説明

超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置

【課題】ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる超音波診断治療装置を提供する。
【解決手段】超音波の送受信を行う超音波探触子3と、該超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成するBモード処理部5,ドップラ処理部6,画像処理部7と、生成された超音波画像を表示する表示部8と、を備える超音波診断装置1であって、前記画像処理部7は、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8へ表示させる表示制御部を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ波を用いた焼灼治療が可能な超音波診断治療システムでは、超音波画像を確認しながら穿刺針を被検体に刺入し、穿刺針からラジオ波を放射して腫瘍などの焼灼治療を行っている(例えば、特許文献1参照)。このような超音波診断治療システムでは、リアルタイムでの超音波画像を見ながら穿刺針を刺入するため、超音波画像を生成するための超音波探触子からの超音波送受信と、前記穿刺針からのラジオ波の放射とが同時に行われるようになっている。
【特許文献1】特開2007−135988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、例えばラジオ波の周波数は、450kHz程度に設定されているが、このような周波数のラジオ波の高調波が、前記超音波探触子で送受信される超音波の周波数帯域(数MHz程度)と重なってノイズ源となり、超音波画像上にノイズが現れて画質の劣化の問題を生じることがある。
【0004】
本発明の目的は、表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる超音波診断装置、ラジオ波焼灼治療装置、超音波診断治療システム及び超音波診断治療装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、第1の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部と、を備える超音波診断装置であって、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【0006】
第2の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させることを特徴とする超音波診断装置である。
【0007】
第3の観点の発明は、第2の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたBモード画像の関心領域内の平均輝度が所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定することを特徴とする超音波診断装置である。
【0008】
第4の観点の発明は、第2の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたドップラ画像の分散値又はパワーの値が、所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定することを特徴とする超音波診断装置である。
【0009】
第5の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記表示制御部にあっては、前記ラジオ波焼灼治療装置から入力されるラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させることを特徴とする超音波診断装置である。
【0010】
第6の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置であって、第5の観点の発明の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0011】
第7の観点の発明は、第1の観点の発明において、前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生し、このラジオ波放射許可信号を前記ラジオ波焼灼治療装置へ出力して該ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射させる許可信号発生部を備え、前記表示制御部は、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させることを特徴とする超音波診断装置である。
【0012】
第8の観点の発明は、ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ第7の観点の発明の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とするラジオ波焼灼治療装置である。
【0013】
第9の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部と、ラジオ波を放射する穿刺針と、を備える超音波診断治療システムであって、前記穿刺針からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0014】
第10の観点の発明は、第9の観点の発明において、前記超音波探触子、前記画像生成手段、前記表示部及び前記表示制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、を備えることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0015】
第11の観点の発明は、第9又は10の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0016】
第12の観点の発明は、第11の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたBモード画像の関心領域内の平均輝度が所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定することを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0017】
第13の観点の発明は、第11の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたドップラ画像の分散値又はパワーの値が、所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定することを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0018】
第14の観点の発明は、第10の観点の発明において、前記表示制御部にあっては、前記ラジオ波焼灼治療装置から入力されるラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成した場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0019】
第15の観点の発明は、第10の観点の発明において、前記超音波診断装置は、前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生し、このラジオ波放射許可信号を前記ラジオ波焼灼治療装置へ出力して、該ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射させる許可信号発生部を備え、前記表示制御部は、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させることを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0020】
第16の観点の発明は、第15の観点の発明において、前記ラジオ波焼灼治療装置は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有することを特徴とする超音波診断治療システムである。
【0021】
第17の観点の発明は、超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部とを有する超音波診断治療装置であって、前記装置本体は、前記穿刺針からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備えることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0022】
第18の観点の発明は、第17の観点の発明において、前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【0023】
第19の観点の発明は、第17の観点の発明において、前記表示制御部にあっては、ラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成した場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させることを特徴とする超音波診断治療装置である。
【発明の効果】
【0024】
第1,9の観点の発明によれば、前記表示制御部により、ラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部に表示されるので、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0025】
第2,11の観点の発明によれば、前記画像生成手段で生成された超音波画像が、ラジオ波非放射時超音波画像である場合には、その画像が前記表示部に表示される。一方、ラジオ波放射時超音波画像である場合には、当該画像に代えてこれより以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部に表示される。従って、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【0026】
第3,12の観点の発明によれば、ラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかの判定を、Bモード画像の関心領域内の平均輝度に基づいて行うことができる。
【0027】
第4,13の観点の発明によれば、ラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかの判定を、ドップラ画像の分散値又はパワーの値に基づいて行うことができる。
【0028】
第5,14の観点の発明によれば、前記表示制御部により、前記ラジオ波焼灼治療装置から入力されたラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像が表示されるようになっており、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像が表示されるので、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0029】
第6の観点の発明によれば、第5の観点の発明の超音波診断装置へラジオ波放射に関する情報が出力され、この情報に基づいて、前記超音波診断装置における表示制御部によりラジオ波放射時超音波画像に代えてラジオ波非放射時超音波画像の表示を行うことができる。
【0030】
第7,15の観点の発明によれば、前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が出力されて前記ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波が放射されているときに、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時であるラジオ波の非放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部に表示されるので、この表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画像の劣化を防止することができる。
【0031】
第8の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、超音波診断装置においては、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時、すなわちラジオ波の放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時、すなわちラジオ波の非放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部へ表示される。これにより、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0032】
第10の観点の発明によれば、前記超音波探触子、前記画像生成手段、前記表示部及び前記表示制御部を有する超音波診断装置と、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置とを備える超音波診断治療システムにおいて、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0033】
第16の観点の発明によれば、前記ラジオ波放射許可部は、ラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させる。そして、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時、すなわちラジオ波の放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時、すなわちラジオ波の非放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部へ表示される。これにより、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0034】
第17の観点の発明によれば、第1,9の観点の発明の効果を有する超音波診断治療装置を得ることができるとともに、超音波の送受信をして超音波画像を生成するための機能と、ラジオ波を放射して焼灼治療を行うための機能とが一体の装置として構成されているので、超音波画像生成の制御とラジオ波の放射制御とを関連付けた制御を簡単な構成で実現できる。
【0035】
第18の観点の発明によれば、前記画像生成手段で生成された超音波画像が、ラジオ波非放射時超音波画像である場合には、その画像が前記表示部に表示される。一方、ラジオ波放射時超音波画像である場合には、当該画像に代えてこれより以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部に表示される。従って、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【0036】
第19の観点の発明によれば、前記表示制御部により、ラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像が表示されるようになっており、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像が表示されるので、前記表示部に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
(第一実施形態)
先ず、本発明の第一実施形態について説明する。図1は、本発明の第一実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【0038】
図1に示す超音波診断装置1は、超音波診断装置本体2と、この超音波診断装置本体2に接続された超音波探触子3とを備えて構成されている。この超音波探触子3は、図示しない複数の超音波トランスデューサのアレイを有する。個々の超音波トランスデューサは、例えばPZT(チタン(Ti)酸ジルコン(Zr)酸鉛)セラミックス等の圧電材料によって構成される。
【0039】
ちなみに、前記超音波探触子3には、ラジオ波を放射する穿刺針(図示省略)が、穿刺アダプタ(図示省略)を介して取り付けられている。
【0040】
前記超音波診断装置本体2は、送受信部4と、Bモード処理部5と、ドップラ処理部6と、画像処理部7と、表示部8と、制御部9と、操作部10とを有する 。前記超音波探触子3は前記送受信部4と接続されている。
【0041】
前記送受信部4について図2を参照して説明すると、この送受信部4は、送波信号発生部41と、送波ビームフォーマ42と、送受切替部43と、受波ビームフォーマ44とを有している。
【0042】
前記送波信号発生部41は、送波信号を周期的に発生して前記送波ビームフォーマ42へ入力する。送波信号の周期は、前記制御部9により制御される。
【0043】
前記送波ビームフォーマ42は、送波のビームフォーミングを行うもので、送波信号に基づき、所定の方位の超音波ビームを形成するための送波ビームフォーミング信号を生成する。ビームフォーミング信号は、方位に対応した時間差が付与された複数の駆動信号からなる。ビームフォーミングは、前記制御部9によって制御される。前記送波ビームフォーマ42は、送波ビームフォーミング信号を前記送受切替部43へ出力する。
【0044】
前記送受切替部43は、送波ビームフォーミング信号を前記超音波トランスデューサアレイへ出力する。この超音波トランスデューサアレイにおいて、送波アパーチャを構成する複数の超音波トランスデューサは、駆動信号の時間差に対応した位相差をもつ超音波をそれぞれ発生させる。それら超音波の波面合成により、所定方位の音線に沿った超音波ビームが形成される。
【0045】
前記送受切替部43には、前記受波ビームフォーマ44が接続されている。前記送受切替部43は、前記超音波トランスデューサアレイ中の受波アパーチャが受波した複数のエコー信号を前記受波ビームフォーマ44へ出力する。
【0046】
前記受波ビームフォーマ44は、送波の音線に対応した受波のビームフォーミングを行うもので、複数の受波エコーに時間差を付与して位相を調節し、次いでそれらを加算して所定方位の音線に沿ったエコー信号を生成する。受波のビームフォーミングは、前記制御部9によって制御される。
【0047】
前記送受信部4は、前記Bモード処理部5及び前記ドップラ処理部6と接続されている。前記送受信部4から出力される音線毎のエコー信号は、前記Bモード処理部5及び前記ドップラ処理部6へ入力される。
【0048】
前記Bモード処理部5は、エコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを生成する。図3は、前記Bモード処理部5の概略構成を示すブロック図である。図3に示すBモード処理部5は、対数増幅部51と包絡線検波部52とを有する。
【0049】
前記Bモード処理部5は、前記対数増幅部51でエコー信号を対数増幅し、前記包絡線検波部52で包絡線検波して音線上の個々の反射点でのエコーの強度を表す信号、すなわちAスコープ信号を得て、このAスコープ信号の各瞬時の振幅をそれぞれ輝度値として、Bモード画像データを生成する。
【0050】
前記ドップラ処理部6は、エコー信号に基づいて、音線毎のドップラ画像データを生成するものである。ドップラ画像データには、後述する流速データ、分散データ及びパワーデータが含まれる。
【0051】
図4は、前記ドップラ処理部6の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、前記ドップラ処理部6は、直交検波部61と、MTIフィルタ(Moving target indication filter)62と、自己相関演算部63と、平均流速演算部64と、分散演算部65と、パワー演算部66とを有する。
【0052】
前記ドップラ処理部6は、前記直交検波部61でエコー信号を直交検波し、前記MTIフィルタ62でMTI処理してエコー信号のドップラシフトを求める。また、前記自己相関演算部63で、前記MTIフィルタ62の出力信号について自己相関演算を行う。そして、平均流速演算部64で自己相関演算結果から平均流速Vを求め、前記分散演算部65で自己相関演算結果から流速の分散Tを求め、前記パワー演算部66で自己相関演算結果からドップラ信号のパワーPWを求める。以下、平均流速を単に流速ともいう。また、流速の分散を単に分散ともいい、ドップラ信号のパワーを単にパワーともいう。
【0053】
前記ドップラ処理部6によって、被検体内で移動するエコー源の流速V、分散T及びパワーPWを表すそれぞれのデータが音線毎に得られる。これらデータは、音線上の各ピクセルの流速、分散及びパワーを示す。なお、流速は音線方向の成分として得られる。また、前記超音波探触子3に近づく方向と遠ざかる方向とが区別される。
【0054】
前記Bモード処理部5及び前記ドップラ処理部6は、前記画像処理部7と接続されている。この画像処理部7は、前記Bモード処理部5及び前記ドップラ処理部6からそれぞれ入力されるデータに基づいて、Bモード画像及びドップラ画像を生成する。前記Bモード処理部5、前記ドップラ処理部6及び前記画像処理部7は、本発明の画像生成手段の実施の形態の一例である。
【0055】
前記画像処理部7について図5に基づいて説明する。図5は、前記画像処理部7の構成の一例を示すブロック図である。この図5に示すように、前記画像処理部7は、セントラルプロセッシングユニット(CPU:Central Processing Unit)71を有する。このCPU71には、バス72によって、メインメモリ73、外部メモリ74、制御部インタフェース75、入力データメモリ76、ディジタルスキャンコンバータ(DSC:Digital Scan Converter)77、画像メモリ78及びディスプレーメモリ79が接続されている。
【0056】
前記外部メモリ74には、前記CPU71が実行するプログラムが記憶されている。前記外部メモリ74には、また、前記CPU71がプログラムを実行するにあたって使用する種々のデータも記憶されている。
【0057】
前記CPU71は、前記外部メモリ74からプログラムを前記メインメモリ73にロードして実行することにより、所定の画像処理を実行する。前記CPU71は、プログラム実行の過程で、前記制御部インタフェース75を通じて前記制御部9と制御信号の授受を行う。
【0058】
前記Bモード処理部5及び前記ドップラ処理部6から音線毎に入力されたBモード画像データ及びドップラ画像データは、前記入力データメモリ76にそれぞれ記憶される。前記入力データメモリ76のデータは、前記DSC77で走査変換されて前記画像メモリ78に記憶される。前記画像メモリ78のデータは、前記ディスプレーメモリ79を通じて前記表示部8へ出力され、この表示部8に、後述するBモード画像及びドップラ画像からなる超音波画像が表示される。
【0059】
前記CPU71は、前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置(図示省略)からのラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて生成された超音波画像、すなわちラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成された超音波画像、すなわちラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8へ表示させるようになっており、本発明における表示制御部の実施の形態の一例である。
【0060】
具体的に説明すると、前記CPU71は、前記画像メモリ78に記憶されたデータ、すなわち前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定する。そして、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部8に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、前記画像メモリ78に記憶された当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。ラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかについての具体的な判定方法については、後述する。
【0061】
前記画像処理部7には、前記表示部8が接続されている。この表示部8は、前記画像処理部7から画像信号が与えられ、それに基づいて超音波画像を表示するようになっている。前記表示部8は、カラー画像が表示可能なCRTや液晶ディスプレイ等で構成される。
【0062】
以上の前記送受信部4、前記Bモード処理部5、前記ドップラ処理部6、前記画像処理部7、前記表示部8には、前記制御部9が接続されており、この制御部9から各種の信号が入力される。そして、前記制御部9の制御の下で、Bモード動作及びドップラモード動作が実行される。
【0063】
前記制御部9には、前記操作部10が接続されている。この操作部10は操作者によって操作され、前記制御部9に適宜の指令や情報を入力するようになっている。前記操作部10は、例えばキーボードやポインティングデバイス及びその他の操作具を備えている。
【0064】
さて、前記超音波診断装置1の動作について図6に基づいて説明する。前記超音波診断装置1にあっては、超音波画像を見ながら患部に穿刺針を刺入して焼灼治療を行うために、先ずステップS1では、撮影動作を行って前記超音波探触子3によってエコー信号を受信し、次いでステップS2では、得られたエコー信号に基づいて超音波画像を生成する。そして、ステップS3では、得られた超音波画像について、ラジオ波放射時超音波画像であるか否かを前記CPU71が判定する。ステップS3で、得られた超音波画像がラジオ波放射時超音波画像であると判定された場合は、ステップS4へ進み、このステップS4では、前記CPU71は前記画像メモリ78に記憶された前記ラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。一方、ステップS3で、得られた超音波画像がラジオ波放射時超音波画像ではない、すなわちラジオ波非放射時超音波画像であると判定された場合は、前記CPU71は当該画像を前記表示部8に表示させる。
【0065】
上記の各ステップS1〜S4について詳しく説明する。先ず、ステップS1について説明すると、このステップS1では、被検体に前記超音波探触子3を当接し、前記操作部10を操作して、例えばBモードとドップラモードを併用した撮影動作を行う。これにより、前記制御部9による制御の下で、Bモード撮影とドップラモード撮影が時分割で行える。すなわち、例えばドップラモードのスキャンを所定回数行うたびにBモードのスキャンを1回行う割合で、Bモードとドップラモードの混合スキャンが行われる。
【0066】
Bモードにおいては、前記送受信部4は前記超音波探触子3を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。また、ドップラモードにおいては、前記送受信部4は前記超音波探触子3を通じて音線順次で被検体の内部を走査して逐次そのエコーを受信する。その際に、1音線当たり複数回の超音波の送波とエコーの受信が行われる。
【0067】
次に、ステップS2について説明すると、前記Bモード処理部5は、前記送受信部4から入力されたエコー信号に基づいて音線毎のBモード画像データを形成する。前記画像処理部7は、前記Bモード処理部5から入力される音線毎のBモード画像データを前記入力データメモリ76に記憶する。これによって、前記入力データメモリ76内にBモード画像データについての音線データ空間が形成される。
【0068】
また、前記ドップラ処理部6は、エコー信号に基づいて流速V、分散T及びパワーPWを求める。これらの算出値は、それぞれエコー源の速度、分散及びパワーを音線毎かつピクセル毎に表すデータとなる。
【0069】
前記画像処理部7は、前記ドップラ処理部6から入力される音線毎かつピクセル毎の各ドップラ画像データを前記入力データメモリ76に記憶する。これによって、前記入力データメモリ76内に、各ドップラ画像データについての音線データ空間が形成される。
【0070】
前記CPU71は、前記入力データメモリ76のBモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記DSC77で走査変換して前記画像メモリ78に書き込む。その際、ドップラ画像データは、流速Vと分散Tを組み合わせた流速分布画像データ、パワーPWを用いたパワードップラ画像データまたはパワーPWと分散Tを組み合わせた分散付パワードップラ画像データ、及び分散Tを用いた分散画像データとしてそれぞれ書き込まれる。
【0071】
前記CPU71は、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ78の別々な領域に書き込む。そして、前記CPU71は、ステップS3の処理として、前記画像メモリ78に書き込まれたBモード画像データ又はドップラ画像データについて、ラジオ波放射時超音波画像のデータであるか否かを判定する。
【0072】
Bモード画像データについて、ラジオ波放射時超音波画像のデータであるか否かを判定する方法としては、例えば、先ず操作者が前記操作部10を操作してBモード画像について関心領域を設定し、この関心領域内のBモード画像データの平均輝度が、所定値以上であるか否かにより判定する方法が挙げられる。ここで、所定値は、ラジオ波によるノイズが画像に現れた場合の輝度である。ラジオ波によるノイズが画像に現れた場合、ノイズがない場合と比べて平均輝度が大きくなることから、前記CPU71は、Bモード画像データの関心領域内の平均輝度が所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像のデータであると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像のデータであると判定する。
【0073】
前記所定値としては、操作部10から操作者が数値を入力してもよいし、前記画像メモリ78に記憶されたラジオ波非放射時超音波画像における関心領域内の平均輝度を用いてもよい。
【0074】
ドップラ画像データについてラジオ波放射時超音波画像のデータであるか否かを判定する方法としては、例えば、分散Tが所定値以上であるか否か、或いはパワーPWが所定値以上であるか否かにより判定する方法が挙げられる。ここで、所定値は、ラジオ波によるノイズが画像に現れた場合の分散及びパワーの値である。ラジオ波によるノイズが画像に現れた場合、ノイズがない場合と比べて分散T及びパワーPWが大きくなることから、前記CPU71は、分散T又はパワーPWが所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像のデータであると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像のデータであると判定する。
【0075】
前記CPU71は、得られたBモード画像データ及びドップラ画像データの少なくとも一方がラジオ波放射時超音波画像のデータであると判定した場合は、ステップS4の処理へ移行し、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。このとき表示されるラジオ波非放射時超音波画像は、前記画像メモリ78に記憶された画像である。一方、前記CPU71は、得られたBモード画像データ及びドップラ画像データの少なくとも一方がラジオ波非放射時超音波画像のデータであると判定した場合は、ステップS5の処理において、当該データに基づく画像を前記表示部8に表示させる。
【0076】
前記表示部8に表示されるBモード画像は、音線走査面における体内組織の断層像を示すものとなる。また、前記表示部8に表示されるカラードップラ画像のうち、流速分布画像はエコー源の流速の2次元分布を示す画像になる。この画像では、流れの方向に応じて表示色を異ならせ、また流速に応じて表示色の輝度を異ならせ、さらに分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。
【0077】
カラードップラ画像のうちのパワードップラ画像は、ドップラ信号のパワーの2次元分布を示す画像となる。この画像によって運動するエコー源の所在が示される。そして、画像の表示色の輝度がパワーに対応している。それに分散を組み合わせた場合は、分散に応じて所定の色の混色量を高めて表示色の純度を変える。分散画像は分散値の2次元画像を示す画像となる。この画像も運動するエコー源の所在を示す。表示色の輝度が分散の大小に対応する。
【0078】
上記の画像を前記表示部8に表示させる場合には、前記ディスプレーメモリ79においてBモード画像と合成し、この合成画像を前記表示部8に表示することにより、体内組織との位置関係が明確なカラードップラ画像を観察することができる。
【0079】
前記表示部8には、上記ステップS1〜S4又はS5を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。ここで、前記ラジオ波焼灼治療装置の穿刺針(図示省略)からのラジオ波の放射は、超音波画像のリアルタイム性をできるだけ損なわないように間欠的に行うようにすることが望ましい。
【0080】
以上説明した本例の超音波診断装置1によれば、生成された超音波画像がラジオ波放射時超音波画像である場合には、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部8に表示されるので、ラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波非放射時超音波画像を表示することができる。従って、前記表示部8に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する超音波画像の画質の劣化を防止することができる。
【0081】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図7は、本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0082】
図7に示す超音波診断治療システム100は、超音波診断装置101とラジオ波焼灼治療装置102とを備えて構成されている。前記超音波診断装置101は、第一実施形態の前記超音波診断装置1と同様に、前記超音波診断装置本体2及び前記超音波探触子3からなる。また、前記ラジオ波焼灼治療装置102は、ラジオ波焼灼治療装置本体103及びこのラジオ波焼灼治療装置本体103と接続された穿刺針104からなる。
【0083】
本例では、前記超音波診断装置本体2における制御部9は、前記ラジオ波焼灼治療装置102から入力されるラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部8に超音波画像を表示する。詳細については後述する。
【0084】
前記ラジオ波焼灼治療装置本体103は、発振器105と、電圧発生部106と、治療装置側制御部107とを有する。前記発振器105からは、前記穿刺針104からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射パルスが出力される。前記発振器105からのラジオ波放射指令パルスは、前記ラジオ波焼灼治療装置本体103に設けられた焼灼スイッチ(図示省略)をオンにすることにより、前記治療装置側制御部107からの制御信号が前記発振器105へ入力されると出力される。前記電圧発生部106は、ラジオ波放射パルスの入力があると、前記穿刺針104に電圧を印加する。これにより、前記穿刺針104からラジオ波が放射される。
【0085】
ちなみに、前記穿刺針104は、穿刺アダプタ(図示省略)を介して前記超音波探触子3に取り付けられている。
【0086】
前記治療装置側制御部107は、前記発振器105からラジオ波放射パルスが出力され、前記穿刺針104からラジオ波を放射しているときに、前記超音波診断装置本体2の画像処理部7におけるCPU71へ、ラジオ波が放射されていることを示すラジオ波放射信号を前記制御部9を介して出力する。ラジオ波放射信号は、本発明におけるラジオ波放射に関する情報の実施の形態の一例である。
【0087】
さて、前記超音波診断治療システム100の動作について図8に基づいて説明する。ステップS1,S2については、第一実施形態と同一のステップであるので、ここではステップS10〜S12について説明する。
【0088】
前記画像処理部7のCPU71は、ステップS2における超音波画像生成の処理として、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ78の別々な領域に書き込んだ後、ステップS10の処理として、前記治療装置側制御部107からラジオ波放射信号の入力があるか否かを判定する。そして、ラジオ波放射信号の入力がある場合、前記CPU71は、ステップS11の処理へ進み、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。このときに表示されるラジオ波非放射時超音波画像は、前記画像メモリ78に記憶された画像である。一方、ステップS10において前記治療装置側制御部107からラジオ波放射信号の入力がない場合、前記CPU71は、ステップS12の処理へ進み、ステップS2において生成された画像を前記表示部8に表示させる。
【0089】
前記表示部8には、上記ステップS1〜S11又はS12を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。本例においても、前記穿刺針104からのラジオ波の放射は、超音波画像のリアルタイム性をできるだけ損なわないように間欠的に行うようにすることが望ましい。
【0090】
以上説明した超音波診断治療システム100によれば、前記CPU71は、ラジオ波放射信号の入力がある場合、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。従って、ラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えてラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部8に表示されることになる。これにより、前記表示部8に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0091】
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について図9に基づいて説明する。図9は、本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【0092】
本例の超音波診断治療システム200では、前記超音波診断装置本体2の制御部9は、前記穿刺針104からのラジオ波放射の許否信号の発生部91を有している。また、前記ラジオ波焼灼治療装置本体103は、前記発振器105、前記電圧発生部106及び前記治療装置側制御部107のほか、アンド回路201を有している。
【0093】
前記許否信号発生部91は、前記穿刺針104からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号と前記穿刺針104からのラジオ波の放射を不許可とするラジオ波放射不許可信号を発生し、前記ラジオ波焼灼治療装置本体103のアンド回路201へ出力する。前記拒否信号発生部91からラジオ波放射許可信号が出力されているときは、前記制御部9は、ラジオ波放射許可信号の出力があることを示す信号を、前記画像処理部7のCPU71へ出力する。
【0094】
図10に、前記許否信号発生部91から出力され前記アンド回路201へ入力される許否信号の一例を示す。この許否信号では、Hレベルがラジオ波放射許可信号、Lレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。ラジオ波放射許可信号は、前記穿刺針104からラジオ波を放射させる時に出力される信号である。このようなラジオ波放射許可信号を発生及び出力する前記許否信号発生部91は、本発明における許可信号発生部の実施の形態の一例である。
【0095】
ラジオ波放射許可信号とラジオ波放射不許可信号は交互に出力され、後述するように前記穿刺針104からラジオ波が放射されていないときにのみ、超音波画像の生成が行われる。ラジオ波放射許可信号及びラジオ波放射不許可信号のそれぞれの出力時間の長さは、1音線あたりの超音波送受信時間であってもよく、或いは複数音線あたり、1フレームあたり又は複数フレームあたりの超音波送受信時間であってもよいが、超音波画像のリアルタイム性ができるだけ損なわれないように、これら信号の出力が制御されることが望ましい。
【0096】
本例では、前記ラジオ波焼灼治療装置本体6の発振器15から出力されたラジオ波放射指令パルスは、前記アンド回路201へ入力される(発振器15は本発明におけるラジオ波放射指令信号の発生部の実施の形態の一例である)。また、このアンド回路201には、前記許否信号発生部91からの許否信号も入力される。前記アンド回路201は、ラジオ波放射指令パルスと許否信号のアンドをとり、前記電圧発生部106へ出力する。図10に、前記アンド回路201から前記電圧発生部106へ出力される信号を示す。この図10に示すように、前記アンド回路201は、ラジオ波放射許可信号が入力されているときは、前記発振器105からのラジオ波放射指令パルスをそのまま前記電圧発生部106へ出力する。前記電圧発生部106は、ラジオ波放射指令パルスの入力があると、前記穿刺針104へ電圧を印加しラジオ波を放射させる。従って、前記アンド回路201は、ラジオ波放射指令パルスが入力され、なおかつラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令パルスを出力して前記穿刺針104からラジオ波を放射させるものであり、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の一例である。
【0097】
一方で、前記アンド回路201は、前記ラジオ波放射指令パルスが入力されていても、ラジオ波放射不許可信号が入力されているときは、前記ラジオ波放射指令パルスを出力せず、従って前記穿刺針104からのラジオ波の放射は行われない。
【0098】
ちなみに、前記ラジオ波焼灼治療装置本体103は、Hレベル信号発生部Hを備えている。ラジオ波焼灼治療を、前記超音波診断装置101を用いずに前記ラジオ波焼灼治療装置102だけで行う場合には、前記許否信号発生部91からの許否信号が前記アンド回路201へ入力されないため、代わりに前記Hレベル信号発生部Hからの信号を、前記アンド回路201へ入力する。これにより、前記アンド回路201からラジオ波放射指令パルスが出力され、前記穿刺針104からラジオ波を放射させることができ、前記ラジオ波焼灼治療装置102単独でのラジオ波焼灼治療も可能となる。
【0099】
さて、前記超音波診断治療システム200の動作について図11に基づいて説明する。ステップS1,S2については、第一,二実施形態と同一のステップであるので、ここではステップS20〜S22について説明する。
【0100】
前記画像処理部7のCPU71は、ステップS2における超音波画像生成の処理として、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ78の別々な領域に書き込んだ後、ステップS20の処理として、前記許否信号発生部91からのラジオ波放射許可信号の出力があるか否かを判定する。そして、ラジオ波放射許可信号の出力がある場合、前記CPU71は、ステップS21の処理へ進み、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像のデータに基づく画像を前記表示部8に表示させる。このときに表示されるラジオ波非放射時超音波画像は、前記画像メモリ78に記憶された画像である。一方、ステップS20において前記拒否信号発生部91からのラジオ波放射許可信号の出力がない場合、すなわちラジオ波放射不許可信号が出力されている場合、前記CPU71は、ステップS22の処理へ進み、ステップS2において生成された画像を前記表示部8に表示させる。
【0101】
前記前記表示部8には、上記ステップS1〜S21又はS22を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。本例においても、前記穿刺針104からのラジオ波の放射は、超音波画像のリアルタイム性をできるだけ損なわないように間欠的に行うようにすることが望ましい。
【0102】
以上説明した超音波診断治療システム200によれば、前記CPU71は、前記拒否信号発生部91からのラジオ波放射許可信号の出力がある場合、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。従って、ラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えてラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部8に表示されることになる。これにより、前記表示部8に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0103】
次に、この第三実施形態の変形例について説明する。図12は、第一実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。図12に示す超音波診断治療システム250のラジオ波焼灼治療装置本体103においては、前記アンド回路201の代わりに、ノア(NOR)回路251を備えている。このノア回路251は、本発明におけるラジオ波放射許可部の実施の形態の他例である。
【0104】
この変形例においては、前記許否信号発生部91から出力され前記ノア回路251へ入力される許否信号は、Lレベルがラジオ波放射許可信号、Hレベルがラジオ波放射不許可信号となっている。図13に、この変形例の許否信号を示す。前記ノア回路251は、Lレベルのラジオ波放射許可信号が入力されているときは、図13に示すように、前記発振器105からのラジオ波放射指令パルスを反転させたかたちで前記電圧発生部106へ出力する。これにより、前記電圧発生部106から前記穿刺針104へ電圧が印加されてラジオ波が放射される。
【0105】
ちなみに、この変形例のラジオ波焼灼治療装置本体103においては、Hレベル信号発生部Hの代わりにLレベル信号発生部Lを備えており、前記超音波診断装置101を用いないでラジオ波焼灼治療を行う場合には、前記許否信号発生部91からの許否信号の代わりに、前記Lレベル信号発生部Lからの信号を前記ノア回路251へ入力する。
【0106】
以上のような変形例の超音波診断治療システム250においても、上記と同様に、前記CPU71は、前記拒否信号発生部91からのラジオ波放射許可信号の出力がある場合、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。従って、ラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えてラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部8に表示されることになる。これにより、前記表示部8に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0107】
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について図14に基づいて説明する。図14は、本発明の第四実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。
【0108】
この第四実施形態では、図14に示すように、超音波診断装置本体とラジオ波焼灼治療装置本体とを一体とし、前記超音波診断治療システムを超音波診断治療装置300として構成している。すなわち、前記超音波診断治療装置300は、前記送受信部4、前記Bモード処理部5、前記ドップラ処理部6、前記画像処理部7、前記表示部8、前記操作部10、前記制御部9及び前記電圧発生部106を備えた装置本体301と、この装置本体301と接続された前記超音波探触子3及び前記穿刺針104とを備えている。
【0109】
本例では、前記制御部9は、前記許否信号発生部91を有さず、代わりに前記穿刺針104からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令パルスの発生部92を有している。ラジオ波放射指令パルスは、本発明におけるラジオ波放射に関する情報の実施の形態の一例である。このラジオ波放射指令パルス発生部92は、ラジオ波放射指令パルスを前記電圧発生部106へ出力する。本例の超音波診断治療装置300は、前記発振器105及び前記アンド回路201又はノア回路251を備えず、前記電圧発生部106は、前記ラジオ波放射指令パルス発生部92から出力されるラジオ波放射指令パルスの入力があると、前記穿刺針104へ電圧を印加してラジオ波を放射させる。
【0110】
前記ラジオ波放射指令パルス発生部92からラジオ波放射指令パルスが出力されているときは、前記制御部9は、ラジオ波放射指令パルスの出力があることを示す信号を、前記画像処理部7のCPU71へ出力する。
【0111】
さて、前記超音波診断治療装置300の動作について図15に基づいて説明する。ステップS1,S2については、第一,二,三実施形態と同一のステップであるので、ここではステップS30〜S32について説明する。
【0112】
前記画像処理部7のCPU71は、ステップS2における超音波画像生成の処理として、Bモード画像データ及び各ドップラ画像データを前記画像メモリ78の別々な領域に書き込んだ後、ステップS30の処理として、前記ラジオ波放射指令パルス発生部92からのラジオ波放射指令パルスの出力があるか否かを判定する。そして、ラジオ波放射指令パルスの出力がある場合、前記CPU71は、ステップS31の処理へ進み、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。一方、ステップS30において前記ラジオ波放射指令パルス発生部92からのラジオ波放射指令パルスの出力がない場合、前記CPU71は、ステップS32の処理へ進み、ステップS2において生成された画像を前記表示部8に表示させる。
【0113】
前記前記表示部8には、上記ステップS1〜S31又はS32を繰り返すことにより、リアルタイムの超音波画像が表示される。本例においても、前記穿刺針104からのラジオ波の放射は、超音波画像のリアルタイム性をできるだけ損なわないように間欠的に行うようにすることが望ましい。
【0114】
以上説明した超音波診断治療装置300によれば、前記CPU71は、前記ラジオ波放射指令パルス発生部92からのラジオ波放射指令パルスの出力がある場合、ステップS2において生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させる。従って、ラジオ波放射時に前記超音波探触子3で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えてラジオ波非放射時超音波画像が前記表示部8に表示されることになる。これにより、前記表示部8に表示される超音波画像について、ラジオ波に起因する画質の劣化を防止することができる。
【0115】
以上、本発明を前記各実施形態によって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、その主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、特に図示しないが、第二実施形態で説明した構成を備える前記超音波診断装置本体101と前記ラジオ波焼灼治療装置本体103とをそのまま一体とすることにより、第四実施形態における装置本体301を構成してもよい。また、特に図示しないが、第三実施形態で説明した構成を備える前記超音波焼灼治療装置本体101と前記ラジオ波焼灼治療装置本体103とをそのまま一体とすることにより、第四実施形態における装置本体301を構成してもよい。
【0116】
さらに、第二実施形態において、治療装置側制御部107から前記制御部9へ、ラジオ波放射に関する情報として、ラジオ波の放射を行っていないことを示すラジオ波非放射信号を入力するようにしてもよい。この場合、ラジオ波非放射信号の入力があるときには、前記CPU71は、図8のステップS2で生成された超音波画像を前記表示部8に表示させるようにし、一方でラジオ波非放射信号の入力がないときには、ステップS2で生成された超音波画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させるようにする。
【0117】
また、第三実施形態において、ステップS20の処理として、前記CPU71は、前記許否信号発生部91からのラジオ波放射不許可信号の出力があるか否かを判定してもよい。この場合、ラジオ波放射不許可信号の出力がない場合、すなわちラジオ波放射許可信号が出力されている場合には、ステップS21の処理へ移行し、ラジオ波放射不許可信号の出力がある場合には、ステップS22の処理へ移行する。
【0118】
さらに、第四実施形態において、第一実施形態と同様に、ステップS2で生成された超音波画像について、ステップS30において1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるか否かを前記CPU71が判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部8に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合には、ステップS2において生成された超音波画像より以前のラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部8に表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第一実施形態に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す送受信部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示すBモード処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】図1に示すドップラ処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】図1に示す画像処理部の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第一実施形態の超音波診断装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第二実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】第二実施形態の超音波診断治療システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第三実施形態に係る超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すアンド回路における入出力の信号を示す図である。
【図11】第三実施形態の超音波診断治療システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】第三実施形態の変形例の超音波診断治療システムの概略構成を示すブロック図である。
【図13】図12に示すノア回路における入出力の信号を示す図である。
【図14】本発明の第四実施形態に係る超音波診断治療装置の概略構成を示すブロック図である。
【図15】第四実施形態の超音波診断治療装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 超音波診断装置
3 超音波探触子
5 Bモード処理部(画像生成手段)
6 ドップラ処理部(画像生成手段)
7 画像処理部(画像生成手段)
8 表示部
71 CPU(表示制御部)
91 許否信号発生部(許可信号発生部)
100,200,250 超音波診断治療システム
102 ラジオ波焼灼治療装置
104 穿刺針
105 発振器(ラジオ波放射指令信号発生部)
201 アンド回路(ラジオ波放射許可部)
251 ノア回路(ラジオ波放射許可部)
300 超音波診断治療装置
301 装置本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部と、
を備える超音波診断装置であって、
ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたBモード画像の関心領域内の平均輝度が所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたドップラ画像の分散値又はパワーの値が、所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記表示制御部にあっては、前記ラジオ波焼灼治療装置から入力されるラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像が生成された場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
ラジオ波を放射する穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置であって、
請求項5に記載の超音波診断装置へ、ラジオ波放射に関する情報を出力する
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項7】
前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生し、このラジオ波放射許可信号を前記ラジオ波焼灼治療装置へ出力して該ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射させる許可信号発生部を備え、
前記表示制御部は、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
ラジオ波を放射する穿刺針を備えたラジオ波焼灼治療装置であって、
前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ請求項7に記載の超音波診断装置における前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とするラジオ波焼灼治療装置。
【請求項9】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、
該超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と、
該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部と、
ラジオ波を放射する穿刺針と、
を備える超音波診断治療システムであって、
前記穿刺針からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療システム。
【請求項10】
前記超音波探触子、前記画像生成手段、前記表示部及び前記表示制御部を有する超音波診断装置と、
前記穿刺針を有するラジオ波焼灼治療装置と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の超音波診断治療システム。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の超音波診断治療システム。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたBモード画像の関心領域内の平均輝度が所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定する
ことを特徴とする請求項11に記載の超音波診断治療システム。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成されたドップラ画像の分散値又はパワーの値が、所定値以上であればラジオ波放射時超音波画像であると判定し、所定値未満であればラジオ波非放射時超音波画像であると判定する
ことを特徴とする請求項11に記載の超音波診断治療システム。
【請求項14】
前記表示制御部にあっては、前記ラジオ波焼灼治療装置から入力されるラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成した場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波診断治療システム。
【請求項15】
前記超音波診断装置は、前記ラジオ波焼灼治療装置からのラジオ波の放射を許可するラジオ波放射許可信号を発生し、このラジオ波放射許可信号を前記ラジオ波焼灼治療装置へ出力して、該ラジオ波焼灼治療装置からラジオ波を放射させる許可信号発生部を備え、前記表示制御部は、前記許可信号発生部からのラジオ波放射許可信号の出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、ラジオ波放射許可信号の非出力時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる
ことを特徴とする請求項10に記載の超音波診断治療システム。
【請求項16】
前記ラジオ波焼灼治療装置は、前記穿刺針からラジオ波を放射させるためのラジオ波放射指令信号の発生部と、該ラジオ波放射指令信号発生部からラジオ波放射指令信号が入力され、なおかつ前記許可信号発生部からラジオ波放射許可信号が入力されたときにのみ、ラジオ波放射指令信号を出力して前記穿刺針からラジオ波を放射させるラジオ波放射許可部とを有する
ことを特徴とする請求項15に記載の超音波診断治療システム。
【請求項17】
超音波の送受信を行う超音波探触子と、ラジオ波を放射する穿刺針とが接続された装置本体を備え、該装置本体は、前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成する画像生成手段と該画像生成手段で生成された超音波画像を表示する表示部とを有する超音波診断治療装置であって、
前記装置本体は、前記穿刺針からのラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波放射時超音波画像に代えて、前記穿刺針からラジオ波を放射していないときに前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて生成されたラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部へ表示させる表示制御部を備える
ことを特徴とする超音波診断治療装置。
【請求項18】
前記表示制御部は、前記画像生成手段で生成された超音波画像について、1フレーム毎にラジオ波放射時超音波画像であるかラジオ波非放射時超音波画像であるかを判定し、ラジオ波非放射時超音波画像であると判定した場合は当該画像を前記表示部に表示させ、ラジオ波放射時超音波画像であると判定した場合は、当該画像より以前のフレームのラジオ波非放射時超音波画像を前記表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項17に記載の超音波診断治療装置。
【請求項19】
前記表示制御部にあっては、ラジオ波放射に関する情報に基づいて前記表示部に超音波画像を表示するものであり、ラジオ波放射時に前記超音波探触子で受信したエコー信号に基づいて超音波画像を生成した場合には、この画像に代えて、前記ラジオ波非放射時超音波画像を表示させる
ことを特徴とする請求項17に記載の超音波診断治療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−136552(P2009−136552A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317111(P2007−317111)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(300019238)ジーイー・メディカル・システムズ・グローバル・テクノロジー・カンパニー・エルエルシー (1,125)
【Fターム(参考)】