすにも拘わらず、これらの機能を果すために伝統的に使用されてきた。その臨界温度及び臨界圧力を超える二酸化炭素は、ある種のオイルを溶解する調整可能な溶剤である。これは、以前は水噴射では到達しにくかった隙間の空間へオイルを供給できることを意味している。CO中のオイルの分散体は、図2Bで示される通り、オイルを供給するために高速度でノズルの外に噴射することができ、切断帯においてドライアイスを形成する。COの急速膨張は極低温での冷却をもたらす。CO及び/又はCO溶液のこの急速膨張は、圧力低下の結果として著しく冷却し、約−80℃より低い温度に達することができる。溶解した材料の均一なコーティングは、COが温まり、揮発するにつれて噴霧表面上に形成する。タッピングトルク効率の測定は、新たな、scCOをベースとする流体が、タッピングトルク効率に関して従来の水性流体よりも20%まで良好に機能することを示した。タッピング操作で生成されたチップの走査型電子顕微鏡(SEM)画像は、scCOが、以下で更に言及される様に、水よりも良好な潤滑剤供給メカニズムであることを示唆している。更に、scCOにより供給された場合、ストレートオイルは、従来の圧力下で適用した場合よりも高性能を示す。
【0023】
本発明の実施形態を更に示すために、種々の実施例が本明細書において与えられる。これらの実施例は例示の目的で与えられるのであって、開示された実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきものではないことが理解される。
【実施例】
【0024】
(タッピングトルクテスト方法)
本明細書に開示される開発されたMWFの機械加工性能は、240 M6の穴(Maras Tool、イリノイ州、Schaumburg)で前以てドリル加工及びリーマ仕上げされた1018スチール製仕掛品をMicro Tap Mega G8(ミシガン州、Rochester Hills)機械工具を使用して1000RPMの機械加工速度でタッピングするタッピングトルクテストにより測定した。タッピングは、60°ピッチ及び3つの直刃を有する、非被覆高速度鋼(HSS)タップ(1018スチール用)を使用して行った。MWFの評価は、タッピングトルクテスト装置を使用する、金属除去液体を比較するための基準である、ASTM D 5619により行った。ただし、単一の仕掛品について複数の評価を可能にするMWF評価テストベッドを使用できるように、幾つかの変更がなされている。MWFの性能は、本明細書では、参照のMWFにおいて測定された平均トルクに対して標準化された完全な工具の関与中に測定された平均トルクであるタッピングトルク効率の割合(%)で報告される。高い効率は、タッピングトルクテストにおける改善された性能を示し、以下で検討される現場性能に対する適切な測定基準であることを示した。
(超臨界二酸化炭素テストベッド)
実験的テストベッドを、scCOをベースとするMWFを作るために本発明者らで設計し、それらをタッピングトルク装置の切断領域に適用した。再度図1を参照すると、先に言及された通り、実験的設備の系統図は全体的に10で表される。
【0025】
COを、〜700psiaから>1070psiaの超臨界圧力まで、圧力ブースタCで高めた。オイルを、六方弁Eを使用して入口Fを介して混合物に添加し、混合物を高圧容器Hに貯蔵した。25mL容量の容器Hは、混合物を見るための2つのサファイア製の窓を有していた。混合物は、圧力容器Hの出口を通して移動し、ノズルNからタッピングトルク切断領域に噴霧される前に、自動電磁弁Mを通過した。パーソナルコンピュータLを、高圧容器Hにおける操作状態を監視するため、電磁弁Mの作動を制御するため、及びタッピングトルク装置Oからのデータを記録するために使用した。
【0026】
scCOをベースとする流体を、ブランクの仕掛品の表面へのタッピング工具の関与と同時に切断帯に適用した。装置OがMWF混合物で噴霧されながら全体のタッピング加工を行うことを可能にするために、バルブMを2秒間開放した。CO流体を使用する各テストでは、容器Hを、凡そ1500psia及び35℃とし、容器Hの内容物が3分間平衡を保つことを可能にした。上で言及した通り、水をベースとするMWF及びscCOをベースとするMWFを使用する切断加工の写真は、それぞれ図2A及び2Bで示される。両方の場合では、バルブMは工具関与の期間開放された。20psiaで供給された水性加工処理は過剰のMWF12を供給することが図2Aに示されている。図2Bの設備は、少ない容量の流体14を供給しながら、大きな潤滑及び加工処理の最適化により更に少なくオイルの適用比率を低減させる可能性を与える。切断後、容器H内の圧力は大体約900psiaになり、凡そ1500psiaの圧力を取り戻すために容器H内に更にCOを供給した。追加のオイルを、毎回6度のタッピング試験の後に添加した。
(調合物)
水をベースとするMWF調合物を、大豆油及び鉱油を使用して開発した。水をベースとする調合物は、市販のMWF供給者により提供される調合物をベースとする。100%のタッピングトルク効率は、その様な市販のMWF供給者から購入した可溶性オイルMWFのタッピングトルク効率を表す。MWFは、最初濃縮形態で製造し、次いで、脱イオン水で作業濃度まで希釈した。この調合物の手順は、水性MWFが調製され、実際に利用される方法と一致する。水性調合物のそれぞれに対して使用された組成物及び本発明の実施形態による調合物は、表1で示される。
【0027】
【表1】

水をベースとする調合物は両方ともアニオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤で作られたが、界面活性剤の構造及び量は、安定なエマルジョンを達成するために僅かに変更した。水をベースとする調合物は両方とも、第二乳化剤として発色剤(coupler)を含んでいた。
【0028】
scCOをベースとする調合物は、水をベースとする流体と比較できる濃度で大豆油を高圧容器Hに注入することにより作った。容器Hの内容物を撹拌棒で撹拌し、圧力及び温度をCOの臨界値より上に維持した。全ての流体成分を業者から納品された通りに使用し、同じ扱い及び貯蔵条件に置いた。調合物で使用された基油は、石油をベースとするナフテン系オイル及び大豆油であった(Alkali Refined Soybean Oil、Cargill Inc.、ミネソタ州、Minneapolis)。水性調合物のための界面活性剤は、Tagat V20(Degussa−Goldschmidt Chemical Corporation、バージニア州、Hopewellから市販されているグリセロール脂肪酸エステルをベースとする界面活性剤)、Dowfax 3B2(Dow Chemical、ミシガン州、Midlandから市販されているジスルホネート界面活性剤)、及びTomadol 91−6(Tomah Corporation、ウィスコンシン州、Miltonから市販されているアルコールエトキシ化界面活性剤)であった。
【0029】
図3では示されないが、潤滑剤として脱イオン水を単独で使用した1018高速度鋼(HSS)についてのテストを、本明細書に記載された「タッピングトルクテスト方法」により実施した。このテストの結果は、約50%のタッピングトルク効率を示した。
(実験結果及び検討)
図3を参照すると、タッピングトルクの研究結果は、scCO中に大豆油が分散した分散体(3Eで示されている)が、タッピングトルク効率に関して大豆油MWFマイクロエマルジョン(3Cで示されている)よりも凡そ20%優れて機能することを示す。超臨界CO単独(3Aで示されている)は、従来の、水MWF中の半合成鉱油(3Bで示されている)とほぼ同じで、水単独よりも優れて機能する。大豆油MWFマイクロエマルジョン(半合成MWFオイル濃度0.75%での)は、従来の可溶性オイル(3.4%オイル)(示されない)と同じ水準で、鉱油と同様に機能する。3Dで示されているストレート大豆油は、参照流体(この参照流体は、産業で使用される可溶性鉱油をベースとするオイルであり、更なる潤滑のために添加されたワックスを有する)を超えて約12%まで改善したタッピング性能を生み出した。参照流体は図には示されていないが、100%のタッピングトルク効率をもたらす。
【0030】
大豆油が、キャリアーとしてscCOを使用して切断帯に供給される場合は、流体の性能は劇的に向上する。scCO中に大豆油を含む流体の性能は、水中で乳化された大豆油又はストレート大豆油よりも著しく優れている。これは、潤滑剤を適用すること及び切断領域を冷却することに加えて、scCOが、切断加工を更に効果的にする摩擦学的利点を有することを示唆する。scCO中の大豆油をベースとするMWFにより与えられる強化された潤滑性のこの現象を調査する手助けとして、タッピング加工中に生成されるチップの走査型電子顕微鏡画像を撮った。
【0031】
図4を参照すると、一般に言って、図4a〜4eは、ストレート大豆油及びscCO中の大豆油の存在において生成されたチップが、仕掛品から離れ際に金属表面と僅かな接触を有することを示す。図4dと4eとの間の表面形態学の類似性は、scCO流体中のオイル分散体がノズルから発射されると、それはチップ出口帯に浸透して、負荷を有効に運び且つチップ−工具の接触を防ぐためにチップの裏側の空隙空間を充たすことを示唆する。
【0032】
上で言及した通り、図4a〜4eのそれぞれは、それぞれに3A〜3Eの1つと一致する。図4で与えられる一般な電子顕微鏡画像は、高い値のタッピングトルク効率で特徴付けられる実験(例えば、図4eで示される様なscCO及び大豆油の混合物)よりも低い値のタッピングトルク効率で特徴付けられるタッピング実験(例えば、図4bで示される様な石油MWFマイクロエマルジョン、及び図4cで示される様な大豆油マイクロエマルジョン)で、更に多くの金属対金属の接触が存在することを明確に示す。例えば、石油をベースとするマイクロエマルジョンは、図4bで示される通り、チップの表面に平らに削り込まれた、切断加工での摩耗の傷跡を示す。この画像は、また、潤滑の不足及び金属対金属の接触の現れである条痕及び擦過痕を示す。この摩擦は、3Bで示される様なタッピングトルク効率の低い値をもたらし、更なるトルクがタッピング操作を行うために供給されなければならないことを意味する。反対に、scCO/大豆油MWFは、図4eで示される通り、チップと仕掛品との間の更に少ない接触を示す。この場合においては、接触領域は、有効な潤滑剤の存在により、削り込まれていないチップ表面上の僅かに盛り上がった浮き彫り帯に隔離される。これらの結果は、図4dで示される様な大豆油単独の使用とは明らかに区別されるので、scCOの圧力及び前以て溶解した大豆油を切断加工の中まで深く運ぶその能力は、チップと仕掛品との間の接触を最小限にするのに役立ち得る。これは低摩擦を好都合にもたらし、タッピング操作におけるトルクが認められた。
【0033】
本明細書で検討された実験から導き出される多数の結論の1つは、大豆油から作られ、scCOで送られる金属加工流体は、従来の水中油エマルジョン及びストレートオイルMWFよりも著しく優れて機能するということである。
2〜3の調合物が、例示を目的として本明細書で検討されたが、溶解、分散、及び/又は乳化した混合物において潤滑剤と組み合わせてscCOを利用することから生じる証明された新規性及び/又は相乗効果は、オイル、エステル、ポリマー、ワックス、及び石鹸の多数のクラスにまで拡大することができ、次の例が挙げられるがこれらに限定されないことが理解される:ナフテン系油、パラフィン系油、及びこれらの混合物の少なくとも1つを含む鉱油;大豆油、菜種油、カノーラ油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、及びこれらの混合物の少なくとも1つを含む植物油;トリメチルプロパンエステル、ポリアルキレングリコール、重合したエステル(例えば、一塩基/二塩基酸、脂肪族アミンをベースとしたもの、硫化したもの)、エチレンオキシド/プロピレンオキシドコポリマー、合成及び天然ポリマー(炭化水素、フッ素化、塩素化)、及びこれらの混合物の少なくとも1つを含む、エステル、ポリマー、及び/又はグリコール、ならびに上記の任意の組合せ。
【0034】
更に、scCO潤滑システムは、主たる潤滑剤を伴い又は伴わずに、金属成形又は切断用途で更なる潤滑のための極圧添加剤を含んでもよく、塩素化パラフィン、塩素化ワックス、塩素化エステル、塩素化脂肪酸、硫化脂肪、硫化オレフィン、ポリスルフィド、硫黄−塩素化化合物、硫化スルホネート(sulfurized sulfonates)、リン酸エステル、ホスフェート脂肪酸(phosphate fatty acids)、リン酸アミン(例えば、アルキル又は芳香族)、及び/又はこれらの組合せが挙げられるがこれらに限定されない。
【0035】
超臨界二酸化炭素(scCO)を使用する本発明方法及び/又は組成物の実施形態は、金属加工用途でオイル潤滑剤、境界潤滑剤、及び極圧潤滑剤を供給するために適合される。潤滑剤として及び/又は潤滑剤供給システムとしてのCOの使用は、次の非限定的利点を提供する:金属加工の改善された効率及び回収、製品を加工するのに必要な原料の量的減少;従来の金属加工流体に関わる多数の(全てではない)欠点(その一例として、微生物汚染の可能性が挙げられる)の実質的な除去;製造環境での殺生物剤への暴露に関わって潜在的な処理及び労働災害の問題となる可能性のある殺生物剤の必要性の実質的な除去;処理問題の原因となる可能性のあるキレート剤等の補助的金属加工流体添加剤の実質的な除去;広範囲の、従来の及び従来のものでない基油(例えばフッ素化オイル等)と、高い酸化安定性、耐久性及び再使用の可能性を有する界面活性剤と、化石代替物に比べて低いライフサイクルの負担を有する植物油と、界面活性剤を伴う石油ベースオイルとの適合性;ならびに、水性及び/又は有機溶剤をもはや必要としない「乾燥製造」環境を好都合にもたらし得る、溶剤としてscCOを使用するオイル及び/又は界面活性剤の効果的な回収システム。更なる利点は、本発明の実施形態の方法及び/又は組成物が、金属加工流体の処分を実質的に排除できる点である。
【0036】
その他の利点としては、MWFプラントの循環及び保守管理の必要性の低減/除去;別の方法では加工が困難な金属(例えば、硬いスチール又はチタン等)への適用;及び医療用途で使用される製品への適用(実質的に毒性のない材料が使用される)が挙げられるがこれらに限定されない。
幾つかの実施形態が詳細に記載されたが、開示された実施形態は変更されてもよいことは当業者に明らかである。したがって、先の説明は、限定ではなく例示であると考えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態を組み込む実験的設備を示す系統図である。
【図2A】水をベースとするMWFを使用するタッピングトルクテストの写真である。
【図2B】本発明の実施形態によるscCOをベースとするMWFを使用するタッピングトルクテストの写真である。
【図3】次の、水をベースとするMWF及びscCOをベースとするMWF;scCO単独(3A);石油MWFマイクロエマルジョン(3B);大豆油MWFマイクロエマルジョン(3C);大豆油単独(3D);及びscCO中の大豆油(3E)に対するタッピングトルク効率を表す図表である。
【図4】1018冷間圧延スチール切断の断片のチップ表面の拡大画像を示す走査型電子顕微鏡写真(SEM)であり、aはscCO単独下で切断した場合、bは石油MWFマイクロエマルジョン下で切断した場合、cは大豆油MWFマイクロエマルジョン下で切断した場合、dは大豆油単独下で切断した場合、eはscCO中の大豆油下で切断した場合である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属加工処理中の金属製仕掛品を潤滑する方法であって、前記金属加工処理中の前記金属製仕掛品に超臨界二酸化炭素を供給する工程を含むことを特徴とする潤滑方法。
【請求項2】
前記金属製仕掛品へ供給する前に、前記超臨界二酸化炭素に潤滑剤を混合することを特徴とする請求項1に記載の潤滑方法。
【請求項3】
前記潤滑剤が、鉱油、植物油、エステル、ポリマー、グリコール、脂肪酸、及びこれらの組合せから選択されたものであることを特徴とする請求項2に記載の潤滑方法。
【請求項4】
前記金属加工処理が切断処理であり、前記切断処理中に形成される金属チップが前記超臨界二酸化炭素の供給中に排出されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑方法。
【請求項5】
前記金属製仕掛品が、前記超臨界二酸化炭素の供給中に冷却されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑方法。
【請求項6】
前記超臨界二酸化炭素の供給により、前記金属製仕掛品のミクロ潤滑及びナノ潤滑の少なくとも一方が実質的に遂行されることを特徴とする請求項1に記載の潤滑方法。
【請求項7】
前記金属加工処理中の前記金属製仕掛品に更なる冷却を与えるために、圧力解放冷却噴霧として圧縮空気及び不活性ガスの少なくとも一方を前記金属製仕掛品に供給する工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の潤滑方法。
【請求項8】
金属加工処理中の金属製仕掛品を潤滑する組成物において、キャリアーである超臨界二酸化炭素と潤滑剤との混合物を含むことを特徴とする潤滑組成物。
【請求項9】
前記潤滑剤が、鉱油、植物油、エステル、ポリマー、グリコール、脂肪酸、及びこれらの組合せから選択されたものであることを特徴とする請求項8に記載の潤滑組成物。
【請求項10】
極圧添加剤、腐食抑制剤、境界潤滑剤、耐摩耗添加剤、及びこれらの組合せのうち少なくとも1つを更に含むことを特徴とする請求項8に記載の潤滑組成物。
【請求項11】
前記極圧添加剤が、塩素化パラフィン、塩素化ワックス、塩素化エステル、塩素化脂肪酸、硫化脂肪;硫化オレフィン;ポリスルフィド;硫黄−塩素化化合物;硫化スルホネート(sulfurized sulfonates);リン酸エステル;ホスフェート脂肪酸(phosphate fatty acids);リン酸アミン、及びこれらの組合せから選択されたものであることを特徴とする請求項10に記載の潤滑組成物。
【請求項12】
前記潤滑剤が、前記超臨界二酸化炭素に溶解した状態、前記超臨界二酸化炭素に分散した状態、前記超臨界二酸化炭素と乳化した状態、及びこれらの組合せの状態のうち少なくとも1つの状態となっていることを特徴とする請求項8に記載の潤滑組成物。
【請求項13】
金属加工処理中に超臨界二酸化炭素を適用するためのシステムであって、
二酸化炭素源と、
前記二酸化炭素源と流体連通した圧力ブースタと、
前記圧力ブースタと流体連通した高圧容器と、
前記高圧容器と流体連通した潤滑剤源と、
前記高圧容器と流体連通したノズルと
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項14】
前記金属加工処理中の潤滑、冷却、腐食抑制、及びチップ排出のうち少なくとも1つを行うために組み込まれることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記高圧容器及び前記ノズルと流体連通し且つ前記高圧容器と前記ノズルとの間に配置された自動電磁弁を更に含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
加熱要素及び圧力変換器と接続されたコンピュータを更に含み、前記加熱要素及び前記圧力変換器が前記高圧容器と連通し、前記コンピュータが、前記高圧容器の内部の1つ又は複数の環境条件を制御するために組み込まれたことを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記コンピュータと接続され且つ前記高圧容器の温度を監視する熱電対を更に含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記高圧容器及び前記ノズルと流体連通し且つ前記高圧容器と前記ノズルとの間に配置された電磁弁を更に含むことを特徴とする請求項13に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−539096(P2008−539096A)
【公表日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−509183(P2008−509183)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【国際出願番号】PCT/US2006/016324
【国際公開番号】WO2006/119047
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(597039076)ザ・リージェンツ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミシガン (14)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF MICHIGAN
【Fターム(参考)】