車両制御装置及び車両システム
【課題】ドライバがパニック状態に陥ったままブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏んでしまっても、駆動力を安全な領域で制御できるようにする。
【解決手段】入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する。
【解決手段】入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を制御する車両制御装置及び車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機を備えた車両では、ドライバがブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違え、停車状態から急発進したり、あるいは、走行中に減速しようとして、急加速することがある。
【0003】
このようなペダルの踏み間違えは非常に危険であり、最悪の場合は重大な事故に至る可能性がある。
【0004】
特に、低速走行域、および、停車時にブレーキペダルと間違えて、アクセルペダルを踏み込んでしまった場合には、速度の急変にドライバが対応できず、事故につながる可能性が高い。そのため、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを操作してしまった場合、車両に発生する駆動力の上昇を防止することが望まれている。
【0005】
そのようなブレーキペダルとアクセルペダルとの踏み間違えを防止するために、アクセルペダル上に載せた足のつま先を側方に動かすことによって作動する誤操作判断スイッチをアクセルペダルに設け、スイッチの操作が無ければ駆動力を上昇させない制御を行う従来技術が存在する(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、ドライバがパニックに陥った際は、無意識的に普段操作することの多いアクセル操作を行ってしまうという習性がある。そのため、係る特許文献1のように普段使用する加速装置に安全装置を設けても無意識的に加速操作を行ってしまい、加減速の操作誤りを防ぐには不十分である。
【0007】
また、車両の前後に障害物検出器を取り付け、ドライバが誤った加速操作を行っても事故にならないよう、駆動力を上昇させない制御を行う従来技術が存在する(特許文献2参照)。係る特許文献2を用いれば、ドライバが誤った加速操作を行っても障害物検出器の情報で駆動力を抑えるため事故を抑えることができ、問題が解決できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−240595号公報
【特許文献2】特開2006−188200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献2は、事故になる要因である人、壁、崖、車両などの様々な物体を全て検出しなければならないため、複数のセンサやカメラをいくつも組み合わせて障害物検出器としなければならない。更に、車両の前後方向に対して、悪天候下でも認識率を落とさず検出しなければ安全な車両制御ができず、コスト面からも現実的ではない。
【0010】
本発明は、以上の問題に鑑みて、ドライバがパニック状態に陥ったままブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏んでしまっても、駆動力を安全な領域で制御できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ドライバがパニック状態に陥ったままブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏んでしまっても、駆動力を安全な領域で制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る車両制御装置の制御方法の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る車両制御装置の走行状態の判定処理フローの一例を示す図である。
【図3】図2の停車状態への遷移条件を説明する図である。
【図4】図2のクリープ走行状態への遷移条件を説明する図である。
【図5】図2の通常走行状態への遷移条件を説明する図である。
【図6】本発明に係る車両制御装置の駆動力の算出処理フローの一例を示す図である。
【図7】図6のクリープ走行状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図8】図6の停車状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図9】図6の通常走行状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図10】本発明に係る車両制御装置の駆動力切替処理フローの一例を示す図である。
【図11】図10の駆動力カット条件を説明する図である。
【図12】本発明に係る車両制御装置を用いた車両システムの一例を示した図である。
【図13】本発明のクリープ手段の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の、本発明に係る車両制御装置を用いた車両システムの一例について図12を用いて説明する。
【0015】
車両制御装置である制御装置(14)は、アクセルペダル踏込情報を出力するアクセルペダル(11)、クリープ走行情報(例えば、クリープ走行のON/OFF情報)を出力するクリープ手段(12)、ブレーキペダル(13)、からのドライバの操作要求と、自車速情報を検知する車速検知手段である速度センサ(16)から得た自車速を元に、駆動装置(15)と制動装置(17)に対して、タイヤ(18)に加えるべき駆動力値(以下、要求駆動力)を送信することで車両を制御する。
【0016】
アクセルペダル(11)には、ドライバのアクセルペダル踏込量を検知するアクセルセンサが取り付けられており、アクセルペダル踏込量を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0017】
既存車両に無いドライバインターフェースとしてクリープ手段(12)を追加するが、クリープ手段(12)としては、以下案1、案2のようなドライバインターフェースを設定する。
【0018】
案1として、図13に示すようにマニュアルトランスミッション車のクラッチペダルを設置する位置にクリープペダル(12a)を取り付けて、クリープ手段として用いる。
【0019】
案2として、ドライバが手で操作し、操作中だけONとなる形式のスイッチ(モーメンタリ式スイッチ)であり、走行中に操作することのないスイッチを流用する(例:電気制御シフトレバーのD・Rレンジ操作、電気制御パーキングブレーキのリリース操作、クルーズコントロール用に取り付けられた加速用ステアリングスイッチなど)。
【0020】
そして、スイッチのON状態を検出するセンサを持っており、信号線を介して制御装置(14)にクリープ手段のON/OFFを送信する。
【0021】
ブレーキペダル(13)には、ドライバのブレーキ踏み操作を検知するためのセンサが取り付けられており、ドライバブレーキの有無を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0022】
車速検知手段である速度センサ(16)は、タイヤ(18)の単位時間辺りの回転数を監視し、自車両の速度を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0023】
駆動装置(15)は、制御装置(14)と信号線を介して接続されており、制御装置(14)の処理(図10:S93)にて設定した要求駆動力に基づいて車両に発生する駆動力を発生させる機構を持つ(例えば、エンジンのスロットル開度を制御、モーターに与える電圧を制御する)。更に、現在発生させている駆動力を制御装置(14)に送信する機構を備え、制御装置(14)にて要求駆動力のフィードバック演算を行えることが望ましい。
【0024】
制動装置(17)は、制御装置(14)と信号線を介して接続されており、制御装置(14)の処理(図10:S93)にて設定した要求駆動力に基づいて車両に発生する制動力を発生させる機構を持つ(例えばディスクブレーキに与えるパッドの圧力を制御)。更に、現在発生させている制動力を制御装置(14)に送信する機構を備え、制御装置(14)にて要求駆動力のフィードバック演算を行えることが望ましい。
【0025】
制御装置(14)は以下に示す制御方法を用いて、要求駆動力を算出し、算出された要求駆動力を駆動装置(15)と制動装置(17)に送信する機構を持つ。
【0026】
以下、図を用いて、本発明の車両制御装置である制御装置(14)が行う制御方法を説明する。
【0027】
図1に示すのが、制御装置(14)が行う制御方法の最も大きい枠組みであり、走行状態の判定処理(ステップS1)と、走行状態に応じた要求駆動力の算出(ステップS2)に分かれている。
【0028】
図1の制御装置(14)の走行状態の判定処理(ステップS1)の詳細フローを図2に示している。
【0029】
まず、停車状態への遷移条件(ステップS11)を判定し、成立した時は走行状態を停車状態にする(ステップS14)。非成立の時は、クリープ走行状態への遷移条件(ステップS12)を判定し、成立した場合は、走行状態をクリープ走行状態にする(ステップS15)。非成立の時は、通常走行状態への遷移条件(ステップS13)を判定し、成立した場合は、走行状態を通常走行状態にする(ステップS16)。非成立時は、走行状態の変更を行わず、前回の走行状態のままとする(ステップS17)。
【0030】
停車状態への遷移条件は図3に示すように自車速情報で自車速がゼロ(ステップS111)且つ予め記憶された前回の自車速がゼロでない(ステップS112)状態となっている時に成立(ステップS113)し、それ以外の場合は非成立(ステップ114)とする。つまり、停止状態判定手段にて、入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0031】
クリープ走行状態への遷移条件は図4に示すように、自車速情報で自車速がゼロ(ステップS121)且つクリープ手段がON(ステップS122)の状態(クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合)となっている時に、成立(ステップS123)し、それ以外の場合は非成立(ステップ124)とする。つまり、クリープ走行判定手段にて、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0032】
通常走行状態への遷移条件は図5に示すように、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ閾値(ドライバが自車が走行していることを感知することができて、且つ、車両が直ちに停止することができるような車速として設定される10km/h前後の閾値)より大(ステップS131)且つ、クリープ手段がON(ステップS132)(クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合)且つ、アクセルペダル踏込情報でアクセルペダルがON(S133)の状態となっている時に、成立(ステップS134)し、それ以外の場合は非成立(ステップ135)とする。つまり、通常走行判定手段にて、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0033】
次に、図1の制御装置(14)の駆動力の算出処理(ステップS2)の詳細フローを図6に示している。
【0034】
駆動力の算出処理(ステップS2)では、走行状態の判定処理で判定した走行状態(ステップS21)、つまり、クリープ走行状態、停車状態、通常走行状態によって、要求駆動力の算出処理(ステップS26、S27、S28)を切り替える。つまり、要求駆動力算出手段にて、上述した停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出している。
【0035】
クリープ走行状態での要求駆動力計算を図7に示す。
走行状態がクリープ走行状態では、アクセルペダルの操作によらず、自車速が予め定めたクリープ下限車速より小さい場合(ステップS61)は、要求駆動力を増加(ステップS63)させ、自車速が予め定めたクリープ上限車速より大きい場合(ステップS62)は要求駆動力を減少(ステップS64)させる。自車速がクリープ下限車速からクリープ上限車速の間に納まっている場合は要求駆動力を維持(ステップS65)する。つまり、要求駆動力算出手段は、クリープ走行状態の場合、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値より小さい場合は、要求駆動力を増加させ、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上、且つ自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の上限車速値より大きい場合は、要求駆動力を減少させ、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上で、上限車速値以下の場合は、要求駆動力を維持する。
【0036】
この時に閾値として使用されるクリープ上限車速、及び、クリープ下限車速とは、クリープ閾値に対して、ヒステリシスを考慮した不感帯の設定値とし、搭載されているセンサや制御対象の応答性能に応じて、クリープ上限車速にはクリープ閾値+0〜2km/h、クリープ下限車速にはクリープ閾値−0〜2km/hを設定値とすることが望ましい。そして、算出された要求駆動力に対して、リミット処理(ステップS66)を行う、つまり、予め定めた上下限駆動力の範囲内で要求駆動力が算出され、加減速しすぎないようにする。
【0037】
停車状態での要求駆動力計算を図8に示す。停車状態では、要求駆動力をゼロ(ステップS71)にする。
【0038】
通常走行状態での要求駆動力計算を図9に示す。要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、アクセルペダル踏込情報に基づいて、予め定めた上下限駆動力の範囲内で、要求駆動力が算出される。
【0039】
具体的には、通常走行状態では、アクセルペダルの踏み込み量に応じて要求駆動力を算出(ステップS81)する。そして算出された要求駆動力に対して、リミット処理(ステップS82)を行う、つまり、予め定めた上下限駆動力の範囲内で要求駆動力が算出され、加速しすぎないようにする。
【0040】
こうして算出された要求駆動力に対して、駆動力切替処理を行って実際に発生させる駆動力を算出(ステップS29)する。
【0041】
駆動力切替処理の内容を図10に示す。駆動力の切替処理では、駆動力カット条件を判定(S91)し、カット条件が成立している時は、駆動装置の駆動力をカット(S92)させる。カット条件が成立していない時は、算出された要求駆動力を駆動装置に発生(S93)させる。駆動装置に要求駆動力を発生させる際は、LPF処理や、変化率リミット処理を行い、急激に駆動力が変化しない構成とすることが望ましい。
【0042】
駆動力カット条件(S91)を図11に示す。駆動力のカット条件は、下記に記載したような、車両に駆動力を発生させることで事故を招く恐れがある要因のいずれかが成立している時に成立(ステップS918)する。すべて成立しない時に非成立する(ステップS917)。
・ ブレーキペダルを踏んでいる(ステップS911)
・ ギアがドライブレンジかリバースレンジに入っていない(ステップS912)
・ パーキングブレーキが作動している(ステップS913)
・ ドアが開いている(ステップS914)
・ 要求駆動力が一定値を超えていない(ステップS915)
・ ABSなどのブレーキ制御装置が作動している(ステップS916)
以上のように、ドライバがパニックに陥った際は、無意識的に普段操作することの多いアクセル操作を行ってしまうという習性があるが、本発明では、安全装置をクリープ走行時からアクセルペダルによる加速時にのみ設けているため、普段操作することの多いアクセル操作を行っても、クリープ車速までしか加速しないため、車両が暴走しない。更に、クリープ手段の設定方法によっては、シフトレバーやステアリングスイッチを流用できるため、電子制御化されている車両であればコスト増加無しに本発明を適応させることができる。
【0043】
また、停車と低速走行を繰り返す時はクリープ手段による操作のみで走行させて、アクセルペダルによる操作を無効化させているため、低速走行時は足をアクセルペダルに乗せないよう習慣付けることができ、潜在的に低速時にブレーキと誤ってアクセルを操作してしまう確率を下げることができる。
【符号の説明】
【0044】
11 アクセルペダル
12 クリープ手段
13 ブレーキペダル
14 制御装置
15 駆動装置
16 速度センサ
17 制動装置
18 タイヤ
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両を制御する車両制御装置及び車両システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動変速機を備えた車両では、ドライバがブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違え、停車状態から急発進したり、あるいは、走行中に減速しようとして、急加速することがある。
【0003】
このようなペダルの踏み間違えは非常に危険であり、最悪の場合は重大な事故に至る可能性がある。
【0004】
特に、低速走行域、および、停車時にブレーキペダルと間違えて、アクセルペダルを踏み込んでしまった場合には、速度の急変にドライバが対応できず、事故につながる可能性が高い。そのため、ブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを操作してしまった場合、車両に発生する駆動力の上昇を防止することが望まれている。
【0005】
そのようなブレーキペダルとアクセルペダルとの踏み間違えを防止するために、アクセルペダル上に載せた足のつま先を側方に動かすことによって作動する誤操作判断スイッチをアクセルペダルに設け、スイッチの操作が無ければ駆動力を上昇させない制御を行う従来技術が存在する(特許文献1参照)。
【0006】
しかし、ドライバがパニックに陥った際は、無意識的に普段操作することの多いアクセル操作を行ってしまうという習性がある。そのため、係る特許文献1のように普段使用する加速装置に安全装置を設けても無意識的に加速操作を行ってしまい、加減速の操作誤りを防ぐには不十分である。
【0007】
また、車両の前後に障害物検出器を取り付け、ドライバが誤った加速操作を行っても事故にならないよう、駆動力を上昇させない制御を行う従来技術が存在する(特許文献2参照)。係る特許文献2を用いれば、ドライバが誤った加速操作を行っても障害物検出器の情報で駆動力を抑えるため事故を抑えることができ、問題が解決できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−240595号公報
【特許文献2】特開2006−188200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献2は、事故になる要因である人、壁、崖、車両などの様々な物体を全て検出しなければならないため、複数のセンサやカメラをいくつも組み合わせて障害物検出器としなければならない。更に、車両の前後方向に対して、悪天候下でも認識率を落とさず検出しなければ安全な車両制御ができず、コスト面からも現実的ではない。
【0010】
本発明は、以上の問題に鑑みて、ドライバがパニック状態に陥ったままブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏んでしまっても、駆動力を安全な領域で制御できるようにすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために、入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、ドライバがパニック状態に陥ったままブレーキペダルと間違えてアクセルペダルを踏んでしまっても、駆動力を安全な領域で制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る車両制御装置の制御方法の一例を示す図である。
【図2】本発明に係る車両制御装置の走行状態の判定処理フローの一例を示す図である。
【図3】図2の停車状態への遷移条件を説明する図である。
【図4】図2のクリープ走行状態への遷移条件を説明する図である。
【図5】図2の通常走行状態への遷移条件を説明する図である。
【図6】本発明に係る車両制御装置の駆動力の算出処理フローの一例を示す図である。
【図7】図6のクリープ走行状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図8】図6の停車状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図9】図6の通常走行状態での要求駆動力計算方法を示す図である。
【図10】本発明に係る車両制御装置の駆動力切替処理フローの一例を示す図である。
【図11】図10の駆動力カット条件を説明する図である。
【図12】本発明に係る車両制御装置を用いた車両システムの一例を示した図である。
【図13】本発明のクリープ手段の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の、本発明に係る車両制御装置を用いた車両システムの一例について図12を用いて説明する。
【0015】
車両制御装置である制御装置(14)は、アクセルペダル踏込情報を出力するアクセルペダル(11)、クリープ走行情報(例えば、クリープ走行のON/OFF情報)を出力するクリープ手段(12)、ブレーキペダル(13)、からのドライバの操作要求と、自車速情報を検知する車速検知手段である速度センサ(16)から得た自車速を元に、駆動装置(15)と制動装置(17)に対して、タイヤ(18)に加えるべき駆動力値(以下、要求駆動力)を送信することで車両を制御する。
【0016】
アクセルペダル(11)には、ドライバのアクセルペダル踏込量を検知するアクセルセンサが取り付けられており、アクセルペダル踏込量を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0017】
既存車両に無いドライバインターフェースとしてクリープ手段(12)を追加するが、クリープ手段(12)としては、以下案1、案2のようなドライバインターフェースを設定する。
【0018】
案1として、図13に示すようにマニュアルトランスミッション車のクラッチペダルを設置する位置にクリープペダル(12a)を取り付けて、クリープ手段として用いる。
【0019】
案2として、ドライバが手で操作し、操作中だけONとなる形式のスイッチ(モーメンタリ式スイッチ)であり、走行中に操作することのないスイッチを流用する(例:電気制御シフトレバーのD・Rレンジ操作、電気制御パーキングブレーキのリリース操作、クルーズコントロール用に取り付けられた加速用ステアリングスイッチなど)。
【0020】
そして、スイッチのON状態を検出するセンサを持っており、信号線を介して制御装置(14)にクリープ手段のON/OFFを送信する。
【0021】
ブレーキペダル(13)には、ドライバのブレーキ踏み操作を検知するためのセンサが取り付けられており、ドライバブレーキの有無を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0022】
車速検知手段である速度センサ(16)は、タイヤ(18)の単位時間辺りの回転数を監視し、自車両の速度を信号線を介して制御装置(14)に送信する。
【0023】
駆動装置(15)は、制御装置(14)と信号線を介して接続されており、制御装置(14)の処理(図10:S93)にて設定した要求駆動力に基づいて車両に発生する駆動力を発生させる機構を持つ(例えば、エンジンのスロットル開度を制御、モーターに与える電圧を制御する)。更に、現在発生させている駆動力を制御装置(14)に送信する機構を備え、制御装置(14)にて要求駆動力のフィードバック演算を行えることが望ましい。
【0024】
制動装置(17)は、制御装置(14)と信号線を介して接続されており、制御装置(14)の処理(図10:S93)にて設定した要求駆動力に基づいて車両に発生する制動力を発生させる機構を持つ(例えばディスクブレーキに与えるパッドの圧力を制御)。更に、現在発生させている制動力を制御装置(14)に送信する機構を備え、制御装置(14)にて要求駆動力のフィードバック演算を行えることが望ましい。
【0025】
制御装置(14)は以下に示す制御方法を用いて、要求駆動力を算出し、算出された要求駆動力を駆動装置(15)と制動装置(17)に送信する機構を持つ。
【0026】
以下、図を用いて、本発明の車両制御装置である制御装置(14)が行う制御方法を説明する。
【0027】
図1に示すのが、制御装置(14)が行う制御方法の最も大きい枠組みであり、走行状態の判定処理(ステップS1)と、走行状態に応じた要求駆動力の算出(ステップS2)に分かれている。
【0028】
図1の制御装置(14)の走行状態の判定処理(ステップS1)の詳細フローを図2に示している。
【0029】
まず、停車状態への遷移条件(ステップS11)を判定し、成立した時は走行状態を停車状態にする(ステップS14)。非成立の時は、クリープ走行状態への遷移条件(ステップS12)を判定し、成立した場合は、走行状態をクリープ走行状態にする(ステップS15)。非成立の時は、通常走行状態への遷移条件(ステップS13)を判定し、成立した場合は、走行状態を通常走行状態にする(ステップS16)。非成立時は、走行状態の変更を行わず、前回の走行状態のままとする(ステップS17)。
【0030】
停車状態への遷移条件は図3に示すように自車速情報で自車速がゼロ(ステップS111)且つ予め記憶された前回の自車速がゼロでない(ステップS112)状態となっている時に成立(ステップS113)し、それ以外の場合は非成立(ステップ114)とする。つまり、停止状態判定手段にて、入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0031】
クリープ走行状態への遷移条件は図4に示すように、自車速情報で自車速がゼロ(ステップS121)且つクリープ手段がON(ステップS122)の状態(クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合)となっている時に、成立(ステップS123)し、それ以外の場合は非成立(ステップ124)とする。つまり、クリープ走行判定手段にて、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0032】
通常走行状態への遷移条件は図5に示すように、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ閾値(ドライバが自車が走行していることを感知することができて、且つ、車両が直ちに停止することができるような車速として設定される10km/h前後の閾値)より大(ステップS131)且つ、クリープ手段がON(ステップS132)(クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合)且つ、アクセルペダル踏込情報でアクセルペダルがON(S133)の状態となっている時に、成立(ステップS134)し、それ以外の場合は非成立(ステップ135)とする。つまり、通常走行判定手段にて、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定している。
【0033】
次に、図1の制御装置(14)の駆動力の算出処理(ステップS2)の詳細フローを図6に示している。
【0034】
駆動力の算出処理(ステップS2)では、走行状態の判定処理で判定した走行状態(ステップS21)、つまり、クリープ走行状態、停車状態、通常走行状態によって、要求駆動力の算出処理(ステップS26、S27、S28)を切り替える。つまり、要求駆動力算出手段にて、上述した停止状態判定手段とクリープ走行判定手段と通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出している。
【0035】
クリープ走行状態での要求駆動力計算を図7に示す。
走行状態がクリープ走行状態では、アクセルペダルの操作によらず、自車速が予め定めたクリープ下限車速より小さい場合(ステップS61)は、要求駆動力を増加(ステップS63)させ、自車速が予め定めたクリープ上限車速より大きい場合(ステップS62)は要求駆動力を減少(ステップS64)させる。自車速がクリープ下限車速からクリープ上限車速の間に納まっている場合は要求駆動力を維持(ステップS65)する。つまり、要求駆動力算出手段は、クリープ走行状態の場合、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値より小さい場合は、要求駆動力を増加させ、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上、且つ自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の上限車速値より大きい場合は、要求駆動力を減少させ、自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上で、上限車速値以下の場合は、要求駆動力を維持する。
【0036】
この時に閾値として使用されるクリープ上限車速、及び、クリープ下限車速とは、クリープ閾値に対して、ヒステリシスを考慮した不感帯の設定値とし、搭載されているセンサや制御対象の応答性能に応じて、クリープ上限車速にはクリープ閾値+0〜2km/h、クリープ下限車速にはクリープ閾値−0〜2km/hを設定値とすることが望ましい。そして、算出された要求駆動力に対して、リミット処理(ステップS66)を行う、つまり、予め定めた上下限駆動力の範囲内で要求駆動力が算出され、加減速しすぎないようにする。
【0037】
停車状態での要求駆動力計算を図8に示す。停車状態では、要求駆動力をゼロ(ステップS71)にする。
【0038】
通常走行状態での要求駆動力計算を図9に示す。要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、アクセルペダル踏込情報に基づいて、予め定めた上下限駆動力の範囲内で、要求駆動力が算出される。
【0039】
具体的には、通常走行状態では、アクセルペダルの踏み込み量に応じて要求駆動力を算出(ステップS81)する。そして算出された要求駆動力に対して、リミット処理(ステップS82)を行う、つまり、予め定めた上下限駆動力の範囲内で要求駆動力が算出され、加速しすぎないようにする。
【0040】
こうして算出された要求駆動力に対して、駆動力切替処理を行って実際に発生させる駆動力を算出(ステップS29)する。
【0041】
駆動力切替処理の内容を図10に示す。駆動力の切替処理では、駆動力カット条件を判定(S91)し、カット条件が成立している時は、駆動装置の駆動力をカット(S92)させる。カット条件が成立していない時は、算出された要求駆動力を駆動装置に発生(S93)させる。駆動装置に要求駆動力を発生させる際は、LPF処理や、変化率リミット処理を行い、急激に駆動力が変化しない構成とすることが望ましい。
【0042】
駆動力カット条件(S91)を図11に示す。駆動力のカット条件は、下記に記載したような、車両に駆動力を発生させることで事故を招く恐れがある要因のいずれかが成立している時に成立(ステップS918)する。すべて成立しない時に非成立する(ステップS917)。
・ ブレーキペダルを踏んでいる(ステップS911)
・ ギアがドライブレンジかリバースレンジに入っていない(ステップS912)
・ パーキングブレーキが作動している(ステップS913)
・ ドアが開いている(ステップS914)
・ 要求駆動力が一定値を超えていない(ステップS915)
・ ABSなどのブレーキ制御装置が作動している(ステップS916)
以上のように、ドライバがパニックに陥った際は、無意識的に普段操作することの多いアクセル操作を行ってしまうという習性があるが、本発明では、安全装置をクリープ走行時からアクセルペダルによる加速時にのみ設けているため、普段操作することの多いアクセル操作を行っても、クリープ車速までしか加速しないため、車両が暴走しない。更に、クリープ手段の設定方法によっては、シフトレバーやステアリングスイッチを流用できるため、電子制御化されている車両であればコスト増加無しに本発明を適応させることができる。
【0043】
また、停車と低速走行を繰り返す時はクリープ手段による操作のみで走行させて、アクセルペダルによる操作を無効化させているため、低速走行時は足をアクセルペダルに乗せないよう習慣付けることができ、潜在的に低速時にブレーキと誤ってアクセルを操作してしまう確率を下げることができる。
【符号の説明】
【0044】
11 アクセルペダル
12 クリープ手段
13 ブレーキペダル
14 制御装置
15 駆動装置
16 速度センサ
17 制動装置
18 タイヤ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、
前記停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、
前記クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、
前記停止状態判定手段と前記クリープ走行判定手段と前記通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する車両制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記停止状態判定手段は、前記自車速情報で自車速がゼロで、且つ予め記憶された前回の自車速がゼロではない場合、停止状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記クリープ走行判定手段は、前記自車速情報で自車速がゼロで、且つ前記クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合、クリープ走行状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記通常走行判定手段は、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の車速閾値より大きく、且つ前記クリープ走行情報がクリープ走行可を示し、且つ前記アクセルペダル踏込情報でアクセルペダルがゼロより大きい場合、通常走行状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態がクリープ走行状態の場合、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値より小さい場合は、要求駆動力を増加させ、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上、且つ前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の上限車速値より大きい場合は、要求駆動力を減少させ、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上で、上限車速値以下の場合は、要求駆動力を維持する車両制御装置。
【請求項6】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が停止状態の場合、要求駆動力をゼロにする車両制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、前記アクセルペダル踏込情報に基づいて要求駆動力を算出する車両制御装置。
【請求項8】
請求項7記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、予め定めた上下限駆動力の範囲内で、要求駆動力が算出される車両制御装置。
【請求項9】
自車速情報を検知する車速検知手段と、
クリープ走行情報を出力するクリープ手段と、
アクセルペダル踏込情報を出力するアクセルペダルと、
前記自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、前記停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、前記自車速情報と前記クリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、前記クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、前記自車速情報と前記クリープ走行情報と前記アクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、前記停止状態判定手段と前記クリープ走行判定手段と前記通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する制御装置と、
前記制御装置で算出された前記要求駆動力に基づいて車両に発生する駆動力を発生させる駆動装置と、
前記制御装置で算出された前記要求駆動力に基づいて車両に発生する制動力を発生させる制動装置と、を有する車両システム。
【請求項10】
請求項9記載の車両システムにおいて、
前記クリープ手段は、クリープペダルであり、前記クリープ走行情報としてクリープ走行のON/OFF情報を出力する車両システム。
【請求項11】
請求項9記載の車両システムにおいて、
前記クリープ手段は、ドライバが手動で操作可能な手段であり、前記クリープ走行情報としてクリープ走行のON/OFF情報を出力する車両システム。
【請求項1】
入力された自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、
前記停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、
前記クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、入力された自車速情報とクリープ走行情報とアクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、
前記停止状態判定手段と前記クリープ走行判定手段と前記通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する車両制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記停止状態判定手段は、前記自車速情報で自車速がゼロで、且つ予め記憶された前回の自車速がゼロではない場合、停止状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記クリープ走行判定手段は、前記自車速情報で自車速がゼロで、且つ前記クリープ走行情報がクリープ走行可を示した場合、クリープ走行状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記通常走行判定手段は、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の車速閾値より大きく、且つ前記クリープ走行情報がクリープ走行可を示し、且つ前記アクセルペダル踏込情報でアクセルペダルがゼロより大きい場合、通常走行状態へ遷移する車両制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態がクリープ走行状態の場合、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値より小さい場合は、要求駆動力を増加させ、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上、且つ前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の上限車速値より大きい場合は、要求駆動力を減少させ、前記自車速情報の自車速が予め定めたクリープ走行の下限車速値以上で、上限車速値以下の場合は、要求駆動力を維持する車両制御装置。
【請求項6】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が停止状態の場合、要求駆動力をゼロにする車両制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、前記アクセルペダル踏込情報に基づいて要求駆動力を算出する車両制御装置。
【請求項8】
請求項7記載の車両制御装置であって、
前記要求駆動力算出手段は、走行状態が通常走行状態の場合、予め定めた上下限駆動力の範囲内で、要求駆動力が算出される車両制御装置。
【請求項9】
自車速情報を検知する車速検知手段と、
クリープ走行情報を出力するクリープ手段と、
アクセルペダル踏込情報を出力するアクセルペダルと、
前記自車速情報から自車両が停止状態に遷移して良いか否かを判定する停止状態判定手段と、前記停止状態判定手段で停止状態に遷移しない場合、前記自車速情報と前記クリープ走行情報とからクリープ走行状態に遷移して良いか否かを判定するクリープ走行判定手段と、前記クリープ走行判定手段でクリープ走行状態に遷移しない場合、前記自車速情報と前記クリープ走行情報と前記アクセルペダル踏込情報から通常走行状態に遷移して良いか否かを判定する通常走行判定手段と、前記停止状態判定手段と前記クリープ走行判定手段と前記通常走行判定手段で判定された走行状態に基づいて、要求駆動力の算出処理方法を切り替え、要求駆動力を算出する要求駆動力算出手段と、を有する制御装置と、
前記制御装置で算出された前記要求駆動力に基づいて車両に発生する駆動力を発生させる駆動装置と、
前記制御装置で算出された前記要求駆動力に基づいて車両に発生する制動力を発生させる制動装置と、を有する車両システム。
【請求項10】
請求項9記載の車両システムにおいて、
前記クリープ手段は、クリープペダルであり、前記クリープ走行情報としてクリープ走行のON/OFF情報を出力する車両システム。
【請求項11】
請求項9記載の車両システムにおいて、
前記クリープ手段は、ドライバが手動で操作可能な手段であり、前記クリープ走行情報としてクリープ走行のON/OFF情報を出力する車両システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−87683(P2013−87683A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228428(P2011−228428)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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