説明

車両用表示装置

【課題】メータパネル内においてメータ画像等とナビ画像を混在させて表示させる場合、より重要なメータ画像等に対する運転者の認識度合いを高め、且つ演出効果によって表示内容に対する運転者の関心も向上可能な車両用表示装置を提供する。
【解決手段】IGNオンによって表示器へ画像表示する場合、まずメータ画像における指針部分の画像と警告灯画像を表示する。メータ画像に関しては、指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過したら文字盤部分の画像を表示する。そして、文字盤部分の画像表示後、所定時間が経過したらナビゲーション画像を表示する。この所定時間は、メータ画像や警告灯画像の表示を視認可能な時間であり、例えば0.5秒〜1.0秒といった時間である。そのため、ナビゲーション画像が表示されていない期間にメータ画像及び警告灯画像を視認できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の近傍に配置され、メータやナビゲーションなどに関する視覚情報を表示する車両表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ナビゲーション装置によって出力される視覚情報(例えば、地図情報や、経路情報や、施設情報等)は、車両のセンターコンソール部に配置された表示装置(例えば、液晶ディスプレイ等)に表示されて運手者に伝達されるようになっている。しかし、そのようなセンターコンソール部に配置された表示装置では運転者の視線移動が多く、表示装置に表示された情報を運転者が見落とす場合があった。
【0003】
そのため、メータパネル内にナビゲーション画像を表示する技術が考えられている(特許文献1,2,3参照)。
例えば特許文献1に開示された技術では、機械式メータではなく、メータパネル内に全面的に表示装置を設け、その表示装置に指針駆動タイプのメータ画像(アナログ式メータ画像)を表示している。そして、そのメータ画像と共にナビゲーション画像を表示し、両方の画像を大きな視線移動なく視認できるようにしている。
【0004】
また、特許文献2に開示された技術では、メータパネル内に設けられた表示装置に、デジタル式メータ画像とナビゲーション画像を共に表示させている。この場合も、メータ画像と共にナビゲーション画像の両方の画像を大きな視線移動なく視認できる。
【0005】
また、特許文献3に開示された技術では、機械式メータの間に液晶表示装置を設け、その液晶表示装置にナビゲーション画像を表示している。この場合も、同じメータパネル内においてメータ表示とナビゲーション画像の両方を大きな視線移動なく視認できる
【特許文献1】特開特開2004−157434号公報
【特許文献2】特開平11−51686号公報
【特許文献3】特開2004−251722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した従来技術においては、メータパネル内に表示されるナビゲーション画像の表示タイミングを、メータ画像やメータ表示との関係で考慮する点は何ら開示も示唆もされていない。
【0007】
メータ画像又はメータ表示(以下、メータ画像等と称す。)と、ナビゲーション画像とを比較した場合、運転者にとってより重要な情報は、メータ画像等である。
しかしながら、メータ画像等とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、より重要な情報であるはずのメータ画像等を運転者が認識する度合いが低くなる。特に、ナビゲーション画像は、例えば地図表示一つを取っても、一般的に情報量が多く且つ画像も精緻且つ多くの色彩が使用されているため、どうしても目立ってしまう。そのため、メータ画像等に対する認識度合いが、相対的に低くなってしまう傾向となる。
【0008】
また、メータ画像等とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、演出面でも特段の工夫がなく、表示内容に対する運転者の関心が薄くなりがちである。
本発明は、そのような課題に鑑み、メータパネル内においてメータ画像等の表示の優先度が相対的に高い画像とナビゲーション画像等の表示の優先度が相対的に低い画像を混在させて表示させる場合、より重要なメータ画像等に対する運転者の認識度合いを高め、且つ演出効果によって表示内容に対する運転者の関心も向上させることのできる車両用表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車両用表示装置(1:なお、この欄においては、発明に対する理解を容易にするため、必要に応じて「発明を実施するための最良の形態」欄において説明した構成要素を括弧内に示すが、この記載によって特許請求の範囲を限定することを意味するものではない。)は、メータパネル内に設けられた表示手段(30)と、その表示手段(30)に各種画像(31a〜31d)を表示させる表示制御手段(10)とを備えている。表示手段(30)は、予め定められた相対的に優先度の高い内容の画像を表示するための領域である第1の表示領域(31)と、相対的に優先度の低い内容の画像を表示するための領域である第2の表示領域(32)を有している。そして表示制御手段(10)は、車両各部への電源供給開始時において、優先度の高い内容の画像の表示を行い、その優先度の高い内容の画像の表示を視認可能な所定時間経過後、前記優先度の低い内容の画像を表示させる。
【0010】
「相対的に優先度の高い内容の画像」の例としては、例えばメータ画像や、各種警告灯画像など車両各部への電源供給開始時において車両運転者が確認すべき車両状態画像などが考えられる。ここでいう「警告灯」というのは、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯など、公知の警告灯である。これらを示す画像は、各警告灯に対応するセンサからの検出結果に基づいて表示させるのであるが、例えばIGNスイッチがオンされた場合に、初期状態のチェックのため一度全て表示され、その後、正常であれば表示しないようにする、といった対応がなされている。このような警告灯も重要な情報を示すものである。
【0011】
一方、「相対的に優先度の低い内容の画像」の例としては、ナビゲーション画像や周辺監視映像、あるいはメッセージ画面などが考えられる。
なお、メータ画像のすべてを「相対的に優先度の高い内容の画像」として考えることもできるし、メータ画像の内の指針部分は「相対的に優先度の高い内容の画像」として考えるが、文字盤部分は「相対的に優先度の低い内容の画像」として考えることもできる。
【0012】
「車両各部への電源供給開始時」は、例えばイグニッション(IGN)スイッチ(5)やアクセサリ(ACC)スイッチ(3)をオンした時を意味する。もちろん、それらのスイッチ以外のトリガによって電源供給を開始するのであれば、その電源供給開始時を意味する。IGNスイッチ(5)やACCスイッチ(3)は、通常、車両を使用と考えた運転者のキー操作によってオンされることとなるが、このようなキー操作がなされた場合、メータ画像等の「相対的に優先度の高い内容の画像」の表示が開始されても、その時点ではナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」の表示は行われない。メータ画像等の「相対的に優先度の高い内容の画像」の表示を視認可能な所定時間経過後に初めてナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」が表示される。そのため、ナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」が表示されていない期間にメータ画像(31a〜31d)等の「相対的に優先度の高い内容の画像」を視認できる。したがって、メータパネル内においてメータ画像等の「相対的に優先度の高い内容の画像」とナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」を混在させて表示させる場合、より重要なメータ画像(31a〜31d)等の「相対的に優先度の高い内容の画像」に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0013】
また、メータ画像(31a〜31d)とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、演出面でも特段の工夫がなく、表示内容に対する運転者の関心が薄くなりがちである点を上述したが、本発明の車両用表示装置(1)によれば、メータ画像(31a〜31d)を表示させ、所定時間経過後に初めてナビゲーション画像を表示させている。このような表示開始時の演出によって運転者に対して斬新なイメージを与えることができ、表示内容に対する運転者の関心も向上させることができる。
【0014】
上記演出効果を重視するのであれば、請求項3に示すような表示制御を実行しても良い。つまり、表示制御手段(10)は、メータ画像(31a〜31d)として指針駆動タイプのメータ画像を表示させる場合、指針を最初に表示させ、所定時間後に文字盤を表示させる。そして、その文字盤の表示後、メータ画像(31a〜31d)の表示を視認可能な所定時間が経過したらナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」の輝度が最大となるように制御するのである。このようにすれば、文字盤が表示されていない状態で指針が表示され、その後、文字盤が表示されるため、演出効果も高まり、メータ画像(31a〜31d)に対する運転者の関心を高める点で有効である。
【0015】
なお、一度に全ての画像が表示されないようにし、順番に表示されるようにすれば演出効果は得られる。したがって、例えば請求項4に示すように、指針画像→ナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」→文字盤画像という順番で表示させても良い。つまり、表示制御手段(10)は、メータ画像として指針駆動タイプのメータ画像(31a〜31d)を表示させる場合、指針を最初に表示させ、その後、その指針に係るメータ画像(31a〜31d)の表示を視認可能な所定時間が経過したらナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」を表示させ、さらに所定時間後に文字盤を表示させるのである。
【0016】
本発明は「より重要なメータ画像(31a〜31d)等の「相対的に優先度の高い内容の画像」に対する運転者の認識度合いを高める」ことを目的としているが、この目的達成のためには、指針と文字盤の両方が必ず表示されていないといけないというわけではない。しかし、少なくとも指針に関しては表示されている必要はあると考えられるため、請求項4に示す車両用表示装置では、指針表示を視認可能な所定時間が経過するまではナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」を表示しないようにした。
【0017】
これまで説明した車両用表示装置の場合には、車両各部への電源供給開始時において、ナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」よりもメータ画像(31a〜31d)や車両状態画像等の「相対的に優先度の高い内容の画像」を優先して表示開始させていた。しかし、より重要なメータ画像や車両状態画像に対する運転者の認識度合いを高めるのであれば、メータ画像(31a〜31d)や車両状態画像等の「相対的に優先度の高い内容の画像」の表示を開始してから所定期間はナビゲーション画像等の「相対的に優先度の低い内容の画像」の表示が相対的に目立たなくすればよい。
【0018】
したがって、請求項7に示すような工夫をしてもよい。請求項7に示す車両用表示装置においては、表示制御手段が、車両各部への電源供給開始時において、優先度の高い内容の画像と優先度の低い内容の画像の表示開始タイミングの先後は問わないが、優先度の低い内容の画像を表示させる場合には、輝度を徐々に大きくしていき、優先度の高い内容の画像の表示を視認可能な所定時間経過後、優先度の低い内容の画像の輝度が最大となるように制御するのである。
【0019】
請求項1〜7に示す車両用表示装置は、メータに関しても画像表示するいわゆるデジタルメータタイプを前提としたものであった。しかし、本発明は機械式メータタイプを前提とした場合であっても実現できる。請求項8〜13に示す車両用表示装置は、そのようなタイプを前提とした車両用表示装置(101)である。
【0020】
請求項8に記載の車両用表示装置(101)は、メータパネル内に設けられた機械式メータの照明光源(136,137)と、メータパネル内に設けられた表示手段(132)と、前記照明光源の点灯制御と前記表示手段に所定の画像を表示させる表示制御を実行する制御手段(110)とを備えている。そして制御手段(110)は、車両各部への電源供給開始時において、機械式メータの照明光源(136,137)を点灯させ、機械式メータの表示を視認可能な所定時間経過後、表示手段(132)に所定の画像を表示させる。
【0021】
「所定の画像」の例としては、請求項1における「相対的に優先度が低い内容の画像」と同様に、ナビゲーション画像や周辺監視映像、あるいはメッセージ画面などが考えられる。
【0022】
「車両各部への電源供給開始時」については、請求項1に関して説明した内容と同じであり、例えばIGNスイッチ(5)やACCスイッチをオンした時を意味する。IGNスイッチやACCスイッチは、通常、車両を使用と考えた運転者のキー操作によってオンされることとなるが、このようなキー操作がなされた場合、機械式メータ用の照明光源(136,137)が点灯しても、その時点ではナビゲーション画像等の「所定の画像」の表示は行われない。機械式メータの表示を視認可能な所定時間経過後に初めてナビゲーション画像等の「所定の画像」が表示される。そのため、ナビゲーション画像等の「所定の画像」が表示されていない期間にメータ表示を視認できる。したがって、メータパネル内においてメータ表示とナビゲーション画像等の「所定の画像」を混在させて表示させる場合、より重要なメータ表示に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0023】
また、メータ表示とナビゲーション画像等の「所定の画像」とを同時に表示してしまうと、演出面でも特段の工夫がなく、表示内容に対する運転者の関心が薄くなりがちである点を上述したが、本発明の車両用表示装置(101)によれば、機械式メータの照明光源(136,137)を点灯させ、所定時間経過後に初めてナビゲーション画像等の「所定の画像」を表示させている。このような表示開始時の演出によって運転者に対して斬新なイメージを与えることができ、表示内容に対する運転者の関心も向上させることができる。
【0024】
上記演出効果を重視するのであれば、請求項9に示すように、機械式メータの照明光源が指針照明光源(136)と文字盤照明光源(137)を有していることを前提として、制御手段(110)が次のような制御を実行するよう構成してもよい。つまり、制御手段(110)は、車両各部への電源供給開始時に機械式メータの照明用光源を点灯させる場合、指針照明光源(136)を最初に点灯させ、所定時間後に文字盤照明光源(137)を点灯させ、その文字盤用光源(137)の点灯後、前記表示手段(132)にナビゲーション画像等の「所定の画像」を表示させるのである。
【0025】
このようにすれば、機械式メータにおいては最初に指針部分が点灯し、その後、文字盤部分が点灯するため、演出効果も高まり、メータ画像に対する運転者の関心を高める点で有効である。
【0026】
なお、メータ表示とナビゲーション画像等の「所定の画像」とが同時に表示されないようにし、順番に表示されるようにすれば演出効果は得られる。したがって、例えば請求項10に示すように、指針照明光源の点灯→ナビゲーション画像表示→文字盤照明光源の点灯という順番となるよう制御してもよい。つまり、制御手段(110)は、車両各部への電源供給開始時に機械式メータの照明用光源を点灯させる場合、指針照明光源(136)を最初に点灯させ、その後、機械式メータの指針の表示を視認可能な所定時間が経過したらナビゲーション画像等の「所定の画像」を表示させ、さらに所定時間後に文字盤照明光源(137)を点灯させるのである。
【0027】
本発明は「より重要なメータ表示に対する運転者の認識度合いを高める」ことを目的としているが、この目的達成のためには、指針照明光源と文字盤照明光源の両方が必ず点灯されている状態でないといけないというわけではない。しかし、少なくとも指針に関しては視認可能である必要があると考えられるため、請求項10に示す車両用表示装置では、指針照明光源を点灯して機械式メータの指針の表示を視認可能な所定時間が経過するまではナビゲーション画像等の「所定の画像」を表示しないようにした。
【0028】
また、メータパネルに警告灯が設けられている場合には、請求項11に示すように制御することが考えられる。つまり、制御手段(110)は、車両各部への電源供給開始時において、警告灯照明光源(135)を点灯させ、警告灯の表示を視認可能な所定時間経過後、表示手段(132)にナビゲーション画像等の「所定の画像」を表示させるのである。
【0029】
警告灯は、例えばIGNスイッチがオンされた場合に、初期状態のチェックのため一度全て点灯され、その後、正常であれば表示しないようにする、といった対応がなされている。このような警告灯も重要な情報を示すものである。したがって、請求項11に示すようにすれば、警告灯照明光源(135)が点灯されても、その時点ではナビゲーション画像等の「所定の画像」の表示は行われず、警告灯の表示を視認可能な所定時間経過後に初めてナビゲーション画像等の「所定の画像」が表示されることとなり、より重要な警告灯表示に対する運転者の認識度合いを高める点で有効である。
【0030】
請求項8〜11に示す車両用表示装置の場合には、車両各部への電源供給開始時において、ナビゲーション画像等の「所定の画像」よりも機械式メータの表示や警告灯の表示を優先していた。しかし、より重要な機械式メータの表示や警告灯の表示に対する運転者の認識度合いを高めるのであれば、機械式メータの表示や警告灯の表示を開始してから所定期間はナビゲーション画像等の「所定の画像」の表示が相対的に目立たなくすればよい。
【0031】
したがって、請求項12に示すような工夫をしてもよい。請求項10に示す車両用表示装置においては、制御手段(101)が、車両各部への電源供給開始時において、ナビゲーション画像の表示タイミングと前記各照明光源の点灯タイミングの先後は問わないが、前記ナビゲーション画像を表示させる場合には、輝度を徐々に大きくしていく。そして制御手段(110)は、請求項8又は9の場合であれば機械式メータの表示を視認可能な所定時間経過後、請求項10の場合であれば機械式メータの指針の表示を視認可能な所定時間経過後、請求項11の場合であれば機械式メータの表示及び警告灯の表示を視認可能な所定時間経過後、ナビゲーション画像等の「所定の画像」の輝度が最大となるように制御するのである。
【0032】
ところで、これまで説明した車両用表示装置は、単独で用いても良いし、車両に別途搭載されたナビゲーション装置と共に用いても良い。ただし、ナビゲーション装置(50)と共に用いるのであれば、請求項14に示すように、ナビゲーション装置(50)との間で同期を取ることが考えられる。つまり、ナビゲーション装置(50)との間でデータ通信が可能に構成(図1においては通信部20を介してデータ通信を行う。)されており、表示制御手段又は制御手段は、ナビゲーション装置から表示すべきナビゲーション画像を入手して、それを請求項1〜7の場合であれば優先度の低い画像として、また請求項8〜13の場合は所定の画像として表示させると共に、ナビゲーション装置との間で表示内容に関して同期を取って表示させるのである。
【0033】
ナビゲーション装置との間で表示内容に関して同期を取って表示させる場合には、例えばナビゲーション装置から送信された同期信号を車両用表示装置が受信し、その同期信号に基づいて表示を同期させるように制御してもよいし、車両用表示装置からナビゲーション装置へ同期信号を送信するようにし、表示を同期させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0035】
[第1実施形態]
[構成の説明]
図1は、第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50の概略構成を示すブロック図、図2は車両用表示装置1の正面図である。車両用表示装置1及びナビゲーション装置50は、それぞれ以下に説明する部品から構成され、車両に搭載されて用いられるものである。まず車両用表示装置1について説明する。
【0036】
<車両用表示装置1の構成>
車両用表示装置1は、メータ制御部10と、車内LAN通信部15と、通信部20と、TFT光源25と、TFT表示器30とを備える。
【0037】
車内LAN通信部15は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
【0038】
通信部20は、ナビゲーション装置50と接続され(具体的には、ナビゲーション装置50の通信部70と接続され)、ナビゲーション装置50との通信を担う。主にTFT表示器30に表示されるナビゲーション画像の画像データを受信する。
【0039】
TFT光源25は、TFT表示器30のための光源である。
TFT表示器30は、図示しないメータパネル内に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、その表示領域は、図2に示すように、メータ表示領域31とナビ表示領域32と車両状態表示領域33に分けることができる。
【0040】
メータ表示領域31は、車内LAN通信部15を介して図示しない各種ECUから取得した車速情報、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログメータ風に画像として表示するための表示領域である。本実施形態においては、図2に示すように、運転者から見て左側に速度メータ画像31aと燃料残量メータ画像31cが表示され、運転者から見て右側にタコメータ画像31bとエンジン冷却水温メータ画像31dが表示される。
【0041】
ナビ表示領域32は、通信部20を介してナビゲーション装置50から取得したナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示するための表示領域である。
【0042】
車両状態表示領域33は、例えば車内LAN通信部15を介して図示しない各種警告センサから取得した警告センサ状態、つまり警告の必要があるか否かを示す情報を取得し、警告の必要がある場合には、該当する警告センサに対応する警告灯画像として表示するための表示領域である。この警告灯画像は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯などの警告灯を模式図によって示す画像である。この画像自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0043】
なお、この 車両状態表示領域33には、上述した警告灯画像だけでなく、例えばシフトポジションを示す画像を表示したり、例えば車両がオートクルーズコントロール(ACC)機能を有している場合には、その機能に関する各種画像を表示しても良い。このような画像を表示するための情報は、車内LAN通信部15を介してAT−ECUやACC−ECUから取得すればよい。ただし、以下の説明では、車両状態表示領域33に警告灯画像のみを表示することを前提として進めることとする。
【0044】
メータ制御部10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、車内LAN通信部15を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、車速、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログ表示によってTFT表示器30のメータ表示領域31に表示させる処理や、ナビゲーション装置50から送られてきた画像データに基づいてTFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させたり、車内LAN通信部15を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行する。
【0045】
また、このメータ制御部10には、イグニッション(IGN)スイッチ5も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてIGNスイッチ5がオン(ON)状態になると、車両用表示装置1に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。なお、イグニッションキーを回転操作することでIGNスイッチ5をオンさせる構成ではなく、いわゆるスマートキーを所持したユーザがノブを回転操作したりボタンを押下することでスイッチをオンさせる構成を採用しても、もちろんよい。
【0046】
<ナビゲーション装置50の構成>
ナビゲーション装置50、ナビ制御部60と、利用者からの各種指示を入力するための操作スイッチ群61と、TFT光源62と、TFT表示器63と、車両の現在位置を検出する位置検出器64と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器65と、車両用表示装置1との通信機能を担う通信部70とを備える。
【0047】
操作スイッチ群61は、TFT表示器63の表示面と一体に構成されたタッチパネル及びTFT表示器63の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器63とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式・電磁誘導方式・静電容量方式・あるいはこれらを組み合わせた方式等、各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0048】
TFT光源62は、TFT表示器63のための光源である。
TFT表示器63は、図示しないセンターコンソール部に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器63はカラー画像表示機能を有しており、その表示画面には、位置検出器64にて検出した車両の現在地と地図データ入力器65より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの案内経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、施設のガイド等も表示できる。
【0049】
位置検出器64は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいてナビ制御部60が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
【0050】
通信部70は、車両用表示装置1と接続され(具体的には車両用表示装置1の通信部20と接続され)、車両用表示装置1との通信を担う。主に車両用表示装置1に表示させる画像の画像データを送信する。
【0051】
地図データ入力器65は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0052】
ナビ制御部60は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、位置検出器64からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器65を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器63に表示させる処理や、地図データ入力器65に格納された地図データと、操作スイッチ群61の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器63に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0053】
また、このナビ制御部60には、アクセサリ(ACC)スイッチ3も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてACCスイッチ3がオン(ON)状態になると、ナビゲーション装置50に電源供給がなされ、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。
【0054】
[作動及び効果説明]
次に、車両用表示装置1の作動について図3のタイムチャートを用いて説明する。なお、ナビゲーション装置50の作動に関しても、この車両用表示装置1との関係で必要な部分のみ説明する。
【0055】
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると(図3(a)参照)、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。すると、ナビ制御部60は、TFT光源62をONすると共に、TFT表示器63へのナビゲーション画像の表示処理を開始する(図3(i)参照)。
【0056】
そして、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると(図3(b)参照)、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。すると、メータ制御部10は、TFT光源25をONすると共に(図3(c)参照)、TFT表示器30への表示処理を開始する。
【0057】
このTFT表示器30への表示に際しては、メータ表示領域31へのメータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)の表示タイミング(図3(d),(f)参照)及び車両状態表示領域33への警告灯画像の表示タイミング(図3(e)参照)を、ナビ表示領域32へのナビゲーション画像の表示(図3(g)参照)よりも早くしている。具体的な表示順番及びタイミングについて説明する。
【0058】
TFT表示器30へまず表示するのは、図3(d),(e)に示すように、メータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)における指針部分の画像と、車両状態表示領域33への警告灯画像である。そして、メータ画像に関しては、指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、図3(f)に示すように、文字盤部分の画像を表示する。
【0059】
そして、文字盤部分の画像表示後、所定時間が経過したら、図3(g)に示すように、ナビ表示領域32へナビゲーション画像を表示する。この所定時間は、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認可能な時間であり、例えば0.5秒〜1.0秒といった時間である。なお、この時間自体は、さらに長い時間であってもよいが、ナビゲーション画像の表示がそれだけ遅れるため、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認する時間が確保できればあまり長くしない方がよいと考えられる。そこで、上述の0.5秒〜1.0秒程度が好ましいと考えられる。
【0060】
このように、メータ画像及び警告灯画像の表示が開始されても、その時点ではナビゲーション画像の表示は行わず、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認可能な所定時間経過後に初めてナビゲーション画像が表示される。そのため、ナビゲーション画像が表示されていない期間にメータ画像31a〜31d及び警告灯画像を視認できる。したがって、メータパネル内においてメータ画像31a〜31d及び警告灯画像と、ナビゲーション画像とを混在させて表示させる場合、より重要なメータ画像31a〜31d及び警告灯画像に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0061】
特に、警告灯画像については初期状態で全て表示されるか否かを確認する必要性がある。つまり、メータ制御部10は、各警告灯に対応するセンサからの検出結果に基づいて警告灯画像を表示させるのであるが、IGNスイッチ5がオンされた場合に、初期状態のチェックのため一度全て表示させ、その後、正常であれば表示しないようにする。したがって、初期状態において警告灯画像が全て表示されていることを運転者が視認する上では、ナビゲーション画像が表示されない状態が所定時間存在することが好ましい。本実施形態の場合には、警告灯画像が表示されてから0.7〜1.2秒後にナビゲーション画像が表示されるので、ナビゲーション画像が表示されるまでの間は、警告灯画像をより注意深く視認することができる。
【0062】
なお、警告灯画像は、初期状態のチェックのため一度全て表示させ、その後、実際に警告の必要がない場合には表示しないようにする。例えばIGNスイッチ5がオン状態のままであれば、例えば3秒といった所定時間経過後に自動的に表示しないようにする。また、エンジンが始動された場合には自動的に表示しないようにする。このような警告灯画像の表示後の対処については公知の手法を用いればよく、本願発明の主眼ではないので詳しい説明は省略する。
【0063】
また、メータ画像31a〜31d及び警告灯画像とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、演出面でも特段の工夫がなく、表示内容に対する運転者の関心が薄くなりがちであるが、このように時間差で表示させれば演出効果も期待でき、運転者に対して斬新なイメージを与えることができる。その結果、表示内容に対する運転者の関心も向上させることができる。
【0064】
そしてさらに、メータ画像31a〜31dについては、指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過して文字盤部分の画像を表示させている。このようにすることで、メータ部分の画像に関しては、文字盤が表示されていない状態で指針が表示され、その後、文字盤が表示されるため、より演出効果も高まり、メータ画像31a〜31dに対する運転者の関心を高める点で有効である。
【0065】
なお、アクセサリ給電(ACC)の状態になってナビゲーション装置50が起動した場合、最初のナビゲーション装置のメーカ名や商品名などを紹介するオープニング画像が表示され、その後に地図画像等が表示されるパターンも考えられる。その場合のオープニング画像もナビゲーション画像の一部であり、当然ながら「優先度の低い内容の画像」の一つである。したがって、そのような場合は、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認可能な所定時間経過後に初めてそのオープニング画像が表示され、その後地図画像等が表示されることとなる。
【0066】
[別態様]
(1)上記説明では、TFT表示器30への表示に際して、ナビゲーション画像よりもメータ画像31a〜31dを優先したり、ナビゲーション画像よりも警告灯画像を優先して表示開始させていた。しかし、より重要なメータ画像や車両状態画像に対する運転者の認識度合いを高めるのであれば、メータ画像31a〜31dや警告灯画像の表示を開始してから所定期間はナビゲーション画像の表示が相対的に目立たなくすればよい。
【0067】
したがって、図3(h)に示すような表示制御をしてもよい。つまり、ナビゲーション画像の表示自体は、IGNスイッチ5がオンされた場合に開始する。しかし、ナビゲーション画像については輝度を徐々に大きくしていき、メータ画像31a〜31dの文字盤部分の画像を表示させてから所定時間(例えば0.5秒〜1.0秒)後に輝度が最大となるように制御するのである。このようにしても、同様の効果が得られる。そして、徐々に輝度が大きくなればナビゲーション画像が徐々に鮮明になる印象を視認者に与えることができ、演出効果の面でも好ましい。
【0068】
なお、ナビゲーション画像の表示をIGNスイッチ5がオンされた場合に開始する、と説明したが、この開始タイミングは特に問題ではない。つまり、より重要なメータ画像31a〜31d及び警告灯画像に対する運転者の認識度合いを高めるため、メータ画像31a〜31dの文字盤部分の画像を表示させてから所定時間(例えば0.5秒〜1.0秒)後に輝度が最大となるように制御できればよいのである。
【0069】
(2)上記説明では、指針画像→文字盤画像→ナビゲーション画像という順番で表示させたが、例えば指針画像→ナビゲーション画像→文字盤画像という順番で表示させてもよい。つまり、メータ画像として指針駆動タイプのメータ画像31a〜31dを表示させる場合、指針を最初に表示させ、その後、その指針に係るメータ画像31a〜31dの表示を視認可能な所定時間(例えば0.5秒〜1.0秒)が経過したらナビゲーション画像を表示させ、さらに所定時間後に文字盤を表示させるのである。
【0070】
上述したように、一度に全ての画像が表示されないようにし、順番に表示されるようにすれば演出効果は得られる。また、「より重要なメータ画像31a〜31dに対する運転者の認識度合いを高める」ことを目的としているが、この目的達成のためには、指針と文字盤の両方が必ず表示されていないといけないというわけではない。ただし、少なくとも指針に関しては表示されている必要はあると考えられる。したがって、指針画像→ナビゲーション画像→文字盤画像という順番で表示させ、指針表示を視認可能な所定時間が経過するまではナビゲーション画像を表示しないようにしてもよい。
【0071】
(3)ナビゲーション装置50については、アクセサリ給電(ACC)の状態になると(図3(a)参照)、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となるため、図3(i)に示す例では、その時点でTFT光源62をONすると共に、TFT表示器63へのナビゲーション画像の表示処理を開始した。しかし、車両用表示装置1側のTFT表示器30におけるナビ表示領域32へのナビゲーション画像表示のタイミングとはずれている。
【0072】
したがって、両方のナビゲーション画像の表示を同期させてもよい。その場合にはナビゲーション装置50のTFT表示器63へのナビゲーション画像の表示タイミングを遅らせて、車両用表示装置1側のTFT表示器30におけるナビ表示領域32へのナビゲーション画像表示タイミングに一致させる。
【0073】
このように両方のナビゲーション画像を同期を取って表示させる場合には、例えばナビゲーション装置50のナビ制御部60から通信部70を介して送信された同期信号を、車両用表示装置1のメータ制御部10が通信部20を介して受信し、その同期信号に基づいて表示を同期させるように制御してもよい。また、逆に、車両用表示装置1のメータ制御部10からナビゲーション装置50のナビ制御部60へ同期信号を送信するようにし、表示を同期させるようにしてもよい。
【0074】
なお、両方のナビゲーション画像を同期を取って表示させる方法として、例えばイグニッション給電(IGN)の状態になったとき(図3(b)参照)を基準としてタイマをスタートさせ、ナビゲーション装置50のナビ制御部、車両用表示装置1のメータ制御部10それぞれにおいて所定時間経過後にナビゲーション画像の表示を開始させることも考えられる。しかし、例えばメータ制御部10とナビ制御部60の性能が大きく異なる場合、個別に制御すると、各制御部の制御精度によって同期しない可能性もある。したがって、いずれかが主体となって他方の制御のトリガとなれば、同期し易くなる。
(4)ナビゲーション装置50に関しては、例えば音声案内機能を追加するのであればスピーカ(音声出力部)を設けたり、運転者からの指示を音声にて入力する機能を追加するのであればマイクロフォン(音声入力部)を設けたりすればよい。また操作スイッチ群61に加え、運転者がリモコン操作にて指示入力可能な機能を追加するのであれば、運転者が操作するリモコンからの信号を受信するリモコンセンサを設ければよい。これらは何れも公知技術であるので、詳細な説明は省略する。
【0075】
[第2実施形態]
[構成の説明]
図4は、第2実施形態の車両用表示装置101の概略構成を示すブロック図、図5は車両用表示装置101の正面図である。上述した第1実施形態の車両用表示装置1は、メータに関しても画像表示するいわゆるデジタルメータタイプを前提としたものであった。それに対して本第2実施形態の車両用表示装置101は、機械式メータタイプを前提としたものである。
【0076】
車両用表示装置101は、メータ制御部110と、車内LAN通信部115と、速度メータ131aと、タコメータ131bと、燃料メータ131cと、水温メータ131dと、指針照明光源136と、文字盤照明光源137と、警告灯133(図5参照)と、警告灯照明光源135と、TFT光源125と、TFT表示器132と、操作スイッチ群161と、車両の現在位置を検出する位置検出器164と、地図データや音声データ等が記録された地図記憶媒体からデータを入力する地図データ入力器165とを備える。
【0077】
車内LAN通信部115は、図示しない車内LANに接続された種々のECU(例えば、エンジンECU、AT−ECU等)や各種警告センサ(ブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等)との通信を担う部位である。
【0078】
速度メータ131aは、車両の速度を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しない速度センサから車両の速度情報を取得し、その速度情報に対応した信号を速度メータ131aへ出力する。
【0079】
タコメータ131bは、エンジンの回転数を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して図示しないエンジンECUからエンジンの回転数情報を取得し、その回転数情報に対応した信号をタコメータ131bへ出力する。
【0080】
燃料メータ131cは、燃料残量の多少を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介して燃料タンクに設けられた燃料残量を検出するセンサ(図示せず)から燃料残量情報を取得し、その燃料残量情報に対応した信号を燃料メータ131cへ出力する。
【0081】
水温メータ131dは、エンジン冷却水の温度の高低を表示するためのメータであり、制御部110からの信号に基づいて作動するよう構成されている。制御部110は、車内LAN通信部115を介してエンジン冷却水の水温を検出するセンサ(図示せず)から水温情報を取得し、その水温情報に対応した信号を水温メータ131dへ出力する。
【0082】
指針照明光源136は、各メータ131a,131b,131c,131dの指針毎に設けられており、指針を照明するための光源である。光源としては、例えばLEDなど各種発光体を用いることができる。
【0083】
文字盤照明光源137も、指針照明光源136と同様、各メータ131a,131b,131c,131dの文字盤毎に設けられており、文字盤を照明するための光源である。
警告灯133は、例えばブレーキ警告灯、油圧警告灯、排気温警告灯、バッテリ警告灯、ABS警告灯、エンジン警告灯、ドア警告灯等であり、それぞれの警告内容を模式的にあるいは文字によって示すためのランプが設けられている。このランプ自体は公知の内容なので詳しい説明は省略する。
【0084】
警告灯照明光源135は、上述の警告灯(警告ランプ)毎に設けられており、警告灯を照明するための光源である。
TFT光源125は、TFT表示器132のための光源である。
【0085】
TFT表示器132は、メータパネル内において速度メータ131aとタコメータ131bとの間に設けられており、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等から構成されている。そして、このTFT表示器30はカラー画像表示機能を有しており、ナビゲーション画像(例えば、現在位置付近の地図や、現在位置を示すアイコンや、経路案内のための案内図等の画像)を表示する。
【0086】
操作スイッチ群161は、TFT表示器132の表示面と一体に構成されたタッチパネル等から構成され、運転者からの様々な指令を入力する。なお、タッチパネルとTFT表示器132とは積層一体化されている。
【0087】
位置検出器164は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサとを備えている。そして、これら各センサ等からの出力信号に基づいて制御部110が、車両の位置・方位・速度等を算出する。
【0088】
地図データ入力器165は、図示しない地図データ記憶媒体(例えばハードディスクやDVD−ROM等)に記憶された各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、背景データ、道路データ、名称データ、マークデータ、交差点データ、施設のデータ等)、案内用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。なお、地図データ記憶媒体からこれらのデータを入力する代わりに、通信ネットワークを介してこれらのデータを入力するようになっていてもよい。
【0089】
メータ制御部10は、CPU,ROM,RAM,SRAM,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM及びRAMに記憶されたプログラムに基づいて各種処理を実行する。例えば、メータ関連の制御としては、車内LAN通信部115を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dの指針を駆動したり、指針照明光源136、文字盤照明光源137及び警告灯照明光源135の点灯・消灯を制御する。一方、ナビゲーション関連の制御としては、位置検出器164からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器165を介して読み込んだ現在位置付近の地図等をTFT表示器132に表示させる処理や、地図データ入力器165に格納された地図データと、操作スイッチ群161の操作に従って設定された目的地とに基づいて現在位置から目的地までの最適な経路を算出する経路算出処理や、その算出した経路をTFT表示器132に表示させることにより経路を案内する経路案内処理等を実行する。
【0090】
また、この制御部110には、イグニッション(IGN)スイッチ5も接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてIGNスイッチ5がオン(ON)状態になると、車両用表示装置101に電源供給がなされ、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。
【0091】
[作動及び効果説明]
次に、車両用表示装置101の作動について図6のタイムチャートを用いて説明する。
運転者によってイグニッションキーが操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると(図6(a)参照)、車両用表示装置101の各部が作動可能となる。すると、制御部110は、指針照明光源136及び警告灯照明光源135をONする(図6(b),(c)参照)。指針照明光源136をONさせてから所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、文字盤照明光源137をONさせる(図6(d)参照)。つまり、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c及び水温メータ131dに関しては、まず指針のみが点灯し、その後所定時間(例えば0.2秒)が経過したら文字盤が点灯する。
【0092】
そして、文字盤照明光源137をONさせてから所定時間が経過したら、TFT光源125をONすると共に(図6(e)参照)、TFT表示器132へのナビゲーション画像の表示処理を開始する(図6(f)参照)。この所定時間は、メータ表示を視認可能な時間であり、例えば0.5秒〜1.0秒といった時間である。
【0093】
このように、速度メータ131a、タコメータ131b、燃料メータ131c、水温メータ131d及び警告灯に対する照明光源135.136,137が点灯されても、その時点ではナビゲーション画像の表示は行わず、文字盤照明光源137をONさせてから所定時間経過後に初めてナビゲーション画像が表示される。そのため、ナビゲーション画像が表示されていない期間に照明された状態のメータ131a〜131dや警告灯133を視認できる。したがって、メータパネル内においてメータ131a〜131d及び警告灯133と、ナビゲーション画像とを混在させて表示させる場合、より重要なメータ131a〜131d及び警告灯133に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0094】
なお、機械式メータの場合、指針を例えばステップモータによって駆動するのであれば、脱調によって初期状態が速度0の位置を指さない状態となることも考えられる。したがって、特にそのような初期状態となっていないことを確認することは運転者にとって重要である。
【0095】
上記第1実施形態の場合と同様、メータ制御部110は、各警告灯133に対応するセンサからの検出結果に基づいて警告灯133の点灯・消灯を制御するのであるが、IGNスイッチ5がオンされた場合に、初期状態のチェックのため一度全て点灯させ、その後、正常であれば消灯する。したがって、初期状態において警告灯133が全て点灯されていることを運転者が視認する上では、ナビゲーション画像が表示されない状態が所定時間存在することが好ましい。本実施形態の場合には、警告灯133が点灯されてから0.7〜1.2秒後にナビゲーション画像が表示されるので、ナビゲーション画像が表示されるまでの間は、警告灯画像をより注意深く視認することができる。
【0096】
なお、警告灯133は、初期状態のチェックのため一度全て点灯させ、その後、実際に警告の必要がない場合には消灯する。例えばIGNスイッチ5がオン状態のままであれば、例えば3秒といった所定時間経過後に自動的に消灯する。また、エンジンが始動された場合には消灯する。このような警告灯133のIGNスイッチ5をオンした後の対処については公知の手法を用いればよく、本願発明の主眼ではないので詳しい説明は省略する。
【0097】
また、メータ131a〜131d及び警告灯133とナビゲーション画像とを同時に表示してしまうと、演出面でも特段の工夫がなく、表示内容に対する運転者の関心が薄くなりがちであるが、このように時間差で表示させれば演出効果も期待でき、運転者に対して斬新なイメージを与えることができる。その結果、表示内容に対する運転者の関心も向上させることができる。
【0098】
そしてさらに、メータ131a〜131dについては、指針照明光源136の点灯後、所定時間(例えば0.2秒)が経過してから文字盤照明光源137を点灯させている。このようにすることで、メータ131a〜131dに関しては、文字盤が点灯されていない状態で指針が点灯され、その後、文字盤が点灯されるため、より演出効果も高まり、メータ131a〜131dに対する運転者の関心を高める点で有効である。
【0099】
なお、アクセサリ給電(ACC)の状態になってナビゲーション装置50が起動した場合、最初のナビゲーション装置のメーカ名や商品名などを紹介するオープニング画像が表示され、その後に地図画像等が表示されるパターンも考えられる。その場合のオープニング画像もナビゲーション画像の一部であり、当然ながら「所定の画像」の一つである。したがって、そのような場合は、メータ131a〜131d及び警告灯133を視認可能な所定時間経過後に初めてそのオープニング画像が表示され、その後地図画像等が表示されることとなる。
【0100】
[別態様]
(1)本第2実施形態においては、第1実施形態のようにナビゲーション装置50と接続されてはいないが、第1実施形態と同様にナビゲーション装置50と接続してもよい。逆に、第1実施形態の車両用表示装置1も、ナビゲーション装置50と接続せずに単独で実現することも可能である。
【0101】
(2)上記説明では、TFT表示器132へのナビゲーション画像の表示よりも、指針照明光源136や文字盤照明光源137の点灯、あるいは警告灯照明光源135の点灯を優先して開始させた。しかし、より重要なメータ131a〜131d及び警告灯133に対する運転者の認識度合いを高めるのであれば、指針照明光源136や文字盤照明光源137、あるいは警告灯照明光源135の点灯を開始してから所定期間はナビゲーション画像の表示が相対的に目立たなくすればよい。
【0102】
したがって、図6(g)に示すような表示制御をしてもよい。つまり、ナビゲーション画像の表示自体は、IGNスイッチ5がオンされた場合に開始するが、TFT光源125の発光輝度を徐々に大きくしていき、文字盤照明光源137を点灯させてから所定時間(例えば0.5秒〜1.0秒)後に輝度が最大となるように制御するのである。このようにしても、同様の効果が得られる。そして、徐々に輝度が大きくなればナビゲーション画像が徐々に鮮明になる印象を視認者に与えることができ、演出効果の面でも好ましい。
【0103】
(3)上記説明では、制御部110にIGNスイッチ5が接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると、車両用表示装置101の各部が作動可能となると説明した。しかし、制御部110にアクセサリ(ACCス)イッチが接続されており、運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると、車両用表示装置101の各部が作動可能となるように構成してもよい。
【0104】
[第3実施形態]
[構成の説明]
システムの構成自体は、図1に示した第1実施形態の車両用表示装置1及びそれに接続されたナビゲーション装置50と同様であるため、同じ構成部分については、説明は省略する。異なる点としては、車内LAN通信部15を介してメータ制御部10へ入力する信号として、車両の後方や側方の画像信号、あるいはシートベルト着用の有無を検出するセンサからの信号が加わっている点が挙げられる。
【0105】
具体的には、図7中に後方視野(α)として示すように、車両後方の画像を撮像するためのCCDカメラが配置され、また図7中に側方後方視野(β)及び側方前方視野(γ)として示すように、車両側方の画像を撮像するためのCCDカメラが配置されている。
【0106】
車両側方の場合、図7に示すように運転席とは反対側に存在するサイドミラー40にCCDカメラが装着されている。ここでは、側方後方視野(β)に対応する画像を撮像するためのCCDカメラと側方前方視野(γ)に対応する画像を撮像するためのCCDカメラそれぞれサイドミラー40に配置されている。これら3つのCCDカメラにて撮像された画像は、図示しない周辺監視ECUにおいて画像処理され、車内LAN及び車内LAN通信部15を介してメータ制御部10へ入力されることとなる。
【0107】
メータ制御部10は、第1実施形態にて説明したように、車内LAN通信部15を介して各種ECU等から受信したデータに基づいて、車速、エンジン回転数、燃料残量及びエンジン冷却水温等をアナログ表示によってTFT表示器30のメータ表示領域31に表示させる処理や、ナビゲーション装置50から送られてきた画像データに基づいてTFT表示器30のナビ表示領域32に地図画像を表示させたり、車内LAN通信部15を介して各種警告センサから取得した警告センサ状態に基づいて、警告の必要がある警告内容を示す警告灯画像をTFT表示器30の車両状態表示領域33に表示させる処理等を実行するが、さらに、上述の「車両後方や側方の画像」をナビ表示領域32に表示させる処理や、詳しくは後述するが、図8(a)に示す「あいさつ画像」や図8(e)に示す「注意喚起画像」をビ表示領域32に表示させる処理も実行可能に構成されている。
【0108】
[作動及び効果説明]
次に、第3実施形態の車両用表示装置1の作動について図9のタイムチャート及び図8の画面例を用いて説明する。
【0109】
運転者によってイグニッションキーが操作されてアクセサリ給電(ACC)の状態になると(図9(a)参照)、ナビゲーション装置50の各部が作動可能となる。すると、ナビ制御部60は、TFT光源62をONする。
【0110】
そして、運転者によってイグニッションキーがさらに操作されてイグニッション給電(IGN)の状態になると(図9(b)参照)、車両用表示装置1の各部が作動可能となる。すると、メータ制御部10は、TFT光源25をONすると共に(図9(c)参照)、TFT表示器30への表示処理を開始する。
【0111】
このTFT表示器30への表示に際しては、メータ表示領域31へのメータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)の表示タイミング(図3(d),(f)参照)及び車両状態表示領域33への警告灯画像の表示タイミング(図3(e)参照)を、ナビ表示領域32への「あいさつ画像」、「車両後方や側方の画像」、「注意喚起画像」、「ナビ画像」の表示(図9(g)〜(k)参照)よりも早くしている。具体的な表示順番は、図8に示すように、(a)の「あいさつ画像」→(b)の車両の「後方画像」→(c)の車両の「側方後方画像」→(d)車両の「側方前方画像」→(e)の「注意喚起画像」→(f)の「ナビ画像」である。メータ画像や警告灯画像も含め、これらの画像表示のタイミングについて説明する。
【0112】
TFT表示器30へまず表示するのは、図9(d),(e)に示すように、メータ画像(速度メータ画像31a、タコメータ画像31b、燃料残量メータ画像31c、エンジン冷却水温メータ画像31d)における指針部分の画像と、車両状態表示領域33への警告灯画像である。そして、メータ画像に関しては、指針部分の画像表示後、所定時間(例えば0.2秒)が経過したら、図9(f)に示すように、文字盤部分の画像を表示する。
【0113】
そして、文字盤部分の画像表示後、所定時間が経過したら、図3(g)に示すように、ナビ表示領域32へ「あいさつ画像」を表示する。この所定時間は、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認可能な時間であり、例えば1秒といった時間である。「あいさつ画像」の表示は、例えば図8(a)に示すように、例えば「Hello」といった挨拶文を画面中央に表示すると共に、画面下方に車名のロゴを表示する。
【0114】
この「あいさつ画像」の表示後、所定時間(例えば1秒)が経過したら、図3(h)に示すように、ナビ表示領域32へ「後方画像」を表示する。この「後方画像」の表示後、所定時間(例えば1秒)が経過したら、図3(i)に示すように、ナビ表示領域32へ「側方後方画像」を表示する。この「側方後方画像」の表示後、所定時間(例えば1秒)が経過したら、図3(j)に示すように、ナビ表示領域32へ「側方前方画像」を表示する。
【0115】
この「側方前方画像」の表示後、所定時間(例えば1秒)が経過したら、図3(k)に示すように、ナビ表示領域32へ「注意喚起画像」を表示する。「注意喚起画像」表示では、例えば「注意!!シートベルトを着用して下さい」といった注意喚起を促す文章を表示する。この「注意喚起画像」の表示後、所定時間(例えば1秒)が経過したら、図3(l)に示すように、ナビ表示領域32へ「ナビ画像(例えば地図画像など)」を表示する。
【0116】
ただし、上述の「注意喚起画像」は、シートベルトが着用されていれば表示されない。つまり、シートベルト着用の有無を検出するセンサからの信号に基づき、運転者がシートベルトを着用しているか否か判断し、着用していない場合に限って表示される。シートベルトを着用している場合には、この「注意喚起画像」は表示されずに、図9(j)の「側方前方画像」の表示後、所定時間が経過したらナビ画像が表示されることとなる。
【0117】
このように、メータ画像及び警告灯画像の表示が開始されても、その時点では、「あいさつ画像」、「車両後方や側方の画像」、「注意喚起画像」、「ナビ画像」の表示(図9(g)〜(k)参照)の表示は行わず、メータ画像及び警告灯画像の表示を視認可能な所定時間経過後に初めてこれら「あいさつ画像」以下の画像が表示される。そのため、これら「あいさつ画像」以下の画像が表示されていない期間にメータ画像31a〜31d及び警告灯画像を視認できる。したがって、メータパネル内においてメータ画像31a〜31d及び警告灯画像と、「あいさつ画像」以下の画像とを混在させて表示させる場合、より重要なメータ画像31a〜31d及び警告灯画像に対する運転者の認識度合いを高めることができる。
【0118】
[別態様]
(1)詳しくは説明しないが、上記第1実施形態における[別態様]として説明した内容は、本第3実施形態でも同様に適用できる。
【0119】
また、第2実施形態のように機械式メータタイプを前提とした場合であっても、同様に適用できる。
(2)上記「あいさつ画像」は、図8(a)では静止画像として説明したが、例えば動画像として表示しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1実施形態の車両用表示装置及びそれに接続されたナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】第1実施形態の車両用表示装置の正面図である。
【図3】第1実施形態の車両用表示装置の作動を説明するためのタイムチャートである。
【図4】第2実施形態の車両用表示装置の概略構成を示すブロック図である。
【図5】第2実施形態の車両用表示装置の正面図である。
【図6】第2実施形態の用表示装置の作動を説明するためのタイムチャートである。
【図7】車両後方や側方を監視するための構成の概略説明図である。
【図8】第3実施形態の場合の画像表示例の説明図である。
【図9】第3実施形態の車両用表示装置の作動を説明するためのタイムチャートである。
【符号の説明】
【0121】
1…車両用表示装置、3…ACCスイッチ、5…IGNスイッチ、10…メータ制御部、15…車内LAN通信部、20…通信部、25…TFT光源、30…TFT表示器、31…メータ表示領域、31a…速度メータ画像、31b…タコメータ画像、31c…燃料残量メータ画像、31d…エンジン冷却水温メータ画像、32…ナビ表示領域、33…車両状態表示領域、40…サイドミラー、
50…ナビゲーション装置、60…ナビ制御部、61…操作スイッチ群、62…TFT光源、63…TFT表示器、64…位置検出器64…地図データ入力器、70…通信部、
101…車両用表示装置、110…制御部、115…車内LAN通信部、125…TFT光源、131a…速度メータ、131b…タコメータ、131c…燃料メータ、131d…水温メータ、132…TFT表示器、133…警告灯、135…警告灯照明光源、136…指針照明光源、137…文字盤照明光源、161…操作スイッチ群、164…位置検出器、165…地図データ入力器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータパネル内に設けられた表示手段と、
その表示手段に各種画像を表示させる表示制御手段とを備え、
前記表示手段は、予め定められた相対的に優先度の高い内容の画像を表示するための領域である第1の表示領域と、相対的に優先度の低い内容の画像を表示するための領域である第2の表示領域を有しており、
前記表示制御手段は、車両各部への電源供給開始時において、前記優先度の高い内容の画像の表示を行い、その優先度の高い内容の画像の表示を視認可能な所定時間経過後、前記優先度の低い内容の画像を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用表示装置において、
前記相対的に優先度の高い内容の画像は、少なくともメータ画像の一部を含むことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車両用表示装置において、
前記表示制御手段は、前記メータ画像として指針駆動タイプのメータ画像を表示させる場合、指針を最初に表示させ、所定時間後に文字盤を表示させ、その文字盤の表示後、前記メータ画像の表示を視認可能な所定時間が経過したら前記優先度の低い内容の画像を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車両用表示装置において、
前記表示制御手段は、前記メータ画像として指針駆動タイプのメータ画像を表示させる場合、指針を最初に表示させ、その後、その指針に係るメータ画像の表示を視認可能な所定時間が経過したら前記優先度の低い内容の画像を表示させ、さらに所定時間後に文字盤を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記相対的に優先度の高い内容の画像は、各種警告灯画像など、車両各部への電源供給開始時において車両運転者が確認すべき車両状態画像を含むことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記相対的に優先度の低い内容の画像は、少なくともナビゲーション画像を含むことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記表示制御手段は、車両各部への電源供給開始時において、前記優先度の高い内容の画像と優先度の低い内容の画像の表示開始タイミングの先後は問わないが、前記優先度の低い内容の画像を表示させる場合には、輝度を徐々に大きくしていき、前記優先度の高い内容の画像の表示を視認可能な所定時間経過後、前記優先度の低い内容の画像の輝度が最大となるように制御すること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項8】
メータパネル内に設けられた機械式メータの照明光源と、
メータパネル内に設けられた表示手段と、
前記照明光源の点灯制御と前記表示手段に所定の画像を表示させる表示制御を実行する制御手段とを備え、
前記制御手段は、車両各部への電源供給開始時において、前記機械式メータ用の照明光源を点灯させ、機械式メータの表示を視認可能な所定時間経過後、前記表示手段に前記所定の画像を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車両用表示装置において、
前記機械式メータの照明光源は、指針照明光源と文字盤照明光源を有し、
前記制御手段は、車両各部への電源供給開始時に前記機械式メータの照明用光源を点灯させる場合、指針照明光源を最初に点灯させ、所定時間後に文字盤照明光源を点灯させ、その文字盤用光源の点灯後、機械式メータの表示を視認可能な所定時間が経過したら前記表示手段に前記所定の画像を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項10】
請求項9に記載の車両用表示装置において、
前記機械式メータの照明光源は、指針照明光源と文字盤照明光源を有し、
前記制御手段は、車両各部への電源供給開始時に前記機械式メータの照明用光源を点灯させる場合、指針照明光源を最初に点灯させ、その後、前記機械式メータの指針の表示を視認可能な所定時間が経過したら前記所定の画像を表示させ、さらに所定時間後に文字盤照明光源を点灯させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項11】
請求項8〜10の何れかに記載の車両用表示装置において、
さらに、メータパネル内に設けられた警告灯の照明光源を備え、
前記制御手段は、車両各部への電源供給開始時において、前記警告灯照明光源を点灯させ、警告灯の表示を視認可能な所定時間経過後、前記表示手段に前記所定の画像を表示させること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項12】
請求項8〜11の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記制御手段は、車両各部への電源供給開始時において、前記所定の画像の表示タイミングと前記各照明光源の点灯タイミングの先後は問わないが、前記所定の画像を表示させる場合には、輝度を徐々に大きくしていき、請求項8又は9の場合であれば機械式メータの表示を視認可能な所定時間経過後、請求項10の場合であれば機械式メータの指針の表示を視認可能な所定時間経過後、請求項11の場合であれば機械式メータの表示及び警告灯の表示を視認可能な所定時間経過後、前記所定の画像の輝度が最大となるように制御すること
を特徴とする車両用表示装置。
【請求項13】
請求項8〜12の何れかに記載の車両用表示装置において、
前記所定の画像は、少なくともナビゲーション画像を含むことを特徴とする車両用表示装置。
【請求項14】
請求項1〜13の何れかに記載の車両用表示装置において、
車両に別途搭載されたナビゲーション装置との間でデータ通信が可能に構成されており、
前記表示制御手段又は制御手段は、前記ナビゲーション装置から表示すべきナビゲーション画像を入手して、それを請求項1〜7の場合であれば前記優先度の低い画像として、また請求項8〜13の場合は前記所定の画像として表示させると共に、前記ナビゲーション装置との間で表示内容に関して同期を取って表示させること
を特徴とする車両用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−131291(P2007−131291A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39436(P2006−39436)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】