説明

車両骨格構造

【課題】車両の衝突時に骨格部材の折れ変形が始まるタイミングと、該折れ変形が始まった後の変形荷重の持続と、骨格部材の折れ角度とを制御できるようにすることを目的とする。
【解決手段】車両の衝突の際にサイドレール12(骨格部材)に衝突リインフォース14(第1補強部材)が設けられているので、車両の衝突時にサイドレール12に入力された荷重が、衝突リインフォース14により設定された荷重に達したタイミングで、該サイドレール12に折れ変形が生ずる。サイドレール12には、折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制するバルクヘッド16(第2補強部材)が設けられているので、サイドレール12が折れ変形を始めた後においてもその変形荷重が持続する。バルクヘッド16には、サイドレール12の折れ角度を制御する切欠き18(折れ角度制御手段)が設けられているので、サイドレール12が所定の折れ角度に達するまで折れ変形し易い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両骨格構造に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドメンバ(車両の骨格部材)における屈曲部のうち、衝突時に谷折れ部とする部位に凹部を成形し、該凹部の近傍で衝突時に曲げたくない部位に補強部材を設けた車体フレームの構造が開示されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−260938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来例では、衝突時に、サイドメンバの屈曲部に設けた凹部において該屈曲部が谷折れ変形するようにコントロールできるものの、その他の変形特性については特に考慮されていない。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、車両の衝突時に骨格部材の折れ変形が始まるタイミングと、該折れ変形が始まった後の変形荷重の持続と、骨格部材の折れ角度とを制御できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、車両前後方向に延びる骨格部材に設けられ、車両の衝突の際に該骨格部材の折れ変形が始まる荷重を調整する第1補強部材と、前記骨格部材に設けられ、該骨格部材の折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制する第2補強部材と、該第2補強部材に設けられ、前記骨格部材の折れ角度を制御する折れ角度制御手段と、を有することを特徴としている。
【0006】
請求項1に記載の車両骨格構造では、車両前後方向に延びる骨格部材に、車両の衝突の際に該骨格部材の折れ変形が始まる荷重を調整する第1補強部材が設けられているので、車両の衝突時に骨格部材に入力された荷重が、第1補強部材により設定された荷重に達したタイミングで、該骨格部材に折れ変形が生ずる。また骨格部材には、該骨格部材の折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制する第2補強部材が設けられているので、骨格部材が折れ変形を始めた後においてもその変形荷重が持続する。更に第2補強部材には、骨格部材の折れ角度を制御する折れ角度制御手段が設けられているので、骨格部材の折れ角度が所定の折れ角度に達するまで、該骨格部材を折れ変形させることができる。このように、請求項1に記載の車両骨格構造では、車両の衝突時に骨格部材の折れ変形が始まるタイミングと、該折れ変形が始まった後の変形荷重の持続と、骨格部材の折れ角度とを制御することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両骨格構造において、前記第1補強部材は、前記骨格部材の屈曲部の中空内部における該屈曲部の曲率中心側の面に設けられていることを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載の車両骨格構造では、第1補強部材が、骨格部材の屈曲部の中空内部における該屈曲部の曲率中心側の面に設けられているので、車両の衝突時に折れ変形が生じ易い骨格部材の屈曲部を補強して、該屈曲部において折れ変形が始まる荷重をより精度よく調整できる。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2に記載の車両骨格構造において、前記第2補強部材は、前記第1補強部材に対して、前記骨格部材が折れ変形する際の折れ線と直交する方向に沿って、該折れ線の車両前方側から車両後方側にわたって設けられた板状部材であり、前記折れ角度制御手段は、前記第2補強部材のうち前記折れ線に対応する位置に前記第1補強部材と対向して設けられ、前記骨格部材及び前記第1補強部材が折れ変形の過程で一部入り込むことが可能な切欠きであることを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載の車両骨格構造では、板状部材により構成される第2補強部材が、第1補強部材に対して、骨格部材が折れ変形する際の折れ線と直交する方向に沿って、該折れ線の車両前方側から車両後方側にわたって設けられているので、車両の衝突により骨格部材の屈曲部が折れ線を中心として折れ変形して行く際に、該第2補強部材が変形抵抗となってその折れ変形の進行速度を抑制することができる。また、折れ角度制御手段としての切欠きが、第2補強部材のうち折れ線に対応する位置に、第1補強部材と対向して設けられており、骨格部材及び第1補強部材の折れ変形の過程で、その一部が第2補強部材の切欠きに一部入り込むため、該骨格部材が所定の折れ角度まで変形し易い。このように、請求項3に記載の車両骨格構造では、簡易な構成により、骨格部材の折れ変形過程における変形荷重の持続と、骨格部材の折れ角度とを制御することができる。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の車両骨格構造において、前記第2補強部材は、ハウジングを介して前記第1補強部材に固定されていることを特徴としている。
【0012】
請求項4に記載の車両骨格構造では、板状部材である第2補強部材が、ハウジングを介して第1補強部材に固定されているので、骨格部材の折れ変形に伴い第2補強部材が変形して行く過程において、該第2補強部材の姿勢を安定させることができる。このため、骨格部材の折れ変形過程において、その変形荷重をより安定的に持続させることができる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両骨格構造によれば、車両の衝突時に骨格部材の折れ変形が始まるタイミングと、該折れ変形が始まった後の変形荷重の持続と、骨格部材の折れ角度とを制御することができる、という優れた効果が得られる。
【0014】
請求項2に記載の車両骨格構造によれば、車両の衝突時に骨格部材の屈曲部において折れ変形が始まる荷重をより精度よく調整できる、という優れた効果が得られる。
【0015】
請求項3に記載の車両骨格構造によれば、簡易な構成により、骨格部材の折れ変形過程における変形荷重を持続と、骨格部材の折れ角度とを制御することができる、という優れた効果が得られる。
【0016】
請求項4に記載の車両骨格構造によれば、骨格部材の折れ変形過程において、その変形荷重をより安定的に持続させることができる、という優れた効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1において、本実施の形態に係る車両骨格構造Sは、例えば車体フレーム10において車両前後方向に延びるサイドレール12の前部12F側の構造に係り、図2に示されるように、第1補強部材の一例たる衝突リインフォース14と、第2補強部材の一例たるバルクヘッド16と、折れ角度制御手段の一例たる切欠き18とを有している。
【0018】
図1に示されるように、サイドレール12は、車体フレーム10の左右に一対設けられている。図示しない前輪の配置等を考慮して、前部12Fにおける左右のサイドレール12の間隔は、中央部12Cよりも狭められている。また図2に示されるように、サイドレール12の前部12Fは、図示しないサスペンション装置の配置等を考慮して、例えば中央部12Cよりも車両上方に位置している。このため、サイドレール12のうち、前部12Fから中央部12Cへ至る領域には、例えば屈曲部12A,12Bが存在している。車両平面視において、屈曲部12Aの曲率中心(図示せず)は、サイドレール12よりも車幅方向外側にあり、また屈曲部12Bの曲率中心(図示せず)は、サイドレール12よりも車幅方向内側にある。
【0019】
図1に示されるように、左右のサイドレール12は、複数のクロスメンバ20,22,24により連結されており、これによってはしご形の車体フレーム10が構成されている。サイドレール12に設けられている部品としては、屈曲部12A,12B間において車幅方向外側に張り出して設けられキャブマウントブラケット26や、前部12Fにおいて車幅方向内側に張り出して設けられたエンジンマウントブラケット28等がある。図2に示されるように、サイドレール12は、例えば断面コ字状の鋼材が車幅方向に対向した状態で接合されており、中空かつ矩形状の閉断面に構成されている。
【0020】
図2,図3において、衝突リインフォース14は、サイドレール12に設けられ、車両(図示せず)の衝突の際に該サイドレール12の折れ変形が始まる荷重を調整する補強部材である。図3に示されるように、この衝突リインフォース14は、車両平面視において、サイドレール12の屈曲部12Aの中空内部における該屈曲部12Aの曲率中心側の面、即ち内側面12D(図2)に設けられている。
【0021】
図4から図7に示されるように、衝突リインフォース14は、屈曲部12Aの内側面12D(図2)の高さに対応すると共に該内側面12Dに沿うように湾曲した板状の基部14Aを有し、該基部14Aの上下の端縁に夫々補強用の折曲げ部14Bを有している。図6,図7に示されるように、本実施形態では、衝突リインフォース14における基部14Aの後端部が二股形状となっているが、該後端部の形状はこれに限られるものではない。
【0022】
図2において、衝突リインフォース14は、サイドレール12における屈曲部12Aの内側面12Dを補強することで、車両の衝突の際に該サイドレール12の折れ変形が始まる荷重を調整し、これによって該折れ変形が始まるタイミングを制御できるようになっている。
【0023】
図2から図7において、バルクヘッド16は、サイドレール12に設けられ、該サイドレール12の折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制する補強部材である。具体的には、図2に示されるように、バルクヘッド16は、衝突リインフォース14に対して、サイドレール12が折れ変形する際の折れ線BLと直交する方向に沿って、該折れ線BLの車両前方側から車両後方側にわたって設けられた板状部材である。折れ線BLが車両上下方向に設定される場合、バルクヘッド16の面方向は水平方向に設定される。またサイドレール12の変形特性を考慮して、折れ線BLが車両上下方向に対して所定方向に傾斜して設定される場合には、バルクヘッド16の面方向も、該折れ線BLの傾斜方向及び傾斜角度に対応して、水平方向に対して傾斜した状態に設定される。
【0024】
図2から図7に示されるように、バルクヘッド16は、ハウジング30を介して衝突リインフォース14に固定されている。図3,図4に示されるように、ハウジング30は、車両平面視で例えば断面略ハット形に構成され、図2,図5から図7に示されるように、バルクヘッド16の板厚方向両側に延びる補強部材であり、前後のフランジ30Aにおいて衝突リインフォース14の基部14Aに固定されている。補足すると、図2に示されるように、ハウジング30のフランジ30Aは、折れ線BLの車両前方側と車両後方側に夫々位置しており、例えば溶接により衝突リインフォース14の基部14Aに固定されている。
【0025】
図4,図6,図7において、バルクヘッド16は、前端縁16A、後縁縁16B及び車幅方向内側の側端縁16Cにおいて夫々ハウジング30に溶接されている。なお、バルクヘッド16のうち、車幅方向内側の角部16D,16Eは、ハウジング30の隅部30D,30Eに夫々沿う形状とはなっておらず、該隅部30D,30Eから夫々離れた状態となっている。これは、バルクヘッド16の角部16D,16Eをハウジング30の隅部30D,30Eに沿うように加工する必要をなくして、該バルクヘッド16の質量及び製造コストを低減すると共に、ハウジング30に対するバルクヘッド16の組付け作業を容易化するためである。
【0026】
バルクヘッド16のうち、車幅方向外側の側端縁16Fは、衝突リインフォース14の折曲げ部14Bに当接又は近接対向している。なお、この側端縁16Fを、衝突リインフォース14の基部14Aに溶接してもよい。このように、バルクヘッド16は、ハウジング30を介してバルクヘッド16に固定されることで、サイドレール12の折れ変形の際に、姿勢が安定するように構成されている。
【0027】
図4から図7において、バルクヘッド16のうち、折れ線BL(図2)に対応する位置には、サイドレール12(図2)の折れ角度を制御する折れ角度制御手段の一例たる切欠き18が、衝突リインフォース14の基部14Aと対向して設けられている。この切欠き18は、車両平面視で例えばV字状又はU字状に形成されており、図8,図9に示されるように、サイドレール12及び衝突リインフォース14が折れ変形の過程で一部入り込むことが可能に構成されている。
【0028】
この切欠き18の大きさの設定により、サイドレール12及び衝突リインフォース14の折れ角度を制御することが可能である。例えば、この切欠き18を小さくしてサイドレール12及び衝突リインフォース14の入り込み量を少なくすることで、該サイドレール12及び衝突リインフォース14の折れ角度を抑制でき、また切欠き18を大きく形成してサイドレール12及び衝突リインフォース14の入り込み量を多くすることで、該サイドレール12及び衝突リインフォース14の折れ角度を増大させることができる。なお、切欠き18の形状は、V字状又はU字状には限られず、サイドレール12及び衝突リインフォース14が折れ変形の過程で一部入り込むことができる形状であればよい。
【0029】
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図8にいて、車両骨格構造Sを有する車両が前面衝突すると、サイドレール12に対して衝突荷重Fが入力される。このとき、サイドレール12のうち車両前方側に位置している屈曲部12Aには、該屈曲部12Aにおいて折れ変形が始まる荷重を調整する衝突リインフォース14が設けられているので、衝突荷重Fが衝突リインフォース14により設定された荷重に達したタイミングで、屈曲部12Aに折れ線BL(図2)を中心とした折れ変形が生ずる。
【0030】
ここで、図2に示されるように、衝突リインフォース14は、サイドレール12の屈曲部12Aの中空内部における該屈曲部12Aの曲率中心側の面、即ち内側面12Dに設けられているので、車両の衝突時に折れ変形が生じ易いサイドレール12の屈曲部12Aを補強して、該屈曲部12Aにおいて折れ変形が始まる荷重をより精度よく調整することが可能である。
【0031】
サイドレール12の屈曲部12Aにおける折れ変形は、時間の経過に従って進行して行くが、このとき、図2に示されるように、衝突リインフォース14には、板状部材により構成されるバルクヘッド16が、折れ線BLと直交する方向に沿って、該折れ線BLの車両前方側から車両後方側にわたって設けられているので、サイドレール12の屈曲部12Aが折れ線BLを中心として折れ変形して行く際に、該バルクヘッド16が変形抵抗となってその折れ変形の進行速度を抑制することができる。このため、サイドレール12が屈曲部12Aにおいて折れ変形を始めた後においても、その変形荷重を持続させることが可能である。特に、車両骨格構造Sでは、板状部材であるバルクヘッド16が、ハウジング30を介して衝突リインフォース14に固定されているので、屈曲部12Aの折れ変形に伴いバルクヘッド16が変形して行く過程において、該バルクヘッド16の姿勢を安定させることができる。このため、サイドレール12の折れ変形過程において、その変形荷重をより安定的に持続させることができる。
【0032】
また図8,図9に示されるように、バルクヘッド16のうち折れ線BLに対応する位置に、サイドレール12の折れ角度θを制御するための切欠き18が、衝突リインフォース14と対向して設けられており、サイドレール12及び衝突リインフォース14の折れ変形の過程で、その一部が該切欠き18に一部入り込むため、該サイドレール12及び衝突リインフォース14が所定の折れ角度θに達するまで折れ変形し易い。この折れ角度θは、切欠き18の形状や大きさにより調整することが可能である。
【0033】
このように、車両骨格構造Sでは、簡易な構成により、車両の衝突時にサイドレール12の折れ変形が始まるタイミングと、サイドレール12の折れ変形が始まった後の折れ変形過程における変形荷重の持続と、サイドレール12の折れ角度θとを制御することができる。
【0034】
なお、車両の衝突時における衝突リインフォース14の折れ変形を、所定の折れ線BLに沿って生じさせるために、例えば該折れ線BLに沿って配列された貫通孔、スリット又は切欠き等の脆弱部を設けるようにしてもよい。
【0035】
上記実施形態では、骨格部材をサイドレール12として説明したが、骨格部材はこれに限られるものではなく、例えばフレーム無し車両におけるサイドメンバであってもよい。また第1補強部材の一例として、衝突リインフォース14を挙げたが、第1補強部材は該衝突リインフォース14には限られず、車両の衝突の際にサイドレール12の折れ変形が始まる荷重を調整可能な補強部材であればよい。同様に、第2補強部材の一例として、バルクヘッド16を挙げたが、第2補強部材は該バルクヘッド16に限られず、サイドレール12の折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制可能な部材であればよい。また折れ角度制御手段の一例として切欠き18を挙げたが、折れ角度制御手段はこれに限られるものではなく、例えばスリットであってもよい。
【0036】
また衝突リインフォース14及びバルクヘッド16を、サイドレール12の屈曲部12Aに設けることとしたが、該屈曲部12Aより車両後方の屈曲部12Bにも適用することが可能である。また図2に示されるように、サイドレール12の前部12Fが中央部12Cよりも車両上方に位置しており、屈曲部12A及び屈曲部12Bが車両上下方向にも屈曲している場合には、衝突リインフォース14及びバルクヘッド16を、該屈曲部12Aの中空内部における底面や、屈曲部12Bの中空内部における天井面(何れも曲率中心側の面に相当する。)に設けてもよい。
【0037】
更に衝突リインフォース14及びバルクヘッド16を設ける部位は、サイドレール12の屈曲部12A,12Bには限られず、例えば非屈曲部であっても、該サイドレール12のうち車両の衝突の際に折れ変形が予定されている部位であれば適用可能である。また車両の後面衝突を考慮して、車両骨格構造Sをサイドレール12の後部側(図示せず)に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】車両の前部における車両骨格構造を示す平面図である。
【図2】車両骨格構造において、サイドレールの屈曲部の中空内部に設けられた衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大斜視図である。
【図3】車両骨格構造において、サイドレールの屈曲部の中空内部に設けられた衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大平面図である。
【図4】衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大平面図である。
【図5】衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大側面図である。
【図6】衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大斜視図である。
【図7】衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングを示す拡大分解斜視図である。
【図8】車両の衝突によりサイドレールの屈曲部が所定の折れ角度まで折れ変形した状態を示す拡大平面図である。
【図9】屈曲部におけるサイドレール、衝突リインフォース、バルクヘッド及びハウジングの変形状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 車体フレーム
12 サイドレール(骨格部材)
12A 屈曲部
12D 内側面(屈曲部の曲率中心側の面)
14 衝突リインフォース(第1補強部材)
16 バルクヘッド(第2補強部材)
18 切欠き
BL 折れ線
S 車両骨格構造
θ 折れ角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延びる骨格部材に設けられ、車両の衝突の際に該骨格部材の折れ変形が始まる荷重を調整する第1補強部材と、
前記骨格部材に設けられ、該骨格部材の折れ変形過程における変形荷重の減少を抑制する第2補強部材と、
該第2補強部材に設けられ、前記骨格部材の折れ角度を制御する折れ角度制御手段と、
を有することを特徴とする車両骨格構造。
【請求項2】
前記第1補強部材は、前記骨格部材の屈曲部の中空内部における該屈曲部の曲率中心側の面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両骨格構造。
【請求項3】
前記第2補強部材は、前記第1補強部材に対して、前記骨格部材が折れ変形する際の折れ線と直交する方向に沿って、該折れ線の車両前方側から車両後方側にわたって設けられた板状部材であり、
前記折れ角度制御手段は、前記第2補強部材のうち前記折れ線に対応する位置に前記第1補強部材と対向して設けられ、前記骨格部材及び前記第1補強部材が折れ変形の過程で一部入り込むことが可能な切欠きであることを特徴とする請求項2に記載の車両骨格構造。
【請求項4】
前記第2補強部材は、ハウジングを介して前記第1補強部材に固定されていることを特徴とする請求項3に記載の車両骨格構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−213723(P2008−213723A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−55882(P2007−55882)
【出願日】平成19年3月6日(2007.3.6)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】