説明

車両周辺撮像装置

【課題】 容易に着脱が可能であり、且つ、盗難に対して抑制機能を有する車両周辺撮像装置を提供する。
【解決手段】 撮像手段11は、車両周辺を振動に応じて撮像して映像データを出力する。映像送信手段13は、撮像手段11から出力された映像データを無線にて送信する。映像受信手段21は、映像送信手段13から送信された映像データを受信する。映像記録手段22は、映像受信手段21にて受信された映像データを記録する。表示切替え手段24は、映像受信手段21からの映像データと映像記録手段22からの映像データとの表示切替えを行う。車両動作判定手段23は、車両の動作状態に応じて映像受信手段21にて受信した映像データを映像記録部22に記録させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線送信された映像データにて車両の周辺を監視する車両周辺撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮像カメラを車両に設置して、車両の周辺を監視する車両周辺撮像装置が種々提案されており、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された車両周辺撮像装置は、磁石にて着脱自在な撮像カメラを用いるものであり、撮像カメラで撮像された映像データを無線にて送信する構成になっているため、映像データを伝送するためのケーブルが不要であり、容易に撮像カメラを設置することができるという利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許2901112号公報
【特許文献2】特開2001−301538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、撮像カメラが着脱自在であるため、撮像カメラが盗難に遭う虞があった。つまり、車両に設置された撮像カメラは、何ら工具を用いなくても外すことができるため、盗まれる蓋然性が高いという問題を有していた。
本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、容易に着脱が可能であり、且つ、盗難に対して抑制機能を有する車両周辺撮像装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記課題を解決するため、車両周辺を振動に応じて撮像して映像データを出力する撮像手段11と、前記撮像手段11から出力された前記映像データを無線にて送信する映像送信手段13と、前記映像送信手段13から送信された前記映像データを受信する映像受信手段21と、前記映像受信手段21にて受信された前記映像データを記録する映像記録手段22と、前記映像受信手段21からの前記映像データと前記映像記録手段22からの前記映像データとの表示切替えを行う表示切替え手段24と、を備えたものである。
【0006】
また、本発明は、車両の動作状態に応じて前記映像受信手段21にて受信した前記映像データを前記映像記録部22に記録させる車両動作判定手段23を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
盗難時に予想される振動に応じて撮像手段にて撮像データを送信して、その撮像データを記録する機能を設けたことにより、盗難を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態を示すブロック図。
【図2】同上実施形態を示すフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、添付図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0010】
車載無線カメラ10は、撮像部(撮像手段)11と、動作検出部12と、映像送信部(映像送信手段)13と、を有している。撮像部11は、CCD(Charge Coupled Device)若しくはCMOS(Complementary Metal-Oxide
Semiconductor)等の撮像素子からなり、車両の周辺を撮像して、映像送信部13に映像データを出力する。動作検出部12は、例えば加速度センサからなり、車載無線カメラ10の振動を検出する。映像送信部13は、無線LANからなり、撮像部11が出力した映像データを無線送信する。
【0011】
受信機器20は、映像受信部(映像受信手段)21と、映像記録部(映像記録手段)22と、車両動作判定部(車両動作判定手段)23と、表示切替え部(表示切替え手段)24と、表示部25とを有している。映像受信部21は、映像送信部13から送信された映像データを受信して、映像記録部22及び表示切替え部24に出力する。映像記録部22は、フラッシュROM若しくはHDD等からなるものであり、映像受信部21が出力した映像データを記録する。
【0012】
車両動作判定部23は、車両が動作中か否かを判定する。表示切替え部24は、トグルスイッチ若しくはプッシュスイッチ等の切替えスイッチ、または、映像記録部22に未表示の映像記録の有無等によって表示を切替えるソフト的なスイッチからなるものである。表示部25は、例えばTFT型液晶表示器からなるものであり、ドライバーが運転席から目視可能な位置に設置されている。
【0013】
図2は、車載無線カメラ10の動作開始から映像を表示するまでのフロー図である。先ず、車載無線カメラ10の動作検出部12が振動によって自己の動作開始のトリガを得たときに、車載無線カメラ10の撮像部11が撮像を開始する(ステップS1,S2)。次に、車載無線カメラ10の映像送信部13によって、先に撮像された映像データを受信機器20に送信する(ステップS3)。
【0014】
車載無線カメラ10の映像送信部13が送信した映像データは、受信機器20の映像受信部21によって受信される(ステップS4)。次に、車両動作判定部23によって車両が動作中か非動作中かを判定し(ステップS5)、動作中であればドライバーもしくは同乗者が車両内若しくは車両近辺に存在し、映像データを記録する必要がないため、映像データを記録しない。車両が非動作中の場合にはドライバー若しくは同乗者が車両内若しくは車両近辺に存在しない可能性が高いため、車載無線カメラ10から映像データが送信されてきた場合においては映像記録部22にて映像データを記録する(ステップS6)。
【0015】
ドライバーの操作若しくは映像記録状態等のソフト的な状態によって、表示切替え部24において実施される表示切替え状態を判定し(ステップS7)、受信映像表示状態の場合には車載無線カメラ10から受信された映像データを表示部25に出力して受信映像表示を行う(ステップS8)。表示切替え部24が記録映像表示状態の場合には、映像記録部22に記録されている映像データを表示部25に出力して記録映像表示を行う(ステップS9)。
【0016】
本実施形態によれば、車載無線カメラ10において自己の動作検出によって動作状態を判定し、映像データを送信すること及び受信機器20が車両動作判定を行うことによって記録及び表示を行うことが可能になり、盗難に対しての抑制機能を付加すること及び盗難時の映像データの記録を用いて盗難者を特定することができる。
【符号の説明】
【0017】
11 撮像部(撮像手段)
13 映像送信部(映像送信手段)
21 映像受信部(映像受信手段)
22 映像記録部(映像記録手段)
23 車両動作判定部(車両動作判定手段)
24 表示切替え部(表示切替え手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両周辺を振動に応じて撮像して映像データを出力する撮像手段と、前記撮像手段から出力された前記映像データを無線にて送信する映像送信手段と、前記映像送信手段から送信された前記映像データを受信する映像受信手段と、前記映像受信手段にて受信された前記映像データを記録する映像記録手段と、前記映像受信手段からの前記映像データと前記映像記録手段からの前記映像データとの表示切替えを行う表示切替え手段と、を備えたことを特徴とする車両周辺撮像装置。
【請求項2】
車両の動作状態に応じて前記映像受信手段にて受信した前記映像データを前記映像記録部に記録させる車両動作判定手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の車両周辺撮像装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−93436(P2011−93436A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249661(P2009−249661)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000231512)日本精機株式会社 (1,561)
【Fターム(参考)】