説明

車体上部構造

【課題】この発明は、車体側面部において一体的な外観が得られるようにするとともに、開閉作業の簡素化、及び車両の製造コストの低減を図ることができる車体上部構造を提供することを目的とする。
【解決手段】上下方向の回動により車室用開口部10を開閉するガルウイングタイプのドア3を有し、リヤピラー部17の後方に荷室用開口部18aを有する荷室18を設けるとともに、ドア3は、その閉止状態において車室用開口部10を覆う車室閉塞部33と、該車室閉塞部33から後方に連続的に延びて、リヤピラー部17及び荷室用開口部18aを覆う荷室閉塞部35とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車室の左右の車体側面部からルーフ部に及ぶ車室用開口部と、上下方向の回動により上記車室用開口部を開閉するガルウイングドアとを有する車体上部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車室の左右の車体側面部からルーフ部にかけて延びる車室用開口部を開閉するために、上下方向に回動自在なガルウイングドアを備えることが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
下記特許文献1に開示された構造では、上記車室用開口部の前縁部、後縁部が、それぞれフロントピラー、リヤピラーにより設定されている。
【0004】
【特許文献1】特開平6−99736号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、下記特許文献1に開示のガルウイングドアは、あくまでも上記車室用開口部を覆うものであり、このガルウイングドアの閉止状態では、該ガルウイングドア、上記フロントピラー、上記リヤピラーにより車体側面部に複数箇所パーティングラインが現れることになる。
【0006】
車体の外観は、上述したようなパーティングラインが少ない程良好なものとされている。従って、特許文献1に開示の構造は、外観上の点からすれば必ずしも好ましいものとは言えなかった。
【0007】
また、車両には、車室後方に荷室が配設されるものがあるが、特許文献1に開示されたものに荷室を設けようとすると、車体後部に荷室を開閉するための開閉体を別途設けなければならならない。従って、上記特許文献1に開示されたものに荷室を設けると、複数の開閉体が設けられることから、車両の製造コストの上昇を招き、併せて開閉作業の煩雑化も招くことになってしまう。
【0008】
さらに、上記特許文献1に開示されたものは、荷室を開閉するための開閉体を設けることによって、新たなパーティングラインが形成されるため、外観上の点においてより不利なものとなってしまう。
【0009】
この発明は、車体側面部において一体的な外観が得られるようにするとともに、開閉作業の簡素化、及び車両の製造コストの低減を図ることができる車体上部構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の車体上部構造は、車室の左右の車体側面部からルーフ部に及ぶ車室用開口部と、フロントウインドウシールドを囲い、上記車室用開口部の前縁部を形成するフロントピラー部と、上記車室用開口部の後縁部を形成するリヤピラー部と、上下方向の回動により上記車室用開口部を開閉するガルウイングドアとを有する車体上部構造であって、上記リヤピラー部の後方に開口部を有する荷室を設けるとともに、上記ガルウイングドアは、その閉止状態において上記車室用開口部を覆う車室閉塞部と、該車室閉塞部から後方に連続的に延びて、上記リヤピラー部及び上記荷室用の開口部を覆う荷室閉塞部とを有することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、1つのガルウイングドアの回動により上記車室用開口部と荷室用開口部とを同時に開閉できるようにし、上記ドアによって上記リヤピラー部を覆うことができるようにすることで、上記ドアの閉止状態におけるパーティングラインを削減できる。従って、車体側面部において一体的な外観を得ることができる。
【0012】
さらに、荷室のための開閉体を廃止することで、車室内の乗員が上記荷室で作業を行おうとする場合、一度上記ドアを開ければ上記荷室内にアクセスすることができ、上記荷室での作業を終えて上記車室内に戻る時も、一度上記ドアを閉めれば両開口部を閉じることができるため、開閉作業の簡素化を図ることができる。さらに、ドア数の削減を図ることにより、車両の製造コストの削減も図ることができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記車室内に前部座席及び後部座席を配設して、車体側面部の、上記後部座席側方の部位に後輪を収容するホイールアーチ部を形成するとともに、上記ガルウイングドアの後部下端を、上記ホイールアーチ部の一部を侵食する位置まで下方に延在させて、該ホイールアーチ部とともに上記後輪の収容空間を形成し、上記ガルウイングドアの後部下端に、上記後輪との間隙を形成するための凹部を設けたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、上記ドアの下端位置をより下方に設定することが可能となるため、これに合わせて上記車室用開口部の後端部を最大限拡大することができ、これによって乗降性の向上を図ることができる。
【0015】
この発明の一実施態様においては、上記ガルウイングドアを回動させて、上記車室用開口部、上記荷室用の開口部を開閉するドア開閉駆動機構を有し、該ドア開閉駆動機構を、上記リヤピラー部とともに上記車室用開口部の後縁部を形成するリヤヘッダー部に配置したことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、乗員の頭部上側のヘッドクリアランスを確保することができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記ガルウイングドアは、上辺側が複数の支持部材を介して上記ルーフ部の前後両側部で回動自在に支持されることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、上記車室閉塞部と上記荷室閉塞部とからなる大型のドアを開けたときであっても、その開放状態をより安定して保持することができる。
【0019】
この発明の一実施態様においては、上記ガルウイングドアの後部下端は、上記車室用開口部の下縁部を形成する車体サイドシルの高さ位置から、後輪を収容するホイールアーチ部を横切って、後方に向かうにしたがって側面視で斜め上方に延び、上記ルーフ部の後端部に至る形状を有することを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、上記ドアにより、車体側面部から上記ルーフ部の後端部に至るまで単一の部材により外表面を形成できるため、車体上部においてパーティングラインが少ない一体的な外観を得ることができる。
【0021】
この発明の一実施態様においては、上記リヤピラー部に燃料注入口を形成するとともに、上記ガルウイングドアは、その閉止状態において上記荷室閉塞部により上記燃料注入口を覆うことを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、上記ドアによって上記燃料注入口を保護しつつも、蓋部材の削減を図ることができ、燃料注入口への燃料注入作業の簡素化を図ることができる。
【発明の効果】
【0023】
この発明によれば、1つのガルウイングドアの回動により上記車室用開口部と荷室用開口部とを同時に開閉できるようにし、上記ドアによって上記リヤピラー部を覆うことができるようにすることで、車体側面部において一体的な外観を得ることができる。
さらに、荷室のための開閉体を廃止することで、開閉作業の簡素化を図ることができ、ドア数の削減により車両の製造コストの削減も図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図1は、本実施形態に係る車体1のドア3の閉止状態を示す後方斜視図であり、図2は、車体1のドア3の開放状態を示す後方斜視図、図3は、車体1の後部を拡大して示す後方斜視図、図4は、車体1の後部を拡大して示す側面図である。なお、図中において矢印(F)は車両前方、矢印(R)は車両後方を示し、矢印(IN)は車両内方、矢印(OUT)は車両外方を示す。
【0025】
本実施形態に係る自動車の車体1には、閉止状態において車体側面部からルーフ部を構成するルーフトランスメンバ2にかけて湾曲して延びるドア3が設けられている。
【0026】
ドア3は、主にドアガラス用開口部31aを備えた本体部31と、ドアガラス用開口部31aを覆うように取付けられたドアガラス32とにより構成されている。
【0027】
ドア3の閉止状態において、本体部31は、その前端が前輪W1の直ぐ後方に位置し、後端が後輪W2よりもさらに後方の車体後端まで延びている。具体的には、本体部31の後部下端が、車体1の下部において前後方向に延びるサイドシル4の高さ位置から、後輪W2を収容するホイールアーチ部5を横切って、後方に向かうにしたがって側面視で斜め上方に延び、ルーフトランスメンバ2の後端部に至る形状を有している。
【0028】
そして、ドア3の後端は、その閉止状態において車体1の後面部を形成するバックウインドウガラス6の上方に位置するようになっている。なお、図1〜図4において車体1後面部に示す部材7は、スリット状の溝部に発光部を取付けて形成したテールランプである。
【0029】
ここで、本実施形態では、ドア3により、車体側面部からトランスルーフメンバ2の後端部に至るまで単一の部材により外表面を形成できるため、車体1の上部においてパーティングラインが少ない一体的な外観を得ることができる。
【0030】
また、本体部31の外表面には、前後方向に略平行に延びる複数の浅い溝31bが形成されている。これは、車両走行時において車体側面部に発生し得る空気の流れを仮想的に表したものである。上述したように、パーティングラインの少ない構成とすることで、溝31bのような連続的な模様を施すことが可能になっている。
【0031】
ドアガラス32は、車体側面部の上部からルーフトランスメンバ2にかけて湾曲して延びる形状を有しており、ドア3の閉止状態では、図2に示すフロントピラー8により囲われるフロントガラス9と、ルーフトランスメンバ2の外表面の一部とにより略連続的な面を形成している。
【0032】
図2に示すように、車体1には、左右両側面部からルーフトランスメンバ2に及ぶ車室用開口部10が形成されている。車室用開口部10は、図示のように、サイドシル4、フロントピラー8により、下縁部、前縁部が形成されている。
【0033】
ドア3は、その前部が、閉止状態において車室用開口部10を覆う車室閉塞部33を構成している。ドア3は、ルーフトランスメンバ2に取付けられたヒンジ11、12を中心として上下方向に回動自在とされる所謂ガルウイングタイプのものであり、このドア3の回動により、車室用開口部10を開閉することができ、車室13の出入りが可能となる。
【0034】
ヒンジ11、12は、ルーフトランスメンバ2の前後両側部にそれぞれ1つづつ配設されており、ドア3上辺側の前後端を支持している。
【0035】
車室13内には、フロントシート14、15、リヤシート16が前後に配置されており、ホイールアーチ部5は、特に図4に示すように、車体側面部の、リヤシート16側方の部位に形成されている。
【0036】
ここで、ドア3の閉止状態において、その後部下端は、図1に示すように、ホイールアーチ部5の一部を侵食する位置まで下方に延在しており、ホイールアーチ部5とともに後輪W2の収容空間を形成すべく、図2〜図4に示すような円弧状のアーチ部34を有している。アーチ部34は、ドア3の後端下部の一部が車幅方向内側に円弧状に折り曲げられることによって形成されたものであり、ドア3の閉止状態において、後輪W2と所定の間隙を形成するようになっている。
【0037】
このような構成により、ドア3の下端位置をより下方に設定することが可能となっており、これに合わせて車室用開口部10の後端部を最大限拡大することができる。従って、特に本実施形態のようにリヤシート16を設けた場合には、リヤシート16の乗降の際、足の上げ下ろしの負担を軽減でき、乗降性の向上を図ることができる。
【0038】
ところで、本実施形態では、車室用開口部10の後縁部を形成する車体強度部材としてのリヤピラー部17の後方に荷室用開口部18a、18aを有する荷室18が設けられている。荷室18は、主に図3、図4に示す前壁部18b、床部18c等によって区画された空間部である。前壁部18bは、車両前後方向においてリヤピラー部17の位置と略一致し、車室13のリヤシート16の後方に位置している。また、荷室18の後方には、バックウインドウガラス6が配設されている。
【0039】
荷室用開口部18a、18aは、リヤピラー部17とともに車室用開口部10の後縁部を形成するリヤヘッダー部19により車幅方向中央部で2分割されている。
【0040】
ドア3は、車室閉塞部33から後方へ連続的に延びる後部が、閉止状態においてリヤピラー部17、荷室用開口部18aを覆うことができるようになっており、この後部が荷室閉塞部35、35を構成している。従って、本実施形態では、1つのドア3の回動により、車室用開口部10と同時に荷室用開口部18aを開閉できるようになっている。
【0041】
このように、1つのドア3の回動により車室用開口部10と荷室用開口部18aとを同時に開閉できるようにし、ドア3によってリヤピラー部17を覆うことができるようにすることで、ドア3の閉止状態において従来車体側面部に現れていた、ドア3とリヤピラー部17とにより形成されるパーティングラインを削減できるため、車体側面部において一体的な外観を得ることができる。
【0042】
さらに、単一のドア3とすることで、荷室18のための開閉体を廃止することができる。従って、車室13内の乗員が荷室18で作業を行おうとする場合、一度ドア3を開ければ荷室18内にアクセスすることができ、荷室18での作業を終えて車室13内に戻る時も、一度ドア3を閉めれば両開口部13、18aを閉じることができるため、開閉作業の簡素化を図ることができる。さらに、ドア数の削減を図ることにより、車両の製造コストの削減も図ることができる。
【0043】
ところで、リヤピラー部17には、不図示の燃料タンクにつながる燃料注入口20が形成されており、これを閉塞するためのフューエルリッド21が設けられている。ドア3の閉止状態では、荷室閉塞部35によって燃料注入口20も覆われるようになっており、本実施形態では、ドア3、フューエルリッド21で燃料注入口20を二重に保護できる。
【0044】
従来、燃料注入口は、フューエルリッドと、さらに内側のフューエルフィラーキャップとにより二重に保護されていた。ここで、近年、所定の料金を支払えば、燃料の注入作業を乗員自らが行うことができる所謂セルフサービスの給油所が急増しているが、これを利用する場合、従来であれば、乗員はドアを開けて車外に出た後、フューエルリッド及びフューエルフィラーキャップを開けなければ上記注入作業が行えなかった。
【0045】
これに対し、本実施形態では、フューエルリッド21を従来のフューエルフィラーキャップとして扱うことにより、燃料注入口20を二重に保護しつつも、ドア3を開けて車外に出た後、フューエルリッド21を開ければ上記注入作業を行うことができるため、蓋部材の削減を図りつつ上記注入作業の簡素化を図ることもできる。
【0046】
また、フューエルリッド21をドア3で覆うことにより、燃料注入口20により形成されるパーティングラインを覆うことができるため、車体側面部の外観の向上を図ることもできる。
【0047】
ところで、ドア3の後部の上辺側には、ヒンジ12とともに、後述するロッド22aの一端側が取付けられている。図5は、図4におけるA−A線矢視断面図であり、ロッド22aは、図5に示す駆動機構22を構成する一部材である。駆動機構22は、ドア3を回動させるための駆動手段であり、例えば、特開2004−44368号公報に開示の構成を用いることができる。
【0048】
駆動機構22は、ロッド22aの他、動力変換部22b、該動力変換部22bの出力軸22b1と一体回転するように連結されたアーム22cを備えている。アーム22cの先端部とドア3の上辺側とは、ロッド22aによって連結されている。
【0049】
アーム22cは、その一端側が動力変換部22bの出力軸22b1に枢支され、他端側が自由端となって、ロッド22aの一端側と連結されている。
【0050】
動力変換部22bは、電動モータ22dの駆動力を適宜変換してアーム22cに伝達するようになっており、ドア3を閉じる際は、電動モータ22dの駆動により、アーム22cの自由端側が下方に延びる配置とされ、図中二点鎖線で示すようにロッド22aが折りたたまれる。一方、ドア3を開ける際は、電動モータ22dの駆動により、アーム22cが側方に向かって反時計回り方向に回動し、図中実線で示すように自由端側が側方に延びる配置とされる。そして、これに対応してロッド22aが押し出され、ドア3は開放状態で保持される。
【0051】
本実施形態では、駆動機構22は、車室13後方のリヤヘッダー部19に配置されており、リヤシート16と荷室18の前壁部18bとの間の空間に配置されている。このようにすることで、駆動機構22が車室13内の上部に張り出すことがない構成となり、乗員の頭部上側のヘッドクリアランスを確保することができる。
【0052】
ここで、ヒンジ12、駆動機構22と併せて、緩衝部材としてのガスダンパを設けるようにしてもよい。これにより、ドア3の開放前半には、急激なドア開放を防止しつつ、ドア3の開放後半にはドア3の開放を補助することができる。
【0053】
ところで、本実施形態では、上記ドア3の上辺側が、上述したように、ヒンジ11、12を介してルーフトランスメンバ2の前後両側部で支持される構成となっているが、これにより、車室閉塞部33と荷室閉塞部35とからなる大型のドア3を開けたときであっても、その開放状態をより安定して保持することができる。
【0054】
但し、本発明においては、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、フロントピラー8とルーフトランスメンバ2の前端部とでドア3を支持するような構成とし、実開昭63−37322号公報に開示されているように、フロントピラー8側(車体1前側)を中心として回動自在とするようにしてもよい。
【0055】
この場合、ドア3を開けた時には、ドア3の後端をより上方位置に跳ね上げさせることができるため、該後端部を荷室用開口部18aから大きく離間させることができる。このため、荷室18にて荷物の積み下ろし作業を行う際、ドア3の後端部が作業の妨げになることを確実に防止でき、作業性の向上を図ることができる。
【0056】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のルーフ部は、ルーフトランスメンバ2に対応し、
以下同様に、
フロントウインドウシールドは、フロントガラス9に対応し、
後輪との間隔を形成するための凹部は、アーチ部34に対応し、
支持部材は、ヒンジ11、12に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本実施形態に係る車体のドアの閉止状態を示す後方斜視図。
【図2】本実施形態に係る車体のドアの開放状態を示す後方斜視図。
【図3】車体の後部を拡大して示す後方斜視図。
【図4】車体の後部を拡大して示す側面図。
【図5】図4におけるA−A線矢視断面図。
【符号の説明】
【0058】
1…車体
2…ルーフトランスメンバ
3…ドア
4…サイドシル
5…ホイールアーチ部
8…フロントピラー
9…フロントガラス
10…車室用開口部
11、12…ヒンジ
14、15…フロントシート
16…リヤシート
17…リヤピラー部
18…荷室
18a…荷室用開口部
19…リヤヘッダー部
20…燃料注入口
21…フューエルリッド
22…駆動機構
33…車室閉塞部
34…アーチ部
35…荷室閉塞部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の左右の車体側面部からルーフ部に及ぶ車室用開口部と、
フロントウインドウシールドを囲い、上記車室用開口部の前縁部を形成するフロントピラー部と、
上記車室用開口部の後縁部を形成するリヤピラー部と、
上下方向の回動により上記車室用開口部を開閉するガルウイングドアとを有する車体上部構造であって、
上記リヤピラー部の後方に開口部を有する荷室を設けるとともに、
上記ガルウイングドアは、その閉止状態において上記車室用開口部を覆う車室閉塞部と、該車室閉塞部から後方に連続的に延びて、上記リヤピラー部及び上記荷室用の開口部を覆う荷室閉塞部とを有する
車体上部構造。
【請求項2】
上記車室内に前部座席及び後部座席を配設して、車体側面部の、上記後部座席側方の部位に後輪を収容するホイールアーチ部を形成するとともに、
上記ガルウイングドアの後部下端を、上記ホイールアーチ部の一部を侵食する位置まで下方に延在させて、該ホイールアーチ部とともに上記後輪の収容空間を形成し、
上記ガルウイングドアの後部下端に、上記後輪との間隙を形成するための凹部を設けた
請求項1記載の車体上部構造。
【請求項3】
上記ガルウイングドアを回動させて、上記車室用開口部、上記荷室用の開口部を開閉するドア開閉駆動機構を有し、
該ドア開閉駆動機構を、上記リヤピラー部とともに上記車室用開口部の後縁部を形成するリヤヘッダー部に配置した
請求項1または2記載の車体上部構造。
【請求項4】
上記ガルウイングドアは、上辺側が複数の支持部材を介して上記ルーフ部の前後両側部で回動自在に支持される
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体上部構造。
【請求項5】
上記ガルウイングドアの後部下端は、上記車室用開口部の下縁部を形成する車体サイドシルの高さ位置から、後輪を収容するホイールアーチ部を横切って、後方に向かうにしたがって側面視で斜め上方に延び、上記ルーフ部の後端部に至る形状を有する
請求項1〜4のいずれか一項に記載の車体上部構造。
【請求項6】
上記リヤピラー部に燃料注入口を形成するとともに、
上記ガルウイングドアは、その閉止状態において上記荷室閉塞部により上記燃料注入口を覆う
請求項1〜5のいずれか一項に記載の車体上部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−149745(P2008−149745A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336710(P2006−336710)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】