説明

車両から車両へ送信されるメッセージを受信する方法

車両から車両へ送信され、交通量に関する情報を含むメッセージを受信する方法において、受信メッセージからの情報は、いくつかの数の情報項目が受信される場合にのみ受け入れられ、前記数は、少ない交通量におけるよりも多い交通量においてより大きいことを特徴する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両から車両へ送信され交通量に関する情報を含むメッセージを受信する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許請求の範囲の特徴部分の前提部に従うと共に、車車間通信としても既知であるメッセージの送信方法は、例えば米国特許出願公報第20020198632A号から既知であり、車両が事故を防ぐためにセンサの補助と連携するのを可能にする。これにより、例えば、後続の車両は、交通渋滞又は事故を知らせられ得る。同様に、交通車両は、交差点及びジャンクションにおいて、優先される車両(警察、消防)を知らせられ得る。この通信を用いて得られる情報は、運転者に情報を提供すること、又は車両制御システムにおける介入を発生させるのみに用いられ得る。
【0003】
斯様な通信システムにおいてデータセキュリティは不可欠である。特に、偽造メッセージが事故を発生させることは許されてはならない。斯様なセキュリティを保証する様々な方法は、例えば、
−Junko Yoshida、「Suppliers to add security features to wireless comm chips」;http://www.eetimes.com/story/OEG20021121S0042;EE Times Nov.22、2002、
−Magda El Zarki等、「Security Issues in a Future Vehicular Network」;Department of Information and Computer Science、University of California、Irvine;presented at European Wireless 2002 conference、Florence、Italy;Feb.2002、
−A.Eskandarian等、「Assessment of Vulnerabilities in In-Vehicle Intelligent Transportation Systems」;Center for intelligent Systems Research at George Washington University、Ashburn、VA.http://www.cisr.gwu.edu/research/securitydetails.html
等から既知になっている。
【0004】
これらの方法は、ネットワークノード(車両)が多数存在しかつ車両の計算能力が限られている場合、必要な速度及び信頼性を有して実行され得ない暗号法を適用する。
【0005】
加えて、IEEE 56th Vehicular Technology Conference、Vancouver、Canada、Sept.24-28、2002におけるI.Chisalita及びN.Shahmehriによる「A novel architecture for supporting vehicular communication」から、車車間メッセージを、関連性に関して及び交通状況の関数としてフィルタ処理する方法が既知である。しかし、前記記載において、データセキュリティの点に関して対処されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
受信メッセージからの情報が、いくつかの数の同一情報項目が受信される場合にのみ受け入れられ、前記数が少ない交通量の場合よりも多い交通量の場合に大きくある本発明に従う方法は、メッセージの偽造行為すなわち偽造メッセージの移入に対するセキュリティを増加する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従う方法は、車車間通信が特に重要である交通状況において存在する冗長性を利用する。本発明に従う方法は、しかし、他の状況、例えば車両が夜間に極端に稀に使用される道路を使用する場合に関しても適している。本発明に従う方法の適用は、暗号方法の同時的な適用を排除しない。
【0008】
本発明に従う方法の様々な設計は、交通量密度の検出に対して向けられる。したがって、例えば、交通量密度が、メッセージが受信される車両におけるセンサによって測定されることは可能である。特に、センサは、この態様において、受信範囲における送信車両の数又は通り過ぎてきた車両の数を決定してもよい。
【0009】
交通量密度を決定する別の可能な方法は、静止情報システムから交通量密度を獲得することに存する。この目的に関する適切な情報システムは、例えば、DAB(digital audio broadcasting)TMC(traffic message channel)である。
【0010】
本発明に従う方法の更なる実施例は、前記数が更なる変数に依存することを特徴とする。これらの更なる変数は、デジタル道路地図から取得され得る。しかし、適切なデータベースに記憶される使用者個人データも適している。加えて、更なる変数は、少なくとも天気及び道路状況情報を含み得る。
【0011】
本発明に従う方法の有利な設計は、前記数が、夫々の情報の重み付けに依存するという事実に存する。道路ネットワークに関する情報、使用者個人データ及び/又は車両センサを用いて得られる測定データが、重み付けの目的に関して用いられ得る。
【0012】
加えて、本発明に従う方法は、受け入れられる情報が、表示される及び/又は車両の制御システムにおける介入を発生することを特徴とし得る。
【0013】
本発明の内容において、用語「メッセージ」は、例えば、送信車両の通知及び送信車両の位置の通知のような種類の情報を含む。本発明の文脈において、冗長性に関して検査される情報は、これらメッセージの一部分を構成し、例えば「・・・km先道路閉鎖」のような、各々の場合において報告されるべきイベントのみに制限される。したがって、本発明に従う方法の文脈において、メッセージが、いくつかの数の同一情報項目が受信される場合にのみ受け入れる場合、これらの同一情報項目は、別々の車両から発生し得る別々のメッセージに含まれるべきであるということを明確な意図とする。
【0014】
本発明は、添付の図面に示される実施例の例を参照にして更に説明されるが、本発明は、これら図面に制限されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は、2台の車両2及び3が衝突しており、したがってこれらがふさいでいるような道路1を示す。車両2及び3の少なくとも1台が、送信器とそれに関連付けられたセンサとが機能的に有効である程度に無傷であることを仮定されるべきである。その後この事故に関する情報が、この車両によって発信される。加えて、車両4が、急ブレーキをして同様に停止に至り、対応するメッセージを発信することを仮定されるべきである。車両5、6及び7は、これらのメッセージを受信する。各々の場合において、警告が運転者へ出力される。
【0016】
既知の方法を用いる場合、斯様なメッセージが模造され得、これにより厄介者が、車両5、6及び7の運転者に緊急ブレーキを実行させることが起こり得る。本発明に従う方法を用いると、与えられる例において、車両5、6及び7における警告は、車両2及び4からのメッセージを受信する場合にのみ起動され得る。多数の車両が交通渋滞において同一の道路を進む場合、実際には、より多くの同一の情報項目が必要とされ、したがって、故意であろうがなかろうが、誤りメッセージを発生するのをより更に難しくする。
【0017】
図2に従う実施例の一例は、ブロック図として例示される。しかし、このことは、本発明に従う方法がブロックに対応する個別の回路を用いて実施されることに制限されることを意味しない。むしろ、本発明に従う方法は、大規模集積回路を用いて特に有利に実施され得る。この点において、マイクロプロセッサが用いられ得、マイクロプロセッサは、適切なプログラミングを用いることにより、ブロック図において例示される処理ステップを実行する。
【0018】
適切な受信器によって受信されるメッセージは、11において図2に例示される装置に供給され、フィルタ/カウンタ12及び重み付け発生器13に到着する。フィルタ/カウンタ12において、各々の場合において同一内容を有するメッセージの数が個別にカウントされる。重み付け発生器13において、メッセージと共に送信された優先度と車両制御システムにおける自動介入の場合における可能な応答とが評価される。重み付け発生器13及び後に続く重み付けフィルタ14は、デジタル道路地図を具えるデータベース15からデータを受信する。斯様にして、例えば、高速道路の反対車線に関する又は併走する追加的な道路に関するメッセージに対して、低い重み付けが与えられることが可能である。
【0019】
更なるデータベース16は、使用者個人データと使用者が各々の場合において自身の要件に調整することが可能である好みとを含む。データベース16は、例えば、追加的に、車両所有者証明に関するデータ並びに暗号化及び承認に関して必要な更なるデータを含む。これらは、同様にメッセージを重み付けするのに重み付けフィルタ14において供給される。車両センサ17からの現在測定されたデータも、最終的に、重み付けフィルタ14へ供給される。例えば、車両が移動している場合に非常に重く重み付けされるメッセージは、車両が静止している場合に比較的非重要であってもよい。いくつかの数の同一情報項目がフィルタ/カウンタ12において記憶される場合、夫々の情報は、対応する信用性の程度を呈するようになる。最終的に、前記情報を受け入れこの情報を19において例えば表示ユニットへ又は車両制御システムへ出力するかどうかが、18において重み付けフィルタ14の出力データを用いて比較を実行することによって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、既知の車車間通信と本発明に従う斯様な通信との両方を例示するための道路における車両を示す。
【図2】図2は、実施例の一例のブロック図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両から車両へ送信され、交通量に関する情報を含むメッセージを受信する方法において、受信メッセージからの情報は、いくつかの数の同一情報項目が受信される場合にのみ受け入れられ、前記数は、少ない交通量における場合よりも多い交通量における場合に大きいことを特徴する方法。
【請求項2】
前記交通量の密度が、前記メッセージが受信される前記車両におけるセンサによって測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記交通量の密度が、静止情報システムから得られることを特徴とする、請求項1及び2の何れか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記数が、更なる変数に依存することを特徴とする、請求項1ないし3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記更なる変数が、少なくとも天気及び道路状況情報を含むことを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記数が、前記夫々の情報の重み付けに依存することを特徴とする、請求項1ないし5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
道路ネットワークに関する情報が、重み付けに関して用いられることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
使用者個人データが、重み付けに関して用いられることを特徴とする、請求項6及び7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
車両センサを用いて得られた測定データが、重み付けに関して用いられることを特徴とする、請求項6ないし8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
受け入れられる前記情報が、表示されることを特徴とする、請求項1ないし9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記受け入れられる情報が、車両制御システムにおける介入を引き起こすことを特徴とする、請求項1ないし10の何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−503043(P2007−503043A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523730(P2006−523730)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051430
【国際公開番号】WO2005/017854
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】