説明

超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法及びその製造に使用される製造装置

基質、連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子が結合して形成される基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法において、単純還流の代りに15KHz〜100MHzの超音波を使用して基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物または連結化合物と中間連結化合物間の共有、イオン、配位または水素結合を誘導して、基質とモレキュラーシーブ粒子を結合させ、高い付着速度、付着強度、付着程度及び稠密度を有する基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する方法及びその製造装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法及びその製造に使用される製造装置に関し、更に詳しくは、基質、連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子が結合して形成される基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法において、単純還流の代りに15KHz〜100MHzの超音波を使用して基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物または連結化合物と中間連結化合物間の共有、イオン、配位または水素結合を誘導することで、多様な方法で基質とモレキュラーシーブ粒子を結合させることができ、時間とエネルギーを節約しながら著しく高い付着速度、付着強度、付着程度及び稠密度を有し、連結化合物が結合された基質と結合されていない基質が混合されている場合には選択的に連結化合物が結合された全ての基質にのみ均等にモレキュラーシーブ粒子を付着させることができ、また、基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産が可能となるように改善された、超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法及びその製造に使用される製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゼオライトはアルカリ及びアルカリ土類金属のケイ酸アルミニウム水和物である鉱物の総称を意味するが、3次元的な細孔構造、形状およびサイズにより数種類に分類される。ゼオライトの基本構造において、電荷欠損を補償するために陽イオンがケイ素イオンがアルミニウムイオンに代替された位置に介入されることがあり、陽イオンが占める空間以外の空間には水分子が占めている。ゼオライトを200〜300℃で一定時間加熱すると、細孔の中に別の分子を受け入れるため陽イオンまたは水分子を放出する。このような過程を通して微粒分子に対するサイズ選択力または形状選択力を有することができるため、ゼオライトはモレキュラーシーブとしてしばしば使用されてきた。
【0003】
一方、ゼオライトのケイ素(Si)とアルミニウム(Al)の全体またはその一部を別の元素に代替させたゼオタイプモレキュラーシーブ(zeotype molecular sieve)も産業上活用されている。例えば、陽イオンが金属元素に置換されたゼオライト類似物質は石油化学産業で原油のクラッキング触媒として使用されており、その他にもゼオライト及びゼオライト類似物質は脱水乾燥剤、吸着剤、気体浄化剤、清浄分散剤、イオン交換剤、土壌改良剤、センサーの担体などに有用である。
【0004】
通常、ゼオライト及びその類似物質は微細粉末で存在するが、これらを効果的に活用するためにモレキュラーシーブ粒子を担体の表面に付着させる研究が行われてきた。
【0005】
最も簡単な方法としては、基質をゼオライト結晶を含む懸濁液の中に浸した後、ゼオライトの表面と基質の表面間の物理的引力によりゼオライト粒子を付着させる方法がある[L. C. Boudreau, J. A. Kuck, M. Tsapatsis, J. Membr. Sci. 1999, 152, 41-59]。この方法は懸濁液からゼオライトを取り出す速度を調節することでゼオライトの分散程度を調節するため、ゼオライト粒子の均等な単層膜の形成が難しく、また、ゼオライトが基質に単純に物理的に吸着されている状態であるため、ゼオライトが基質から簡単に離脱してしまう傾向がある。
【0006】
別の方法は、基質とゼオライトを連結させるスペーサ(spacer)としてメチルジメトキシシリル基(Me(MeO)2Si−)を両端に有している化合物を利用する方法で、これは(a)メチルジメトキシシリル基を両端に有する化合物に基質と片方のメチルジメトキシシリル基を共有結合させた後、(b)ゼオライトを混合し、(c)もう一方のメチルジメトキシシリル基とゼオライトの共有結合を誘導する方法である[Z. Li, C. Lai, T. E. Mallouk, Inorg. Chem, 1989, 28, 178-182]。ゼオライトを単純に懸濁液に浸す方法と比べて付着力は強かったが、ゼオライト粒子の方向性を調節することができないだけでなく、スペーサ両端のメチルジメトキシシリル基が基質に結合し、むしろ基質とゼオライトの結合を妨害する場合もある。
【0007】
また別の方法は、多段階イオン結合を利用して基質とゼオライトを付着させる方法で、これは(a)基質表面に共有結合されたアミノプロピル基を塩酸で処理し、アンモニウムイオンにより表面が正電荷を帯びるようになり、(b)ポリスチレンスルホン酸ナトリウム重合体を処理し、基質表面を負電荷を持つ高分子でコーティングする[L. C. Boudreau, J. A. Kuck, M. Tsapatsis, J. Membr. Sci. 1999, 152, 41-59]。この方法はイオン結合によりゼオライト薄膜を形成させる方法であるが、これは6段階以上の複雑な工程を行なわなければならず、また、ゼオライトが均一に配列されるが、その程度がはっきりしていないだけでなく付着程度も落ちるという問題がある。
【0008】
上記の方法以外にも基質の表面にゼオライト粒子の核を増大させ、基質表面上でゼオライト膜を直接合成させる方法なども提案された[J. C. Jansen, D. Kashchiev, A. Erdem-Senatalar, Stud, Surf. Catal. 1994, 85, 215-250]。しかし、ゼオライト合成条件下で変質しない基質を使用しなければならないという限界と、生成されるゼオライト単層膜の厚さを必要に応じて調節することができないという短所がある。
【0009】
最近では、ゼオライト及びゼオライト類似物質の粒子サイズをナノ水準に具現することができるようになり、先端の新素材として利用しようという様々な研究が行われている[G. A. Ozin, A. Kuperman, A. Stein, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. Adv. Mater. 28, 359 (1989)]。特に、3次元的メモリー素材[G. A. Ozin, A.Stein, G. D. Stucky, J. P. Godber, J. Inclusion Phenom. 6, 379 (1990)]、光エネルギーの集結装置[M. Borja, P. K. Dutta, Nature 362, 43 (1993);M. Sykora, J. R. Kincaid, Nature 387, 162 (1997);Y. Kim et al., J. Phys. Chem. 101. 2491 (1997)]、電極補助物質[D. R. Rolison, C. A. Bessel, Acc. Chem. Res. 33, 737 (2000)]、半導体量子ドット及び量子細線[N. Herron et al., J. Am. Chem. Soc. 111, 530 (1989)]、分子回路[T. Bein, P. Enzel, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 12, 1737 (1989)]、感光装置[G. Grubert, M. Stockenhuber, O. P. Tkachenko, M. Wark, Chem. Mater. 14, 2458 (2002)]、発光体[G. Calzaferri et al., J. Mater. Chem. 12, 1 (2002)]、非線形光学物質[S. D. Cox, T. E. Gier, G. D. Stucky, J. Bierlein, J, Am. Chem. Soc. 110, 2986 (1988)]、レーザー発光素子[U. Vietze et al., Phys. Rev. Lett. 81, 4628 (1998)]などの担体(host)に対する研究が活発である。
【0010】
本発明の発明者は上記で説明した既存方法の問題点を解決し、先端の新素材としての可能性を認められているゼオライト及びその類似物質が効果的に利用することができるように、ナノメーターもしくはマイクロメーターサイズのゼオライト粒子を一定方向に配列し、2次元もしくは3次元の密集構造体(ゼオライト超結晶)に組み立てる技術を開発した[A. Kulak, Y. -J. Lee, Y.S. Park, K. B. Yoon, Angew. Chem. Int. Ed. 39, 950 (2000);S. Y. Choi, Y. -J. Lee, Y. S. Park, K. Ha, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 122, 5201 (2000);A. Kulak, Y. S. Park, Y. -J. Lee, Y. S. Chun, K. Ha, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 122, 9308 (2000);G. S. Lee, Y. -J. Lee, K. Ha, K. B. Yoon, Tetrahedron 56, 6965 (2000);K. Ha, Y. -J. Lee, H. J. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 12, 1114 (2000);K. Ha, Y. -J. Lee, D. -Y. Jung, J. H. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 12, 1114 (2000);G. S. Lee, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 123, 9769 (2001);K. Ha, Y. -J. Lee, Y. S. Chun, Y. S. Park, G. S. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 13, 594 (2001);G. S. Lee, Y. -J, Lee, K. Ha, K. B. Yoon, Adv. Mater. 13, 1491 (2001);Y. S. Chun, K. Ha, Y. -J. Lee, J. S. Lee, H. S. Kim, Y. S. Park, K. B. Yoon, Chem. Comm. 17, 1846 (2002);J. S. Park, G. S. Lee, Y. -J, Lee, Y. S. Park, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 124, 13366 (2002);J. S. Park, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 126, 1934 (2004);K. Ha, J. S. Park, K. S. Oh, Y. S. Zhou, Y. S. Chun, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, Micropor. Mesopor. Mater. (2004)]。実際、基質に単層または多層でゼオライトモレキュラーシーブまたはその誘導体を結合させた複合体及びその製造方法について特許登録を受けている[大韓民国登録特許335966号、PCT/KR00/01002]。
【0011】
前記特許は(1)基質と連結化合物(中間体1)を共有結合させ、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)を結合させた後、2個の連結化合物末端の官能基を利用して中間体1と中間体2を共有、イオンまたは配位結合をさせて基質−モレキュラーシーブ膜複合体を形成させる方法、(2)基質またはモレキュラーシーブ粒子と連結化合物の一方の末端を共有結合させ、連結化合物のもう一方の末端を基質またはモレキュラーシーブ粒子と直接共有結合させて基質−モレキュラーシーブ膜複合体を形成させる方法、(3)中間体1と中間体2の間に中間連結化合物を挿入して基質とモレキュラーシーブ粒子間の長さを調節しながら基質−モレキュラーシーブ複合体を形成させる方法、(4)前記(1)〜(3)の工程を反復して行って基質−モレキュラーシーブ膜複合体を形成させる方法を開示しており、これは基質−モレキュラーシーブ膜複合体が先端の新素材として応用することができるように寄与したが、基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物、及び連結化合物と中間連結化合物の結合において単純還流法を使用したため、エネルギーの効率と付着速度が低く、付着したゼオライト粒子間の稠密度が落ち、ゼオライトと基質間の結合強度が弱いという問題があった。また、単純還流の限界として大量生産が難しい。
【0012】
【特許文献1】大韓民国登録特許335966号、PCT/KR00/01002
【非特許文献1】L. C. Boudreau, J. A. Kuck, M. Tsapatsis, J. Membr. Sci. 1999, 152, 41-59
【非特許文献2】Z. Li, C. Lai, T. E. Mallouk, Inorg. Chem, 1989, 28, 178-182
【非特許文献3】J. C. Jansen, D. Kashchiev, A. Erdem-Senatalar, Stud, Surf. Catal. 1994, 85, 215-250
【非特許文献4】G. A. Ozin, A. Kuperman, A. Stein, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. Adv. Mater. 28, 359 (1989)
【非特許文献5】G. A. Ozin, A.Stein, G. D. Stucky, J. P. Godber, J. Inclusion Phenom. 6, 379 (1990)
【非特許文献6】M. Borja, P. K. Dutta, Nature 362, 43 (1993)
【非特許文献7】M. Sykora, J. R. Kincaid, Nature 387, 162 (1997)
【非特許文献8】Y. Kim et al., J. Phys. Chem. 101. 2491 (1997)
【非特許文献9】D. R. Rolison, C. A. Bessel, Acc. Chem. Res. 33, 737 (2000)
【非特許文献10】N. Herron et al., J. Am. Chem. Soc. 111, 530 (1989)
【非特許文献11】T. Bein, P. Enzel, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 12, 1737 (1989)
【非特許文献12】G. Grubert, M. Stockenhuber, O. P. Tkachenko, M. Wark, Chem. Mater. 14, 2458 (2002)
【非特許文献13】G. Calzaferri et al., J. Mater. Chem. 12, 1 (2002)
【非特許文献14】S. D. Cox, T. E. Gier, G. D. Stucky, J. Bierlein, J, Am. Chem. Soc. 110, 2986 (1988)
【非特許文献15】U. Vietze et al., Phys. Rev. Lett. 81, 4628 (1998)
【非特許文献16】A. Kulak, Y. -J. Lee, Y.S. Park, K. B. Yoon, Angew. Chem. Int. Ed. 39, 950 (2000)
【非特許文献17】S. Y. Choi, Y. -J. Lee, Y. S. Park, K. Ha, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 122, 5201 (2000)
【非特許文献18】A. Kulak, Y. S. Park, Y. -J. Lee, Y. S. Chun, K. Ha, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 122, 9308 (2000)
【非特許文献19】G. S. Lee, Y. -J. Lee, K. Ha, K. B. Yoon, Tetrahedron 56, 6965 (2000)
【非特許文献20】K. Ha, Y. -J. Lee, H. J. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 12, 1114 (2000)
【非特許文献21】K. Ha, Y. -J. Lee, D. -Y. Jung, J. H. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 12, 1114 (2000)
【非特許文献22】G. S. Lee, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 123, 9769 (2001)
【非特許文献23】K. Ha, Y. -J. Lee, Y. S. Chun, Y. S. Park, G. S. Lee, K. B. Yoon, Adv. Mater. 13, 594 (2001)
【非特許文献24】G. S. Lee, Y. -J, Lee, K. Ha, K. B. Yoon, Adv. Mater. 13, 1491 (2001)
【非特許文献25】Y. S. Chun, K. Ha, Y. -J. Lee, J. S. Lee, H. S. Kim, Y. S. Park, K. B. Yoon, Chem. Comm. 17, 1846 (2002)
【非特許文献26】J. S. Park, G. S. Lee, Y. -J, Lee, Y. S. Park, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 124, 13366 (2002)
【非特許文献27】J. S. Park, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, J. Am. Chem. Soc. 126, 1934 (2004)
【非特許文献28】K. Ha, J. S. Park, K. S. Oh, Y. S. Zhou, Y. S. Chun, Y. -J. Lee, K. B. Yoon, Micropor. Mesopor. Mater. (2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明の発明者は従来の問題点を解決するために研究を行った結果、基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物、及び連結化合物と中間連結化合物の結合の際に単純還流法の代りに超音波を使用すると、基質、連結化合物、中間連結化合物およびモレキュラーシーブ粒子間の結合が共有、イオン、配位または水素結合などに拡大され、連結化合物に使用される化合物の種類も多様になり、基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する際、時間とエネルギーを節約しつつ、付着速度、付着強度、付着程度および稠密度が向上し、連結化合物が結合された基質と結合されていない基質が混合されている場合には選択的に連結化合物が結合された全ての基質にのみ均等にモレキュラーシーブ粒子を付着させることができるため、基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産が可能であることを確認することで本発明を完成するに至った。
【0014】
従って、本発明は、結合エネルギー源として15KHz〜100MHzの超音波を使用し、基質にモレキュラーシーブ粒子を単層または多層膜の形態で付着させる方法を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、超音波を利用して基質にモレキュラーシーブ粒子を単層または多層膜の形態で付着させる方法で使用される製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は15KHz〜100MHzの超音波を使用して基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物、または連結化合物と中間連結化合物の結合を誘導する段階を含む、基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法を特徴とする。
次に、本発明を更に詳しく説明する。
【0016】
本発明は超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法及びその製造に使用される製造装置に関し、更に詳しくは、基質、連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子が結合して形成される基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法において、単純還流の代りに15KHz〜100MHzの超音波を使用して基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物または連結化合物と中間連結化合物間の共有、イオン、配位または水素結合を誘導することで、多様な方法で基質とモレキュラーシーブ粒子を結合させることができ、時間とエネルギーを節約しながら著しく高い付着速度、付着強度、付着程度及び稠密度を有し、連結化合物が結合された基質と結合されていない基質が混合されている場合には選択的に連結化合物が結合された全ての基質にのみ均等にモレキュラーシーブ粒子を付着させることができ、また、基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産が可能となるように改善された、超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法及びその製造に使用される製造装置に関するものである。
【0017】
まず、本発明で使用する用語を定義する。
本発明の“基質”は下記1〜6の化合物の中から選択された化合物を意味する。
1.ケイ素、アルミニウム、チタン、スズ、インジウムなどの金属及び非金属元素が少なくとも1種含まれている酸化物であり、表面にヒドロキシ基を有する。好ましくは、石英、雲母、ガラス、ITPガラス(インジウムスズ酸化物が蒸着されたガラス)、スズ酸化物(SnO2)などの各種伝導性ガラス、シリカ、多孔性シリカ、アルミナ、多孔性アルミナ、二酸化チタン、シリコン・ウエハーなどである。
【0018】
2.金、銀、銅、白金のような、チオール基(−SH)やアミン基(−NH2)と結合する金属。
3.表面に多様な官能基を有する重合体。好ましくは、塩化ポリビニル(PVC)、メリフィールド・ペプチド樹脂(Merrifield peptide resin)などである。
4.セレン化亜鉛(ZnSe)、ガリウムヒ素(GaAs)またはリン化インジウム(InP)のような半導体化合物や、半導体の特性を有する硫化物、セレン化合物またはリン化物。
5.天然または合成ゼオライト及びゼオタイプモレキュラーシーブ。
6.セルロース、澱粉(アミロース及びアミロペクチン)、リグニンなどの表面にヒドロキシ基を有する天然高分子または表面にヒドロキシ基を有するように処理が可能な天然高分子及び伝導性高分子。
【0019】
“モレキュラーシーブ”は数種類の分子が混合されている時、サイズに応じてこれを分離するろ過器を意味し、本発明では表面にヒドロキシ基を有する全ての多孔性酸化物または硫化物を含む。モレキュラーシーブを形成する基本原子はケイ素、アルミニウム、ガリウム、ホウ素、リン、酸素、硫黄などの主族原子だけでなく、チタン、バナジウム、ジルコニウム、マンガン、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛などの遷移元素も可能である。また、細孔に置換される陽イオンまたはボトルシップ(ship-in-A-bottle)技法により合成される陽イオンの種類に関係なく、本発明のモレキュラーシーブに含まれる。モレキュラーシーブの好ましい例を例示すると下記の1〜8の通りである。
【0020】
1.天然及び合成ゼオライト
2.MFI構造を有するゼオライト及びその類似物質(ZSM−5、シリカライト−1、TS−1または遷移金属が部分的に置換されたメターロ−シリカライト−1など)
3.MFI構造を有するゼオライト及びその類似物質(ZSM−11、シリカライト−2、TS−2または遷移金属が部分的に置換されたメターロ−シリカライト−2など)
4.ゼオライトA、X、Y、L、ベータ、モデナイト(modenite)、ペリアライト(perialite)、ETS−4またはETS−10など)
5.メソ多孔性シリカ(MCM系列、SBA系列、MSU系列、KIT系列)
6.有機−無機複合メソ細孔構造体または層状物質(粘土、黄土系列)
7.金属イオンとリガンドが3次元的に結合してナノ細孔を形成する、有機ゼオライト、有機金属ゼオライトまたは配位化合物ゼオライトと呼ばれるナノ多孔性物質
8.多孔性物質の細孔内部または層状構造物質の層間に有機、無機、有機−無機混合染料、発光染料または顔料を染み込ませた複合体
【0021】
“連結化合物”は下記化学式1〜7の化合物からなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物から由来した化合物を意味する。
[化学式1]
Z−L1−X
【0022】
前記化学式1において、ZはR3Siまたはイソシアネート基(−NCO)であり、Rはハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基を表し、3個のRの中、少なくとも一つはハロゲン基またはアルコキシ基であり、L1はアルキル、アラルキルまたはアリル基のような置換または非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含むことができ、Xはハロゲン基、イソシアネート基(−NCO) 、トシル基またはアジド基である。
[化学式2]
MR'4
【0023】
前記化学式2において、Mはケイ素、チタンまたはジルコニウムであり、R'はハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基であり、4個のR'のうち少なくとも2個はハロゲン基またはアルコキシ基である。
[化学式3]
3Si−L1−Y
【0024】
前記化学式3において、Rはハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基であり3個のRのうち少なくとも1個はハロゲンまたはアルコキシであり、L1は置換またはアルキル、アラルキルまたはアリル基のような非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含むことができ、Yはヒドロキシ基、チオール基、アミン基、アンモニウム基、スルホン基およびその塩、カルボン酸およびその塩、酸無水物、エポキシ基、アルデヒド基、エステル基、アクリル基、イソシアネート基(−NCO)、糖残基、二重結合、三重結合、ジエン、ジイン、アルキルホスフィン、アルキルアシンのような有機官能基及びリガンドを交換することができる配位化合物のような反応性官能基を表し、連結化合物の末端または中間に位置させることもできる。
[化学式4]
HS−L1−X
【0025】
前記化学式4において、L1はアルキル、アラルキルまたはアリル基のような置換または非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含むことができ、Xはハロゲン基、イソシアネート(−NCO)基、トシル基またはアジド基である。
[化学式5]
HS−L1−SiR3
【0026】
前記化学式5において、Rはハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基を表し、3個のRのうち少なくとも一つはハロゲン基またはアルコキシ基であり、L1はアルキル、アラルキルまたはアリル基のような置換または非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含むことができる。
[化学式6]
HS−L1−Y
【0027】
前記化学式6において、L1はアルキル、アラルキルまたはアリル基のような置換または非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含むことができ、Yはヒドロキシ基、チオール基、アミン基、アンモニウム基、スルホン基およびその塩、カルボン酸およびその塩、酸無水物、エポキシ基、アルデヒド基、エステル基、アクリル基、イソシアネート基(−NCO)、糖残基、二重結合、三重結合、ジエン、ジイン、アルキルホスフィン、アルキルアシンのような有機官能基およびリガンド交換をすることができる配位化合物のような反応性官能基を表し、連結化合物の末端や中間に位置させることもできる。
[化学式7]
Z−L2(+)L3(−)−YまたはZ−L3(−)L2(+)−Y
【0028】
前記化学式7において、ZはR3Siまたはイソシアネート(−NCO)であり、Rはハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基を表し、3個のRのうち少なくとも一つはハロゲン基またはアルコキシ基であり、L2(+)は1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含む置換または非置換されたC1−C17炭化水素化合物の末端、直鎖または側鎖に正電荷(+)が少なくとも1個以上である官能基を表し、L3(−)は1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含む置換または非置換されたC1−C17炭化水素化合物の末端、直鎖または側鎖に負電荷(−)が少なくとも1個以上の官能基を意味する。
【0029】
“中間連結化合物”はフラーレン(C60、C70)、カーボンナノチューブ、α,ω−ジアルデヒド、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、アミン−デンドリマー、ポリエチレンイミン、α,ω−ジアミン、金属ポルフィリン及びMで表示される錯化合物(Mはコバルト、ニッケル、クロム、マンガンまたは鉄であり、生理食塩水(saline)はN,N'−ビス(サリチリデン)エチレンジアミンである)からなる群から選択された化合物を意味する。
【0030】
基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する前に基質と連結化合物(中間体1)、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)などを製造する。
前述した通り、基質とモレキュラーシーブ粒子はヒドロキシ基などの官能基を有しており、本発明でのヒドロキシ基はヒドロキシ基前駆体またはヒドロキシ基に転換可能な別の官能基を含む。特に好ましくは、アシルオキシ基、メトキシ基、Si=O基などである。
基質またはモレキュラーシーブ粒子とヒドロキシ基などの連結化合物の反応メカニズム及び反応条件に対しては当業者水準の知識を有する者には自明である。結合反応が終わると、超音波の振動を利用して未結合のモレキュラーシーブ粒子を除去することができる。
本発明の製造方法による基質−モレキュラーシーブ膜複合体は、基質とモレキュラーシーブ粒子の種類、連結化合物の種類、中間連結化合物の種類などによって多様な方法で製造することができ、代表的なカップリング法は下記の通りである。
【0031】
1番目の基質−モレキュラーシーブ膜複合体は、(1)基質と連結化合物(中間体1)を結合させた後、(2)超音波を利用して中間体1とモレキュラーシーブ粒子を結合させる方法により製造された基質−連結化合物−モレキュラーシーブ粒子である。反対に、(1)モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)をまず結合させ、(2)中間体2と基質を後に結合させる方法でも製造することができる。この時の連結化合物としては、(3−クロロプロピル)トリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートなどの化合物がある。場合によっては、基質、連結化合物、モレキュラーシーブ粒子を同時に製造装置に入れて結合させることもできる。このような連結化合物にはテトラエトキシシラン、四塩化ケイ素などの化合物がある。
【0032】
2番目の基質−モレキュラーシーブ膜複合体は、(1)基質と連結化合物(中間体1)を結合させ、(2)モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)を結合させた後、(3)超音波を利用して中間体1と中間体2を結合させて製造された基質−連結化合物−連結化合物−モレキュラーシーブ粒子である。この時、連結化合物は中間体1と中間体2が互いに反応する場合でなければならない。例えば、置換反応(アミノ基と離脱基)、イオン結合(アンモニウム基とカルボキシル基またはその塩)、ディールス・アルダー反応(ジエン基と二重結合)、開環反応(エポキシ基とアミノ基)、エステルまたはアミド形成反応、グリコシド結合などがある。
【0033】
3番目の基質−モレキュラーシーブ膜複合体は、(1)基質と連結化合物(中間体1)を結合させ、(2)モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)を結合させた後、(3)中間連結化合物を添加し、超音波で中間体1、中間連結化合物及び中間体2を連結させて製造された基質−連結化合物−中間連結化合物−連結化合物−モレキュラーシーブ粒子である。中間連結化合物を中間体1または中間体2と先に結合させ、その後に中間体2または中間体1と結合させることもできる。前記連結化合物−中間連結化合物の反応対を例示すると、フラーレンまたはカーボンナノチューブ−アミノ末端基、α,ω−ジアルデヒド、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物−アミノ末端基、アミン−デンドリマー−エポキシ基、ハロゲンなどの離脱基、ポリエチレンアミン、ジアミン−エポキシ基、ハロゲンなどの離脱基などがある。
【0034】
本発明は、前記基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造過程を好ましく具現するために、基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)を使用する。これは溶媒1と基質−モレキュラーシーブ膜複合体の反応物が入った反応容器(10)、溶媒2、及び反応容器を収容する外部容器(20)、超音波発生器(30)及び温度調節器(40)とから構成される。
【0035】
反応容器(10)には溶媒1(S1)が入っており、基質、連結化合物、中間連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子などの反応物が含まれる。溶媒1は有機溶媒であるトルエン、ヘキサン、ベンゼン、四塩化炭素、オクタン、アルコールなどのようにモレキュラーシーブを分散させることができる溶媒が好ましく、伝達された超音波により基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物または連結化合物と中間連結化合物間での結合が行われ、基質−モレキュラーシーブ膜複合体が製造される。溶媒1(S1)が入っている反応容器は特定形態を有する容器に限定されておらず、丸底フラスコなどの容器を使用する場合にはスタンドなどの固定手段を利用して溶媒2(S2)が入った外部容器(30)と連結することができる。
【0036】
基質はテフロン(登録商標)支持体などの支持体を使用して反応容器(10)に入れることが好ましいが、別途の支持体を使用せずに溶媒1(S1)が入った反応容器(1)で反応させることができる。また、基質は1枚ずつ反応容器(10)に入れてモレキュラーシーブ粒子などと反応させることができるが、必要な場合には数枚の基質を同時に重ねて製造することもできる(図2A及び2B)。数枚の基質を同時に反応容器に入れる場合には、連結化合物が結合された基質のみを数枚入れることもでき、または、連結化合物が結合された基質と結合されていない基質を混合させて入れることもできる(図3A及び3B)。
【0037】
超音波を利用して基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する方法はA型超音波法とB型超音波法に区分される。即ち、A型超音波法は、連結化合物が結合された基質1枚とモレキュラーシーブ粒子が結合するか、または連結化合物が結合されたモレキュラーシーブ粒子と基質1枚を反応容器に入れて結合させる方法であり、一方、B型超音波法は、1個以上の同種または異種の連結化合物と結合された数枚の基質と連結化合物と結合されていない数枚の基質を反応容器に重なるように入れて、連結化合物とモレキュラーシーブ粒子と反応させる方法である。前記B型超音波法の場合、最外部の基質が必ず連結化合物が結合されない基質である必要はない。
【0038】
外部容器(20)には溶媒2(S2)が満たされており、反応容器(10)をその内部に収容する。溶媒2は水(H2O)のように超音波発生器(30)から発生される超音波を反応容器(10)内の反応物に伝達することができる溶媒が好ましく、溶媒2(S2)の液面の高さは溶媒1の液面の高さより高くなるようにすることが反応熱の吸収において効果的である。図1dのように、溶媒1(S1)が入った反応容器(10)を使用せずに外部容器(20)内で基質とモレキュラーシーブ粒子の結合を誘導する場合には、溶媒2(S2)の代りに溶媒1(S1)を外部容器(20)に入れることができる。
【0039】
また、外部容器(20)の溶媒2(S2)には下記で説明する温度調節器(40)の一部分である冷却水循環コイル(41)を浸している。前記冷却水循環コイル(41)は温度調節器(40)から出る冷却水がコイルを通して循環され、反応容器(10)から発生される反応熱を吸収して溶媒2(S2)の温度を一定に維持させる。
超音波発生器(3)は15KHz〜100MHzの超音波を発生する装置で、超音波の周波数及び出力電力を調節することができる手段が存在する。超音波発生器は溶媒2(S2)が入った外部容器(20)に超音波を伝達するか(図1a)、溶媒1(S1)に直接超音波を伝達するか(図1b)、または溶媒2(S2)に超音波を伝達し(図1c)、反応容器(10)での基質、連結化合物、中間連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子間の結合を誘導する。
【0040】
温度調節器(40)は冷却水発生器(41)と冷却水循環コイル(42)から構成されている。冷却水発生器(41)は冷却水の流出速度を調節することができる手段を含んでおり、冷却水発生器を通して流出された冷却水は冷却水循環コイルを通して反応容器(10)から発生される熱を吸収し、温度を一定にした後、再び冷却水発生器に流入される。図1aのように、冷却水循環コイル(42)は溶媒2(S2)に浸された形態、または反応容器(10)または外部容器(20)の外表面に巻かれている形態が可能である。
【0041】
本発明による超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)の基本構造を図1aに図示し、超音波発生器(30)の注入位置を変形させた構造を図1b及び図1cに図示した。また、反応容器(10)を使用せずに外部容器(20)のみを利用して基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造することもでき、その製造装置を図1dに図示した。この場合は外部容器(20)に溶媒2(S2)の代りに溶媒1(S1)を入れることができる。
本発明による超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)を使用して基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する過程は下記の通りである。
【0042】
基質−連結化合物(中間体1)とモレキュラーシーブ粒子を結合させて基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する場合には、基質を洗浄、乾燥させて不純物を除去し、トルエンなどの有機溶媒が入っている反応容器に入れ、超音波を利用して連結化合物と結合させる。中間体1の製造には超音波法に極限せずに単純還流法を利用することもできる。連結化合物と結合された基質をフラスコから取り出し、純粋なトルエンなどの有機溶媒で再び洗浄した後、窒素雰囲気下で乾燥させる。万一、基質−連結化合物−中間連結化合物の場合のように中間連結化合物の結合がまた必要な場合は、前記と同様の過程を繰り返す。その後、有機溶媒が入っている反応容器(10)にモレキュラーシーブ粒子を入れ、モレキュラーシーブ粒子の種類によって超音波に約5〜15分露出させて分散させる。そして、前もって製造した基質−連結化合物(中間体1)とモレキュラーシーブ粒子を超音波を利用して1〜2分程結合させると、稠密な構造の基質−モレキュラーシーブ膜複合体が製造される。
【0043】
モレキュラーシーブ粒子−連結化合物(中間体2)をまず製造する場合には、前記過程と同様の過程を経て中間体1と中間体2を製造した後、これらを結合する場合にも前記と類似した方法を利用することができる。
本発明の超音波は15KHz〜100MHzの振動数が好ましく、基質と連結化合物、モレキュラーシーブ粒子と連結化合物、連結化合物と連結化合物または連結化合物と中間連結化合物間の共有、イオン、配位または水素結合と関連する分子の反応活性を増加させ、短時間での結合力を向上させる目的で使用する。この時、超音波の振動数が前記範囲を外れると、モレキュラーシーブ粒子の結合が良好でなくなってしまう。更に好ましくは、前記超音波は、15KHz〜1MHzの振動数の範囲の時にモレキュラーシーブ粒子の付着速度が短縮され、基質−モレキュラーシーブ膜の付着強度が増加する。また、電力は適当な範囲内で周波数に合わせて変化させて使用することができる。
【0044】
前記列挙した方法により、まず基質にモレキュラーシーブ単層膜を形成させ、この単層膜に第2のモレキュラーシーブ粒子を再び結合させると基質に二層膜を形成させることができ、このような過程を反復して多層膜を製造することができる。第2のモレキュラーシーブ粒子は単層膜を形成したモレキュラーシーブ粒子と同一種類でも別の種類でも可能である。この時、積層パターンは特定な方法に限定されず、例えば(基質−連結化合物−モレキュラーシーブ粒子)−(連結化合物−モレキュラーシーブ粒子)、(基質−連結化合物)−(連結化合物−モレキュラーシーブ粒子−連結化合物)−(連結化合物−モレキュラーシーブ粒子)などがある。
【0045】
また、前記列挙した方法により、基質に単層膜を生成させた後、高温で焼成をして連結化合物などを除去すると、基質とモレキュラーシーブがケイ素−酸素−ケイ素などの化学結合により直接結合される。この過程を反復すると、基質とモレキュラーシーブが直接結合された多層膜を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)3−クロロプロピルトリメトキシシランを使用したシリカライト単層膜の製造
(1)3−クロロプロピルトリメトキシシランと結合したガラスの製造
ガラス板をピラニア溶液に(H2SO4とH22の混合比7:3)の中に30分間入れた後、取り出して蒸留水で洗浄し、高純度の窒素雰囲気下で乾かす。このように乾燥させたガラス板を3−クロロプロピルトリメトキシシラン0.5gが溶解しているトルエン80mlの入った100mlの反応容器の中に浸し、超音波や単純還流法を単独で使用するか、これら2種類の方法を混合して表面に3−クロロプロピル単分子層がコーティングされたガラスであるCP−Gを製造した。CP−Gガラス板を反応容器から取り出して純粋なトルエンで洗浄した後、高純度の窒素雰囲気下で乾燥した。
【0048】
(2)A型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの反応容器に粒子のサイズが2μmのシリカライト50mgを入れて純粋なトルエン40mlを加えた。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間に前記製造したCP−G1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用する製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間シリカライトをCP−Gの表面に付着させた。
【0049】
(3)B型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にCP−G1枚を挿入する代りに、反応後にモレキュラーシーブを形成しないガラス、CP−G、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。前記モレキュラーシーブを形成しないガラスは処理をしていない、洗浄したガラス(bare glass)の場合もあり、特別に処理を行いモレキュラーシーブと反応しないように誘導したものの場合もある。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0050】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの反応容器に粒子のサイズが2μmであるシリカライト50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とCP−Gを入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0051】
(実施例2)3−クロロプロピルトリメトキシシランを使用したゼオライトA単層膜の製造
(1)A型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
ゼオライトA結晶50mgをトルエン40mlが入った反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させた。トルエン溶液に櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体を入れ、その櫛の歯の間に実施例1で製造したCP−G枚を挿入した。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置きスタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間ゼオライトAをCP−Gの表面に付着させた。
【0052】
(2)B型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にCP−G1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、CP−G、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0053】
(3)単純還流法(公知技術)を利用したゼオライトA単層膜の製造
50mlの反応容器にゼオライトA 50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とCP−Gを入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0054】
(実施例3)3−クロロプロピルトリメトキシシランを使用した黄土粒子(層状構造物質)単層膜の製造
(1)A型超音波法を利用した黄土粒子単層膜の製造
1〜2μmサイズの黄土粒子50mgをトルエン40mlが入った反応容器に添加して、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体を入れて、その櫛の歯の間に実施例1で製造したCP−G1枚を挿入した。その丸底フラスコを超音波を利用した製造装置の底に置きスタンドに固定した。 超音波を利用した製造装置の内部に、丸底フラスコ内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間黄土粒子をCP−Gの表面に付着させた。
【0055】
(2)B型超音波法を利用した黄土粒子単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にCP−G1枚を挿入する代りに、黄土粒子を形成しないガラス、CP−G、黄土粒子を形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。前記黄土粒子を形成しないガラスは処理をしていない、洗浄したガラス(bare glass)の場合もあり、特別に処理を行いモレキュラーシーブと反応しないように誘導したものの場合もある。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0056】
(3)単純還流法(公知技術)を利用したゼオライトA単層膜の製造
50mlの丸底フラスコに黄土粒子50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とCP−Gを入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0057】
(実施例4)3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートを使用したシリカライト単層膜の製造
(1)3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートと結合したガラスの製造
実施例1のように洗浄した数枚のガラス板をトルエンが入っている反応容器の中に入れて3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネートを添加し、超音波や単純還流法を単独で使用するか、これら2種類の方法を混合して表面に3−クロロプロピル単分子層がコーティングされたガラスを製造した。イソシアネートの単分子層がコーティングされたガラス板を反応容器から取り出して純粋なトルエンで洗浄した後、高純度の窒素雰囲気下で乾燥した。
【0058】
(2)A型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
シリカライト結晶50mgをトルエン40mlが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間にイソシアネートの単分子層がコーティングされたガラス板1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用する製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間シリカライトをイソシアネートの単分子層がコーティングされたガラス板の表面に付着させた。
【0059】
(3)B型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にイソシアネート単分子層がコーティングされたガラス板1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、イソシアネート単分子層がコーティングされたガラス板、連結化合物が結合していないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0060】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの反応容器にゼオライト50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とイソシアネートの単分子層がコーティングされたガラス板を入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0061】
(実施例5)3−クロロプロピルトリメトキシシランを使用したセルロース表面へのゼオライトY単層膜の製造
(1)3−クロロプロピルトリメトキシシランと結合したゼオライトYの製造
ゼオライトY粒子をトルエンが入っている反応容器に入れて3−クロロプロピルトリメトキシシランを添加し、超音波や単純還流法を単独で使用するか、これら2種類の方法を混合して表面に3−クロロプロピル単分子層がコーティングされたゼオライトYを製造した。反応が終わると3−クロロプロピル基が結合されたゼオライトYを濾過し、有機溶媒でよく洗浄する。
【0062】
(2)A型超音波法を利用したゼオライトY単層膜の製造
前記3−クロロプロピル基が結合したゼオライトをトルエンが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間にセルロースからなるウエハーを挿入する。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、3−クロロプロピル基が結合したゼオライトYをセルロースウエハーの表面に付着させた。
【0063】
(3)B型超音波法を利用したシリカライトY単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間に3−クロロプロピル基が結合されたガラス板1枚を挿入する代りに、3−クロロプロピル基でコーティングされたモレキュラーシーブを形成しないガラス、3−クロロプロピル基が結合されたガラス、3−クロロプロピル基でコーティングされたモレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0064】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライトY単層膜の製造
50mlの反応容器に3−クロロプロピル基が結合したゼオライトY 50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とセルロースウエハーを入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0065】
(実施例6)3−アミノプロピルトリエトキシシランを使用したメリフィールド樹脂の表面へのシリカライト単層膜の製造
(1)3−アミノプロピルトリエトキシシランと結合したシリカライトの製造
シリカライト粒子をトルエンが入っている反応容器に入れて3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)を添加し、超音波や単純還流法を単独で使用するか、これら2種類の方法を混合して表面に3−アミノプロピル単分子層がコーティングされたシリカライトを製造した。反応が終わると3−アミノプロピル基が結合されたシリカライトを濾過し、有機溶媒でよく洗浄する。
【0066】
(2)A型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
前記3−アミノプロピル基が結合したシリカライトをジクロロメタン(CH2Cl2)が入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。ジクロロメタン溶液にメリフィールド樹脂を一定量入れ、その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるジクロロメタンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、3−クロロプロピル基が結合したシリカライトをメルフィールド樹脂の表面に付着させた。
【0067】
(3)B型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
メリフィールド樹脂は球形の3次元の形を有し、その末端が塩素酸基を有する微細粒子であるためB型超音波法は適用することができない。
【0068】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの丸底フラスコに3−アミノプロピルトリエトキシシランが結合したシリカライト50mgを入れてメリフィールド樹脂が入っているジクロロメタン(CH2Cl2)40mlを添加した。前記ジクロロメタン溶液は、超音波洗浄器を利用してシリカライトと混合する前に5分間分散させて、混合して冷却器を装着した後、12時間還流させた。
【0069】
(実施例7)EPSとAPSを使用したゼオライトA単層膜の製造
(1)EPSが結合したガラス及びAPSが結合したゼオライトAの製造
ガラス板を[3−(2,3−エポキシプロポキシ)プロピル]トリメトキシシラン(EPS)が溶解しているトルエン溶液に添加し、超音波や単純還流法を単独に使用するか、これら2種類の方法を混合して表面にエポキシ基の単分子層がコーティングされたゼオライトを製造した。反応が終わった後、ガラス板を取り出しトルエンで数回よく洗浄する。また、ゼオライトA粒子を3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)が溶解しているトルエン溶液に添加し、超音波や単純還流法を単独で使用するか、これら2種類の方法を混合して表面に3−アミノプロピル基の単分子層がコーティングされたゼオライトを製造した。反応が終わった後、3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAを濾過し、よく洗浄する。
【0070】
(2)A型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
前記3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAをトルエンが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間にEPSが結合したガラス板1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAをEPSが結合したガラス板の表面に付着させた。
【0071】
(3)B型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にEPSが結合されたガラス板1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、EPSが結合されたガラス、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0072】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したゼオライトA単層膜の製造
50mlの反応容器に3−アミノプロピル基が結合したゼオライトA 50mgを入れて純粋なトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とEPSが結合したガラス板を入れて冷却器を装着した後、3時間還流させた。
【0073】
(実施例8)イオン結合を利用したシリカライト単層膜の製造
(1)3−シアノプロピルトリクロロシランが結合したガラス及びアミノプロピル基が結合したシリカライトの製造
ガラス板を3−シアノプロピルトリクロロシラン(Cl3Si(CH23CN)0.02mlが入っているヘキサン溶液50mlに浸し、室温で24時間置いた。3−シアノプロピル基が結合したガラス板を取り出し、濃塩酸が入っている反応容器に浸して95〜100℃で2時間加熱する。シアノ基は加水分解を通してカルボキシル酸に転換される。カルボキシル酸基が結合したガラス板[ガラス−(CH23CO2H]を取り出し、NaHCO3飽和水溶液に12時間浸しておく。中和反応を通して水素がNaに置換され、−(CH23CO2-Na+基が結合されたガラス板を得ることができる。これを再び銀イオン(Ag+)、アンモニウムイオンなどの数種類の異なる陽イオンにイオン交換することができる。3−アミノプロピル基が結合したシリカライトをNaHCO3及びヨードメタン(CH3I)が溶解されている90%エタノール溶液に入れて60℃で24時間攪拌する。(CH23N(CH33+-基が結合されたシリカライトをろ紙を利用して濾過した後、エタノール及び蒸留水で洗浄する。
【0074】
(2)A型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
前記(CH23N(CH33+-基が結合されたシリカライトをトルエンが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間に−(CH23CO2-Na+基が結合したガラス板1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、(CH23N(CH33+-基が結合されたシリカライトを−(CH23CO2-Na+基が結合したガラス板の表面に付着させた。
【0075】
(3)B型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間に−(CH23CO2-Na+基が結合されたガラス板1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、−(CH23CO2-Na+基が結合されたガラス、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0076】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの反応容器に(CH23N(CH33+-基が結合したシリカライト50mgを入れてトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体と−(CH23CO2-Na+基が結合したガラス板を入れて冷却器を装着した後、1時間還流させた。
【0077】
(実施例9)フラーレン(C6060)を使用したゼオライトA単層膜の製造
(1)フラーレンが結合したガラス板及び3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAの製造
ガラス板を120℃で3時間乾燥させて真空状態で変化させた後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)蒸気に露出させ、100℃で15分間反応させた後、すくい出してエタノールと蒸留水で洗浄した後、120℃でキュアリングさせる。このように得られた3−アミノプロピル基が結合されたガラス板とフラーレンをトルエンに入れて5〜24時間加熱し、ガラス板の上にフラーレンを結合させる。蒸留水で充分に洗浄して乾燥させたゼオライトA 50mgをAPS 0.3mlが溶解しているトルエン40ml溶液で1時間加熱する。3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAを濾過し、トルエンとエタノールで洗浄した後、120℃で30分間キュアリングをする。
【0078】
(2)A型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
前記3−アミノプロピル基が結合したゼオライトAをトルエンが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間にフラーレンと結合したガラス板1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、3−アミノプロピル基が結合されたゼオライトAをフラーレンと結合したガラス板の表面に付着させた。
【0079】
(3)B型超音波法を利用したゼオライトA単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間にフラーレンと結合したガラス板1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、フラーレンと結合したガラス、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0080】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したゼオライトA単層膜の製造
50mlの反応容器に3−アミノプロピル基が結合したゼオライトA 40mgを入れてトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体とフラーレンと結合したガラス板を入れて冷却器を装着した後、5時間還流させた。
【0081】
(実施例10)3−クロロ−1−プロピルチオールを使用した金メッキ上へのシリカライト単層膜の製造
(1)3−クロロプロピル基が結合した金メッキの製造
まず、ガラス、シリコン・ウエハーのような基質にチタンまたはクロムを約100Åの厚さで真空加熱蒸着を行う。チタンまたはクロム層の上に真空加熱蒸着法を利用して金を約1000Åの厚さで蒸着する。硫酸と過酸化水素水を7:3で混合したピラニア溶液で洗浄し、使用する直前に300℃の真空下で3時間過熱して冷まし、金メッキを製造した。前記金メッキを3−クロロ−1−プロパンチオールが溶解しているエタノール溶液2mMに24時間浸した後、取り出してエタノールで洗浄する。
【0082】
(2)A型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
シリカライトをトルエンが入っている反応容器に添加し、超音波洗浄器を利用してよく分散させる。トルエン溶液に櫛の歯の形をしたテフロン(登録商標)支持体を入れてその櫛の歯の間に3−クロロプロピル基が結合した金メッキ1枚を挿入する。その反応容器を超音波を利用した製造装置の底に置き、スタンドに固定した。超音波を利用した製造装置の内部に、反応容器内部の溶媒であるトルエンの液面が充分に浸る程、水を入れて温度調節装置を利用して水の温度を20℃に維持させた。その後、超音波発生器を通して周波数28KHzの超音波(電力95W)を利用して2分間、シリカライトを3−クロロプロピル基が結合した金メッキの表面に付着させた。
【0083】
(3)B型超音波法を利用したシリカライト単層膜の製造
全体的な製造過程はA型超音波法と類似しているが、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体の櫛の歯の間に3−クロロプロピル基が結合した金メッキ1枚を挿入する代りに、モレキュラーシーブを形成しないガラス、3−クロロプロピル基が結合した金メッキ、モレキュラーシーブを形成しないガラスの順序で重ねて挿入する。その他の過程はA型超音波法と同様である。
【0084】
(4)単純還流法(公知技術)を利用したシリカライト単層膜の製造
50mlの丸底フラスコにゼオライト50mgを入れてトルエン40mlを添加した。トルエン溶液を超音波洗浄器を利用して5分間分散させた後、櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体と3−クロロプロピル基が結合した金メッキを入れて冷却器を装着した後、24時間還流させた。
【0085】
[実験例]
(実験例1)シリカライトの付着程度の測定(degree of coverage、DOC)
実施例1で(1)A型超音波法(A)、(2)B型超音波法(B)及び(3)単純還流法(C)を利用してCP−Gの表面にシリカライトが付着された程度を一定間隔で測定し、図4に表した。DOCはB型超音波法を使用して基質上に密集体形で稠密に付着されたシリカライトの総重量に対する、現在付着されたシリカライトの重量の百分率(%)で測定した。
【0086】
(実験例2)シリカライトまたはゼオライトなどのモレキュラーシーブの付着速度の比較
図4の(A)、(B)及び(C)から、単純還流法の場合は100%近く、DOCを得るのに24時間以上所要するが、本発明のA型超音波法とB型超音波法を利用する場合には約1分しか所要しなかった。この実験により、超音波を使用して付着する場合は既存に使用していた単純還流法を使用して付着する場合に比べて付着速度が1400倍以上であることが分かる。
【0087】
また、実施例1〜10の各々の方法によりDOCが100%となるまでに所要する時間を測定した結果を下記表1に示す。実施例1と類似した結果を得ることができた。
【表1】

基質−モレキュラーシーブ膜の製造方法による付着速度
【0088】
(実験例3)シリカライト単層膜の稠密度の比較
図5(A)は実施例1のA型超音波法で2分間付着させた場合、(B)は実施例1のB型超音波法で2分間付着させた場合、(C)は実施例1の単純還流法で24時間付着させた場合の単層膜走査電子顕微鏡(SEM)のイメージである。既存方法の単純還流法で24時間付着させた単層膜より本発明のA型超音波法またはB型超音波法で2分間付着させた単層膜の方が稠密度が高いことが分かり、特に、B型超音波法を使用して付着させたシリカライト単層膜は粒子の稠密度がほとんど100%に近かった。従って、本発明を使用して単層膜を製造する場合、エネルギーの消耗を著しく減らすことができ、稠密度も優れているという事実を確認することができる。
【0089】
(実験例4)シリカライトまたはゼオライトなどのモレキュラーシーブ単層膜の付着強度の比較
単純還流法で24時間付着させた単層膜、A型超音波法で2分間付着させた単層膜、及びB型超音波法で2分間付着させた単層膜を各々シリカライトまたはゼオライトなどのモレキュラーシーブを分散させていない純粋なトルエン10mlが入っているガラス瓶に入れ、このガラス瓶を超音波を利用した超音波処理(sonication)を通してシリカライトを離脱させた。この時使用された超音波の振動数は28KHzで、電力は50Wであった。小さいガラス瓶の中にトルエンは超音波に露出された後、5分が経過する度に純粋なトルエンと替えてやり、最初に付着されていたシリカライトの総重量に対する、離脱されたシリカライトの量を百分率を通して付着強度を測定した。
【0090】
図6のように、超音波処理をして30分が経過した場合、実施例1の単純還流法で付着させた場合は85%の離脱率を見せたが、実施例1のA型超音波法、及びB型超音波法で付着させた場合は各々63%と44%の離脱率を見せた。従って、本発明の超音波法を使用した場合が付着時間は短いにもかかわらず、付着強度ははるかに強いことが分かり、また少ないエネルギーを使用しながら強い結合力有した単層膜を製造することができることを確認することができた。特に、B型超音波法を使用して製造した場合には付着強度が既存方法の2倍に近かった。このデータは同様な実験を5回反復して得られた値の平均値である。
【0091】
(実験例5)超音波法を利用してCP−Gにシリカライトを付着した際の反応温度による付着速度の比較
反応温度を20℃、50℃または80℃に変えながら本発明のB型超音波法を利用して単層膜を製造し、シリカライトのDOCを測定した。
図7のように、反応温度が増加するに従い付着速度も増加する傾向を見せている。但し、最低温度である20℃の場合にも1分以内にDOCがほとんど100%に到達する点から1分以上の反応時間を確保することができる場合には大きな差がないと言える。従って、一般的な場合であれば、本発明の超音波法を使用すれば低い反応温度下でも付着がよく行われるためエネルギー節約の側面において有利であると言える。
【0092】
(実験例6)超音波法の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産に対する適用可能性
BG間に重ねて入れた10個のCP−G(BG/(CP−G)10/BG)を櫛の歯の形のテフロン(登録商標)支持体に挿入した後、その基質に本発明のB型超音波法を利用して5分間シリカライトを付着した。
【0093】
図8のように、BGの間にある全てのCP−Gがほとんど100%に近いDOCを表すため、超音波方を使用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産は可能であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0094】
超音波を利用して基質にモレキュラーシーブ粒子を単層または多層膜形態で付着させる方法を使用すれば、単純還流法を使用する場合より多様な方法で基質とモレキュラーシーブ粒子を結合させることができるだけでなく、時間とエネルギーを節約しながら著しく高い付着速度、付着強度、付着程度および稠密度を有し、連結化合物が結合された基質とそうでない基質が混合されている場合にも全ての基質に均等にモレキュラーシーブ粒子が付着させることができるため、基質−モレキュラーシーブ膜複合体の大量生産が可能である。
【0095】
本発明によって精巧な基質−モレキュラーシーブ膜複合体を生産することができるようになることによって、それまで使用されてきた触媒、吸着剤、イオン交換剤、脱水剤、脱臭剤、防音材および断熱材としての活用度が更に高くなり、更には、高密度メモリー素材、非線形光学素材、サイズによる分子分離膜などの先端の新素材としても更に広く活用することができることが展望される。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1a】本発明による超音波を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)の基本構造を表し、これは溶媒1(S1)と基質−モレキュラーシーブ膜複合体の反応物が入った反応容器(10)、溶媒2(S2)が入っており、反応容器を収容する外部容器(20)、超音波発生器(30a)及び温度調節器(40)を含み、温度調節器(40)は冷却水発生器(41)と冷却水循環コイル(42)とからなる。
【図1b】溶媒1(S1)と基質−モレキュラーシーブ膜複合体の反応物が入った反応容器(10)に直接超音波が伝達されるように変形した超音波(30b)を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)の構造を表す。
【図1c】溶媒2(S2)が入っており、反応容器(10)を収容する外部容器(20)に直接超音波が伝達されるように変形した超音波(30c)を利用した基質−モレキュラーシーブ膜複合体製造装置(100)の構造を表す。
【図1d】反応容器(10)を使用せずに基質−モレキュラーシーブ膜複合体を製造する製造装置の構造を表す。
【図2】本発明によるA型超音波法に使用される基質の形態を表す。
【図3】図2の基質の形態を拡張させた基質の形態を表す。
【図4】A型超音波法(A)、B型超音波法(B)及び単純還流法(C)を使用して、3−クロロプロピル基の単層がコーティングされたガラス(CP−G)上にシリカライトを付着させた場合の時間によるシリカライトの付着程度(DOC)を表すグラフである。
【図5】A型超音波法で2分(A)、B型超音波法で2分(B)、単純還流法で24時間(C)、CP−G上にシリカライトを付着させた場合の単層膜の走査電子顕微鏡(SEM)のイメージであり、(D)はB型超音波法でCP−G上に2分間ゼオライトAを付着させた場合の走査電子顕微鏡(SEM)のイメージである。
【図6】単純還流法で24時間、A型超音波法で2分及びB型超音波法で2分間反応させて得られた各々の基質−モレキュラーシーブ粒子単層膜を純粋な溶媒1だけ存在する環境下で超音波を加える際のシリカライト粒子の離脱程度を表すグラフである。
【図7】本発明によるB型超音波法でCP−Gにシリカライトを付着させる場合、反応温度が時間によるシリカライトの付着程度に及ぼす影響に関するグラフである。
【図8】本発明による超音波法を使用してモレキュラーシーブと反応して結合しないガラス(Bare glass、BG)1枚、10枚のガラス(CP−G)、モレキュラーシーブと反応して結合しないガラス1枚の順序で(BG/(CP−G)10/BG)が重なった基質にシリカライト粒子を付着させた時、BGの間に位置した10枚のCP−Gに付着されるシリカライト粒子のDOCを表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基質と連結化合物、モレキュラーシーブと連結化合物、連結化合物と連結化合物、または連結化合物と中間連結化合物の結合を誘導する段階において、15KHz〜100MHzの超音波を使用することを特徴とする基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法。
前記基質は下記の1〜6の化合物のうちいずれか一つの化合物であり、
1.金属及び非金属元素が少なくとも1種以上含まれている酸化物であり、表面にヒドロキシ基を有する物質
2.チオール基(−SH)またはアミン基(−NH2)と反応する金属
3.表面に官能基を有する重合体
4.セレン化亜鉛(ZnSe)、ガリウムヒ素(GaAs)またはリン化インジウム(InP)の半導体化合物、半導体の特性を有する硫化物、セレン化合物またはリン化物
5.ゼオライトまたはゼオタイプ多孔性モレキュラーシーブ
6.表面にヒドロキシ基を有するか、またはヒドロキシ基を有するように処理が可能な天然高分子または伝導性高分子
前記モレキュラーシーブは下記の1〜8の化合物のうちいずれか一つの化合物であり、
1.ゼオライト
2.MFI構造を有するゼオライト、ZSM−5、シリカライト−1、TS−1またはメターロ−シリカライト−1
3.MFI構造を有するゼオライト、ZSM−11、シリカライト−2、TS−2またはメターロ−シリカライト−2
4.ゼオライトA、X、Y、L、ベータ、モデナイト、ペリアライト、ETS−4またはETS−10
5.MCM系列、SBA系列、MSU系列またはKIT系列に関連するメソ多孔性シリカ
6.有機−無機複合メソ細孔構造体または層状物質
7.金属イオンとリガンドが3次元的に結合した有機ゼオライト、有機金属ゼオライトまたは配位化合物ゼオライト
8.多孔性物質の細孔内部または層状構造物質の層間に有機、無機、有機−無機混合染料、発光染料または顔料を染み込ませた複合体
前記連結化合物は下記化学式1〜7の化合物からなる群から選択された少なくとも1種以上の有機化合物から由来した化合物であり、
[化学式1]
Z−L1−X
[化学式2]
MR'4
[化学式3]
3Si−L1−Y
[化学式4]
HS−L1−X
[化学式5]
HS−L1−SiR3
[化学式6]
HS−L1−Y
[化学式7]
Z−L2(+)L3(−)−YまたはZ−L3(−)L2(+)−Y
(前記化学式において、ZはR3Siまたはイソシアネート(−NCO)であり、Rはハロゲン基、C1−C4アルコキシまたはC1−C4アルキル基を表し、3個のRのうち少なくとも一つはハロゲン基またはアルコキシ基であり、L1はアルキル、アラルキルまたはアリル基のような置換または非置換されたC1−C17炭化水素残基であり、これは1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含み、Xはハロゲン基、イソシアネート(−NCO)基、トシル基またはアジド基であり、R'はRと同様であり、4個のR'のうち少なくとも2個はハロゲン基またはアルコキシ基であり、Mはケイ素、チタンまたはジルコニウムであり、Yはヒドロキシ基、チオール基、アミン基、アンモニウム基、スルホン基およびその塩、カルボン酸およびその塩、酸無水物、エポキシ基、アルデヒド基、エステル基、アクリル基、イソシアネート基(−NCO)、糖残基、二重結合、三重結合、ジエン、ジイン、アルキルホスフィン、アルキルアシン、及びリガンド交換をすることができる配位化合物であり、連結化合物の末端または中間に位置させることもでき、L2(+)は1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含む置換または非置換されたC1−C17炭化水素化合物の末端、直鎖または側鎖に正電荷(+)が少なくとも1個有する官能基を表し、L3(−)は1個以上の酸素、窒素または硫黄原子を含む置換または非置換されたC1−C17炭化水素化合物の末端、直鎖または側鎖に負電荷(−)が少なくとも1個有する官能基を意味する。)
前記中間連結化合物はフラーレン(C60、C70)、カーボンナノチューブ、α,ω−ジアルデヒド、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物、アミン−デンドリマー、ポリエチレンイミン、α,ω−ジアミン、金属ポルフィリン及びMで表示される錯化合物(Mはコバルト、ニッケル、クロム、マンガンまたは鉄であり、生理食塩水はN,N'−ビス(サリチリデン)エチレンジアミンである)からなる群から選択された化合物である。
【請求項2】
前記結合を誘導する段階は、
前記基質と前記連結化合物を結合させて中間体1を製造するか、前記モレキュラーシーブ粒子と前記連結化合物を結合させて中間体2を製造する第1段階と、
前記中間体1の連結化合物末端と前記モレキュラーシーブ粒子を結合させるか、前記中間体2の連結化合物末端と前記基質を結合させる第2段階
のうち少なくとも1つの段階であることを特徴とする請求項1記載の基質−モレキュラーシーブ複合体の製造方法。
【請求項3】
前記結合を誘導する段階は、
前記基質と前記連結化合物を結合させて中間体1を製造する第1段階、
前記モレキュラーシーブ粒子と前記連結化合物を結合させて中間体2を製造する第2段階、及び
前記中間体1の連結化合物の末端と前記中間体2の連結化合物の末端を結合させる第3段階
のうち少なくとも1つの段階であることを特徴とする請求項1記載の基質−モレキュラーシーブ複合体の製造方法。
【請求項4】
前記結合を誘導する段階は、
前記基質と前記連結化合物を結合させて中間体1を製造する第1段階、
前記モレキュラーシーブ粒子と前記連結化合物を結合させて中間体2を製造する第2段階、及び
前記中間体1の連結化合物末端と前記中間連結化合物の一方の末端を結合させるか、前記中間体2の連結化合物末端と前記中間連結化合物のもう一方の末端を結合させる第3段階
のうち少なくとも1つの段階であることを特徴とする請求項1記載の基質−モレキュラーシーブ複合体の製造方法。
【請求項5】
前記結合を誘導する段階は、
混合液の中で前記基質、前記連結化合物及び前記モレキュラーシーブ粒子を結合させて基質−連結化合物−モレキュラーシーブ粒子複合体を製造する段階であることを特徴とする請求項1記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法。
【請求項6】
前記基質上に前記モレキュラーシーブ単層膜を形成する第1段階、
前記第1段階により形成されたモレキュラーシーブ単層膜と結合する第2の前記モレキュラーシーブ粒子または第2の前記モレキュラーシーブ粒子と連結化合物(中間体2)を15KHz〜100MHzの超音波を使用して結合させる第2段階
を含むことを特徴とする、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法。
【請求項7】
前記第2段階を数回反復して実施してモレキュラーシーブ多層膜を製造することを特徴とする請求項6記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造方法。
【請求項8】
溶媒1が入った反応容器(10)、溶媒2が入った外部容器(20)、超音波発生器(30)及び温度調節器(40)を含み、
前記反応容器(10)は基質−モレキュラーシーブ膜複合体の反応物である基質、連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子と支持体を収容し、溶媒1は前記モレキュラーシーブ粒子を分散させるための化合物であり、
前記外部容器(20)の溶媒2には前記反応容器(10)を収容しており、前記溶媒2は超音波を伝達するための化合物であり、
前記超音波発生器(30)は前記反応物に超音波を伝達するための手段として15KHz〜100MHzの超音波を発生させ、
前記温度調節器(40)は溶媒2の温度を制御するための手段として、冷却水循環コイル(41)と冷却水発生装置(42)で構成され、
前記冷却水循環コイル(41)は前記溶媒2に沈めるか、反応容器(1)または外部容器(20)の外表面を巻くことを特徴とする基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。
【請求項9】
前記超音波発生器(30)は出力された超音波が前記外部容器(20)に照射されるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。
【請求項10】
前記超音波発生器(30)は出力された超音波が前記溶媒1に直接照射されるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。
【請求項11】
前記超音波発生器(30)は出力された超音波が前記溶媒2に照射されるように構成されていることを特徴とする請求項8記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。
【請求項12】
前記反応容器(10)は1個以上の同種または異種の連結化合物が結合された基質と連結化合物が結合されていない基質が含まれた数枚の基質を差し込むことのできる支持体を具備することを特徴とする請求項8記載の基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。
【請求項13】
溶媒1が入った外部容器(20)、超音波発生器(30)及び温度調節器(40)を含み、
前記外部容器(20)は基質−モレキュラーシーブ膜複合体の反応物である基質、連結化合物及びモレキュラーシーブ粒子と支持体を収容し、前記冷却水循環コイル(41)が浸っており、溶媒1は前記モレキュラーシーブ粒子を分散させるための化合物であり、
前記超音波発生器(30)は前記反応物に超音波を伝達するための手段として15KHz〜100MHzの超音波を発生させ、
前記温度調節器(40)は溶媒1の温度を制御するための手段として冷却水循環コイル(41)と冷却水発生装置(42)とから構成され、
前記冷却水循環コイル(41)は前記溶媒1に浸すか、外部容器(20)の外表面を巻くことを特徴とする基質−モレキュラーシーブ膜複合体の製造装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−503441(P2008−503441A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−517961(P2007−517961)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001960
【国際公開番号】WO2006/001648
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(506003875)インダストリー ユニヴァーシティー コオペレイション ファウンデイション ソーガン ユニヴァーシティー (4)
【Fターム(参考)】