説明

距離計測装置及び距離計測方法

【課題】ロボットや車両等の移動物体に搭載しても途切れることなく常に距離を計測することのできる距離計測装置を提供する。
【解決手段】本発明の距離計測装置は、搭載された移動物体の移動方向に投光パターンを照射する投光部2と、投光パターンが照射された方向の画像を撮像する撮像部3と、撮像部3で撮像された画像から計測対象物に照射された投光パターンのドットを抽出する照射光抽出部4と、照射光抽出部4で抽出された投光パターンの照射方位を算出する照射方位算出部5と、照射方位と撮像部3の撮像方向と投光部2と撮像部3との間の距離とを用いて幾何学的関係から計測対象物までの距離を計測する距離計測部6とを備えており、投光パターンは、移動物体の移動方向にある消失点から放射される直線上に複数のドットを配置した構成になっていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動物体に搭載されて光を照射することによって計測対象物までの距離を計測する距離計測装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から計測対象物に光を照射し、それをカメラで撮像することによって計測対象物の3次元形状を計測する距離計測技術が開発されていた。
【0003】
このような距離計測技術では、ドットサイズや線の太さ、位置が異なる不規則な投光パターンを照射し、異なる位置に設置されたカメラで撮像した2つの画像間で同じ投光パターンをマッチング検索して三角測量によって距離を測定していた。
【0004】
このような3次元形状計測装置の一例として特許文献1が開示されており、この特許文献1では、乱数を用いて不規則な投光パターンを生成して投光器から照射し、投光パターンが照射された被写体を基準カメラ及び参照カメラで撮像していた。そして、基準カメラで撮像した画像と参照カメラで撮像した画像との間の対応付け処理を行い、対応付けされた各画像の視差を用いて距離画像を生成していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−91232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、乱数を用いて不規則な投光パターンを生成して投光器から照射していたので、ロボットや車両等の移動物体に搭載した場合には、移動物体の移動によって照射される投光パターンが計測対象物から外れてしまうことがあった。そうすると不規則な投光パターンは計測対象物と背景との間で分断されてしまうので、投光パターンの対応付けができなくなり、距離計測ができなくなってしまうという問題点があった。また、計測対象物が移動する場合でも同様に投光パターンが計測対象物に当たらなくなって距離計測ができなくなってしまうという問題点があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、移動物体に搭載しても移動しながら途切れることなく正確に距離を計測することのできる距離計測装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る距離計測装置は、搭載された移動物体の移動方向に投光パターンを照射する投光部と、投光パターンが照射された方向の画像を撮像する撮像部と、撮像部で撮像された画像から計測対象物に照射された投光パターンのドットを抽出する照射光抽出部と、照射光抽出部で抽出された投光パターンの照射方位を算出する照射方位算出部と、照射方位と撮像部の撮像方向と投光部と撮像部との間の距離とを用いて幾何学的関係から計測対象物までの距離を計測する距離計測部とを備えており、照射される投光パターンが、移動物体の移動方向にある消失点から放射される直線上に複数のドットが配置された構成となっていることにより、上述した課題を解決する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る距離計測装置及び距離計測方法によれば、消失点から放射される直線上に複数のドットを配置した投光パターンを照射することによって計測対象物までの距離を計測するので、ロボットや車両等の移動物体に搭載したとしても途切れることなく常に距離を計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置を車両に搭載した場合の一例を示す図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置による距離計測処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置によって照射される投光パターンの一例を示す図である。
【図5】本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置による距離計測方法を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した第2実施形態に係る距離計測装置による距離計測処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第2実施形態に係る距離計測装置によって照射される投光パターンの一例を示す図である。
【図8】本発明を適用した第2実施形態に係る距離計測装置による距離計測方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した第1及び第2実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
[第1実施形態]
[距離計測装置の構成]
図1は本実施形態に係る距離計測装置の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態に係る距離計測装置1は、複数のドットが配置された投光パターンを照射する投光部2と、投光パターンが照射された方向の画像を撮像する撮像部3と、撮像部3で撮像された画像から計測対象物に照射された投光パターンのドットを抽出する照射光抽出部4と、照射光抽出部4で抽出された投光パターンの照射方位を算出する照射方位算出部5と、計測対象物までの距離を計測する距離計測部6とを備えている。
【0014】
ここで、本実施形態に係る距離計測装置1は、ロボットや車両等の移動物体に搭載されており、計測対象物に照射された投光パターンを撮像部3で撮像し、投光パターンが照射された照射方位と撮像部3の撮像方向と投光部2と撮像部3との間の距離とを用いて幾何学的関係から計測対象物までの距離を計測するものである。
【0015】
投光部2は、複数のドットが配置された投光パターンを生成する投光パターン生成部21と、投光パターンの照射/非照射を制御する投光パターン制御部22と、投光パターンを計測対象物へ照射する投光器23とを備えている。そして、照射される投光パターンは、移動物体の移動方向にある消失点から放射される直線上に複数のドットが配置された構成となっている。
【0016】
投光パターン生成部21は、投光器23及び撮像部3の配置に基づいて予め作成された投光パターンをメモリ等の記憶装置から読み出して投光パターン制御部22へ送信している。
【0017】
投光パターン制御部22は、投光パターンの照射/非照射を制御するための照射制御信号を出力して投光器23を制御している。
【0018】
投光器23は、投光パターンを照射するための発光装置であり、投光パターンを移動物体の移動方向に照射している。
【0019】
撮像部3は、移動物体の移動方向の画像を撮像するビデオカメラ等であり、投光パターンが照射される領域の画像を連続的に撮像している。
【0020】
照射光抽出部4は、投光パターン制御部22から出力される照射制御信号に基づいて、撮像部3で撮像された画像の画像輝度値が明るく変化している領域を投光パターンとして抽出する。
【0021】
照射方位算出部5は、照射光抽出部4で抽出された投光パターンのドットと投光パターン生成部21で生成された投光パターンとを比較して、計測対象物に照射された投光パターンのドットがどの方位に照射されたドットであるかを求めて照射方位を算出している。
【0022】
距離計測部6は、計測対象物に照射された投光パターンの照射方位と撮像部3の撮像方向と投光器23と撮像部3との間の距離とを用いて幾何学的関係から三角測量で計測対象物までの距離を計測している。
【0023】
次に、図2を参照して本実施形態に係る距離計測装置1を構成する各部の配置を説明する。図2に示すように、本実施形態に係る距離計測装置1を移動物体の一例として車両に搭載した場合に、投光器23はドアミラーに組み込まれており、車両前方に向けて複数のドットで構成された投光パターンを照射している。撮像部3は投光器23の横に設置され、投光器23と一緒にドアミラーに組み込まれている。そして、撮像部3は、車両前方を連続的に撮像し、投光器23から照射された投光パターンによって照らされた領域を撮像する。演算ユニット25は車室内に配置され、以下で説明する距離計測処理等の処理を実施して投光パターンが照射された計測対象物までの距離を計測する。
【0024】
尚、図2では車両に搭載した場合を例として説明しているが、車両でなくてもロボット等でもよく、空間を移動する移動物体であれば、本実施形態に係る距離計測装置1を搭載することは可能である。
【0025】
[距離計測処理の手順]
次に、本実施形態に係る距離計測装置1による距離計測処理の手順を図3のフローチャートを参照して説明する。
【0026】
図3に示すように、ステップS101において、投光器23及び撮像部3の配置に合わせて予め作成された投光パターンをメモリ等の記憶装置から読み込んで生成する。
【0027】
ここで、本実施形態の投光パターンを、図4を参照して説明する。図4に示すように、投光パターンは、移動物体の移動方向にある消失点から放射される複数の直線上に複数の特定用ドットが配置された構成となっており、図4では上下の三角模様(▼、▲)や四角模様(■)などのさまざまな形状の特定用ドットで構成されている。このように特定用ドットを消失点方向から放射される直線上に並べたことによって、車両が移動したとしても計測対象物にドット光が順次照射されることになる。
【0028】
また、特定用ドットは、色や形状等を相違させて撮像部3で撮像したときにそれぞれ弁別可能な唯一のパターンとなっている。図4では、上下の三角模様(▼、▲)や四角模様(■)、丸模様(●)を始め、さまざまな形状の特定用ドットが配置されており、すべての特定用ドットがそれぞれ弁別可能な唯一のパターンとなっている。このようにすべての特定用ドットを弁別可能な唯一のパターンで構成したことにより、計測対象物に照射されたドット光がどの方位に照射されたドット光であるかを弁別し、撮像した画像から照射方位及び撮像方向を算出することができる。
【0029】
次に、ステップS102では、ステップS101で生成された投光パターンを投光器23のランプを点灯させて移動物体の移動方向に向かって照射する。そして、投光パターンが照射されると、ステップS103において投光パターンが照射された状態の画像を撮像部3が撮像する。
【0030】
次に、ステップS104において投光器23を消灯すると、ステップS105では投光パターンが照射されていない状態の画像を撮像部3が撮像する。こうして投光パターンが照射された画像と照射されていない画像が撮像されると、ステップS106において投光パターンが照射されたときの画像と投光パターンが照射されていないときの画像とを比較して各画素の差分を計算する。そして、ステップS107では、ステップS106で算出された差分に基づいて計測対象物に当たって反射した投光パターンの特定用ドットを抽出する。
【0031】
ここで、上述した処理について、図5を参照して説明する。図5は、図4で示した投光パターンを車両から照射した場合に、特定用ドットが計測対象物に照射されている様子を説明するための図である。図5では、時刻T0から時刻T5までの間に移動する車両と計測対象物との間の相対的位置関係を示しており、時刻T0では投光パターンの最上段にある上三角模様(▲)が計測対象物に照射され、次に時刻T3では投光パターンの中段にある四角模様(■)が計測対象物に順次照射されている。そして、時刻T5では投光パターンの下段にある丸模様(●)が計測対象物に順次照射されている。これは、投光器23の車両取り付け位置と車両の動きにより、投光面上において計測対象物の動く方向が決まるためであり、特定用ドットを消失点から放射される直線上に並べたことにより、移動物体が移動することによって順次特定用ドットが計測対象物に照射されることになる。
【0032】
次に、ステップS108において、ステップS107で抽出された特定用ドットを弁別して特定用ドットの照射方位を算出する。各特定用ドットはそれぞれ異なる形状をしているので、容易に弁別して照射方位を算出することができる。このように撮像した画像から特定用ドットの照射方位を算出できるので、途切れのない距離計測が可能となる。
【0033】
こうして照射方位が算出されると、ステップS109では、撮像された画像位置から特定用ドットの撮像方向を算出し、この撮像方向とステップS108で算出した照射方位と、投光器23と撮像部3との間の幾何学的配置から三角測量によって距離を計測する。
【0034】
具体的に説明すると、照射方位がθc、撮像方向がθp、撮像部3と投光器23との間の距離をdとして、撮像部3と投光器23との間を結ぶ直線Aに計測対象物から垂線Bを下ろす。そして、投光器23から垂線Bと直線Aとの接点までの距離をdc、撮像部3から垂線Bと直線Aとの接点までの距離をdpとすると、垂線Bの長さ、すなわち計測対象物までの距離Lは以下の式で表すことができる。
【0035】
d=dc+dp
dc=L・tanθc
dp=L・tanθp
したがって、この式を解くことによって、計測対象物までの距離Lを算出することができる。
【0036】
このようにして計測対象物までの距離が算出されると、本実施形態に係る距離計測装置1による距離計測処理は終了する。
【0037】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第1実施形態に係る距離計測装置によれば、消失点から放射される直線上に複数の特定用ドットを配置した投光パターンを照射することによって計測対象物までの距離を計測するので、本距離計測装置をロボットや車両等の移動物体に搭載しても計測対象物にドット光が順次照射され、途切れることなく常に距離を計測することができる。
【0038】
また、本距離計測装置によれば、特定用ドットがそれぞれ弁別可能な唯一のパターンで構成されているので、計測対象物に照射されたドット光を確実に弁別することが可能となり、正確に計測対象物までの距離を計測することができる。
【0039】
[第2の実施形態]
次に、本発明を適用した第2実施形態について図面を参照して説明する。尚、本実施形態に係る距離計測装置の構成は上述した第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略する。
【0040】
[距離計測処理の手順]
本実施形態に係る距離計測装置による距離計測処理の手順を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0041】
図6に示すように、ステップS201において、投光器23及び撮像部3の配置に合わせて予め作成された投光パターンをメモリ等の記憶装置から読み込んで生成する。
【0042】
ここで、本実施形態の投光パターンを、図7を参照して説明する。図7に示すように、本実施形態の投光パターンは、第1実施形態で説明した特定用ドットに加えて計測用ドットをさらに配置した構成となっている。
【0043】
図7に示すように、計測用ドットは、特定用ドットのそれぞれに対して複数配置されており、消失点から放射される直線上に配置され、撮像部3で撮像される画像の単位画素の大きさを有している。例えば、図7では1つの特定用ドットTに対して計測用ドットS1〜S6の6個が配置されている。また、計測用ドットSは特定用ドットTの下方に少なくとも1つ配置され、特定用ドットTの幅Wは計測用ドットSが少なくとも2つ入る幅を有している。
【0044】
次に、ステップS202では、ステップS201で生成された投光パターンを投光器23のランプを点灯させて移動物体の移動方向に向かって照射する。そして、投光パターンが照射されると、ステップS203において投光パターンが照射された状態の画像を撮像部3が撮像する。
【0045】
次に、ステップS204において投光器23を消灯すると、ステップS205では投光パターンが照射されていない状態の画像を撮像部3が撮像する。こうして投光パターンが照射された画像と照射されていない画像が撮像されると、ステップS206において投光パターンが照射されたときの画像と投光パターンが照射されていないときの画像とを比較して各画素の差分を計算する。そして、ステップS207では、ステップS206で算出された差分に基づいて、計測対象物に当たって反射した投光パターンを抽出する。
【0046】
次に、ステップS208では抽出された投光パターンを構成するドット光を大きさによって特定用ドットと計測用ドットとに弁別する。
【0047】
ここで、上述した処理について、図8を参照して説明する。図8は、図7で示した投光パターンを車両から照射した場合に、投光パターンが計測対象物に照射されている様子を説明するための図である。図8では、時刻T0から時刻T2まで車両が移動した場合に、直立した計測対象物80に投光パターンが照射されている様子を示している。時刻T0では特定用ドットTと計測用ドットS1、S2が計測対象物80に照射されており、時刻T1では特定用ドットTの一部が計測対象物80から外れて計測用ドットS1〜S3が計測対象物80に順次照射されている。そして、時刻T2では特定用ドットTと計測用ドットS1が計測対象物80から外れて計測用ドットS2〜S4が計測対象物80に順次照射されている。
【0048】
上述したように、特定用ドットと計測用ドットが順次計測対象物に照射され、計測対象物で反射した特定用ドットと計測用ドットが弁別されると、ステップS209ではステップS208で弁別された特定用ドット及び計測用ドットについて、1フレーム前の特定用ドット及び計測用ドットとの同定処理を行う。
【0049】
具体的に説明すると、抽出された特定用ドットが1フレーム前の画像のどの位置に撮像されていたかを特定して対応付けを行い、特定用ドットの推移を追跡する。このとき特定用ドットは弁別可能な唯一のパターンで形成されているので、1フレーム前の画像に撮像されている特定用ドットを特定することができる。そして、特定用ドットが特定されると、 次に特定用ドットからの順番によって計測用ドットのそれぞれを弁別して特定する。そして、ステップS208で弁別された計測用ドットが1フレーム前の画像のどの位置に撮像されていたかを特定して対応付けを行い、計測用ドットの推移を追跡する。
【0050】
次に、ステップS210において、ステップS209で対応付けられた計測用ドットの照射方位を算出して照射方位情報として保持する。このとき新たに観測された計測用ドットは消失点方向にある隣の計測用ドットあるいは上に存在する特定用ドットによって照射方位を特定して保持する。
【0051】
こうして照射方位が算出されると、ステップS211では、撮像された画像位置から計測用ドットの撮像方向を算出し、この撮像方向とステップS210で算出した照射方位と、投光器23と撮像部3との間の幾何学的配置から三角測量によって距離を計測する。
【0052】
このようにして計測対象物までの距離が算出されると、本実施形態に係る距離計測装置による距離計測処理は終了する。
【0053】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係る距離計測装置によれば、撮像部で撮像される画像の単位画素の大きさを有する計測用ドットをさらに含み、計測用ドットは特定用ドットのそれぞれに対して複数配置されているので、特定用ドットが計測対象物に分断して照射されるような場合でも、計測用ドットが計測対象物に必ず照射され、これによって途切れることなく常に距離を計測することができる。
【0054】
また、本距離計測装置によれば、特定用ドットは計測用ドットが少なくとも2つ入る幅を有し、特定用ドットの下方に少なくとも1つ計測用ドットが配置されているので、特定用ドットの位置に基づいて特定用ドットの下方に配置された計測用ドットの位置を特定することができ、これによって正確に計測対象物までの距離を計測することができる。
【0055】
さらに、本距離計測装置によれば、ドットの大きさによって特定用ドットと計測用ドットとを弁別し、特定用ドットからの順番によって計測用ドットのそれぞれを弁別して各計測用ドットが照射された照射方位を算出するので、それぞれの計測用ドットの位置を特定することができ、これによって正確に計測対象物までの距離を計測することができる。
【0056】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施の形態に限定されることはなく、この実施の形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0057】
1 距離計測装置
2 投光部
3 撮像部
4 照射光抽出部
5 照射方位算出部
6 距離計測部
21 投光パターン生成部
22 投光パターン制御部
23 投光器
25 演算ユニット
80 計測対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動物体に搭載されて計測対象物との間の距離を計測する距離計測装置であって、
前記移動物体の移動方向にある消失点から放射される直線上に複数のドットを配置した投光パターンを照射する投光手段と、
前記投光パターンが照射された方向の画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像から前記計測対象物に照射された前記投光パターンのドットを抽出する照射光抽出手段と、
前記照射光抽出手段で抽出された前記投光パターンのドットから前記投光パターンのドットが照射された照射方位を算出する照射方位算出手段と、
前記照射方位と前記撮像手段の撮像方向と前記投光手段と前記撮像手段との間の距離とを用いて幾何学的関係から前記計測対象物までの距離を計測する距離計測手段と
を備えていることを特徴とする距離計測装置。
【請求項2】
前記消失点から放射される直線上に配置された複数のドットは、それぞれ弁別可能な唯一のパターンで構成された特定用ドットであることを特徴とする請求項1に記載の距離計測装置。
【請求項3】
前記消失点から放射される直線上に配置された複数のドットは、前記撮像手段で撮像される画像の単位画素の大きさを有する計測用ドットをさらに含み、前記計測用ドットは前記特定用ドットのそれぞれに対して複数配置されていることを特徴とする請求項2に記載の距離計測装置。
【請求項4】
前記特定用ドットは前記計測用ドットが少なくとも2つ入る幅を有し、前記計測用ドットは前記特定用ドットの下方に少なくとも1つ配置されていることを特徴とする請求項3に記載の距離計測装置。
【請求項5】
前記照射方位算出手段は、ドットの大きさによって前記特定用ドットと前記計測用ドットとを弁別し、前記特定用ドットからの順番によって前記計測用ドットのそれぞれを弁別して、弁別された前記計測用ドットが照射された照射方位を算出することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の距離計測装置。
【請求項6】
移動物体と計測対象物との間の距離を計測する距離計測方法であって、
前記移動物体の移動方向にある消失点から放射される直線上に複数のドットを配置した投光パターンを、前記移動物体に設置された投光手段から照射する投光パターン照射ステップと、
前記投光パターンが照射された方向の画像を前記移動物体に設置された撮像手段から撮像する撮像ステップと、
前記撮像ステップで撮像された画像から前記計測対象物に照射された前記投光パターンのドットを抽出する照射光抽出ステップと、
前記照射光抽出ステップで抽出された前記投光パターンのドットから前記投光パターンのドットが照射された照射方位を算出する照射方位算出ステップと、
前記照射方位と前記撮像手段の撮像方向と前記投光手段と前記撮像手段との間の距離とを用いて幾何学的関係から前記計測対象物までの距離を計測する距離計測ステップと
を含むことを特徴とする距離計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−47469(P2012−47469A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187091(P2010−187091)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、エネルギーITS推進事業/協調走行(自動運転)に向けた研究開発委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】