説明

超音波測定システム及び方法

手持型のディスプレイ及び処理手段と、手持型のディスプレイ及び処理手段とほぼ同様の重量の超音波トランスデューサ及び処理手段と、手持型のディスプレイ及び処理手段を超音波トランスデューサ及び処理手段と相互接続すると共に、システムをユーザの首の周りで機械的に位置決めする手段を提供するのに十分な長さの送信ケーブルとを含む、超音波測定システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な医療用超音波プローブを支援する構成可能なインターフェースを備えた、低コストで且つ効率的な医療用超音波画像診断、測定、及び記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波は、最初は医学診断用の画像診断ツールとして1940年代に研究された。George Ludwigは、振幅モード(Aモード)超音波を使用して、組織内の異物を検出した最初の科学者であった。このことは、Ludwig et al., "Considerations underlying the use of Ultrasound to detect Gallstones and Foreign Bodies in Tissue", Naval Medical Research Institute Reports, Project #004 001, Report No. 4, June 1949という報告に記載されている。1950年代の初めに、Wild及びReidは、Wild, J.J. and Reid, J.M. (1952) "Application of echo-ranging techniques to the determination of structure of biological tissues", Science 115:226-230 (1952)に記載されている、機械的に搭載された回転トランスデューサを使用して、Bモード走査システムを構築した。超音波技術は、Wright及びMeyerdirkによって関節腕Bモードスキャナが開発されたことにより、1960年代に大きく発展した(米国特許第1970000092143号)。静的モードスキャナとしても知られている関節腕スキャナは、超音波トランスデューサを可動アームに接続し、アームの移動はポテンシオメータを使用して機械的に測定される。静的モード超音波スキャナは1980年代初めまで広く使用されていた。静的モードスキャナは大型で扱いにくいデバイスであったので、使用される技術は手持型の超音波システムに容易には適さない。
【0003】
1970年代中頃に、超音波トランスデューサがモータを使用して回転されるリアルタイムスキャナは開発された。Krause(米国特許第3470868号、超音波診断装置(Ultrasound diagnostic apparatus))は、リアルタイムで画像を作成するため、モータが超音波トランスデューサを回転させる発明を記載している。そのようなリアルタイムのBモードスキャナの臨床上の有用性は、J.M Griffith and W.L Henry titled "A sector scanner for real-time two-dimensional echocardiography", Circulation 49:1147, 1974という文献に概説されている。これらのデバイス並びにモータ駆動回路群の性質は、デバイスのサイズ、消費電力、及びコストを増加させる。それに加えて、モータ自体及び関連する可動部品がデバイスの信頼性を低減する。
【0004】
超音波の更なる開発は、電子ビームステアリングトランスデューサの開発によるものであった。Wilcox(米国特許第3881466号)は、送信パルスを各結晶に対して連続して遅延させ、電子手段に超音波ビームを操縦させることができる、多数の電子結晶から成る発明を記載している。基本的技術は現在も依然として広く使用されており、ほぼ全ての現在の医療用超音波機器が、トランスデューサ内に多数の超音波結晶を使用している。初期の設計は少なくとも64個の結晶を使用したが、現在の設計は、場合によっては1000個以下又はそれ以上の結晶を使用する。
【0005】
電子ビームステアリングにより、モータがリアルタイム画像を作成する必要がなくなるが、多数の結晶を備えたトランスデューサを作成するコストは高い。トランスデューサは、通常手作業で製造され、チャネルは優れたチャネル間整合と低いクロストークを有する。機器のコスト全体がプローブのコストの数倍なので、プローブのコストは最先端の超音波診断システムでは重要な要因ではない。電子システムの消費電力も高く、一般に、同時に動作可能なチャネルの数に比例する。
【0006】
超音波技術の従来技術の多くは、超音波システムの性能を改善して、それらを増加し続ける診断用途の範囲に使用できるようにすることを対象としている。その結果、超音波システムには著しい進歩が見られ、トランスデューサが使用する結晶の数は増加し続け、ホストシステムの処理能力は増加し続けている。その結果、3D及びリアルタイム3D(又は4D)能力を備えたシステムが得られた。
【0007】
いくつかのメーカーは、放射線科の診療所及び大病院で使用される大型で嵩高のシステムよりも可搬性が高いシステムを作成することに焦点を当ててきた。Sonosite社は、多数の結晶を備えたトランスデューサを使用して、携帯することができる製品(米国特許第D461895号、同第6575908号)を開発した。Sonositeシステムのコスト及び消費電力は、大型の台車載置型の(cart based)システムよりも遥かに少ないが、ほとんどの初期治療専門医にとっては依然として高価すぎる。Chiangら(米国特許第5590658号、同第5690114号、同第5839442号、同第5957846号、同第6106472号)は、高速インターフェースを介してホスト処理ユニットに接続されたチャージドメイン処理を使用する、ビーム形成アレイを備えたシステムを開示している。好ましい実施形態はラップトップコンピュータに接続するが、当業者であれば、デバイスを手持型の処理システムに接続できることを理解するであろう。General Electric社のHalmannら(米国特許第7115093号)は、デジタルビーム形成を使用する、特に手持型の処理システムと共に使用するように意図された同様のデバイスを開示している。しかし、これらの製品は両方とも、依然として高価で電力消費の大きい多要素トランスデューサアレイから成り、結果として高価な画像診断システムになっている。他の携帯型の超音波システムは、General Electric社(Logiqbook系列)及び他のいくつかのベンダーから入手可能であり、デバイスの共通の特徴は、それらが多要素トランスデューサ及びラップトップサイズの処理システムを含んでいることである。
【0008】
携帯型の超音波システムは、性能が改善されており、ほんの少し前まではより大型の台車載置型の超音波システムに限定されていた診断処置に使用することができる。Sonosite社は、Micromaxx携帯型ユニットは「携帯型超音波とより大型且つ高性能の台車載置型のシステムとの間の地点を越える技術を代表する」と主張している。傾向は、携帯型超音波が、より高価な台車載置型のシステムによって現在行われている診断機能のほとんどを行うことができるように改善されるというところにあった。結果として、携帯型システムのコストが、減少するのではなく増加した。
【0009】
一部の発明者らは、トランスデューサのコストを低減する方法を研究していたが、必ずしも手持型の超音波システムと共に使用されるものではなかった。Sliwa及びBaba(米国特許第5690113号)は、位置及びオリエンテーション感知回路群と結合された定置型の超音波送信器が組み合わされて、安価な超音波プローブを形成するシステムを提案した。システムは、無線通信を備えた非係留式プローブ、又はプローブに機械的に結合された電磁受信器を備えた係留式プローブと、参照位置信号を供給する別個の電磁送信器とから成る、非リアルタイムの超音波システムを請求している。プローブは、使い捨てにするのに十分に安価で製造することができ、検査間の殺菌処置に対する要件を低減し、子宮内検査に特に適している。係留式トランスデューサが別個の定置型の電磁送信器を有するという要件は、ホスト処理ユニットが移動しない台車又はデスク載置型のシステムに良く適しているが、ホスト処理ユニットが移動する手持型のシステムには適さない。プローブ内の無線通信システムの要件により、コスト及び消費電力が増加して、無線通信システム用の追加の構成要素と超音波プローブ用の別個の電池を必要とする。
【0010】
Huntらは、無線の手持型計算デバイスに接続された超音波プロセッサ及びトランスデューサから成る、セグメント化された超音波システムから成る発明(米国特許第6780154号)を広く開示している。超音波プロセッサ及びトランスデューサは画像を構築し、非リアルタイムでその画像をディスプレイ装置に無線通信する。この発明の限界は、超音波画像を構築する低コストの方法が提案されていないことであり、好ましい実施形態は64チャネルのアレイである。このシステムはまた、超音波プロセッサ及びトランスデューサ用に別個の電池を供給することを必要とし、無線通信スキームの消費電力における間接費が電池寿命とデバイスの有用性を制限することになる。
【特許文献1】米国特許第1970000092143号
【特許文献2】米国特許第3470868号
【特許文献3】米国特許第3881466号
【特許文献4】米国特許第D461895号
【特許文献5】米国特許第6575908号
【特許文献6】米国特許第5590658号
【特許文献7】米国特許第5690114号
【特許文献8】米国特許第5839442号
【特許文献9】米国特許第5957846号
【特許文献10】米国特許第6106472号
【特許文献11】米国特許第7115093号
【特許文献12】米国特許第5690113号
【特許文献13】米国特許第6780154号
【非特許文献1】Ludwig et al., "Considerations underlying the use of Ultrasound to detect Gallstones and Foreign Bodies in Tissue", Naval Medical Research Institute Reports, Project #004 001, Report No. 4, June 1949
【非特許文献2】Wild, J.J. and Reid, J.M. (1952) "Application of echo-ranging techniques to the determination of structure of biological tissues", Science 115:226-230 (1952)
【非特許文献3】J.M Griffith and W.L Henry titled "A sector scanner for real-time two-dimensional echocardiography", Circulation 49:1147, 1974.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
消費電力が少なく、低コスト、低重量で、サイズが小さく、且つ使用が容易であり、それによって初期治療専門医が使用することができる手持型の超音波システムを構築することにより、従来技術を改善することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、手持型のディスプレイ及び処理手段と、手持型のディスプレイ及び処理手段とほぼ同様の重量の超音波トランスデューサ及び処理手段と、手持型のディスプレイ及び処理手段を超音波トランスデューサ及び処理手段と相互接続すると共に、システムをユーザの首の周りで機械的に位置決めする手段を提供するのに十分な長さの送信ケーブルとを含む、超音波測定システムが提供される。
【0013】
好ましくは、手持型のディスプレイ及び処理手段は一次ユーザ入力手段を含み、超音波トランスデューサ及び処理手段は二次ユーザ入力手段を含む。好ましくは、一次ユーザ入力手段は、少なくともスクロールホイール及びプッシュ作動式ボタンから成り、二次ユーザ入力手段は、スクロールホイール及びプッシュ作動式ボタンから成る。好ましくは、超音波トランスデューサ手段は、受信した超音波信号を互いに空間的に位置合わせしてディスプレイできるように、超音波送受信手段と、位置及びオリエンテーション測定手段とを更に含む。好ましくは、超音波トランスデューサ手段は、位置及びオリエンテーションキャリブレーションデータを格納する不揮発性メモリを更に含む。
【0014】
好ましくは、超音波トランスデューサ手段は、位置及びオリエンテーションデータ並びにキャリブレーションデータを処理し、正規化された位置及びオリエンテーションデータを作成する手段を含む。更に、ディスプレイ及び処理手段は、ユーザ音声(口述)を記録するため、マイクロフォン及びソフトウェア手段を備えることができる。ディスプレイ及び処理手段は、患者データをインポート又はエクスポートするため、他のシステムに接続し、記録されたデータを他のシステムとやり取りする通信手段を組み込むことができる。ディスプレイ及び処理手段は、画像を記録するため、一体化されたカメラを含むことができる。超音波トランスデューサ及び処理手段は、交換可能なゲルカートリッジを備えたゲル分配手段を含むことができる。
【0015】
好ましい実施形態は、従来利用可能であったデバイスよりも簡便に且つ低コストで超音波測定及び画像診断を便利に行うことができる、新規なシステムを広く開示する。好ましい実施形態のデバイスは様々な新規な特徴を持ち、それによって、医療用超音波走査のコストが大幅に且つ有利に低減され、また、それらを操作する際の使用の容易さ及び便利さも、初期治療専門医が操作可能なレベルまで向上する。
【0016】
本発明の好ましい実施形態は、ケーブルを介して超音波トランスデューサに接続された、手持型のディスプレイ及びユーザ入力ホストシステムを含む。手持型のディスプレイシステム及び超音波トランスデューサシステムは、同様の体積及び質量であるように製造されて、システムがユーザの首又はユーザの肩の周りで携帯されるとき荷重の均衡をとることが容易になる。システム及びケーブルはまた、便利に折り畳み、ユーザのポケットに入れられるようなサイズのものである。
【0017】
超音波トランスデューサシステムは、関連する送信回路群及び受信音量増幅器(receiver amplifier)との間で超音波を送受信するための1つ又は複数の要素から成る。受信器回路群は、受信超音波エネルギーの電気的表現をデジタルデータに変換するための、A/D変換器を含む。超音波トランスデューサシステムはまた、ホストシステムと通信し、超音波装置の動作を制御し、且つ局所の機械的又は電気的スイッチ及びユーザ入力手段からのユーザ入力を受け取るコントローラを含む。好ましい一実施形態はまた、開始点又は外部参照、温度センサ、及び局所キャリブレーションデータを保存する手段に対するトランスデューサのオリエンテーション及び/又は位置を測定するための回路群を含む。位置/オリエンテーション測定データは、温度及び入力に従ってキャリブレーションデータを用いて処理され、超音波データと組み合わされ、その後、ケーブルによってホストシステムに送信され、ホストシステムが位置測定手段を意識することなく、高精度の位置測定システムを有効にする。送信パルスが固定の相対位置で超音波トランスデューサに送信される場合、位置及びオリエンテーション測定によって超音波トランスデューサが許容されるが、ユーザがプローブを移動させることによって空間的には移動される。
【0018】
超音波トランスデューサシステムは、超音波ゲルのボトルを携帯する必要性を取り除く超音波ゲル格納及び分配システムと、走査位置を記録するためのカメラとを含むことができる。
【0019】
ホスト処理及びディスプレイシステムは、片手で便利に保持し、制御することができるサイズのものである。好ましい一実施形態では、処理及びディスプレイシステムは、片手で保持し、ユーザの親指を使用して全ての機能性を制御することができる。第2の手は、超音波トランスデューサを保持し操作するために空いている。或いは、ホスト処理及びディスプレイシステムは、ストラップを使用してユーザの腕に固定して、他の用途のために第1の手を空けることができる。第2の手は、超音波プローブを保持並びに操作し、超音波プローブの二次ユーザ入力手段を使用して、基本的な超音波機能性を制御するために空いている。システムは、超音波ユニット内の位置及びオリエンテーション測定回路群を使用して、「マウス」タイプの操作のためのユーザインターフェース位置情報を生成するように構成することができる。
【0020】
ホスト処理及びディスプレイシステムは、有利には、無線ネットワーク通信を可能にするものなどの通信構成要素、及び医療記録データベースを含むホストコンピュータ又はサーバとのインターフェース接続を可能にするソフトウェアを含むことができ、患者データを電子記録システムに転送するための簡単で便利な手段を提供する。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態は、添付図面を参照して、単に例示として以下に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
背景技術は、扱いにくい動作モードを持ついくつかのデバイスを提供する。超音波機器の処理、記録、通信、ディスプレイ、及び制御を更に十分に一体化し、初期治療専門医が使用することができるように、そのコスト及び操作の複雑性を低減することが必要とされている。
【0023】
好ましい実施形態は、従来利用可能であったデバイスよりも簡便に且つ低コストで超音波測定及び画像診断を便利に行うことができる、新規なシステムを広く開示する。好ましい実施形態のデバイスは様々な新規な特徴を持ち、それによって、医療用及び獣医用の超音波走査のコストが大幅に且つ有利に低減され、また、それらを操作する際の使用の容易さ及び便利さも、初期治療専門医が操作可能なレベルまで向上する。
【0024】
本発明によれば、超音波測定及び画像診断システムが提供される。例示的な一実施形態が図1に示される。符号1で示されるシステムは、ケーブル(5)を介して超音波システム(2)に接続された手持型のディスプレイ及び処理システム(3)を含む。手持型のディスプレイ及び処理システム(3)並びに超音波システム(2)は、ほぼ同等の質量であるように設計され、システムがユーザの首の周りで便利に保存され、デバイスの可搬性を向上させている。ユーザ12がこの運搬モードを実施している一例が図3に示される。超音波システムは、1つ又は複数の超音波トランスデューサ(6)と、超音波ゲルを格納し分配する手段(7)とを含み、ユーザが追加の超音波ゲル分配器を携帯する必要性をなくしている。
【0025】
システムは、一般的に、患者の検査のためにユーザによって使用される。第1段階は、患者の詳細を設定することである。第2段階は超音波操作であり、ユーザは、設定を選択し、超音波走査を開始及び停止するなど、基本のユーザ入力を行う。最終段階は、収集された超音波データの分析及び格納である。検査の様々な段階を容易にするため、様々なユーザ入力手段が設けられる。
【0026】
手持型のディスプレイ及び処理システム(3)は、ほとんどの操作を制御できるようにするため、スクロールホイール(10)及びボタン型ユーザ入力手段(4)を提供する。
【0027】
図2に示されるように、デバイス(3)がユーザの手に快適に置かれているとき、ユーザ入力手段(4)は、ユーザの親指又は他の指によって操作することができ、第2の手はシステム(2)の超音波部分を保持し制御するために空いている。
【0028】
或いは、手持型のディスプレイ及び処理システムは、別個の取外し可能なストラップ/固定手段を使用して、ユーザの腕に固定して、対応する手を、超音波によってガイドされる血管処置などの医療処置に使用するために空けることができる。この操作の場合、超音波システム(2)は、手持型のディスプレイ及び処理システム(3)を制御するため、二次ユーザ入力手段(8及び9)を含む。
【0029】
上述のユーザ入力手段は、患者の検査中など、システムの動作中に使用するのに適している。第1段階及び第3段階は、通常、患者の検査の前又は後であり、したがって、代替のより効率的な文字入力手段が設けられる。
【0030】
実施形態は、タッチスクリーン11を備えたスタイラス、及び無線キーボード又は入力デバイスの使用を可能にするブルートゥースインターフェースを提供する。マイクロフォンは、「ディクタフォン」アプリケーションと連動させて、音声記録に使用することができる。代替実施形態は、タッチスクリーンを省略するが、超音波システム(2)の位置及びオリエンテーション測定値をユーザ入力の一部として解釈する手段を提供し、超音波システム(2)がユーザ入力の位置的な(又はマウスの)形式を提供することが可能になる。
【0031】
次に図2に移ると、超音波システム2の構成要素の概略ブロック図が示される。超音波システム(2)の好ましい実施形態は、ハウジングに対して固定の位置にある、超音波エネルギーを送受信するための超音波トランスデューサ(13)を含む。超音波ハウジングは、開始位置に対する超音波ハウジングの相対的な位置及びオリエンテーションを測定するために設けられる手段を用いて、ユーザが自由に移動させることができる。受信した超音波エネルギーと超音波ハウジングの相対位置を捕捉することにより、システムは、Bモード超音波画像を再生することができる。好ましい実施形態は、可動部品をほとんど又は全く必要としない位置及びオリエンテーションセンサ(19)を使用するので、この実施形態は、トランスデューサを移動させるモータを使用する従来技術に固有の信頼性の問題による影響を受けにくい。単純なシステムは、開始地点に対する超音波システムのオリエンテーションを判断するため、固体のジャイロスコープ回路群又は角速度を測定する加速度計を使用する。複数の加速度計が含まれることにより、変位を測定することが可能になる。
【0032】
3つの加速度計及び3つの固体ジャイロスコープを備えたシステムは、完全に三次元の分解能のため、位置及びオリエンテーションを測定することができる。従来技術の多くは、加速度計システムに固有のドリフトの問題について議論しているが、この問題は、本システムの一般的な使用によって打ち消される。一般的には、使用中、ユーザは走査が必要とされる位置に超音波プローブを置いて、画像化されるべき物体を指す。ユーザは、ユーザ入力機構(22)の一部としてのボタンを押して、走査の開始を指示し、プローブをそのまま保持する。システムは、キャリブレーションが成功裡に完了していることを示す可聴又は可視どちらかのフィードバックを供給し、ユーザは、必要な位置及びオリエンテーション全体にわたってトランスデューサを掃引又は移動させる。走査は迅速に行われ、それによって、位置及びオリエンテーションシステムのドリフトが、システムの分解能以内のレベルまで制限される。
【0033】
トランスデューサ手段(13)は、超音波信号を送受信するための1つ又は複数のセンサから成る。低コストのため、単一の超音波トランスデューサ要素が提供され、焦点合わせは音響レンズ又はミラーシステムによって実施される。システムに対する改善は、送受信動作のための追加のトランスデューサ要素を追加することにより、コストを犠牲にして達成することができる。
【0034】
実施形態は、トランスデューサ手段(13)を刺激して、超音波を患者の身体内に送信する1つ又は複数の信号を生成する送信部(14)と、送信の間受信回路群を保護するダイプレクサ(15)と、トランスデューサ(13)を介して超音波エネルギーを電気に変換し、反射と屈折の組み合わせによって患者の身体から返ってきた超音波信号の電気的表現を増幅(16)する受信部とを備える超音波システムを提供する。増幅器(16)は、一般的に、パルス送信からの経過時間に従って利得が増加される、時間利得補償増幅器を含むことができる。増幅された電気信号は、A/D変換器(17)によってデジタル形式に変換される。超音波パルスの送信は、FPGA(18)内に実装されたタイミングシステムによって開始することができ、それは更に、位置センサ(19)を介してハウジングの位置及びオリエンテーションの測定と、温度センサ(24)を介して温度の測定とを開始することができる。タイミングシステムは、位置及びオリエンテーション・センサ(19)が予め規定された閾値よりも大きい位置の変化を検出した後、超音波パルスの送信のみを生成するように構成することができるので、超音波走査の収集に使用される超音波エネルギーとバッテリー電力との量は最小限に抑えられる。位置及びオリエンテーション測定手段(19)はまた、必要であれば、A/D変換器(20)によってその信号をデジタル形式に変換する。
【0035】
FPGA(18)は、位置及びオリエンテーションデータを処理してその情報を参照形式に変換し、データを、同じ測定に関連する捕捉された超音波データと組み合わせ、更なる処理及びディスプレイのため、インターフェース(23)を介して、組み合わされた情報を手持型のディスプレイ及び処理システムに送信する。FPGAユニットの機能ブロック図が図5に示される。
【0036】
システムマイクロコントローラ(図4の21)は、位置及びオリエンテーションシステム並びに超音波トランスデューサのためのキャリブレーションデータを格納することができ、それは、FPGA18内の対応するテーブル27及び31にロードされて、システム全体の精度を高めることが可能になる。キャリブレーションデータは、超音波システムが超音波走査のために準備されたときは常にFPGA(18)に転送され、個々の位置測定値それぞれの処理に含まれる。キャリブレーション格納テーブル27及び31は、プローブに対するキャリブレーションデータを格納して、プローブの設計及び構造に関わらず(即ち、位置及びオリエンテーション手段の配置及びタイプに関わらず)一貫したインターフェースフォーマットを可能にする。一実施形態では、キャリブレーション格納テーブルは、ユーザがキャリブレーションプロセスを誘起する(instigate)間標準的なファントムが一時的に超音波プローブに付けられる、現場キャリブレーションプロセスと連動させて使用され、その結果はキャリブレーション格納テーブル27に格納される。
【0037】
図4に戻ると、超音波システムは、システム動作を制御するための二次ユーザ入力手段(22)を含むことが注目される。このユーザ入力手段は、好ましくは、機械的スイッチ又は良く知られており従来技術に開示されている他の任意の技術のどちらかを使用して実装された、ボタンが一体化されたスクロールホイール及び別個のボタンである。超音波システムは、マイクロコントローラ(21)に供給されるユーザ入力22を復号化する。任意の種類のモデムマイクロコントローラを使用することができ、Texas Instruments社製のMSP430シリーズは、待機時の消費電力が低く、通信プロトコルが多様であり、不揮発性記憶装置を備えている。マイクロコントローラは、単純な通信プロトコルを使用して、インターフェース23を介して手持型のディスプレイ及び処理システムと通信し、ICはそのマルチマスター能力により特に良く適している。
【0038】
図5に再び移ると、FPGAがより詳細に示される。FPGAは、超音波の送信、受信、及び処理の全ての様相を同期させる役割を担うタイミング発生器(28)を含む。超音波トランスデューサ(31)並びに位置及びオリエンテーション測定手段(27)と関連付けられたキャリブレーションデータを一時的に格納するメモリが、FPGA内に設けられる。超音波キャリブレーションデータ(31)は、手持型のディスプレイ及び処理システムへの送信の前にフィルタ(25)を実装することによって、トランスデューサの応答に対して受信した超音波データを正規化又は等化するために使用することができる。位置及びオリエンテーションキャリブレーションデータテーブル(27)は、予め測定されたキャリブレーションデータ及び温度などの適切な環境測定値を使用して、測定された位置及びオリエンテーションデータを正規化し、より正確な位置及びオリエンテーション測定に起因するセンサ性能の非線形性を低減するために使用される。位置及びオリエンテーションデータは、先入れ先出し(FIFO)メモリ(29)内の超音波データと組み合わされ、その後で、データ(30)は、手持型のディスプレイ及び処理システムに対するシリアル送信のため、通信プロトコルに符号化される。
【0039】
キャリブレーション手段を組み込み、超音波システムに対するキャリブレーションを処理することにより、ホストプロセッサシステムに対する標準的なインターフェースが可能になり、その際、機器本体の動作を変更又は調節する必要なしに、異なるトランスデューサ手段を物理的に交換することができる。
【0040】
超音波システム2の様々な代替実施形態が可能である。図6は、1つの代替実施形態の機能ブロック図を示す。超音波システム2の代替実施形態は、複数の送受信要素を備えた環状のトランスデューサ44を含む。送信発生器(32)によって生成されたパルスは、超音波パルスの送信焦点距離を変えるため、1組のアナログ遅延ライン(33)によって遅延させることができる。ダイプレクサ(34)は高い送信電圧から受信回路を保護する。トランスデューサからの受信信号は、増幅し(37)、デジタルデータ(38)に変換し、手持型のディスプレイ及び処理ユニットに送信する前に、FPGA(39)によって位置及びオリエンテーション測定値(40及び41)と組み合わせることができる。ユーザ入力手段(43)及び不揮発性記憶装置を有するマイクロコントローラ42も設けることができる。
【0041】
次に図7に移ると、トランスデューサシステム2を通る概略部分断面図が示される。電子部分及びトランスデューサ部分は下側のキャビティ55内に格納される。下側のキャビティには、超音波ゲル格納及び分配手段が取り付けられる。超音波ゲル分配器は、使い捨てポンプ(49)に接続されたゲルカートリッジ(53)を含む。ゲルカートリッジは、取り除くことができるか、又は取外し可能なカバー(54)によって保護される。ゲルは、固体のプラスチック接続手段(52)を用いて、コストを低減する可撓性の包装内に格納することができる。ポンプは、可撓性の膜機構(46)を備えた格納ウェル(45)から成る。格納ウェルは、投入弁(57)を介してゲルが格納包装(53)から格納ウェル(45)に移動するための経路を提供する、投入チャネル(50)を有する。格納ウェル(45)は、排出弁(58)を介して排出チャネル(48)にも接続される。可撓性のボタンカバー(51)はユーザによって押され、次にそれが可撓性のポンプ膜(46)を押し下げて、格納ウェル(45)に格納されたゲルを排出弁(58)を介して排出チャネル(48)から押し出し、最終的に排出ノズル(56)から押し出す。ボタンが解放されると、膜(46)はその元の形状に弾性的に戻って、投入弁(57)及び投入チャネル(50)を介してゲルを格納包装(53)から格納ウェル(45)に吸い込む。
【0042】
次に図8に移ると、手持型のディスプレイ及び処理システム(3)の機能ブロック図が示される。手持型のディスプレイ及び処理システムは、電力、制御通信、及びデータ通信(56)を含むケーブルを介して、プローブに接続する。データ入力はFPGA(57)に接続され、そこでシリアルデータは、マイクロプロセッサ58が読み取るために同期化され復号化される。マイクロプロセッサは、揮発性RAM記憶装置(59)及び不揮発性フラッシュメモリ記憶装置(60)に接続される。フラッシュ記憶装置(60)は、プログラム及びオペレーティングシステムコードを含み、それは、揮発性RAM記憶装置(59)にコピーされ、そこから実行される。ディスプレイ及び処理システムは、有線通信(67)、音声入出力手段(66)、無線通信手段(65)、周辺格納手段(64)、ユーザ入力手段(63)、ディスプレイ手段(62)及び処理手段(58)の全て又は部分集合を含む。マイクロプロセッサは、Aモード画像化、Bモード画像化、Mモード画像化、深度可変の焦点(ゲーティング)を有するドップラー音声(焦点深度が可変なドップラー音声)、静的カラードップラー、及び連続波ドップラーを含むがそれらに限定されない様々な形で、超音波データを処理し、解釈し、ディスプレイするようにプログラムすることができる。好ましい実施形態はまた、患者の画像をユーザが記録することを可能にする、デジタルカメラモジュール(68)を提供する。
【0043】
無線通信手段は、パーソナルコンピュータ、携帯型情報端末(PDA)、ネットワークサーバ、又はメインフレームコンピュータ上で動作する医療記録データベースなどであるが、それに限定されない代替システムに、記録された患者データを保存又はダウンロードするのに使用することができる。システム上のソフトウェアは、医療記録及び診療管理サーバに接続し同期することができるクライアントを含むことができ、内科医に割り当てられたデバイスが、診療管理データベースから患者データをデバイスに自動的にダウンロードすることが可能になり、内科医が患者データをデバイスに入力する必要性がなくなる。患者の診察終了時に、デバイスは、データを患者記録データベースにアップロードすることができる。
【0044】
手持型のディスプレイ及び処理システムは、ディスプレイ及び処理システムと超音波プローブとの間に、少なくとも常時接続の単一チャネル通信インターフェースを備えたインターフェース(56)を提供する。インターフェースは好ましくはマルチマスターシステムであり、ディスプレイ及び処理システムマイクロプロセッサ又は超音波システムマイクロコントローラのどちらかが他方のシステムを起動させることが可能になる。マルチマスターシステムは、システムのどちらかの部分が超音波走査を始動させて、操作の柔軟性を最大限にすることを可能にする。
【0045】
好ましい実施形態がFPGAを含むことで、システムの拡張性に追加の柔軟性がもたらされる。FPGAは、プローブのチャネル数、通信速度、及び更には通信プロトコルと整合するようにプログラムすることができる。FPGAは、マイクロプロセッサ(58)によってプログラムすることができ、将来のプローブが最新のFPGAファームウェアを提供することが可能になる。したがって、システムは、将来発明されるものであっても、あらゆるプローブ設計の動作に整合するように構成することができる。
【0046】
手持型のディスプレイ及び処理システムは不揮発性記憶装置(64)を提供する。本発明の一実施形態は機密データ(SD)スロットを組み込んでおり、ユーザが不揮発性フラッシュメモリカードを挿入することを可能にしている。別の実施形態は、小型のハードディスクを組み込むことができる。ユーザインターフェースは、デバイスが取った測定値が、タイムスタンプ及び患者を特定する他のデータと共に不揮発性メモリに記録されるように操作することができる。
【0047】
要件に応じて、好ましい実施形態を多くの異なる形態で実施することができることが、技術を持つハードウェア設計者には明白であろう。それらの形態は、フルカスタムのASIC設計のための標準的なマイクロコントローラ及びDSP/FPGA構成要素を含むことができる。したがって、システムは、多数の別個の構成要素(オペアンプ、A/D変換器、D/A変換器、デジタル信号プロセッサ、メモリ、ディスプレイ装置、通信構成要素など)から構築することができ、或いは、少数の補助構成要素と共に、主として混合モードの特定用途向け集積回路(ASIC)で構成することができる。
【0048】
上記は、本発明の好ましい形態のみを記載している。本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には明白な変更を行うことができる。
【0049】
更に、好ましい実施形態は主に医療用/獣医用の応用例に関して記載しているが、本発明は、内部の損傷/欠陥についての材料検査など、他の工業用の応用例における用途も見出され、そのような用途は本発明の範囲内に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】デバイスの概略図である。
【図2】デバイスを使用しているユーザを示す図である。
【図3】デバイスを首の周りに載せているユーザを示す図である。
【図4】超音波システムの好ましい実施形態の1つの形式を示す概略図である。
【図5】超音波システムに利用されるフィールド プログラマブル ゲートアレイ(FPGA)の1つの形式を示す概略図である。
【図6】超音波システムの第2の実施形態の形式を示す概略図である。
【図7】超音波ゲル分配器の詳細を示す断面図である。
【図8】ホストディスプレイ及び処理ユニットの実施例の1つの形式を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持型のディスプレイ及び処理手段と、
前記手持型のディスプレイ及び処理手段とほぼ同様の重量の超音波トランスデューサ及び処理手段と、
前記手持型のディスプレイ及び処理手段を前記超音波トランスデューサ及び処理手段と相互接続すると共に、システムをユーザの首の周りで機械的に位置決めするのに十分な長さの送信ケーブルとを含む、超音波測定システム。
【請求項2】
手持型のディスプレイ及び処理手段が一次ユーザ入力手段を含み、超音波トランスデューサ及び処理手段が二次ユーザ入力手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
一次ユーザ入力手段が、少なくともスクロールホイール及びプッシュ作動式ボタンからなり、二次ユーザ入力手段が、スクロールホイール及びプッシュ作動式ボタンからなる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
超音波トランスデューサ手段が、受信した超音波信号を互いに空間的に位置合わせしてディスプレイできるように、超音波送受信手段と、位置及びオリエンテーション測定手段とを更に含む、請求項1〜3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
超音波トランスデューサ手段が、位置及びオリエンテーションキャリブレーションデータを格納する不揮発性メモリを更に含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
超音波トランスデューサ手段が、位置及びオリエンテーションデータ並びにキャリブレーションデータを処理し、正規化された位置及びオリエンテーションデータを作成する手段からなる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
ディスプレイ及び処理手段が、ユーザ音声(口述)を記録するため、マイクロフォン及びソフトウェア手段を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
ディスプレイ及び処理手段が、患者データをインポート又はエクスポートするため、他のシステムに接続し、記録されたデータを他のシステムとやり取りする通信手段を組み込んだ、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ディスプレイ及び処理手段が、画像を記録するため、一体化されたカメラを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
超音波トランスデューサ及び処理手段が、交換可能なゲルカートリッジを備えたゲル分配手段を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
超音波トランスデューサ及び処理手段が、正規化された超音波データを生成するため、キャリブレーション格納手段及び処理手段を提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
位置及びオリエンテーション手段が、能動的に超音波入力を行わないとき、ユーザ入力マウス位置を生成するように処理された出力信号を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項13】
手持ち型の処理及びディスプレイユニットが、前記ユニットをユーザの腕に取り付けられるようにするストラップ金具を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
超音波信号を送受信するため、1つ又は複数のセンサからなる超音波トランスデューサ手段と、
前記超音波トランスデューサ手段を刺激して超音波を患者の身体内に送信する、1つ又は複数の超音波信号を生成する送信部と、反射と屈折の組み合わせによって前記患者の身体から返ってきた超音波信号を受信する受信部とを備える超音波処理手段と、
ユーザインターフェース手段の1つ又は複数からの入力、キャリブレーション格納手段に格納されたパラメータ、及び前記超音波処理手段によって再度受信された超音波信号によって決定される、前記超音波トランスデューサ手段によって送信された前記超音波の形状、周波数、及びタイミングを制御する送信器制御手段と、
前記超音波トランスデューサ手段の前記受信部を介して前記患者から再度受信された前記超音波信号が処理される方法を制御する受信制御手段と、
送信又は受信された1つ又は複数の超音波ビームの空間的な位置及び方向を測定できるようにするオリエンテーション測定手段であって、その出力が、前記受信された超音波信号を互いに空間的に位置合わせして格納し、続いてディスプレイすることが可能になるように、前記受信制御手段が利用できるようにされる、オリエンテーション測定手段と、
前記受信制御手段の処理された出力を、前記オリエンテーション測定手段からの関連するパラメータとともに格納する信号格納手段と、
機器のユーザが見るための図形及び数値出力を供給するディスプレイ手段とを備える、超音波測定及び画像診断システム。
【請求項15】
ディスプレイ手段の出力が、Aモード画像診断、Bモード画像診断、Mモード画像診断、深度可変の焦点(ゲーティング)を有するドップラー音声、静的カラードップラー、又は連続波ドップラーの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
信号格納手段又はディスプレイ手段の内容を遠隔ディスプレイ装置又は記録装置に送信する遠隔通信手段を更に備える、請求項14及び15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
遠隔通信手段が、システムの動作を制御するため、遠隔システム制御手段を更に含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
超音波トランスデューサ用のキャリブレーションデータを更新し格納するキャリブレーション格納手段を更に備える、請求項14〜17のいずれかに記載のシステム。
【請求項19】
ユーザインターフェース手段を更に備え、それによって、ユーザが、機器に対する様々な機能上の選択肢を選択し、超音波データの収集を開始及び停止し、キャリブレーション格納手段の内容を検査し、他のデバイスとの遠隔通信を誘起し、且つ患者情報を入力することができる、請求項14〜18のいずれかに記載のシステム。
【請求項20】
任意に、超音波トランスデューサモジュールとシステムの残りの部分との間で信号を通信し、且つ、従来の聴診器の場合に類似した方法で、ユーザの首に前記システムを機械的に位置決めする手段を提供する二重機能を実行する、物理的相互接続手段を更に含む、請求項14〜19のいずれかに記載のシステム。
【請求項21】
交換可能な結合媒体ゲルカートリッジ及び分配機構を備えた結合媒体格納及び分配手段を更に含む、請求項14〜20のいずれかに記載のシステム。
【請求項22】
ユーザがフィードバック情報を入力するためのユーザインターフェース手段と、
入力及び出力を制御する処理ユニットと、
捕捉されたデータの分析及び処理を行うデジタル信号処理ユニットと、
外部デバイスと接続するための遠隔通信手段と、
不揮発性のデータ格納をもたらす格納インターフェースと、
ディスプレイ手段と、
超音波トランスデューサ手段の1つを接続するためのプローブインターフェースと
を含む、多数の可能な超音波トランスデューサ手段にインターフェース接続するための、手持型データ処理ユニット(DPU)。
【請求項23】
プローブの設計及び構造に関わらず一貫したインターフェース形式を可能にする、キャリブレーションデータをプローブに格納するために提供されたキャリブレーション格納手段を更に備える、請求項22に記載のユニット。
【請求項24】
ユーザがキャリブレーションプロセスを誘起する間、標準質量が超音波プローブに一時的に取り付けられる現場キャリブレーションプロセスであって、その結果がキャリブレーション格納手段に格納されるプロセスと共に利用される、請求項23に記載のキャリブレーション格納手段。
【請求項25】
指示されたとき、マウス機能に対するプローブのモードスイッチを提供するユーザ入力手段を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項26】
便利な制御を提供するため、プローブにスクロールホイールを含めるユーザ入力手段を更に備える、請求項14に記載のシステム。
【請求項27】
動作モードのとき、スクロールホイールが超音波ビームの焦点深度を容易に調節することができる、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
超音波プローブ及び音響プローブを更に備え、前記プローブを変更することなく多数の機能を使用する選択肢をユーザに供給する、請求項14に記載のシステム。
【請求項29】
添付図面を参照して上記に実質的に記載されるような超音波システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−514569(P2009−514569A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538229(P2008−538229)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【国際出願番号】PCT/AU2006/001658
【国際公開番号】WO2007/051261
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(508124604)シグノスティックス ピーティーワイ エルティーディー (1)
【氏名又は名称原語表記】SIGNOSTICS PTY LTD
【Fターム(参考)】