説明

車両用の移動可能なシートまたは取り外し自在なシート

取り外し自在な車両のシート(1)の形態をとることが好ましい、車両用の移動自在または取り外し自在なシートが記載されている。この取り外し自在なシートは、取り外し自在なシートと車両に取り付けられた第2インダクタ(21)の間の誘導結合の一部を形成する第1インダクタ(17)を内蔵する。この第1インダクタは、少なくとも1つのコンデンサを内蔵する共振回路の一部を形成する。この共振回路の共振周波数は検出されるパラメータ、例えばシートのヘッドレストの位置、シートのバックレストの傾きなどに応答して変化できる。中央ユニット(23)は共振回路を励起する矩形波を発生し、共振回路から中央ユニット(23)へ信号が送信され、中央ユニットは共振回路の共振周波数を分析するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の移動可能なシートまたは取り外し自在なシートに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、1つ以上の取り外し自在なシート、例えばリムーバブルシートが設けられた多くの車両が製造されている。車両のドライバーが、例えば大きい荷物、すなわちかさばった荷物を運びたい場合、車両からこれらシートを取り外すことができるようになっている。シートの位置を調節できるように移動自在なシートおよび安全ベルトのためのピラーループ高さアジャスタが設けられている車両もある。
【0003】
事故が起きた場合にシート搭乗者を保護するようになっている安全装置を制御するのに使用される1つ以上のセンサスイッチを車両のシートに組み込まなければならないことが多い。例えばシートに搭乗者が乗っていることを示す重量検出スイッチを設けなければならない場合がある。更に、シート搭乗者が安全ベルトを使用しているか、いないかを検出するためのバックルスイッチが必要とされる場合もある。安全装置、例えばエアバッグの設置を適性に管理するために、かかるスイッチから誘導される信号は不可欠なものである。極めて複雑なケースにおいて、シートおよび/またはシート搭乗者に関するパラメータを検出するよう、その他多くのタイプのスイッチを設けることができる。
【0004】
車両のシートが所定位置に永続的に固定されている場合、車両内の安全装置の設置を管理するのに使用される中央制御ユニットに各スイッチを固定配線により接続できる。診断目的のためにスイッチを閉じることなく、時々配線の状態をチェックできるように、スイッチと並列に抵抗器を接続することが好ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、車両のシートを取り外し自在なシートとする場合、シート内のセンサスイッチと中央制御ユニットの間で固定配線を使用することはできない。シートを車両内に設置したり、または車両から取り外すたびに、コネクタを接続したり外したりするような配線装置を設けることは可能であるが、車両のユーザーが、必要な接続をすることを忘れることはあり得るので、このタイプの配線装置は好ましいものではない。従って、例えばトランス状の誘導結合を使用してシート内のスイッチの状態に関する情報を無接点で伝達することが望ましい。車両のシートは従来の調節自在なシートであっても、シートと車両との間である種の無線接続を使用することが望ましい。ループの高さを検出するためのセンサを有する、高さアジャスタを備えたピラーループのような部品に対しては、ピラーループを設置するときに永続的な配線接続をすることは困難であり、ピラーループ内のセンサにも無線接続することが望ましい。
【0006】
上記のように、診断目的のために、スイッチに対して並列に抵抗器が設けられているとき、スイッチが閉じられたときに検出されるものは抵抗値の変化であると理解すべきである。この場合、回路はスイッチに並列な抵抗器の公称値の抵抗値に等価的な抵抗値の高抵抗回路から低抵抗回路まで変化する。
【0007】
しかしながら、例えばトランスによって構成されるように、回路内に無接点の伝達手段がある場合、トランスの結合係数は、回路の抵抗値の測定値に影響する。例えばトランスが2つの部品から構成されており、一方の部品がシートに設けられ、他方の部品が車両側に設けられている場合、結合係数の実際の値は予測できず、結合係数は比較的小さい値となり得る。従って、シートと中央制御ユニットの間で無接点伝達される場合、車両のシート内のスイッチと抵抗器との組み合わせの抵抗値を正確に判断することは極めて困難である。
本発明は、車両用の改良された移動自在なシートまたは取り外し自在なシートを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、シートが、ユニットと車両に取り付けられた第2インダクタとの間の誘導結合の一部を形成する第1インダクタを内蔵し、前記第1インダクタが少なくとも1つのコンデンサを内蔵する共振回路の一部を形成し、検出されたパラメータに応答して共振回路の共振周波数が変化できる、車両用の取り外し自在なシートが提供される。
【0009】
前記可変パラメータは、高さ調節可能なベルトデフレクタの位置であることが好ましい。
【0010】
前記パラメータは、ヘッドレストの位置であることが好ましい。
【0011】
前記パラメータは、バックレストの傾きであることがことが好ましい。
【0012】
前記パラメータは、安全ベルトシステムの一部の状態であることが好ましい。
【0013】
前記パラメータは、安全ベルト巻き取り器の状態であることが好ましい。
【0014】
前記パラメータは、安全ベルトバックルの状態であることが好ましい。
【0015】
前記パラメータは、前記シートのクッションに加えられる重量であることが好ましい。
【0016】
前記共振回路は、前記回路に接続したり、前記回路から切り離されるようコンデンサをスイッチングするためのスイッチに関連する少なくとも1つのコンデンサを含むことが好ましい。
【0017】
前記シートは、複数のコンデンサを内蔵し、各コンデンサは前路回路に接続したり、前記回路から切り離されるようコンデンサを別々にスイッチングできるようにするためのそれぞれのスイッチを有することが好ましい。
【0018】
前記共振回路は、受動的回路であることが好ましい。
【0019】
前記シートは、車両と組み合わせて設けられており、前記車両には無接点伝達手段を形成するよう、前記第1インダクタと協動するための前記第2インダクタが設けられており、前記第2インダクタは、信号発生器(29)兼アナライザと関連し、共振回路を励起させる励起信号を発生すると共に、共振回路からの信号を分析するようになっていることが好ましい。
【0020】
前記共振回路は、前記スイッチの状態に応じた2つの共振周波数を有し、前記共振回路が発生した信号の基本周波数の奇数次の高調波である共振周波数を有するような信号を前記信号発生器が発生するようになっていることが好ましい。
【0021】
前記信号発生器は、複数の別個の信号を発生するようになっており、各信号は回路の発生可能な共振周波数である別の周波数を有することが好ましい。
【0022】
これら別個の信号は、いずれも同時に発生してもよいが、前記信号発生器は、発生可能な異なる共振周波数の連続する信号を発生するようになっていることが好ましい。
【0023】
一実施例では、前記信号発生器兼アナライザは、ある時間の間に信号を発生し、次の時間の間に信号を分析するようになっている。一実施例では、この発生器兼アナライザは、分析された信号を平均し、平均の位相と前記信号発生器が発生した信号の位相とを比較するようになっている。
【0024】
上記と異なり、前記信号発生器兼アナライザは、信号を発生すると同時に信号を分析するようになっている。
【0025】
本発明の理解をより容易にし、更に本発明の特徴を理解できるようにするために、以下添付図面を参照し例により本発明の実施例について説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1を参照すると、ここには車両のシート1が示されている。このシートは車両のドライバーが車両から取り外したり再度取り付けできるような、取り外し自在なシートとなっている。このシートはクッション2と、バックレスト3とを備え、バックレスト3は軸線4を中心としてクッション2に対して枢動自在である。このバックレスト3はヘッドレスト5を支持しており、このヘッドレスト5は支持アーム6によってバックレストに接続されている。ヘッドレスト5の位置は支持アーム6を上下に移動することによって調節することができる。
【0027】
シート1には安全ベルト7が設けられており、この安全ベルト7は巻き取り器のリール8に取り付けられている。シートベルト7の一部は高さが調節自在なループデフレクタ9を貫通している。安全ベルトに設けられたタングを受けるためのバックル10が設けられている。
【0028】
シート1内には種々のセンサスイッチが設けられており、シートのクッション内に第1センサスイッチ11が取り付けられており、この第1センサスイッチ重量応答センサスイッチとなっている。従って、搭乗者がシートに腰掛けると、このスイッチは閉じられる。
【0029】
バックル10にはスイッチ12が組み込まれており、シートベルトのタングがバックル10内に挿入されると、スイッチ12が閉じられ、よってシートの搭乗者がシートベルト7を着用したことが示される。
【0030】
高さ調節自在なループデフレクタ9にはセンサスイッチ13が設けられており、このセンサスイッチ13はループデフレクタの調節高さを表示するよう、適当な態様で閉じられるようになっている。バックレスト3にはクッション2に対するバックレスト3の傾斜度に応答自在なセンサスイッチ14が設けられており、巻き取り器8には巻き取り器から引き出される安全ベルトの長さに応じて閉じられるセンサスイッチ15が設けられている。ヘッドレスト5はヘッドレストの移動度に応じて閉じられるセンサスイッチ16が連動している。
【0031】
以上でこれまで多数の簡単なスイッチを参照したが、これまで説明したスイッチの多くは簡単なオンオフスイッチを出力する代わりに、以下詳細に説明するように、出力が徐々に大きくなるようなセンサに置き換えてもよいと理解すべきである。
【0032】
シート1にはインダクタ17が設けられており、以下説明するように、このインダクタ17を含む回路内には種々のスイッチおよびセンサが設けられている。
【0033】
図1はシート1を取り付ける車両のフロア20の一部も示している。このフロア20にはインダクタ21が設けられており、このインダクタ21はシートに設けられたインダクタ17と協動し、シートと車両との間にトランスすなわち無接点伝達装置を形成している。インダクタ21はワイヤー22により中央制御ユニット23に接続されている。この制御ユニット23は種々の安全装置、例えば安全装置24の設置を制御するようになっている。
【0034】
図2は、車両およびシート内に設けられた回路を略図で示すが、表示を簡潔にするためにシート内の回路は1つのセンサスイッチしか備えていない。
【0035】
図2をより詳細に検討すると、シートに設けられたインダクタ17は、同調共振回路の一部を形成する。この共振回路はインダクタ17と並列に接続された第1コンデンサ25を備え、更にインダクタ17と第1コンデンサ25との組み合わせに並列に接続された第2コンデンサ26とスイッチ27の直列接続も備える。従って、スイッチ27はこのスイッチが開であるか閉であるかに応じて共振回路に対して第2コンデンサ26を(図3に示されるように)接続状態および(図2に示されるように)切り離し状態に切り換えるのに有効である。
【0036】
図2に示された回路はスイッチ27が開の場合にインダクタ17のインダクタンス9とコンデンサ25の容量によって決定される周波数を有する共振回路が形成されるように構成されていることが理解できよう。しかしながら、スイッチが閉じられると、この回路の共振周波数は、コンデンサ25と26との組み合わせと、インダクタンスL1とによって決定される第2の共振周波数となる。
【0037】
図2は車両のフロア20に設けられたインダクタ21およびこのインダクタ21に接続された信号処理回路28も示している。この信号処理回路28はこの回路の出力が中央制御ユニット23に接続された状態で、インダクタ21に隣接してもよいし、またはこれとは異なり、信号処理回路28が中央制御ユニット23の一部を形成していてもよい。
【0038】
信号処理回路28は信号発生器兼信号アナライザ29を内蔵している。この信号発生器兼アナライザ29は、回路内で抵抗器30と共にインダクタ21に接続されている。更に、インダクタ21を有する回路にはシュミットトリガー回路となっているパルス整形器31も接続されており、このシュミットトリガー回路は、インダクタ21内に存在するサイン波を矩形パルス波に変換するように接続されている。
【0039】
信号発生器兼アナライザ29は番号32で示されるように、周波数F0を有する矩形波電流信号を発生するようになっている。この矩形波はインダクタ21からインダクタ17へ電磁誘導により伝達されるので、共振回路を励起する。この共振回路は番号33で示されるような電圧周波数F5で共振する。この電圧曲線はほとんど純粋なサイン波である。共振回路からの信号はインダクタ17からインダクタ21へ送信し戻される。インダクタ21から信号整形回路31へ信号が送られ、信号整形回路への入力信号34は信号33と等価的なサイン波電圧であるが、矩形波32の極性が変化するときにいつも発生するスパイク波が追加される。この信号33は矩形波F0の5次高調波の周波数F5を有する矩形波35を発生するように、信号整形回路31によって整形される。この矩形波35は信号発生器兼アナライザ29によって分析される。
【0040】
ここで、スイッチ27が開状態にある、これまで説明した実施例では、車両のシート内に設けられた共振回路の共振周波数は、周波数F0の5次高調波F5であるが、(図3に示されるように)スイッチ27が閉じた状態にある場合、シート内の回路の共振周波数は周波数F0の3次高調波F3となる。
【0041】
従って、図3に示されるように、スイッチ27が閉状態にある場合、信号33、34および35の周波数はいずれも、最初に発生した矩形波信号32の3次高調波であるF3となる。
【0042】
従って、図1および2に示された回路が作動すると、信号発生器兼アナライザ29はまず矩形波F0を発生するが、この矩形波はインダクタ21からインダクタ17へ送られ、インダクタ17は共振回路を共振させると理解すべきである。この共振回路はスイッチ27が開か閉であるかに応じて適当な共振周波数で共振する。(図2に示されるように)スイッチが開である場合、共振回路は周波数F0の5次高調波F5に共振し、インダクタ17からインダクタ21へ信号が送信され、この信号は整形回路31で整形され、その結果生じる矩形波は信号発生器兼アナライザ29へ送られる。信号発生器兼アナライザ29は受信した信号が周波数F0の3次高調波(図3)であるか、または5次高調波(図2)であるかを判断でき、従って、スイッチ27が開であるか閉であるかを判断できる。
【0043】
従って、ここに開示する装置は、スイッチの状態を検出できるようにするだけでなく、対応する回路の診断チェックも実行できるようにすると理解すべきである。
【0044】
図4は、例示のために設けられた図である。図4に示されたこの回路は、インダクタ21の一端と信号発生器兼アナライザ29およびパルス整形器31との間に接続された制御可能なスイッチ36が設けられている点を除けば、一般的には図2に示された回路と等価的である。
【0045】
回路上の種々のポイントはA〜Dで表示されている。
【0046】
図5は、回路が作動しているときに、2つの時間T1、T2の間でポイントA〜Dに存在する波形を示すグラフである。最後のTの間で信号発生器兼アナライザ29は実際に信号を送り、スイッチ36は抵抗器30に接続されるが、次のT2の時間では信号発生器兼アナライザ29は信号を分析し、スイッチ36はパルス整形回路31に接続される。
【0047】
最初に信号発生器兼アナライザ29がインダクタ21へのリード線の1つである、ポイントAから判るように、周波数F0で矩形は出力信号を発生してるときには、強力な矩形波が生じる。整形回路31への入力端であるポイントCでは、信号は発生せず整形回路31の出力端であるポイントDでも信号は発生しない。時間T1の終了時に、スイッチ36の状態が変化し、信号発生器兼アナライザ29は分析を開始する。時間T2の開始時にはシート内に取り付けられた共振回路内のポイントBにおいて、まだ強力なサイン波が存在する。しかしながら、このサイン波は時間とともに減衰する。このサイン波はインダクタ17からインダクタ21へ誘導結合され、理解できるように、ポイントAでは多少小さくなるが、区別できるサイン波形となっているが、この波形も再び時間と共に減衰する。スイッチ36は次に整形回路31の入力端に接続されるので、ポイントCにおける波形はポイントAにおける波形と実質的に同一であることが理解できよう。整形回路31の出力は信号アナライザ29による信号の分析を容易にする矩形波形となっている。
【0048】
次に図6を参照すると、信号伝達および信号分析工程は何回も完了できることが理解できよう。整形回路31によって発生されるような、ポイントDにおける矩形波信号の位相は、一般に信号発生器兼アナライザ29によって発生されるような、ポイントAにおける直前の信号と一般に位相が合っていることが理解できよう。n回の作動にわたる連続する信号を平均することができ、元の矩形波と比較されるこの平均信号は、元の矩形波と位相が合っている。
【0049】
図7では、同じ工程が繰り返されるが、共振回路は存在せず、スプリアス信号が存在する。分析され、平均化された信号は元の矩形波と位相が一致しないことが理解できよう。平均化された信号はほとんどノイズのようになる。従って、信号発生器兼アナライザ29は整形回路31から受信した信号の位相と、最近送信された信号の位相とを比較するようになっている。これによってスプリアス信号を外乱から識別することを補助できる。
【0050】
上記発明の変形例では、信号発生器兼アナライザ29が共振回路の各可能な共振周波数に対して別々の波を発生するように構成できることが考えられる。これら別々の波は逐次発生してもよい。
【0051】
以上で、1つの特定の形態の共振回路を参考にして本発明を説明したが、多くの異なるタイプの共振回路を利用できると理解すべきである。例えば図8は、インダクタ17が2つのコンデンサ25、26の直列接続に接続されており、コンデンサの一方26がスイッチ27によって効果的にショートされている変形された共振回路を示す。従って、この回路27は共振回路に接続されたり、回路から切り離されたりするようコンデンサ26をスイッチングできる。当然ながら、上記以外の多くの共振回路の構造も利用できる。
【0052】
これまでの説明は1つのスイッチにしか説明を集中しなかったが、図1では単一のシートは、多数のスイッチを内蔵できることが示されている。図9は、インダクタ17が共振回路内に接続された回路を示し、この共振回路は、第1コンデンサ25を内蔵すると共に、関連するスイッチ41を備えたコンデンサ40、関連するスイッチ43を備えたコンデンサ42、および関連するスイッチ44を備えたコンデンサ43を含む多数の別々にスイッチングされる補助コンデンサを更に含む。これらコンデンサの値は、閉じられるスイッチの組み合わせにもかかわらず、明確に識別できる共振周波数が得られるように選択されている。このタイプの回路内には任意の数のコンデンサが存在できると理解すべきである。
【0053】
図10は、可変コンデンサである単一コンデンサ45にインダクタ17が関連する回路を示す。例えばスイッチ14の代わりに、シートの背部にあるレーキの度合いに従って容量を調節できる可変コンデンサを使用してもよい。高さ調節可能なデフレクタループ9に関連するスイッチ13の代わりに、可変コンデンサ45を使用してもよい。
【0054】
図11は、インダクタ17、コンデンサ25、更に可変インダクタ46を備えた共振回路を示す。可変信号を発生しなければならない場合には再び可変インダクタを使用してもよい。
【0055】
従って、本発明の車両用シート内には車両のシートの状態に従って共振周波数が変化するような共振回路が設けられると理解すべきである。これまで説明した実施例の各々では、シートに設けられた共振回路は能動的部品を有していない。
【0056】
従って、共振回路の各々は受動的である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】車両のシートおよび車両の一部の略図である。
【図2】本発明に係わるシートの特徴を示すいくつかの波形を示す回路図である。
【図3】別の波形を示す、図2に対応する図である。
【図4】本発明の変形実施例を示す、図2に類似する図である。
【図5】図4の回路に関連した波形を示す図である。
【図6】図4の回路に関連した波形を示す別の図である。
【図7】比較のために波形を示す別の図である。
【図8】図2、3および4の回路の一部の変形例を示す。
【図9】別の変形例を示す、図7に対応する図である。
【図10】別の変形例を示す、図7に対応する図である。
【図11】別の変形例を示す、図7に対応する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが、ユニットと車両に取り付けられた第2インダクタ(21)との間の誘導結合の一部を形成する第1インダクタ(17)を内蔵し、前記第1インダクタが少なくとも1つのコンデンサ(24、45)を内蔵する共振回路の一部を形成し、検出されたパラメータに応答して共振回路の共振周波数が変化できることを特徴とする車両用の取り外し自在なシート。
【請求項2】
前記可変パラメータが、高さ調節可能なベルトデフレクタ(9)の位置である請求項1記載のシート。
【請求項3】
前記パラメータが、ヘッドレスト(5)の位置である請求項1または2記載のシート。
【請求項4】
前記パラメータが、バックレスト(3)の傾きである請求項1〜3のいずれか1つに記載のシート。
【請求項5】
前記パラメータが、安全ベルトシステム(7)の一部の状態である請求項1〜4のいずれか1つに記載のシート。
【請求項6】
前記パラメータが、安全ベルト巻き取り器(8)の状態である請求項5記載のシート。
【請求項7】
前記パラメータが、安全ベルトバックル(10)の状態である請求項5記載のシート。
【請求項8】
前記パラメータが、前記シート(2)のクッションに加えられる重量である請求項1〜7のいずれか1つに記載のシート。
【請求項9】
前記共振回路が、前記回路の内外にコンデンサをスイッチングするためのスイッチ(27)に関連する少なくとも1つのコンデンサ(25、26)を含む請求項1〜8のいずれか1つに記載のシート。
【請求項10】
複数のコンデンサ(25、26)を内蔵し、各コンデンサが回路の内外にコンデンサを別々にスイッチングできるようにするためのそれぞれのスイッチを有する請求項1〜9のいずれか1つに記載のシート。
【請求項11】
前記共振回路が、受動的回路である請求項1〜10のいずれか1つに記載のシート。
【請求項12】
前記シートが、車両と組み合わせて設けられており、前記車両には無接点伝達手段を形成するよう、前記第1インダクタ(17)と協動するための前記第2インダクタ(21)が設けられており、前記第2インダクタ(21)が、信号発生器(29)兼アナライザと関連し、共振回路を励起させる励起信号を発生すると共に、共振回路からの信号を分析するようになっている請求項1〜11のいずれか1つに記載のシート。
【請求項13】
前記共振回路が、前記スイッチ(27)の状態に応じた2つの共振周波数を有し、前記共振回路が発生した信号の基本周波数の奇数次の高調波である共振周波数を有するような信号を前記信号発生器が発生するようになっている請求項12記載のシート。
【請求項14】
前記信号発生器(29)が、複数の別個の信号を発生するようになっており、各信号が回路の発生可能な共振周波数である別の周波数を有する請求項12記載のシート。
【請求項15】
前記信号発生器(29)が、発生可能な異なる共振周波数の連続する信号を発生するようになっている請求項12記載のシート。
【請求項16】
前記信号発生器兼アナライザ(29)が、ある時間の間に信号を発生し、次の時間の間に信号を分析するようになっている請求項12〜15のいずれか1つに記載のシート。
【請求項17】
前記信号発生器兼アナライザ(29)が、信号を発生すると同時に信号を分析するようになっている請求項12〜15のいずれか1つに記載のシート。
【請求項18】
前記信号発生器兼アナライザ(29)が、分析された信号を平均し、平均の位相と前記信号発生器が発生した信号の位相とを比較するようになっている請求項16記載のシート。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公表番号】特表2006−526529(P2006−526529A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508048(P2006−508048)
【出願日】平成16年5月7日(2004.5.7)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000703
【国際公開番号】WO2004/098943
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(594037497)オートリブ ディヴェロプメント アクチボラゲット (33)
【Fターム(参考)】