車両の警報装置及びそれを用いた車両
【課題】モータ駆動走行の車両60から発生させる警告音が周辺の静粛性を損ねる。
【解決手段】車両60の車載レーダ20から前方対象物(人)10を認識した場合、前方の所定範囲Wsetと設定距離Dset01の範囲内ではステップS108で警告音の音量大、他の範囲では、対象物(人)10が車両60に背を向いて遠ざかる相対速度Vrtargetが車両速度Vspより大きい場合はステップS110で警告音の音量中、対象物(人)10が車両60に向かって近づく相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合はステップS112で警告音の音量小を発生させる。
【解決手段】車両60の車載レーダ20から前方対象物(人)10を認識した場合、前方の所定範囲Wsetと設定距離Dset01の範囲内ではステップS108で警告音の音量大、他の範囲では、対象物(人)10が車両60に背を向いて遠ざかる相対速度Vrtargetが車両速度Vspより大きい場合はステップS110で警告音の音量中、対象物(人)10が車両60に向かって近づく相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合はステップS112で警告音の音量小を発生させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は警報音を発生する車両の警報装置及びそれを用いた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対応の車両として、ハイブリット車両や電気車両の普及が進んでいるが、これらの車両がモータ駆動で走行中には、従来のエンジン駆動車両のエンジン音による歩行者への走行喚起ほど高音量の駆動音が発生しないので、歩行者が車両の接近に気付き難い問題がある。
【0003】
そこで、車両が接近した場合には、車両から歩行者に警報を発生する警報装置が提案されている(特許文献1,2)。
【0004】
特許文献1の技術は、前方の対象物を含む領域で警告音を発生し、対象物の種類に応じて警告音の種類を選択するようになっている。
【0005】
そして、対象物が人の場合には他の対象物に比較して警告音を弱く発生させるようになっている(図4のステップS102)。
【0006】
なお、クラクションSWがオフでは、警告条件成立(図4、ステップS110)によって警告音を発生させている。
【0007】
また、特許文献2の技術は、前方の対象物との相対速度により車両に背を向けているか、向かっているのかの判断を検知情報記憶部106のデータテーブルの1データとして記憶する(段落〔0068〕〔0071〕)。
【0008】
そして、車両が走行している状況の検知手段(103)の結果との比較により検知情報記憶部106のデータテーブルと一致した警告音を発生させるが、前方の歩行者が車に気が付いている場合は警告音を止め(図13、ステップS1305)、気が付いていない場合に警告音を発生(図13、ステップS1304)させている。
【0009】
しかし、特許文献1では、対象物を含む領域内では、対象物によって警告音に強弱はあるものの同一音量の警告音を発生させており、歩行者が車両の前方を横断している場合や車両に背を向けて歩行している場合や車両に向かって歩行している場合でも同一の警告音が発生される。
【0010】
一方、特許文献2では、歩行者が車両に背を向けて歩行しているか、車両に向かっているのかどうかの判断はしているものの、その結果による警告音の具体的な音量の発生について記載がされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−273251号公報
【特許文献2】特開2005−219715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の技術では、所定の領域内において、歩行者が車両に気が付いていてもいなくても同一音量の警告音を発生し続けるので、ハイブリット車両や電気車両の1つの特徴である静粛性を損なうことになる。
【0013】
また、特許文献2の技術では、歩行者の歩行状況は検出するものの、警告音の音量に関して具体的な記載がないので、静粛性の評価ができない。
【0014】
本発明の目的は、周辺環境の静粛性を向上させつつ、車両前方の対象物に警告を促すことが可能な車両の警告装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の車両の警報装置は、検出装置によって検出された車両前方の対象物と車両との相対速度を算出する出力処理手段と、算出された相対速度が自車両の速度より小さい場合は第1の警告音、大きい場合は第1の警告音より小さい第2の警告音を発生させる信号を出力する警告発生手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0016】
周辺環境の静粛性を向上させつつ、車両前方の対象物に警告を促すことが可能な車両の警告装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る車両の警報装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両の警報装置の実施例1の処理フローを示す図である。
【図3】本発明の実施例1の歩行者認識処理の処理フローを示す図である。
【図4】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図5】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図6】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図7】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図8】本発明に係る車両の警報装置の実施例2の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図9】本発明に係る車両の警報装置の実施例3の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図10】本発明に係る車両の警報装置の実施例4の処理フローを示す図である。
【図11】本発明に係る車両の警報装置の実施例4における警報音の組合せ図である。
【図12】本発明の実施例4の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は車両の警報装置100含む車両60の実施例1を示すブロック図である。
【0020】
自車両の前方の対象物(本実施例では歩行者10)は、検出装置である車載レーダ20の送受信で検出されて出力処理手段であるレーダ処理部30に入力され、レーダ処理部30では歩行者10に対する情報、例えば算出された対象物までの距離Dtargetや、歩行者10との相対速度Vrtargetや、対象物の座標やレーダが照射されている角度等が算出される。その算出された情報は、警告音を発生する信号を生成する警告音発生手段、具体的には警告音選択部40に入力され、警告音選択部40では距離Dtargetと相対速度Vrtargetから警告音の音量や音質を選択して、警告音を発生する信号を警告音発生装置である警告音発生部50に入力されて警告音を発生するようになっている。
【0021】
車両60には、検出装置である車載レーダ20、出力処理手段であるレーダ処理部30、警告発生手段である警告音選択部40、警告音発生装置である警告音発生部50、前照灯点灯手段である前照灯処理部70、前照灯装置である前照灯80、が搭載されている。ここで、出力処理手段であるレーダ処理部30と、警告発生手段である警告音選択部40と、前照灯点灯手段である前照灯処理部70と、を警告装置100とする。
【0022】
レーダ処理部30や警告音選択部40は、単独に、又は統合してマイクロコンピュータ等のデジタル処理により警告音発生処理が実行される。
【0023】
図2は、図1に示した車両の警報装置の警告音発生処理(ステップ100)を示すフロー図であり、以下処理内容について説明するが、対象物10は歩行者(人)としている。
【0024】
ステップS200は出力処理手段であるレーダ処理部30の処理であり、距離Dtargetと相対速度Vrtargetを算出する。
【0025】
ステップS300は前方の歩行者10の認識処理であり、図3によりターゲットフラグのセットとリセット処理である。
【0026】
図3において、ステップS301で車載レーダ20等の検出装置で検出した歩行者10の認識を判定し、認識しないNO判定ではステップS302でターゲットフラグをクリアする。
【0027】
歩行者10を認識したYES判定では、ステップS303で認識が連続状態である連続認識時間ttargetを計測し、ステップS304で設定時間ttargetsetと比較し、ttarget>ttargetsetがNO判定ではターゲットフラグをクリア、YES判定ではターゲットフラグをセットとして歩行者10の認識を確定する。
【0028】
すなわち、図3の処理は、瞬間的に車載レーダで捉えた対象物(鳥や動物)や誤動作を排除して、車両60の前方にある対象物を確定するための処理である。
【0029】
図2のステップS101で図3の処理で歩行者10を確定したターゲットフラグを判定し、歩行者10を認識しないターゲットフラグのクリア(NO判定)ではステップS102で警告発生手段である警告音選択部40から警告音の信号を出力しない、または警告音を発生しない信号を出力する。
【0030】
歩行者10を認識したターゲットフラグのセット(YES判定)では、ステップS103で歩行者10までの距離Dtarget,ステップS104で対象物Stargetと走行車両との相対速度Vrtargetを算出する。
【0031】
ステップS105で自車両から対象物である歩行者までの距離Dtargetが予め定めた設定距離Dset01より小さいか、予め定めた設定距離Dset02より大きいかの比較判定により、NO判定ではステップS102で警告音を発生しない。
【0032】
ステップS105の距離Dtargetが設定距離Dset01と設定距離Dset02の間(設定距離Dset01内)のYES判定では、ステップS106で相対速度Vrtargetの0判定を処理し、NO判定ではステップS102で警告音を発生しない。
【0033】
すなわち、相対速度Vrtargetが0では、車両60が歩行者10に近づく可能性が低く、歩行者10まで一定の距離間隔で車両60が走行していることを仮定しており、警告音の発生理由とならないためである。
【0034】
ステップS106で相対速度Vrtargetが0以外では、NO判定となりステップS107を処理する。
【0035】
ここで、設定距離Dset01内(設定距離Dset01と設定距離Dset02間内)において、検出装置である車載レーダ20の検出可能な範囲内の第1の領域と、その第1の領域内に車両の走行方向の中心から所定範囲Wset内の第2の領域と、を設定する。
【0036】
ステップ107は、歩行者10が車両60の進行方向を中心に所定範囲Wset(車両60の幅員より所定量長い範囲)では、そのまま走行すると衝突する可能性があるので、YES判定によってステップS108で警告音の音量大(第3の警告音)を発生させる。
【0037】
所定範囲Wsetは、例えば車両60を中心とする軸として設定距離Dset01の地点をY座標、車両60の水平とする軸として所定範囲Wsetの地点をX座標として、車載レーダ20の照射角から(X,Y)座標を計算することで得ることができる。
【0038】
ステップ107の所定範囲Wset以外ではNO判定となってステップS109とステップS111で相対速度Vrtargetと車両速度Vspとの比較判定を処理する。
【0039】
ステップS109では相対速度Vrtargetと車両速度Vspが等しい、すなわち歩行者10が止まっているとYES判定となりステップS110で警告音の音量中(第1の警告音)を発生させる。
【0040】
歩行者10が人の場合、止まった状態から次の動作が不明であり、注意喚起として警告音の音量中としている。
【0041】
ステップ109でNO判定では、ステップS111で相対速度Vrtargetと車両速度Vspとの大小関係を判定する。
【0042】
相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合(YES判定)ではステップS110で警告音の音量中(第1の警告音)を発生させる。
【0043】
すなわち、歩行者10が車両60に背を向けて歩行している場合には、車両を視覚で捉えることができないので、注意喚起として警告音の音量中としている。
【0044】
相対速度Vrtargetが車両速度Vspより大きい場合(NO判定)ではステップS112で警告音の音量小(第2の警告音)を発生させる。
【0045】
すなわち、歩行者10が車両60に向かって歩行している場合には、車両60を視覚で捉えることができるので、注意喚起として警告音の音量小としている。
【0046】
なお、第1,第2,第3の警告音の音量の大小関係は、第2の警告音<第1の警告音<第3の警告音、となる。
【0047】
図4〜図7は、図2の処理フローにおける警告音の発生状況と車両60と車載レーダ20の照射角内における対象物(人)10の位置関係を示す図であり、円弧状で示す警告音は、太線ほど音量が大きいことを示している。
【0048】
図4は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01以内で、歩行者10が所定範囲Wset内に歩行する場合であり、図2のステップS107でYES判定され、ステップS108で警告音の音量大が発生される状況を示している。
【0049】
図5は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両の先端で距離0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で止まっている場合であり、図2のステップS109でYES判定され、ステップS110で警告音の音量中が発生される状況を示している。
【0050】
図6は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両の先端で0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で車両60に背を向けて歩行している場合であり、図2のステップS111でYES判定され、ステップS110で警告音の音量中が発生される状況を示している。
【0051】
図7は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両60の先端で0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で車両60にむかって歩行している場合であり、図2のステップS111でNO判定され、ステップS112で警告音の音量小が発生される状況を示している。
【0052】
なお、車両の先端の距離0を設定距離Dset02に設定すると、歩行者10が車両60の側面を歩行しても警告音を発生しないので、注意の喚起を継続するために、設定距離Dset02=0になった後、少なくとも車両の長さ分だけ行き過ぎる所定時間の間は警告音を発生し続けるようにすることもできる。
【0053】
また、図2から図3の説明では、進行方向を中心の所定範囲Wset及び前方設定距離はDset01は1つだけ設定する例であるが、それぞれを複数設定してその組合せにより警告音の音量を変えるようにすることもできる。
【0054】
さらに、上述は前方に設定する設定距離Dset01が固定の場合であるが、車両60の走行速度Vspによって歩行者10に接近する時間が異なるので、警告音を発生させる時間が長くなって静粛性の悪化、警告音を発生させる時間が短くなって歩行者10への注意喚起が十分にできない場合が生ずる。
【0055】
そこで、設定距離Dset01に代えて、歩行者10までの距離と車両60の走行速度Vspから歩行者10に到達するまでの時間TTCを算出し、時間TTCがあらかじめ設定した設定時間TTCset以内で警告音を発生させ、走行速度Vspに関係なく警告音の発生時間が一定になるようにすることもできる。
【0056】
また、歩行者10に到達するまでの時間TTCを算出することなく、あらかじめ設定した設定時間TTCsetから、設定距離Dset01=TTCset×Vspとして、走行速度Vspが速いほど設定距離Dset01を遠く、走行速度Vspが遅いほど設定距離Dset01を近くに設定して、走行速度Vspに応じて設定距離Dset01を変化させることもできる。
【0057】
実施例1によれば、車両60の前方であって設定された所定範囲Wsetの領域を横断する場合には、対象物(人)10に警告音の音量大で注意喚起を、所定範囲Wset外では、相対速度の判定により、対象物(人)10が車両60に背を向けて歩行中は警告音の音量中で注意喚起を、対象物(人)10が車両60に向かって歩行中は警告音の音量小で注意喚起ができ、警告音の音量を可変することにより車両60の周辺において、静粛性を向上させた対象物(人)への注意喚起をすることができる。
【0058】
ところで、上述の実施例1では、警告音の発生で歩行者10に注意喚起を促したが、聴覚の不自由な歩行者10に対する注意喚起や、一般の歩行者へのさらなる注意喚起を促す場合には前照灯の利用が有効である。
【0059】
そこで、実施例1の変形例として、図1において、出力処理手段であるレーダ処理部30の出力を前照灯点灯手段である前照灯処理部70に入力して、前照灯を点灯する前照灯装置である前照灯80を制御するようにしている。
【0060】
図4から図7の車両60と歩行者10の位置関係の図から、歩行者10が車両を視覚で認識できる図4と図7の場合には前照灯の処理は実行せず、歩行者10が車両を視覚で認識しない図5と図6において、警報音の音量中を発生させると同時に前照灯処理部70により前照灯80を点滅させるようにしている。
【0061】
なお、警報音の音量の発生と、前照灯の点灯の発生の組み合わせは、この限りではない。対象物までの距離や相対速度の関係、更には自車前方の環境情報に基づいて、警報音発生と前照灯点灯とを併用しても、一方のみでも良い。
【0062】
なお、この変形例では、車両60に対して、対向車両が存在する場合には伝達信号と受け取られる可能性がある。
【0063】
そこで、対向車両を車載レーダ20がミリ波レーダの場合では反射率で、レーザレーダなら左右のリフレフタ結果から検出して歩行者との区別を行い、対向車両がある場合には前照灯80の点滅をしないようにしている。
【0064】
図8は車両の警報装置の実施例2を示し、車両60と車載レーダ20の照射角内における対象物(人)10の位置関係を示す図であり、車両60が直進走行から舵角θsで進路変更をした場合であり、直進走行を点線で、舵角θsで進路変更を実線で示している。
【0065】
図8において直進走行では、地点P1及びP2の対象物(人)10は認識されないので警告音の発生はないが、舵角θsで進路変更すると、地点P1の対象物(人)10は所定範囲Wset内に認識され、地点P2の対象物(人)10は車載レーダの照射角内で認識される。
【0066】
ところで、舵角θsで進路変更して認識した対象物(人)は、が突然車両の前方に位置することになるので、実施例2では実施例1に追加される処理をするようにしている。
【0067】
そこで、車両60の前方に設定する設定距離をDset03とDset04とし、所定範囲Wset内で認識する設定距離Dset03は、直進走行の設定距離Dset01より短くし、また、車載レーダの照射角内で認識する設定距離Dset04を設けるようにしている。つまり上記した第1の領域及び第2の領域は、車両の進路変更による舵角θsによって変更する。
【0068】
舵角θsで進路変更して設定距離Dset03内の地点P1の対象物(人)10に対しては、警告音の音量大で注意喚起をし、設定距離Dset04内の地点P2の対象物(人)に対しては、警告音の音量を中又は小で注意喚起をするようにしている。
【0069】
なお、地点P2の対象物(人)に対しては、図2のステップS109,S111の相対速度Vrtargetと車両速度Vspの比較から警告音の中又は小を選択するようにしている。
【0070】
なお、舵角θsは、舵角センサ等の舵角検出手段により検出される。
【0071】
図8は、舵角θsを一例で示した実施例であるが、舵角θsの値によって設定距離Dset03とDset04は変更することもでき、舵角θsの値が大きい場合は設定距離Dset03とDset04を小さく、舵角θsの値が小さい場合は設定距離Dset03とDset04を大きくする。
【0072】
図8では、設定距離Dset03とDset04は2つの設定値で示しているがこれに限られるものではなく、舵角θsの値と所定の関係で連続的に可変させることもでき、また、所定範囲Wsetについても1つの設定値に限られるものではない。
【0073】
実施例2では、車両60が進路変更した場合、直進走行に比べて警告音の音量を適切に発生して対象物(人)への注意喚起をすると共に、警告音の音量も段階的に可変でき、車両60の周辺において、静粛性を向上させる効果もある。
【0074】
図9は車両の警報装置の実施例3を示し、車両60と道路標示の白線90と対象物(人)10の位置関係を示す図であり、車載レーダ20の照射角内において、対象物(人)10が地点P3のように白線90より車道側に位置する場合と地点P4のように白線90より歩道側に位置する場合を示している。
【0075】
対象物(人)10が所定範囲Wset外の地点P3では、車道を横断する可能性が高いため、実施例1の図5〜図7で説明した警告音の音量より大きい音量の警告音を発生させ、対象物(人)10が地点P4では、実施例1の図5〜図7で説明した警告音の音量にしている。
【0076】
実施例3では、白線90より車道側の対象物(人)10に対して歩道側に対象物がいる場合に比べ警告音の音量を大きくすることで、注意喚起を効果的にすることができる。
【0077】
図10は警告音発生処理(ステップ100)の実施例4を示すフローであり、図2と同一ステップは同一符号で示し、同一ステップについては説明を省略する。
【0078】
図10では、対象物(人以外も含む)10に対する警告音の音量が、図2に示したステップS107の所定範囲Wset内で、ステップS105の距離Dtargetが設定距離Dset01以下で警告音の音量大を発生させる以外の警告音の音量について、ステップS120の対象物10までの距離Dtargetと相対速度Vrtargetの組合せで警告音の音量を選択するようにしている。
【0079】
図11はステップS120の処理内容、図12は図10の処理フローにおける車両60と車載レーダの照射角内の対象物(人以外も含む)の位置関係を示す図であり、図3と同一部分は同一符号で示している。
【0080】
図11において、横欄の項目(NO1〜6)は相対速度Vrtargetと車両速度Vspと、相対速度Vrtargetと設定相対速度(VDel1とVDel2)の比較式、縦欄の項目は距離Dtargetと設定距離(Dset11とDset12とDset13とDset02)の比較式であり、横欄と縦欄の組合せで警告音の大きさが決定される。
【0081】
NO1は、対象物10が他車両で、車両60との相対速度Vrtargetが0、すなわち、一定距離を保って走行している場合であり、距離Dtargetに関係なく警告音は発生しない。
【0082】
NO2は、対象物10が歩行者で車両60に背を向けて離れていく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0083】
NO3は、対象物10が歩行者で止まっており相対速度Vrtargetと車両速度Vspが等しい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0084】
NO4は、対象物10が歩行者で車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vspと設定値VDel1小さい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音小を発生させる。設定値VDel1は歩行者の歩行速度を想定した値である。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0085】
NO3はステップS109のYES判定、NO4はステップS111のNO判定に該当し、図12に示す設定距離Dset13が設定距離Dset01に相当する。
【0086】
NO5は、対象物10が自転車で車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vsp+設定値VDel1より大きく、車両速度Vsp+設定値VDel2より小さい場合であり、図12に示すように車両が設定距離Dset12から設定距離Dset13の範囲内で警告音小、設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。設定値VDel2は自転車の走行速度を想定した値である。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0087】
NO5では、歩行者に比べて早い速度で車両60に近づくので、早めに警告音を発生させるようにしている。
【0088】
NO6は、対象物10がバイクで車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vsp+設定値VDel2より大きい場合であり、図12に示すように車両60が設定距離Dset11から設定距離Dset12の範囲内で警告音小、設定距離Dset12から設定距離Dset13の範囲内で警告音中、設定距離Dset13以内で警告音大を発生させる。設定値VDel2以上はバイクの走行速度を想定した値である。距離Dtargetが設定距離Dset11より大きい場合と、距離Dtargetが設定距離Dset12より小さい場合は、警告音は発生しない。
【0089】
NO6では、自転車に比べて早い速度で車両60に近づくので、さらに早めに警告音を発生させるようにしている。
【0090】
図11では、歩行者より早く車両60から離れる自転車やバイクについては、NO2が成立するので、設定距離Dset13の範囲内で警告音中を発生させる。
【0091】
図11の組合せはこれに限られるものではなく、対象物10との相対速度Vrtargetと距離によって警告音の発生、音量の大きさを変えることもできる。
【0092】
実施例4では、対象物10との相対速度Vrtargetによって対象物10の特定ができ、また、前方距離との組合せで警告音の音量の大きさを決めるので、対象物10への注意喚起が適切に行われると同時に、警告音の音量が可変できるので車両60の周辺において、静粛性を向上させる効果もある。
【0093】
本発明は車両の周辺の静粛性を向上させる目的を有する車両の警報装置であり、対象物(人)10が車両60の接近に気が付く場合には、警報音の音量を小さく、また警報音を発生させない他の変形形態も含まれる。
【0094】
対象物(人)10が車両60の接近に気が付く1例として、車両の前照灯装置である前照灯80の点灯がある。前照灯80の照射角は車載レーダ20の照射角よりはるかに広いので、車載レーダ20による対象物(人)10の認識以前に車両60の接近を認識できることから、車両の前照灯80の点灯時では警告音を発生させないようにする。
【0095】
なお、車両60の前照灯80の点灯時にもかかわらず、対象物(人)10が図4に示したように所定範囲Wset内を認識した場合は、警告音を発生させるようにすることで対象物(人10)への注意喚起をするようにもできる。
【0096】
この例によれば、特に夜間時において、車両60の周辺の静粛性を格段に向上させることができる。
【0097】
ところで、車両60の走行中にアクセルを踏み込んで加速した場合には、周辺の対象物(人)10が特に危険に晒される。
【0098】
エンジン車両においては、アクセルを踏み込むことでエンジン音が大きくなり、運転者が意識することなしに周辺の対象物(人)10に対して注意喚起を促すことができた。
【0099】
そこで、実施例1において、アクセルの踏み込みが現在の開度より所定変化分大きくなった場合、つまり車両のスロットル開度が所定の増加分を越えた場合には、図2のステップS108,ステップS110,ステップS112の警告音の音量を、所定音量だけ上乗せした大きな音量(警告音を予め設定された音量より大きい音量)で注意喚起をより高くすることができる。
【0100】
上述した実施例や変形例では、対象物10までの距離Dtargetと相対速度相対速度Vrtargetは車載レーダ20で検出する例で説明したが、検出装置は、車載レーダ20に代えて車載カメラでも良い。
【0101】
一例として、車載カメラで対象物10までの距離と取得画像から車両60の走行速度から対象物10が止まっている場合の取得画像の大きさを推定し、推定画像と取得画像が等しい場合には対象物10が止まっているか前方を横切っているかの判断,推定画像に比較して小さい取得画像の場合には対象物10が車両に背を向けて遠ざかる判断,推定画像に比較して大きい取得画像の場合には対象物10が車両に向かって近づく判断とすることで、図2のステップS109,S111の判断に代えることができる。
【0102】
車載カメラでは対象物10の形状判断をすることができるので、人(歩行者)をより正確に認識するのでより効果的な注意喚起をすることができる。
【0103】
また、人(歩行者)10の大小関係を認識することにより、子供の歩行者に対しては、警告音の音量を上乗せして大きな音量を発生させることもできる。
【0104】
さらに、実施例3の白線90の認識についても車載カメラで判断するようにでき、さらに白線が横断歩道標示や横断歩道前の停止線を認識した場合には、横断歩道上の対象物に対しては警告音を発生させないようにすることもできる。この場合、さらに車両進行方向の信号機の信号色を受信し、青信号では警告音を発生させないが、黄,赤信号では警告音の音量を上乗せして大きな音量を発生させることもできる。つまり、横断歩道の道路標示を認識する道路標示認識手段(車載カメラ等)を用いて、警告発生手段である警告音選択部40は、横断が許可され、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音を発生する信号を出力せず、横断が不許可で、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音の音量を設定音量より大きい信号として出力することもできる。
【0105】
なお、車載カメラと車載レーダ20を共に搭載された車両60においては、それぞれの特徴的な検出値や判断や処理の容易さや迅速さで組合せることができ、対象物10に対してより効果的な注意喚起をすることができる。
【0106】
上述した実施例の警告音は、単一音,メロディー音,擬似エンジン音,断続音等、また音量に代えて周波数の変化,前述の警告音の時間変化等を含むものである。
【0107】
本発明の車両の警報装置では、当然のことながら車両60が停車中、又は、予め定めた設定値以下においては警告音の発生処理は実行されず、また、車両60の走行速度に予め閾値を設定し、閾値以上の走行速度で警告音の発生処理を実行するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0108】
10 対象物
20 車載レーダ
30 レーダ処理部
40 警告音選択部
50 警告音発生部
60 車両
70 前照灯処理部
80 前照灯
90 白線
【技術分野】
【0001】
本発明は警報音を発生する車両の警報装置及びそれを用いた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境対応の車両として、ハイブリット車両や電気車両の普及が進んでいるが、これらの車両がモータ駆動で走行中には、従来のエンジン駆動車両のエンジン音による歩行者への走行喚起ほど高音量の駆動音が発生しないので、歩行者が車両の接近に気付き難い問題がある。
【0003】
そこで、車両が接近した場合には、車両から歩行者に警報を発生する警報装置が提案されている(特許文献1,2)。
【0004】
特許文献1の技術は、前方の対象物を含む領域で警告音を発生し、対象物の種類に応じて警告音の種類を選択するようになっている。
【0005】
そして、対象物が人の場合には他の対象物に比較して警告音を弱く発生させるようになっている(図4のステップS102)。
【0006】
なお、クラクションSWがオフでは、警告条件成立(図4、ステップS110)によって警告音を発生させている。
【0007】
また、特許文献2の技術は、前方の対象物との相対速度により車両に背を向けているか、向かっているのかの判断を検知情報記憶部106のデータテーブルの1データとして記憶する(段落〔0068〕〔0071〕)。
【0008】
そして、車両が走行している状況の検知手段(103)の結果との比較により検知情報記憶部106のデータテーブルと一致した警告音を発生させるが、前方の歩行者が車に気が付いている場合は警告音を止め(図13、ステップS1305)、気が付いていない場合に警告音を発生(図13、ステップS1304)させている。
【0009】
しかし、特許文献1では、対象物を含む領域内では、対象物によって警告音に強弱はあるものの同一音量の警告音を発生させており、歩行者が車両の前方を横断している場合や車両に背を向けて歩行している場合や車両に向かって歩行している場合でも同一の警告音が発生される。
【0010】
一方、特許文献2では、歩行者が車両に背を向けて歩行しているか、車両に向かっているのかどうかの判断はしているものの、その結果による警告音の具体的な音量の発生について記載がされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−273251号公報
【特許文献2】特開2005−219715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1の技術では、所定の領域内において、歩行者が車両に気が付いていてもいなくても同一音量の警告音を発生し続けるので、ハイブリット車両や電気車両の1つの特徴である静粛性を損なうことになる。
【0013】
また、特許文献2の技術では、歩行者の歩行状況は検出するものの、警告音の音量に関して具体的な記載がないので、静粛性の評価ができない。
【0014】
本発明の目的は、周辺環境の静粛性を向上させつつ、車両前方の対象物に警告を促すことが可能な車両の警告装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の車両の警報装置は、検出装置によって検出された車両前方の対象物と車両との相対速度を算出する出力処理手段と、算出された相対速度が自車両の速度より小さい場合は第1の警告音、大きい場合は第1の警告音より小さい第2の警告音を発生させる信号を出力する警告発生手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0016】
周辺環境の静粛性を向上させつつ、車両前方の対象物に警告を促すことが可能な車両の警告装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る車両の警報装置の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る車両の警報装置の実施例1の処理フローを示す図である。
【図3】本発明の実施例1の歩行者認識処理の処理フローを示す図である。
【図4】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図5】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図6】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図7】車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図8】本発明に係る車両の警報装置の実施例2の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図9】本発明に係る車両の警報装置の実施例3の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【図10】本発明に係る車両の警報装置の実施例4の処理フローを示す図である。
【図11】本発明に係る車両の警報装置の実施例4における警報音の組合せ図である。
【図12】本発明の実施例4の車両と対象物との位置関係と警告音の発生状況を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は車両の警報装置100含む車両60の実施例1を示すブロック図である。
【0020】
自車両の前方の対象物(本実施例では歩行者10)は、検出装置である車載レーダ20の送受信で検出されて出力処理手段であるレーダ処理部30に入力され、レーダ処理部30では歩行者10に対する情報、例えば算出された対象物までの距離Dtargetや、歩行者10との相対速度Vrtargetや、対象物の座標やレーダが照射されている角度等が算出される。その算出された情報は、警告音を発生する信号を生成する警告音発生手段、具体的には警告音選択部40に入力され、警告音選択部40では距離Dtargetと相対速度Vrtargetから警告音の音量や音質を選択して、警告音を発生する信号を警告音発生装置である警告音発生部50に入力されて警告音を発生するようになっている。
【0021】
車両60には、検出装置である車載レーダ20、出力処理手段であるレーダ処理部30、警告発生手段である警告音選択部40、警告音発生装置である警告音発生部50、前照灯点灯手段である前照灯処理部70、前照灯装置である前照灯80、が搭載されている。ここで、出力処理手段であるレーダ処理部30と、警告発生手段である警告音選択部40と、前照灯点灯手段である前照灯処理部70と、を警告装置100とする。
【0022】
レーダ処理部30や警告音選択部40は、単独に、又は統合してマイクロコンピュータ等のデジタル処理により警告音発生処理が実行される。
【0023】
図2は、図1に示した車両の警報装置の警告音発生処理(ステップ100)を示すフロー図であり、以下処理内容について説明するが、対象物10は歩行者(人)としている。
【0024】
ステップS200は出力処理手段であるレーダ処理部30の処理であり、距離Dtargetと相対速度Vrtargetを算出する。
【0025】
ステップS300は前方の歩行者10の認識処理であり、図3によりターゲットフラグのセットとリセット処理である。
【0026】
図3において、ステップS301で車載レーダ20等の検出装置で検出した歩行者10の認識を判定し、認識しないNO判定ではステップS302でターゲットフラグをクリアする。
【0027】
歩行者10を認識したYES判定では、ステップS303で認識が連続状態である連続認識時間ttargetを計測し、ステップS304で設定時間ttargetsetと比較し、ttarget>ttargetsetがNO判定ではターゲットフラグをクリア、YES判定ではターゲットフラグをセットとして歩行者10の認識を確定する。
【0028】
すなわち、図3の処理は、瞬間的に車載レーダで捉えた対象物(鳥や動物)や誤動作を排除して、車両60の前方にある対象物を確定するための処理である。
【0029】
図2のステップS101で図3の処理で歩行者10を確定したターゲットフラグを判定し、歩行者10を認識しないターゲットフラグのクリア(NO判定)ではステップS102で警告発生手段である警告音選択部40から警告音の信号を出力しない、または警告音を発生しない信号を出力する。
【0030】
歩行者10を認識したターゲットフラグのセット(YES判定)では、ステップS103で歩行者10までの距離Dtarget,ステップS104で対象物Stargetと走行車両との相対速度Vrtargetを算出する。
【0031】
ステップS105で自車両から対象物である歩行者までの距離Dtargetが予め定めた設定距離Dset01より小さいか、予め定めた設定距離Dset02より大きいかの比較判定により、NO判定ではステップS102で警告音を発生しない。
【0032】
ステップS105の距離Dtargetが設定距離Dset01と設定距離Dset02の間(設定距離Dset01内)のYES判定では、ステップS106で相対速度Vrtargetの0判定を処理し、NO判定ではステップS102で警告音を発生しない。
【0033】
すなわち、相対速度Vrtargetが0では、車両60が歩行者10に近づく可能性が低く、歩行者10まで一定の距離間隔で車両60が走行していることを仮定しており、警告音の発生理由とならないためである。
【0034】
ステップS106で相対速度Vrtargetが0以外では、NO判定となりステップS107を処理する。
【0035】
ここで、設定距離Dset01内(設定距離Dset01と設定距離Dset02間内)において、検出装置である車載レーダ20の検出可能な範囲内の第1の領域と、その第1の領域内に車両の走行方向の中心から所定範囲Wset内の第2の領域と、を設定する。
【0036】
ステップ107は、歩行者10が車両60の進行方向を中心に所定範囲Wset(車両60の幅員より所定量長い範囲)では、そのまま走行すると衝突する可能性があるので、YES判定によってステップS108で警告音の音量大(第3の警告音)を発生させる。
【0037】
所定範囲Wsetは、例えば車両60を中心とする軸として設定距離Dset01の地点をY座標、車両60の水平とする軸として所定範囲Wsetの地点をX座標として、車載レーダ20の照射角から(X,Y)座標を計算することで得ることができる。
【0038】
ステップ107の所定範囲Wset以外ではNO判定となってステップS109とステップS111で相対速度Vrtargetと車両速度Vspとの比較判定を処理する。
【0039】
ステップS109では相対速度Vrtargetと車両速度Vspが等しい、すなわち歩行者10が止まっているとYES判定となりステップS110で警告音の音量中(第1の警告音)を発生させる。
【0040】
歩行者10が人の場合、止まった状態から次の動作が不明であり、注意喚起として警告音の音量中としている。
【0041】
ステップ109でNO判定では、ステップS111で相対速度Vrtargetと車両速度Vspとの大小関係を判定する。
【0042】
相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合(YES判定)ではステップS110で警告音の音量中(第1の警告音)を発生させる。
【0043】
すなわち、歩行者10が車両60に背を向けて歩行している場合には、車両を視覚で捉えることができないので、注意喚起として警告音の音量中としている。
【0044】
相対速度Vrtargetが車両速度Vspより大きい場合(NO判定)ではステップS112で警告音の音量小(第2の警告音)を発生させる。
【0045】
すなわち、歩行者10が車両60に向かって歩行している場合には、車両60を視覚で捉えることができるので、注意喚起として警告音の音量小としている。
【0046】
なお、第1,第2,第3の警告音の音量の大小関係は、第2の警告音<第1の警告音<第3の警告音、となる。
【0047】
図4〜図7は、図2の処理フローにおける警告音の発生状況と車両60と車載レーダ20の照射角内における対象物(人)10の位置関係を示す図であり、円弧状で示す警告音は、太線ほど音量が大きいことを示している。
【0048】
図4は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01以内で、歩行者10が所定範囲Wset内に歩行する場合であり、図2のステップS107でYES判定され、ステップS108で警告音の音量大が発生される状況を示している。
【0049】
図5は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両の先端で距離0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で止まっている場合であり、図2のステップS109でYES判定され、ステップS110で警告音の音量中が発生される状況を示している。
【0050】
図6は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両の先端で0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で車両60に背を向けて歩行している場合であり、図2のステップS111でYES判定され、ステップS110で警告音の音量中が発生される状況を示している。
【0051】
図7は車両60から歩行者10までの距離Dtargetが前方設定距離Dset01より小さく、Dset02(図4では車両60の先端で0の場合)より大きい場合で、歩行者10が所定範囲Wset外で車両60にむかって歩行している場合であり、図2のステップS111でNO判定され、ステップS112で警告音の音量小が発生される状況を示している。
【0052】
なお、車両の先端の距離0を設定距離Dset02に設定すると、歩行者10が車両60の側面を歩行しても警告音を発生しないので、注意の喚起を継続するために、設定距離Dset02=0になった後、少なくとも車両の長さ分だけ行き過ぎる所定時間の間は警告音を発生し続けるようにすることもできる。
【0053】
また、図2から図3の説明では、進行方向を中心の所定範囲Wset及び前方設定距離はDset01は1つだけ設定する例であるが、それぞれを複数設定してその組合せにより警告音の音量を変えるようにすることもできる。
【0054】
さらに、上述は前方に設定する設定距離Dset01が固定の場合であるが、車両60の走行速度Vspによって歩行者10に接近する時間が異なるので、警告音を発生させる時間が長くなって静粛性の悪化、警告音を発生させる時間が短くなって歩行者10への注意喚起が十分にできない場合が生ずる。
【0055】
そこで、設定距離Dset01に代えて、歩行者10までの距離と車両60の走行速度Vspから歩行者10に到達するまでの時間TTCを算出し、時間TTCがあらかじめ設定した設定時間TTCset以内で警告音を発生させ、走行速度Vspに関係なく警告音の発生時間が一定になるようにすることもできる。
【0056】
また、歩行者10に到達するまでの時間TTCを算出することなく、あらかじめ設定した設定時間TTCsetから、設定距離Dset01=TTCset×Vspとして、走行速度Vspが速いほど設定距離Dset01を遠く、走行速度Vspが遅いほど設定距離Dset01を近くに設定して、走行速度Vspに応じて設定距離Dset01を変化させることもできる。
【0057】
実施例1によれば、車両60の前方であって設定された所定範囲Wsetの領域を横断する場合には、対象物(人)10に警告音の音量大で注意喚起を、所定範囲Wset外では、相対速度の判定により、対象物(人)10が車両60に背を向けて歩行中は警告音の音量中で注意喚起を、対象物(人)10が車両60に向かって歩行中は警告音の音量小で注意喚起ができ、警告音の音量を可変することにより車両60の周辺において、静粛性を向上させた対象物(人)への注意喚起をすることができる。
【0058】
ところで、上述の実施例1では、警告音の発生で歩行者10に注意喚起を促したが、聴覚の不自由な歩行者10に対する注意喚起や、一般の歩行者へのさらなる注意喚起を促す場合には前照灯の利用が有効である。
【0059】
そこで、実施例1の変形例として、図1において、出力処理手段であるレーダ処理部30の出力を前照灯点灯手段である前照灯処理部70に入力して、前照灯を点灯する前照灯装置である前照灯80を制御するようにしている。
【0060】
図4から図7の車両60と歩行者10の位置関係の図から、歩行者10が車両を視覚で認識できる図4と図7の場合には前照灯の処理は実行せず、歩行者10が車両を視覚で認識しない図5と図6において、警報音の音量中を発生させると同時に前照灯処理部70により前照灯80を点滅させるようにしている。
【0061】
なお、警報音の音量の発生と、前照灯の点灯の発生の組み合わせは、この限りではない。対象物までの距離や相対速度の関係、更には自車前方の環境情報に基づいて、警報音発生と前照灯点灯とを併用しても、一方のみでも良い。
【0062】
なお、この変形例では、車両60に対して、対向車両が存在する場合には伝達信号と受け取られる可能性がある。
【0063】
そこで、対向車両を車載レーダ20がミリ波レーダの場合では反射率で、レーザレーダなら左右のリフレフタ結果から検出して歩行者との区別を行い、対向車両がある場合には前照灯80の点滅をしないようにしている。
【0064】
図8は車両の警報装置の実施例2を示し、車両60と車載レーダ20の照射角内における対象物(人)10の位置関係を示す図であり、車両60が直進走行から舵角θsで進路変更をした場合であり、直進走行を点線で、舵角θsで進路変更を実線で示している。
【0065】
図8において直進走行では、地点P1及びP2の対象物(人)10は認識されないので警告音の発生はないが、舵角θsで進路変更すると、地点P1の対象物(人)10は所定範囲Wset内に認識され、地点P2の対象物(人)10は車載レーダの照射角内で認識される。
【0066】
ところで、舵角θsで進路変更して認識した対象物(人)は、が突然車両の前方に位置することになるので、実施例2では実施例1に追加される処理をするようにしている。
【0067】
そこで、車両60の前方に設定する設定距離をDset03とDset04とし、所定範囲Wset内で認識する設定距離Dset03は、直進走行の設定距離Dset01より短くし、また、車載レーダの照射角内で認識する設定距離Dset04を設けるようにしている。つまり上記した第1の領域及び第2の領域は、車両の進路変更による舵角θsによって変更する。
【0068】
舵角θsで進路変更して設定距離Dset03内の地点P1の対象物(人)10に対しては、警告音の音量大で注意喚起をし、設定距離Dset04内の地点P2の対象物(人)に対しては、警告音の音量を中又は小で注意喚起をするようにしている。
【0069】
なお、地点P2の対象物(人)に対しては、図2のステップS109,S111の相対速度Vrtargetと車両速度Vspの比較から警告音の中又は小を選択するようにしている。
【0070】
なお、舵角θsは、舵角センサ等の舵角検出手段により検出される。
【0071】
図8は、舵角θsを一例で示した実施例であるが、舵角θsの値によって設定距離Dset03とDset04は変更することもでき、舵角θsの値が大きい場合は設定距離Dset03とDset04を小さく、舵角θsの値が小さい場合は設定距離Dset03とDset04を大きくする。
【0072】
図8では、設定距離Dset03とDset04は2つの設定値で示しているがこれに限られるものではなく、舵角θsの値と所定の関係で連続的に可変させることもでき、また、所定範囲Wsetについても1つの設定値に限られるものではない。
【0073】
実施例2では、車両60が進路変更した場合、直進走行に比べて警告音の音量を適切に発生して対象物(人)への注意喚起をすると共に、警告音の音量も段階的に可変でき、車両60の周辺において、静粛性を向上させる効果もある。
【0074】
図9は車両の警報装置の実施例3を示し、車両60と道路標示の白線90と対象物(人)10の位置関係を示す図であり、車載レーダ20の照射角内において、対象物(人)10が地点P3のように白線90より車道側に位置する場合と地点P4のように白線90より歩道側に位置する場合を示している。
【0075】
対象物(人)10が所定範囲Wset外の地点P3では、車道を横断する可能性が高いため、実施例1の図5〜図7で説明した警告音の音量より大きい音量の警告音を発生させ、対象物(人)10が地点P4では、実施例1の図5〜図7で説明した警告音の音量にしている。
【0076】
実施例3では、白線90より車道側の対象物(人)10に対して歩道側に対象物がいる場合に比べ警告音の音量を大きくすることで、注意喚起を効果的にすることができる。
【0077】
図10は警告音発生処理(ステップ100)の実施例4を示すフローであり、図2と同一ステップは同一符号で示し、同一ステップについては説明を省略する。
【0078】
図10では、対象物(人以外も含む)10に対する警告音の音量が、図2に示したステップS107の所定範囲Wset内で、ステップS105の距離Dtargetが設定距離Dset01以下で警告音の音量大を発生させる以外の警告音の音量について、ステップS120の対象物10までの距離Dtargetと相対速度Vrtargetの組合せで警告音の音量を選択するようにしている。
【0079】
図11はステップS120の処理内容、図12は図10の処理フローにおける車両60と車載レーダの照射角内の対象物(人以外も含む)の位置関係を示す図であり、図3と同一部分は同一符号で示している。
【0080】
図11において、横欄の項目(NO1〜6)は相対速度Vrtargetと車両速度Vspと、相対速度Vrtargetと設定相対速度(VDel1とVDel2)の比較式、縦欄の項目は距離Dtargetと設定距離(Dset11とDset12とDset13とDset02)の比較式であり、横欄と縦欄の組合せで警告音の大きさが決定される。
【0081】
NO1は、対象物10が他車両で、車両60との相対速度Vrtargetが0、すなわち、一定距離を保って走行している場合であり、距離Dtargetに関係なく警告音は発生しない。
【0082】
NO2は、対象物10が歩行者で車両60に背を向けて離れていく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vspより小さい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0083】
NO3は、対象物10が歩行者で止まっており相対速度Vrtargetと車両速度Vspが等しい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0084】
NO4は、対象物10が歩行者で車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vspと設定値VDel1小さい場合であり、図12に示すように車両60から最も近い設定距離Dset13以内で警告音小を発生させる。設定値VDel1は歩行者の歩行速度を想定した値である。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0085】
NO3はステップS109のYES判定、NO4はステップS111のNO判定に該当し、図12に示す設定距離Dset13が設定距離Dset01に相当する。
【0086】
NO5は、対象物10が自転車で車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vsp+設定値VDel1より大きく、車両速度Vsp+設定値VDel2より小さい場合であり、図12に示すように車両が設定距離Dset12から設定距離Dset13の範囲内で警告音小、設定距離Dset13以内で警告音中を発生させる。設定値VDel2は自転車の走行速度を想定した値である。それ以外の場合は、警告音は発生しない。
【0087】
NO5では、歩行者に比べて早い速度で車両60に近づくので、早めに警告音を発生させるようにしている。
【0088】
NO6は、対象物10がバイクで車両60に向かって近づく方向に歩行して相対速度Vrtargetが車両速度Vsp+設定値VDel2より大きい場合であり、図12に示すように車両60が設定距離Dset11から設定距離Dset12の範囲内で警告音小、設定距離Dset12から設定距離Dset13の範囲内で警告音中、設定距離Dset13以内で警告音大を発生させる。設定値VDel2以上はバイクの走行速度を想定した値である。距離Dtargetが設定距離Dset11より大きい場合と、距離Dtargetが設定距離Dset12より小さい場合は、警告音は発生しない。
【0089】
NO6では、自転車に比べて早い速度で車両60に近づくので、さらに早めに警告音を発生させるようにしている。
【0090】
図11では、歩行者より早く車両60から離れる自転車やバイクについては、NO2が成立するので、設定距離Dset13の範囲内で警告音中を発生させる。
【0091】
図11の組合せはこれに限られるものではなく、対象物10との相対速度Vrtargetと距離によって警告音の発生、音量の大きさを変えることもできる。
【0092】
実施例4では、対象物10との相対速度Vrtargetによって対象物10の特定ができ、また、前方距離との組合せで警告音の音量の大きさを決めるので、対象物10への注意喚起が適切に行われると同時に、警告音の音量が可変できるので車両60の周辺において、静粛性を向上させる効果もある。
【0093】
本発明は車両の周辺の静粛性を向上させる目的を有する車両の警報装置であり、対象物(人)10が車両60の接近に気が付く場合には、警報音の音量を小さく、また警報音を発生させない他の変形形態も含まれる。
【0094】
対象物(人)10が車両60の接近に気が付く1例として、車両の前照灯装置である前照灯80の点灯がある。前照灯80の照射角は車載レーダ20の照射角よりはるかに広いので、車載レーダ20による対象物(人)10の認識以前に車両60の接近を認識できることから、車両の前照灯80の点灯時では警告音を発生させないようにする。
【0095】
なお、車両60の前照灯80の点灯時にもかかわらず、対象物(人)10が図4に示したように所定範囲Wset内を認識した場合は、警告音を発生させるようにすることで対象物(人10)への注意喚起をするようにもできる。
【0096】
この例によれば、特に夜間時において、車両60の周辺の静粛性を格段に向上させることができる。
【0097】
ところで、車両60の走行中にアクセルを踏み込んで加速した場合には、周辺の対象物(人)10が特に危険に晒される。
【0098】
エンジン車両においては、アクセルを踏み込むことでエンジン音が大きくなり、運転者が意識することなしに周辺の対象物(人)10に対して注意喚起を促すことができた。
【0099】
そこで、実施例1において、アクセルの踏み込みが現在の開度より所定変化分大きくなった場合、つまり車両のスロットル開度が所定の増加分を越えた場合には、図2のステップS108,ステップS110,ステップS112の警告音の音量を、所定音量だけ上乗せした大きな音量(警告音を予め設定された音量より大きい音量)で注意喚起をより高くすることができる。
【0100】
上述した実施例や変形例では、対象物10までの距離Dtargetと相対速度相対速度Vrtargetは車載レーダ20で検出する例で説明したが、検出装置は、車載レーダ20に代えて車載カメラでも良い。
【0101】
一例として、車載カメラで対象物10までの距離と取得画像から車両60の走行速度から対象物10が止まっている場合の取得画像の大きさを推定し、推定画像と取得画像が等しい場合には対象物10が止まっているか前方を横切っているかの判断,推定画像に比較して小さい取得画像の場合には対象物10が車両に背を向けて遠ざかる判断,推定画像に比較して大きい取得画像の場合には対象物10が車両に向かって近づく判断とすることで、図2のステップS109,S111の判断に代えることができる。
【0102】
車載カメラでは対象物10の形状判断をすることができるので、人(歩行者)をより正確に認識するのでより効果的な注意喚起をすることができる。
【0103】
また、人(歩行者)10の大小関係を認識することにより、子供の歩行者に対しては、警告音の音量を上乗せして大きな音量を発生させることもできる。
【0104】
さらに、実施例3の白線90の認識についても車載カメラで判断するようにでき、さらに白線が横断歩道標示や横断歩道前の停止線を認識した場合には、横断歩道上の対象物に対しては警告音を発生させないようにすることもできる。この場合、さらに車両進行方向の信号機の信号色を受信し、青信号では警告音を発生させないが、黄,赤信号では警告音の音量を上乗せして大きな音量を発生させることもできる。つまり、横断歩道の道路標示を認識する道路標示認識手段(車載カメラ等)を用いて、警告発生手段である警告音選択部40は、横断が許可され、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音を発生する信号を出力せず、横断が不許可で、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音の音量を設定音量より大きい信号として出力することもできる。
【0105】
なお、車載カメラと車載レーダ20を共に搭載された車両60においては、それぞれの特徴的な検出値や判断や処理の容易さや迅速さで組合せることができ、対象物10に対してより効果的な注意喚起をすることができる。
【0106】
上述した実施例の警告音は、単一音,メロディー音,擬似エンジン音,断続音等、また音量に代えて周波数の変化,前述の警告音の時間変化等を含むものである。
【0107】
本発明の車両の警報装置では、当然のことながら車両60が停車中、又は、予め定めた設定値以下においては警告音の発生処理は実行されず、また、車両60の走行速度に予め閾値を設定し、閾値以上の走行速度で警告音の発生処理を実行するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0108】
10 対象物
20 車載レーダ
30 レーダ処理部
40 警告音選択部
50 警告音発生部
60 車両
70 前照灯処理部
80 前照灯
90 白線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出装置によって検出された車両前方の対象物と前記車両との相対速度を算出する出力処理手段と、
算出された前記相対速度が自車両の速度より小さい場合は第1の警告音、大きい場合は前記第1の警告音より小さい第2の警告音を発生させる信号を出力する警告発生手段と、
を有する車両の警報装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記対象物までの距離を算出し、
前記警告発生手段は、前記距離が予め設定された車両前方距離内の場合、前記第1の警告音又は前記第2警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記車両前方距離内において、第1の領域と、前記第1の領域内の第2の領域と、を設定し、
前記警告発生手段は、前記対象物が前記第2の領域では、前記第1の警告音より大きい第3の警告音、前記第2の領域を除く前記第1の領域では、前記第1の警告音又は前記第2の警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項4】
請求項3記載の車両の警報装置において、
前記第1の領域は、前記検出装置で検出可能な範囲内にあり、
前記第2の領域は、前記車両の走行方向の中心から所定の範囲内にある車両の警報装置。
【請求項5】
請求項3記載の車両の警報装置において、
前記第1の領域と前記第2の領域は、車両の進路変更による舵角によって変更される車両の警報装置。
【請求項6】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記第1の警告音と前記第2の警告音は、前記対象物の位置が車線を示す白線から歩道側と車道側で音量が異なり、前記歩道側に比較して車道側が音量を大きく設定される車両の警報装置。
【請求項7】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記車両前方距離は、複数の範囲で設定され、
前記相対速度は複数の範囲に分割され、対象物の位置と動きの組み合わせによって警告音を選択する車両の警報装置。
【請求項8】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記第1の警告音と前記第2の警告音は、車両のスロットル開度が所定の増加分を越えた場合には警告音を予め設定された音量より大きく設定される車両の警報装置。
【請求項9】
請求項2記載の車両の警報装置において、
前記車両前方距離は、前記車両の速度と予め設定された所定時間により算出される車両の警報装置。
【請求項10】
請求項2記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記車両の速度から前記対象物に達するまでの時間を算出し、
前記警告発生手段は、前記時間が予め設定された所定時間内において前記第1の警告音又は第2の警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項11】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段にて算出された前記相対速度と自車両の速度に基づいて、前照灯を点灯させる信号を出力する前照灯点灯手段を有する車両の警報装置。
【請求項12】
請求項11記載の車両の警報装置において、
前記前照灯を点灯させる信号は、点滅させる信号である車両の警報装置。
【請求項13】
請求項3記載の車両の警報装置において、
横断歩道の道路標示を認識する道路標示認識手段を有し、
前記対象物が歩行者の場合、
前記警告発生手段は、
前記道路標示認識手段で横断が許可され、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音を発生する信号を出力せず、
前記道路標示認識手段で横断が不許可で、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、前記警告音の音量を設定音量より大きい信号として出力する車両の警報装置。
【請求項14】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記車両の速度が予め定めた設定値以下では、全ての警告音の音量を0と設定される車両の警報装置。
【請求項15】
請求項1記載の車両の警報装置と、
車両前方の対象物を検出する検出装置と、
前記警告音を発生させる信号に基づいて警告音を発生する警告音発生装置と、
を有する車両。
【請求項16】
請求項15記載の車両において、
前記検出装置は、車両に搭載されたレーダである車両。
【請求項17】
請求項15記載の車両において、
前記検出装置は、車両に搭載されたカメラである車両。
【請求項18】
請求項15記載の車両において、
前記車両の警報装置は、前記出力処理手段にて算出された前記相対速度と自車両の速度に基づいて、前照灯を点灯させる信号を出力する前照灯点灯手段を有し、
前記前照灯点灯手段で出力された前照灯を点灯させる信号に基づいて点灯させる前照灯装置と、を有する車両。
【請求項1】
検出装置によって検出された車両前方の対象物と前記車両との相対速度を算出する出力処理手段と、
算出された前記相対速度が自車両の速度より小さい場合は第1の警告音、大きい場合は前記第1の警告音より小さい第2の警告音を発生させる信号を出力する警告発生手段と、
を有する車両の警報装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記対象物までの距離を算出し、
前記警告発生手段は、前記距離が予め設定された車両前方距離内の場合、前記第1の警告音又は前記第2警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記車両前方距離内において、第1の領域と、前記第1の領域内の第2の領域と、を設定し、
前記警告発生手段は、前記対象物が前記第2の領域では、前記第1の警告音より大きい第3の警告音、前記第2の領域を除く前記第1の領域では、前記第1の警告音又は前記第2の警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項4】
請求項3記載の車両の警報装置において、
前記第1の領域は、前記検出装置で検出可能な範囲内にあり、
前記第2の領域は、前記車両の走行方向の中心から所定の範囲内にある車両の警報装置。
【請求項5】
請求項3記載の車両の警報装置において、
前記第1の領域と前記第2の領域は、車両の進路変更による舵角によって変更される車両の警報装置。
【請求項6】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記第1の警告音と前記第2の警告音は、前記対象物の位置が車線を示す白線から歩道側と車道側で音量が異なり、前記歩道側に比較して車道側が音量を大きく設定される車両の警報装置。
【請求項7】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記車両前方距離は、複数の範囲で設定され、
前記相対速度は複数の範囲に分割され、対象物の位置と動きの組み合わせによって警告音を選択する車両の警報装置。
【請求項8】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記第1の警告音と前記第2の警告音は、車両のスロットル開度が所定の増加分を越えた場合には警告音を予め設定された音量より大きく設定される車両の警報装置。
【請求項9】
請求項2記載の車両の警報装置において、
前記車両前方距離は、前記車両の速度と予め設定された所定時間により算出される車両の警報装置。
【請求項10】
請求項2記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段は、前記車両の速度から前記対象物に達するまでの時間を算出し、
前記警告発生手段は、前記時間が予め設定された所定時間内において前記第1の警告音又は第2の警告音を発生させる信号を出力する車両の警報装置。
【請求項11】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記出力処理手段にて算出された前記相対速度と自車両の速度に基づいて、前照灯を点灯させる信号を出力する前照灯点灯手段を有する車両の警報装置。
【請求項12】
請求項11記載の車両の警報装置において、
前記前照灯を点灯させる信号は、点滅させる信号である車両の警報装置。
【請求項13】
請求項3記載の車両の警報装置において、
横断歩道の道路標示を認識する道路標示認識手段を有し、
前記対象物が歩行者の場合、
前記警告発生手段は、
前記道路標示認識手段で横断が許可され、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、警告音を発生する信号を出力せず、
前記道路標示認識手段で横断が不許可で、且つ横断歩道を歩行者が歩行していると認識された場合、前記警告音の音量を設定音量より大きい信号として出力する車両の警報装置。
【請求項14】
請求項1記載の車両の警報装置において、
前記車両の速度が予め定めた設定値以下では、全ての警告音の音量を0と設定される車両の警報装置。
【請求項15】
請求項1記載の車両の警報装置と、
車両前方の対象物を検出する検出装置と、
前記警告音を発生させる信号に基づいて警告音を発生する警告音発生装置と、
を有する車両。
【請求項16】
請求項15記載の車両において、
前記検出装置は、車両に搭載されたレーダである車両。
【請求項17】
請求項15記載の車両において、
前記検出装置は、車両に搭載されたカメラである車両。
【請求項18】
請求項15記載の車両において、
前記車両の警報装置は、前記出力処理手段にて算出された前記相対速度と自車両の速度に基づいて、前照灯を点灯させる信号を出力する前照灯点灯手段を有し、
前記前照灯点灯手段で出力された前照灯を点灯させる信号に基づいて点灯させる前照灯装置と、を有する車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−189916(P2011−189916A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−60107(P2010−60107)
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月17日(2010.3.17)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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