説明

車両用手操作子

【課題】操作が簡単で、外観性が良く、パーキングレバーの十分な大きさが確保できる車両用手操作子を提供することを課題とする。
【解決手段】ハンドルバーに、第1支軸12を介して回動可能に取付けられ乗員が回動操作する第1手操作子13と、第2支軸14を介して回動可能に取付けられる第2手操作子15とからなり、第2手操作子15で駐車中に車両を駐車状態にすることができる車両用手操作子において、第1手操作子13には、第1支軸12を中心に回動可能な出力部26が一体的に設けられ、第2手操作子15には、出力部26で押されて、第2支軸14を中心に回動する入力部44が一体的に設けられている。
【効果】第1手操作子13を操作するだけで、第2手操作子15を連動させることができ、パーキングブレーキの解除操作が極めて容易に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用手操作子の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車のハンドルバーグリップ部近傍に、レバー式のパーキングブレーキ操作子を設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
【特許文献1】特開2001−63675公報(図32)
【特許文献2】特開2004−276649公報(図3)
【0003】
特許文献1の図32によれば、左グリップ(76)(括弧付き符号は特許文献に記載のものを流用した。以下同様)に近傍に、パーキングレバー(81b)が配置されている。パーキングレバー(81b)が実線の位置にあれば、パーキングブレーキは解除されている。また、パーキングレバー(81b)が想像線の位置にあれば、パーキングブレーキは作動状態にある。車両の発進時に、乗員は左グリップ(76)を握るため、仮に、想像線で示す位置にパーキングレバー(81b)があれば、それの存在を知ることができ、発進前にパーキングブレーキの解除操作を促すことができる。
【0004】
しかし、特許文献1の技術には次に述べる課題点がある。
先ず、想像線で示すパーキングレバー(81b)を実線の位置まで手動で揺動させる必要がある。左手又は右手でその操作を行うが、時間と手間が掛かり、発進までに時間を要する。そのために、より操作が簡単で時間を要しない車両用手操作子が望まれる。
【0005】
また、特許文献2の図3には、車両のほぼ長手方向に伸びる支持ボルト(73)と、この支持ボルト(73)を中心に回動するパーキングブレーキレバー(65)と、操作レバー(33)とが示されてる。そして、操作レバー(33)の引き操作により、解除入力部(89)が面部(90)で押圧されることで、回動し、パーキングブレーキが解除される。すなわち、操作レバー(33)とハンドルバー(17)との間に取付けられたパーキングレバー(65)に入力部(89)を設け、操作レバー(33)で入力部を挟み込んで押圧しパーキングブレーキを解除させる構造が開示されている。
【0006】
しかし、特許文献2の技術には次に述べる課題点がある。
操作レバーは垂直軸廻り回動し、パーキングレバーは水平軸廻りに回動する。すなわち、力の方向変換が行われる。力の方向変換のためには特殊な構造が必要となり、部品のコストが嵩む。加えて、力の方向変換は円滑に行えないことがある。
また、パーキングレバーは操作レバーの上に配置され、このようなパーキングレバーが水平軸廻りに回動するため、外観上で問題があり、目立たぬように小型化する必要がある。しかし、小型にすると操作に大きな力が必要になるなどの問題が発生する。
【0007】
そこで、より簡単な構造で、操作に時間を要さず、力の変換が円滑で操作性が良い車両のパーキング用操作子が望まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、より簡単な構造で、操作に時間を要さず、力の変換が円滑で操作性が良い車両のパーキング用操作子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明では、乗員が操作して車両を操向させるハンドルバーに、第1支軸を介して回動可能に取付けられ前記乗員が回動操作する第1手操作子と、前記第1支軸の近傍に配置された前記第1支軸と略平行に設けられた第2支軸を介して回動可能に取付けられる第2手操作子とからなる車両用手操作子において、
前記第1手操作子には、前記第1支軸を中心に回動可能な出力部が設けられ、
前記第2手操作子には、前記第1手操作子の操作にともない前記出力部で押されて、前記第2支軸を中心に回動する入力部が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、第2手操作子は操作入力時位置と操作解除位置を有し、操作入力時位置にあるときは操作解除方向とは逆方向に所定の付勢力で付勢されており、前記第2手操作子が所定角度以上回動すると前記付勢力は操作解除位置方向への付勢力となる付勢力がかけられることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、第1手操作子を前記付勢力に抗して所定角度回動させるまでは、前記出力部が前記入力部を押すことで前記第2手操作子が連れて回り、前記第1手操作子を所定角度以上回動させると、前記付勢力は操作解除位置方向への付勢力となり前記第2手操作子が操作解除位置方向へ引かれ、前記出力部から前記入力部が離れ独立して回動するように、前記第1手操作子、前記第2手操作子及び第2支軸が配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、第2手操作子は、駐車中に車両を駐車状態にすることができる車両のパーキングブレーキ用手操作子であることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、車両を上から見たときに、前記第1手操作子、第1支軸及び第2支軸は、前記ハンドルバーより車両前方側に配置され、前記第2手操作子は、パーキングブレーキ解除時に、前記第1手操作子の前縁より後方で且つ前記ハンドルバーの後縁より前方に収納され、この収納時に前記第2手操作子の先端が、前記第1手操作子の操作部の移動範囲に干渉しないように前記第2手操作子が配置されていることを特徴とする。
【0014】
請求項6に係る発明では、第1手操作子が最大量操作されたときには、前記第2手操作子がパーキングブレーキの作動状態になることを妨げるように、前記出力部と入力部とが配置されていることを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明では、第1支軸から前記出力部までの第1回動半径は、前記第2支軸から前記入力部までの第2回動半径より大きく設定されていることを特徴とする。
【0016】
請求項8に係る発明では、車両を上から見たときに、前記ハンドルバーに付設されている付属部品の後面から、前記第2手操作子の回動範囲が車両後方側へ突出しないように、前記第2手操作子が構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、第1手操作子に出力部を一体形成し、第2手操作子に入力部を一体形成し、出力部で入力部を押すことができるようにした。第1手操作子を操作するだけで、第2手操作子を連動させることができ、パーキングブレーキの解除操作等が極めて容易に行える。
【0018】
請求項2に係る発明では、第1手操作子を所定角度以上回動させると、付勢力の付勢作用により、出力部から入力部が離れ、第2手操作子がパーキングブレーキ等を解除する方向へ独立して回動するようにした。第2手操作子が独立して回動した後は、第1手操作子も独立して回動させることができ、第1手操作子の使い勝手が良好になる。
【0019】
請求項3に係る発明では、請求項2の効果に加えて、第2手操作子の大きさを任意に設定することができ、第2手操作子の大型化が可能である。
【0020】
請求項4に係る発明では、第2手操作子は、駐車中に車両を駐車状態にすることができる車両のパーキングブレーキ用手操作子である。第1手操作子を操作するだけで、第2手操作子を連動させることができ、パーキングブレーキの解除操作が極めて容易に行える。
【0021】
請求項5に係る発明では、収納時に第2手操作子の先端が、第1手操作子の操作部の移動範囲に干渉しないように第2手操作子が配置されている。第1手操作子を操作しているときに、乗員が意図しないで第2手操作子を操作することがなくなる。すなわち、第1手操作子の操作に制約が課せられないため、第1手操作子の操作が容易になる。
加えて、第1手操作子の前縁より後方で且つハンドルバーの後縁より前方に第2手操作子が収納可能であるため、第2手操作子が目立たなくなり、外観性を高めることができる。
【0022】
請求項6に係る発明では、第1手操作子が最大量操作されたときには、第2手操作子がパーキングブレーキの作動状態になることを妨げるようになっている。すなわち、第1手操作子の操作中に、第2手操作子が操作されパーキングブレーキが作動状態になってしまうことを防止することができる。
【0023】
請求項7に係る発明では、第1支軸から出力部までの第1回動半径は、第2支軸から入力部までの第2回動半径より大きく設定されている。少ない第1手操作子の回動量で、大きく第2手操作子を回動させることができる。
【0024】
請求項8に係る発明では、車両を上から見たときに、ハンドルバーに付設されている付属部品の後面から、第2手操作子の回動範囲が車両後方側へ突出しないようにした。第2手操作子が邪魔にならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車両用手操作子を備えている車両の側面図であり、乗員が跨いだ形態で乗用する鞍乗り型車両1は、車体フレーム2の前後に前輪3及び後輪4を備え、車体フレーム2の中央にエンジン5が懸架され、エンジン5の上方に燃料タンク6及びシート7が前後に配置され、燃料タンク6の前方に前輪3を操舵するバーハンドル11に本発明に係る車両用手操作子10が設けられている。以下、車両用手操作子10について詳しく説明する。なお、車両は、4輪の鞍乗り車両の他、三輪車両、二輪車両であってもよい。
【0026】
図2は本発明に係る車両用手操作子を含むハンドルバーの部分平面図であり、車両用手操作子10は、乗員が操作して車両を操向させるハンドルバー11に、第1支軸12を介して回動可能に取付けられ乗員が回動操作する第1手操作子13と、第1支軸12の近傍に配置された第2支軸14を介して回動可能に取付けられる第2手操作子15とからなる。
【0027】
すなわち、ハンドルバー11の左グリップ16近傍に、付属部品としての左スイッチボックス17が取付けられ、この左スイッチボックス17の近傍に、ボルト18及びU字金具19を備える手操作子支持部材20が取付けられ、この手操作子支持部材20に第1支軸12を介して第1手操作子13が取付けられ、この第1手操作子13にクラッチワイヤ又はブレーキワイヤ21が連結され、第2支軸14を介して第2手操作子15が取付けられ、この第2手操作子15にパーキングブレーキワイヤ22が連結されている。
【0028】
第1手操作子13は、第1支軸12を中心に回動するため、操作部23の移動範囲Aは、想像線L1と想像線L2との間の領域となる。
図ではパーキングブレーキは解除されており、このときの第2手操作子13は、操作部23の移動範囲Aに干渉しない。第1手操作子13を操作しているときに、乗員が意図しないで第2手操作子15を操作することがなくなる。すなわち、第1手操作子13の操作に制約が課せられないため、第1手操作子13の操作の自由度が高まる。
【0029】
図3は車両用手操作子の分解斜視図であり、第1手操作子13は、乗員が握るなどの操作を行う操作部23と、第1支軸12を貫通させる穴24が形成されている要部36と、この要部36を挟んで操作部23の逆側に一体的に形成されている出力部26とを有する。出力部26は、第1手操作子13に一体形成された突起、すなわち出力片が好ましいが、形状は任意である。
【0030】
手操作子支持部材20は、支持部材本体27と、この支持部材本体27上にビス28で取付けられる下部ブラケット29と、この下部ブラケット29上にビス31で取付けられる上部ブラケット32とからなる。支持部材本体27の下面にボルト33でスイッチケース34を取付けることができる。
【0031】
支持部材本体27は、ハドルバーに嵌合させる凹部35を有し、第1手操作子13の要部36を回動可能に収納するポケット部37を有している。このポケット部37に第1手操作子13の要部36を挿入し、第1支軸12を上から挿入し、この第1支軸12の下部に、トーションばね38、座金39、ストッパプレート41、座金39及びナット42を取付けることで、支持部材本体27に第1手操作子13を回動可能に取付けることができる。
【0032】
第2手操作子15は、第2支軸14を構成する下ピン14aで下部ブラケット29に回動可能に止められ、上ピン14bで上部ブラケット32に回動可能に止められる。そして第2手操作子15は、操作部43を有していると共に、入力部44が一体的に形成されている。入力部44は、第2手操作子15に一体形成された突起、すなわち入力片が好ましいが、形状は任意である。
【0033】
上部ブラケット32には、中空のワイヤ中継金具45が取付けられ、このワイヤ中継金具45には樹脂カバー46が被せられる。
支持部材本体27にも、中空のワイヤ中継金具45が取付けられ、このワイヤ中継金具45には樹脂カバー46が被せられる。
また、支持部材本体27の前面には、カバー47が被せられる(図2参照)。
【0034】
図4は第2手操作子と上部ブラケットの関係を示す平面図であり、上部ブラケット32には、パーキングブレーキワイヤ22を案内する湾曲面48が設けられている。パーキングブレーキワイヤ22の端部ボール49を介して、パーキングブレーキワイヤ22は第2支軸14の近傍にて第2手操作子15に連結されているが、このパーキングブレーキワイヤ22は、図の形態では、湾曲面48に、ほとんど接触していない。また、パーキングブレーキワイヤ22はパーキングブレーキの解放側(図右)へばねで、付勢される。そのため、第2手操作子15は第2支軸14を中心に図反時計方向に回動する。
【0035】
図5は図4の作用図であり、第2手操作子15が、乗員の手などにより第2支軸14を中心に図時計方向に回動されると、第2支軸14より、端部ボール49が図上方へ移動する。
第2支軸14の中心と端部ボール49の中心を通る線51と、端部ボール49の中心とパーキングブレーキワイヤ22の中心を通る線52とのなす角度θが、プラスであれば、パーキングブレーキワイヤ22の付勢作用で、第2手操作子15は、第2支軸14を中心に時計方向に廻される。
【0036】
この際に、パーキングブレーキワイヤ22が湾曲面48で案内されため、ワイヤ中継金具45の出口にパーキングブレーキワイヤ22が強く接触することが解消される。この結果、パーキングブレーキワイヤ22の寿命を延ばすことができる。
【0037】
第2手操作子15が図時計方向に廻され、角度θがゼロからマイナスになると、パーキングブレーキワイヤ22の付勢作用で、第2手操作子15は、第2支軸14を中心に反時計方向に廻される。このように角度θがプラスかマイナスかが重要となる。
【0038】
以上の構成からなる車両用手操作子の作用を次に説明する。
図6はパーキングブレーキが作動状態にあるときの説明図であり、第2手操作子15でパーキングブレーキワイヤ22が引かれているため、パーキングブレーキが作動状態にある(図5参照)。
【0039】
図7は第1手操作子の作動説明図であり、乗員が第1手操作子13の操作部23を操作し、第1手操作子13が第1支軸12を中心に回動されると、第1手操作子13の出力部26が、第2手操作子15の入力部44に当たり、押圧する。結果、第2手操作子15は第2支軸14を中心に図反時計方向に廻される。第1手操作子13を所定角度回動させると、図5で説明した角度θがプラスからゼロになる。
【0040】
図8は第1手操作子と第2手操作子との相互作用を示す図であり、第1手操作子13を所定角度を超えて回動させると、第2手操作子15が連れ廻り、角度θがマイナスになる。
角度θがマイナスになると、出力部26から入力部44が離れる。すなわち、第2手操作子15がパーキングブレーキワイヤ22の付勢力(引き力)により、矢印のごとく回動し、想像線で示す位置に至る。
想像線で示す位置は、パーキングブレーキが解除された位置に相当する。これで、図2の形態になり、車両の走行が可能となる。
【0041】
すなわち、第2手操作子15は、パーキングブレーキを解除する方向へ所定の付勢力で付勢されており、第1手操作子13を所定角度回動させるまでは出力部26が入力部44を押すことで第2手操作子15が連れて回り、第1手操作子13を所定角度以上回動させると、付勢力の付勢作用により、出力部26から入力部44が離れ、第2手操作子15がパーキングブレーキを解除する方向へ独立して回動するように、第1手操作子13、第2手操作子15及び第2支軸14が配置されている。
第2手操作子15が独立して回動した後は、第1手操作子13も独立して回動させることができ、第1手操作子13の使い勝手が良好になる。
【0042】
また、第1手操作子13には、第1支軸12を中心に回動可能な出力部26が一体的に設けられ、第2手操作子15には、出力部26で押されて、第2支軸14を中心に回動する入力部44が一体的に設けられているため、第1手操作子13を操作するだけで、第2手操作子15を連動させることができ、パーキングブレーキの解除操作が極めて容易に行える。
【0043】
次に、図8の第1手操作子13を更に反時計方向に操作した場合を想定する。この場合は、第2手操作子15は想像線の位置にある。併せて、乗員が左手で第1手操作子13を一杯に握り、右手で想像線で示す第2手操作子15を図時計方向に回動することを想定する。
すると、出力部26がストッパの役割を果たして、入力部44の移動を制限する。この結果、第2手操作子15は自動的に想像線の位置に戻る。すなわち、第1手操作子13を最大量操作する、又は一定量以上操作していれば、パーキングブレーキが使用状態になることは無い。このため、いわゆる引きずり発進現象を確実に防止することができる。
【0044】
また、第1支軸12から出力部26までの距離を第1回動半径R1とし、第2支軸14から入力部44まで距離を第2回動半径R2とする。本発明では、第2回動半径R2より第1回動半径R1を大きく設定した。少ない第1手操作子13の回動量で、大きく第2手操作子15を回動させることができる。結果、早い時点で、第1手操作子13は、独立して操作可能となり、操作性が高まる。
【0045】
図9は図7の変更図であり、第2支軸14を中心に回動する第2手操作子15が、回動中に、ハンドルバー11にほぼ直交する位置に達した形態が示されている。
車両を上から見たときに、ハンドルバー11に付設されている付属部品17の後面から、第2手操作子15の先端が車両後方側へ突出しないように構成した。すなわち、付属部品17の後面から、第2手操作子15の先端が車両前方側へ距離aだけ後退している。この距離aは、第2手操作子15の形状を工夫し、第2支軸14の位置を工夫することで、簡単に確保することができる。
仮に、物がハンドルバー11の後方から第2手操作子15に近づいたとすると、この物は付属部品17に当たって止まる。結果、物に第2手操作子15が干渉する心配はない。
【0046】
尚、本発明のパーキング用操作子は、ハンドルバーの右端に設けてもよい。また、車両は、自動二輪車が好適であるが、ハンドルバーを採用している三輪車、四輪車であってもよい。
【0047】
また、第1手操作子及び第2手操作子は、実施例ではレバー式操作子としたが、棒状の操作子やダイヤル型の操作子であってもよく、形状は適宜決定できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のパーキング用操作子は、自動二輪車に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る車両用手操作子を備えている車両の側面図である。
【図2】本発明に係る車両用手操作子を含むハンドルバーの部分平面図である。
【図3】車両用手操作子の分解斜視図である。
【図4】第2手操作子と上部ブラケットの関係を示す平面図である。
【図5】図4の作用図である。
【図6】パーキングブレーキが作動状態にあるときの説明図である。
【図7】第1手操作子の作動説明図である。
【図8】第1手操作子と第2手操作子との相互作用を示す図である。
【図9】図7の変更図である。
【符号の説明】
【0050】
10…車両用手操作子、11…ハンドルバー、12…第1支軸、13…第1手操作子、14…第2支軸、15…第2手操作子、20…手操作子支持部材、26…出力部、44…入力部、54…第1手操作子の前縁、55…ハンドルバーの後縁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が操作して車両を操向させるハンドルバーに、第1支軸を介して回動可能に取付けられ前記乗員が回動操作する第1手操作子と、前記第1支軸の近傍に配置された前記第1支軸と略平行に設けられた第2支軸を介して回動可能に取付けられる第2手操作子とからなる車両用手操作子において、
前記第1手操作子には、前記第1支軸を中心に回動可能な出力部が設けられ、
前記第2手操作子には、前記第1手操作子の操作にともない前記出力部で押されて、前記第2支軸を中心に回動する入力部が設けられていることを特徴とする車両用手操作子。
【請求項2】
前記第2手操作子は操作入力時位置と操作解除位置を有し、操作入力時位置にあるときは操作解除方向とは逆方向に所定の付勢力で付勢されており、前記第2手操作子が所定角度以上回動すると前記付勢力は操作解除位置方向への付勢力となる付勢力がかけられることを特徴とする請求項1記載の車両用手操作子。
【請求項3】
前記第1手操作子を前記付勢力に抗して所定角度回動させるまでは、前記出力部が前記入力部を押すことで前記第2手操作子が連れて回り、前記第1手操作子を所定角度以上回動させると、前記付勢力は操作解除位置方向への付勢力となり前記第2手操作子が操作解除位置方向へ引かれ、前記出力部から前記入力部が離れ独立して回動するように、前記第1手操作子、前記第2手操作子及び第2支軸が配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両用手操作子。
【請求項4】
前記第2手操作子は、駐車中に車両を駐車状態にすることができる車両のパーキングブレーキ用手操作子であることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の車両用手操作子。
【請求項5】
車両を上から見たときに、前記第1手操作子、第1支軸及び第2支軸は、前記ハンドルバーより車両前方側に配置され、前記第2手操作子は、パーキングブレーキ解除時に、前記第1手操作子の前縁より後方で且つ前記ハンドルバーの後縁より前方に収納され、この収納時に前記第2手操作子の先端が、前記第1手操作子の操作部の移動範囲に干渉しないように前記第2手操作子が配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載の車両用手操作子。
【請求項6】
前記第1手操作子が最大量操作されたときには、前記第2手操作子がパーキングブレーキの作動状態になることを妨げるように、前記出力部と入力部とが配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4又は請求項5記載の車両の車両用手操作子。
【請求項7】
前記第1支軸から前記出力部までの第1回動半径は、前記第2支軸から前記入力部までの第2回動半径より大きく設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の車両用手操作子。
【請求項8】
車両を上から見たときに、前記ハンドルバーに付設されている付属部品の後面から、前記第2手操作子の回動範囲が車両後方側へ突出しないように、前記第2手操作子が構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の車両のパーキング用操作子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−70131(P2010−70131A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−241502(P2008−241502)
【出願日】平成20年9月19日(2008.9.19)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】