説明

車両のサイドシル構造

【課題】センタピラーレスのスライドドア車であっても、スライドドアレール用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得ることができる車両のサイドシル構造を提供する。
【解決手段】センタピラーの取付位置を含むように前後ドア間に延在し、且つ第1及び第2の開口部13A3,13B3の長手方向にわたってガセット21をサイドシル13に結合固定すると共に、このガセット21とサイドシル13の長手方向に直交する第1及び第2のクロスメンバ19,20の側端部とを連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両のサイドシル構造に関し、詳しくは、センタピラーレスのスライドドア車のサイドシル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドシルは、車体の左右ドアの下方側に配置される左右一対のフレーム部材である。従来、このようなサイドシルは、ボックス状のサイドシル断面内に、サイドシル断面内を横断する閉鎖断面形状の補強ビームをクロスメンバの結合部とセンタピラーの交差部との間の範囲に延在するように設けることにより、ねじり剛性を高める構造が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−20363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スライドドア車にあっては、サイドシル断面内に、スライドドア下部から張り出されたアーム部材を介してスライドドアの下部を支承するスライドドアレール(以下、ロアレールという)が配設される。さらには、このサイドシルの車体外側面部には、スライドドアのアーム部材がロアレールに連なるための開口部がロアレールの長手方向に沿って形成される。このため、上記した従来のサイドシル構造によってスライドドア車におけるサイドシルのねじり剛性を高めることは難しいという問題があった。
また、スライドドアによる乗降性及び使い勝手をより向上させるために、スライドドア車のセンタピラーレス化が望まれているが、それには、ロアレール用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得なければならないという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、センタピラーレスのスライドドア車であっても、スライドドアレール用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得ることができる車両のサイドシル構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため第1の発明は、車体の前後ドアの下方側に配置されるサイドシルに、スライドドアをガイドするスライドドアレールに沿った開口部が形成された車両のサイドシル構造において、
前記サイドシルに、前記開口部の長手方向に亘って延設され、且つ前後ドア間に延在し、前記サイドシルに取り付けられた状態にあっては前記開口部の長手方向に亘って前記サイドシルと共に閉断面を形成する補剛部材を配設したことを特徴とする。
【0007】
第1の発明によれば、サイドシルに、スライドドアレール用の開口部の長手方向に亘って延設され、且つ前後ドア間に延在した補剛部材を配設する。この補剛部材がサイドシルに取り付けられた状態にあってはサイドシルの開口部の長手方向に亘ってサイドシルと共に閉断面が形成される。これにより、サイドシルに補剛部材を配設したことによって、開口部が設けられたサイドシルのねじり剛性が増加すると共に、サイドシルの長手方向における剛性が増加して、センタピラーが配置される前後ドアの間のボディ剛性の補強がなされる。
【0008】
上記目的を達成するため第2の発明は、第1の発明において、前記補剛部材は、前記サイドシルの長手方向と直交するように延設されたクロスメンバの側端部が連結されていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明によれば、補剛部材により形成された閉じ断面がサイドシルの長手方向と直交する方向に延びたクロスメンバに連結されている。これにより、第1の発明の作用効果に加えて、サイドシルとクロスメンバとの結合部剛性が高められてサイドシルの横方向におけるボディ剛性が増加するので、センタピラーレスのスライドドア車であっても、スライドドア用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得ることができるようになる。
さらには、側面衝突時における衝撃荷重がサイドシルに加わってもサイドシルが車体内側に向かって変位するのが抑制され、側面衝突時の車室内変形を最小限に抑えることができる。さらにまた、前面衝突時における衝撃荷重がサイドシルに加わっても、サイドシルが軸方向に座屈変形するのが抑制され、前面衝突時の車室内変形も抑えることができる。
【0010】
上記目的を達成するため第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記サイドシルの後部に、後方に向かって延設されたリヤフレームの前部を結合固定すると共に、前記サイドシルと前記リヤフレームとに跨って前記補剛部材が配設されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明によれば、サイドシルの後部に、後方に向かって延設されたリヤフレームの前部を結合固定すると共に、サイドシルとリヤフレームとに跨って前記補剛部材が配設されている。これにより、第1又は第2の発明の作用効果に加えて、サイドシルに配設された補剛部材とリヤフレームとを結合固定したことにより、後面衝突時にあっては、リヤフレームを軸方向に座屈変形させて後突時の衝撃荷重を効率よく吸収させることができる。
【0012】
上記目的を達成するため第4の発明は、第3の発明において、前記補剛部材に燃料タンク保護部材の側端部が組付け固定されていることを特徴とする。
【0013】
第4の発明によれば、サイドシルとリヤフレームとに跨って配設された補剛部材に燃料タンク保護部材の側端部が組付け固定されている。これにより、第3の発明の作用効果に加えて、後面衝突時にあっては、リヤフレームが軸方向に座屈変形して後突時の衝撃荷重を吸収するので、補剛部材に取り付けられた燃料タンク保護部材が変形し難くなり、燃料タンクが搭載されている部分の変形が抑えられるので、衝撃荷重から燃料タンクを保護することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、補剛部材が、前後ドア間に延在し、且つスライドドアレール用の開口部の長手方向に亘ってサイドシルに結合固定されると共に、サイドシルの長手方向に直交するクロスメンバの側端部が連結されている。これにより、サイドシルのねじり剛性が増加すると共に、サイドシルの長手方向における剛性が増加して、センタピラーが配置される前後ドアの間の側面開口部の補強がなされる。さらに、サイドシルとクロスメンバとの結合部剛性が高められてボディ剛性が増加する。その結果、センタピラーレスのスライドドア車であっても、スライドドアレール用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最も好適と思われる一実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車体ボディの斜視図、図2は、同例におけるサイドシルの斜視図、図3は、同例におけるリヤガセットの斜視図、図4は、図2中のB−B矢視断面図、図5は、図2中のC−C矢視断面図、図6は、図2中のD−D矢視断面図、図7は、図2中のE−E矢視断面図、図8は、図2中のF−F矢視断面図である。
【0016】
図1に示されるように、車体ボディ10は、後側ドアにスライドドアが用いられると共に、前後のドアの間のセンタピラーがない車体構造により、前側ドア開口部と後側ドア開口部とが一体的に連なった側面開口部11を有している。この側面開口部11を形成するルーフサイドレール12及びサイドシル13には、スライドドア(図示せず)をガイドするスライドドアレールとしてのアッパーレール14及びロアレール15が配設されており、これらのレール14,15によってスライドドアの軌跡が作り出されると共に、スライドドアがスムーズに開閉作動するようになっている。
なお、サイドシル13は、車体ボディ10の左右両側に等しく配設されているものであるから、以下では、車体左側に配設されたサイドシル13について説明する。
【0017】
サイドシル13は、図4に示されるように、車体外側に設けられたサイドシルアウタ13Aと車体内側に設けられたサイドシルインナ13Bとを備えて構成されている。これらサイドシルアウタ13A及びサイドシルインナ13Bは、それぞれの上部に形成された垂直状のフランジ部13A1と13B1とが後述する上部スライドドアレールブラケット16の上部を介して接合した状態で溶接により結合固定され、下部に形成された垂直状のフランジ部13A2と13B2とが後述するサイドシルリンホース17の下部を介して接合した状態で溶接により結合固定されることによって一体化されている。
【0018】
サイドシルアウタ13Aには、スライドドア下部のアーム部材がサイドシル13断面内のロアレール15に連なるため、開口部としての第1の開口部13A3がロアレール15の長手方向に沿って形成されている(図1参照)。そして、この第1の開口部13A3の奥側には、第1の開口部13A3側に向かって開口した断面コ字状の上部及び下部スライドドアレールブラケット16,18が配設されている。
【0019】
上部スライドドアレールブラケット16の上部は垂直状とされ、サイドシルアウタ13A及びサイドシルインナ13Bのフランジ13A1と13B1とに挟まれた状態で溶接により結合固定されている。また、上部スライドドアレールブラケット16の下部と下部スライドドアレールブラケット18の上部とは、車体内側に向かって延設されたのち垂直状に接合された状態で溶接により結合固定されている。下部スライドドアレールブラケット18の下部は、第1の開口部13A3に向かって水平に折り曲げられていると共に、第1の開口部13A3を形成するサイドシルアウタ13Aの側面部に接合した状態で溶接により結合固定されている。さらに、下部スライドドアレールブラケット18の車体内側よりの側端部とサイドシル13下部との間には、サイドシルリンホース17が斜交い状に介設されている。
【0020】
そして、これら上部及び下部スライドドアレールブラケット16,18の対向面間にロアレール15が配設されている。このロアレール15には、図示しないスライドドアから張り出されたアーム部材の先端部に配設されたローラ(加重ローラ、案内ローラ)が転動可能に設けられるようになっている。さらに、このロアレール15は、その前部側が後部側よりも車体内側に向かって変位するように湾曲形成されている。これに応じて、上部及び下部スライドドアレールブラケット16,18も、その前部側が後部側よりも車体内側に向かうように形成されている。このため、サイドシルインナ13Bの側面部には、車体内側に向かった上部及び下部スライドドアレールブラケット16,18との干渉を回避するため、車体内側に向かって開口した開口部としての第2の開口部13B3が、上部及び下部スライドドアレールブラケット16,18に沿って形成されている。
なお、左右の後側ドアが共にスライドドアの場合には、これら第1及び第2の開口部13A3,13B3は、車体左側のサイドシル13と同様、車体右側のサイドシル(図示せず)にも設けられる。
【0021】
そして、第1及び第2の開口部13A3,13B3が設けられた車体左側のサイドシル13には、図2に示されるように、第1及び第2の開口部13A3,13B3の長手方向に亘って延設され、且つ前後ドア間に延在し、サイドシル13に取り付けられた状態にあっては第1及び第2の開口部13A3,13B3の長手方向に亘ってサイドシル13と共に閉断面を形成する断面コ字状の補剛部材(以下、ガセットという)21が配設されている。さらに、このガセット21には、サイドシル13の長手方向と直交するように延設されたクロスメンバとして、前ドア側及び後ドア側に分かれて位置するよう前後に適宜離間した状態で横架された第1及び第2のクロスメンバ(例えば、フロントシートフロントクロスメンバ、フロントシートリヤクロスメンバ、クロスメンバA等)19,20の側端部が接合した状態で溶接により結合固定されている。
【0022】
詳述すると、ガセット21は、図2〜8に示されるように、前後方向に2分割形成され、且つサイドシル13側に向かって開口した断面コ字状のフロントガセット21Aとリヤガセット21Bとを備えて構成されている(但し、図3中にあってはリヤガセット21Bのみが図示されている)。
なお、フロントガセット21Aは、リヤガセット21Bの前後を反転させた状態に近い構造を有しているため、ここではリヤガセット21Bを代表して説明する。
【0023】
リヤガセット21Bは、図3に示されるように、ほぼ水平な上面部22と下面部23との先端部にほぼ水平な接合面22a,22b,23a,23bが一体的に形成されている。
さらに、リヤガセット21Bの上面部22には、接合面22c,22d,22eが形成されている。上面部22には、これら接合面22c,22d,22eが上方に向けて一段高くなるように凹凸が設けられている。また、接合面22dと22eとには、それぞれボルト孔22d1,22e1が形成されていると共に、その内側には、ウェルディングナット24,25が固着されている。さらに、接合面22dには、位置決めピン挿入孔22d2が設けられている。
【0024】
また、下面部23の前部には、接合面23cが一体的に形成されている。この接合面23cは、フロントガセット21Aとリヤガセット21Bとを接合させた際に、リヤガセット21Bがフロントガセット21Aを下方側から支承するように、フロントガセット21Aは上面部が長く、リヤガセット21Bは下面部23が長くなるように形成されており、接合部が互い違いに重合するようになっている。
【0025】
また、下面部23の後部には、接合面23dが一体的に形成されている。この接合面23dには、ボルト孔23d1(図5に図示)が形成されていると共に、その内側には、ウェルディングナット26が固着されている。この接合面23dと23cとの間には、接合面23eが一体的に形成されている。
さらに、この下面部23には、上面部22と同様、接合面23c,23dが下方に向けて一段突出するように凹凸が設けられている。
また、リヤガセット21Bのほぼ垂直な側面部27には、前部から後部に向かって接合面27a,27b,27c,27d,27e,27fが一体的に形成されている。
【0026】
そして、図4に示されるように、フロントガセット21Aの後部接合面とリヤガセット21Bの接合面22a,22c,23c,27a,27cとが接合された状態で溶接により結合固定されることによって、ガセット21が形成されている。さらに、リヤガセット21Bの接合面22aがサイドシルインナ13Bの上面側に接合された状態で溶接により結合固定され、接合面23aがサイドシルインナ13Bの下面側に接合された状態で溶接により結合固定され、図5に示されるように、リヤガセット21Bの接合面22b,23bが、サイドシル13の後部から後方に向かって延設されたリヤフレームとしてのリヤフレームフロアサイドフロント28の上下面側に、接合面27f(図3に図示)がリヤフレームフロアサイドフロント28のほぼ垂直な側面部にそれぞれ接合された状態で溶接により結合固定されることによって、ガセット21がサイドシル13及びリヤフレームフロアサイドフロント28に一体的に結合固定されている。
【0027】
さらに、リヤガセット21Bの接合面27bがフロントフロアパン29の左側端部に接合された状態で溶接により結合固定され(図4に図示)、接合面27dがフロントフロアパン29後部に配設されたエクステンションフロントフロアパン30の左側端部に接合された状態で溶接により結合固定され(図示せず)、接合面27eが第2のクロスメンバ20の左側端下部に接合された状態で溶接により結合固定され(図5に図示)、接合面22d,22eが第2のクロスメンバ20の左側端上部に接合された状態で溶接により結合固定され(図8に図示)、接合面22bがリヤフロアパン31に接合された状態で溶接により結合固定されることによって(図6に図示)、リヤガセット21Bが第2のクロスメンバ20及びフロア部材29〜31に一体的に結合固定されている。
【0028】
さらに、リヤガセット21Bの上面部には、図8に示されるように、1列目シートレール32の後部を支承するように板厚の厚い1列目シートレール取付部材33の後端部が、1列目シートレール取付部材33後部に設けられた位置決めピン34がリヤガセット21Bの位置決めピン挿入孔22d2に挿入された状態で、ボルト孔22d1を貫通しウェルディングナット24に螺合するボルト35により固定され(図7参照)、2列目シートレール36(図5に図示)の前部を支承するシートレール取付部材37の下端部が、ボルト孔22e1を貫通しウェルディングナット25に螺合するボルト38により第2のクロスメンバ20の上端部と共にリヤガセット21Bに共締め固定されている(図5参照)。
【0029】
さらには、リヤガセット21Bの接合面23dには、図5に示されるように、燃料タンク保護部材39の左側端部が接合された状態でボルト孔23d1を貫通し、ウェルディングナット26に螺合するボルト40により固定されている。
【0030】
また、このリヤガセット21Bと同様の態様により形成されたフロントガセット21Aの上下面部に形成された各接合面が、サイドシルインナ13Bの右側端部に接合された状態で溶接により結合固定され、上下及び側面部に形成された各接合面が第1のクロスメンバ19及びフロントフロアパン29の左側端部に接合された状態で溶接により結合固定されている。さらにまた、フロントガセット21Aの上面部には、1列目シートレール32の前部を支承する1列目シートレール取付部材33の前端部が、ボルト孔を貫通しウェルディングナットに螺合するボルトにより強固に取り付け固定されている。
【0031】
このガセット21と対称形状に構成され、車体右側のサイドシルに配置されるガセットも、同様の態様により、車体右側のサイドシルと、この車体右側のサイドシルの長手方向に直交するクロスメンバとの間に介装された状態で溶接により結合固定されている。
なお、左右のガセットを第1及び第2のクロスメンバ19,20によって連結してもよい。
【0032】
このように、ガセット21が、前後ドア間に延在し、且つ第1及び第2の開口部13A3,13B3を含むように、それらの長手方向にわたってサイドシル13に結合固定されることによって、車体左側のサイドシル13の車体内側にガセット21により閉じ断面が形成され、また、車体右側のサイドシルの車体内側にガセットにより閉じ断面が形成されることによって、左右のサイドシル13のねじり剛性が増加すると共に、左右のサイドシル13の長手方向における剛性が増加して、前後ドアの間の側面開口部11の補強がなされる。
さらに、ガセット21には、サイドシル13の長手方向と直交するように延設された第1及び第2のクロスメンバ19,20の側端部が接合した状態で溶接により結合固定されることにより、サイドシル13と第1及び第2のクロスメンバ19,20との結合部剛性が高められて左右のサイドシル13間におけるボディ剛性が増加する。これにより、センタピラーレスのスライドドア車であっても、スライドドア用の開口部のないサイドシル及びセンタピラーを備えた車両と同等のボディ剛性を得ることができるようになる。
【0033】
また、サイドシル13のねじり剛性及び左右のサイドシル13間のボディ剛性が確保されることにより、側面衝突時における衝撃荷重がサイドシル13に加わってもサイドシル13が車体内側に向かって変位するのが抑制される。これにより、側面衝突時の車室内変形を最小限に抑えることができる。
さらには、前面衝突時における衝撃荷重がサイドシル13及びフロントフロアパン29に加わっても、サイドシル13が軸方向に座屈変形するのが抑制される。これにより、前面衝突時の車室内変形も抑えることができる。
【0034】
そしてさらに、サイドシル13に結合固定されたガセット21の後端部とリヤフレームフロアサイドフロント28とを結合固定したことにより、後面衝突時にあっては、リヤフレームフロアサイドフロント28を軸方向に座屈変形させて後突時の衝撃荷重を効率よく吸収させるようになっている。このため、ガセット21後部に取り付けられた燃料タンク保護部材39が変形し難くなり、燃料タンクが搭載されている部分の変形が抑えられるので、衝撃荷重から燃料タンクを保護することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明が適用された車体ボディの斜視図である。
【図2】同例におけるサイドシルの斜視図である。
【図3】同例におけるガセット後部の斜視図である。
【図4】図2中のB−B矢視断面図である。
【図5】図2中のC−C矢視断面図である。
【図6】図2中のD−D矢視断面図である。
【図7】図2中のE−E矢視断面図である。
【図8】図2中のF−F矢視断面図である。
【符号の説明】
【0036】
10 車体ボディ
11 側面開口部
13 サイドシル
13A サイドシルアウタ
13A3 第1の開口部(開口部)
13B サイドシルインナ
13B3 第2の開口部(開口部)
15 ロアレール(スライドドアレール)
16 上部スライドドアレールブラケット
18 下部スライドドアレールブラケット
19 第1のクロスメンバ
20 第2のクロスメンバ
21 ガセット(補剛部材)
21A フロントガセット
21B リヤガセット
28 リヤフレームフロアサイドフロント
29 フロントフロアパン
30 エクステンションフロントフロアパン
31 リヤフロアパン
33 1列目シートレール取付部材(シートレール取付部材)
37 2列目シートレール取付部材(シートレール取付部材)
39 燃料タンク保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の前後ドアの下方側に配置されるサイドシルに、スライドドアをガイドするスライドドアレールに沿った開口部が形成された車両のサイドシル構造において、
前記サイドシルに、前記開口部の長手方向に亘って延設され、且つ前後ドア間に延在し、前記サイドシルに取り付けられた状態にあっては前記開口部の長手方向に亘って前記サイドシルと共に閉断面を形成する補剛部材を配設したことを特徴とする車両のサイドシル構造。
【請求項2】
前記補剛部材は、前記サイドシルの長手方向と直交するように延設されたクロスメンバの側端部が連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドシル構造。
【請求項3】
前記サイドシルの後部に、後方に向かって延設されたリヤフレームの前部を結合固定すると共に、前記サイドシルと前記リヤフレームとに跨って前記補剛部材が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両のサイドシル構造。
【請求項4】
前記補剛部材に燃料タンク保護部材の側端部が組付け固定されていることを特徴とする請求項3に記載の車両のサイドシル構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−13129(P2008−13129A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−188387(P2006−188387)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】