説明

車両情報生成装置、コンピュータプログラム及び車両情報生成方法

【課題】自車両及びその周辺車両などの対象車両の位置関係を示す車両情報を生成することができる車両情報生成装置、コンピュータプログラム及び車両情報生成方法を提供する。
【解決手段】車両感知器10は、計測地点を通過する車両の通過時刻、車頭時間間隔若しくは車尾時間間隔、車間時間又は存在時間などのデータを計測し、計測したデータを通信装置20へ出力する。車両情報生成装置は、通信装置20を介して受信した計測データに基づいて車両の位置関係を示す車両情報を生成する。各車両の位置は、例えば、車両の通過時刻と計測終了時刻との時間差に車両の速度を積算することで計測地点からの距離を求めることができる。また、計測地点と停止線との距離により各車両の停止線までの距離を求めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両及びその周辺車両などの対象車両の位置関係を示す車両情報を生成する車両情報生成装置、該車両情報生成装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラム及び車両情報生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載したビデオカメラ又は超音波センサ等の各種センサにより、自車両の周辺車両を含む周辺環境を検出して安全運転支援に活用するシステムが開発されている。しかし、自車両から見て死角となる範囲では、道路の状況を把握することができず、安全運転を支援するには不十分であった。
【0003】
そこで、前方の信号機のない交差点等で交差し、自車両から見て死角となる道路の状況をカメラで撮像し、撮像された画像情報に基づいて道路を移動する車両を認識し、認識した車両の位置を算出して、交差点の直上流を走行する自車両に送信する。自車両は、算出された車両の位置を車両内の画面に表示することにより、交差点での出合い頭衝突の防止に役立てるシステムが開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−215911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のシステムにあっては、自車両から見て死角となる領域から交差点などの所定の地点へ移動してくる他の車両の接近情報を提供するものであり、提供することができる情報は限られている。すなわち、例えば、自車両の周辺に多数の車両が走行している場合には、自車両から見て直ぐ前方の車両を視認できても、特許文献1のシステムでは、その前方車両の前方を走行する他の車両を視認することは困難である。
【0005】
一方で、交差点で安全に停止又は通過するためには、自車両の直近の前方車両だけでなく、その前方車両の前を走行する前々方車両の走行状況についても把握しなければならない場合がある。例えば、各車間距離が短い場合に急ブレーキを踏んだときには、前方車両の状況を視認するだけでは、ブレーキ操作が遅れて危険である。特に、青信号から黄信号又は黄信号から赤信号などの信号切り替わりタイミングでは、交差点で安全に停止又は通過できない事態となるおそれがある。
【0006】
また、自車両の位置検出に関する誤差、車両感知器等で車両を感知した際の計測処理又は通信処理に起因する計測時刻と自車両における現在時刻との時間差(時間ずれ)、装置間の時計(時刻)のずれ等により、自車両と計測車両との位置関係を含む相対関係を正確に認識できるとは限らない。特に、自車両に接近して他の車両が存在する場合、自車両と周辺車両との位置関係を正確に把握することが必要となる。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、自車両及びその周辺車両などの対象車両の位置関係を示す車両情報を生成することができる車両情報生成装置、該車両情報生成装置をコンピュータで実現するためのコンピュータプログラム及び車両情報生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明に係る車両情報生成装置は、1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成する車両情報生成装置であって、所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点を取得する通過時点取得手段と、前記対象車両の速度及び前記通過時点取得手段で取得した通過時点に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
第2発明に係る車両情報生成装置は、第1発明において、対象車両の速度を取得する速度取得手段と、前記所定時間の経過時点と前記通過時点取得手段で取得した通過時点との時間差を算出する時間差算出手段と、該時間差算出手段で算出した時間差及び対象車両の速度に基づいて、前記所定時間の経過時点での前記対象車両の前記所定地点からの位置を算出する位置算出手段とを備えることを特徴とする。
【0010】
第3発明に係る車両情報生成装置は、第1発明又は第2発明において、前記生成手段は、対象車両の速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る車両情報生成装置は、第1発明又は第2発明において、自車両の速度を取得する自車両速度取得手段と、該自車両速度取得手段で取得した自車両の速度に基づいて、対象車両のうち前記自車両を除く他の車両の速度を算出する速度算出手段を備え、前記生成手段は、前記自車両の速度及び前記速度算出手段で算出した他の車両の速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る車両情報生成装置は、第1発明又は第2発明において、対象車両の車高を取得する車高取得手段と、該車高取得手段で取得した車高に基づいて前記対象車両の車長を特定する車長特定手段と、対象車両が前記所定地点を通過するのに要する通過時間を取得する通過時間取得手段と、該通過時間取得手段で取得した通過時間及び前記車長特定手段で特定した車長に基づいて、対象車両の速度を算出する速度算出手段とを備え、前記生成手段は、前記速度算出手段で算出した速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする。
【0013】
第6発明に係る車両情報生成装置は、第1発明乃至第5発明のいずれか1つにおいて、自車両の位置を含む自車両情報を取得する自車両情報取得手段と、該自車両情報取得手段で取得した自車両情報に基づいて、前記生成手段で生成した車両情報を探索して対象車両の中から自車両を特定する自車両特定手段と、前記車両情報で示される対象車両のうち前記自車両特定手段で特定した自車両を除く他の車両を周辺車両として、該自車両と該周辺車両との位置関係を含む周辺車両情報を生成する周辺車両情報生成手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第7発明に係る車両情報生成装置は、第5発明において、前記車両情報及び自車両情報は、車高と車長のいずれか1つを含むことを特徴とする。
【0015】
第8発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータに、所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点及び速度に基づいて、各対象車両の位置を算出する位置算出手段と、算出した位置に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成する生成手段として機能させることを特徴とする。
【0016】
第9発明に係る車両情報生成方法は、1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成する車両情報生成方法であって、所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点を取得し、前記対象車両の速度及び取得した通過時点に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成することを特徴とする。
【0017】
第1発明、第8発明及び第9発明にあっては、車両情報生成装置は、車両情報を生成する場合に、所定時間内に道路上の所定地点(車両の通過を計測する地点)を通過した1又は複数の対象車両の通過時点を取得する。所定時間は、所定地点を通過する車両を計測する時間間隔であって、計測開始時点と計測終了時点との間の時間であり、例えば、10秒、15秒など適宜決定することができる。車両情報生成装置は、取得した通過時点及び対象車両の速度に基づいて、対象車両の位置関係を含む車両情報を生成する。例えば、計測終了時点と対象車両の通過時点との時間差にその対象車両の速度を積算することにより、計測終了時点においてその対象車両の所定地点からの位置(距離)を求めることができる。また、所定地点と交差点の停止線との距離が判っている場合には、停止線の位置を基準として対象車両の位置関係を求めることもできる。さらに、車両情報には、例えば、計測終了時点、計測開始時点などの情報を含めることもできる。これにより、各対象車両の位置関係を含む車両情報を求めることができる。
【0018】
車両情報生成装置を車載機として構成する場合には、例えば、路側に設置した車両感知器から対象車両の通過時点及び速度などを取得することにより、車両情報を生成することができる。また、車両情報生成装置を車両感知器などの路側装置として構成する場合には、例えば、対象車両の通過時点及び速度を直接計測することにより、車両情報を生成することができる。
【0019】
第2発明にあっては、車両情報生成装置は、所定時間の経過時点、すなわち、計測終了時点と対象車両の通過時点との時間差を算出し、算出した時間差に対象車両の速度を積算することにより、計測終了時点においてその対象車両の所定地点からの位置(距離)を算出する。これにより、各対象車両の位置関係を所定地点を基準として求めることができる。
【0020】
第3発明にあっては、車両情報生成装置は、対象車両の速度を取得する。車両情報生成装置を車載機として構成する場合には、例えば、路側に設置した車両感知器などで計測された速度を車両感知器から取得することができる。また、車両情報生成装置を車両感知器などの路側装置として構成する場合には、対象車両の速度を直接計測することができる。これにより、各対象車両の位置関係を含む車両情報を求めることができる。
【0021】
第4発明にあっては、車両情報生成装置は、自車両の速度を取得し、取得した自車両の速度に基づいて、対象車両のうち自車両を除く他の車両の速度を算出する。例えば、各対象車両がお互いに追従して走行しているような場合には、各対象車両の速度に大きな速度差がないと考えられるので、他の車両の速度を自車両の速度と等しい速度とすることができる。あるいは、自車両の速度に一定の係数を積算して自車両の速度よりもやや速い速度又はやや遅い速度とすることもできる。車両情報生成装置は、自車両の速度及び算出した他の車両の速度に基づいて、車両情報を生成する。これにより、自車両以外の他の車両の速度を計測することができない場合であっても、各対象車両の位置関係を含む車両情報を求めることができる。
【0022】
第5発明にあっては、車両情報生成装置は、対象車両の車高を取得し、取得した車高に基づいて対象車両の車長を特定する。例えば、車両感知器などの路側装置で所定地点を通過する対象車両に超音波や光を照射して反射して戻ってくるまでの時間により車高を計測することができ、計測された車高を車両感知器から取得することができる。また、車高と車長とを予め対応付けておくことで、対象車両の車長を特定することができる。車両情報生成装置は、特定した車長を取得した通過時間で除算して対象車両の速度を算出し、算出した速度に基づいて、車両情報を生成する。これにより、対象車両の速度を直接計測することができない場合であっても、各対象車両の位置関係を含む車両情報を求めることができる。
【0023】
第6発明にあっては、車両情報生成装置は、自車両の位置を含む自車両情報(例えば、交差点の停止線からの距離、対象車両の通過を計測する所定地点からの距離、走行車線情報又は路肩からの距離、自車両の速度などを含む)を取得する。自車両情報の取得は、例えば、ナビゲーションシステム等を用いることができる。車両情報生成装置は、取得した自車両情報に基づいて生成した車両情報を探索する。自車両情報に一致又は近似する車両情報に対応する車両を自車両として特定する。車両情報で示される車両のうち自車両を除く他の車両を周辺車両として、自車両と周辺車両との位置関係を含む周辺車両情報(例えば、車間距離、相対速度、交差点の停止線からの距離、走行車線情報、車両の速度、車種、車長などを含む)を生成する。
【0024】
これにより、自車両の周辺に多数の車両が走行している場合でも、自車両から見て直ぐ前方の車両だけでなく、周辺に存在するすべての車両の情報を把握することができる。また、交差点の停止線手前で信号待ちをしている車両がある場合、交差点上流側を走行中の自車両の位置から信号待ちの車列の末尾までの車両の状況が分かるため、信号による自車両の停止位置を予測でき、速度超過による急減速又は追突などを防止でき、一層安全な運転を支援することが可能となる。また、信号切り替えパラメータ等の情報を利用することにより、青信号で信号待ちの車列が解消してゆく状況を予測することもでき、信号待ちの車列の末尾に到着して停止し、直後に加速するというような燃料の無駄となる走行を防止して、スムーズな走行を実現することができる。
【0025】
第7発明にあっては、車両情報及び自車両情報は、対象車両の車高を含む。自車両の車高を用いて車両情報を検索することで、例えば、車高が異なる車両は自車両の候補から排除することができ、自車両の特定をさらに精度よく行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明にあっては、自車両及びその周辺車両などの対象車両の位置関係を示す車両情報を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
実施の形態1
以下、本発明を実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る車両情報生成装置30による車両情報の生成方法の概要の一例を示す説明図であり、図2は本発明に係る車両情報生成装置30の構成の一例を示すブロック図である。車両情報生成装置30は、道路を走行する車両に搭載される車載機として実現することができる。図1に示すように、信号機が設置された交差点手前に停止線を設けてあり、停止線から上流側の所定地点(例えば、停止線から250mの地点)には、車両感知器10を設置してある。所定地点は、車両感知器10による通過車両の計測地点である。なお、計測地点の位置は、道路状況又は交通量などに応じて適宜決定することができる。また、車両感知器10には通信装置20を接続してある。車両感知器10による車両の計測地点と通信装置20による通信地点との距離は、後述するように、主として自車両と前方車両との位置関係を求めるか、あるいは、後続車両との位置関係をも求めるかに応じて適宜決定することができる。
【0028】
車両感知器10は、例えば、超音波式車両感知器、光ビーコンなどの光学式車両感知器、遠赤外線式車両感知器、ループ式車両感知器などであり、計測地点を通過する車両の通過時刻、車頭時間間隔若しくは車尾時間間隔、車間時間又は存在時間などのデータを計測する。車両感知器10は、計測したデータを通信装置20へ出力する。
【0029】
図3は車両感知器10で検出する存在パルスの一例を示す説明図である。図3において、横軸は時間を示し、時間軸の右方向が古い時間を示し、左方向が新しい時間を示す。図3に示すように、車両感知器10は、計測地点を通過する車両の存在パルスを検出することにより、車両の通過時刻(図3の例では車頭の通過時刻であるが、車尾の通過時刻でもよい)、車頭時間間隔若しくは車尾時間間隔、存在時間又は車間時間等を計測する。比較的短い時間(例えば、10秒、15秒など)の間に通過する車両を計測する場合に、計測地点を通過する各車両が追従走行しているときは、各車両の速度がほぼ同一であると仮定することができる。また、そのような短い時間の間では、各車両の速度は変化しないと考えても差し支えないといえる。例えば、計測開始時刻から計測終了時刻までの計測時間(所定時間)を10秒とし、車両の速度を54km/h(15m/s)とすると、計測開始時刻に通過した車両は、計測終了時刻には計測地点から150m程度下流の地点に存在する。従って、計測時間の間に計測された車両は、計測地点から下流に150m程度の範囲に分布することになる。なお、車両の分布範囲は、計測時間の長短、車両の速度などに応じて変動する。
【0030】
また、車両感知器10は、2ヘッド方式の超音波式感知器等のように通過する車両の速度を計測できるものでもよく、車両で反射した反射波の到達時間差により車高を計測できるものでもよい。また、車両感知器10は、車両の車頭から車尾に亘って車高を計測することで車高パターンを計測できるもの、あるいは、車種判別をすることができる機能を備えるものでもよい。また、車両感知器10を所定の位置に設置することにより、通過する車両の道路の進行方向の位置(例えば、交差点の停止線からの距離)、道路の幅方向の位置(例えば、走行車線、左側の路肩からの距離等)などの車両の位置を求めることができる。
【0031】
通信装置20は、例えば、光ビーコンで実現することができるが、電波ビーコン、DSRC(Dedicated Short Range Communication)など車両との間で狭域通信可能なものであれば、どのようなものであってもよい。通信装置20は、通過地点Rを通過する車両(車両情報生成装置30)との間で所定の情報の送信及び受信を行う。
【0032】
通信装置20は、車両感知器10から入力された計測データを一旦記憶するとともに、車両(車両情報生成装置30)が通信地点Rを通過する際に、最新の計測データを車両情報生成装置30へ送信する。また、通信装置20は、通信地点Rの位置情報を車両情報生成装置30へ送信する。
【0033】
車両情報生成装置30は、計測データ及び通信地点Rの位置情報を受信する。車両情報生成装置30は、通信地点Rの位置情報に基づいて、自車両の位置を精度良く測位又は測位した位置を補正することができる。また、車両情報生成装置30は、後述するように、車両情報を生成するとともに、生成した車両情報を探索して自車両を特定して周辺車両情報を生成する。
【0034】
図2に示すように、車両情報生成装置30は、車両情報生成装置30全体を制御する制御部301、通信装置20との間で通信を行うための通信部302、隣接車両に関する情報を取得する隣接車両情報取得部303、GPS(Global Positioning System)受信機能を有するGPS受信部304、ナビゲーション部305、ジャイロセンサ、距離計等の車載センサを備えるセンサ部306、所定の情報を記憶する記憶部307、車両情報を生成する車両情報生成部308、生成した車両情報を探索して自車両を特定する自車両特定部309、現在時点と車両情報で示される車両の計測時点との時間差を算出する時間差算出部310、自車両と周辺車両との相対関係を示す周辺車両情報を生成する周辺車両情報生成部311、表示部312、報知部313、車両の加速又は減速等の車両制御を行う車両制御部(不図示)とのインタフェース機能を有するインタフェース部314などを備えている。
【0035】
通信部302は、通信装置20が送信した計測データ、通信地点Rの位置情報を受信し、受信したこれらの情報を一旦記憶部307に記憶する。通信部302は、通信装置20との間で狭域通信機能を備えるが、狭域通信機能に代えて又は加えて、UHF帯又はVHF帯等の無線LAN機能などの中域通信機能を備えてもよく、あるいは、携帯電話、PHS等で使用する周波数帯域を使用する広域通信機能を備えることもできる。
【0036】
隣接車両情報取得部303は、自車両の前部及び後部に搭載したビデオカメラ、超音波センサ又はミリ波センサ等で構成することができ、自車両の前方を走行する前方車両、自車両の後方を走行する後方車両の位置(車間距離)、速度(相対速度)、走行車線などを所定の時間周期(例えば、0.1秒)で取得する。なお、隣接車両情報取得部303は、車々間通信機能を備える通信部でもよい。この場合は、前方車両又は後方車両が送信する車速、位置、走行車線、車高などを受信する。隣接車両情報取得部303は、取得した情報を取得時刻とともに隣接車両情報として一旦記憶部307に記憶する。また、自車両の側部にもセンサを搭載したり、センサの方向を制御したりすることによって、自車両の側方の隣接車両の情報を取得することができる。
【0037】
GPS受信部304は、DGPS(ディファレンシャルGPS)又はRTK−GPS(Real-Time Kinematic GPS)などのGPS受信機能を備え、複数のGPSを含むGNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からの電波を随時繰り返し受信し、自車位置を測位する。これにより、車両情報生成装置30は、任意の地点での自車両の位置(例えば、交差点の停止線からの距離)を取得することができる。
【0038】
ナビゲーション部305は、地図データベース等を内蔵し、GPS受信部304からの情報、センサ部306からの情報に基づいて、自車両の位置(交差点の停止線からの距離、走行車線など)、自車両の速度等を所定の時間周期(例えば、0.1秒)で求め、自車両の走行履歴を示す自車両情報を生成して記憶部307に記憶する。
【0039】
車両情報生成部308は、車両感知器10の計測データに基づいて、車両情報を生成する。以下、車両情報の生成方法について説明する。
【0040】
図4は車両感知器10で計測した計測データの一例を示す説明図である。車両情報生成装置30が通信装置20と通信を行う際に、通信装置20がその時点から、例えば、過去10秒間に計測した計測データを送信するものとする。10秒間の計測時間の計測開始時刻を10:00:00とし、計測終了時刻を10秒後の10:00:10とする。また、この計測時間の間に6台の車両C1〜C6がこの順で計測地点を通過したものとする。なお、計測時間は10秒に限定されるものではなく、道路上の計測範囲を広くしたい場合には、計測時間を長くし、計測する道路の範囲を狭くする場合には、計測時間を短くすればよい。
【0041】
図4に示すように、計測時間の中で最初に計測地点を通過した車両C1は、走行車線1を走行し、通過時刻は10:00:00であり、存在時間は0.25秒、速度は20m/s、車高は1.4mである。なお、存在時間は、例えば、車両感知器10が車両を感知している時間とすることができる。同様に、車両C2は、走行車線1を走行し、通過時刻は10:00:01であり、存在時間は0.30秒、速度は20m/s、車高は1.8mである。以下同様にして、計測時間の中で最後に計測地点を通過した車両C6は、走行車線2を走行し、通過時刻は10:00:08であり、存在時間は0.24秒、速度は21m/s、車高は1.4mである。
【0042】
図5は車両情報の一例を示す説明図である。車両情報生成部308は、車両感知器10で計測された計測データに基づいて車両情報を生成する。図5に示すように、車両情報は、車両感知器10からの距離、停止線までの距離、速度、走行車線、車高、車長などの情報を含む。車両C1は、時刻10:00:00に計測地点(交差点の停止線から250m上流地点)を速度20m/s(72km/h)で通過しているので、計測時間の間に速度が変わらなかったとすれば、10秒後の計測終了時刻10:00:10には、車両感知器10(計測地点)から200(20×10)mの位置にある。この位置は、停止線までの距離が50mの地点である。また、車両C1の存在時間が0.25秒であって速度が20m/sであるから、車長は5mであると算出することができる。
【0043】
また、車両C2は、時刻10:00:01に計測地点を速度20m/s(72km/h)で通過しているので、計測時間の間に速度が変わらなかったとすれば、9秒後の計測終了時刻10:00:10には、車両感知器10(計測地点)から180(=20×9)mの位置にある。この位置は、停止線までの距離が70mの地点である。また、車両C2の存在時間が0.30秒であって速度が20m/sであるから、車長は6mであると算出することができる。以下同様にして車両C3〜C6に関する情報を求めることができる。
【0044】
これにより、停止線の位置又は車両感知器10などの位置を基準として、計測時間(所定時間)の間に計測地点を通過した各車両の位置関係、速度、走行車線、車高、車長などの情報を生成することができ、周辺車両の走行状態を把握することができる。また、車両情報には、車種、車高パターンなどの情報を含めることもできる。なお、路上装置で、全ての車両に対して速度が得られない場合も、全ての車両の速度が、自車両の検出した速度と同一として対応することができる。さらに、路上装置で、全ての車両に対して速度が得られる場合でも、自車両だけ精度条件が異なると相対関係がかえって狂ってしまう可能性があれば、自車両の速度情報を使用しなくてもよく、また、自車両だけでも精度が良くなる可能性が高ければ自車両の速度を使用することもできる。
【0045】
なお、車両感知器10の構成によっては、通過車両の速度を直接計測することができない場合もある。このような場合には、計測データに車両の速度が含まれないため、例えば、車両情報生成装置30で自車両の速度を取得し、取得した自車両の速度に基づいて、計測時間の間に通過した車両の速度を算出するようにすればよい。例えば、各車両が追従走行していると考えられる場合には、各車両の速度に大きな速度差がないと考えられるので、他の車両の速度を自車両の速度と等しい速度とすることができる。具体的には、計測終了時刻の各車両の速度を、計測終了時刻の自車両の速度と同一であるとすることができる。あるいは、自車両の速度に一定の係数を積算して自車両の速度よりもやや速い速度又はやや遅い速度とすることもできる。
【0046】
また、別の方法としては、計測データに含まれる車高に基づいて、各車両の車長を特定するようにしてもよい。この場合には、予め車高及び車長を対応付けた車種情報を記憶部307に記憶しておけばよい。
【0047】
図6は車種情報の一例を示す説明図である。車種情報は、車種、車高、車長などの情報を対応付けている。例えば、車種が普通1の場合、車高は1.4m以下、車長は4.0〜5.0mの如くである。ここで、普通1は、例えば、普通乗用車であり、普通2は、RV車、ワゴン、普通貨物車などである。また、車高は最大値でもよく、平均値でもよく、あるいは最大値の2の平方根で除算した値を用いてもよい。なお、車頭から車尾に亘って計測した車高の変動により車高パターンを求め、車高パターンにより車種、型式などを求めることもできる。
【0048】
車両情報生成部308は、計測データの車高から車種情報を検索して、車種、車長を特定し、特定した車長を計測した存在時間(通過時間)で除算して車両の速度を算出することができる。これにより、計測地点を通過する車両の速度を直接計測することができない場合であっても、各車両の位置関係を含む車両情報を求めることができる。
【0049】
自車両特定部309は、自車両情報で示される自車両の位置に基づいて、生成した車両情報を探索し、自車両の位置に一致又は近似(最も近い)車両を自車両として特定する。この場合、車両位置の誤差、現在時点(例えば、通信装置20から計測データを受信した時点、あるいは受信した計測データに基づいて自車両の特定処理を行う時点など)と計測データの計測終了時刻との時間差(時間ずれ)の誤差などに応じて、探索範囲を決定する。なお、詳細は後述する。
【0050】
時間差算出部310は、現在時点とそれよりも時間tだけ前の計測終了時刻との時間差を算出する。時間差算出部310は、車両情報を探索して自車両を特定した場合、計測データの計測終了時刻の自車両の位置、現在時点の自車両の位置及び速度に基づいて、時間差tを算出する。例えば、算出する時間差をt、自車両の現在時点の位置(例えば、停止線からの距離)をX、速度をV、計測終了時刻の自車両の位置(例えば、停止線からの距離)をX0とすると、時間差tは、t=(X0−X)/Vで求めることができる。
【0051】
周辺車両情報生成部311は、車両情報で示される車両の中から特定された自車両とその他の周辺車両との位置関係を含む周辺車両情報を生成する。
【0052】
表示部312は、ヘッドアップディスプレイ又はモニタなどの液晶表示パネルであり、運転者に対して、各種情報を表示することができる。例えば、周辺車両情報生成部311で生成した周辺車両情報を表示することができる。なお、周辺車両情報の表示は、自車両と前方及び後方に存在するすべての周辺車両を表形式で表示してもよく、あるいは、道路上方から見た鳥瞰図のように表示してもよい。
【0053】
報知部313は、音声出力機能を備え、周辺車両情報生成部311で生成した周辺車両情報に基づいて、運転者に対して周辺車両の状況を音声で報知する。
【0054】
インタフェース部314は、車両の走行を制御する車両制御部(不図示)に対して制御信号を出力する。インタフェース部314は、例えば、周辺車両情報生成部311で生成した周辺車両情報に基づいて、加速又は減速等の自車両の走行制御を行うことができる。なお、この場合、外部から交差点に設置された信号機の信号切り替えタイミングを含む信号情報を取得して、信号情報も考慮して自車両の走行制御を行うこともできる。
【0055】
次に車両情報を探索して自車両を特定する方法について説明する。図7は自車両の特定方法の一例を示す説明図であり、図8は自車両情報の一例を示す説明図であり、図9は周辺車両情報の一例を示す説明図である。図7(a)は、計測終了時刻における車両の分布(位置関係)を示したものであり、図5の車両情報に基づいた車両の位置関係を示す。また、図7(b)は、現在時点(例えば、通信装置20から計測データを受信した時点、あるいは受信した計測データに基づいて自車両の特定処理を行う時点など)における車両の分布を示す。なお、図7(b)において、模様が付された車両は、自車両であり、破線で示された車両は、自車両を特定した後に周辺の車両として認識することができる他の車両である。また、図7において、車両感知器10の位置は、狭域通信の場合、車両感知器10で計測されたデータを直ぐに直下流の通信装置に送信すべきなので、データを空間上に展開した図7の左端から、車両感知器10と通信装置20との距離の分だけ上流に設置することができる。また、計測と通信との兼用装置の場合には、当該車両の計測が終わってから、通信する必要があるため、車両感知器10の位置は、データを空間上に展開した図7の左端に設置することができる。
【0056】
図8に示すように、自車両情報は、自車両の停止線までの距離、速度、走行車線などを時系列に記録したものである。なお、自車両情報には、車高、車長などの情報を含めることもできる。図8の例では、0.1秒毎に記録されているが、記録の時間間隔はこれに限定されるものではない。また、時刻11:0(正確には、10:00:11:0)が現在時刻(現在時刻)であり、自車両の特定処理を行う時点、あるいは、計測データを受信した受信時刻などである)。図7(b)の例では、模様を付した車両が現在時刻(11:0)での自車両である。また、時刻10:0(正確には、10:00:10:0)、すなわち、現在時刻から1秒前の時刻が計測終了時刻であるとする。なお、停止線までの距離は推定値であり、括弧内の数値は真値であるとする。
【0057】
図7(b)で示す現在時点における自車両の位置(停止線までの距離)の真値をX、推定値をXd、車両位置の誤差(最大誤差)をXmaxとすると、Xd−Xmax≦X≦Xd+Xmaxとなる。自車両の速度をV、計測終了時刻と現在時点との時間差(時刻ずれ)をtとすると、計測終了時刻における自車両の位置X0は、X0=X+t・Vで表される。従って、車両位置の誤差を考慮した車両探索範囲は、Xd−Xmax+t・V≦X0≦Xd+Xmax+t・Vにより決定される。なお、車両位置の誤差は、例えば、車載装置の位置検出航法で決定されるものであり、GPSだけによる場合にはGPSのCEP(Circular Error Probability:確率誤差円)、自立航法による場合には位置補正してからのセンサ誤差の累積を考慮した誤差範囲、ハイブリッド航法の場合には、これらから推定される誤差範囲、光ビーコン等の狭域通信装置の通過により位置が補正される場合には、その通信範囲等に基づいて、多少大きめに設定すれば良く、あるいは、固定の閾値(定数)、統計値などに設定してもよい。
【0058】
図5の例で示される車両情報を探索する場合、図8の情報から分かるように、現在時点(時刻11:0)における自車両の位置の真値X=114m、推定値Xd=110m、速度V=72km/h=20m/sであり、車両位置の誤差Xmax=5mとすると、車両探索範囲は、125≦X0≦135となる。図5及び図7の例では、車両探索範囲内にある車両C4を自車両として特定することができる。これにより、車両位置に関する誤差がある場合であっても、誤差に応じて探索範囲を広げることができ、精度良く自車両を特定することができる。
【0059】
車両探索範囲は、車両位置の誤差だけでなく、時間差の誤差についても考慮して決定することができる。例えば、時間差(時刻ずれ)の真値をt、時間差の推定値をtd、時間差の誤差(最大誤差)をtmaxとすると、td−tmax≦t≦td+tmaxとなる。ここで、tmaxは、時間差(時刻ずれ)の推定値の誤差であり、情報処理の周期内での時間的な不連続性に起因するものである。時間差(時刻ずれ)の誤差は、例えば、次のように決定することができる。各データを収集したときの位置誤差eiの標準偏差をσiとし、車両の速度をViとし、時間差tの推定値を求めるときのデータ個数をnとすると、時間差tの推定誤差の標準偏差は、時間差tの推定式から、式(1)で表される。
【0060】
【数1】

【0061】
ここで、σiは狭域通信で位置を補正したときには、狭域通信範囲の標準誤差であり、少なくとも狭域通信装置の設置場所ごとに決定される定数である。従って、例えば、σiを5m、走行速度Viを15m/s、データ数を100とすれば、時間差tの推定誤差の標準偏差は、1/30秒となる。また、その他の時間誤差として、自車両のソフト処理や記録などの周期の時間的な不連続性によるサンプリング誤差もあり得ると考えられる場合には、上記誤差を多少大き目に設定する等して適宜対応すればよい。
【0062】
車両位置の誤差を考慮した車両探索範囲は、上述のとおり、Xd−Xmax+t・V≦X0≦Xd+Xmax+t・Vで決定されるから、時間差(時刻ずれ)の誤差も考慮した場合の車両探索範囲は、Xd−Xmax+td・V−tmax・V≦X0≦Xd+Xmax+td・V+tmax・Vにより決定される。
【0063】
図5の例で示される車両情報を探索する場合、図8の情報から分かるように、現在時点(時刻11:0)における自車両の位置の真値X=114m、推定値Xd=110、速度V=72km/h=20m/sであり、車両位置の誤差Xmax=5mとする。また、時間差の真値t=1.2s、推定値td=1s、時間差の誤差tmax=0.3sとすると、車両探索範囲は、119≦X0≦141となる。図5及び図7の例では、車両探索範囲内にある車両C4を自車両として特定することができる。
【0064】
車両感知器10で車両を計測した際の計測終了時刻と現在時刻との間には、システム固有の時間差(時刻ずれ)が生ずる。例えば、時間差が1秒とすると、72km/hの速度で走行する車両は、1秒の間に20m走行することになる。自車両の前後に追従する車両が存在する場合には、車速にかかわらず10m程度の車間距離を保って走行すると考えられ、上述の20mの間に複数の車両が存在し得る場合がある。従って、時間差tを予め所定の値に設定しておき、時間差の誤差も考慮して車両探索範囲を決定することにより、さらに精度良く自車両を特定することができる。
【0065】
なお、自車両の前後に追従する車両が存在しない場合、時間差tを0とし、時間差の誤差も考慮せずに車両探索範囲を決定することもできる。車両探索範囲の決定方法は、道路状況(場所、時間帯など)に応じて適宜変更することができる。
【0066】
時間差(時刻ずれ)tを予め所定の値に設定する方法、あるいは、0に設定する方法は、場合によっては正確でないこともあり得る。この場合、図1の例に示すような道路(同一箇所でもよく、異なる箇所でもよい)を走行したときの自車両のデータ(例えば、位置など)を多数収集し、収集したデータを統計処理するとともに、記憶部307に収集したデータ、統計処理したデータを記憶しておく。そして、これらのデータに基づいて、時間差tを算出することもできる。例えば、特定した自車両の位置をX0(計測終了時刻での自車両の位置に相当する)、現在時刻での自車両の位置をX、速度をVとすると、時間差tは、t=(X0−X)/Vで推定することができる。自車両の現在時刻の位置Xには、位置誤差εが含まれていると推定され、自車両の位置の推定値をXdとすると、Xd=X+εとなる。従って、時間差tは、t=(X0−X−ε)/Vとなる。多数のデータを収集して平均化することでεは0とみなすことができ、結局、時間差tは、t=(X0−X)/Vにより算出することができ、算出した時間差tを用いて自車両を特定することができる。なおここで、平均化で誤差が0に近づくのは、狭域通信により位置が補正され、位置誤差が通信範囲という小さい値になるからであり、位置が補正されなければ、例えば、GPSだけでは誤差を0にすることは困難なので、上述のように収集したデータを統計処理して統計的に補正を行うことで精度が増す効果がある。
【0067】
これにより、道路上に設置した車両感知器10で車両を計測した際の計測処理又は計測データを送信する際の通信処理に起因する時間遅れなどが無視できない程度に存在する場合でも、精度良く自車両を特定することができる。また、複数の車線に多数の車両が並行して走行するような場合であっても、多くの車両の中から自車両を精度良く特定することができる。
【0068】
なお、時間差tの算出は、上述の例に限定されるものではなく、以下の方法を用いることもできる。すなわち、車両感知器10で車両を計測した計測終了時刻を通信装置20から車両情報生成装置30へ送信し、車両情報生成装置30は、現在時点と受信した計測終了時刻との差を時間差tとして算出する。
【0069】
図9に示すように、車両情報を探索して自車両を特定することにより、自車両の周辺に存在する車両との相対関係、例えば、位置関係を含む周辺車両情報を生成することができる。周辺車両情報は、自車両の前方を走行する前方車両と、後方を走行する後方車両とに分けて生成することができる。車両の走行順序に合わせて、自車両と周辺車両との車間距離、周辺車両の停止線までの距離、周辺車両との相対速度、周辺車両の速度、走行車線、車種、車長などの情報で構成されている。なお、相対速度は、正の場合には、車両同士が接近するときであり、負の場合には、遠ざかるときを表す。また、隣接する車線を自車両と並んで走行している周辺車両については、以下のように取り扱うことが可能である。車間距離を0とすることで、前方車両、あるいは後方車両としても、隣車線を併走する車両を特定することができる。前方車両として扱うか後方車両として扱うかは、相対速度で決めてもよい。これにより、隣車線を走行する周辺車両についても正確に把握することができる。また、同一車線内を併走する周辺車両については、道路の幅方向の位置情報を用いることで自車両と周辺車両との位置関係を明確に把握することができる。このような道路の幅方向の位置情報を取得又は記憶するように構成すればよい。また、周辺車両情報には、車高、車高パターンなどの情報を含めることもできる。
【0070】
周辺車両情報を生成する場合に、自車両の前方を走行する前方車両の状況を特に把握したいような場合には、車両感知器10と通信装置20との離隔距離が比較的短くなるように設置すればよい。また、自車両の前方車両のみならず後方車両の状況も把握したいような場合には、車両感知器10と通信装置20との離隔距離が比較的長くなるように設置すればよい。
【0071】
これにより、自車両の周辺に多数の車両が走行している場合でも、自車両から見て直ぐ前方の車両だけでなく、周辺に存在するすべての車両の情報を把握することができる。また、交差点の停止線手前で信号待ちをしている車両がある場合、交差点上流側を走行中の自車両の位置から信号待ちの車列の末尾までの車両の状況が分かるため、信号による自車両の停止位置を予測でき、速度超過による急減速又は追突などを防止でき、一層安全な運転を支援することが可能となる。また、信号切り替えパラメータ等の情報を利用することにより、青信号で信号待ちの車列が解消してゆく状況を予測することもでき、信号待ちの車列の末尾に到着して停止し、直後に加速するというような燃料の無駄となる走行を防止することができる。
【0072】
図10は自車両の特定方法の他の例を示す説明図であり、図11は車両情報の他の例を示す説明図であり、図12は隣接車両情報の一例を示す説明図であり、図13は周辺車両情報の他の例を示す説明図である。図10(a)は、車両感知器10で計測した車両の分布を示し、計測終了時刻での位置関係を示す。また、図10(b)は、現在時点(例えば、通信装置20から計測データを受信した時点、あるいは受信した計測データに基づいて自車両の特定処理を行う時点など)における車両の分布を示す。
【0073】
図11に示すように、車両情報は、図10(a)で示される計測終了時刻の車両の分布を表したものであり、情報の内容は図5の場合と同様である。また、停止線までの距離は車両末尾を基準としているが、これに限定されるものではない。停止線で複数の車両が停止している場合(信号待ちの車両が複数ある場合)、最後尾の車両のみの情報を用いているが、信号待ちのすべての車両の情報を用いることもできる。図11の例では、車両C1、C2が信号待ちの車両、信号待ちの車列の最後尾の車両である。
【0074】
図12に示すように、隣接車両情報は、自車両情報と隣接車両の情報とで構成され、自車両情報は、図5の例と同様である。図12の例では、0.1秒毎に記録されているが、記録の時間間隔はこれに限定されるものではない。また、時刻00:0が現在時刻(現在時刻)であり、自車両の特定処理を行う時点、あるいは、計測データを受信した受信時刻などである)。また、時刻99:0、すなわち、現在時刻から1秒前の時刻が計測終了時刻であるとする。なお、停止線までの距離は推定値であり、括弧内の数値は真値であるとする。
【0075】
隣接車両の情報は、時刻毎に自車両との車間距離、相対速度、隣接車両の走行車線、車種、前方の隣接車両か後方の隣接車両かの別などの情報で構成されている。例えば、計測終了時刻99:0において、自車両の前方に車間距離24m、相対速度0km/hで走行する隣接車両が存在することを示す。なお、自車両の後方に隣接車両が存在する場合には、後方の隣接車両の情報についても同様に記録される。
【0076】
図10(b)で示す現在時点における自車両の位置(停止線までの距離)の真値をX、推定値をXd、車両位置の誤差(最大誤差)をXmaxとすると、Xd−Xmax≦X≦Xd+Xmaxとなる。また、時間差の誤差についても考慮するとして、計測終了時刻と現在時点との時間差(時刻ずれ)の真値をt、時間差の推定値をtd、時間差の誤差(最大誤差)をtmaxとすると、td−tmax≦t≦td+tmaxとなる。ここで、tmaxは、時間差(時刻ずれ)の推定値の誤差である。自車両の現在時刻の速度をVとする。
【0077】
この場合、車両探索範囲は、Xd−Xmax+td・V−tmax・V≦X0≦Xd+Xmax+td・V+tmax・Vにより決定される。
【0078】
図11の例で示される車両情報を探索する場合、図12に示すように、現在時点(時刻00:0)における自車両の位置の真値X=150m、推定値Xd=146、速度V=72km/h=20m/sであり、車両位置の誤差Xmax=5mとする。また、時間差の真値t=1.2s、推定値td=1s、時間差の誤差tmax=0.3sとすると、車両探索範囲は、155≦X0≦177となる。図10及び図11の例では、車両C6、C7が特定され、いずれか一方が自車両であり、他方が周辺車両である。ここで、特定された複数の車両から自車両を特定するために隣接車両情報を用いる。
【0079】
図10又は図11で示されているように、車両C6、C7の同一車線の前方車両は、それぞれ車両C4、C5である。図11から、車両C6とC4の車頭(尾)間距離は45m、車両C7とC5の車頭(尾)間距離は29mである。一方、隣接車両情報によれば、自車両と前方の車両との車間距離は24mであり、これに自車両の車長(例えば、5m)を加えると車頭(尾)間距離は29mとなる。従って、車両C6は除外され、車両C7が自車両であることが分かる。
【0080】
計測終了時刻の自車両の位置は、図11の車両情報から174mである。一方、図12の隣接車両情報の自車両情報の計測終了時刻99:0では、166mであり、自車両の位置に8mの誤差がある。時間差(時刻ずれ)の推定値tdは、自車両の現在時刻の位置の推定値Xdを用いて、td=(X0−Xd)/Vで表すことができるから、この式でX0=174m、Xd=166m、V=20m/sを代入すると、td=0.4sとなる。自車両の特定したデータを多数収集して平均化処理を行うことにより、時間差(時刻ずれ)の推定値は真値に近い値として得ることができる。
【0081】
図13に示すように、車両情報を探索して自車両を特定することにより、自車両の周辺に存在する車両との相対関係、例えば、位置関係を含む周辺車両情報を生成することができる。周辺車両情報は、自車両の前方を走行する前方車両と、後方を走行する後方車両とに分けて生成することができる。自車両から最も近い車両の順に、その車両との車間距離、その車両の停止線までの距離、その車両との相対速度、その車両の速度、走行車線、車種、車長などの情報で構成されている。前方車両#5、#6は、信号待ちの車列の末尾の車両である。なお、周辺車両情報において、前方車両の表示順は自車両から近い順でもよく、停止線までの距離が短い順でもよい。
【0082】
また、隣接車両情報を用いて自車両を特定することにより、複数の車線に多数の車両が並行して走行するような場合であっても、多くの車両の中から自車両を特定するとともに、周辺車両との相対関係を把握することが可能となる。
【0083】
なお、車両情報を探索する場合、位置の代わりに時刻を用いて探索することもできる。すなわち、td±tmaxの範囲で車両検出時刻の自車両の推定範囲を求め、さらに車両位置の誤差±Xmaxを考慮して、この位置の範囲で車両情報を探索することもできる。
【0084】
図9及び図13で示される周辺車両情報は、短時間であるとしても現在時刻から時間差(時刻ずれ)だけ過去の時刻の情報である。このため、周辺車両との車間距離、停止線までの距離をそれぞれの車両の速度に応じて補正することもできる。
【0085】
また、上述の車両情報生成処理、車両情報の探索処理、自車両の特定処理、周辺車両情報生成処理などの処理は、コンピュータプログラムで示された手順により実現することもできる。例えば、所定の処理の手順を示すコンピュータプログラムを予め記憶しておき、記憶されているコンピュータプログラムをRAMにロードしてCPUで実行することにより、コンピュータプログラムで示された処理手順に従って処理を行うことができ、本発明に係る車両情報生成装置を実現することができる。
【0086】
次に本発明の車両情報生成装置30の動作について説明する。図14及び図15は車両情報生成装置30の処理手順を示すフローチャートである。制御部301は、自車両情報を取得し(S11)、隣接車両の有無を判定する(S12)。
【0087】
隣接車両がある場合(S12でYES)、制御部301は、隣接車両の情報を取得して隣接車両情報を生成し(S13)、路側装置(例えば、通信装置20)から通信地点Rの位置情報を取得したか否かを判定する(S14)。隣接車両がない場合(S12でNO)、制御部301は、ステップS13の処理を行わずにステップS14の処理を行う。
【0088】
路側装置から位置情報を取得した場合(S14でYES)、制御部301は、自車両情報を補正し(S15)、隣接車両情報がある場合には、隣接車両情報を補正する(S16)。自車両情報又は隣接車両情報の補正は、通信地点Rの位置情報を取得することで、自車両の位置を精度良く測位することができるため、それまでの自車両の位置を測位した位置で置き換えるとともに、他の車両の位置も補正する。より具体的には、停止線までの距離を補正する。
【0089】
制御部301は、計測データを受信したか否かを判定し(S17)、計測データを受信した場合(S17でYES)、受信した計測データに基づいて車両情報を生成し(S18)、車両位置の誤差、時間差(時刻ずれ)の誤差に基づいて車両情報の探索範囲を決定する(S19)。路側装置から位置情報を取得していない場合(S14でNO)、制御部301は、ステップS15、S16の処理を行わずにステップS17の処理を行う。計測データを受信していない場合(S17でNO)、制御部301は、ステップS11以降の処理を行う。
【0090】
制御部301は、決定した探索範囲内の車両情報を探索し(S20)、自車両が特定されたか否かを判定する(S21)。自車両が特定できた場合(S21でYES)、制御部301は、周辺車両情報を生成し(S22)、時間差算出の可否を判定する(S23)。なお、時間差算出の可否の判定は、特定した自車両の多数のデータが収集されたか否かで行うことができる。
【0091】
時間差算出が可能である場合(S23でYES)、制御部301は、時間差を算出し(S24)する。なお、算出された時間差は真値に近い値となり、それ以降自車両を特定する処理で使用することができる。制御部301は、処理終了の指示の有無を判定する(S25)。
【0092】
自車両が特定できない場合(S21でNO)、制御部301は、ステップS25の処理を行う。また、時間差算出が不可の場合(S23でNO)、制御部301は、ステップS25の処理を行う。処理終了の指示がない場合(S25でNO)、制御部301は、ステップS11以降の処理を続け、処理終了の指示がある場合(S25でYES)、処理を終了する。なお、処理終了の指示は、運転者による操作を受け付けることでもよく、あるいは、自車両が交差点を通過したことを受け付けてもよい。
【0093】
上述の例では、自車両が所定の通過地点Rを通過する際に、通信装置20から一度だけ計測データを受信する構成であったが、これに限定されるものではなく、計測データを時々刻々繰り返し受信する構成とすることもできる。
【0094】
図16は本発明に係る車両情報生成装置30による車両情報の生成方法の概要の他の例を示す説明図である。図1の例との相違点は、車両感知器10で計測した計測データは、通信装置40へ出力され、通信装置40は、計測データを車両情報生成装置30へ繰り返し送信する。
【0095】
通信装置40は、UHF帯又はVHF帯等の無線LAN機能などの中域通信機能を備え、交差点付近から上流側までの所要の通信範囲M内に存在する車両情報生成装置30との間で通信を行うことができる。また、通信装置40は、携帯電話、PHS等で使用する周波数帯域を使用する広域通信機能を備えることもできる。なお、自車両の停止線までの距離を精度よく補正するために、車両情報生成装置30へ位置情報を送信するための路側装置(例えば、光ビーコンなど)を適宜設置してもよい。
【0096】
繰り返し送信する計測データは、例えば、計測時間が10秒間であって、計測終了時刻が直近の時刻、言い換えれば、最新の10秒間の計測データとすることができる。なお、この場合も、計測時間は一例であって、10秒に限定されるものではない。
【0097】
図16の例では、繰り返し通信装置40から計測データが送信されるので、車両情報生成装置30は、計測データを繰り返し受信するとともに、受信した計測データに基づいて車両情報を生成し、生成した車両情報を探索して自車両の特定、周辺車両情報の生成を繰り返し行うことができる。なお、この場合、通信装置40は、必ずしも車両の速度を計測データに含めて送信する必要はない。繰り返し送信される計測データに含まれる車両の位置を時系列に追跡することで車両の速度を求めることができるからである。また、通信装置40から信号機の信号情報を繰り返し送信することもできる。
【0098】
自車両の車長は、必ずしも無視できない大きさを有しているため、自車両の絶対位置として、どこを基準にするか予め決めておく必要がある。例えば、GPS受信部の搭載位置、あるいは、外部との通信を行う通信機の搭載位置等を基準として用いることができる。これら装置の搭載位置や自車両の車長が予め決定されている場合、この基準位置と車両の車尾との寸法、基準位置と車両の車頭との寸法は求めることができる。また、隣接車両との車間距離を検出することができるため、これらの情報を利用すれば、隣接車両との位置情報の微妙な整合性を計ることができる。
【0099】
また、自車両の左前方又は右前方の車両の情報(例えば、速度、走行車線、車種、車長、隣接車両同士の情報など)を加味することで、更に自車両の特定精度を向上させることができる。また、中域通信又は広域通信の場合のように、連続通信が可能な場合には、複数タイミングでの判定により、更に自車両の特定確度を高めることができる。
【0100】
実施の形態2
上述の実施の形態1では、車両情報生成装置30を車両に搭載する構成例を説明したが、本発明に係る車両情報生成装置は、車載機に限定されるものではなく、道路付近に設置する路側装置として構成することもできる。以下、路側装置の一例として本発明の車両情報生成装置を車両感知器に適用する場合について説明する。
【0101】
図17は実施の形態2の車両情報生成装置50の構成の一例を示す説明図である。車両情報生成装置50は、車両感知器として実現することができる。車両情報生成装置50は、車両情報生成装置50全体を制御する制御部501、道路を走行する車両に対して計測用の光又は電波を送信する送信部502、車両で反射した光又は電波を受信する受信部503、時計又はタイマー等で構成される計時部504、所定の情報を記憶するための記憶部505、受信部503で受信した光又は電波の到達時間に応じて車両の車高を算出する車高算出部506、車両が通過に要した時間である存在時間を算出する存在時間算出部507、算出した車高及び存在時間により車両の速度を算出する速度算出部508、計測データに基づいて車両情報を生成する車両情報生成部509などを備えている。なお、速度算出部508は、例えば、2ヘッド方式の超音波式車両感知器のように車両の速度を直接計測する構成でもよい。また、記憶部505、車高算出部506、存在時間算出部507、速度算出部508、車両情報生成部509は、車両感知器と一体ではなく別の装置に内蔵する構成とすることもできる。
【0102】
車両情報生成部509の構成は、実施の形態1と同様であるので詳細な説明は省略する。車両情報生成部509で生成した車両情報は、不図示の通信部を介して、外部へ出力することができる。これにより、例えば、車両情報生成装置50で生成した車両情報を、道路を走行する車両へ送信すれば、車両情報を受信した車両で自身の位置を特定するとともに周辺車両情報を生成することもできる。
【0103】
以上説明したように、本発明にあっては、自車両及びその周辺車両などの対象車両の位置関係を含む車両情報を生成することができるとともに、道路上の計測範囲に存在する車両の中から自車両を特定するとともに、自車両の周辺に存在するすべての車両の情報を生成することができ、自車両とその周辺の全ての車両との相対関係を正確に認識することができる。
【0104】
上述の実施の形態では、交差点の停止線から上流側に所定の距離の範囲を計測範囲として説明したが、計測範囲はこれに限定されるものではなく、見通しの悪いカーブ、交通事故多発地帯など、道路状況に応じて、種々の範囲を設定することができる。
【0105】
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明に係る車両情報生成装置による車両情報の生成方法の概要の一例を示す説明図である。
【図2】本発明に係る車両情報生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】車両感知器で検出する存在パルスの一例を示す説明図である。
【図4】車両感知器で計測した計測データの一例を示す説明図である。
【図5】車両情報の一例を示す説明図である。
【図6】車種情報の一例を示す説明図である。
【図7】自車両の特定方法の一例を示す説明図である。
【図8】自車両情報の一例を示す説明図である。
【図9】周辺車両情報の一例を示す説明図である。
【図10】自車両の特定方法の他の例を示す説明図である。
【図11】車両情報の他の例を示す説明図である。
【図12】隣接車両情報の一例を示す説明図である。
【図13】周辺車両情報の他の例を示す説明図である。
【図14】車両情報生成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】車両情報生成装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】本発明に係る車両情報生成装置による車両情報の生成方法の概要の他の例を示す説明図である。
【図17】実施の形態2の車両情報生成装置の構成の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0107】
10 車両感知器
20 通信装置
30 車両情報生成装置
301 制御部
302 通信部
303 隣接車両情報取得部
304 GPS受信部
305 ナビゲーション部
306 センサ部
307 記憶部
308 車両情報生成部
309 自車両特定部
310 時間差算出部
311 周辺車両情報生成部
312 表示部
313 報知部
314 インタフェース部
40 通信装置
50 車両情報生成装置
501 制御部
502 送信部
503 受信部
504 計時部
505 記憶部
506 車高算出部
507 存在時間算出部
508 速度算出部
509 車両情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成する車両情報生成装置であって、
所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点を取得する通過時点取得手段と、
前記対象車両の速度及び前記通過時点取得手段で取得した通過時点に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成する生成手段と
を備えることを特徴とする車両情報生成装置。
【請求項2】
対象車両の速度を取得する速度取得手段と、
前記所定時間の経過時点と前記通過時点取得手段で取得した通過時点との時間差を算出する時間差算出手段と、
該時間差算出手段で算出した時間差及び対象車両の速度に基づいて、前記所定時間の経過時点での前記対象車両の前記所定地点からの位置を算出する位置算出手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両情報生成装置。
【請求項3】
前記生成手段は、
対象車両の速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両情報生成装置。
【請求項4】
自車両の速度を取得する自車両速度取得手段と、
該自車両速度取得手段で取得した自車両の速度に基づいて、対象車両のうち前記自車両を除く他の車両の速度を算出する速度算出手段を備え、
前記生成手段は、
前記自車両の速度及び前記速度算出手段で算出した他の車両の速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両情報生成装置。
【請求項5】
対象車両の車高を取得する車高取得手段と、
該車高取得手段で取得した車高に基づいて前記対象車両の車長を特定する車長特定手段と、
対象車両が前記所定地点を通過するのに要する通過時間を取得する通過時間取得手段と、
該通過時間取得手段で取得した通過時間及び前記車長特定手段で特定した車長に基づいて、対象車両の速度を算出する速度算出手段と
を備え、
前記生成手段は、
前記速度算出手段で算出した速度に基づいて、車両情報を生成するように構成してあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両情報生成装置。
【請求項6】
自車両の位置を含む自車両情報を取得する自車両情報取得手段と、
該自車両情報取得手段で取得した自車両情報に基づいて、前記生成手段で生成した車両情報を探索して対象車両の中から自車両を特定する自車両特定手段と、
前記車両情報で示される対象車両のうち前記自車両特定手段で特定した自車両を除く他の車両を周辺車両として、該自車両と該周辺車両との位置関係を含む周辺車両情報を生成する周辺車両情報生成手段と
を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の車両情報生成装置。
【請求項7】
前記車両情報及び自車両情報は、
車高と車長のいずれか1つを含むことを特徴とする請求項5に記載の車両情報生成装置。
【請求項8】
コンピュータに、1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成させるためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータに、所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点及び速度に基づいて、各対象車両の位置を算出する位置算出手段と、
算出した位置に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成する生成手段と
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
1又は複数の対象車両の位置関係を示す車両情報を生成する車両情報生成方法であって、
所定時間内に道路上の所定地点を通過した1又は複数の対象車両の通過時点を取得し、
前記対象車両の速度及び取得した通過時点に基づいて、前記対象車両の位置関係を含む車両情報を生成することを特徴とする車両情報生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2009−104542(P2009−104542A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277949(P2007−277949)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】