説明

距離測定装置

【課題】 距離分解能の1倍程度まで計測距離が近くなっても、高い精度にて測定を実行したい。
【解決手段】 制御部58は、測定モードと保持モードのいずれかを選択する。送信部14は、測定モードにおいて、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成し、生成した信号を送信する。受信部16は、ターゲットによって反射された信号を受信する。第4ミキサ44等は、受信した信号に対して、現タイミングにおいて送信部14によって生成される信号によって、直交検波を実行する。処理部56は、直交検波した信号に対して、予め保持した信号による補正を実行し、補正した信号に含まれた周波数成分をもとにターゲットまでの距離を特定する。送信部14は、保持モードにおいて、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成しつつも、生成した信号の送信を中止する。処理部56は、直交検波した信号を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離測定装置に関し、特に信号を送信してから、ターゲットによって反射された信号を受信することによって、ターゲットとの距離を測定する距離測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式のレーダ方式では、三角波によって送信波を周波数変調させる。そのため、物体からの反射波と送信波とをミキシングすることによって、距離と速度成分を含んだビート信号が得られる。FMCW方式は、一般的にビート信号を得るまでの高周波回路が比較的単純でありかつ距離・速度信号を同時に検出することができるので、車載レーダに適している。
【0003】
具体的に説明すると、FMCW方式による距離測定技術では、周波数が時間と共に増加する電磁波を照射し、ターゲットで反射する信号を受信する。電磁波がターゲットとの間を往復する時間差によって、送信信号と受信信号との間には周波数差が生じる。そのため、送信信号と受信信号との間の周波数差、すなわちビート周波数がわかれば、ターゲットによる反射の往復時間がわかるので、ターゲットまでの距離が算出される。ここで、送信信号を使用しながら受信信号を復調することによって、ビート周波数と等しい周波数をもつビート信号が得られ、この信号を信号処理することによってビート周波数が特定される。つまり、高精度の距離測定のためには、ビート周波数を高精度で特定する技術が必要である。
【0004】
従来、ビート周波数を高精度に得るために、ゼロ拡張、関数フィッテングという手法が使用され、高精度な周波数推定が試みられている。さらに、直交検波、直交検波補正を利用して、低周波数域における周波数推定の妨げとなるスペクトルの鏡像を除去することによって、低周波数域の計測精度が向上している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FMCW方式による距離測定技術では、周波数変調幅から決定される距離分解能の2倍程度の距離において、十分な計測精度が実現される。これは、特定小電力無線局の規定にある75MHz幅の場合、距離分解能が2.0mであることに相当する。しかしながら、距離分解能の1倍程度まで計測距離が近くなると、誤差要因によって、十分な精度を得ることが困難になる。そのような近距離の測定に対する誤差要因のひとつは、装置内部で潜在的に存在する雑音によるものと想定される。すなわち、周波数ゼロ付近に極低周波数の雑音が存在することによって、低周波数域での周波数推定が妨げられている。言いかえると、距離分解能の1倍付近まで計測距離を近づけたとき、ターゲットの反射によるスペクトルと、雑音のスペクトルとが重なってしまうので、雑音のスペクトルが周波数推定に影響を与えている。
【0006】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、低周波数域での雑音が存在する場合でも、近距離の測定の精度を向上させる距離測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の距離測定装置は、測定モードと保持モードのいずれかを選択する選択部と、選択部において測定モードが選択されている場合、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成し、生成した信号を送信用アンテナに送信させる送信部と、送信部から送信された信号であって、かつ所定のターゲットによって反射された信号を受信用アンテナに受信させる受信部と、受信部において受信した信号に対して、現タイミングにて送信部によって生成される信号によって、直交検波を実行する検波部と、検波部において直交検波した信号に対して、予め保持した信号による補正を実行し、補正した信号に含まれた周波数成分をもとにターゲットまでの距離を特定する処理部とを備える。送信部は、選択部において保持モードが選択されている場合、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成しつつも、生成した信号の送信を中止し、検波部は、装置内部において漏えいされた信号を直交検波し、処理部は、検波部において直交検波した信号を保持する。
【0008】
この態様によると、信号を生成している状態にて補正に使用すべき信号を保持するので、補正に使用すべき信号が測定モードにおいて生じている雑音に近くなり、保持した信号による補正の精度を向上できる。
【0009】
選択部は、測定モードに割り当てられた期間の間に保持モードに割り当てられた期間を配置することによって、測定モードと保持モードとを順次切りかえてもよい。この場合、測定モードの間に保持モードを配置するので、測定の期間が長い場合でも、その途中において補正に使用すべき信号を保持するので、補正の精度を向上できる。
【0010】
処理部は、選択部において保持モードが設定されている場合、過去に保持した信号と、新たに検波部において直交検波した信号との間において平滑化処理を実行し、平滑化処理を実行した信号を保持してもよい。この場合、平滑化処理を実行するので、ランダム雑音の影響を低減できる。
【0011】
処理部は、選択部において保持モードが設定されている場合、検波部において直交検波した信号を増幅する際の増幅率を順次切りかえ、増幅率と対応づけながら、検波部において直交検波した信号を増幅した後に保持する手段と、選択部において測定モードが選択されている場合、検波部において直交検波した信号の強度に応じて増幅率を設定しながら、設定した増幅率によって検波部において直交検波した信号を増幅しており、設定した増幅率に応じて保持した信号を選択してから補正を実行する手段とを含んでもよい。この場合、増幅率に対応づけながら、補正に使用すべき信号を保持しておき、測定の際の増幅率に応じて予め保持した信号を選択してから、補正を実行するので、補正の精度を向上できる。
【0012】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低周波数域での雑音が存在する場合でも、近距離の測定の精度を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、FMCW方式を使用することによって、距離を測定する距離測定装置に関する。距離測定装置は、時間とともに周波数が単調増加あるいは単調減少する信号を生成し、生成した信号をターゲットに向けて送信する。また、距離測定装置は、ターゲットによって反射された信号を受信する。さらに、距離測定装置は、受信した信号に対して、現タイミングにて生成された信号によって直交検波を実行し、送信した信号と受信した信号との間のビート信号を生成する。最終的に、ビート信号に含まれたビート周波数から、ターゲットまでの距離が導出される。ここで、前述のごとく、ターゲットまでの距離が短くなったときに、装置内部で潜在的に存在する雑音の影響が大きくなるので、影響を低減させるために、本実施例に係る距離測定装置は、以下のように処理を行う。
【0015】
距離測定装置は、予め装置内部で潜在的に存在する雑音に対応した波形を補正用信号として保持する。また、距離測定装置は、ビート信号を補正用信号によって補正し、補正した信号に含まれたビート周波数から、ターゲットまでの距離を測定する。ここで、補正用信号を生成する際にも、距離測定装置は、時間とともに周波数が単調増加あるいは単調減少する信号を生成する。しかしながら、距離測定装置は、生成した信号を送信せずに、信号を生成している状況下にあって、装置内部に存在する雑音を直交検波し、補正用信号を生成する。このように、時間とともに周波数が単調増加あるいは単調減少する信号を生成する状況下における雑音成分から補正用信号を生成するので、補正用信号は、実際の測定の際に含まれる雑音成分に近くなる。その結果、雑音成分の補正の精度が向上し、測定の精度が向上する。
【0016】
すなわち、本実施例に係る距離測定装置は、計測中の状態、すなわち信号を生成するための回路を動作させたまま、無送信状態をつくりだす機構を備えている。ここで、本発明に関する課題をさらに詳しく説明する。低周波数域の周波数推定を妨げる雑音とは、装置が潜在的にもつ成分である。その潜在的雑音は、装置動作中に発生する信号の漏れ等が原因になって生じる。つまり、計測中に取り込まれる信号は、ターゲットでの反射による信号と、潜在的雑音との重ねあわせである。よって、外部からの信号、すなわちターゲットでの反射による信号がない状態をつくり出せば、雑音成分のみの取り出しができる。しかしながら、信号を生成するための回路自体を停止させたのでは、装置内部の漏れを原因とする潜在的雑音も変化してしまうので、装置内部をできる限り送信中と同じ状態に保ちつつ、送信を停止させることが必要である。
【0017】
図1は、本発明の実施例に係る距離測定装置100の構成を示す。距離測定装置100は、送信用アンテナ10、受信用アンテナ12、送信部14、受信部16、直交検波部18、第2局部発振器26、第1LPF48、第2LPF50、第1増幅部52、第2増幅部54、第1AD部80、第2AD部82、処理部56を含む。また、送信部14は、生成部20、第1局部発振器22、第1ミキサ24、第2ミキサ28、第1BPF30、スイッチ32、パワーアンプ34を含み、受信部16は、第3ミキサ36、ローノイズアンプ38、第2BPF40を含み、直交検波部18は、移相部42、第4ミキサ44、第5ミキサ46を含む。
【0018】
制御部58は、距離測定装置100全体の動作として、測定モードと保持モードのいずれかを選択する。ここで、測定モードとは、図示しないターゲットとの間の距離を測定するための動作に相当し、保持モードとは、前述の補正用信号を取得するための動作に相当する。両者は、保持モードにおいて取得した補正用信号が、測定モードにおいてビート信号の補正のために使用される関係によって結びつけられる。また、測定は、一般的に長期間にわたって実行される。そのため、制御部58は、測定モードに割り当てられた期間の間に保持モードに割り当てられた期間を配置することによって、測定モードと保持モードとを順次切りかえる。
【0019】
図2は、制御部58によって切りかえられるモードのスケジュールを示す。図の横軸が時刻に相当する。図示のごとく、ひとつの測定モードに割り当てられた期間は、ひとつの保持モードに割り当てられて期間よりも長くなっており、両者は交互に切りかえられている。図1に戻る。また、制御部58は、測定モードと保持モードのいずれかを選択するだけでなく、それぞれにおいて距離測定装置100の構成要素の動作を指示する。さらに、制御部58は、距離測定装置100全体の動作タイミングも制御する。
【0020】
生成部20は、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成する。ここでは、時間の経過とともに周波数が変動する信号として、時間の経過とともに周波数が単調増加する信号を生成する。なお、時間の経過とともに周波数が単調減少する信号が生成されてもよい。図3は、送信周波数と受信周波数との関係を示す。図の横軸が時刻に相当し、図の縦軸が周波数に相当する。また、Aにて示された実線が、送信周波数の変化に相当する。すなわち、送信周波数は、期間Tにわたって、周波数f0からf0+Bまで増加する。一方、Bにて示された実線が、受信周波数の変化に相当する。受信した信号は、ターゲットにおいて反射された信号であるので、受信周波数の変化は、送信周波数の変化から所定の期間だけ遅れている。
【0021】
所定の期間は、ターゲットまでの往復の距離に相当する。ここでは、受信周波数は、送信周波数からδtだけ遅れている。また、期間δtの違いは、周波数δfの違いに相当する。距離測定装置100は、δfを測定することによって、δtを特定する。また、距離測定装置100は、δtから距離を特定する。図1に戻る。なお、生成部20は、制御部58において測定モードが選択されている場合であっても、保持モードが選択されている場合であっても、同様に信号の生成を実行する。
【0022】
第1局部発振器22は、中間周波数の信号を生成するための信号を発振する。第1ミキサ24は、生成部20にて生成された信号と、第1局部発振器22にて発振された信号とを乗算することによって、生成部20にて生成された信号の周波数を中間周波数に変換する。第2局部発振器26は、無線周波数の信号を生成するための信号を発振する。第2ミキサ28は、第1ミキサ24にて変換された中間周波数の信号と、第2局部発振器26にて発振された信号とを乗算することによって、生成部20にて生成された信号の周波数を無線周波数に変換する。第1BPF30は、第2ミキサ28にて変換された無線周波数の信号に対して、無線周波数を中心とした通過域以外の部分を減衰させる。そのため、第1BPF30は、第2ミキサ28による周波数変換によって生じたスプリアス成分等を抑圧する。
【0023】
スイッチ32は、制御部58において測定モードが選択されている場合に、第1BPF30からの無線周波数の信号をパワーアンプ34に出力する。パワーアンプ34は、入力した無線周波数の信号を増幅し、増幅した信号を送信用アンテナ10に送信させる。すなわち、スイッチ32は、制御部58において測定モードが選択されている場合に、送信用アンテナ10から無線周波数の信号が送信されるように切替を実行する。一方、スイッチ32は、制御部58において保持モードが選択されている場合に、第1BPF30からの無線周波数の信号をパワーアンプ34に出力しない。すなわち、スイッチ32は、制御部58において保持モードが選択されている場合に、送信用アンテナ10から無線周波数の信号が送信されないように切替を実行しており、これは生成した信号の送信を中止することに相当する。
【0024】
図1には、本来信号が流れるべき方向が矢印によって示されている。しかしながら、実際の回路では、矢印以外の方向にも微量ではあるが信号が漏れ出している。その経路はいくつもあり、第2ミキサ28などを逆に流れた信号の振る舞いは理論的につかみにくい。そのため、理論的に雑音モデルを導出するよりも、送信を中止させた状態をつくり、そのときの信号を取得ことによって雑音を取り出すことが現実的である。しかも、信号を送信している状態とできるだけ同じ状態を保ったまま、信号の送信を中止しなければならない。そのような条件を満たすために、スイッチ32が、送信用アンテナ10の前段に設けられている。送信用アンテナ10の直前まで、信号が流れていれば、送信を中止しても、潜在的雑音の原因となる信号漏れが発生するからである。
【0025】
スイッチ32がオンのときパワーアンプ34が動作し、送信用アンテナ10から電磁波が送信される。一方、スイッチ32がオフであれば、パワーアンプ34が動作しないので、送信用アンテナ10から電磁波は送信されない。しかしながら、その場合でも信号は生成され、送信用アンテナ10の直前までは通常の動作をしているので、距離測定装置100内の信号の漏れは送信時と同様に発生している。よって、後述のごとく、スイッチ32がオフになっている状態において取り込まれる信号が、低周波数域の周波数推定を困難にする原因となる雑音成分である。なお、潜在的に距離測定装置100内において発生する雑音は、温度の変化などによって変化するので、測定中も定期的にパワーアンプ34のスイッチが制御部58によって制御される。
【0026】
受信用アンテナ12は、制御部58において測定モードが選択されている場合、送信用アンテナ10から送信された信号であって、かつ図示しないターゲットによって反射された信号を受信する。ここで、送信用アンテナ10と受信用アンテナ12との距離が近すぎると、送信用アンテナ10から受信用アンテナ12に電磁波が直接回り込む。そのような回り込みが発生すると、測定モードのときと保持モードのときにおいて、ターゲットによって反射された信号以外の成分が変化してしまう。よって、送信用アンテナ10と受信用アンテナ12とは十分な距離が隔てられている必要がある。例えば、無線周波数が24.15GHz帯のときに1cm程度隔てられている必要がある。
【0027】
第3ミキサ36は、受信用アンテナ12にて受信された無線周波数の信号と、第2局部発振器26にて発振された信号とを乗算することによって、受信用アンテナ12にて受信された無線周波数の信号の周波数を中間周波数に変換する。ローノイズアンプ38は、第3ミキサ36において変換された中間周波数の信号を増幅する。第2BPF40は、ローノイズアンプ38にて増幅された中間周波数の信号に対して、中間周波数を中心とした通過域以外の部分を減衰させる。そのため、第2BPF40は、第3ミキサ36による周波数変換によって生じたスプリアス成分等を抑圧する。
【0028】
移相部42は、現タイミングにて生成部20において生成された信号の位相をπ/2だけ変化させる。第4ミキサ44と第5ミキサ46は、第2BPF40からの信号に対して、現タイミングにて送信部14において生成される信号によって、直交検波を実行する。ここで、現タイミングとは、受信のタイミングに相当する。すなわち、第2BPF40からの信号は、図3の「B」に相当し、現タイミングにおいて送信部14によって生成される信号は、図3の「A」に相当する。そのため、第4ミキサ44と第5ミキサ46によって生成される信号が、前述のビート信号に相当する。なお、第4ミキサ44によって生成制される信号が、ビート信号の同相成分に相当し、第5ミキサ46によって生成される信号が、ビート信号の直交成分に相当する。一方、制御部58において保持モードが選択されている場合、受信用アンテナ12は、無線周波数の信号を受信しないので、第4ミキサ44と第5ミキサ46は、距離測定装置100内部において漏えいされた信号、すなわち潜在的雑音を直交検波する。
【0029】
第1LPF48は、第4ミキサ44にて生成されたビート信号の同相成分に対して、低域成分以外の部分を抑圧する。第2LPF50は、第5ミキサ46にて生成されたビート信号の直交成分に対して、低域成分以外の部分を抑圧する。第1増幅部52は、第1LPF48からの信号を増幅する。ここで、第1増幅部52は、第4ミキサ44において直交検波した信号の強度に応じてゲインを設定しながら、設定したゲインによって第4ミキサ44において直交検波した信号を増幅する。ゲインの設定は、AGC(Automatic Gain Control)によってなされており、ここでは、公知の技術のAGCが使用されればよいので、説明を省略する。一方、第2増幅部54は、第2LPF50からの信号を増幅する。ここで、第2増幅部54は、第2増幅部54と同様にAGCの機能を有する。第1AD部80は、第1増幅部52において増幅した信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行することによって、デジタル信号を出力する。一方、第2AD部82は、第2増幅部54において増幅した信号に対して、アナログ−デジタル変換を実行することによって、デジタル信号を出力する。
【0030】
処理部56は、制御部58において保持モードが選択されている場合、第1AD部80からの信号と第2AD部82からの信号を補正用信号として保持する。すなわち、処理部56は、第4ミキサ44と第5ミキサ46において直交検波された信号を保持する。ここで、補正用信号は、所定の期間にわたる時間領域の波形として保持される。また、処理部56は、過去に保持した信号と、第4ミキサ44と第5ミキサ46において新たに直交検波された信号との間において平滑化処理を実行し、平滑化処理を実行した信号を保持する。平滑化処理として、例えば、平均処理が実行される。さらに、保持モードにおいて制御部58は、第1増幅部52と第2増幅部54でのゲインを順次切りかえるように指示する。例えば、第1増幅部52と第2増幅部54は、「0dB」、「3dB」、「6dB」というようにゲインを切りかえる。処理部56は、第1増幅部52と第2増幅部54でのゲインと対応づけながら、第4ミキサ44と第5ミキサ46において直交検波された信号であって、かつ第1増幅部52と第2増幅部54によって増幅された信号を保持する。
【0031】
処理部56は、制御部58において保持モードが選択されている場合、第1AD部80からの信号と第2AD部82からの信号に対して、予め保持した補正用信号による補正を実行する。ここで、第1AD部80からの信号と第2AD部82からの信号は、第4ミキサ44と第5ミキサ46において直交検波された信号であり、ビート信号に相当する。また、補正用信号による補正とは、第1AD部80からの信号の波形から、補正用信号の波形を減じる処理に相当する。また、第2AD部82からの信号に対しても同様である。処理部56は、補正した信号に含まれたビート周波数成分をもとに図示しないターゲットまでの距離を特定する。具体的には、処理部56は、補正した信号に対してFFTを実行することによって周波数領域の信号に変換した後に、強度がピークとなる周波数成分をビート周波数として抽出する。さらに、処理部56は、ビート周波数から、図示しないターゲットまでの距離を特定する。
【0032】
ここで、第1AD部80と第2AD部82において設定されたゲインの値が、第1AD部80と第2AD部82から処理部56に入力される。処理部56は、複数種類保持された補正用信号のうち、ゲインの値に応じた補正用信号を選択する。さらに、処理部56は、選択した補正用信号を補正に使用する。
【0033】
以上のような距離測定装置100での処理をまとめると、以下のようになる。距離計測を実行する場合には、パワーアンプ34を動作させ、従来と同じように信号処理を実行する。ただし、パワーアンプ34を動作させたときに、第1AD部80および第2AD部82においてアナログ−デジタル変換される信号は、ターゲットからの反射による信号に潜在的雑音が重ねあわされた信号になっている。よって、パワーアンプ34を中止させた状態においてアナログ−デジタル変換した信号を補正用信号として保持しておき、パワーアンプ34を動作させたときの信号から補正用信号を減じることによって、ターゲットからの信号のみが取得される。
【0034】
第1AD部80および第2AD部82におけるゲインの制御は、ターゲットからの反射による信号の強度が小さい場合にも対応できるようになされる。当然、ゲインの設定を変更すると、補正用信号も変化してしまうので、保持すべき補正用信号は、設定されるゲインの値の数だけ用意される。そのため、処理部56は、ゲインの値に対応させながら、補正用信号を保持する。通常の計測の場合、処理部56は、ビート信号を取り込むと、パワーアンプ34がオンになっているので、ビート信号をバッファに格納する。処理部56は、その際のゲインの設定値を調べ、ゲインの設定値に対応した補正用信号を使用しながら、ビート信号を補正する。さらに、処理部56は、次の信号がちょうどよい大きさで取り込まれるように、第1増幅部52と第2増幅部54に対して、ゲインを調整させる。
【0035】
ここで、制御部58が、測定モードと保持モードとの切替を実行したときに、距離測定装置100においてなさる処理をさらに具体的に説明する。保持モードのタイミングが10分間隔に設定されており、保持モードのタイミングが到来すると、制御部58は、スイッチ32をオフにするとともに、パワーアンプ34をオフにして、信号が安定するまでの期間だけ待機する。ここで、信号が安定するまでの期間は、例えば、200ミリ秒に設定される。その後、処理部56は、複数のゲインのそれぞれに対応させながら、補正用信号を取得する。補正用信号も、ビート信号と同様に第1AD部80および第2AD部82から取り込まれるが、制御部58は、スイッチ32がオフになっているので、取り込んだ信号が補正用信号であると認識する。
【0036】
さらに、制御部58および処理部56は、第1増幅部52および第2増幅部54でのゲインの設定値を調べ、そのゲインに対応する補正用信号であって、かつ既に保持されている補正用信号を更新する。補正用信号の更新は、単なる上書き処理でもよいし、前述のごとく、ランダム性の雑音を抑圧するために更新前の補正用信号を使用しながら平滑化処理した結果によってなされてもよい。複数のゲインに対する補正用信号が更新されれば、制御部58は、第1増幅部52および第2増幅部54でのゲインを信号処理用に復元し、スイッチ32およびパワーアンプ34をオンにして信号が安定まで待機する。
【0037】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIで実現でき、ソフトウエア的にはメモリにロードされた測定機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
図4は、処理部56の構成を示す。処理部56は、切替部60、記憶部62と総称される第1記憶部62a、第2記憶部62b、第N記憶部62n、ビート信号用切替部64、補正部66、FFT部68、特定部70を含む。
【0039】
切替部60は、図示しない制御部58において選択されたモードに応じて、信号の入力と出力の経路を切りかえる。制御部58において保持モードが選択されている場合、切替部60は、図示しない第1AD部80および第2AD部82から信号を入力する。また、切替部60は、入力した信号を補正用信号として記憶部62に出力する。その際に、切替部60は、図示しない第1増幅部52および第2増幅部54、あるいは制御部58から、第1増幅部52および第2増幅部54において設定されているゲインの値を受けつけ、ゲインの値に対応した記憶部62に補正用信号を出力する。
【0040】
例えば、ゲインの値「0dB」が第1記憶部62aに対応づけられ、ゲインの値「3dB」が第2記憶部62bに対応づけられている場合、切替部60では、第1増幅部52および第2増幅部54において設定されているゲインの値が「0dB」であるときに、補正用信号を第1記憶部62aに出力する。また、切替部60は、記憶部62において既に保持されている補正用信号と、新たに入力した信号との間において平滑化処理を実行し、平滑化処理された信号を新たな補正用信号として、記憶部62に出力する。記憶部62は、補正用信号を保持する。記憶部62の数は、第1増幅部52および第2増幅部54において設定されているゲインの値の数に相当する。
【0041】
制御部58において測定モードが選択されている場合、切替部60は、第1段階にて図示しない第1AD部80および第2AD部82からビート信号を入力する。また、切替部60は、入力したビート信号をビート信号用切替部64に出力する。また、切替部60は、第2段階にてビート信号用切替部64からビート信号を入力し、ビート信号を補正部66に出力する。また、切替部60は、記憶部62から補正用信号を入力し、補正用信号を補正部66に出力する。その際に、切替部60は、図示しない第1増幅部52および第2増幅部54、あるいは制御部58から、第1増幅部52および第2増幅部54において設定されているゲインの値を受けつけ、ゲインの値に対応した記憶部62から補正用信号を入力する。ビート信号用切替部64は、ビート信号を保持する。
【0042】
補正部66は、記憶部62において保持された補正用信号によって、ビート信号用切替部64において保持されたビート信号を補正する。補正は、前述のごとく、ビート信号から補正用信号を減ずることによってなされる。図5(a)−(b)は、処理部56における補正の概略を示す。図5(a)は、補正部66に入力されたビート信号と補正用信号の波形をそれぞれ示す。また、図の横軸は、時刻に相当し、図の縦軸は、振幅に相当する。さらに、実線がビート信号に相当し、点線が補正用信号に相当する。図5(b)は、補正部66によって補正された信号の波形を示す。図5(a)に示されたビート信号の波形から、補正用信号の波形が減じられることによって、図5(b)に示された信号の波形が導出される。すなわち、補正部66は、ビート信号と補正用信号のうち、互いに対応する時刻の振幅を抽出し、ビート信号の振幅から補正用信号の振幅を減じる。このような処理を他の時刻に対しても実行することによって、補正部66は、補正された信号の波形を生成する。
【0043】
図5(a)のように示された波形を周波数領域に変換した場合が、図6に相当する。図6は、処理部56に入力されたビート信号のスペクトルを示す。図の横軸は、周波数に相当し、図の縦軸は、強度に相当する。また、実線が、ターゲットでの反射による信号を示し、点線が、潜在的雑音を示す。測定する距離が距離分解能の1倍程度のとき、ビート信号のスペクトルの幅は無視できない大きさになっている。また、潜在的雑音は非常に低い周波数であるので、図中破線のように、スペクトルは周波数ゼロ付近に現れる。実際に観測されるスペクトルは、これらの重ねあわせとなるので、潜在的雑音によって、スペクトルのピーク位置が移動してしまう。それが周波数推定の誤差に相当する。図4に戻る。
【0044】
FFT部68は、補正部66において補正した信号に対して、FFTを実行することによって周波数領域の信号に変換する。なお、周波数領域の信号において、信号強度のピークに対応した周波数が、ビート周波数に相当する。特定部70は、FFT部68から周波数領域の信号を受けつけ、ビート周波数を特定する。また、特定部70は、ビート周波数から、ターゲットまで信号が往復する際の期間を特定し、期間からターゲットまでの距離を導出する。なお、ビート周波数から距離を導出するまでの処理は、公知の技術によって実現されればよいので、ここでは説明を省略する。
【0045】
以上の構成による距離測定装置100の動作を説明する。図7は、距離測定装置100による距離の測定手順を示すフローチャートである。制御部58が保持モードを設定していれば(S10のY)、第1増幅部52および第2増幅部54は、ゲインの設定を退避する(S12)。制御部58は、パワーアンプ34を停止させ、安定するまで待つ(S14)。処理部56は、ゲインに対応させながら、信号を保持する(S16)。制御部58は、パワーアンプ34を動作させ、安定するまで待つ(S18)。第1増幅部52および第2増幅部54は、ゲインの設定を復元する(S20)。
【0046】
一方、制御部58が保持モードを設定していなければ(S10のN)、直交検波部18は、ビート信号の取り込みを実行する(S22)。第1AD部80および第2AD部82は、ゲインを調整する(S24)。処理部56は、取り込みの際のゲインに応じた補正用信号を選択し(S26)、ビート信号に対する補正を実行する(S28)。処理部56は、距離を特定する(S30)。処理が終了しなければ(S32のN)、ステップ10に戻る。処理が終了していれば(S32のY)、終了する。
【0047】
図8は、距離測定装置100をレーダ距離計110に適用する場合を示す。レーダ距離計110の構成は、距離測定装置100と同様であるので説明を省略する。ここでは、レーダ距離計110の送信用アンテナ10から信号を送信する。また、ターゲット200によって反射された信号が、レーダ距離計110の受信用アンテナ12によって受信される。最終的に、レーダ距離計110は、ターゲット200との間の距離を測定する。
【0048】
ここで、距離「0」に相当する位置が予め定義できていれば、レーダ距離計110として利用される。実際の測定については、熱雑音による測定誤差を抑えるために、50個の瞬時の計測結果が平均されてもよい。レーダ距離計110として用いるため、送信用アンテナ10および受信用アンテナ12の指向性は鋭いものが望ましい。また、均一な平面を有した物体がターゲット200となる場合、鏡面反射が優勢となるので、ビーム幅よりも小さい角度で傾いている限りは、アンテナ方向よりも最短距離からの反射が際立って強くなり、最短距離測定が可能である。一方、不均質物体の場合は乱反射が優勢となるので、アンテナ方向の距離が測定される。しかしながら、乱反射優勢の物体がターゲットとなった場合、鏡面反射比べて広範囲から電波が戻ってくる。そのため、ビーム幅を狭くするか、距離補正をするなどの対策が、なされる。
【0049】
図9は、距離測定装置100をレーダ水位計120に適用する場合を示す。レーダ水位計120の構成は、距離測定装置100と同様であるので説明を省略する。ここでは、レーダ水位計120の送信用アンテナ10から信号を送信する。また、水面210によって反射された信号が、レーダ水位計120の受信用アンテナ12によって受信される。さらに、レーダ水位計120は、水面210との間の距離を測定する。
【0050】
ターゲットが水である場合、マイクロ波の周波数領域において比誘電率が高くなるので、水面にて電磁波はよく反射する。しかも、均一物質であることから、金属面同様の鋭い鏡面反射が期待できる。水位基準面、すなわち水位「0」を定義する位置までの距離が予めパラメータとして与えられれば、水位基準面までの距離から計測距離を減じることによって、水位が導出される。すなわち、距離が水位に換算される。前述のごとく、50個の瞬時の計測結果を平均することによって、熱雑音に関する誤差が低減される。
【0051】
本発明の実施例によれば、信号を生成している状態にて補正用信号を保持するので、補正用信号が測定モードにおいて生じる潜在的誤差に近くなり、保持した補正用信号による補正の精度を向上できる。また、信号を生成している状態にて補正用信号を保持するので、潜在的誤差が低周波数成分を含む場合でも、潜在的誤差を反映できる。また、補正用信号が潜在的誤差を反映するので、ビート周波数が低くなる場合であっても、補正用信号による補正の結果、ビート周波数の測定精度を向上できる。また、低いビート周波数を高い精度にて導出できるので、ターゲットとの間の距離が近い場合であっても、当該距離の測定精度を向上できる。
【0052】
また、測定モードの間に保持モードを配置するので、測定の期間が長い場合でも、その途中において補正用信号を保持できる。また、測定の途中において補正用信号を保持するので、測定の途中において潜在的誤差の影響が変化する場合であっても、変化に追従するように補正用信号を更新できる。また、測定の途中において補正用信号を更新するので、測定の期間が長い場合でも、測定の精度の悪化を低減できる。また、補正用信号を保持する際に平滑化処理を実行するので、ランダム雑音の影響を低減できる。また、ゲインの値に対応づけながら、補正用信号を保持しておき、測定の際のゲインの値に応じて補正用信号を選択してから、補正を実行するので、補正の精度を向上できる。また、水位計測中に無送信状態をつくり出すので、近距離測定の妨げとなる雑音を取り出すことができ、より近距離における距離測定を実行できる。また、計測可能最小距離が小さくなるので、装置設置条件の制限を緩和できる。
【0053】
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0054】
本発明の実施例において、処理部56は、ビート信号を補正用信号によって補正した後、FFTを実行している。すなわち、時間領域において補正を実行している。しかしながらこれに限らず例えば、処理部56は、ビート信号にFFTを実行することによって周波数領域の信号への変換を実行し、周波数領域の信号を補正用信号にて補正してもよい。すなわち、周波数領域において補正を実行してもよい。この場合、処理部56は、保持モードにおいて入力した信号に対してFFTを実行することによって、周波数領域の補正用信号を生成し、これを保持する。また、補正は、周波数領域の信号から補正用信号を減じることによって実現される。本変形例によれば、様々な形態にて補正を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施例に係る距離測定装置の構成を示す図である。
【図2】図1の制御部によって切りかえられるモードのスケジュールを示す図である。
【図3】図1での送信周波数と受信周波数との関係を示す図である。
【図4】図1の処理部の構成を示す図である。
【図5】図5(a)−(b)は、図1の処理部における補正の概略を示す図である。
【図6】図1の処理部に入力されたビート信号のスペクトルを示す図である。
【図7】図1の距離測定装置による距離の測定手順を示すフローチャートである。
【図8】図1の距離測定装置をレーダ距離計に適用する場合を示す図である。
【図9】図1の距離測定装置をレーダ水位計に適用する場合を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10 送信用アンテナ、 12 受信用アンテナ、 14 送信部、 16 受信部、 18 直交検波部、 20 生成部、 22 第1局部発振器、 24 第1ミキサ、 26 第2局部発振器、 28 第2ミキサ、 30 第1BPF、 32 スイッチ、 34 パワーアンプ、 36 第3ミキサ、 38 ローノイズアンプ、 40 第2BPF、 42 移相部、 44 第4ミキサ、 46 第5ミキサ、 48 第1LPF、 50 第2LPF、 52 第1増幅部、 54 第2増幅部、 56 処理部、 58 制御部、 100 距離測定装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定モードと保持モードのいずれかを選択する選択部と、
前記選択部において測定モードが選択されている場合、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成し、生成した信号を送信用アンテナに送信させる送信部と、
前記送信部から送信された信号であって、かつ所定のターゲットによって反射された信号を受信用アンテナに受信させる受信部と、
前記受信部において受信した信号に対して、現タイミングにて前記送信部によって生成される信号によって、直交検波を実行する検波部と、
前記検波部において直交検波した信号に対して、予め保持した信号による補正を実行し、補正した信号に含まれた周波数成分をもとにターゲットまでの距離を特定する処理部とを備え、
前記送信部は、前記選択部において保持モードが選択されている場合、時間の経過とともに周波数が変動する信号を生成しつつも、生成した信号の送信を中止し、
前記検波部は、装置内部において漏えいされた信号を直交検波し、
前記処理部は、前記検波部において直交検波した信号を保持することを特徴とする距離測定装置。
【請求項2】
前記選択部は、測定モードに割り当てられた期間の間に保持モードに割り当てられた期間を配置することによって、測定モードと保持モードとを順次切りかえることを特徴とする請求項1に記載の距離測定装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記選択部において保持モードが設定されている場合、過去に保持した信号と、新たに前記検波部において直交検波した信号との間において平滑化処理を実行し、平滑化処理を実行した信号を保持することを特徴とする請求項1または2に記載の距離測定装置。
【請求項4】
前記処理部は、前記選択部において保持モードが設定されている場合、前記検波部において直交検波した信号を増幅する際の増幅率を順次切りかえ、増幅率と対応づけながら、前記検波部において直交検波した信号を増幅した後に保持する手段と、前記選択部において測定モードが選択されている場合、前記検波部において直交検波した信号の強度に応じて増幅率を設定しながら、設定した増幅率によって前記検波部において直交検波した信号を増幅しており、設定した増幅率に応じて保持した信号を選択してから補正を実行する手段とを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の距離測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−78518(P2007−78518A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−266908(P2005−266908)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000004330)日本無線株式会社 (1,186)
【Fターム(参考)】