車両用ドアトリム
【課題】部品点数を低減可能な車両用ドアトリムを提供することが可能となる。
【解決手段】トリムボード11と、トリムボード11における車室内側に露出されるインサイドハンドル13と、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられ、インサイドハンドル13を挿通可能な挿通孔41を有した枠状部材40と、を備え、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置と、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、挿通孔41にコップ17を挿通可能とする使用位置と、の間で変位可能となる形で、トリムボード11に対して取り付けられていることに特徴を有する。
【解決手段】トリムボード11と、トリムボード11における車室内側に露出されるインサイドハンドル13と、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられ、インサイドハンドル13を挿通可能な挿通孔41を有した枠状部材40と、を備え、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置と、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、挿通孔41にコップ17を挿通可能とする使用位置と、の間で変位可能となる形で、トリムボード11に対して取り付けられていることに特徴を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアトリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリムには、カップホルダなどの保持部材が設けられているものが知られている(下記特許文献1参照)。このような保持部材は、ドアトリムの表面に重なる形で折り畳まれた位置と、水平状態に起立された位置の2つの位置に変位可能な形でドアトリムに対して取り付けられている。これにより、保持部材を使用しない際には、格納位置にすることで、乗客が車室空間をより広く使用することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−306341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的にドアトリムには、上述した保持部材の他にも、所定の機能を有する機能性部品が設けられている。ドアトリムの部品点数を低減させるためには、一つの部材に複数の機能を持たせることが好ましく、この点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数を低減可能な車両用ドアトリムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用ドアトリムは、トリムボードと、前記トリムボードにおける車室内側に露出される機能性部品と、前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられ、前記機能性部品を挿通可能な挿通孔を有した枠状部材と、を備え、前記枠状部材は、前記挿通孔に前記機能性部品が挿通された形で配される第1位置と、前記挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、前記挿通孔に荷物を挿通可能とする第2位置と、の間で変位可能となる形で、前記トリムボードに対して取り付けられていることに特徴を有する。
【0007】
本発明では、枠状部材が第1位置と第2位置との間で変位可能となる形でトリムボードに対して取り付けられている。第1位置にある枠状部材は、機能性部品が挿通孔に挿通された形で配される構成となっている。つまり、第1位置にある枠状部材は、機能性部品に外装されることで、機能性部品の枠体(ベゼル)を構成している。そして、枠状部材は、第2位置においては、挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される。このため、挿通孔に荷物を挿通させることで、荷物を保持することができる。例えば、荷物の一例として、コップを挿通孔に挿通させて保持させた場合、枠状部材をドリンクホルダとして用いることができる。
【0008】
上述のように、本発明の枠状部材は、機能性部品の枠体としての機能と荷物を保持する保持部材としての機能を有している。このようにすれば、枠体と保持部材とを別部品として備えた構成と比較して、部品点数を低減することができる。なお、ここでいう「挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う」とは、挿通孔の挿通方向が鉛直方向と一致するものの他、鉛直方向に対してわずかに傾いているものも含まれる。
【0009】
上記構成において、前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられたアームレストを備え、前記アームレストは、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置と、の間で変位可能となる形で前記トリムボードに対して取り付けられており、前記枠状部材は、前記アームレストに設けられ、前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第1位置となり、前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第2位置となるものとすることができる。
【0010】
本発明においては、アームレストが、アームレストのアーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置との間で変位可能となる形でトリムボードに対して取り付けられている。このため、アーム載置面を水平方向に沿う形で配することで、アーム載置面に腕部を載置させることができる。
【0011】
また、アームレストを使用しない際には、アーム載置面をトリムボードの延設方向に沿う形で配することで、アーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配された状態と比較して、車室内側への突き出し量を小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0012】
そして、枠状部材は、アームレストに設けられ、「アームレストのアーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配される位置」にある場合に、第1位置となり、「アームレストが、アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置」にある場合に、第2位置となる。つまり、アームレストを変位させることで、枠状部材を第1位置と第2位置との間で変位させることができる。このため、枠状部材を変位させるための機構を別に設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0013】
また、前記枠状部材の前記挿通孔は、前記枠状部材が前記第2位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしているものとすることができる。このような構成とすれば、第2位置における枠状部材の挿通孔に対して、上方から荷物を挿通させることが容易となり、作業性が向上する。
【0014】
また、前記枠状部材に隣接する形で光源が設けられ、前記枠状部材は、前記光源からの光が入射可能な光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射可能な光出射部と、を有し、前記光源からの光を導光可能な導光部材であるものとすることができる。
【0015】
光源を備えるとともに、枠状部材を導光部材とすることで、枠状部材を発光させることができる。これにより、枠状部材を発光させることで、車室空間を演出することができる。また、枠状部材を発光させることで枠状部材の視認性を向上させることができ、挿通孔に荷物を挿通させる際の作業性を向上させることができる。また、枠状部材が第1位置にある状態で、枠状部材を発光させることで、機能性部品を照らすことができ、その視認性を高くすることができる。
【0016】
前記枠状部材の一部を、前記挿通孔と連通する形で切り欠くことで、前記挿通孔に対して、前記挿通孔の挿通方向と交差する方向から、前記荷物を差し入れ可能な切り欠き部が形成されているものとすることができる。
【0017】
本発明においては、枠状部材に切り欠き部が形成されており、切り欠き部を通じて、挿通孔の挿通方向と交差する方向から、挿通孔に対して、荷物を差し入れることができる。このようにすれば、例えば、環状をなす荷物(例えば、バックの持ち手など)を枠状部材に引っ掛けることもでき、保持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部品点数を低減可能な車両用ドアトリムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが収容位置)。
【図2】図1のドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【図3】図2のドアトリムにおいて、アームレストの先端部を折り返す過程を示す斜視図。
【図4】図1のドアトリムを表面側から視た状態を示す正面図(アームレストが収容位置)。
【図5】収容位置にあるアームレストを示す断面図(図4のA−A線で切断した図に対応)。
【図6】図5においてアームレストが展開位置にある状態を示す断面図(先端部が基端部の上面に重なった状態)。
【図7】図5においてアームレストが展開位置にある状態を示す断面図(先端部が基端部の下面に重なった状態)。
【図8】アームレストの基端部の構成を示す分解斜視図。
【図9】インサイドハンドルに枠状部材が装着されている状態を示す断面図(図4のB−B線で切断した図に対応)。
【図10】アームレストが展開位置にある状態の枠状部材を示す断面図(図8のD−D線で切断した図に対応)。
【図11】本発明の実施形態2に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【図12】本発明の実施形態3に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。図1は、本実施形態のドアトリム10(車両用ドアトリム)を表面(車室内側の面)側から視た状態の斜視図を示したものである。ドアトリム10は、車両用のドアパネル(不図示)に取り付けられるもので、正面視略方形状をなしている。
【0021】
ドアトリム10は、図1に示すように、トリムボード11と、アームレスト20と、を備えている。トリムボード11は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって構成されている。また、トリムボード11には、アームレスト20を収容可能な収容部14が形成されている。また、トリムボード11において、収容部14の内部には、略円柱状をなすインサイドハンドル13(機能性部品)が設けられている。インサイドハンドル13は、図2に示すように、車室内側に突き出す形で配されており、車室内側に露出されている。
【0022】
アームレスト20は、図1に示すように、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられている。アームレスト20は、車室前後方向に長い略楕円形の板状をなしており、トリムボード11に取り付けられる基端部21と、基端部21に対して先端側に位置する先端部31とを含んでいる。
【0023】
この先端部31は、基端部21に対して折り返し可能な形で取り付けられている。先端部31は、基端部21とほぼ同じ形状をなしており、基端部21に対して折り返された状態では、先端部31が基端部21のほぼ全面に重なる形で配される構成となっている(図2参照)。つまり、アームレスト20は、その短辺方向において、2つ折りにして折り畳むことが可能な構成となっている。
【0024】
アームレスト20の基端部21において、トリムボード11側の周端部には、取付凹部29が複数箇所(本実施形態では2箇所)形成されている。この取付凹部29には、トリムボード11の収容部14に形成された取付突部18が嵌合可能となっている。そして、各取付凹部29と、各取付突部18とは、ヒンジ28を介して取り付けられている。なお、図1及び図4においては、ヒンジ28を破線で図示してある。
【0025】
これにより、アームレスト20は、ヒンジ28を中心として、トリムボード11に回動可能な構成とされる。このような構成とすることで、アームレスト20は、アーム載置面(後述する基端部21の上面21A又は先端部の上面31A)が、トリムボード11の延設方向に沿う形で配される収容位置(図1及び図5に示す位置)と、アーム載置面が水平方向に沿う形で配される展開位置(図2及び図6に示す位置)と、の間で変位可能となっている。なお、本実施形態においては、展開位置にあるアームレスト20は、上方に回動されることで、収容位置まで変位する構成となっている。
【0026】
なお、以下の説明において、アームレスト20を構成する部品(枠状部材40など)については、アームレスト20が展開位置にある状態を、上下方向の基準とする。例えば、アームレスト20の上面と言った場合は、展開位置にあるアームレスト20における上側の面のことを指す。
【0027】
収容部14は、図5に示すように、トリムボード11の一部を車室外側に凹設する形で形成されている。この収容部14は、図4に示すように、正面視において、アームレスト20よりも一回り大きい(又はほぼ同じ)形状をなしている。なお、図5〜図7の断面図では、インサイドハンドル13及び枠状部材40を省略している。
【0028】
収容部14は、収容位置にあるアームレスト20の全体(つまりアームレスト20を折り畳まない状態)を収容可能となっている。アームレスト20を収容部14に収容させることで、アームレスト20における車室内側の面と、トリムボード11における車室内側の面とが、より面一に近い状態となり、意匠性を向上させることができる。なお、収容位置にあるアームレスト20は、トリムボード11における車室内側の面を覆う形で配されており、ドアトリム10におけるオーナメントの機能を担っている。
【0029】
アームレスト20の基端部21は、図5及び図8に示すように、合成樹脂製の基材22と、基材22の表裏両面をそれぞれ覆う軟質材23と、各軟質材23の表裏両側を覆う表皮材24と、略円管状をなす枠状部材40と、照明ユニット50と、を備えている。なお、軟質材23は、図5では図示省略し、図8においては、表側を覆う軟質材23のみを図示してある。
【0030】
アームレスト20の先端部31は、図5に示すように、合成樹脂製の基材32と、基材32の表裏両面をそれぞれ覆う表皮材34とを備えている。基材32は、例えば、基端部21の基材22と比較して薄く設定されている。また、先端部31は全体としてある程度の屈曲性を有している。これにより、図6に示すように、基端部21の表面に沿う形で先端部31を配することが可能となっている。
【0031】
図5に示すように、アームレスト20の先端部31において、先端側の表裏各面には、メス型ボタン35A,35Bがそれぞれ設けられている。また、図2及び図5に示すように、トリムボード11の収容部14の上端部には、下方に突き出す突出部15が形成されている。この突出部15には、メス型ボタン35Aが係止可能なオス型ボタン15Aが設けられている。このオス型ボタン15Aにメス型ボタン35Aを係止させることで、アームレスト20が収容位置で保持される構成となっている(図5の状態)。
【0032】
また、図5に示すように、トリムボード11において、収容部14の下端部には、上方に突き出す支持部16が形成されている。支持部16は、図6及び図7に示すように、その上面で展開位置にあるアームレスト20を支持可能となっている。支持部16によってアームレスト20を支持することで、アームレスト20が展開位置で保持される構成となっている。
【0033】
アームレスト20において、先端部31の表皮材34と、基端部21の表皮材24とは、車室前後方向の全長に亘って、縫い糸30によって、互いに縫い合されている(図5参照)。これにより、先端部31が基端部21に対して折り返し可能な構成となっており、先端部31を基端部21の表面側又は裏面側のいずれかの方向に選択的に折り返すことが可能となっている。
【0034】
基端部21の表裏両面において、基端側(トリムボード11側)の箇所には、オス型ボタン25A、25Bがそれぞれ設けられている。上述した先端部31のメス型ボタン35Aは、基端部21のオス型ボタン25Aに係止可能となっている。これにより、先端部31を基端部21の上面を覆う形で折り返した際に、メス型ボタン35Aを基端部21のオス型ボタン25Aに係止させることで、この状態を保持可能となっている(図2及び図6参照)。
【0035】
また、上述した先端部31のメス型ボタン35Bは、基端部21のオス型ボタン25Bに係止可能となっている。これにより、図7に示すように、先端部31を基端部21の下面を覆う形で折り返した際には、メス型ボタン35Bを基端部21のオス型ボタン25Bに係止させることで、この状態を保持可能となっている。
【0036】
このように、先端部31は、基端部21に対する折り返し方向の違いにより、基端部21の表裏各面(上面又は下面)のうち、いずれか一方の面を選択的に覆うことが可能とされている。なお、ここでいう基端部21の上面、下面とは、アームレスト20が展開位置に配されている場合の鉛直方向上下の面のことを言う。
【0037】
アームレスト20が展開位置に配されている状態において、先端部31を基端部21の上面21Aを覆う形で折り返した際には、先端部31の上面31Aに乗客の腕部を載置することになる。つまり、先端部31の上面31Aがアーム載置面となる(図6の状態)。また、アームレスト20が展開位置に配されている状態において、先端部31を基端部21の下面を覆う形で折り返した際には、基端部21の上面21Aに乗客の腕部を載置することになる。つまり、基端部21の上面21Aがアーム載置面となる(図7の状態)。
【0038】
アームレスト20の基端部21における基材22は、図8に示すように、軟質材23が嵌合可能な箱状をなしている。そして基端部21の内部には、正六角形状をなす複数の壁部27(衝撃吸収部)がハニカム構造となる形で配されている。このように複数の壁部27によってハニカム構造を構成することで、車両の衝突時(特に、側面からの衝突時)などの衝撃エネルギーを吸収することができ、乗客を保護することができる。
【0039】
次に、アームレスト20に設けられた枠状部材40と、照明ユニット50について詳しく説明を行う。枠状部材40は、図3及び図8に示すように、挿通孔41を有する環状をなしている。アームレスト20の基端部21における基材22には、その一部を半円状に切り欠くことで取付部26が形成されている。枠状部材40は、取付部26にその一部が嵌合される形で、基材22に対して取り付けられている。
【0040】
基材22に対する枠状部材40の取付構造を具体的に説明すると、枠状部材40の外周面には、略L字状をなし、外側に突き出す取付片42が複数個形成されている。一方、基材22における取付部26には取付孔26Aが各取付片42に対応して複数箇所形成されている。各取付片42が各取付孔26Aにそれぞれ挿通された後、取付部26を構成する壁部26Bに対して、基材22の内部側から係止することで、枠状部材40が取付部26に取り付けられる構成となっている。
【0041】
なお、図3に示すように、アームレスト20の先端部31において、枠状部材40に対応する箇所には、その一部を略半円状に切り欠くことで切欠部36が形成されている。これにより、先端部31と枠状部材40とが干渉することなく、先端部31を基端部21に対して折り返すことができる。
【0042】
枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13の径より一回り大きい円形状をなしている。図9に示すように、枠状部材40は、アームレスト20が収容位置にある状態においては、その挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される。つまり、枠状部材40は、アームレスト20が収容位置にある状態において、インサイドハンドル13に対して、その外側を囲む形で装着されており、インサイドハンドル13のベゼル(枠体)を構成している(図1も参照)。
【0043】
また、枠状部材40は、図2及び図10に示すように、アームレスト20が展開位置にある状態においては、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向(図10の上下方向)に沿う形で配される。これにより、枠状部材40は、挿通孔41にコップ17(荷物)などを挿通させることで、コップ17を保持することが可能となっている。
【0044】
このように、アームレスト20が収容位置にある状態では、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置(第1位置、図1及び図9に示す位置)になり、アームレスト20が展開位置にある状態では、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される使用位置(第2位置、図2及び図10に示す位置)となる。
【0045】
つまり、枠状部材40は、インサイドハンドル13のベゼル(枠体)としての機能と、コップ17のような荷物を保持する保持部材としての機能との2つの機能を担っており、アームレスト20の変位(ヒンジ28を中心とした回動)に伴って、装着位置と使用位置との間で変位することで、2つの機能を切り替えることができる。
【0046】
また、枠状部材40の挿通孔41は、図10に示すように、アームレスト20が展開位置にある状態(枠状部材40が使用位置にある状態)において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしている。つまり、挿通孔41の内周面40Dは、テーパ状をなしている。これにより、挿通孔41に対して、コップ17を上方から挿通させやすくなっている。また、コップ17は、一般的に底面に向かうにつれて、径が小さくなる形状をなしている場合が多いから、挿通孔41に挿通させた場合に、より安定してコップ17を保持することができる。
【0047】
また、アームレスト20が収容位置にある状態では、枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13側に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしていると言うこともできる。インサイドハンドル13(正確には、インサイドハンドル13を構成する壁部13A)の形状は、図9に示すように、車室内側に向かってわずかに先細りする形状をなしている。これは、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aをトリムボード11と一体的に成形型などで成形する場合、壁部13Aの型抜きを容易に行うためである。上述のように、枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13側に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしているから、インサイドハンドル13に枠状部材40を装着させる場合に好適である。
【0048】
なお、インサイドハンドル13に枠状部材40が装着された状態では、図9に示すように、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aと、枠状部材40の挿通孔41の内周面との間には隙間S1が生じる構成となっている。これにより、アームレスト20(ひいては枠状部材40)がヒンジ28を介して回動する際に、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aと、枠状部材40とが干渉する事態を防止することが可能となっている。
【0049】
図8に示すように、照明ユニット50は、アームレスト20の基端部21における基材22に収容されている。照明ユニット50は、図8及び図10に示すように、箱状をなす光源収容部51と、その内部に収容されたLED52(光源)を備えている。
【0050】
枠状部材40は、導光材料により構成されている。ここでいう「導光材料」とは、入射された光をその内部で導光させる性質を有するもので、例えば、屈折率が空気よりも高く、アクリル系合成樹脂などの光を透過させる材料のことである。
【0051】
このような導光材料としては、例えば、公開特許公報である特開2005−306233号や特開平6−75120号等に開示された公知の導光材料と同じ構成のものを使用することも可能である。なお、枠状部材40の材質としては、アクリル樹脂の他、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂またはガラスなど、透明性が高く、透過率の大きなものを用いることができる。
【0052】
LED52は、図10に示すように、枠状部材40に隣接する形で配されており、その発光面52Aを枠状部材40の外周面40Bに向ける形で配されている。これにより、枠状部材40の外周面40Bのうち、発光面52Aと対向する部分が、LED52から出射される光を入射可能な光入射面43(光入射部)とされる。なお、LED52は、電源装置(図示しない)に電気的に接続されており、LED52の発光及び消灯が制御可能な構成となっている。
【0053】
枠状部材40の上面40A(アームレスト20が展開位置にある場合の上側の面)、下面40E及び内周面40Dには、例えば、フッ素系樹脂を被覆するなどの処理がなされており、枠状部材40の内部に導入された光を外部に出射可能な構成とされている。つまり、枠状部材40の上面40A、下面40E、内周面40Dは、光入射面43から枠状部材40内部に入射された光を外部に出射させる光出射面(光出射部)とされる。
【0054】
以上の構成から、LED52が発光すると、その光が枠状部材40の光入射面43から入射される。入射された光は、枠状部材40の内部で全反射を繰り返すことで導光されるとともに、その光の一部が各光出射面から出射される。これにより、枠状部材40のほぼ全体を発光させることが可能な構成となっている。また、枠状部材40の各光出射面にフロスト加工などを施すことで、出射光を拡散させる構成としてもよい。枠状部材40から出射される光を拡散させることで、車室内の演出効果をより高くすることができる。
【0055】
なお、上述した光出射面から、光を出射させるための構成としては、フッ素系樹脂を被覆する以外の構成も適用可能である。例えば、光出射面に光を透過散乱させる透過散乱部を形成することで、光出射面から光を出射させる構成としてもよい。このような透過散乱部は、例えば、透過拡散材料である透明微粒子(プラスチックやガラス等)が混入されたペーストをドットパターンにて光出射面に印刷することで形成することができる。このような透過散乱部にて枠状部材40内の光を散乱させることで、光出射面に対する入射角が、臨界角を超えない光(すなわち全反射されない光)を生み出し、もって光を光出射面から外部へと出射させることが可能となる。また、光出射面にて光を散乱させ、出射させる構成としては、光出射面に凹凸形状のパターンを形成することで光を散乱させる構成としてもよい。
【0056】
以上、説明したように、本実施形態のドアトリム10は、トリムボード11と、トリムボード11における車室内側に露出されるインサイドハンドル13と、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられ、インサイドハンドル13を挿通可能な挿通孔41を有した枠状部材40と、を備え、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置(第1位置)と、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、挿通孔41にコップ17を挿通可能とする使用位置(第2位置)と、の間で変位可能となる形で、トリムボード11に対して取り付けられている。
【0057】
本実施形態では、枠状部材40が装着位置と使用位置との間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられている。装着位置にある枠状部材40は、インサイドハンドル13が挿通孔41に挿通された形で配される構成となっている。つまり、装着位置にある枠状部材40は、インサイドハンドル13に外装されることで、インサイドハンドル13の枠体(ベゼル)を構成している。そして、枠状部材40は、使用位置においては、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される。このため、挿通孔41にコップ17を挿通させることで、これを保持することができ、枠状部材をドリンクホルダとして使用することができる。
【0058】
上述のように、本実施形態の枠状部材40は、インサイドハンドル13の枠体としての機能と、荷物を保持する保持部材としての機能を有している。このようにすれば、枠体と保持部材とを別部品として備えた構成と比較して、部品点数を低減することができる。
【0059】
また、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられたアームレスト20を備え、アームレスト20は、アームレスト20のアーム載置面(基端部の上面21A又は先端部の上面31A)がトリムボード11の延設方向に沿う形で配される収容位置と、アームレスト20のアーム載置面が水平方向に沿う形で配される展開位置と、の間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられており、枠状部材40は、アームレスト20に設けられ、アームレスト20が、収容位置にある場合に、枠状部材40が装着位置となり、アームレスト20が、展開位置にある場合に、枠状部材40が使用位置となる構成となっている。
【0060】
本実施形態においては、アームレスト20が、収容位置と、展開位置との間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられている。これにより、アーム載置面を水平方向に沿う形で配することで、アーム載置面に腕部を載置させることができる。
【0061】
また、アームレストを使用しない際には、アーム載置面をトリムボードの延設方向に沿う形で配することで、アーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配された状態と比較して、車室内側への突き出し量を小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0062】
そして、枠状部材40は、アームレスト20に設けられ、アームレスト20が収容位置にある場合に、装着位置となり、アームレスト20が、展開位置にある場合に、使用位置となる。つまり、アームレストを変位させることで、枠状部材を装着位置と使用位置との間で変位させることができる。このため、枠状部材40を変位させるための機構を別に設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0063】
また、枠状部材40の挿通孔41は、枠状部材40が使用位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしている。このような構成とすれば、使用位置における枠状部材40の挿通孔41に対して、上方から荷物を挿通させることが容易となり、作業性が向上する。
【0064】
また、枠状部材40に隣接する形でLED52が設けられ、枠状部材40は、LED52からの光が入射可能な光入射面43と、光入射面43から入射された光を出射可能な光出射面(上面40A、下面40E、内周面40D)と、を有し、LED52からの光を導光可能な導光部材とされる。
【0065】
LED52を備えるとともに、枠状部材40を導光部材とすることで、枠状部材40を発光させることができる。これにより、枠状部材40を発光させることで、車室空間を演出することができる。また、枠状部材40を発光させることで枠状部材40(及びコップ17)の視認性を向上させることができ、挿通孔41にコップ17を出し入れする際の作業性を向上させることができる。また、枠状部材40が装着位置にある状態で、枠状部材40を発光させることで、インサイドハンドル13を照らすことができ、その視認性を高くすることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、アームレスト20は、トリムボード11に取り付けられる基端部21と、基端部21に対して先端側に位置する先端部31とを含み、先端部31が基端部21に重なる形で折り返し可能とされている。したがって、アームレスト20が展開位置にある状態において、先端部31を折り返すことで、アームレスト20の車室内側への突き出し量をより小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0067】
なお、収容位置におけるアームレスト20は、トリムボード11の少なくとも一部を覆うオーナメントとして用いることが可能である。ところでオーナメントのサイズは、意匠性の観点から決定されることが多く、ある程度のサイズが要求されることが多い。このため、仮にアームレスト20をオーナメントとして用いる場合、アームレスト20のサイズが大きくなってしまう場合もある。
【0068】
この点、本実施形態のものでは、上述したように先端部31を折り返すことができる。これにより、アームレスト20が展開位置にある状態において、アームレスト20の先端部31を折り返すことで、アームレスト20の車室内側への突き出し量を小さくすることができる。その一方で、アームレスト20が収容位置にある状態では、アームレスト20の先端部31を折り返さずに用いることでオーナメントとして必要なサイズを確保しやすくなる。このように、本実施形態の構成は、アームレスト20をオーナメントと兼用する場合において特に好適である。
【0069】
また、先端部31は、基端部21に対する折り返し方向の違いにより、基端部21の表裏両面のうちいずれか一方の面を選択的に覆うことが可能とされている。
【0070】
本実施形態においては、基端部21の表裏両面のうち、いずれか一方の面を先端部31によって選択的に覆うことができる。つまり、先端部31を基端部21の表側の面(図6における上側の面)を覆う形で折り返した場合は、先端部31の上面31A(基端部との対向面とは反対側の面)が、アームレスト20におけるアーム載置面となる。
【0071】
一方で、先端部31を基端部21の裏側の面(図7における下側の面)を覆う形で折り返した場合は、基端部21の上面21Aがアーム載置面となる。つまり、本実施形態では、基端部21に対する先端部31の折り返し方向を選択することで、アーム載置面となる面を容易に変更することができる。
【0072】
このようにすれば、アーム載置面の意匠を容易に変更することができる。また、先端部31の面31Aと基端部21の表側の面21Aを異なる素材とすることで、各アーム載置面に異なる機能を付加することも可能である。例えば、先端部31の表皮材34は、起毛性を有するものを用いることで、意匠性をより高くし、その一方で基端部21の表皮材24には、防水(又は防汚)処理をしたものを用いるなどとすれば、使用状況に応じて、アームレスト20の載置面の機能を変更でき、好適である。なお、表皮材34及び表皮材24に付加させる機能は適宜変更可能である。また、ここでいう基端部21の表裏両面とは、例えば、展開位置にある基端部21の上面を表側の面とし、基端部21の下面を裏側の面としている。
【0073】
また、アームレスト20は、衝撃エネルギーを吸収可能な衝撃吸収部(複数の壁部27)を備えている。このようにすれば、車両の衝突時(特に、側面からの衝突時)などの衝撃エネルギーをアームレスト20の衝撃吸収部によって吸収することができ、乗客を保護することができる。
【0074】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11によって説明する。本実施形態のドアトリム110においては、枠状部材の構成が上記実施形態と相違する。本実施形態における枠状部材140は、枠状部材基端部141と、枠状部材先端部145とを主体に構成されている。
【0075】
枠状部材基端部141は、その一部を挿通孔41と連通する形で切り欠くことで形成された切り欠き部S2を有しており、略C字形状をなしている。枠状部材先端部145は、枠状部材基端部141の周方向に沿って延びる形状をなしている。枠状部材基端部141の内部には、枠状部材先端部145を収容可能となっている。
【0076】
枠状部材先端部145は、枠状部材基端部141に対して進退可能に取り付けられており、枠状部材先端部145を枠状部材基端部141に対して出し入れすることで、切り欠き部S2の大きさを調整可能(つまり、切り欠き部S2を開閉可能)となっている。
【0077】
また、枠状部材先端部145における先端には、突出部145Aが形成されている。この突出部145Aは、切り欠き部S2を閉じた状態において、枠状部材基端部141に形成された取付孔141Aに嵌合可能となっている。また、枠状部材先端部145における先端には、上方に突き出すストッパ部145Bが形成されている。切り欠き部S2を最大限に開いた状態では、ストッパ部145Bが枠状部材基端部141に当接することで、枠状部材先端部145が位置決めされる構成となっている。
【0078】
以上、説明したように、本実施形態においては、枠状部材140に切り欠き部S2が形成されており、切り欠き部S2を通じて、挿通孔41の挿通方向と交差する方向(水平方向)から、挿通孔41に対して、荷物を差し入れることができる。このようにすれば、例えば、図11に示すバッグ117の持ち手部分117A(環状をなす部材)を枠状部材140に引っ掛けることができ、保持することができる。
【0079】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図12によって説明する。本実施形態のドアトリム210においては、トリムボード11における枠状部材40の下方に収容部240が形成されている。収納部240は、車室内側に突出されており、上方に開口された収容口240Aを有している。収容口240Aは、例えば、傘217(荷物)の下端部が収容可能となっている。
【0080】
このような構成とすれば、枠状部材40の挿通孔41に傘217を挿通させ、傘217の下端部を収容口240A内に収容させることが可能となる。このように傘217のような長手状の荷物を、長手方向における2点で保持することで、より安定して保持することが可能となる。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
(1)トリムボード11やアームレスト20の材質は、合成樹脂に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。
【0083】
(2)上記実施形態で例示した荷物(コップ17、バッグ117、傘217)は、一例であって、これらに限定されるものではない。荷物としては、枠状部材40の挿通孔41に挿通されることで保持可能なものであればよい。
【0084】
(3)上記実施形態では、アームレスト20を収容位置で保持する手段として、オス型ボタンと、メス型ボタンとを係止させる構成としたが、これに限定されない。例えば、アームレスト20に係止爪、トリムボード11に係止孔を設け、両部材を係止させることで、アームレスト20を収容位置で保持する構成としてもよい。
【0085】
(4)上記実施形態では、アームレスト20を折り畳んだ状態で保持する手段として、オス型ボタンと、メス型ボタンとを係止させる構成としたが、これに限定されない。例えば、先端部31及び基端部21にそれぞれ磁石を設け、両磁石を吸着させることで、アームレスト20を折り畳んだ状態で保持する手段などを例示することができる。
【0086】
(5)上記実施形態では、アームレスト20を展開位置で保持する手段として、アームレスト20を支持部16に支持させる構成としたが、これに限定されない。
【0087】
(6)上記実施形態では、アームレスト20の先端部31と基端部21とを別部品とし、両部品を縫い糸30によって互いに縫い合わせることで、基端部21に対して、先端部31を折り返し可能な形で取り付ける構成としたが、これに限定されない。例えば、アームレストの先端部31と基端部21とを一体部品として形成してもよい。仮に、先端部31と基端部21とを一体部品とした場合は、先端部31と基端部21との境界部分にインテグラルヒンジなどを形成することで、基端部に対して、先端部を折り返し可能な構成としてもよい。
【0088】
(7)上記実施形態では、衝撃吸収部の一例として、複数の壁部27がハニカム構造をなす形で形成されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、壁部を格子状に形成することで、衝撃を吸収可能な構成としてもよい。
【0089】
(8)上記実施形態では、機能性部品としてインサイドハンドル13を例示したが、これに限定されない。ここで言う機能性部品とは、トリムボード11の表側に露出され、枠状部材を装着可能なものであればよい。機能性部品としては、インサイドハンドル13以外にも、トリムボード11に設けられたスイッチ類などを例示することができる。つまり、枠状部材を、保持部材として用いるとともに、トリムボード11に配されたスイッチ類のベゼルとして用いる構成とすることも可能である。
【0090】
(9)枠状部材40及び挿通孔41の形状は、円形状に限定されず、例えば方形状などとしてもよい。また、インサイドハンドル13の形状も円柱状に限定されない。
【0091】
(10)上記実施形態では、光源としてLED52を例示したが、これに限定されない。また、枠状部材40は、上記実施形態で例示された導光部材に限定されず、LED52からの光を受けて発光する部材であればよい。このような部材としては、例えば、枠状部材40の内部に蛍光体を含有させ、この蛍光体がLED52からの光により励起することで発光することで、枠状部材40が全体として発光する構成のものを例示することができる。
【0092】
(11)アームレスト20の基端部21に対する枠状部材40の取付手段は、取付片42を取付孔26Aに挿通させる構成のものに限定されず、適宜変更可能である。また、枠状部材40は、アームレスト20の基端部21と一体的に成形されていてもよい。
【0093】
(12)上記実施形態では、枠状部材40における上面40A、下面40E及び内周面40Dを光出射面としたが、これに限定されない。枠状部材40の各面のうち、どの面を光出射面とするかは、適宜変更可能である。
【0094】
(13)上記実施形態では、ヒンジ28をアームレスト20の下部に設け、展開位置にあるアームレスト20を上方に回動させることで、収容位置に変位させる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ヒンジ28をアームレスト20の上部に設け、展開位置にあるアームレスト20を下方に回動させることで、収容位置に変位させる構成としてもよい。また、アームレスト20を変位させる機構は、ヒンジ28のような回動機構に限定されず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0095】
10,110,210…(車両用ドアトリム)、11…トリムボード、13…インサイドハンドル(機能性部品)、20…アームレスト、21A…基端部の上面(アーム載置面)、31A…先端部の上面(アーム載置面)、40,140…枠状部材、40A…上面(光出射部)、40D…内周面(光出射部)、40E…下面(光出射部)、41…挿通孔、43…光入射面(光入射部)、52…LED(光源)、S2…切り欠き部
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ドアトリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用ドアトリムには、カップホルダなどの保持部材が設けられているものが知られている(下記特許文献1参照)。このような保持部材は、ドアトリムの表面に重なる形で折り畳まれた位置と、水平状態に起立された位置の2つの位置に変位可能な形でドアトリムに対して取り付けられている。これにより、保持部材を使用しない際には、格納位置にすることで、乗客が車室空間をより広く使用することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−306341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的にドアトリムには、上述した保持部材の他にも、所定の機能を有する機能性部品が設けられている。ドアトリムの部品点数を低減させるためには、一つの部材に複数の機能を持たせることが好ましく、この点において改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、部品点数を低減可能な車両用ドアトリムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の車両用ドアトリムは、トリムボードと、前記トリムボードにおける車室内側に露出される機能性部品と、前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられ、前記機能性部品を挿通可能な挿通孔を有した枠状部材と、を備え、前記枠状部材は、前記挿通孔に前記機能性部品が挿通された形で配される第1位置と、前記挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、前記挿通孔に荷物を挿通可能とする第2位置と、の間で変位可能となる形で、前記トリムボードに対して取り付けられていることに特徴を有する。
【0007】
本発明では、枠状部材が第1位置と第2位置との間で変位可能となる形でトリムボードに対して取り付けられている。第1位置にある枠状部材は、機能性部品が挿通孔に挿通された形で配される構成となっている。つまり、第1位置にある枠状部材は、機能性部品に外装されることで、機能性部品の枠体(ベゼル)を構成している。そして、枠状部材は、第2位置においては、挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される。このため、挿通孔に荷物を挿通させることで、荷物を保持することができる。例えば、荷物の一例として、コップを挿通孔に挿通させて保持させた場合、枠状部材をドリンクホルダとして用いることができる。
【0008】
上述のように、本発明の枠状部材は、機能性部品の枠体としての機能と荷物を保持する保持部材としての機能を有している。このようにすれば、枠体と保持部材とを別部品として備えた構成と比較して、部品点数を低減することができる。なお、ここでいう「挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う」とは、挿通孔の挿通方向が鉛直方向と一致するものの他、鉛直方向に対してわずかに傾いているものも含まれる。
【0009】
上記構成において、前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられたアームレストを備え、前記アームレストは、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置と、の間で変位可能となる形で前記トリムボードに対して取り付けられており、前記枠状部材は、前記アームレストに設けられ、前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第1位置となり、前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第2位置となるものとすることができる。
【0010】
本発明においては、アームレストが、アームレストのアーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置との間で変位可能となる形でトリムボードに対して取り付けられている。このため、アーム載置面を水平方向に沿う形で配することで、アーム載置面に腕部を載置させることができる。
【0011】
また、アームレストを使用しない際には、アーム載置面をトリムボードの延設方向に沿う形で配することで、アーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配された状態と比較して、車室内側への突き出し量を小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0012】
そして、枠状部材は、アームレストに設けられ、「アームレストのアーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配される位置」にある場合に、第1位置となり、「アームレストが、アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置」にある場合に、第2位置となる。つまり、アームレストを変位させることで、枠状部材を第1位置と第2位置との間で変位させることができる。このため、枠状部材を変位させるための機構を別に設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0013】
また、前記枠状部材の前記挿通孔は、前記枠状部材が前記第2位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしているものとすることができる。このような構成とすれば、第2位置における枠状部材の挿通孔に対して、上方から荷物を挿通させることが容易となり、作業性が向上する。
【0014】
また、前記枠状部材に隣接する形で光源が設けられ、前記枠状部材は、前記光源からの光が入射可能な光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射可能な光出射部と、を有し、前記光源からの光を導光可能な導光部材であるものとすることができる。
【0015】
光源を備えるとともに、枠状部材を導光部材とすることで、枠状部材を発光させることができる。これにより、枠状部材を発光させることで、車室空間を演出することができる。また、枠状部材を発光させることで枠状部材の視認性を向上させることができ、挿通孔に荷物を挿通させる際の作業性を向上させることができる。また、枠状部材が第1位置にある状態で、枠状部材を発光させることで、機能性部品を照らすことができ、その視認性を高くすることができる。
【0016】
前記枠状部材の一部を、前記挿通孔と連通する形で切り欠くことで、前記挿通孔に対して、前記挿通孔の挿通方向と交差する方向から、前記荷物を差し入れ可能な切り欠き部が形成されているものとすることができる。
【0017】
本発明においては、枠状部材に切り欠き部が形成されており、切り欠き部を通じて、挿通孔の挿通方向と交差する方向から、挿通孔に対して、荷物を差し入れることができる。このようにすれば、例えば、環状をなす荷物(例えば、バックの持ち手など)を枠状部材に引っ掛けることもでき、保持することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、部品点数を低減可能な車両用ドアトリムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態1に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが収容位置)。
【図2】図1のドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【図3】図2のドアトリムにおいて、アームレストの先端部を折り返す過程を示す斜視図。
【図4】図1のドアトリムを表面側から視た状態を示す正面図(アームレストが収容位置)。
【図5】収容位置にあるアームレストを示す断面図(図4のA−A線で切断した図に対応)。
【図6】図5においてアームレストが展開位置にある状態を示す断面図(先端部が基端部の上面に重なった状態)。
【図7】図5においてアームレストが展開位置にある状態を示す断面図(先端部が基端部の下面に重なった状態)。
【図8】アームレストの基端部の構成を示す分解斜視図。
【図9】インサイドハンドルに枠状部材が装着されている状態を示す断面図(図4のB−B線で切断した図に対応)。
【図10】アームレストが展開位置にある状態の枠状部材を示す断面図(図8のD−D線で切断した図に対応)。
【図11】本発明の実施形態2に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【図12】本発明の実施形態3に係るドアトリムを表面側から視た状態を示す斜視図(アームレストが展開位置)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図10によって説明する。図1は、本実施形態のドアトリム10(車両用ドアトリム)を表面(車室内側の面)側から視た状態の斜視図を示したものである。ドアトリム10は、車両用のドアパネル(不図示)に取り付けられるもので、正面視略方形状をなしている。
【0021】
ドアトリム10は、図1に示すように、トリムボード11と、アームレスト20と、を備えている。トリムボード11は、例えばポリプロピレン等の合成樹脂材料などによって構成されている。また、トリムボード11には、アームレスト20を収容可能な収容部14が形成されている。また、トリムボード11において、収容部14の内部には、略円柱状をなすインサイドハンドル13(機能性部品)が設けられている。インサイドハンドル13は、図2に示すように、車室内側に突き出す形で配されており、車室内側に露出されている。
【0022】
アームレスト20は、図1に示すように、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられている。アームレスト20は、車室前後方向に長い略楕円形の板状をなしており、トリムボード11に取り付けられる基端部21と、基端部21に対して先端側に位置する先端部31とを含んでいる。
【0023】
この先端部31は、基端部21に対して折り返し可能な形で取り付けられている。先端部31は、基端部21とほぼ同じ形状をなしており、基端部21に対して折り返された状態では、先端部31が基端部21のほぼ全面に重なる形で配される構成となっている(図2参照)。つまり、アームレスト20は、その短辺方向において、2つ折りにして折り畳むことが可能な構成となっている。
【0024】
アームレスト20の基端部21において、トリムボード11側の周端部には、取付凹部29が複数箇所(本実施形態では2箇所)形成されている。この取付凹部29には、トリムボード11の収容部14に形成された取付突部18が嵌合可能となっている。そして、各取付凹部29と、各取付突部18とは、ヒンジ28を介して取り付けられている。なお、図1及び図4においては、ヒンジ28を破線で図示してある。
【0025】
これにより、アームレスト20は、ヒンジ28を中心として、トリムボード11に回動可能な構成とされる。このような構成とすることで、アームレスト20は、アーム載置面(後述する基端部21の上面21A又は先端部の上面31A)が、トリムボード11の延設方向に沿う形で配される収容位置(図1及び図5に示す位置)と、アーム載置面が水平方向に沿う形で配される展開位置(図2及び図6に示す位置)と、の間で変位可能となっている。なお、本実施形態においては、展開位置にあるアームレスト20は、上方に回動されることで、収容位置まで変位する構成となっている。
【0026】
なお、以下の説明において、アームレスト20を構成する部品(枠状部材40など)については、アームレスト20が展開位置にある状態を、上下方向の基準とする。例えば、アームレスト20の上面と言った場合は、展開位置にあるアームレスト20における上側の面のことを指す。
【0027】
収容部14は、図5に示すように、トリムボード11の一部を車室外側に凹設する形で形成されている。この収容部14は、図4に示すように、正面視において、アームレスト20よりも一回り大きい(又はほぼ同じ)形状をなしている。なお、図5〜図7の断面図では、インサイドハンドル13及び枠状部材40を省略している。
【0028】
収容部14は、収容位置にあるアームレスト20の全体(つまりアームレスト20を折り畳まない状態)を収容可能となっている。アームレスト20を収容部14に収容させることで、アームレスト20における車室内側の面と、トリムボード11における車室内側の面とが、より面一に近い状態となり、意匠性を向上させることができる。なお、収容位置にあるアームレスト20は、トリムボード11における車室内側の面を覆う形で配されており、ドアトリム10におけるオーナメントの機能を担っている。
【0029】
アームレスト20の基端部21は、図5及び図8に示すように、合成樹脂製の基材22と、基材22の表裏両面をそれぞれ覆う軟質材23と、各軟質材23の表裏両側を覆う表皮材24と、略円管状をなす枠状部材40と、照明ユニット50と、を備えている。なお、軟質材23は、図5では図示省略し、図8においては、表側を覆う軟質材23のみを図示してある。
【0030】
アームレスト20の先端部31は、図5に示すように、合成樹脂製の基材32と、基材32の表裏両面をそれぞれ覆う表皮材34とを備えている。基材32は、例えば、基端部21の基材22と比較して薄く設定されている。また、先端部31は全体としてある程度の屈曲性を有している。これにより、図6に示すように、基端部21の表面に沿う形で先端部31を配することが可能となっている。
【0031】
図5に示すように、アームレスト20の先端部31において、先端側の表裏各面には、メス型ボタン35A,35Bがそれぞれ設けられている。また、図2及び図5に示すように、トリムボード11の収容部14の上端部には、下方に突き出す突出部15が形成されている。この突出部15には、メス型ボタン35Aが係止可能なオス型ボタン15Aが設けられている。このオス型ボタン15Aにメス型ボタン35Aを係止させることで、アームレスト20が収容位置で保持される構成となっている(図5の状態)。
【0032】
また、図5に示すように、トリムボード11において、収容部14の下端部には、上方に突き出す支持部16が形成されている。支持部16は、図6及び図7に示すように、その上面で展開位置にあるアームレスト20を支持可能となっている。支持部16によってアームレスト20を支持することで、アームレスト20が展開位置で保持される構成となっている。
【0033】
アームレスト20において、先端部31の表皮材34と、基端部21の表皮材24とは、車室前後方向の全長に亘って、縫い糸30によって、互いに縫い合されている(図5参照)。これにより、先端部31が基端部21に対して折り返し可能な構成となっており、先端部31を基端部21の表面側又は裏面側のいずれかの方向に選択的に折り返すことが可能となっている。
【0034】
基端部21の表裏両面において、基端側(トリムボード11側)の箇所には、オス型ボタン25A、25Bがそれぞれ設けられている。上述した先端部31のメス型ボタン35Aは、基端部21のオス型ボタン25Aに係止可能となっている。これにより、先端部31を基端部21の上面を覆う形で折り返した際に、メス型ボタン35Aを基端部21のオス型ボタン25Aに係止させることで、この状態を保持可能となっている(図2及び図6参照)。
【0035】
また、上述した先端部31のメス型ボタン35Bは、基端部21のオス型ボタン25Bに係止可能となっている。これにより、図7に示すように、先端部31を基端部21の下面を覆う形で折り返した際には、メス型ボタン35Bを基端部21のオス型ボタン25Bに係止させることで、この状態を保持可能となっている。
【0036】
このように、先端部31は、基端部21に対する折り返し方向の違いにより、基端部21の表裏各面(上面又は下面)のうち、いずれか一方の面を選択的に覆うことが可能とされている。なお、ここでいう基端部21の上面、下面とは、アームレスト20が展開位置に配されている場合の鉛直方向上下の面のことを言う。
【0037】
アームレスト20が展開位置に配されている状態において、先端部31を基端部21の上面21Aを覆う形で折り返した際には、先端部31の上面31Aに乗客の腕部を載置することになる。つまり、先端部31の上面31Aがアーム載置面となる(図6の状態)。また、アームレスト20が展開位置に配されている状態において、先端部31を基端部21の下面を覆う形で折り返した際には、基端部21の上面21Aに乗客の腕部を載置することになる。つまり、基端部21の上面21Aがアーム載置面となる(図7の状態)。
【0038】
アームレスト20の基端部21における基材22は、図8に示すように、軟質材23が嵌合可能な箱状をなしている。そして基端部21の内部には、正六角形状をなす複数の壁部27(衝撃吸収部)がハニカム構造となる形で配されている。このように複数の壁部27によってハニカム構造を構成することで、車両の衝突時(特に、側面からの衝突時)などの衝撃エネルギーを吸収することができ、乗客を保護することができる。
【0039】
次に、アームレスト20に設けられた枠状部材40と、照明ユニット50について詳しく説明を行う。枠状部材40は、図3及び図8に示すように、挿通孔41を有する環状をなしている。アームレスト20の基端部21における基材22には、その一部を半円状に切り欠くことで取付部26が形成されている。枠状部材40は、取付部26にその一部が嵌合される形で、基材22に対して取り付けられている。
【0040】
基材22に対する枠状部材40の取付構造を具体的に説明すると、枠状部材40の外周面には、略L字状をなし、外側に突き出す取付片42が複数個形成されている。一方、基材22における取付部26には取付孔26Aが各取付片42に対応して複数箇所形成されている。各取付片42が各取付孔26Aにそれぞれ挿通された後、取付部26を構成する壁部26Bに対して、基材22の内部側から係止することで、枠状部材40が取付部26に取り付けられる構成となっている。
【0041】
なお、図3に示すように、アームレスト20の先端部31において、枠状部材40に対応する箇所には、その一部を略半円状に切り欠くことで切欠部36が形成されている。これにより、先端部31と枠状部材40とが干渉することなく、先端部31を基端部21に対して折り返すことができる。
【0042】
枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13の径より一回り大きい円形状をなしている。図9に示すように、枠状部材40は、アームレスト20が収容位置にある状態においては、その挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される。つまり、枠状部材40は、アームレスト20が収容位置にある状態において、インサイドハンドル13に対して、その外側を囲む形で装着されており、インサイドハンドル13のベゼル(枠体)を構成している(図1も参照)。
【0043】
また、枠状部材40は、図2及び図10に示すように、アームレスト20が展開位置にある状態においては、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向(図10の上下方向)に沿う形で配される。これにより、枠状部材40は、挿通孔41にコップ17(荷物)などを挿通させることで、コップ17を保持することが可能となっている。
【0044】
このように、アームレスト20が収容位置にある状態では、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置(第1位置、図1及び図9に示す位置)になり、アームレスト20が展開位置にある状態では、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される使用位置(第2位置、図2及び図10に示す位置)となる。
【0045】
つまり、枠状部材40は、インサイドハンドル13のベゼル(枠体)としての機能と、コップ17のような荷物を保持する保持部材としての機能との2つの機能を担っており、アームレスト20の変位(ヒンジ28を中心とした回動)に伴って、装着位置と使用位置との間で変位することで、2つの機能を切り替えることができる。
【0046】
また、枠状部材40の挿通孔41は、図10に示すように、アームレスト20が展開位置にある状態(枠状部材40が使用位置にある状態)において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしている。つまり、挿通孔41の内周面40Dは、テーパ状をなしている。これにより、挿通孔41に対して、コップ17を上方から挿通させやすくなっている。また、コップ17は、一般的に底面に向かうにつれて、径が小さくなる形状をなしている場合が多いから、挿通孔41に挿通させた場合に、より安定してコップ17を保持することができる。
【0047】
また、アームレスト20が収容位置にある状態では、枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13側に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしていると言うこともできる。インサイドハンドル13(正確には、インサイドハンドル13を構成する壁部13A)の形状は、図9に示すように、車室内側に向かってわずかに先細りする形状をなしている。これは、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aをトリムボード11と一体的に成形型などで成形する場合、壁部13Aの型抜きを容易に行うためである。上述のように、枠状部材40の挿通孔41は、インサイドハンドル13側に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしているから、インサイドハンドル13に枠状部材40を装着させる場合に好適である。
【0048】
なお、インサイドハンドル13に枠状部材40が装着された状態では、図9に示すように、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aと、枠状部材40の挿通孔41の内周面との間には隙間S1が生じる構成となっている。これにより、アームレスト20(ひいては枠状部材40)がヒンジ28を介して回動する際に、インサイドハンドル13を構成する壁部13Aと、枠状部材40とが干渉する事態を防止することが可能となっている。
【0049】
図8に示すように、照明ユニット50は、アームレスト20の基端部21における基材22に収容されている。照明ユニット50は、図8及び図10に示すように、箱状をなす光源収容部51と、その内部に収容されたLED52(光源)を備えている。
【0050】
枠状部材40は、導光材料により構成されている。ここでいう「導光材料」とは、入射された光をその内部で導光させる性質を有するもので、例えば、屈折率が空気よりも高く、アクリル系合成樹脂などの光を透過させる材料のことである。
【0051】
このような導光材料としては、例えば、公開特許公報である特開2005−306233号や特開平6−75120号等に開示された公知の導光材料と同じ構成のものを使用することも可能である。なお、枠状部材40の材質としては、アクリル樹脂の他、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂またはガラスなど、透明性が高く、透過率の大きなものを用いることができる。
【0052】
LED52は、図10に示すように、枠状部材40に隣接する形で配されており、その発光面52Aを枠状部材40の外周面40Bに向ける形で配されている。これにより、枠状部材40の外周面40Bのうち、発光面52Aと対向する部分が、LED52から出射される光を入射可能な光入射面43(光入射部)とされる。なお、LED52は、電源装置(図示しない)に電気的に接続されており、LED52の発光及び消灯が制御可能な構成となっている。
【0053】
枠状部材40の上面40A(アームレスト20が展開位置にある場合の上側の面)、下面40E及び内周面40Dには、例えば、フッ素系樹脂を被覆するなどの処理がなされており、枠状部材40の内部に導入された光を外部に出射可能な構成とされている。つまり、枠状部材40の上面40A、下面40E、内周面40Dは、光入射面43から枠状部材40内部に入射された光を外部に出射させる光出射面(光出射部)とされる。
【0054】
以上の構成から、LED52が発光すると、その光が枠状部材40の光入射面43から入射される。入射された光は、枠状部材40の内部で全反射を繰り返すことで導光されるとともに、その光の一部が各光出射面から出射される。これにより、枠状部材40のほぼ全体を発光させることが可能な構成となっている。また、枠状部材40の各光出射面にフロスト加工などを施すことで、出射光を拡散させる構成としてもよい。枠状部材40から出射される光を拡散させることで、車室内の演出効果をより高くすることができる。
【0055】
なお、上述した光出射面から、光を出射させるための構成としては、フッ素系樹脂を被覆する以外の構成も適用可能である。例えば、光出射面に光を透過散乱させる透過散乱部を形成することで、光出射面から光を出射させる構成としてもよい。このような透過散乱部は、例えば、透過拡散材料である透明微粒子(プラスチックやガラス等)が混入されたペーストをドットパターンにて光出射面に印刷することで形成することができる。このような透過散乱部にて枠状部材40内の光を散乱させることで、光出射面に対する入射角が、臨界角を超えない光(すなわち全反射されない光)を生み出し、もって光を光出射面から外部へと出射させることが可能となる。また、光出射面にて光を散乱させ、出射させる構成としては、光出射面に凹凸形状のパターンを形成することで光を散乱させる構成としてもよい。
【0056】
以上、説明したように、本実施形態のドアトリム10は、トリムボード11と、トリムボード11における車室内側に露出されるインサイドハンドル13と、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられ、インサイドハンドル13を挿通可能な挿通孔41を有した枠状部材40と、を備え、枠状部材40は、挿通孔41にインサイドハンドル13が挿通された形で配される装着位置(第1位置)と、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、挿通孔41にコップ17を挿通可能とする使用位置(第2位置)と、の間で変位可能となる形で、トリムボード11に対して取り付けられている。
【0057】
本実施形態では、枠状部材40が装着位置と使用位置との間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられている。装着位置にある枠状部材40は、インサイドハンドル13が挿通孔41に挿通された形で配される構成となっている。つまり、装着位置にある枠状部材40は、インサイドハンドル13に外装されることで、インサイドハンドル13の枠体(ベゼル)を構成している。そして、枠状部材40は、使用位置においては、挿通孔41の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配される。このため、挿通孔41にコップ17を挿通させることで、これを保持することができ、枠状部材をドリンクホルダとして使用することができる。
【0058】
上述のように、本実施形態の枠状部材40は、インサイドハンドル13の枠体としての機能と、荷物を保持する保持部材としての機能を有している。このようにすれば、枠体と保持部材とを別部品として備えた構成と比較して、部品点数を低減することができる。
【0059】
また、トリムボード11における車室内側の面に取り付けられたアームレスト20を備え、アームレスト20は、アームレスト20のアーム載置面(基端部の上面21A又は先端部の上面31A)がトリムボード11の延設方向に沿う形で配される収容位置と、アームレスト20のアーム載置面が水平方向に沿う形で配される展開位置と、の間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられており、枠状部材40は、アームレスト20に設けられ、アームレスト20が、収容位置にある場合に、枠状部材40が装着位置となり、アームレスト20が、展開位置にある場合に、枠状部材40が使用位置となる構成となっている。
【0060】
本実施形態においては、アームレスト20が、収容位置と、展開位置との間で変位可能となる形でトリムボード11に対して取り付けられている。これにより、アーム載置面を水平方向に沿う形で配することで、アーム載置面に腕部を載置させることができる。
【0061】
また、アームレストを使用しない際には、アーム載置面をトリムボードの延設方向に沿う形で配することで、アーム載置面がトリムボードの延設方向に沿う形で配された状態と比較して、車室内側への突き出し量を小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0062】
そして、枠状部材40は、アームレスト20に設けられ、アームレスト20が収容位置にある場合に、装着位置となり、アームレスト20が、展開位置にある場合に、使用位置となる。つまり、アームレストを変位させることで、枠状部材を装着位置と使用位置との間で変位させることができる。このため、枠状部材40を変位させるための機構を別に設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
【0063】
また、枠状部材40の挿通孔41は、枠状部材40が使用位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしている。このような構成とすれば、使用位置における枠状部材40の挿通孔41に対して、上方から荷物を挿通させることが容易となり、作業性が向上する。
【0064】
また、枠状部材40に隣接する形でLED52が設けられ、枠状部材40は、LED52からの光が入射可能な光入射面43と、光入射面43から入射された光を出射可能な光出射面(上面40A、下面40E、内周面40D)と、を有し、LED52からの光を導光可能な導光部材とされる。
【0065】
LED52を備えるとともに、枠状部材40を導光部材とすることで、枠状部材40を発光させることができる。これにより、枠状部材40を発光させることで、車室空間を演出することができる。また、枠状部材40を発光させることで枠状部材40(及びコップ17)の視認性を向上させることができ、挿通孔41にコップ17を出し入れする際の作業性を向上させることができる。また、枠状部材40が装着位置にある状態で、枠状部材40を発光させることで、インサイドハンドル13を照らすことができ、その視認性を高くすることができる。
【0066】
また、本実施形態においては、アームレスト20は、トリムボード11に取り付けられる基端部21と、基端部21に対して先端側に位置する先端部31とを含み、先端部31が基端部21に重なる形で折り返し可能とされている。したがって、アームレスト20が展開位置にある状態において、先端部31を折り返すことで、アームレスト20の車室内側への突き出し量をより小さくすることができる。この結果、乗客は車室空間を有効に利用することができる。
【0067】
なお、収容位置におけるアームレスト20は、トリムボード11の少なくとも一部を覆うオーナメントとして用いることが可能である。ところでオーナメントのサイズは、意匠性の観点から決定されることが多く、ある程度のサイズが要求されることが多い。このため、仮にアームレスト20をオーナメントとして用いる場合、アームレスト20のサイズが大きくなってしまう場合もある。
【0068】
この点、本実施形態のものでは、上述したように先端部31を折り返すことができる。これにより、アームレスト20が展開位置にある状態において、アームレスト20の先端部31を折り返すことで、アームレスト20の車室内側への突き出し量を小さくすることができる。その一方で、アームレスト20が収容位置にある状態では、アームレスト20の先端部31を折り返さずに用いることでオーナメントとして必要なサイズを確保しやすくなる。このように、本実施形態の構成は、アームレスト20をオーナメントと兼用する場合において特に好適である。
【0069】
また、先端部31は、基端部21に対する折り返し方向の違いにより、基端部21の表裏両面のうちいずれか一方の面を選択的に覆うことが可能とされている。
【0070】
本実施形態においては、基端部21の表裏両面のうち、いずれか一方の面を先端部31によって選択的に覆うことができる。つまり、先端部31を基端部21の表側の面(図6における上側の面)を覆う形で折り返した場合は、先端部31の上面31A(基端部との対向面とは反対側の面)が、アームレスト20におけるアーム載置面となる。
【0071】
一方で、先端部31を基端部21の裏側の面(図7における下側の面)を覆う形で折り返した場合は、基端部21の上面21Aがアーム載置面となる。つまり、本実施形態では、基端部21に対する先端部31の折り返し方向を選択することで、アーム載置面となる面を容易に変更することができる。
【0072】
このようにすれば、アーム載置面の意匠を容易に変更することができる。また、先端部31の面31Aと基端部21の表側の面21Aを異なる素材とすることで、各アーム載置面に異なる機能を付加することも可能である。例えば、先端部31の表皮材34は、起毛性を有するものを用いることで、意匠性をより高くし、その一方で基端部21の表皮材24には、防水(又は防汚)処理をしたものを用いるなどとすれば、使用状況に応じて、アームレスト20の載置面の機能を変更でき、好適である。なお、表皮材34及び表皮材24に付加させる機能は適宜変更可能である。また、ここでいう基端部21の表裏両面とは、例えば、展開位置にある基端部21の上面を表側の面とし、基端部21の下面を裏側の面としている。
【0073】
また、アームレスト20は、衝撃エネルギーを吸収可能な衝撃吸収部(複数の壁部27)を備えている。このようにすれば、車両の衝突時(特に、側面からの衝突時)などの衝撃エネルギーをアームレスト20の衝撃吸収部によって吸収することができ、乗客を保護することができる。
【0074】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図11によって説明する。本実施形態のドアトリム110においては、枠状部材の構成が上記実施形態と相違する。本実施形態における枠状部材140は、枠状部材基端部141と、枠状部材先端部145とを主体に構成されている。
【0075】
枠状部材基端部141は、その一部を挿通孔41と連通する形で切り欠くことで形成された切り欠き部S2を有しており、略C字形状をなしている。枠状部材先端部145は、枠状部材基端部141の周方向に沿って延びる形状をなしている。枠状部材基端部141の内部には、枠状部材先端部145を収容可能となっている。
【0076】
枠状部材先端部145は、枠状部材基端部141に対して進退可能に取り付けられており、枠状部材先端部145を枠状部材基端部141に対して出し入れすることで、切り欠き部S2の大きさを調整可能(つまり、切り欠き部S2を開閉可能)となっている。
【0077】
また、枠状部材先端部145における先端には、突出部145Aが形成されている。この突出部145Aは、切り欠き部S2を閉じた状態において、枠状部材基端部141に形成された取付孔141Aに嵌合可能となっている。また、枠状部材先端部145における先端には、上方に突き出すストッパ部145Bが形成されている。切り欠き部S2を最大限に開いた状態では、ストッパ部145Bが枠状部材基端部141に当接することで、枠状部材先端部145が位置決めされる構成となっている。
【0078】
以上、説明したように、本実施形態においては、枠状部材140に切り欠き部S2が形成されており、切り欠き部S2を通じて、挿通孔41の挿通方向と交差する方向(水平方向)から、挿通孔41に対して、荷物を差し入れることができる。このようにすれば、例えば、図11に示すバッグ117の持ち手部分117A(環状をなす部材)を枠状部材140に引っ掛けることができ、保持することができる。
【0079】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図12によって説明する。本実施形態のドアトリム210においては、トリムボード11における枠状部材40の下方に収容部240が形成されている。収納部240は、車室内側に突出されており、上方に開口された収容口240Aを有している。収容口240Aは、例えば、傘217(荷物)の下端部が収容可能となっている。
【0080】
このような構成とすれば、枠状部材40の挿通孔41に傘217を挿通させ、傘217の下端部を収容口240A内に収容させることが可能となる。このように傘217のような長手状の荷物を、長手方向における2点で保持することで、より安定して保持することが可能となる。
【0081】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0082】
(1)トリムボード11やアームレスト20の材質は、合成樹脂に限定されず、例えば、木質系材料と合成樹脂を混合したものなどを用いてもよい。
【0083】
(2)上記実施形態で例示した荷物(コップ17、バッグ117、傘217)は、一例であって、これらに限定されるものではない。荷物としては、枠状部材40の挿通孔41に挿通されることで保持可能なものであればよい。
【0084】
(3)上記実施形態では、アームレスト20を収容位置で保持する手段として、オス型ボタンと、メス型ボタンとを係止させる構成としたが、これに限定されない。例えば、アームレスト20に係止爪、トリムボード11に係止孔を設け、両部材を係止させることで、アームレスト20を収容位置で保持する構成としてもよい。
【0085】
(4)上記実施形態では、アームレスト20を折り畳んだ状態で保持する手段として、オス型ボタンと、メス型ボタンとを係止させる構成としたが、これに限定されない。例えば、先端部31及び基端部21にそれぞれ磁石を設け、両磁石を吸着させることで、アームレスト20を折り畳んだ状態で保持する手段などを例示することができる。
【0086】
(5)上記実施形態では、アームレスト20を展開位置で保持する手段として、アームレスト20を支持部16に支持させる構成としたが、これに限定されない。
【0087】
(6)上記実施形態では、アームレスト20の先端部31と基端部21とを別部品とし、両部品を縫い糸30によって互いに縫い合わせることで、基端部21に対して、先端部31を折り返し可能な形で取り付ける構成としたが、これに限定されない。例えば、アームレストの先端部31と基端部21とを一体部品として形成してもよい。仮に、先端部31と基端部21とを一体部品とした場合は、先端部31と基端部21との境界部分にインテグラルヒンジなどを形成することで、基端部に対して、先端部を折り返し可能な構成としてもよい。
【0088】
(7)上記実施形態では、衝撃吸収部の一例として、複数の壁部27がハニカム構造をなす形で形成されている構成を例示したが、これに限定されない。例えば、壁部を格子状に形成することで、衝撃を吸収可能な構成としてもよい。
【0089】
(8)上記実施形態では、機能性部品としてインサイドハンドル13を例示したが、これに限定されない。ここで言う機能性部品とは、トリムボード11の表側に露出され、枠状部材を装着可能なものであればよい。機能性部品としては、インサイドハンドル13以外にも、トリムボード11に設けられたスイッチ類などを例示することができる。つまり、枠状部材を、保持部材として用いるとともに、トリムボード11に配されたスイッチ類のベゼルとして用いる構成とすることも可能である。
【0090】
(9)枠状部材40及び挿通孔41の形状は、円形状に限定されず、例えば方形状などとしてもよい。また、インサイドハンドル13の形状も円柱状に限定されない。
【0091】
(10)上記実施形態では、光源としてLED52を例示したが、これに限定されない。また、枠状部材40は、上記実施形態で例示された導光部材に限定されず、LED52からの光を受けて発光する部材であればよい。このような部材としては、例えば、枠状部材40の内部に蛍光体を含有させ、この蛍光体がLED52からの光により励起することで発光することで、枠状部材40が全体として発光する構成のものを例示することができる。
【0092】
(11)アームレスト20の基端部21に対する枠状部材40の取付手段は、取付片42を取付孔26Aに挿通させる構成のものに限定されず、適宜変更可能である。また、枠状部材40は、アームレスト20の基端部21と一体的に成形されていてもよい。
【0093】
(12)上記実施形態では、枠状部材40における上面40A、下面40E及び内周面40Dを光出射面としたが、これに限定されない。枠状部材40の各面のうち、どの面を光出射面とするかは、適宜変更可能である。
【0094】
(13)上記実施形態では、ヒンジ28をアームレスト20の下部に設け、展開位置にあるアームレスト20を上方に回動させることで、収容位置に変位させる構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ヒンジ28をアームレスト20の上部に設け、展開位置にあるアームレスト20を下方に回動させることで、収容位置に変位させる構成としてもよい。また、アームレスト20を変位させる機構は、ヒンジ28のような回動機構に限定されず、適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0095】
10,110,210…(車両用ドアトリム)、11…トリムボード、13…インサイドハンドル(機能性部品)、20…アームレスト、21A…基端部の上面(アーム載置面)、31A…先端部の上面(アーム載置面)、40,140…枠状部材、40A…上面(光出射部)、40D…内周面(光出射部)、40E…下面(光出射部)、41…挿通孔、43…光入射面(光入射部)、52…LED(光源)、S2…切り欠き部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トリムボードと、
前記トリムボードにおける車室内側に露出される機能性部品と、
前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられ、前記機能性部品を挿通可能な挿通孔を有した枠状部材と、を備え、
前記枠状部材は、前記挿通孔に前記機能性部品が挿通された形で配される第1位置と、前記挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、前記挿通孔に荷物を挿通可能とする第2位置と、の間で変位可能となる形で、前記トリムボードに対して取り付けられていることを特徴とする車両用ドアトリム。
【請求項2】
前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられたアームレストを備え、
前記アームレストは、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置と、の間で変位可能となる形で前記トリムボードに対して取り付けられており、
前記枠状部材は、前記アームレストに設けられ、
前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第1位置となり、
前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第2位置となることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアトリム。
【請求項3】
前記枠状部材の前記挿通孔は、前記枠状部材が前記第2位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアトリム。
【請求項4】
前記枠状部材に隣接する形で光源が設けられ、
前記枠状部材は、前記光源からの光が入射可能な光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射可能な光出射部と、を有し、前記光源からの光を導光可能な導光部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドアトリム。
【請求項5】
前記枠状部材の一部を、前記挿通孔と連通する形で切り欠くことで、前記挿通孔に対して、前記挿通孔の挿通方向と交差する方向から、前記荷物を差し入れ可能な切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドアトリム。
【請求項1】
トリムボードと、
前記トリムボードにおける車室内側に露出される機能性部品と、
前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられ、前記機能性部品を挿通可能な挿通孔を有した枠状部材と、を備え、
前記枠状部材は、前記挿通孔に前記機能性部品が挿通された形で配される第1位置と、前記挿通孔の挿通方向が鉛直方向に沿う形で配され、前記挿通孔に荷物を挿通可能とする第2位置と、の間で変位可能となる形で、前記トリムボードに対して取り付けられていることを特徴とする車両用ドアトリム。
【請求項2】
前記トリムボードにおける車室内側の面に取り付けられたアームレストを備え、
前記アームレストは、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置と、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置と、の間で変位可能となる形で前記トリムボードに対して取り付けられており、
前記枠状部材は、前記アームレストに設けられ、
前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が前記トリムボードの延設方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第1位置となり、
前記アームレストが、前記アームレストのアーム載置面が水平方向に沿う形で配される位置にある場合に、前記枠状部材が前記第2位置となることを特徴とする請求項1に記載の車両用ドアトリム。
【請求項3】
前記枠状部材の前記挿通孔は、前記枠状部材が前記第2位置にある状態において、鉛直方向上方に向かうにつれて孔径が大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用ドアトリム。
【請求項4】
前記枠状部材に隣接する形で光源が設けられ、
前記枠状部材は、前記光源からの光が入射可能な光入射部と、前記光入射部から入射された光を出射可能な光出射部と、を有し、前記光源からの光を導光可能な導光部材であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用ドアトリム。
【請求項5】
前記枠状部材の一部を、前記挿通孔と連通する形で切り欠くことで、前記挿通孔に対して、前記挿通孔の挿通方向と交差する方向から、前記荷物を差し入れ可能な切り欠き部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用ドアトリム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−121422(P2012−121422A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272919(P2010−272919)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】
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