説明

車体後部構造

【課題】 車体重量の増加及び製造コストを抑制しつつ、ドラミングの発生を抑制できる車体後部構造を提供する。
【解決手段】 ルーフパネル21の下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール22とBピラー35との結合部間に掛け渡されたセンタブレース51の後方に、センタブレース51より大きな剛性を有するリヤブレース55をルーフパネル21の下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール22とCピラー39との結合部間に掛け渡す。剛性を有するリヤブレース55によって車室2内の圧力変動による圧力が大きく作用するルーフパネル21の後部部分の剛性が確保されて形状変化が抑制され、ドラミングの発生が有効的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体後部構造に関し、特に車体前後方向に長い車室空間を備えたワゴンタイプの車両の車体後部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の車室は音響空間を形成しており、車体の骨格、パネル等の振動等によって密閉された空洞状の車室内が音場となり、サスペンション等から伝達される振動により特定の周波数で共振、いわゆるドラミングと称する騒音を発生することがある。このドラミングは、比較的低周波で起こるので乗員への圧迫感やこもり感といった不快を与える。
【0003】
このドラミングの発生を防止する技術としては、左右のリヤホイールハウス間に掛け渡されたクロスメンバを、フロアパネルの下方の下部クロスメンバと、フロアパネルの上方の上部クロスメンバとによって構成し、これら下部クロスメンバとフロアパネルと上部クロスメンバとを共に溶接してクロスメンバの剛性を高めることでアンダーフロアの剛性を高め、リヤサスペンション等から車体後部付近に振動が伝達されて発生するドラミングを抑制し、かつ連結部材にて上部クロスメンバとリヤホイールハウスとを連結してリヤホイールハウスの制振効果を高めて更にドラミングの発生を防止する車体後部構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−216927号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1によるとアンダーフロアの剛性を高めると共にリヤホイールハウスの制振効果を高めることによって、リヤサスペンション等から振動が伝達されて発生するドラミングを低減することができる。
【0006】
しかし、走行に伴うサスペンションからの振動は、リヤサスペンションに限らずフロントサスペンションからの影響も受け、また、実車のサスペンション設定を考慮した場合、アンダーフロアの振動を完全に抑制することは困難であり、アンダーフロアが振動するとドラミングの発生要因となる。
【0007】
ドラミングの発生系路としては、アンダーフロアの振動がサイドストラクチャへ振動伝達して車体の骨格全体が起こす振動形態により発生する第1発生系路と、アンダーフロアを含む車体骨格が振動することで車室内空間の圧力変動、いわゆる気柱共鳴を起こして定在波が発生する第2発生系路がある。特にこの第2発生系路によるドラミングは車室空間が密閉された空洞状で車体前後方向に長いワゴンタイプの車両における低周波の車内音に大きく影響する。この低周波の影響は、車室長さで気柱共鳴の共振点が決まるので車室長さが比較的長いワゴンタイプの車両では約40Hzで現れる。一方、車室長が比較的短いセダンタイプの車両では約80Hzで現れることが知られている。
【0008】
例えば上記特許文献1のようにアンダーフロアの剛性を上げることで第1発生系路によるドラミングの発生はある程度低減させることができる。しかし、アンダーフロアの剛性向上、質量、減衰特性の改善によって振動レベルをある程度低減させることは可能であるが、実車のサスペンション設定を考慮した場合アンダーフロアの振動を完全になくすことは困難であり、第2発生系路による振動が主になってドラミングが発生する。
【0009】
ここで、発明者は鋭意研究及び実験の結果、ワゴンタイプの車両における第2発生系路により生じる定在波の圧力分布は、図10に破線aで示すようにその極大または極小となる腹の位置が車室101の前部101aと後部101bに位置し、車室後部おいて車室境界となるルーフパネル102やフロアパネル103等に大きな圧力が作用する。特に、この圧力が高い部分と比較的剛性が低いルーフパネル102の後部部分が重なることによりルーフパネル102の後部部分において破線102aで示すように車体形状が変化して車体共振が生じ、車体共振と気柱共鳴によるドラミングの発生が増長されることを見出した。
【0010】
一方、ルーフ後部の変形を抑えるために、ルーフパネルの面形状、例えば曲率を調整することによって、或いはルーフパネル自体の板厚の増加を図ることによってルーフ部分の剛性を確保すると、車体デザインの自由度に影響を及ぼすと共に、車体重量、特に車体上部の重量増加により操縦安定性や製造コストの増加を招くことが懸念される。
【0011】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、車体デザインの自由度を確保すると共に車体重量の増加及び製造コストを抑制しつつ、ルーフパネル後部の剛性を確保することによってドラミングの発生を抑制できる車体後部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する請求項1に記載の車体後部構造の発明は、車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、該ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースと、該センタブレースの後方において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡された上記センタブレースより大きな剛性を有するリヤブレースとを備えたことを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成する請求項2に記載の車体後部構造の発明は、車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、該ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースと、該センタブレースの後方において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡されたリヤブレースと、上記センタブレースとリヤブレースとの間において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡された上記リヤブレースより小さな剛性を有するサブブレースとを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2の車体後部構造において、上記リヤブレースは、上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡されたことを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3の車体後部構造において、上記車室下方両側に沿って前後方向に連続して延在する左右のサイドシル及びリヤサイドフレーム間に掛け渡されたフロアパネルと、上記左右のCピラーの窓肩から下方に延設されて下端が上記リヤサイドフレームに結合されたリンフォースメント・リヤ・エプロンと、上記フロアパネルに沿って車幅方向に延在して上記左右のリヤサイドフレームとリンフォースメント・リヤ・エプロンとの結合部間に掛け渡されたクロスメンバとを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明は、車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡されたリヤブレースとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によると、ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースの後方に、センタブレースより大きな剛性を有するリヤブレースをルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール間に掛け渡すことによって、左右のサイドレールに両側縁が結合されたルーフパネルの剛性が向上する。特に、車室内空間の圧力変動による圧力が大きく作用するルーフパネルの後部部分の剛性がリヤブレースによって確保されてルーフパネルの形状変化が抑制され、車体共振及び気柱共鳴によるドラミングの発生が有効的に抑制できる。
【0018】
請求項2の発明によると、ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースの後方に、リヤブレースをルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール間に掛け渡し、更に、センタブレースとリヤブレースとの間においてルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール間にリヤブレースより小さな剛性を有するサブブレースを掛け渡すことによって、請求項1に加え更に左右のサイドレールに両側縁が結合されたルーフパネルの剛性が向上する。特に、リヤブレースに対してサブフレームの剛性を小さく設定、換言するとサブフレームの剛性をサブフレームの剛性より大きく設定することにより、サブフレームの簡素化及び軽量化が可能になる。
【0019】
更に、ルーフパネルの剛性確保のための面形状の調整や、ルーフパネル自体の板厚の増加が抑制でき、車体形状デザインの自由度が確保できると共に、車体重量の増加が抑制できて操縦安定性の向上及び製造コストの削減が期待できる。
【0020】
請求項3の発明によると、リヤブレースを左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡して配置することから、リヤブレースによって左右のサイドレール及びCピラーが強固に結合されて車体上部の剛性が確保できると共に、リヤブレースの剛性が確保され、ルーフパネルの剛性が更に向上してドラミングの発生をより有効的に抑制できる。
【0021】
請求項4の発明によると、左右のCピラーの窓肩から下方に延設されたリンフォースメント・リヤ・エプロンとリヤサイドフレームとの結合部間に掛け渡されたクロスメンバを備えることによって、リヤブレースと、左右のCピラーと、左右のCピラーに延設されたリンフォースメント・リヤ・エプロンと、クロスメンバとが車室を囲む環状に連続形成され、車体全体の剛性が確保されてドラミングの発生が更に抑制できると共に、操縦安定性の向上が得られる。
【0022】
請求項5の発明によると、リヤブレースを左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡して配置することによって、リヤブレースによって左右のサイドレール及びCピラーが強固に結合されて車体上部の剛性が確保できると共に、剛性を有するリヤブレースによって車室内空間の圧力変動による圧力が大きく作用するルーフパネルの後部部分の剛性が確保されて形状変化が抑制され、車体共振及び気柱共鳴によるドラミングの発生が有効的に抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明による車体後部構造の実施の形態を図1乃至図9を参照して説明する。なお、各図において矢印Fは車体前方方向を示している。
【0024】
図1は本実施の形態の全体概要を示すルーフパネルを省略した車体後部の斜視図であり、図2は図1のI−I線断面図である。
【0025】
本実施の形態の自動車1は、客室の後部に荷室が一体的に連続形成された車体前後方向に長い車室2を備えたワゴンタイプの車両である。
【0026】
車室2を形成する車体後部の下部構造は、車室下方の左右両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドシル11が設けられている。この各サイドシル11の後方に、各々前後方向に延在ずる中空閉断面形状の左右のリヤサイドフレーム18の前端が結合されている。
【0027】
各サイドシル11は対向するサイドシルアウタ12とサイドシルインナ13によって車体前後方向に延在する中空閉断面形状に形成されている。左右のサイドシル11の後端間は、車幅方向に延在する閉断面形状のクロスメンバ14によって互いに結合されている。左右のサイドシル11に車幅方向中央部に車体前後方向に連続して隆起するトンネル部15が形成されたフロントフロアパネル16の両側端がそれぞれ結合されて、左右のサイドシル11間にフロントフロアパネル16が張設されている。フロントフロアパネル16の後端縁はクロスメンバ14に結合されている。
【0028】
左右のリヤサイドフレーム18の上方にリヤフロアパネル17が張設され、このリヤフロアパネル17の前端縁はクロスメンバ14に結合されている。更に、左右のリヤサイドフレーム18の前部間は、リヤフロアパネル17の下面に沿って車幅方向に延在する閉断面形状のクロスメンバ19によって互いに結合されている。これら左右のサイドシル11、リヤサイドフレーム18、クロスメンバ14、19、フロントフロアパネル16及びリヤフロアパネル17等によってアンダーフロア10を形成している。
【0029】
一方、車室2の上方両側には、図1及び図2に示すようにルーフパネル21の下面両側に沿って左右のサイドレール22が前後方向に延在している。各サイドレール22は対向する各々サイドレールアウタ23とサイドレールインナ24によって車体前後方向に延在する中空閉断面形状に形成されている。
【0030】
左右の車体側部には、上下方向に延在してサイドシル11とサイドレール22の前端間にAピラーアウタ33とAピラーインナ34によって中空閉断面形状のAピラー32がフロントサイドドア開口部の前縁に沿って形成されている。
【0031】
フロントサイドドア開口部とリヤサイドドア開口部との間に下端がサイドシル11に結合され上端がサイドレール22に結合されて上下方向に延在するBピラー35が設けられている。Bピラー35は対向するBピラーアウタ36とBピラーインナ37によって上下方向に延在ずる中空閉断面形状に形成され、更に、Bピラーアウタ36とBピラーインナ37との間に後述するリンフォースBピラー38が上下方向に延在配設されてBピラー35を補剛している。なお、リンフォースBピラー38の下端はサイドシルインナ13に結合されてBピラー35とサイドシル11との結合剛性を確保している。
【0032】
更に車体側部には、下端がサイドシル11の後端に結合され上端がサイドレール22に結合されてリヤサイドドア開口部の後縁に沿って上下方向に延在する中空閉断面形状のCピラー39と、下端がリヤサイドフレームの後端に結合され上端がサイドレール22の後端に結合されて車体後端部に沿って上下方向に延在する中空閉断面形状のDピラー43が設けられている。
【0033】
Cピラー39は、リヤクォータアウタ47に形成されたCピラーアウタ40とリヤクォータインナ48に形成されたCピラーインナ41によって上下方向に延在する中空閉断面形状に形成されている。Cピラーアウタ40とCピラーインナ41との間に後述するリンフォースCピラー42が上下方向に延在配設されてCピラー39を補剛している。
【0034】
Dピラー43はリヤクォータアウタ47に形成されたDピラーアウタ44とリヤクォータインナ48に形成されたDピラーインナ45によって上下方向に延在する中空閉断面形状に形成されている。
【0035】
車体外側に配置されるサイドシルアウタ12、サイドレールアウタ23、Aピラーアウタ33、Bピラーアウタ36、Cピラーアウタ40及びDピラーアウタ44を形成するリヤクォータアウタ47は一体に形成されてパネルサイドアウタ31を形成している。また、Cピラーインナ41及びリンフォースCピラー42は、Cピラ39の窓肩から下方に延びてリヤクォータインナ48のタイヤハウス部分を補強するリンフォースメント・リヤ・エプロン49を介してリヤサイドフレーム18とクロスメンバ19の結合部に連結されている。
【0036】
これらサイドシル11とサイドレール22及びリヤサイドフレームとの間を上下方向に延在して連結するAピラー32、Bピラー35、Cピラー39、Dピラー43及びリヤクォータアウタ47、リヤクォータインナ48、リンフォースメント・リヤ・エプロン49等によって車体側部となるサイドストラクチャ30を形成している。
【0037】
車室2の上方両側に配置される左右のサイドレール22間には、左右のBピラー35に対応して平面視ほぼ直線状で車幅方向に延在するセンタブレース51が架設され、センタブレース51の後方における左右のCピラー39に対応して平面視ほぼ直線状で車幅方向に延在するリヤブレース55が架設され、センタブレース51の前方、センタブレース51とリヤブレース55の間及びリヤブレース55の後方にそれぞれ平面視ほぼ直線状のサブブレース59が架設されている。
【0038】
次にサイドレール22とBピラー35とセンタブレース51との結合構造及びサイドレール22とCピラー39とリヤブレース55との結合構造について説明する。なお、これら各結合は並行して行われるが、説明の便宜上サイドレール22とBピラー35とセンタブレース51との結合を先に説明し、次にサイドレール22とCピラー39とリヤブレース55との結合を説明する。
【0039】
図3に示す図1のII−II線断面図、図4に示すパネルサイドアウタ31を省略した要部斜視図及び図5に示す要部分解斜視図によってサイドレール22とBピラー35とセンタブレース51の結合部構造について説明する。なお、左右のサイドレール22とBピラー35とセンタブレース51との結合構造は同様の構成であり、一方についてのみ説明する。
【0040】
Bピラー35の上部は、パネルサイドアウタ31のBピラーアウタ36と、Bピラーインナ37と、リンフォースBピラー38によって形成される。サイドレール22はパネルサイドアウタ31のサイドレールアウタ23と、サイドレールインナ24によって形成され、ルーフパネル21の下方において左右のサイドレール22間にブレースロア52とブレースアッパ53によって中空閉断面形状に形成されたセンタブレース51が架設されている。
【0041】
Bピラーアウタ36の上部は、上下方向に連続して車体内方が開口する断面略コ字状で、その前縁及び後縁に前方フランジ36a、後方フランジ36bが形成されている。Bピラーアウタ36の上端に連続形成されるサイドレールアウタ23は、車体前後方向に連続して車体外方に突出する断面略コ字状乃至C字状であって、その上縁に上方フランジ23aが形成され、下縁に上記Bピラーアウタ36の前方フランジ36a及び後方フランジ36bに連続する下方フランジ23bが形成されている。
【0042】
サイドレールインナ24は、車体内方に突出する断面コ字状乃至C字状で上縁及び下縁にサイドレールアウタ23の上方フランジ23a及び下方フランジ23bに対向する上方フランジ24a及び下方フランジ24bが形成されている。
【0043】
Bピラーインナ37は、上下方向に連続する前面37A、後面37B、側面37Cからなる断面略コ字状で前面37A及び後面37Bの上端近傍にはサイドレールインナ24に車体内方側から重合するサイドレール収容部37E、37Fが凹設され、前面37A、後面37B、側面37Cの上端によってブレースロア52の側端部52Aに対向するブレース結合部37Dが形成されている。更に、その前縁及び後縁に前方フランジ37a及び後方フランジ37bが形成され、この前方フランジ37a、後方フランジ37bの上端部はブレースロア52の側端部52Aと対向している。
【0044】
リンフォースBピラー38の上部は、Bピラーアウタ36の内面に沿って下方から連続する断面略コ字状で、その前縁及び後縁に前方フランジ38a及び後方フランジ38bが連続形成され、上端には離間すると共にサイドレールインナ24の上方フランジ24aに対向し、かつBピラーインナ37の前方フランジ37a及び後方フランジ37bに対向する一対の上端フランジ38cが形成されている。
【0045】
ブレースロア52は、車体幅方向に連続するビードを有する波形断面形状であって、その側端部52AがBピラーインナ37に形成されたブレース結合部37Dに上方から嵌合すると共に、その後縁及び前縁に上記前方フランジ37a及び後方フランジ37bの端部と対向する前方フランジ52a及び後方フランジ52bが形成されている。
【0046】
ブレースアッパ53は、ブレースロア52と重合することで車体幅方向に連続する閉断面形状を形成するための車体幅方向に連続するビードを有する波形断面形状であって、その前縁及び後縁にブレースロア52の前方フランジ52a及び後方フランジ52bに対向する前方フランジ53a及び後方フランジ53bが形成されている。
【0047】
このように形成されたサイドレール22とBピラー35とセンタブレース51の各部材の結合について説明する。
【0048】
ブレースロア52の前方フランジ52a及び後方フランジ52b上に、ブレースアッパ53の前方フランジ53a及び後方フランジ53bをそれぞれ重ね、互いに重合した前方フランジ52aと53a、後方フランジ52bと53bを溶接して中空閉断面形状のセンタブレース51を形成する。
【0049】
一方、パネルサイドアウタ31のサイドレールアウタ23の上方フランジ23aにリンフォースBピラー38の上端フランジ38cを重ね、かつBピラーアウタ36の内面にリンフォースBピラー38を嵌合させる。
【0050】
そして、サイドレールアウタ23の上方フランジ23aをリンフォースBピラー38の上端フランジ38cを介してサイドレールインナ24の上方フランジ24aに重ねると共に、下方フランジ23bをサイドレールインナ24の下方フランジ24bに重ねる。
【0051】
同様に、Bピラーアウタ36の前方フランジ36a及び後方フランジ36bをリンフォースBピラー38の前方フランジ38a及び後方フランジ38bを介在してBピラーインナ37の前方フランジ37a及び後方フランジ37b上に重ねる。
【0052】
この互いに重なるサイドレールアウタ23及びサイドレールインナ24の上方フランジ23aと24aをリンフォースBピラー38の上端フランジ38cと共に溶接し、かつサイドレールアウタ23及びサイドレールインナ24の下方フランジ23bと24bを溶接して閉断面形状のサイドレール22を形成する。
【0053】
同様に、互いに重なるBピラーアウタ36、リンフォースBピラー38及びBピラーインナ37の前方フランジ36aと38aと37a及び後方フランジ36bと38bと37bを溶接して閉断面形状のBピラー35を形成する。
【0054】
そして、Bピラーインナ37のブレース結合部37Dにブレースロア52の側端部52Aを係合し、Bピラーインナ37のブレース結合部37Dとブレースロア52の側端部52Aを溶接し、更にBピラーインナ37及びブレースロア52の前方フランジ37aと52a及び後方フランジ37bと52bの重合部分を溶接してBピラーインナ37とサイドレールインナ24とブレースロア52の一体化を図る。
【0055】
このように形成されたBピラー35の上部は、Bピラー35に沿ってBピラーインナ37とリンフォースBピラー38によって閉断面形状が形成されてBピラー35の剛性が向上し、リンフォースBピラー38の上端フランジ38cが閉断面形状のサイドシル22内を貫通してサイドレールアウタ23とサイドレールインナ24の上方フランジ23a、24aに溶接され、サイドレールインナ24がBピラーインナ37のサイドレール収容部37E、37Fに嵌合して溶接結合されることからBピラー35とサイドレール22の結合剛性が確保できる。一方、Bピラーインナ36とリンフォースBピラー38によって連続形成された閉断面形状が、Bピラーインナ37のブレース結合部37Dに嵌合するブレースロア52とブレースアッパ53によって形成される閉断面形状に連続形成されてBピラー35とサイドレール22とセンタブレース51が強固に結合され、左右のサイドレール22がセンタブレース51を介して強固に連結される。
【0056】
次に、図6に示す図1のIII−III線断面図、図7に示すパネルサイドアウタ31を省略した要部斜視図及び図8に示す要部分解斜視図によってサイドレール22とCピラー39とリヤブレース55の結合部構造について説明する。なお、左右のサイドレール22とCピラー41とリヤブレース55との結合構造は同様の構成であり、一方についてのみ説明する。
【0057】
Cピラー39の上部は、パネルサイドアウタ31のCピラーアウタ40と、Cピラーインナ41と、リンフォースCピラー42によって形成され、ルーフパネル21の下方において左右のサイドレール22間にブレースロア56とブレースアッパ57によって中空閉断面形状に形成されたリヤブレース55が架設されている。
【0058】
Cピラーアウタ40の上部は、上下方向に連続して車体内方が開口する断面略コ字状で前縁及び後縁に前方フランジ40a、後方フランジ40bが形成されている。Cピラーアウタ40の上端に連続形成されるサイドレールアウタ23の上縁に上方フランジ23aが形成され、下縁に上記前方フランジ40a及び後方フランジ40bに連続する下方フランジ23bが形成されている。
【0059】
Cピラーインナ41は、上下方向に連続する前面41A、後面41B、側面41Cからなる断面略コ字状で前面41A及び後面41Bの上端近傍にはサイドレールインナ24に車体内方側から重合するサイドレール収容部41E、41Fが凹設され、前面41A、後面41B、側面41Cの上端によってブレースロア56の側端部56Aに対向するブレース結合部41Dが形成されている。更に、その前縁及び後縁に前方フランジ41a及び後方フランジ41bが形成され、前方フランジ41a、後方フランジ41bの上端部はブレースロア56の側端部56Aと対向している。
【0060】
リンフォースCピラー42の上部は、Cピラーアウタ40の内面に沿って下方から連続する断面略コ字状で、その前縁及び後縁に前方フランジ42a及び後方フランジ42bが連続形成され、上端には離間すると共にサイドレールインナ24の上方フランジ24aに対向し、かつCピラーインナ41の前方フランジ41a及び後方フランジ41bに対向する一対の上端フランジ42cが形成されている。
【0061】
ブレースロア56は、車体幅方向に連続するビードを有する波形断面形状であって、その側端部56AがCピラーインナ41に形成されたブレース結合部41Dに上方から嵌合すると共に、その後縁及び前縁に上記前方フランジ41a及び後方フランジ41bの端部と対向する前方フランジ56a及び後方フランジ56bが形成されている。
【0062】
ブレースアッパ57は、ブレースロア56と重合することで車体幅方向に連続する閉断面形状を形成するための車体幅方向に連続するビードを有する波形断面形状であって、その前縁及び後縁にブレースロア56の前方フランジ56a及び後方フランジ56bに対向する前方フランジ57a及び後方フランジ57bが形成されている。これらブレースロア56及びブレースアッパ57の前方フランジ56aと57a及び後方フランジ56bと57bを重ねて溶接することによって車幅方向に連続する閉断面形状を有するリヤブレース55が形成される。
【0063】
リヤブレース55のブレースロア56及びブレースアッパ57の前後方向の幅寸法Wは、センタブレース51のブレースロア52及びブレースアッパ53の前後方向の幅寸法wより大きく、センタブレース51より大きな断面形状を確保することによってセンタブレース51より大きな剛性を確保している。
【0064】
このように形成されたサイドレール22とCピラー41とリヤブレース55の各部材の結合について説明する。
【0065】
ブレースロア56の前方フランジ56a及び後方フランジ56b上に、ブレースアッパ57の前方フランジ57a及び後方フランジ57bをそれぞれ重ね、前方フランジ56aと57a、後方フランジ56bと57bを溶接して中空閉断面形状のリヤブレース55を形成する。
【0066】
一方、パネルサイドアウタ31のサイドレールアウタ23の上方フランジ23aにリンフォースCピラー42の上端フランジ42cを重ね、かつCピラーアウタ40の内面にリンフォースCピラー42を嵌合させる。
【0067】
そして、サイドレールアウタ23の上方フランジ23aをリンフォースCピラー42の上端フランジ42cを介してサイドレールインナ24の上方フランジ24aに重ねると共に、下方フランジ23bをサイドレールインナ24の下方フランジ24bに重ねる。
【0068】
同様に、Cピラーアウタ40の前方フランジ40a及び後方フランジ40bをリンフォースCピラー42の前方フランジ42a及び後方フランジ42bを介在してCピラーインナ41の前方フランジ41a及び後方フランジ41b上に重ねる。
【0069】
この互いに重なるサイドレールアウタ23及びサイドレールインナ24の上方フランジ23aと24aをリンフォースCピラー42の上端フランジ42cと共に溶接し、かつサイドレールアウタ23及びサイドレールインナ24の下方フランジ23bと24bを溶接する。
【0070】
同様に、互いに重なるCピラーアウタ40、リンフォースCピラー42及びCピラーインナ41の前方フランジ40aと42aと41a及び後方フランジ40bと42bと41bを溶接して閉断面形状のCピラー39を形成する。
【0071】
そして、Cピラーインナ41のブレース結合部41Dにブレースロア56の側端部56Aを係合し、Cピラーインナ41のブレース結合部41Dとブレースロア56の側端部56Aを溶接し、更にCピラーインナ41及びブレースロア56の前方フランジ41aと56a及び後方フランジ41bと56bの重合部分を溶接してCピラーインナ41とサイドレールインナ24とブレースロア56の一体化を図る。
【0072】
このように形成されたCピラー39の上部は、Cピラー39に沿ってCピラーインナ41とリンフォースCピラー42によって閉断面形状が形成されてCピラー39の剛性が向上し、リンフォースCピラー42の上端フランジ42cが閉断面形状のサイドレール22内を貫通してサイドレールアウタ23とサイドレールインナ24の上方フランジ23a、24aに溶接され、サイドレールインナ24がCピラーインナ41のサイドレール収容部41E、41Fに嵌合して溶接結合されることからCピラー39とサイドレール22の結合剛性が確保できる。一方、Cピラーインナ41とリンフォースCピラー42によって連続形成された閉断面形状が、Cピラーインナ41のブレース結合部41Dに嵌合するブレースロア56とブレースアッパ57によって形成される閉断面形状に連続形成されてCピラー39とサイドレール22とリヤブレース55が強固に結合され、左右のサイドレール22がリヤブレース55を介して強固に連結される。
【0073】
フロントブレース51の前方、フロントブレース51とリヤブレース55の間、リヤブレース55の後方において、左右のサイドレール22間に架設される各サブブレース59は、図9に示すように断面ハット状で車幅方向に延在すると共に平板状の側端部59Aを有する比較的簡単な形状で、フロントブレース51及びリヤブレース55に比べ軽量でかつ剛性が小さく形成されている。この平坦状に形成された側端部59Aを、サイドレール22の互いに重なるサイドレールアウタ23とサイドレールインナ24の上方フランジ23a、24a上に重ね、側端部59Aと上部フランジ23a、24aを共に溶接することによって左右のサイドレール22間に掛け渡される。
【0074】
しかる後、ルーフパネル21を左右のサイドレール22に掛け渡されたセンタブレース51、リヤブレース55、サブブレース59上に載置すると共に接着し、かつ両側縁を左右のサイドレール22の前端から後端に亘ってその上方フランジ23a、24a上に溶接して、左右のサイドレール22間にルーフパネル21を掛け渡して結合する。
【0075】
従って、左右のサイドレール22と各Bピラー35の結合部間に、ブレースロア52とブレースアッパ53によって剛性に優れた連続する中空閉断面形状に形成されたセンタブレース51を掛け渡すことによって左右のサイドレール22及びBピラー35が強固に結合され、更に左右のサイドレール22と各Cピラー39の結合部間にブレースロア56とブレースアッパ57によって剛性に優れた連続する中空閉断面形状に形成されたリヤブレース55を掛け渡すことによって左右のサイドレール22及びCピラー39が強固に結合され、更に左右のサイドレール22間に複数のサブブレース59を掛け渡すことによって車体上部の剛性が確保できる。センタブレース51、リヤブレース55、複数のサブブレース59によって左右のサイドレール22に両側縁が結合されて、左右のサイドレール22間に掛け渡されたルーフパネル21の剛性が確保できる。特に、走行に伴うアンダーフロア10等の振動による車室内空間の圧力変動が大きな車室2の後部に対応する位置に対応配置されて、車室内空間の圧力変動による圧力が大きく作用するルーフパネル21の後部部分が、十分に剛性が確保されたリヤブレース55によって補剛され剛性が確保されてルーフパネル21の形状変化が抑制され、車体共振及び気柱共鳴によるドラミングの発生が有効的に抑制できる。
【0076】
更に、ルーフパネル21の剛性確保のための面形状の調整や、ルーフパネル21自体の板厚の増加が抑制でき、車体形状デザインの自由度が確保できると共に車体重量の増加が抑制できて操縦安定性の向上及び製造コストの削減が期待できる。
【0077】
また、リヤブレース55によって左右のサイドレール22が強固に結合されて車体上部の剛性が確保されることから、左右のサイドシル21と各Bピラー35の結合部間に掛け渡されるセンタブレース51の要求剛性の低減が得られ、センタブレース51の簡素化及び軽量化が可能になる。
【0078】
また、サブブレース59の要求剛性を抑制することができ、サブブレース59の簡素化及び軽量化が可能になる。車体上部の剛性が十分に確保できる場合に必要なサブフレーム59を削減することや、サブブレース59を廃止することもできる。
【0079】
更に、ブレースロア56とブレースアッパ57によって閉断面形状に形成されて剛性が確保されてルーフパネル21の下面に沿って車幅方向に延在して左右のサイドレール22間に掛け渡されたリヤブレース55と、Cピラーアウタ40とCピラーインナ41によって閉断面形状に形成されリンフォースCピラー42を有して剛性が確保された左右のCピラー39と、左右のCピラー39の窓肩から下方に延設され下端がリヤサイドフレーム18と結合するリンフォースメント・リヤ・エプロン49と、リンフォースメント・リヤ・エプロン49とリヤサイドフレーム18との結合部間に掛け渡されたクロスメンバ19とを備えることによって、リヤブレース55と、左右のCピラー39と、左右のCピラー39に延設されたリンフォースメント・リヤ・エプロン49と、クロスメンバ19とが車室2を囲む環状に連続形成され、車体全体の剛性が確保されてドラミングの発生が更に抑制できると共に、操縦安定性の向上が得られる。
【0080】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えがリヤブレース55を車幅方向に連続するビードを有する波形断面形状のブレースロア56及びブレースアッパ57によって形成したが、断面略コ字形で車幅方向に連続するブレースロア及びブレースアッパによって形成することもできる。また、Aピラーアウタ33、Bピラーアウタ36、リヤクォータパネル44、サイドシルアウタ12、サイドレールアウタ23等が一体形成されたパネルサイドアウタ31に代えて、リヤクォータパネル44、サイドシルアウタ12、サイドレールアウタ23等を別個に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る車体後部構造の実施の形態の全体概要を示すルーフパネルを省略した車体後部の要部斜視図である。
【図2】図1のI−I線断面図である。
【図3】図1のII−II線断面図である。
【図4】サイドレールとBピラーとフロントブレースとの結合部の要部斜視図である。
【図5】同じく、要部分解斜視図である。
【図6】図1のIII−III線断面図である。
【図7】サイドレールとCピラーとリヤブレースとの結合部の要部斜視図である。
【図8】同じく、分解斜視図である。
【図9】サイドレールとサブブレースとの結合部の要部斜視図である。
【図10】ワゴンタイプの車両における定在波の圧力分布の説明図である。
【符号の説明】
【0082】
1 自動車
2 車室
11 サイドシル
16 フロントフロアパネル(フロアパネル)
17 リヤフロアパネル(フロアパネル)
18 リヤサイドフレーム
19 クロスメンバ
21 ルーフパネル
22 サイドレール
32 Aピラー
35 Bピラー
39 Cピラー
49 リンフォースメント・リヤ・エプロン
40 Dピラー
51 センタブレース
55 リヤブレース
59 サブブレース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、
上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、
上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、
上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、
両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、
該ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースと、
該センタブレースの後方において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡された上記センタブレースより大きな剛性を有するリヤブレースと、を備えたことを特徴とする車体後部構造。
【請求項2】
車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、
上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、
上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、
上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、
両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、
該ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとBピラーとの結合部間に掛け渡されたセンタブレースと、
該センタブレースの後方において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡されたリヤブレースと、
上記センタブレースとリヤブレースとの間において上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレール間に掛け渡された上記リヤブレースより小さな剛性を有するサブブレースと、を備えたことを特徴とする車体後部構造。
【請求項3】
上記リヤブレースは、上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車体後部構造。
【請求項4】
上記車室下方両側に沿って前後方向に連続して延在する左右のサイドシル及びリヤサイドフレーム間に掛け渡されたフロアパネルと、
上記左右のCピラーの窓肩から下方に延設されて下端が上記リヤサイドフレームに結合されたリンフォースメント・リヤ・エプロンと、
上記フロアパネルに沿って車幅方向に延在して上記左右のリヤサイドフレームとリンフォースメント・リヤ・エプロンとの結合部間に掛け渡されたクロスメンバと、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の車体後部構造。
【請求項5】
車室上方両側に沿って前後方向に延在する左右のサイドレールと、
上端が上記左右のサイドレールの前端にそれぞれ連結されて略上下方向に延在する左右のAピラーと、
上端が上記左右のサイドレールの後端に連結されて略上下方向に延在する左右のDピラーと、
上記AピラーとDピラーとの間に上記Aピラー側から順に配置されて上端が上記左右のサイドレールにそれぞれ連結された左右のBピラー及びCピラーと、
両側端縁がそれぞれ上記左右のサイドレールの前端から後端に亘って結合されて左右のサイドレール間に掛け渡されたルーフパネルと、
上記ルーフパネルの下面に沿って車幅方向に延在して上記左右のサイドレールとCピラーとの結合部間に掛け渡されたリヤブレースと、を備えたことを特徴とする車体後部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−111130(P2006−111130A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−300387(P2004−300387)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】