車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法
【課題】側突荷重を荷重支持部材によってより確実に支持できるようにした車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法を得る。
【解決手段】フロアトンネル3上の荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に、側突時に車両1の各部の変形を伴って荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部(荷重伝達片11E2)が当接した際に、その移動を規制する移動規制機構20として、凹設部21を設けた。
【解決手段】フロアトンネル3上の荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に、側突時に車両1の各部の変形を伴って荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部(荷重伝達片11E2)が当接した際に、その移動を規制する移動規制機構20として、凹設部21を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体側面部に入力された側突荷重(衝突荷重)を、車両シート内で車幅方向に亘って設けた荷重伝達部材を介してフロアトンネルに伝達し、当該フロアトンネルで側突荷重を支持する車体の側突荷重支持構造が知られている。かかる構造によれば、側突時に、車両シートに着座した乗員の居住空間をより広く確保することができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−105947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の構造では、側突時に、シートに設けた荷重伝達部材が、フロアトンネルに、離れた位置から近付いて接触し、当該荷重伝達部材からフロアトンネルに荷重が伝達されるようになっている。しかしながら、その過程で何らかの不本意な原因で荷重伝達部材とフロアトンネルとの接触状態が解消されると、効果が小さくなってしまう虞があった。
【0004】
そこで、本発明は、側突荷重を荷重支持部材によってより確実に支持できるようにした車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けた荷重伝達部材を、車体フロア上の車幅方向中央部に設けた荷重支持部材に当接させて支持する車体の側突荷重支持構造において、荷重支持部材の側壁に、当接した荷重伝達部材の車幅方向内側の端部の移動を規制する移動規制機構を設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移動規制機構を設けたことで、側突時に荷重伝達部材の車幅方向内側の端部と荷重支持部材とが当接した状態が維持されやすくなって、車両シートに着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
(第1実施形態)図1〜図9は、本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法を示している。このうち、図1は、本実施形態にかかる側突荷重支持構造が設けられた車体を、車両シートの配置部分で横断した垂直断面図である。なお、各図中、FRは車両前方、WOは車幅方向外側、UPは上方をそれぞれ示す。
【0009】
本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造が適用される車両1では、図1に示すように、車体フロア2の車幅方向中央部に、断面逆U字状のフロアトンネル3が車両前後方向に沿って延設されている。そして、フロアトンネル3の左右両側となる車体フロア2上に、一対の車両シート4,4が設置されている。
【0010】
車両シート4は、シートクッション4C、シートバック4B、およびヘッドレスト4Hを有している。車体フロア2には車両前後方向に沿って伸びるレール4aが固定されており、このレール4aに車両シート4の脚部4bが摺動可能(前後スライド可能)に取り付けられている。すなわち、これらレール4aと脚部4bとで、シートスライド装置4Sが構成されている。また、シートクッション4Cとシートバック4Bとは、シートリクライニング機構4Rを介して傾動可能に連結されている。
【0011】
車体フロア2の車幅方向両端部には、閉断面構造のサイドシル5が車両前後方向に延在している。これら左右一対のサイドシル5間にはクロスメンバ6が架設されており、このクロスメンバ6上に車体フロア2が接合されている。そして、このサイドシル5が側面開口部の下縁となって、当該側面開口部を開閉可能に塞ぐサイドドア7が設けてある。本実施形態では、このサイドドア7の外側面7aが、側突荷重が入力される車体側面部となる。
【0012】
図2は、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の一部を示す分解斜視図である。図1,図2に示すように、シートバック4Bの骨格部材としてのシートバックフレーム10は、全体的に略逆U字状に折曲されて上端部に配置されたアッパフレーム10Uと、アッパフレーム10Uの少なくとも下端部が接合された上下に伸びる一対のサイドフレーム10Sa,10Sbと、これらサイドフレーム10Sa,10Sbの下端部間で架設されるロワフレーム10Lと、を備えている。
【0013】
さらに、本実施形態では、これらサイドフレーム10Sa,10Sb間に、車幅方向外側の端部(外側端部)11aを上とし車幅方向内側の端部(内側端部)11bを下とする傾斜姿勢で、シート補強部材11Aが架設されている。ここで、図1に示すように、シート補強部材11Aの外側端部11aは、車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aに対向し、内側端部11bは、荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12の側壁12Sに対向している。
【0014】
また、車幅方向外側のサイドフレーム10Saには、シート補強部材11Aの外側端部11aと略同じ高さに、車幅方向外側に向けて突出する荷重伝達片11E1が設けられている。この荷重伝達片11E1は、ドアアームレスト7bの上端部分に対向させて配置されている。一方、車幅方向内側のサイドフレーム10Sbには、シート補強部材11Aの内側端部11bと同じ高さに、車幅方向内側に向けて突出する荷重伝達片11E2が設けられている。かかる構成により、詳細は後述するが、側突時には、車両1内の各部の変形を伴いながら、車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aに入力された側突荷重Fが、荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2を介してセンターコンソールボックス12に伝達される荷重伝達経路が形成されるようになっている。すなわち、本実施形態では、荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2が荷重伝達部材11に相当し(厳密には、それらの間に介在する部材(サイドフレーム10Sa,10Sbの一部等)も含まれる)、センターコンソールボックス12が荷重支持部材に相当する。
【0015】
センターコンソールボックス12は、図2に示すように、フロアトンネル3の上面に設置される箱状の外枠トリム13と、この外枠トリム13内に収納される補強フレーム14と、この補強フレーム14の上側で上記外枠トリム13内に嵌挿されて小物入れとなるポケット15と、外枠トリム13の上端開口部を開閉自在に閉止する蓋トリム16と、を備えて構成されている。
【0016】
図3〜図7は、センターコンソールボックスを示す図である。図3は、センターコンソールボックス内の補強フレームの斜視図、図4は、センターコンソールボックスの補強フレームをフレームアッパとフレームロアに分解した分解斜視図、図5は、当該フレームロアの分解斜視図、図6は、当該フレームアッパの分解斜視図である。
【0017】
補強フレーム14は、図3,図4に示すように、外枠トリム13の底部に配置される矩形枠状のフレームロア14Lと、このフレームロア14Lの上側に設置される容器状のフレームアッパ14Uと、によって構成される。
【0018】
フレームロア14Lは、図5に示すように、レフトフレームアウタ14L1aとレフトフレームインナ14L1bとを接合して形成されるレフトフレーム14L1と、ライトフレームアウタ14L2aとライトフレームインナ14L2bとを接合して形成されるライトフレーム14L2とを備える。さらに、これらレフトフレームアウタ14L1aとライトフレームアウタ14L2aの前端部同士を連結するフロントクロスフレーム14L3と、後端部同士を連結するリヤクロスフレーム14L4とを備える。
【0019】
また、フレームアッパ14Uは、図6に示すように、平面視で前側を開放したコ字状に折曲形成されるメインパネル14U1と、このメインパネル14U1の前側開放側端同士を連結するフロントパネル14U2と、矩形状に結合したメインパネル14U1とフロントパネル14U2との底壁となる段状のセンターパネル14U3と、によって構成される。
【0020】
また図7は、図3のVII−VII断面図である(ただしフロアパネル側も含む)。この図7に示すように、フレームロア14Lのレフトフレーム14L1については、レフトフレームインナ14L1bの下端部がフロアトンネル3の上面に溶接点W1で溶接されるとともに、レフトフレームアウタ14L1aの下端部がフロアトンネル3の側面に溶接点W2で溶接される。
【0021】
そして、レフトフレームインナ14L1bとレフトフレームアウタ14L1aのそれぞれの上端部に、ボルト17およびナット17aによってメインパネル14U1の側壁14U1Sの下端部が結合されている。
【0022】
図8は、図1と同じ垂直断面において、側突時における車体の正面視左側部分の変形を(a)、(b)の順に示す説明図である。また、図9は、図8の(b)のB部の拡大図である。上記構成では、図8の(a)に示すように側突時に車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aから側突荷重Fが入力されると、サイドドア7が車幅方向内側に変形してドアアームレスト7bが荷重伝達片11E1に当接する。さらに側突が進行すると、図8の(b)に示すように、車両シート4が車幅方向内側に移動して、荷重伝達片11E2がセンターコンソールボックス12の側壁12Sに当接する。すなわち、外側面7aに入力された側突荷重Fは、荷重伝達部材としての荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2を介して荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に伝達され、支持されることになる。つまり、側突時には、センターコンソールボックス12に支持された荷重伝達部材11が車幅方向に突っ張ることとなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間を確保することができる。
【0023】
ここで、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造にあっては、図2等に示すように、センターコンソールボックス12に、荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部、すなわち荷重伝達片11E2が当接した際に当該荷重伝達片11E2の移動を規制する移動規制機構20が設けられている。
【0024】
本実施形態では、この移動規制機構20として、図6や図9等に示すように、補強フレーム14のフレームアッパ14Uの側壁14U1Sを車幅方向内側に凹設して、凹設部21が形成されており、この凹設部21が荷重伝達片11E2を係止してその移動を規制するようになっている。すなわち、この凹設部21は係止構造に相当する。この凹設部21によって、その上部が車幅方向外側に突出した上下方向に沿う段差が形成されるため、荷重伝達片11E2の少なくとも上方への移動が規制される。
【0025】
なお、センターコンソールボックス12が荷重伝達片11E2を支持するにあたっては、外枠トリム13は可撓性部材であるため、それより内側の補強フレーム14が実質的な荷重支持部分となる。このため、凹設部21(移動規制機構20)は、補強フレーム14のフレームアッパ14Uの側壁14U1Sに設けられている。
【0026】
そして、図9に示すように、側突時に、荷重伝達片11E2が可撓性部材で形成された外枠トリム13を変形させつつ凹設部21に押し付けられると、この凹設部21に係止される。よって、荷重伝達片11E2と側壁14U1Sとが相互に当接した状態が維持されたまま、側突荷重Fが荷重伝達部材11(荷重伝達片11E2)からフロアトンネル3に伝達し、車体フロア2に分散される。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に、荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部としての荷重伝達片11E2が当接した際にその移動を規制する移動規制機構20を設けてある。このため、側突時に荷重伝達片11E2がセンターコンソールボックス12に当接した後、その当接状態、すなわちセンターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態が維持されやすくなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、移動規制機構20を、側壁14U1Sの凹設部21として形成したため、当該移動規制機構20を比較的簡素な構成として得ることができる。そして、この凹設部21が荷重伝達片11E2を係止する係止構造となっているため、荷重伝達片11E2の係合方向(本実施形態では主として上方)への移動をより確実に規制することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、センターコンソールボックス12を荷重支持部材として用いているため、既存の構造を利用できる分、コスト増大を抑制することができる。
【0030】
なお、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造は、車幅方向の中央に対して左右対称形状を備えており、左右の車両シート4,4について同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0031】
(第2実施形態)図10は本発明の第2実施形態を示している。この図10は、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるセンターコンソールボックスの図9と同等位置での断面図である。なお、本実施形態にかかる側突荷重支持構造は、上記第1実施形態にかかる側突荷重支持構造と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0032】
本実施形態でも、図10を図9と比較すれば明らかとなるように、センターコンソールボックス12Aに含まれる補強フレーム14Aのフレームアッパ14Uの側壁14U1Sに、車幅方向内側に凹設した凹設部21Aが形成されている。
【0033】
ただし、本実施形態では、凹設部21Aは、その上側の一般部の厚みtよりも薄肉化した(厚み=t1)脆弱部22として形成してある。
【0034】
よって、図8の(a)および(b)に示したように荷重伝達片11E2が側壁14U1Sに当接すると、凹設部21Aは車幅方向内側に凹む。このとき、凹設部21Aは脆弱部22として薄肉化されているため、薄肉化しない場合に比べて凹みが促進される。
【0035】
以上の本実施形態によれば、側壁14U1Sが荷重伝達片11E2に押されて車幅方向内側に凹む分、荷重伝達片11E2(荷重伝達部材11)と側壁14U1S(センターコンソールボックス12)との係合区間が車幅方向に長くなって係止状態が強まるため、センターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態がより確実に維持されやすくなる。したがって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより一層確実に確保することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、凹設部21Aを一般部より薄肉化した脆弱部22として形成したため、荷重伝達片11E2によって凹設部21Aが凹むのが促進され、荷重伝達片11E2と側壁14U1Sとの係合区間が車幅方向に長くなりやすく、センターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態がさらに一層確実に維持されることとなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【0037】
(第3実施形態)図11〜図14は本発明の第3実施形態を示している。このうち図11は、センターコンソールボックス内の補強フレームの斜視図、図12は、図11中のXII−XII断面図である。なお、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造は、上記第1実施形態あるいは第2実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0038】
本実施形態にかかる補強フレーム14は、上記第1実施形態と同じものである。ただし、本実施形態では、図示しない側突センサによって側突が検知あるいは予知された際に、センターコンソールボックス12Bから車幅方向外側へ突出して荷重伝達部材11に当該車幅方向外側への反力を与える反力付与機構23を備えている。
【0039】
反力付与機構23は、補強フレーム14の側壁14U1Sに取り付けられたエアバッグ23aを有しており、図示しない側突センサによって側突が予知あるいは検知されると、インフレータ23bからガス供給チューブ23cを介してエアバッグ23aにガスが供給され、エアバッグ23aが少なくとも車幅方向外側に向けて膨張かつ展開するようになっている。エアバッグ23aは、凹設部21の底部に折り畳み状態で取り付けられており、その外側は外枠トリム13によって覆われている。
【0040】
図13は、図12のエアバッグが展開した状態を示す図、図14は、荷重伝達部材に作用する反力の経時変化を模式的に示すグラフである。図14では、横軸は時間、縦軸は反力であり、αはエアバッグを設けていない場合、βはエアバッグを設けた場合(本実施形態)を示す。
【0041】
図13に示すように、エアバッグ23aが膨張かつ展開すると、外枠トリム13は車幅方向外側に向けて膨出変形して荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部(荷重伝達片11E2)に当接し、これにより、エアバッグ23aおよび外枠トリム13によって荷重伝達片11E2が支持された状態が得られる。したがって、図14に示すように、エアバッグ23aを設けていない場合に比べて、Δtだけ早いタイミングで荷重伝達部材11が支持される状態となる。そして、この場合には、外枠トリム13およびエアバッグ23aは、荷重伝達片11E2から押し込まれて僅かに凹んだ状態となる。よって、これら外枠トリム13およびエアバッグ23aが、この実施形態における移動規制機構に相当する。
【0042】
また、図13に示すように、エアバッグ23aを設けていない場合に比べて、エアバッグ23aの膨張に対応する長さWのだけ車両シート4に着座する乗員の居住空間をより広く確保することができるという利点もある。すなわち、本実施形態によれば、より広い乗員の居住空間をより早い段階から得ることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、荷重支持部材としてセンターコンソールボックスを用いたが、センターコンソールボックスが存在しない車両にあっては、別の荷重支持部材を設けてもよい。
【0044】
また、脆弱部は、荷重伝達部材が荷重支持部材と接触した後に、荷重支持部材の側壁の変形を促進させるものであればよく、側壁を部分的に薄肉化してもよいし、側壁にスリットや貫通孔等を設けてもよい。また、反力付与機構として、エアバッグ以外のものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態にかかる側突荷重支持構造が設けられた車体を車両シートの配置部分で横断した垂直断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の一部を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームをフレームアッパとフレームロアに分解した分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるフレームロアの分解斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるフレームアッパの分解斜視図である。
【図7】図3のVII−VII断面図である。
【図8】図1と同じ垂直断面において、側突時における車体の正面視左側部分の変形を(a)、(b)の順に示す説明図である。
【図9】図8(b)中B部の拡大断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造のセンターコンソールボックスの図9と同等位置での断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームの斜視図である。
【図12】図11中のXII−XII断面図である。
【図13】図12のエアバッグが展開した状態を示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の荷重伝達部材に作用する反力の経時変化を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
2 車体フロア
3 フロアトンネル
4 車両シート
4B シートバック
7a 外側面(車体側面部)
11 荷重伝達部材
11E2 荷重伝達片(荷重伝達部材の車幅方向内側の端部)
12,12A,12B センターコンソールボックス(荷重支持部材)
14U1S 側壁
20,20A 移動規制機構
21,21A 凹設部
22 脆弱部
23 反力付与機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体側面部に入力された側突荷重(衝突荷重)を、車両シート内で車幅方向に亘って設けた荷重伝達部材を介してフロアトンネルに伝達し、当該フロアトンネルで側突荷重を支持する車体の側突荷重支持構造が知られている。かかる構造によれば、側突時に、車両シートに着座した乗員の居住空間をより広く確保することができる(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−105947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の構造では、側突時に、シートに設けた荷重伝達部材が、フロアトンネルに、離れた位置から近付いて接触し、当該荷重伝達部材からフロアトンネルに荷重が伝達されるようになっている。しかしながら、その過程で何らかの不本意な原因で荷重伝達部材とフロアトンネルとの接触状態が解消されると、効果が小さくなってしまう虞があった。
【0004】
そこで、本発明は、側突荷重を荷重支持部材によってより確実に支持できるようにした車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法を得ようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けた荷重伝達部材を、車体フロア上の車幅方向中央部に設けた荷重支持部材に当接させて支持する車体の側突荷重支持構造において、荷重支持部材の側壁に、当接した荷重伝達部材の車幅方向内側の端部の移動を規制する移動規制機構を設けたことを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、移動規制機構を設けたことで、側突時に荷重伝達部材の車幅方向内側の端部と荷重支持部材とが当接した状態が維持されやすくなって、車両シートに着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0008】
(第1実施形態)図1〜図9は、本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造および側突荷重支持方法を示している。このうち、図1は、本実施形態にかかる側突荷重支持構造が設けられた車体を、車両シートの配置部分で横断した垂直断面図である。なお、各図中、FRは車両前方、WOは車幅方向外側、UPは上方をそれぞれ示す。
【0009】
本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造が適用される車両1では、図1に示すように、車体フロア2の車幅方向中央部に、断面逆U字状のフロアトンネル3が車両前後方向に沿って延設されている。そして、フロアトンネル3の左右両側となる車体フロア2上に、一対の車両シート4,4が設置されている。
【0010】
車両シート4は、シートクッション4C、シートバック4B、およびヘッドレスト4Hを有している。車体フロア2には車両前後方向に沿って伸びるレール4aが固定されており、このレール4aに車両シート4の脚部4bが摺動可能(前後スライド可能)に取り付けられている。すなわち、これらレール4aと脚部4bとで、シートスライド装置4Sが構成されている。また、シートクッション4Cとシートバック4Bとは、シートリクライニング機構4Rを介して傾動可能に連結されている。
【0011】
車体フロア2の車幅方向両端部には、閉断面構造のサイドシル5が車両前後方向に延在している。これら左右一対のサイドシル5間にはクロスメンバ6が架設されており、このクロスメンバ6上に車体フロア2が接合されている。そして、このサイドシル5が側面開口部の下縁となって、当該側面開口部を開閉可能に塞ぐサイドドア7が設けてある。本実施形態では、このサイドドア7の外側面7aが、側突荷重が入力される車体側面部となる。
【0012】
図2は、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の一部を示す分解斜視図である。図1,図2に示すように、シートバック4Bの骨格部材としてのシートバックフレーム10は、全体的に略逆U字状に折曲されて上端部に配置されたアッパフレーム10Uと、アッパフレーム10Uの少なくとも下端部が接合された上下に伸びる一対のサイドフレーム10Sa,10Sbと、これらサイドフレーム10Sa,10Sbの下端部間で架設されるロワフレーム10Lと、を備えている。
【0013】
さらに、本実施形態では、これらサイドフレーム10Sa,10Sb間に、車幅方向外側の端部(外側端部)11aを上とし車幅方向内側の端部(内側端部)11bを下とする傾斜姿勢で、シート補強部材11Aが架設されている。ここで、図1に示すように、シート補強部材11Aの外側端部11aは、車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aに対向し、内側端部11bは、荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12の側壁12Sに対向している。
【0014】
また、車幅方向外側のサイドフレーム10Saには、シート補強部材11Aの外側端部11aと略同じ高さに、車幅方向外側に向けて突出する荷重伝達片11E1が設けられている。この荷重伝達片11E1は、ドアアームレスト7bの上端部分に対向させて配置されている。一方、車幅方向内側のサイドフレーム10Sbには、シート補強部材11Aの内側端部11bと同じ高さに、車幅方向内側に向けて突出する荷重伝達片11E2が設けられている。かかる構成により、詳細は後述するが、側突時には、車両1内の各部の変形を伴いながら、車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aに入力された側突荷重Fが、荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2を介してセンターコンソールボックス12に伝達される荷重伝達経路が形成されるようになっている。すなわち、本実施形態では、荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2が荷重伝達部材11に相当し(厳密には、それらの間に介在する部材(サイドフレーム10Sa,10Sbの一部等)も含まれる)、センターコンソールボックス12が荷重支持部材に相当する。
【0015】
センターコンソールボックス12は、図2に示すように、フロアトンネル3の上面に設置される箱状の外枠トリム13と、この外枠トリム13内に収納される補強フレーム14と、この補強フレーム14の上側で上記外枠トリム13内に嵌挿されて小物入れとなるポケット15と、外枠トリム13の上端開口部を開閉自在に閉止する蓋トリム16と、を備えて構成されている。
【0016】
図3〜図7は、センターコンソールボックスを示す図である。図3は、センターコンソールボックス内の補強フレームの斜視図、図4は、センターコンソールボックスの補強フレームをフレームアッパとフレームロアに分解した分解斜視図、図5は、当該フレームロアの分解斜視図、図6は、当該フレームアッパの分解斜視図である。
【0017】
補強フレーム14は、図3,図4に示すように、外枠トリム13の底部に配置される矩形枠状のフレームロア14Lと、このフレームロア14Lの上側に設置される容器状のフレームアッパ14Uと、によって構成される。
【0018】
フレームロア14Lは、図5に示すように、レフトフレームアウタ14L1aとレフトフレームインナ14L1bとを接合して形成されるレフトフレーム14L1と、ライトフレームアウタ14L2aとライトフレームインナ14L2bとを接合して形成されるライトフレーム14L2とを備える。さらに、これらレフトフレームアウタ14L1aとライトフレームアウタ14L2aの前端部同士を連結するフロントクロスフレーム14L3と、後端部同士を連結するリヤクロスフレーム14L4とを備える。
【0019】
また、フレームアッパ14Uは、図6に示すように、平面視で前側を開放したコ字状に折曲形成されるメインパネル14U1と、このメインパネル14U1の前側開放側端同士を連結するフロントパネル14U2と、矩形状に結合したメインパネル14U1とフロントパネル14U2との底壁となる段状のセンターパネル14U3と、によって構成される。
【0020】
また図7は、図3のVII−VII断面図である(ただしフロアパネル側も含む)。この図7に示すように、フレームロア14Lのレフトフレーム14L1については、レフトフレームインナ14L1bの下端部がフロアトンネル3の上面に溶接点W1で溶接されるとともに、レフトフレームアウタ14L1aの下端部がフロアトンネル3の側面に溶接点W2で溶接される。
【0021】
そして、レフトフレームインナ14L1bとレフトフレームアウタ14L1aのそれぞれの上端部に、ボルト17およびナット17aによってメインパネル14U1の側壁14U1Sの下端部が結合されている。
【0022】
図8は、図1と同じ垂直断面において、側突時における車体の正面視左側部分の変形を(a)、(b)の順に示す説明図である。また、図9は、図8の(b)のB部の拡大図である。上記構成では、図8の(a)に示すように側突時に車体側面部としてのサイドドア7の外側面7aから側突荷重Fが入力されると、サイドドア7が車幅方向内側に変形してドアアームレスト7bが荷重伝達片11E1に当接する。さらに側突が進行すると、図8の(b)に示すように、車両シート4が車幅方向内側に移動して、荷重伝達片11E2がセンターコンソールボックス12の側壁12Sに当接する。すなわち、外側面7aに入力された側突荷重Fは、荷重伝達部材としての荷重伝達片11E1、シート補強部材11A、および荷重伝達片11E2を介して荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に伝達され、支持されることになる。つまり、側突時には、センターコンソールボックス12に支持された荷重伝達部材11が車幅方向に突っ張ることとなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間を確保することができる。
【0023】
ここで、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造にあっては、図2等に示すように、センターコンソールボックス12に、荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部、すなわち荷重伝達片11E2が当接した際に当該荷重伝達片11E2の移動を規制する移動規制機構20が設けられている。
【0024】
本実施形態では、この移動規制機構20として、図6や図9等に示すように、補強フレーム14のフレームアッパ14Uの側壁14U1Sを車幅方向内側に凹設して、凹設部21が形成されており、この凹設部21が荷重伝達片11E2を係止してその移動を規制するようになっている。すなわち、この凹設部21は係止構造に相当する。この凹設部21によって、その上部が車幅方向外側に突出した上下方向に沿う段差が形成されるため、荷重伝達片11E2の少なくとも上方への移動が規制される。
【0025】
なお、センターコンソールボックス12が荷重伝達片11E2を支持するにあたっては、外枠トリム13は可撓性部材であるため、それより内側の補強フレーム14が実質的な荷重支持部分となる。このため、凹設部21(移動規制機構20)は、補強フレーム14のフレームアッパ14Uの側壁14U1Sに設けられている。
【0026】
そして、図9に示すように、側突時に、荷重伝達片11E2が可撓性部材で形成された外枠トリム13を変形させつつ凹設部21に押し付けられると、この凹設部21に係止される。よって、荷重伝達片11E2と側壁14U1Sとが相互に当接した状態が維持されたまま、側突荷重Fが荷重伝達部材11(荷重伝達片11E2)からフロアトンネル3に伝達し、車体フロア2に分散される。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、荷重支持部材としてのセンターコンソールボックス12に、荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部としての荷重伝達片11E2が当接した際にその移動を規制する移動規制機構20を設けてある。このため、側突時に荷重伝達片11E2がセンターコンソールボックス12に当接した後、その当接状態、すなわちセンターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態が維持されやすくなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【0028】
また、本実施形態によれば、移動規制機構20を、側壁14U1Sの凹設部21として形成したため、当該移動規制機構20を比較的簡素な構成として得ることができる。そして、この凹設部21が荷重伝達片11E2を係止する係止構造となっているため、荷重伝達片11E2の係合方向(本実施形態では主として上方)への移動をより確実に規制することができる。
【0029】
また、本実施形態によれば、センターコンソールボックス12を荷重支持部材として用いているため、既存の構造を利用できる分、コスト増大を抑制することができる。
【0030】
なお、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造は、車幅方向の中央に対して左右対称形状を備えており、左右の車両シート4,4について同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0031】
(第2実施形態)図10は本発明の第2実施形態を示している。この図10は、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるセンターコンソールボックスの図9と同等位置での断面図である。なお、本実施形態にかかる側突荷重支持構造は、上記第1実施形態にかかる側突荷重支持構造と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0032】
本実施形態でも、図10を図9と比較すれば明らかとなるように、センターコンソールボックス12Aに含まれる補強フレーム14Aのフレームアッパ14Uの側壁14U1Sに、車幅方向内側に凹設した凹設部21Aが形成されている。
【0033】
ただし、本実施形態では、凹設部21Aは、その上側の一般部の厚みtよりも薄肉化した(厚み=t1)脆弱部22として形成してある。
【0034】
よって、図8の(a)および(b)に示したように荷重伝達片11E2が側壁14U1Sに当接すると、凹設部21Aは車幅方向内側に凹む。このとき、凹設部21Aは脆弱部22として薄肉化されているため、薄肉化しない場合に比べて凹みが促進される。
【0035】
以上の本実施形態によれば、側壁14U1Sが荷重伝達片11E2に押されて車幅方向内側に凹む分、荷重伝達片11E2(荷重伝達部材11)と側壁14U1S(センターコンソールボックス12)との係合区間が車幅方向に長くなって係止状態が強まるため、センターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態がより確実に維持されやすくなる。したがって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより一層確実に確保することができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、凹設部21Aを一般部より薄肉化した脆弱部22として形成したため、荷重伝達片11E2によって凹設部21Aが凹むのが促進され、荷重伝達片11E2と側壁14U1Sとの係合区間が車幅方向に長くなりやすく、センターコンソールボックス12によって荷重伝達部材11が支持されている状態がさらに一層確実に維持されることとなって、車両シート4に着座する乗員の居住空間をより確実に確保することができる。
【0037】
(第3実施形態)図11〜図14は本発明の第3実施形態を示している。このうち図11は、センターコンソールボックス内の補強フレームの斜視図、図12は、図11中のXII−XII断面図である。なお、本実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造は、上記第1実施形態あるいは第2実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0038】
本実施形態にかかる補強フレーム14は、上記第1実施形態と同じものである。ただし、本実施形態では、図示しない側突センサによって側突が検知あるいは予知された際に、センターコンソールボックス12Bから車幅方向外側へ突出して荷重伝達部材11に当該車幅方向外側への反力を与える反力付与機構23を備えている。
【0039】
反力付与機構23は、補強フレーム14の側壁14U1Sに取り付けられたエアバッグ23aを有しており、図示しない側突センサによって側突が予知あるいは検知されると、インフレータ23bからガス供給チューブ23cを介してエアバッグ23aにガスが供給され、エアバッグ23aが少なくとも車幅方向外側に向けて膨張かつ展開するようになっている。エアバッグ23aは、凹設部21の底部に折り畳み状態で取り付けられており、その外側は外枠トリム13によって覆われている。
【0040】
図13は、図12のエアバッグが展開した状態を示す図、図14は、荷重伝達部材に作用する反力の経時変化を模式的に示すグラフである。図14では、横軸は時間、縦軸は反力であり、αはエアバッグを設けていない場合、βはエアバッグを設けた場合(本実施形態)を示す。
【0041】
図13に示すように、エアバッグ23aが膨張かつ展開すると、外枠トリム13は車幅方向外側に向けて膨出変形して荷重伝達部材11の車幅方向内側の端部(荷重伝達片11E2)に当接し、これにより、エアバッグ23aおよび外枠トリム13によって荷重伝達片11E2が支持された状態が得られる。したがって、図14に示すように、エアバッグ23aを設けていない場合に比べて、Δtだけ早いタイミングで荷重伝達部材11が支持される状態となる。そして、この場合には、外枠トリム13およびエアバッグ23aは、荷重伝達片11E2から押し込まれて僅かに凹んだ状態となる。よって、これら外枠トリム13およびエアバッグ23aが、この実施形態における移動規制機構に相当する。
【0042】
また、図13に示すように、エアバッグ23aを設けていない場合に比べて、エアバッグ23aの膨張に対応する長さWのだけ車両シート4に着座する乗員の居住空間をより広く確保することができるという利点もある。すなわち、本実施形態によれば、より広い乗員の居住空間をより早い段階から得ることができる。
【0043】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、荷重支持部材としてセンターコンソールボックスを用いたが、センターコンソールボックスが存在しない車両にあっては、別の荷重支持部材を設けてもよい。
【0044】
また、脆弱部は、荷重伝達部材が荷重支持部材と接触した後に、荷重支持部材の側壁の変形を促進させるものであればよく、側壁を部分的に薄肉化してもよいし、側壁にスリットや貫通孔等を設けてもよい。また、反力付与機構として、エアバッグ以外のものを用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態にかかる側突荷重支持構造が設けられた車体を車両シートの配置部分で横断した垂直断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の一部を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームの斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームをフレームアッパとフレームロアに分解した分解斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるフレームロアの分解斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれるフレームアッパの分解斜視図である。
【図7】図3のVII−VII断面図である。
【図8】図1と同じ垂直断面において、側突時における車体の正面視左側部分の変形を(a)、(b)の順に示す説明図である。
【図9】図8(b)中B部の拡大断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造のセンターコンソールボックスの図9と同等位置での断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造に含まれる補強フレームの斜視図である。
【図12】図11中のXII−XII断面図である。
【図13】図12のエアバッグが展開した状態を示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態にかかる車体の側突荷重支持構造の荷重伝達部材に作用する反力の経時変化を模式的に示すグラフである。
【符号の説明】
【0046】
2 車体フロア
3 フロアトンネル
4 車両シート
4B シートバック
7a 外側面(車体側面部)
11 荷重伝達部材
11E2 荷重伝達片(荷重伝達部材の車幅方向内側の端部)
12,12A,12B センターコンソールボックス(荷重支持部材)
14U1S 側壁
20,20A 移動規制機構
21,21A 凹設部
22 脆弱部
23 反力付与機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体フロア上の車幅方向中央部に設けられた荷重支持部材と、
車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けられ、車幅方向外側の端部が車体側面部に対向するとともに車幅方向内側の端部が前記荷重支持部材の側壁に対向する荷重伝達部材と、を備え、
前記車体側面部から荷重伝達部材に入力された側突荷重を、当該荷重伝達部材の車幅方向内側の端部を前記荷重支持部材に当接させることで支持する車体の側突荷重支持構造において、
前記荷重支持部材に、当接した前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部の移動を規制する移動規制機構を設けたことを特徴とする車体の側突荷重支持構造。
【請求項2】
前記移動規制機構は、前記荷重支持部材に当接した荷重伝達部材の車幅方向内側の端部を係止する係止構造であることを特徴とする請求項1に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項3】
前記係止構造は、前記荷重支持部材の側壁を凹設した凹設部であることを特徴とする請求項2に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項4】
前記係止構造は、前記荷重支持部材の側壁が前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部に押されて凹む凹設部であることを特徴とする請求項2に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項5】
前記側壁に、前記荷重伝達部材に押されて凹むのを促進する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項6】
側突が検知あるいは予知された際に前記荷重支持部材側から車幅方向外側へ突出して前記荷重伝達部材に反力を与える反力付与機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項7】
前記荷重支持部材は、センターコンソールボックスであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項8】
車体側面部から側突荷重が入力された際に、車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けられた荷重伝達部材を、車体フロア上の車幅方向中央部に設けられた荷重支持部材に当接させ、側突荷重を当該荷重伝達部材を介して当該荷重支持部材に伝達して支持する車体の側突荷重支持方法において、
前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部が前記荷重支持部材に当接した後に移動するのを規制するようにしたことを特徴とする車体の側突荷重支持方法。
【請求項1】
車体フロア上の車幅方向中央部に設けられた荷重支持部材と、
車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けられ、車幅方向外側の端部が車体側面部に対向するとともに車幅方向内側の端部が前記荷重支持部材の側壁に対向する荷重伝達部材と、を備え、
前記車体側面部から荷重伝達部材に入力された側突荷重を、当該荷重伝達部材の車幅方向内側の端部を前記荷重支持部材に当接させることで支持する車体の側突荷重支持構造において、
前記荷重支持部材に、当接した前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部の移動を規制する移動規制機構を設けたことを特徴とする車体の側突荷重支持構造。
【請求項2】
前記移動規制機構は、前記荷重支持部材に当接した荷重伝達部材の車幅方向内側の端部を係止する係止構造であることを特徴とする請求項1に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項3】
前記係止構造は、前記荷重支持部材の側壁を凹設した凹設部であることを特徴とする請求項2に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項4】
前記係止構造は、前記荷重支持部材の側壁が前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部に押されて凹む凹設部であることを特徴とする請求項2に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項5】
前記側壁に、前記荷重伝達部材に押されて凹むのを促進する脆弱部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項6】
側突が検知あるいは予知された際に前記荷重支持部材側から車幅方向外側へ突出して前記荷重伝達部材に反力を与える反力付与機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項7】
前記荷重支持部材は、センターコンソールボックスであることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の車体の側突荷重支持構造。
【請求項8】
車体側面部から側突荷重が入力された際に、車両シートのシートバックに車幅方向に亘って設けられた荷重伝達部材を、車体フロア上の車幅方向中央部に設けられた荷重支持部材に当接させ、側突荷重を当該荷重伝達部材を介して当該荷重支持部材に伝達して支持する車体の側突荷重支持方法において、
前記荷重伝達部材の車幅方向内側の端部が前記荷重支持部材に当接した後に移動するのを規制するようにしたことを特徴とする車体の側突荷重支持方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−6894(P2009−6894A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170928(P2007−170928)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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