説明

車両用ワイヤハーネス

【課題】防水コネクタへの水の浸入を防ぐために施すスプライス部の防水処理の作業性向上および低コスト化を図るとともに、ワイヤハーネスの省スペース化を図る。
【解決手段】防水コネクタC1が一端に接続された第1電線11と、非防水コネクタC2が一端に接続された第2電線12とをスプライス部S1を介して接続し、スプライス部S1を防水チューブ31内に収容すると共に、第1電線11および第2電線12を防水チューブ31の一端側開口部32から引き出し、この引き出し側の反対側では該防水チューブ31を折り返して閉鎖部33を形成すると共に、折り返し部分34に第1テープ41を巻き付けて折り返し状態を保持すると共に内部に収容したスプライス部S1を防水チューブ31に固定し、スプライス部S1を被水領域に配置するときは防水チューブ31の先端開口部32を下向きに配置し、または、スプライス部S1を非被水領域に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ワイヤハーネスに関し、詳しくは、ワイヤハーネスのスプライス部にかかった水が電線の素線間を通して、該電線の端末に接続した防水コネクタ内に浸入することを防ぐものである。
【背景技術】
【0002】
車両に取り付けられるワイヤハーネスのコネクタは、雨や路面からの跳ね上がりの水にかかる浸水領域で用いられる場合は防水コネクタを使用している。
この種の防水コネクタは従来より種々提案されており、図6に、この種の防水コネクタの一例を示す。(特開2001−351724号(特許文献1)参照)
【0003】
図6に示す防水コネクタ1は、ハウジング2の内部に端子同士を結合するスペースを確保していると共に、該ハウジング2の背面開口部3側に設けたゴム栓収容筒部4の内周に、複数の電線Wを1本ずつ密着させて挿通する複数の電線貫通孔5aを備えた一体式の防水ゴム栓5の外周シール部5bを密着させ、前記背面開口部3を水密に閉鎖できる構成としている。
【0004】
このような防水コネクタは、その密閉構造により、防水コネクタ周囲の温度が上昇すると防水コネクタ内部の空気が熱膨張して正圧が発生し、防水コネクタ周囲の温度が低下すると防水コネクタ内部の空気が収縮して負圧が発生するという特徴を有する。
【0005】
よって、図7に示すように、電線W1の端末に防水コネクタ1を接続すると共に、該防水コネクタ1を車両のエンジンと直結する場所やエンジン上の高温部に配置し、かつ該電線W1の他端と電線W2の一端とをスプライス接続している場合、エンジンが始動して車両が走行し、防水コネクタ1の周囲の温度が上昇して該コネクタ1内に正圧が発生した後、エンジンが停止して防水コネクタ1の周囲の温度が低下し、該コネクタ1内に負圧が発生すると、前記スプライス部6にかかった水が電線W1の素線の隙間に吸い込まれ、防水コネクタ1に毛細管現象で流入し、該コネクタ1内に水が浸入するという問題が生じる。
【0006】
このような防水コネクタ1の浸水は、前記スプライス部6を防水処理することによって解決できるが、電線W1が、電線W2とのみでなく、複数の電線W3、W4、W5・・・とそれぞれ異なる箇所でスプライス接続されている場合、その全てのスプライス部を防水処理する必要があり、作業性が悪いうえ、大変なコスト高となる。
【0007】
そこで、従来より、図8に示すように、防水コネクタ1に最も近いスプライス部6aと防水コネクタ1との間に、芯線を露出させた息抜き用スプライス部7を形成し、該息抜き用スプライス部7に防水キャップ8を被せる等の防水処理を施すことが行われている。これにより、防水コネクタ1内に負圧が発生しても、スプライス部6aよりも手前の位置で防水キャップ8内の非被水空間から空気を吸い込んで息抜きできるため、前記スプライス部6aから水を吸い込んでしまうことを防止できる。
【0008】
しかしながら、前記防水構造は、電線W1と他の電線W2、W3、W4、W5との各スプライス部6a、6b、6c、6dとは別に前記息抜き用スプライス部7を形成するため、作業性が悪くコスト高となるうえ、スペースが嵩張る点にも問題がある。
【0009】
【特許文献1】特開2001−351724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、車両用ワイヤハーネスにおいて、スプライス部から吸い込んだ水が防水コネクタ内に浸入することを防ぐ防水構造を備え、かつ、該防水構造の省スペース化および低コスト化を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明は、防水コネクタが一端に接続された第1電線と、非防水コネクタが一端に接続された第2電線とをスプライス部を介して接続している車両用のワイヤハーネスにおいて、
スプライス部をチューブ内に収容すると共に、第1電線および第2電線をチューブの一端側開口部から引き出し、この引き出し側の反対側では該チューブを折り返して閉鎖部を形成すると共に、折り返した部分をテープ巻きして折り返し状態を保持すると共に内部に収容した前記スプライス部をチューブで保持し、
前記スプライス部を被水領域に配置するときは前記チューブの先端開口を下向きに配置し、または、前記スプライス部を非被水領域に配置していることを特徴とする車両用ワイヤハーネスを提供している。
【0012】
このように、第1電線と第2電線とのスプライス部に、一端を開口状態とし他端に閉鎖部を形成したチューブをキャップ状に被せることにより、該スプライス部の被水を防止できると共に、該チューブの前記一端開口部から外気に通じることで該スプライス部を息抜き箇所とすることができる。よって、第1電線の端末に接続した防水コネクタ内に負圧が発生したとき、前記スプライス部から空気を吸い込んで防水コネクタの息抜きを行うことができる一方、この空気の吸い込みと同時にスプライス部から水を吸い込んでしまうことを防止できる。その結果、防水コネクタに接続される電線が、その素線の隙間を通して浸水が生じるのを有効に防ぐことができる。
【0013】
また、前記第1電線が、複数の電線と複数個所でスプライス接続している場合でも、前記防水コネクタに最も近いスプライス部を前記チューブに収容して防水処理を施すことにより、防水コネクタに負圧が発生しても、他のスプライス部よりも手前側で水を吸い込むことなく息抜きすることができる。従って、前記負圧の影響は他のスプライス部に及ばず、該他のスプライス部を防水処理していない場合でも、これら他のスプライス部から水を吸い込んでしまうことを防止でき、防水コネクタの浸水を有効に防ぐことができる。
【0014】
さらに、第1電線と第2電線とのスプライス部が息抜き部を兼ねるため、従来のように、スプライス部とは別に息抜き用のスプライス部を形成していた場合と異なり、スプライス処理と息抜き処理とを同時に行うことができる。よって、工数を削減できるため作業性が向上し、コストダウンを図ることができると共に、スプライス部の数を減らすことができるため、ワイヤハーネスの省スペース化も可能となる。
【0015】
さらにまた、スプライス部にチューブを被せ、該チューブの一端を折り返して閉鎖部を形成する構成とすることにより、電線径やスプライス部の形状、大きさによって個別に専用品として成形されていた従来のキャップと異なり、多様な径の汎用品の丸チューブから所要の径のものを選び、所要の長さに切断して用いることができるため、この点からも製造コストを削減することができる。
【0016】
なお、第1電線が複数の電線と複数個所でスプライス接続している場合は、この複数個所のスプライス部全てに防水処理を施してもよい。これにより、単なる毛細管現象による素線間への浸水も確実に防止することができる。その場合、各スプライス部を個別に防水処理してもよいが、全てのスプライス部を抵抗溶接等で一つにまとめて前記チューブ内に収容して一括防水処理することにより、作業性向上および省スペース化を図ることができる。
【0017】
ワイヤハーネスの幹線から前記第1、第2電線を分岐させて前記スプライス部を介して接続する場合は、前記スプライス部に被せたチューブを前記幹線の外周にテープ巻き又は締結バンドで固定している。
【0018】
特に、チューブを幹線外周にテープ巻きで固定する場合は、該チューブの前記折り返し部に第1テープを巻き付けると共に、該チューブを前記幹線の外周に第2テープで巻き付け、第1テープと第2テープの色を相違させ、第2テープから第1テープの一部を外部に露出させていることが好ましい。
【0019】
このように、前記折り返し部を形成するために巻き付ける前記第1テープを、前記第2テープの色と相違させ、かつ、第2テープから外部に露出させることにより、前記折り返し部を確かにテープ巻きしてあることをハーネス完成後においても容易に確認することができる。
【0020】
また、ワイヤハーネスの幹線から前記第1、第2電線を分岐させて前記スプライス部を介して接続し、該スプライス部に被せた前記チューブの外周にバンドクリップを巻き付け、該バンドクリップの先端の係止羽根部を車体に挿入係止して車体に固定してもよい。
【0021】
このように、バンドクリップを用いてスプライス部に被せたチューブを車体に固定することにより、スプライス部の幹線へのテープ巻付作業が不要となり、作業性が向上する。また、幹線の配索経路に関係なく該スプライス部を好ましい非被水領域で保持固定することが可能となるうえ、被水領域で固定する場合でも、該スプライス部に被せた前記チューブを縦向きに保持しやすくなり、該チューブの開口部を容易に下向きにすることができる。
【0022】
前記チューブは透明樹脂からなる丸チューブを所要長さに切断して用いている。
このように、丸チューブに透明樹脂のものを用いることにより、チューブ内の状態を外部から視認できるため、スプライス部の位置管理も容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
上述したように、本発明によれば、第1電線と第2電線とのスプライス部を、一端を開口状態とし他端に閉鎖部を形成したチューブに収容することにより、該スプライス部に防水処理を施し、かつ、該スプライス部を息抜き箇所とすることができる。よって、第1電線の端末に接続した防水コネクタ内に負圧が発生しても、前記スプライス部から空気を吸い込んで防水コネクタの息抜きを行うことができる一方、この息抜きと同時にスプライス部から水を吸い込んでしまうことを防止できるため、防水コネクタの浸水を有効に防ぐことができる。
【0024】
また、第1電線と第2電線とのスプライス部が息抜き部を兼ねるため、従来のように、スプライス部とは別に息抜き用のスプライス部を形成していた場合と異なり、スプライス処理と息抜き処理とを同時に行うことができる。よって、工数を削減できるため作業性が向上し、コストダウンを図ることができると共に、スプライス部の数を減らすことができるため、ワイヤハーネスの省スペース化も可能となる。
【0025】
さらに、スプライス部にチューブを被せ、該チューブの一端を折り返して閉鎖部を形成する構成とすることにより、電線径やスプライス部の形状、大きさによって個別に専用品として成形されていた従来のキャップと異なり、多様な径の汎用品の丸チューブから所要の径のものを選び、所要の長さに切断して用いることができるため、この点にからも低コスト化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図4に本発明の第1実施形態に係る車両用のワイヤハーネスW/Hを示す。
ワイヤハーネスW/Hは自動車または二輪車に取り付けられるものである。
【0027】
図1に示すように、ワイヤハーネスW/Hを構成する電線群のうち、回路Aを構成する第1電線11は、回路Bを構成する第2電線12とスプライス部S1を介して、回路Cを構成する第3電線13とスプライス部S2を介して、回路Dを構成する第4電線14とはスプライス部S3を介してそれぞれ接続している。
【0028】
前記第1電線11の両端には防水コネクタC1、C5を接続しており、一方の防水コネクタC1はエンジンE上の高温領域に配置し、他方の防水コネクタC5は温度変化の少ない領域に配置している。
前記第2電線12の一端には非防水コネクタC2を、第3電線13の一端には非防水コネクタC3を、第4電線の一端には非防水コネクタC4をそれぞれ接続している。
【0029】
前記各スプライス接続に際しては、まず、図2に示すように、幹線10から第1電線11、第2電線12を分岐させ、第1電線11の中間部の絶縁被覆11bを皮剥ぎして芯線11aを露出させると共に、第2電線12の端末を皮剥ぎして芯線12aを露出させ、第1電線11の芯線11aと第2電線12の芯線12aをジョイント端子20を加締めて圧着接続してスプライス部S1を形成する。
【0030】
同様に、第1電線11と第3電線13とのスプライス部S2、および第1電線11と第4電線14とのスプライス部S3も、ジョイント端子20で加締め圧着して形成していくが、スプライス部S2は、前記スプライス部S1よりもエンジン側防水コネクタC1から遠い位置に形成し、スプライス部S3は、前記スプライス部S2よりもエンジン側防水コネクタC1からさらに遠い位置に形成する。
【0031】
前記各スプライス部S1〜S3のうち、エンジン側防水コネクタC1に最も近いスプライス部S1には丸チューブからなる防水チューブ31を用いて防水処理を施している。
【0032】
具体的には、まず、図3(A)に示すように、透明樹脂からなる丸チューブ30を所要長さに切断して、両端開口の防水チューブ31を設ける。
次に、図3(B)に示すように、第1電線11の前記スプライス部S1に近接する位置をU字状に折り曲げ、該折り曲げ部分11cとスプライス部S1を前記防水チューブ31内に一端側開口部32から挿入する。
次に、図3(C)に示すように、防水チューブ31の他端側を折り返し、この折り返し部分34に第1テープ41を巻き付けて折り返し状態を保持させて閉鎖部33を形成する。
このとき、第1電線11の前記U字状の折り曲げ部分11cを防水チューブ31の上から第1テープ41で押さえ巻き付けることにより、防水チューブ31内において、スプライス部S1が前記第1テープ41の巻き付け箇所よりも開口部32側に位置するように保持する。前記開口部32はそのまま開口状態とし、第1電線11と第2電線12とを該開口部32から引き出しておく。
【0033】
最後に、図3(D)に示すように、前記防水チューブ31を被せたスプライス部S1を、前記第1テープ41とは異なる色の第2テープ42で幹線10の外周に巻き付けて固定する。このとき、第1テープ41の一部を第2テープ42よりも外側に露出させておく。また、図4に示すように、防水チューブ31はその開口部32が下向きになるように幹線10に固定する。
【0034】
このように、エンジン側防水コネクタC1に最も近いスプライス部S1を防水チューブ31内に収容し、該防水チューブ31の一端は閉鎖部33とし、他端開口部32は開口状態のままとして防水チューブ31内が外気と通じる状態としている。
かつ、スプライス部S1をテープ41の巻き付け位置よりも開口部32側に位置するように保持している。
【0035】
該構成とすることにより、エンジンの始動、停止に伴って防水コネクタC1に負圧が発生しても、スプライス部S1から第1電線11の絶縁被覆11b内に空気を吸い込むことができるため、防水コネクタC1内にその空気が流れ込むことによって息抜きが可能となる。また、スプライス部S1は、開口部32を下向きにした防水チューブ31内に収容されて被水を免れるため、第1電線11の絶縁被覆11b内に前記空気の吸い込みと同時に水が吸い込まれてしまうことを防ぎ、防水コネクタC1内に水が浸入することを有効に防止できる。
【0036】
また、エンジン側防水コネクタC1に最も近いスプライス部S1で息抜きできることにより、他のスプライス部S2、S3には防水コネクタC1の負圧の影響が及ばず、空気の吸い込みが発生しない。よって、スプライス部S2、S3に防水処理を施さなくても、該スプライス部S2、S3からの水の吸い込みを有効に防止することができる。
【0037】
このように、スプライス部S1に前記防水処理を施すことにより、スプライス部S1が息抜き部を兼ねることができるため、息抜き用に別途スプライス部を形成する必要がない。また、防水コネクタC1に接続された第1電線11に複数のスプライス部S1、S2、S3が形成されている場合でも、防水コネクタC1に最も近いスプライス部S1に前記防水処理を施すことにより、防水コネクタC1の浸水を有効に防ぐことができるため、全スプライス部S1〜S3のそれぞれに防水処理を施すことも必要ない。従って、作業性が向上し、コスト低減を図ることができるうえ、スプライス部の数が減ることによりワイヤハーネスW/Hの省スペース化を図ることができる。
【0038】
さらに、スプライス部S1の防水処理に防水チューブ31を用いており、該防水チューブ31は、汎用品の丸チューブから所要径のものを選び、所要長さに切断して使うことができるため、専用品として成形された防水キャップを用いた従来の防水処理よりもコストダウンを図ることができる。
【0039】
さらにまた、前記防水チューブ31は透明樹脂からなるため、防水チューブ31内の状態を視認することができ、スプライス部S1の位置管理を容易に行うことができる。
また、防水チューブ31の折り返し部分34を固定する第1テープ41と、この防水チューブ31を幹線10の外周に巻き付け固定する第2テープ42との色を異ならせ、かつ、第2テープ42から第1テープ41の一部を外側に露出させているため、ワイヤハーネスW/Hの完成後であっても、防水チューブ31の折り返し部分34が第1テープ41によって確かに巻き付け固定されていることを容易に確認することができる。
【0040】
図5に本発明の第2実施形態を示す。
前記スプライス部S1に被せた防水チューブ31を車体47に固定している。
【0041】
具体的には、防水チューブ内31に前記一端開口部32からスプライス部S1を挿入して他端側を折り返し、該折り返し部分34に第1テープ41を巻き付けて折り返し状態を保持させて閉鎖部33を形成するところまでは前記第1実施形態と同じである(図3(A)〜(C)参照)。その後、この第1テープ41の巻き付け箇所の外周にバンドクリップ43のバンド部44を巻き付けて取り付け、図5に示すように、該バンドクリップ43の軸部45の先端を折り返して羽根状に突設した係止羽根部46を車体47の係止穴48に挿入係止して、スプライス部S1に被せた防水チューブ31を車体47に固定している。
【0042】
このように、スプライス部S1に被せた防水チューブ31を車体47に固定することにより、該スプライス部S1に被せた防水チューブ31を幹線10にテープ巻きする作業を省くことができるうえ、幹線10の配索経路に関係なく好ましい位置にスプライス部S1を固定することができる。また、防水チューブ31を縦向きに保持しやすくなるため、該防水チューブ31の開口部32を容易に下向きにすることができる。
【0043】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。
スプライス部S1に被せた防水チューブ31を幹線10の外周に巻き付け固定するときは、その巻き付け位置として非被水領域となる位置を選んで固定してもよい。その場合、防水チューブ31の開口部32は必ずしも下向きに配置しなくてもよい。また、スプライス部S1の幹線10への巻き付け固定には締結バンドを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用ワイヤハーネスの回路接続経路を示す概略図である。
【図2】第1電線と第2電線のスプライス接続構造を示す斜視図である。
【図3】(A)〜(D)はスプライス部の防水処理工程を示す説明図である。
【図4】防水処理したスプライス部を幹線に巻き付け固定した状態を示すワイヤハーネスの斜視図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両用ワイヤハーネスの要部拡大図である。
【図6】従来例を示す図である。
【図7】従来例の問題点を示す説明図である。
【図8】他の従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0045】
W/H ワイヤハーネス
10 幹線
11 第1電線
12 第2電線
13 第3電線
14 第4電線
20 ジョイント端子
31 防水チューブ
32 開口部
33 閉鎖部
C1、C5 防水コネクタ
S1〜S3 スプライス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防水コネクタが一端に接続された第1電線と、非防水コネクタが一端に接続された第2電線とをスプライス部を介して接続している車両用のワイヤハーネスにおいて、
スプライス部をチューブ内に収容すると共に、第1電線および第2電線をチューブの一端側開口部から引き出し、この引き出し側の反対側では該チューブを折り返して閉鎖部を形成すると共に、折り返した部分をテープ巻きして折り返し状態を保持すると共に内部に収容した前記スプライス部をチューブで保持し、
前記スプライス部を被水領域に配置するときは前記チューブの先端開口を下向きに配置し、または、前記スプライス部を非被水領域に配置していることを特徴とする車両用ワイヤハーネス。
【請求項2】
ワイヤハーネスの幹線から前記第1、第2電線を分岐させて前記スプライス部を介して接続し、前記スプライス部に被せたチューブを前記幹線の外周にテープ巻き又は締結バンドで固定している請求項1に記載の車両用ワイヤハーネス。
【請求項3】
前記チューブの前記折り返し部に第1テープを巻き付けると共に、該チューブを前記幹線の外周に第2テープで巻き付け、第1テープと第2テープの色を相違させ、第2テープから第1テープの一部を外部に露出させている請求項2に記載の車両用ワイヤハーネス。
【請求項4】
ワイヤハーネスの幹線から前記第1、第2電線を分岐させて前記スプライス部を介して接続し、該スプライス部に被せた前記チューブの外周にバンドクリップを巻き付け、該バンドクリップの先端の係止羽根部を車体に挿入係止して車体に固定している請求項1に記載の車両用ワイヤハーネス。
【請求項5】
前記チューブは透明樹脂からなる丸チューブを所要長さに切断して用いている請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用ワイヤハーネス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−110149(P2010−110149A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280859(P2008−280859)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】