車体構造
【課題】サイドシルおよびクロスメンバーを連結するガセットを手間をかけないで簡単に取り付けることができる車体構造を提供する。
【解決手段】車体構造10は、フロアパネル15を支持する右サイドシル13と、右サイドシル13に対して略直交する方向に向けて設けられたクロスメンバー31と、クロスメンバー31に内端部18bが回動自在に連結されるとともに、右サイドシル13に外端部18aが固定されたガセット18と、ガセット18と対向する当接部85を有する外側右バルクヘッド34とを備える。例えば、右サイドシル13に衝撃荷重Fが作用したとき、当接部85にガセット18が当接してガセット18の回動を阻止する。
【解決手段】車体構造10は、フロアパネル15を支持する右サイドシル13と、右サイドシル13に対して略直交する方向に向けて設けられたクロスメンバー31と、クロスメンバー31に内端部18bが回動自在に連結されるとともに、右サイドシル13に外端部18aが固定されたガセット18と、ガセット18と対向する当接部85を有する外側右バルクヘッド34とを備える。例えば、右サイドシル13に衝撃荷重Fが作用したとき、当接部85にガセット18が当接してガセット18の回動を阻止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前後方向に向いてサイドシルを設け、サイドシルに対して略直交する方向に向けてクロスメンバーを設けた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体構造のなかには、サイドシルおよびクロスメンバーをガセットで連結する構成とし、サイドシル内のワイヤーハーネスをガセットの下方を通してクロスメンバー内に導き、導いたワイヤーハーネスをクロスメンバー内を通して車室内に配索するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−240602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、クロスメンバーはサイドシルの剛性を確保する役割を果たす部材である。よって、サイドシルおよびクロスメンバーにガセットをボルトや溶接などで強固に連結する必要がある。
このため、ボルトの本数や溶接箇所などが増加し、部品点数が増えたり、組み付け工数が増えてしまい、ガセットの取付けに手間がかかっていた。
【0004】
本発明は、サイドシルおよびクロスメンバーを連結するガセットを手間をかけないで簡単に取り付けることができる車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に向いて設けられ、フロアパネルの側部を支持するサイドシルと、前記サイドシルに対して略直交する方向に向けて、前記フロアパネルに沿って設けられた断面略逆U字状のクロスメンバーと、前記クロスメンバーに内端部が締結手段で回動自在に連結されるとともに、前記サイドシルに外端部が固定されることで前記サイドシルに前記クロスメンバーを連結するガセットと、前記ガセットと対向する当接部を有し、前記クロスメンバーの端部に設けられた補強用のバルクヘッドと、を備え、前記当接部に前記ガセットが当接して前記ガセットの回動を阻止することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記バルクヘッドは、前記クロスメンバーの端部開口を塞ぎ、かつ前記ガセットに向けて突出された当接部を有する隔壁部と、前記隔壁部の外周から前記クロスメンバーに沿って張り出され、前記クロスメンバーに接合可能な接合片と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記ガセットの内端部は、前記クロスメンバーの前後の壁部に沿って配置された前後のアーム部を有し、前記前後のアーム部が、前記クロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ前記締結手段で連結されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記バルクヘッドは、前記クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って前記接合片から張り出されたシート取付片を有し、前記シート取付片が、シートを取り付けるシート締結手段に連結されたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記ガセットは、前記サイドシルから前記バルクヘッドまでガセット本体が延出され、前記ガセット本体の前記内端部に、前記隔壁部に沿ってガセット立上部が略鉛直に立ち上げられ、前記ガセット立上部から前記当接部に向けて剛性ビードが膨出されるとともに、前記剛性ビードが外端部まで延出され、前記ガセット本体の前後の辺から前記前後のアーム部がそれぞれ張り出されたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、前記剛性ビードは、前記当接部に当接する部位のビード幅が、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、クロスメンバーの端部にガセットの内端部を締結手段で回動自在に連結し、サイドシルにガセットの外端部を固定した。
また、クロスメンバーの端部にバルクヘッドを設け、バルクヘッドに当接部を設けた。さらに、この当接部をガセットに対向するように配置した。
【0012】
そして、例えば、サイドシルに衝撃荷重が作用したとき、ガセットを当接部に当接させてガセットの回動を阻止するようにした。
これにより、サイドシルに作用した衝撃荷重を、ガセットおよび当接部を経てクロスメンバーに伝えることができ、クロスメンバーで衝撃荷重を支えることができる。
【0013】
また、衝撃荷重をガセットおよび当接部を経てクロスメンバーに伝えることで、従来技術で説明したボルトや溶接部などの締結手段に依存することなくクロスメンバーに衝撃荷重を伝えることができる。
よって、ボルトや溶接部などの締結手段の個数や箇所を減らすことが可能になる。
これにより、サイドシルおよびクロスメンバーを連結するガセットを手間をかけないで簡単に取り付けることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、クロスメンバーの端部開口をバルクヘッドで塞ぎ、バルクヘッドの隔壁部に当接部を備えた。
よって、ガセットを経て当接部に伝えられた衝撃荷重を、当接部からクロスメンバーの全体に伝えることができる。
これにより、衝撃荷重をクロスメンバーの全体に分散することが可能になり、クロスメンバーで衝撃荷重を効率よく支えることができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、前記ガセットの内端部に前後のアーム部を備え、前後のアーム部をクロスメンバーの前後の壁部に沿って配置した。
そして、前後のアーム部をクロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ締結手段で連結した。
【0016】
このように、クロスメンバーの前後の壁部を挟み込むように前後のアーム部を配置することで、衝撃荷重を前後のアーム部に均等にバランスよく伝えることができる。
これにより、前後のアーム部を締結手段を軸にして回転させて、ガセットを当接部に良好に当接させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、バルクヘッドにシート取付片を備えた。このシート取付片を、クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って接合片から張り出した。そして、このシート取付片をシート締結用のシート締結手段に連結した。
よって、ガセットが当接部に当接して、バルクヘッドに衝撃荷重が伝えられた場合に、衝撃荷重をシート取付片を経てシート締結手段に伝えることができる。
これにより、シート締結手段に衝撃荷重を分散させて一層良好に支えることができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、ガセットのガセット本体をサイドシルからバルクヘッドまで延出させた。ガセット本体のガセット立上部から当接部に向けて剛性ビードを膨出し、剛性ビードを外端部まで延出した。
これにより、ガセットの剛性を剛性ビードで高めることが可能になり、サイドシルに作用した衝撃荷重をガセットでクロスメンバーに効率よく伝えることができる。
【0019】
請求項6に係る発明では、剛性ビードのうち、当接部に当接する部位のビード幅を、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成した。
よって、当接部に当接する剛性ビードの面積を大きく確保でき、剛性ビードを当接部の全域に確実に当接させることができる。
これにより、衝撃荷重を剛性ビードから当接部に効率よく伝達させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0021】
図1は本発明に係る車体構造を示す側面図、図2は本発明に係る車体構造からシートを外した状態を示す斜視図である。
車体構造10は、左右の側部に車体前後方向に向いて設けられた左右のサイドシル12,13と、左右のサイドシル12,13間に設けられたフロアパネル15と、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバーユニット16と、右サイドシル(サイドシル)13にクロスメンバーユニット16を連結するガセット18と、クロスメンバーユニット16に取り付けられた左右のシート21,22とを備えている。
【0022】
右サイドシル13は、アウタパネル24の上下の辺がインナパネル25の上下の辺にそれぞれスポット溶接で接合され、断面略ロ字状の閉断面に形成されている。
インナパネル25にフロアパネル15の右側部(側部)15bが支持されている。
右サイドシル13の前端部にフロントピラー26が立設され、右サイドシル13の中央部にセンタピラー27が立設されている。
【0023】
左サイドシル12は、右サイドシル13と左右対称の部材であり、アウタパネル28の上下の辺がインナパネル29の上下の辺にそれぞれスポット溶接で接合され、断面略ロ字状の閉断面に形成されている。
左サイドシル12は、右サイドシル13と同様に、インナパネル29にフロアパネル15の左側部15aが支持されている。
左サイドシル12には、クロスメンバーユニット16の左端部(具体的には、クロスメンバー31の左端部)31aが設けられている。
【0024】
図3は本発明に係る車体構造のクロスメンバーユニットを示す分解斜視図である。
クロスメンバーユニット16は、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバー31と、クロスメンバー31の右端部(端部)31bに設けられた外側右バルクヘッド(バルクヘッド)34と、クロスメンバー31の中央右寄り部31cに設けられた内側右バルクヘッド35と、クロスメンバー31の左端部31aに設けられた外側左バルクヘッド36と、クロスメンバー31の中央左寄り部31dに設けられた内側左バルクヘッド37とを備えている。
【0025】
クロスメンバー31は、図2に示すように、左右のサイドシル12,13に対して略直交する方向(すなわち、車体幅方向)に向けて設けられている。
このクロスメンバー31は、上面壁部41、前壁部42および後壁部43で断面略逆U字状(すなわち、断面下向きコ字状)に形成された部材である。
上面壁部41は、フロアパネル15に対して略平行に配置された平坦な上面である。
前後の壁部42,43は、各上辺間の間隔に対して各下辺間の間隔が大きくなるように略ハ字状に形成されている。
【0026】
前壁部42は、上面壁部41の前辺からフロアパネル15に向けて傾斜状に張り出された傾斜面である。
この前壁部42は、右端部42aにガセット18を取り付ける前第1ガセット取付孔45が形成され、前第1ガセット取付孔45の上方に外右第1シート取付孔(第1取付孔)51が形成されている。
【0027】
前壁部42の下辺には、前折曲部56が車体前方に向けてフロアパネル15(図2参照)に沿って設けられている。
前折曲部56は、右端部56aにフロアパネル前取付孔57(図4も参照)が形成されている。フロアパネル前取付孔57はボルト58を差込可能な孔である。
この前折曲部56は、右端部56aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
【0028】
後壁部43は、上面壁部41の後辺からフロアパネル15に向けて傾斜状に張り出された傾斜面である。
この後壁部43は、右端部43aにガセット18を取り付ける後第1ガセット取付孔46が形成されている。
【0029】
後壁部43の下辺には、後折曲部61が車体後方に向けてフロアパネル15に沿って設けられている。
後折曲部61は、右端部61aにフロアパネル後取付孔62が形成されている。フロアパネル後取付孔62はボルト58を差込可能な孔である。
この後折曲部61は、右端部61aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
【0030】
前折曲部56がボルト58やスポット溶接でフロアパネル15に接合され、後折曲部61がボルト58やスポット溶接でフロアパネル15に接合されることで、クロスメンバー31がフロアパネル15に取り付けられている。
このクロスメンバー31を断面略逆U字状に形成することで、クロスメンバー31の内部に空間64が形成されている。
クロスメンバーの空間64に、外側右バルクヘッド34、内側右バルクヘッド35、外側左バルクヘッド36および内側左バルクヘッド37が設けられている。
【0031】
図4は本発明に係る車体構造のクロスメンバーおよび外側右バルクヘッドの関係を示す分解斜視図、図5は図4の外側右バルクヘッドを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
外側右バルクヘッド34は、クロスメンバー31の右端部31bに設けられた補強用の部材である。
【0032】
この外側右バルクヘッド34は、クロスメンバー31の右端部開口(端部開口)66を塞ぐ隔壁部71と、隔壁部71の外周に設けられた折曲部72と、折曲部72からクロスメンバー31に沿って張り出された接合片(具体的には、上接合片73、前上接合片74、前下接合片75、後上接合片76および後下接合片77)と、前上接合片74からクロスメンバー31に沿って張り出されたシート取付片81と、折曲部72からクロスメンバー31に沿って張り出された前後のガセット取付片(ガセット取付片)82,83とを備えている。
【0033】
隔壁部71は、クロスメンバー31の上面壁部41に沿った上辺71aと、クロスメンバー31の前壁部42に沿った前辺71bと、クロスメンバー31の後壁部43に沿った後辺71cと、フロアパネル15(図2参照)に沿った下辺71dとで略矩形状に形成されている。
【0034】
この隔壁部71は、上辺71a近傍の上部71eに当接部85が形成され、略中央部に開口部86が形成されている。
当接部85は、上辺71aに沿って直線状に形成されるとともに、図7、図9に示すように、ガセット18に向けて突出された部位である。
【0035】
隔壁部71の外周(上辺71a、前辺71bおよび後辺71c)には折曲部72が設けられている。
折曲部72は、上折曲部位72a、前折曲部位72bおよび後折曲部位72cで略逆U字状に形成された部位である。
【0036】
上折曲部位72aは、隔壁部71の上辺71aからクロスメンバー31の上面壁部41に沿って車体中心88(図2参照)側に折り曲げられた部位である。
前折曲部位72bは、隔壁部71の前辺71bからクロスメンバー31の前壁部42に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
後折曲部位72cは、隔壁部71の後辺71cからクロスメンバー31の後壁部43に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
【0037】
折曲部72からクロスメンバー31に沿って上接合片73、前上接合片74、前下接合片75、後上接合片76および後下接合片77が張り出されている。
具体的には、上接合片73は、上折曲部位72aからクロスメンバー31の上面壁部41に沿って張り出された突片である。
この上接合片73は上面壁部41にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0038】
前上接合片74は、前折曲部位72bの上端部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って上面壁部41と略平行に張り出された突片である。
この前上接合片74は、クロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0039】
前下接合片75は、前折曲部位72bの下端部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74と略平行に張り出された突片である。
この前下接合片75は、クロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0040】
後上接合片76は、後折曲部位72cの上端部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って上面壁部41と略平行に張り出された突片である。
この後上接合片76は、前上接合片74と同様に、クロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接で接合されている。
【0041】
後下接合片77は、後折曲部位72cの下端部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って後上接合片76と略平行に張り出された突片である。
この後下接合片77は、前下接合片75と同様に、クロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接で接合されている。
【0042】
前上接合片74からクロスメンバー31に沿ってシート取付片81が張り出されている。
シート取付片81は、前上接合片74の先端部74aからクロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74と平行に張り出された突片である。
このシート取付片81は、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51と同軸上に第2シート取付孔(第2取付孔)91が形成されている。
シート取付片81には、第2シート取付孔91と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面81aにシートナット93が設けられている(溶接されている)。
【0043】
このシートナット93にシートボルト94がねじ結合され、右シート(シート)22の外取付ブラケット95がクロスメンバー31の右端部31bに取り付けられている。
具体的には、外取付ブラケット95の取付孔95a、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51および第2シート取付孔91にシートボルト94が順次差し込まれる。
第2シート取付孔91から突出されたねじ部94aがシートナット93にねじ結合され、外取付ブラケット95がクロスメンバー31の右端部31bに取り付けられている。
【0044】
シートナット93およびシートボルト94でシート締結手段92が構成されている。
すなわち、シートナット93にシートボルト94をねじ結合することで、シート取付片81がシート締結手段92に連結されている。
【0045】
ここで、外側右バルクヘッド34の隔壁部71からシート取付片81を比較的離して配置することで、シートナット93を、後述する前後のガセットナット98,102から離すことが可能になる。
これにより、図7に示すガセット18に干渉させることなく、右シート22をクロスメンバー31に取り付けることができる。
【0046】
また、折曲部72からクロスメンバー31に沿って前後のガセット取付片82,83が張り出されている。
前ガセット取付片82は、前折曲部位72bの略中央部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って張り出された突片である。
この前ガセット取付片82は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45と同軸上に前第2ガセット取付孔97が形成されている。
前ガセット取付片82には、前第2ガセット取付孔97と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面に前ガセットナット98が設けられている(溶接されている)。
【0047】
後ガセット取付片83は、後折曲部位72cの略中央部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って張り出された突片である。
この後ガセット取付片83は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46と同軸上に後第2ガセット取付孔101が形成されている。
後ガセット取付片83には、後第2ガセット取付孔101と同軸上で、かつクロスメンバー31の後壁部43と反対側の面に後ガセットナット102が設けられている(溶接されている)。
【0048】
前後のガセットナット98,102は、ガセット18(図6参照)をクロスメンバー31の右端部31bに取り付けるためのナットである。
【0049】
図3に戻って、内側右バルクヘッド35は、外側右バルクヘッド34に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の中央右寄り部31cに設けられている。
この内側右バルクヘッド35は、隔壁部131の外周に折曲部132が設けられ、折曲部132にシート取付片138が設けられ、シート取付片138にシートナット93が設けられている。
【0050】
シートナット93は、クロスメンバー31の内右第1シート取付孔(第1取付孔)52に同軸上に配置されている。
この内右第1シート取付孔52に、図2に示す右シート22の内取付ブラケット147の取付孔147aが同軸上に配置されている。
【0051】
この取付孔147aおよび内右第1シート取付孔52にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット147がクロスメンバー31の中央右寄り部31cに取り付けられている。
【0052】
図2に示す右シート22の外取付ブラケット95をクロスメンバー31の右端部31bに取り付け、かつ、右シート22の内取付ブラケット147をクロスメンバー31の中央右寄り部31cに取り付けることで、クロスメンバー31の右半部に右シート22が取り付けられている。
【0053】
外側左バルクヘッド36は、内側右バルクヘッド35に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の左端部31aに設けられている。
この外側左バルクヘッド36は、隔壁部151の外周に折曲部152が設けられ、折曲部152にシート取付片158が設けられ、シート取付片158にシートナット93が設けられている。
【0054】
シートナット93は、クロスメンバー31の外左第1シート取付孔(第1取付孔)53に同軸上に配置されている。
この外左第1シート取付孔53に、図2に示す左シート21の外取付ブラケット148の取付孔148aが同軸上に配置されている。
【0055】
この取付孔148aおよび外左第1シート取付孔53にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、外左第1シート取付孔53がクロスメンバー31の左端部31aに取り付けられている。
【0056】
内側左バルクヘッド37は、外側左バルクヘッド36に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の中央左寄り部31dに設けられている。
この内側左バルクヘッド37は、隔壁部161の外周に折曲部162が設けられ、折曲部162にシート取付片168が設けられ、シート取付片168にシートナット93が設けられている。
【0057】
シートナット93は、クロスメンバー31の内左第1シート取付孔(第1取付孔)54に同軸上に配置されている。
この内左第1シート取付孔54に、図2に示す左シート21の内取付ブラケット149の取付孔149aが同軸上に配置されている。
【0058】
この取付孔149aおよび内左第1シート取付孔54にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット149がクロスメンバー31の中央左寄り部31dに取り付けられている。
【0059】
図2に示す左シート21の外取付ブラケット148をクロスメンバー31の左端部31aに取り付け、かつ、左シート21の内取付ブラケット149をクロスメンバー31の中央左寄り部31dに取り付けることで、クロスメンバー31の左半部に左シート21が取り付けられている。
【0060】
図6は本発明に係る車体構造を示す斜視図、図7は本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
クロスメンバー31の右端部31bがガセット18で右サイドシル13に連結されている。
ガセット18は、右サイドシル13から外側右バルクヘッド34まで延出されたガセット本体105と、外端部18aに設けられた前後の取付部106,107と、内端部18bに設けられた前後のアーム部108,109とを備えている。
【0061】
ガセット本体105は、右サイドシル13から外側右バルクヘッド34に向けて上り勾配に延出されたガセット傾斜部111と、ガセット傾斜部111の内端部18bから隔壁部71に沿って略鉛直に立ち上げられたガセット立上部112とを備えている。
ガセット立上部112は、当接部85に対向するように配置されている。
【0062】
ガセット立上部112の上端部(すなわち、ガセット18の内端部)18bからガセット傾斜部111の外端部(すなわち、ガセット18の外端部)18aまで剛性ビード114が外側右バルクヘッド34の隔壁部71やフロアパネル15に向けて膨出されている。
【0063】
剛性ビード114は、ガセット立上部112から当接部85に向けて膨出された立上ビード部(当接部に当接する部位)115と、ガセット傾斜部111から下方(すなわち、フロアパネル15)に向けて膨出された傾斜ビード部116とを備えている。
立上ビード部115および傾斜ビード部116は連続的に一体形成されている。
【0064】
立上ビード部115は、当接部85に対向して配置され、後述するようにガセット18が回動することで当接部85に当接可能な部位である。
この立上ビード部115は、ビード幅Wが下端部から上端部に向かうにつれて徐々に大きくなるように、下端部のビード幅W1、上端部のビード幅W2に形成されている。
【0065】
前取付部106は、ガセット18の外端部18aにおいて、ガセット本体105の外前辺105aから車体前方向に張り出された張出片である。
前取付部106には、右サイドシル13に取り付ける(固定する)ための前取付孔106aが形成されている。
【0066】
後取付部107は、ガセット18の外端部18aにおいて、ガセット本体105の外後辺105bから車体後方向に張り出された張出片である。
後取付部107には、右サイドシル13に取り付ける(固定する)ための後取付孔107aが形成されている。
【0067】
前取付孔106aにボルト121が差し込まれ、前取付孔106aから突出したねじ部121aが右サイドシル13の前取付孔13aに差し込まれ、ナット122にねじ結合されている。
このナット122は、前取付孔13aに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
【0068】
また、後取付孔107aにボルト121が差し込まれ、後取付孔107aから突出したねじ部121aが右サイドシル13の後取付孔13bに差し込まれ、ナット122にねじ結合されている。
このナット122は、後取付孔13bに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
【0069】
このように、前後のボルト121を前後のナット122にそれぞれねじ結合することで、前後の取付部106,107(すなわち、ガセット18の外端部18a)が、右サイドシル13(具体的には、インナパネル25の上面壁部25a)に取り付けられている(固定されている)。
【0070】
前アーム部108は、ガセット18の内端部18bにおいて、ガセット本体105の内前辺(前辺)105cからクロスメンバー31の前壁部42に向けて張り出され、前壁部42の外面に沿って配置された突片である。
前アーム部108には、前第3ガセット取付孔124が形成されている。
前第3ガセット取付孔124は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45に対して同軸上に配置可能な孔である。
【0071】
後アーム部109は、ガセット18の内端部18bにおいて、ガセット本体105の内後辺(後辺)105dからクロスメンバー31の後壁部43に向けて張り出され、後壁部43の外面に沿って配置された突片である。
後アーム部109には、後第3ガセット取付孔125が形成されている。
後第3ガセット取付孔125は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46(図4参照)に対して同軸上に配置可能な孔である。
【0072】
前第3ガセット取付孔124にガセットボルト127が差し込まれ、前第3ガセット取付孔124から突出したねじ部127aが、前第1ガセット取付孔45および前第2ガセット取付孔97を経て前ガセットナット98にねじ結合されている。
【0073】
また、後第3ガセット取付孔125にガセットボルト127が差し込まれ、後第3ガセット取付孔125から突出したねじ部127aが後第1ガセット取付孔46(図4参照)および後第2ガセット取付孔101を経て後ガセットナット102(図5参照)にねじ結合されている。
【0074】
前後のガセットボルト127はそれぞれ同軸上に配置されている。
よって、前後のアーム部108,109が、クロスメンバー31の前後の壁部42,43を挟み込んだ状態で前後のガセットボルト127に回動自在に支持されている。
【0075】
ここで、前側のガセットボルト127、前側のガセットナット98、後側のガセットボルト127および後側のガセットナット102(図5参照)でガセット締結手段(締結手段)126が構成されている。
すなわち、ガセット18は、内端部18bがクロスメンバー31の右端部31bにガセット締結手段126で回動自在に連結されている。
【0076】
図8は本発明に係る車体構造のガセットを示す正面図、図9は図8のガセットを一部破断した状態で示す断面図である。
クロスメンバー31の右端部31bにガセット18の内端部18b(具体的には、前後のアーム部108,109)がガセット締結手段126で回動自在に連結され、右サイドシル13にガセット18の外端部18aが取り付けられている(固定されている)。
また、クロスメンバー31の右端部31bに外側右バルクヘッド34が設けられ、外側右バルクヘッド34に当接部85が設けられている。さらに、この当接部85がガセット18の立上ビード部115に対向するように配置されている。
【0077】
また、図1に示すように、右サイドシル13の前端部にフロントピラー26が立設され、右サイドシル13の中央部にセンタピラー27が立設されている。
よって、センタピラー27に衝撃荷重Fが作用した場合、右サイドシル13を矢印Aの如く時計回り方向に回転させようとする荷重が作用する。
【0078】
そして、右サイドシル13に作用した荷重がガセット18の外端部18aに伝わる。すなわち、ガセット18を前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く時計回り方向に回動させようとする荷重がガセット18に作用する。
ガセット18が前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く僅かに回動することで、ガセット18の立上ビード部115が当接部85に当接する。
【0079】
立上ビード部115が当接部85に当接することで、ガセット18の回動が阻止される。
ガセット18の回動を阻止することで、右サイドシル13がガセット18で支えられる。
これにより、右サイドシル13に作用した衝撃荷重Fは、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えられ、クロスメンバー31で良好に支えられる。
【0080】
また、衝撃荷重Fをガセット18および当接部85を経てクロスメンバー31に伝えるようにした。
よって、ガセット18をクロスメンバー31に取り付けるボルトや溶接などの締結手段のみに依存することなくクロスメンバー31に衝撃荷重Fを伝えることができる。
【0081】
これにより、クロスメンバー31にガセット18を取り付けるガセット締結手段126の個数を減らすことが可能になる。
これにより、右サイドシル13およびクロスメンバー31を連結するガセット18を手間をかけないで簡単に取り付けることができる。
【0082】
また、クロスメンバー31の右端部開口66(図4参照)を外側右バルクヘッド34で塞ぎ、外側右バルクヘッド34の隔壁部71に当接部85を備えた。
よって、ガセット18を経て当接部85に伝えられた衝撃荷重Fを、当接部85から隔壁部71を経てクロスメンバー31の全体に伝えることができる。
これにより、衝撃荷重Fをクロスメンバー31の全体に分散することが可能になり、クロスメンバー31で衝撃荷重Fを効率よく支えることができる。
【0083】
ここで、ガセット18のガセット本体105を右サイドシル13から外側右バルクヘッド34まで延出させた。また、ガセット本体105のガセット立上部112から当接部85に向けて剛性ビード114を膨出し、剛性ビード114を外端部18aまで延出した。
これにより、ガセット18の剛性を剛性ビード114で高めることが可能になり、右サイドシル13に作用した衝撃荷重Fをガセット18でクロスメンバー31に一層効率よく伝えることができる。
【0084】
図6、図7に戻って、ガセット18の内端部18bに前後のアーム部108,109を備え、前後のアーム部108,109をクロスメンバー31の前後の壁部42,43の外面に沿って配置した。
そして、前後のアーム部108,109を前後の壁部42,43にそれぞれガセット締結手段126で回動自在に連結した。
【0085】
このように、クロスメンバー31の前後の壁部42,43を挟み込むように前後のアーム部108,109を配置することで、衝撃荷重Fを前後のアーム部108,109に均等にバランスよく伝えることができる。
これにより、前後のアーム部108,109をガセット締結手段126を軸にして回転させて、ガセット18を当接部85に良好に当接させることができる。
【0086】
また、ガセット18の剛性ビード114のうち、当接部85に当接する部位(すなわち、立上ビード部)115のビード幅Wを、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成した。
よって、当接部85に当接する剛性ビード114の面積を大きく確保でき、剛性ビード114を当接部85の全域に確実に当接させることができる。
これにより、衝撃荷重Fを剛性ビード114から当接部85に効率よく伝達させることができる。
【0087】
図4に戻って、外側右バルクヘッド34に前上接合片74を介してシート取付片81を備えた。このシート取付片81を、クロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74から張り出した。
そして、このシート取付片81をシート締結手段92に連結した。シート締結手段92は、右シート22の外取付ブラケット95を締結するものである。
【0088】
よって、図9に示すガセット18が当接部85に当接して、外側右バルクヘッド34に衝撃荷重F(図8参照)が伝えられた場合に、衝撃荷重Fをシート取付片81を経てシート締結手段92に伝えることができる。
これにより、シート締結手段92に衝撃荷重Fを分散させて一層良好に支えることができる。
【0089】
つぎに、車体構造10に相手車両が側面衝突した例を図10〜図11に基づいて説明する。
図10(a),(b)は本発明に係る車体構造に相手車両が側面衝突した例について説明する図である。
(a)において、車体構造10に相手車両が側面衝突して、センタピラー27に衝撃荷重Fが作用する。
センタピラー27に衝撃荷重Fが作用することで、右サイドシル13を矢印Aの如く時計回り方向に回転させようとする荷重が作用する。
【0090】
(b)において、右サイドシル13に作用した荷重が前後のボルト121を経てガセット18の外端部18aに伝わる。
ガセット18の外端部18aに荷重が伝わることで、ガセット18を前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く時計回り方向に回動させようとする荷重が作用する。
【0091】
図11は本発明に係るガセットでクロスメンバーに衝撃荷重を伝える例について説明する図である。
ガセット18が前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く僅かに回動して、ガセット18の立上ビード部115が当接部85に当接する。
立上ビード部115が当接部85に当接することで、ガセット18の回動が阻止される。ガセット18の回動を阻止することで、右サイドシル13がガセット18で支えられる。
【0092】
さらに、立上ビード部115が当接部85に当接することで、クロスメンバー31の右端部31bを前後のガセットボルト127および立上ビード部115で支えることができる。
よって、クロスメンバー31が下方に下がることをガセット18で阻止することができる。
【0093】
このように、ガセット18が回動することを阻止するとともに、クロスメンバー31が下がることを阻止することで、右サイドシル13に作用した衝撃荷重を、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えることができる。
これにより、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えられた衝撃荷重を、クロスメンバー31で良好に支えることができる。
【0094】
なお、前記実施の形態では、外側右バルクヘッド34のシート取付片81をクロスメンバー31の前壁部42に沿って張り出した例について発明したが、これに限らないで、シート取付片81をクロスメンバー31の後壁部43に沿って張り出すことも可能である。
また、一対のシート取付片81をクロスメンバー31の前後の壁部42,43に沿ってそれぞれ張り出すことも可能である。
【0095】
また、前記実施の形態で示したクロスメンバー31、外側右バルクヘッド34、内側右バルクヘッド35、外側左バルクヘッド36や内側左バルクヘッド37の形状などは例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、車体前後方向に向いてサイドシルを設け、サイドシルに対して略直交する方向に向けてクロスメンバーを設けた車体構造を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に係る車体構造を示す側面図である。
【図2】本発明に係る車体構造からシートを外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車体構造のクロスメンバーユニットを示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る車体構造のクロスメンバーおよび外側右バルクヘッドの関係を示す分解斜視図である。
【図5】図4の外側右バルクヘッドを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る車体構造を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る車体構造のガセットを示す正面図である。
【図9】図8のガセットを一部破断した状態で示す断面図である。
【図10】本発明に係る車体構造に相手車両が側面衝突した例について説明する図である。
【図11】本発明に係るガセットでクロスメンバーに衝撃荷重を伝える例について説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
10…車体構造、13…右サイドシル(サイドシル)、15…フロアパネル、15b…フロアパネルの右側部(側部)、18…ガセット、18a…ガセットの外端部、18b…ガセットの内端部、22…右シート(シート)、31…クロスメンバー、31b…クロスメンバーの右端部(端部)、34…外側右バルクヘッド(バルクヘッド)、42…前壁部、43…後壁部、66…クロスメンバーの右端部開口(端部開口)、71…隔壁部、73…上接合片(接合片)、74…前上接合片(接合片)、75…前下接合片(接合片)、76…後上接合片(接合片)、77…後下接合片(接合片)、81…シート取付片、85…当接部、92…シート締結手段、105…ガセット本体、105c…ガセット本体の内前辺(前辺)、105d…ガセット本体の内後辺(後辺)、108…前アーム部、109…後アーム部、112…立上部、114…剛性ビード、115…立上ビード部(当接部に当接する部位)、126…ガセット締結手段(締結手段)、F…衝撃荷重、W…ビード幅。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体前後方向に向いてサイドシルを設け、サイドシルに対して略直交する方向に向けてクロスメンバーを設けた車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車体構造のなかには、サイドシルおよびクロスメンバーをガセットで連結する構成とし、サイドシル内のワイヤーハーネスをガセットの下方を通してクロスメンバー内に導き、導いたワイヤーハーネスをクロスメンバー内を通して車室内に配索するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−240602号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、クロスメンバーはサイドシルの剛性を確保する役割を果たす部材である。よって、サイドシルおよびクロスメンバーにガセットをボルトや溶接などで強固に連結する必要がある。
このため、ボルトの本数や溶接箇所などが増加し、部品点数が増えたり、組み付け工数が増えてしまい、ガセットの取付けに手間がかかっていた。
【0004】
本発明は、サイドシルおよびクロスメンバーを連結するガセットを手間をかけないで簡単に取り付けることができる車体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、車体前後方向に向いて設けられ、フロアパネルの側部を支持するサイドシルと、前記サイドシルに対して略直交する方向に向けて、前記フロアパネルに沿って設けられた断面略逆U字状のクロスメンバーと、前記クロスメンバーに内端部が締結手段で回動自在に連結されるとともに、前記サイドシルに外端部が固定されることで前記サイドシルに前記クロスメンバーを連結するガセットと、前記ガセットと対向する当接部を有し、前記クロスメンバーの端部に設けられた補強用のバルクヘッドと、を備え、前記当接部に前記ガセットが当接して前記ガセットの回動を阻止することを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、前記バルクヘッドは、前記クロスメンバーの端部開口を塞ぎ、かつ前記ガセットに向けて突出された当接部を有する隔壁部と、前記隔壁部の外周から前記クロスメンバーに沿って張り出され、前記クロスメンバーに接合可能な接合片と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に係る発明は、前記ガセットの内端部は、前記クロスメンバーの前後の壁部に沿って配置された前後のアーム部を有し、前記前後のアーム部が、前記クロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ前記締結手段で連結されたことを特徴とする。
【0008】
請求項4に係る発明は、前記バルクヘッドは、前記クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って前記接合片から張り出されたシート取付片を有し、前記シート取付片が、シートを取り付けるシート締結手段に連結されたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に係る発明は、前記ガセットは、前記サイドシルから前記バルクヘッドまでガセット本体が延出され、前記ガセット本体の前記内端部に、前記隔壁部に沿ってガセット立上部が略鉛直に立ち上げられ、前記ガセット立上部から前記当接部に向けて剛性ビードが膨出されるとともに、前記剛性ビードが外端部まで延出され、前記ガセット本体の前後の辺から前記前後のアーム部がそれぞれ張り出されたことを特徴とする。
【0010】
請求項6に係る発明は、前記剛性ビードは、前記当接部に当接する部位のビード幅が、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、クロスメンバーの端部にガセットの内端部を締結手段で回動自在に連結し、サイドシルにガセットの外端部を固定した。
また、クロスメンバーの端部にバルクヘッドを設け、バルクヘッドに当接部を設けた。さらに、この当接部をガセットに対向するように配置した。
【0012】
そして、例えば、サイドシルに衝撃荷重が作用したとき、ガセットを当接部に当接させてガセットの回動を阻止するようにした。
これにより、サイドシルに作用した衝撃荷重を、ガセットおよび当接部を経てクロスメンバーに伝えることができ、クロスメンバーで衝撃荷重を支えることができる。
【0013】
また、衝撃荷重をガセットおよび当接部を経てクロスメンバーに伝えることで、従来技術で説明したボルトや溶接部などの締結手段に依存することなくクロスメンバーに衝撃荷重を伝えることができる。
よって、ボルトや溶接部などの締結手段の個数や箇所を減らすことが可能になる。
これにより、サイドシルおよびクロスメンバーを連結するガセットを手間をかけないで簡単に取り付けることができる。
【0014】
請求項2に係る発明では、クロスメンバーの端部開口をバルクヘッドで塞ぎ、バルクヘッドの隔壁部に当接部を備えた。
よって、ガセットを経て当接部に伝えられた衝撃荷重を、当接部からクロスメンバーの全体に伝えることができる。
これにより、衝撃荷重をクロスメンバーの全体に分散することが可能になり、クロスメンバーで衝撃荷重を効率よく支えることができる。
【0015】
請求項3に係る発明では、前記ガセットの内端部に前後のアーム部を備え、前後のアーム部をクロスメンバーの前後の壁部に沿って配置した。
そして、前後のアーム部をクロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ締結手段で連結した。
【0016】
このように、クロスメンバーの前後の壁部を挟み込むように前後のアーム部を配置することで、衝撃荷重を前後のアーム部に均等にバランスよく伝えることができる。
これにより、前後のアーム部を締結手段を軸にして回転させて、ガセットを当接部に良好に当接させることができる。
【0017】
請求項4に係る発明では、バルクヘッドにシート取付片を備えた。このシート取付片を、クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って接合片から張り出した。そして、このシート取付片をシート締結用のシート締結手段に連結した。
よって、ガセットが当接部に当接して、バルクヘッドに衝撃荷重が伝えられた場合に、衝撃荷重をシート取付片を経てシート締結手段に伝えることができる。
これにより、シート締結手段に衝撃荷重を分散させて一層良好に支えることができる。
【0018】
請求項5に係る発明では、ガセットのガセット本体をサイドシルからバルクヘッドまで延出させた。ガセット本体のガセット立上部から当接部に向けて剛性ビードを膨出し、剛性ビードを外端部まで延出した。
これにより、ガセットの剛性を剛性ビードで高めることが可能になり、サイドシルに作用した衝撃荷重をガセットでクロスメンバーに効率よく伝えることができる。
【0019】
請求項6に係る発明では、剛性ビードのうち、当接部に当接する部位のビード幅を、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成した。
よって、当接部に当接する剛性ビードの面積を大きく確保でき、剛性ビードを当接部の全域に確実に当接させることができる。
これにより、衝撃荷重を剛性ビードから当接部に効率よく伝達させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」は運転者から見た方向にしたがい、前側をFr、後側をRr、左側をL、右側をRとして示す。
【0021】
図1は本発明に係る車体構造を示す側面図、図2は本発明に係る車体構造からシートを外した状態を示す斜視図である。
車体構造10は、左右の側部に車体前後方向に向いて設けられた左右のサイドシル12,13と、左右のサイドシル12,13間に設けられたフロアパネル15と、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバーユニット16と、右サイドシル(サイドシル)13にクロスメンバーユニット16を連結するガセット18と、クロスメンバーユニット16に取り付けられた左右のシート21,22とを備えている。
【0022】
右サイドシル13は、アウタパネル24の上下の辺がインナパネル25の上下の辺にそれぞれスポット溶接で接合され、断面略ロ字状の閉断面に形成されている。
インナパネル25にフロアパネル15の右側部(側部)15bが支持されている。
右サイドシル13の前端部にフロントピラー26が立設され、右サイドシル13の中央部にセンタピラー27が立設されている。
【0023】
左サイドシル12は、右サイドシル13と左右対称の部材であり、アウタパネル28の上下の辺がインナパネル29の上下の辺にそれぞれスポット溶接で接合され、断面略ロ字状の閉断面に形成されている。
左サイドシル12は、右サイドシル13と同様に、インナパネル29にフロアパネル15の左側部15aが支持されている。
左サイドシル12には、クロスメンバーユニット16の左端部(具体的には、クロスメンバー31の左端部)31aが設けられている。
【0024】
図3は本発明に係る車体構造のクロスメンバーユニットを示す分解斜視図である。
クロスメンバーユニット16は、フロアパネル15に沿って設けられたクロスメンバー31と、クロスメンバー31の右端部(端部)31bに設けられた外側右バルクヘッド(バルクヘッド)34と、クロスメンバー31の中央右寄り部31cに設けられた内側右バルクヘッド35と、クロスメンバー31の左端部31aに設けられた外側左バルクヘッド36と、クロスメンバー31の中央左寄り部31dに設けられた内側左バルクヘッド37とを備えている。
【0025】
クロスメンバー31は、図2に示すように、左右のサイドシル12,13に対して略直交する方向(すなわち、車体幅方向)に向けて設けられている。
このクロスメンバー31は、上面壁部41、前壁部42および後壁部43で断面略逆U字状(すなわち、断面下向きコ字状)に形成された部材である。
上面壁部41は、フロアパネル15に対して略平行に配置された平坦な上面である。
前後の壁部42,43は、各上辺間の間隔に対して各下辺間の間隔が大きくなるように略ハ字状に形成されている。
【0026】
前壁部42は、上面壁部41の前辺からフロアパネル15に向けて傾斜状に張り出された傾斜面である。
この前壁部42は、右端部42aにガセット18を取り付ける前第1ガセット取付孔45が形成され、前第1ガセット取付孔45の上方に外右第1シート取付孔(第1取付孔)51が形成されている。
【0027】
前壁部42の下辺には、前折曲部56が車体前方に向けてフロアパネル15(図2参照)に沿って設けられている。
前折曲部56は、右端部56aにフロアパネル前取付孔57(図4も参照)が形成されている。フロアパネル前取付孔57はボルト58を差込可能な孔である。
この前折曲部56は、右端部56aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
【0028】
後壁部43は、上面壁部41の後辺からフロアパネル15に向けて傾斜状に張り出された傾斜面である。
この後壁部43は、右端部43aにガセット18を取り付ける後第1ガセット取付孔46が形成されている。
【0029】
後壁部43の下辺には、後折曲部61が車体後方に向けてフロアパネル15に沿って設けられている。
後折曲部61は、右端部61aにフロアパネル後取付孔62が形成されている。フロアパネル後取付孔62はボルト58を差込可能な孔である。
この後折曲部61は、右端部61aがボルト58でフロアパネル15(図2参照)に取り付けられ、その他の部位がスポット溶接でフロアパネル15に接合されている。
【0030】
前折曲部56がボルト58やスポット溶接でフロアパネル15に接合され、後折曲部61がボルト58やスポット溶接でフロアパネル15に接合されることで、クロスメンバー31がフロアパネル15に取り付けられている。
このクロスメンバー31を断面略逆U字状に形成することで、クロスメンバー31の内部に空間64が形成されている。
クロスメンバーの空間64に、外側右バルクヘッド34、内側右バルクヘッド35、外側左バルクヘッド36および内側左バルクヘッド37が設けられている。
【0031】
図4は本発明に係る車体構造のクロスメンバーおよび外側右バルクヘッドの関係を示す分解斜視図、図5は図4の外側右バルクヘッドを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
外側右バルクヘッド34は、クロスメンバー31の右端部31bに設けられた補強用の部材である。
【0032】
この外側右バルクヘッド34は、クロスメンバー31の右端部開口(端部開口)66を塞ぐ隔壁部71と、隔壁部71の外周に設けられた折曲部72と、折曲部72からクロスメンバー31に沿って張り出された接合片(具体的には、上接合片73、前上接合片74、前下接合片75、後上接合片76および後下接合片77)と、前上接合片74からクロスメンバー31に沿って張り出されたシート取付片81と、折曲部72からクロスメンバー31に沿って張り出された前後のガセット取付片(ガセット取付片)82,83とを備えている。
【0033】
隔壁部71は、クロスメンバー31の上面壁部41に沿った上辺71aと、クロスメンバー31の前壁部42に沿った前辺71bと、クロスメンバー31の後壁部43に沿った後辺71cと、フロアパネル15(図2参照)に沿った下辺71dとで略矩形状に形成されている。
【0034】
この隔壁部71は、上辺71a近傍の上部71eに当接部85が形成され、略中央部に開口部86が形成されている。
当接部85は、上辺71aに沿って直線状に形成されるとともに、図7、図9に示すように、ガセット18に向けて突出された部位である。
【0035】
隔壁部71の外周(上辺71a、前辺71bおよび後辺71c)には折曲部72が設けられている。
折曲部72は、上折曲部位72a、前折曲部位72bおよび後折曲部位72cで略逆U字状に形成された部位である。
【0036】
上折曲部位72aは、隔壁部71の上辺71aからクロスメンバー31の上面壁部41に沿って車体中心88(図2参照)側に折り曲げられた部位である。
前折曲部位72bは、隔壁部71の前辺71bからクロスメンバー31の前壁部42に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
後折曲部位72cは、隔壁部71の後辺71cからクロスメンバー31の後壁部43に沿って車体中心88側に折り曲げられた部位である。
【0037】
折曲部72からクロスメンバー31に沿って上接合片73、前上接合片74、前下接合片75、後上接合片76および後下接合片77が張り出されている。
具体的には、上接合片73は、上折曲部位72aからクロスメンバー31の上面壁部41に沿って張り出された突片である。
この上接合片73は上面壁部41にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0038】
前上接合片74は、前折曲部位72bの上端部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って上面壁部41と略平行に張り出された突片である。
この前上接合片74は、クロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0039】
前下接合片75は、前折曲部位72bの下端部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74と略平行に張り出された突片である。
この前下接合片75は、クロスメンバー31の前壁部42にスポット溶接で接合されている(図6参照)。
【0040】
後上接合片76は、後折曲部位72cの上端部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って上面壁部41と略平行に張り出された突片である。
この後上接合片76は、前上接合片74と同様に、クロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接で接合されている。
【0041】
後下接合片77は、後折曲部位72cの下端部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って後上接合片76と略平行に張り出された突片である。
この後下接合片77は、前下接合片75と同様に、クロスメンバー31の後壁部43にスポット溶接で接合されている。
【0042】
前上接合片74からクロスメンバー31に沿ってシート取付片81が張り出されている。
シート取付片81は、前上接合片74の先端部74aからクロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74と平行に張り出された突片である。
このシート取付片81は、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51と同軸上に第2シート取付孔(第2取付孔)91が形成されている。
シート取付片81には、第2シート取付孔91と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面81aにシートナット93が設けられている(溶接されている)。
【0043】
このシートナット93にシートボルト94がねじ結合され、右シート(シート)22の外取付ブラケット95がクロスメンバー31の右端部31bに取り付けられている。
具体的には、外取付ブラケット95の取付孔95a、クロスメンバー31の外右第1シート取付孔51および第2シート取付孔91にシートボルト94が順次差し込まれる。
第2シート取付孔91から突出されたねじ部94aがシートナット93にねじ結合され、外取付ブラケット95がクロスメンバー31の右端部31bに取り付けられている。
【0044】
シートナット93およびシートボルト94でシート締結手段92が構成されている。
すなわち、シートナット93にシートボルト94をねじ結合することで、シート取付片81がシート締結手段92に連結されている。
【0045】
ここで、外側右バルクヘッド34の隔壁部71からシート取付片81を比較的離して配置することで、シートナット93を、後述する前後のガセットナット98,102から離すことが可能になる。
これにより、図7に示すガセット18に干渉させることなく、右シート22をクロスメンバー31に取り付けることができる。
【0046】
また、折曲部72からクロスメンバー31に沿って前後のガセット取付片82,83が張り出されている。
前ガセット取付片82は、前折曲部位72bの略中央部からクロスメンバー31の前壁部42に沿って張り出された突片である。
この前ガセット取付片82は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45と同軸上に前第2ガセット取付孔97が形成されている。
前ガセット取付片82には、前第2ガセット取付孔97と同軸上で、かつクロスメンバー31の前壁部42と反対側の面に前ガセットナット98が設けられている(溶接されている)。
【0047】
後ガセット取付片83は、後折曲部位72cの略中央部からクロスメンバー31の後壁部43に沿って張り出された突片である。
この後ガセット取付片83は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46と同軸上に後第2ガセット取付孔101が形成されている。
後ガセット取付片83には、後第2ガセット取付孔101と同軸上で、かつクロスメンバー31の後壁部43と反対側の面に後ガセットナット102が設けられている(溶接されている)。
【0048】
前後のガセットナット98,102は、ガセット18(図6参照)をクロスメンバー31の右端部31bに取り付けるためのナットである。
【0049】
図3に戻って、内側右バルクヘッド35は、外側右バルクヘッド34に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の中央右寄り部31cに設けられている。
この内側右バルクヘッド35は、隔壁部131の外周に折曲部132が設けられ、折曲部132にシート取付片138が設けられ、シート取付片138にシートナット93が設けられている。
【0050】
シートナット93は、クロスメンバー31の内右第1シート取付孔(第1取付孔)52に同軸上に配置されている。
この内右第1シート取付孔52に、図2に示す右シート22の内取付ブラケット147の取付孔147aが同軸上に配置されている。
【0051】
この取付孔147aおよび内右第1シート取付孔52にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット147がクロスメンバー31の中央右寄り部31cに取り付けられている。
【0052】
図2に示す右シート22の外取付ブラケット95をクロスメンバー31の右端部31bに取り付け、かつ、右シート22の内取付ブラケット147をクロスメンバー31の中央右寄り部31cに取り付けることで、クロスメンバー31の右半部に右シート22が取り付けられている。
【0053】
外側左バルクヘッド36は、内側右バルクヘッド35に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の左端部31aに設けられている。
この外側左バルクヘッド36は、隔壁部151の外周に折曲部152が設けられ、折曲部152にシート取付片158が設けられ、シート取付片158にシートナット93が設けられている。
【0054】
シートナット93は、クロスメンバー31の外左第1シート取付孔(第1取付孔)53に同軸上に配置されている。
この外左第1シート取付孔53に、図2に示す左シート21の外取付ブラケット148の取付孔148aが同軸上に配置されている。
【0055】
この取付孔148aおよび外左第1シート取付孔53にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、外左第1シート取付孔53がクロスメンバー31の左端部31aに取り付けられている。
【0056】
内側左バルクヘッド37は、外側左バルクヘッド36に類似した補強用の部材で、クロスメンバー31の中央左寄り部31dに設けられている。
この内側左バルクヘッド37は、隔壁部161の外周に折曲部162が設けられ、折曲部162にシート取付片168が設けられ、シート取付片168にシートナット93が設けられている。
【0057】
シートナット93は、クロスメンバー31の内左第1シート取付孔(第1取付孔)54に同軸上に配置されている。
この内左第1シート取付孔54に、図2に示す左シート21の内取付ブラケット149の取付孔149aが同軸上に配置されている。
【0058】
この取付孔149aおよび内左第1シート取付孔54にシートボルト94(図2参照)が差し込まれ、シートナット93にねじ結合されている。
シートボルト94およびシートナット93で、内取付ブラケット149がクロスメンバー31の中央左寄り部31dに取り付けられている。
【0059】
図2に示す左シート21の外取付ブラケット148をクロスメンバー31の左端部31aに取り付け、かつ、左シート21の内取付ブラケット149をクロスメンバー31の中央左寄り部31dに取り付けることで、クロスメンバー31の左半部に左シート21が取り付けられている。
【0060】
図6は本発明に係る車体構造を示す斜視図、図7は本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
クロスメンバー31の右端部31bがガセット18で右サイドシル13に連結されている。
ガセット18は、右サイドシル13から外側右バルクヘッド34まで延出されたガセット本体105と、外端部18aに設けられた前後の取付部106,107と、内端部18bに設けられた前後のアーム部108,109とを備えている。
【0061】
ガセット本体105は、右サイドシル13から外側右バルクヘッド34に向けて上り勾配に延出されたガセット傾斜部111と、ガセット傾斜部111の内端部18bから隔壁部71に沿って略鉛直に立ち上げられたガセット立上部112とを備えている。
ガセット立上部112は、当接部85に対向するように配置されている。
【0062】
ガセット立上部112の上端部(すなわち、ガセット18の内端部)18bからガセット傾斜部111の外端部(すなわち、ガセット18の外端部)18aまで剛性ビード114が外側右バルクヘッド34の隔壁部71やフロアパネル15に向けて膨出されている。
【0063】
剛性ビード114は、ガセット立上部112から当接部85に向けて膨出された立上ビード部(当接部に当接する部位)115と、ガセット傾斜部111から下方(すなわち、フロアパネル15)に向けて膨出された傾斜ビード部116とを備えている。
立上ビード部115および傾斜ビード部116は連続的に一体形成されている。
【0064】
立上ビード部115は、当接部85に対向して配置され、後述するようにガセット18が回動することで当接部85に当接可能な部位である。
この立上ビード部115は、ビード幅Wが下端部から上端部に向かうにつれて徐々に大きくなるように、下端部のビード幅W1、上端部のビード幅W2に形成されている。
【0065】
前取付部106は、ガセット18の外端部18aにおいて、ガセット本体105の外前辺105aから車体前方向に張り出された張出片である。
前取付部106には、右サイドシル13に取り付ける(固定する)ための前取付孔106aが形成されている。
【0066】
後取付部107は、ガセット18の外端部18aにおいて、ガセット本体105の外後辺105bから車体後方向に張り出された張出片である。
後取付部107には、右サイドシル13に取り付ける(固定する)ための後取付孔107aが形成されている。
【0067】
前取付孔106aにボルト121が差し込まれ、前取付孔106aから突出したねじ部121aが右サイドシル13の前取付孔13aに差し込まれ、ナット122にねじ結合されている。
このナット122は、前取付孔13aに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
【0068】
また、後取付孔107aにボルト121が差し込まれ、後取付孔107aから突出したねじ部121aが右サイドシル13の後取付孔13bに差し込まれ、ナット122にねじ結合されている。
このナット122は、後取付孔13bに同軸に配置された状態で右サイドシル13(インナパネル25の上面壁部25a)に溶接されている。
【0069】
このように、前後のボルト121を前後のナット122にそれぞれねじ結合することで、前後の取付部106,107(すなわち、ガセット18の外端部18a)が、右サイドシル13(具体的には、インナパネル25の上面壁部25a)に取り付けられている(固定されている)。
【0070】
前アーム部108は、ガセット18の内端部18bにおいて、ガセット本体105の内前辺(前辺)105cからクロスメンバー31の前壁部42に向けて張り出され、前壁部42の外面に沿って配置された突片である。
前アーム部108には、前第3ガセット取付孔124が形成されている。
前第3ガセット取付孔124は、クロスメンバー31の前第1ガセット取付孔45に対して同軸上に配置可能な孔である。
【0071】
後アーム部109は、ガセット18の内端部18bにおいて、ガセット本体105の内後辺(後辺)105dからクロスメンバー31の後壁部43に向けて張り出され、後壁部43の外面に沿って配置された突片である。
後アーム部109には、後第3ガセット取付孔125が形成されている。
後第3ガセット取付孔125は、クロスメンバー31の後第1ガセット取付孔46(図4参照)に対して同軸上に配置可能な孔である。
【0072】
前第3ガセット取付孔124にガセットボルト127が差し込まれ、前第3ガセット取付孔124から突出したねじ部127aが、前第1ガセット取付孔45および前第2ガセット取付孔97を経て前ガセットナット98にねじ結合されている。
【0073】
また、後第3ガセット取付孔125にガセットボルト127が差し込まれ、後第3ガセット取付孔125から突出したねじ部127aが後第1ガセット取付孔46(図4参照)および後第2ガセット取付孔101を経て後ガセットナット102(図5参照)にねじ結合されている。
【0074】
前後のガセットボルト127はそれぞれ同軸上に配置されている。
よって、前後のアーム部108,109が、クロスメンバー31の前後の壁部42,43を挟み込んだ状態で前後のガセットボルト127に回動自在に支持されている。
【0075】
ここで、前側のガセットボルト127、前側のガセットナット98、後側のガセットボルト127および後側のガセットナット102(図5参照)でガセット締結手段(締結手段)126が構成されている。
すなわち、ガセット18は、内端部18bがクロスメンバー31の右端部31bにガセット締結手段126で回動自在に連結されている。
【0076】
図8は本発明に係る車体構造のガセットを示す正面図、図9は図8のガセットを一部破断した状態で示す断面図である。
クロスメンバー31の右端部31bにガセット18の内端部18b(具体的には、前後のアーム部108,109)がガセット締結手段126で回動自在に連結され、右サイドシル13にガセット18の外端部18aが取り付けられている(固定されている)。
また、クロスメンバー31の右端部31bに外側右バルクヘッド34が設けられ、外側右バルクヘッド34に当接部85が設けられている。さらに、この当接部85がガセット18の立上ビード部115に対向するように配置されている。
【0077】
また、図1に示すように、右サイドシル13の前端部にフロントピラー26が立設され、右サイドシル13の中央部にセンタピラー27が立設されている。
よって、センタピラー27に衝撃荷重Fが作用した場合、右サイドシル13を矢印Aの如く時計回り方向に回転させようとする荷重が作用する。
【0078】
そして、右サイドシル13に作用した荷重がガセット18の外端部18aに伝わる。すなわち、ガセット18を前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く時計回り方向に回動させようとする荷重がガセット18に作用する。
ガセット18が前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く僅かに回動することで、ガセット18の立上ビード部115が当接部85に当接する。
【0079】
立上ビード部115が当接部85に当接することで、ガセット18の回動が阻止される。
ガセット18の回動を阻止することで、右サイドシル13がガセット18で支えられる。
これにより、右サイドシル13に作用した衝撃荷重Fは、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えられ、クロスメンバー31で良好に支えられる。
【0080】
また、衝撃荷重Fをガセット18および当接部85を経てクロスメンバー31に伝えるようにした。
よって、ガセット18をクロスメンバー31に取り付けるボルトや溶接などの締結手段のみに依存することなくクロスメンバー31に衝撃荷重Fを伝えることができる。
【0081】
これにより、クロスメンバー31にガセット18を取り付けるガセット締結手段126の個数を減らすことが可能になる。
これにより、右サイドシル13およびクロスメンバー31を連結するガセット18を手間をかけないで簡単に取り付けることができる。
【0082】
また、クロスメンバー31の右端部開口66(図4参照)を外側右バルクヘッド34で塞ぎ、外側右バルクヘッド34の隔壁部71に当接部85を備えた。
よって、ガセット18を経て当接部85に伝えられた衝撃荷重Fを、当接部85から隔壁部71を経てクロスメンバー31の全体に伝えることができる。
これにより、衝撃荷重Fをクロスメンバー31の全体に分散することが可能になり、クロスメンバー31で衝撃荷重Fを効率よく支えることができる。
【0083】
ここで、ガセット18のガセット本体105を右サイドシル13から外側右バルクヘッド34まで延出させた。また、ガセット本体105のガセット立上部112から当接部85に向けて剛性ビード114を膨出し、剛性ビード114を外端部18aまで延出した。
これにより、ガセット18の剛性を剛性ビード114で高めることが可能になり、右サイドシル13に作用した衝撃荷重Fをガセット18でクロスメンバー31に一層効率よく伝えることができる。
【0084】
図6、図7に戻って、ガセット18の内端部18bに前後のアーム部108,109を備え、前後のアーム部108,109をクロスメンバー31の前後の壁部42,43の外面に沿って配置した。
そして、前後のアーム部108,109を前後の壁部42,43にそれぞれガセット締結手段126で回動自在に連結した。
【0085】
このように、クロスメンバー31の前後の壁部42,43を挟み込むように前後のアーム部108,109を配置することで、衝撃荷重Fを前後のアーム部108,109に均等にバランスよく伝えることができる。
これにより、前後のアーム部108,109をガセット締結手段126を軸にして回転させて、ガセット18を当接部85に良好に当接させることができる。
【0086】
また、ガセット18の剛性ビード114のうち、当接部85に当接する部位(すなわち、立上ビード部)115のビード幅Wを、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成した。
よって、当接部85に当接する剛性ビード114の面積を大きく確保でき、剛性ビード114を当接部85の全域に確実に当接させることができる。
これにより、衝撃荷重Fを剛性ビード114から当接部85に効率よく伝達させることができる。
【0087】
図4に戻って、外側右バルクヘッド34に前上接合片74を介してシート取付片81を備えた。このシート取付片81を、クロスメンバー31の前壁部42に沿って前上接合片74から張り出した。
そして、このシート取付片81をシート締結手段92に連結した。シート締結手段92は、右シート22の外取付ブラケット95を締結するものである。
【0088】
よって、図9に示すガセット18が当接部85に当接して、外側右バルクヘッド34に衝撃荷重F(図8参照)が伝えられた場合に、衝撃荷重Fをシート取付片81を経てシート締結手段92に伝えることができる。
これにより、シート締結手段92に衝撃荷重Fを分散させて一層良好に支えることができる。
【0089】
つぎに、車体構造10に相手車両が側面衝突した例を図10〜図11に基づいて説明する。
図10(a),(b)は本発明に係る車体構造に相手車両が側面衝突した例について説明する図である。
(a)において、車体構造10に相手車両が側面衝突して、センタピラー27に衝撃荷重Fが作用する。
センタピラー27に衝撃荷重Fが作用することで、右サイドシル13を矢印Aの如く時計回り方向に回転させようとする荷重が作用する。
【0090】
(b)において、右サイドシル13に作用した荷重が前後のボルト121を経てガセット18の外端部18aに伝わる。
ガセット18の外端部18aに荷重が伝わることで、ガセット18を前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く時計回り方向に回動させようとする荷重が作用する。
【0091】
図11は本発明に係るガセットでクロスメンバーに衝撃荷重を伝える例について説明する図である。
ガセット18が前後のガセットボルト127を軸にして矢印Bの如く僅かに回動して、ガセット18の立上ビード部115が当接部85に当接する。
立上ビード部115が当接部85に当接することで、ガセット18の回動が阻止される。ガセット18の回動を阻止することで、右サイドシル13がガセット18で支えられる。
【0092】
さらに、立上ビード部115が当接部85に当接することで、クロスメンバー31の右端部31bを前後のガセットボルト127および立上ビード部115で支えることができる。
よって、クロスメンバー31が下方に下がることをガセット18で阻止することができる。
【0093】
このように、ガセット18が回動することを阻止するとともに、クロスメンバー31が下がることを阻止することで、右サイドシル13に作用した衝撃荷重を、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えることができる。
これにより、ガセット18を経てクロスメンバー31に伝えられた衝撃荷重を、クロスメンバー31で良好に支えることができる。
【0094】
なお、前記実施の形態では、外側右バルクヘッド34のシート取付片81をクロスメンバー31の前壁部42に沿って張り出した例について発明したが、これに限らないで、シート取付片81をクロスメンバー31の後壁部43に沿って張り出すことも可能である。
また、一対のシート取付片81をクロスメンバー31の前後の壁部42,43に沿ってそれぞれ張り出すことも可能である。
【0095】
また、前記実施の形態で示したクロスメンバー31、外側右バルクヘッド34、内側右バルクヘッド35、外側左バルクヘッド36や内側左バルクヘッド37の形状などは例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、車体前後方向に向いてサイドシルを設け、サイドシルに対して略直交する方向に向けてクロスメンバーを設けた車体構造を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明に係る車体構造を示す側面図である。
【図2】本発明に係る車体構造からシートを外した状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車体構造のクロスメンバーユニットを示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る車体構造のクロスメンバーおよび外側右バルクヘッドの関係を示す分解斜視図である。
【図5】図4の外側右バルクヘッドを車体後方から見た状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る車体構造を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る車体構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明に係る車体構造のガセットを示す正面図である。
【図9】図8のガセットを一部破断した状態で示す断面図である。
【図10】本発明に係る車体構造に相手車両が側面衝突した例について説明する図である。
【図11】本発明に係るガセットでクロスメンバーに衝撃荷重を伝える例について説明する図である。
【符号の説明】
【0098】
10…車体構造、13…右サイドシル(サイドシル)、15…フロアパネル、15b…フロアパネルの右側部(側部)、18…ガセット、18a…ガセットの外端部、18b…ガセットの内端部、22…右シート(シート)、31…クロスメンバー、31b…クロスメンバーの右端部(端部)、34…外側右バルクヘッド(バルクヘッド)、42…前壁部、43…後壁部、66…クロスメンバーの右端部開口(端部開口)、71…隔壁部、73…上接合片(接合片)、74…前上接合片(接合片)、75…前下接合片(接合片)、76…後上接合片(接合片)、77…後下接合片(接合片)、81…シート取付片、85…当接部、92…シート締結手段、105…ガセット本体、105c…ガセット本体の内前辺(前辺)、105d…ガセット本体の内後辺(後辺)、108…前アーム部、109…後アーム部、112…立上部、114…剛性ビード、115…立上ビード部(当接部に当接する部位)、126…ガセット締結手段(締結手段)、F…衝撃荷重、W…ビード幅。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前後方向に向いて設けられ、フロアパネルの側部を支持するサイドシルと、
前記サイドシルに対して略直交する方向に向けて、前記フロアパネルに沿って設けられた断面略逆U字状のクロスメンバーと、
前記クロスメンバーに内端部が締結手段で回動自在に連結されるとともに、前記サイドシルに外端部が固定されることで前記サイドシルに前記クロスメンバーを連結するガセットと、
前記ガセットと対向する当接部を有し、前記クロスメンバーの端部に設けられた補強用のバルクヘッドと、
を備え、
前記当接部に前記ガセットが当接して前記ガセットの回動を阻止することを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記バルクヘッドは、
前記クロスメンバーの端部開口を塞ぎ、かつ前記ガセットに向けて突出された当接部を有する隔壁部と、
前記隔壁部の外周から前記クロスメンバーに沿って張り出され、前記クロスメンバーに接合可能な接合片と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
【請求項3】
前記ガセットの内端部は、
前記クロスメンバーの前後の壁部に沿って配置された前後のアーム部を有し、
前記前後のアーム部が、前記クロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ前記締結手段で連結されたことを特徴とする請求項2記載の車体構造。
【請求項4】
前記バルクヘッドは、
前記クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って前記接合片から張り出されたシート取付片を有し、
前記シート取付片が、シートを取り付けるシート締結手段に連結されたことを特徴とする請求項3記載の車体構造。
【請求項5】
前記ガセットは、
前記サイドシルから前記バルクヘッドまでガセット本体が延出され、
前記ガセット本体の前記内端部に、前記隔壁部に沿ってガセット立上部が略鉛直に立ち上げられ、
前記ガセット立上部から前記当接部に向けて剛性ビードが膨出されるとともに、前記剛性ビードが外端部まで延出され、
前記ガセット本体の前後の辺から前記前後のアーム部がそれぞれ張り出されたことを特徴とする請求項4記載の車体構造。
【請求項6】
前記剛性ビードは、
前記当接部に当接する部位のビード幅が、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項5記載の車体構造。
【請求項1】
車体前後方向に向いて設けられ、フロアパネルの側部を支持するサイドシルと、
前記サイドシルに対して略直交する方向に向けて、前記フロアパネルに沿って設けられた断面略逆U字状のクロスメンバーと、
前記クロスメンバーに内端部が締結手段で回動自在に連結されるとともに、前記サイドシルに外端部が固定されることで前記サイドシルに前記クロスメンバーを連結するガセットと、
前記ガセットと対向する当接部を有し、前記クロスメンバーの端部に設けられた補強用のバルクヘッドと、
を備え、
前記当接部に前記ガセットが当接して前記ガセットの回動を阻止することを特徴とする車体構造。
【請求項2】
前記バルクヘッドは、
前記クロスメンバーの端部開口を塞ぎ、かつ前記ガセットに向けて突出された当接部を有する隔壁部と、
前記隔壁部の外周から前記クロスメンバーに沿って張り出され、前記クロスメンバーに接合可能な接合片と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の車体構造。
【請求項3】
前記ガセットの内端部は、
前記クロスメンバーの前後の壁部に沿って配置された前後のアーム部を有し、
前記前後のアーム部が、前記クロスメンバーの前後の壁部にそれぞれ前記締結手段で連結されたことを特徴とする請求項2記載の車体構造。
【請求項4】
前記バルクヘッドは、
前記クロスメンバーの前後の壁部のうち、少なくとも一方の壁部に沿って前記接合片から張り出されたシート取付片を有し、
前記シート取付片が、シートを取り付けるシート締結手段に連結されたことを特徴とする請求項3記載の車体構造。
【請求項5】
前記ガセットは、
前記サイドシルから前記バルクヘッドまでガセット本体が延出され、
前記ガセット本体の前記内端部に、前記隔壁部に沿ってガセット立上部が略鉛直に立ち上げられ、
前記ガセット立上部から前記当接部に向けて剛性ビードが膨出されるとともに、前記剛性ビードが外端部まで延出され、
前記ガセット本体の前後の辺から前記前後のアーム部がそれぞれ張り出されたことを特徴とする請求項4記載の車体構造。
【請求項6】
前記剛性ビードは、
前記当接部に当接する部位のビード幅が、上方に向かうにつれて徐々に大きくなるように形成されたことを特徴とする請求項5記載の車体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−36810(P2010−36810A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204572(P2008−204572)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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