説明

車載用受信装置

【課題】 弱電界地域で受信する場合には、受信感度を向上させるという本来の目的を達成しつつ、強電界地域では歪みを低減して受信エラーを無くし、また、複数種の信号を受信する場合の装置全体の取付を簡素化する。
【解決手段】 各第1の低雑音増幅器27からそれぞれ出力される地上デジタル放送信号をそれぞれ独立したケーブルを介して第1の受信処理部33に入力し、第2の低雑音増幅器23から出力される衛星信号を第1のケーブルの1つを介して第2の受信処理部34に入力し、第1の電波のレベルが所定値以上になったときにのみ少なくとも1つの第1の低雑音増幅器25に入力される地上デジタル放送信号のレベルを下げるかまたは0とし、少なくとも他の1つの第1の低雑音増幅器25には第1の電波のレベルの変化に関わらず地上波デジタル放送信号のレベルを変えることなく入力した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用テレビや携帯用テレビのように、移動しながら受信するのに好適な車載用受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4を参照して従来の車載用ダイバーシティ受信装置を説明する。受信空中戦1、5により受信された同一周波数OFDM方式の高周波信号は、受信高周波部2、6によりそれぞれ増幅され、混合器3、7に入力される。混合器3、7には局部発振器4、8から互いに異なるが近接した周波数の局部発振信号が与えられる。このため、混合器3、7からは互いに異なり、かつ近接した周波数の中間周波信号が出力される。各混合器3、7から出力される中間周波信号は合成器9において合成される。合成器9の出力からは同期回路10により受信装置内で使用されるクロックが再生されると共に、A/D変換器11によりデジタル信号が得られる。
【0003】
デジタル信号はFFT12によりOFDM信号を構成する各周波数の搬送波に対応した信号に変換され、合成回路13においてダイバーシティ合成され、搬送波復調回路14において各搬送波ごとに復調され、誤り訂正回路15による誤り訂正処理が施された後、デジタルの出力データとして出力される(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−041020号公報(図1)
【0005】
このようなダイバーシティ受信装置を車輌に設置してテレビジョン信号を受信し、さらにGPS信号等を受信する場合は、それぞれのアンテナを車輌のフロントガラス等に取り付け、ケーブルを介してアンテナを車両内の受信機本体に接続するようにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
移動体に搭載した受信装置でテレビジョン信号等を受信する場合には、移動に伴なう電界強度の変化の範囲が大きく、例えば、+10dBmから−90dBmまで変化する場合がある。このため、地上デジタルテレビジョン信号のような多数のキャリアを有するOFDM変調された信号を強電界地域で受信すると、受信高周波部内に設けられた増幅器が歪み、それによってC/Nが劣化して受信エラーが発生するという問題がある。
また、テレビジョン信号の他にもGPS信号を受信する場合には、アンテナと受信機本体とを接続するケーブルが多くなり、装置全体の取付が困難になるという問題がある。
【0007】
本発明は、弱電界地域で受信する場合には、受信感度を向上させるという本来の目的を達成しつつ、強電界地域では歪みを低減して受信エラーを無くし、また、複数の信号を受信する場合の装置全体の取付を簡素化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に対して、本発明の第1の解決手段として、地上デジタル放送用の第1の電波を受信する少なくとも2つ以上の第1のアンテナと、前記各第1のアンテナに対応してそれぞれ設けられた第1の低雑音増幅器と、前記各第1の低雑音増幅器からそれぞれ出力される地上デジタル放送信号を最大比合成する第1の受信処理部と、前記第1の電波とは周波数が異なり、衛星から送信される第2の電波を受信する第2のアンテナと、前記第2のアンテナに対応して設けられた第2の低雑音増幅器と、前記第2の低雑音増幅器から出力される衛星信号を処理する第2の受信処理部とを備え、前記各第1の低雑音増幅器からそれぞれ出力される前記地上デジタル放送信号をそれぞれ独立したケーブルを介して前記第1の受信処理部に入力し、前記第2の低雑音増幅器から出力される前記衛星信号を1つの前記ケーブルを介して前記第2の受信処理部に入力し、前記第1の電波のレベルが所定値以上になったときにのみ少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器に入力される前記地上デジタル放送信号のレベルを下げるかまたは0とし、少なくとも他の1つの前記第1の低雑音増幅器には前記第1の電波のレベルの変化に関わらず前記地上波デジタル放送信号のレベルを変えることなく入力した。
【0009】
また、第2の解決手段として、少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器の前段に可変減衰器を設け、前記第1の受信処理部には前記第1の電波のレベルが前記所定値以上の範囲で電圧が変化するAGC電圧を発生するためのAGC電圧発生回路を設け、前記AGC電圧によって前記可変減衰器の減衰量を制御した。
【0010】
また、第3の解決手段として、少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器には該低雑音増幅器を迂回するためのバイパス回路を並設し、前記第1の電波のレベルが前記所定値以上の時にのみ前記地上デジタル放送信号を前記少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器に入力せずに前記バイパス回路を介して出力した。
【0011】
また、第4の解決手段として、ユニット化されたアンテナモジュール内に少なくとも前記第1及び第2の低雑音増幅器を構成し、1つの前記ケーブルに電源電圧を重畳するための電源供給手段を前記ケーブルの出力側に設け、前記第1及び第2の低雑音増幅器に該ケーブルから電源を供給した。
【0012】
また、第5の解決手段として、前記第2のアンテナはGPSの電波を受信するアンテナであり、前記第2のアンテナを前記アンテナモジュール内に構成した。
【0013】
また、第6の解決手段として、前記アンテナモジュールと前記第1のアンテナとを車輌のフロントガラス又はリアガラスの内側に取り付けた。
【0014】
また、第7の解決手段として、前記第1のアンテナは2つであり、前記2つの第1のアンテナを前記アンテナモジュールの両側に互いに離間して取り付けた。
【発明の効果】
【0015】
第1の解決手段によれば、各第1の低雑音増幅器からそれぞれ出力される地上デジタル放送信号をそれぞれ独立したケーブルを介して第1の受信処理部に入力し、第2の低雑音増幅器から出力される衛星信号を1つのケーブルを介して第2の受信処理部に入力し、第1の電波のレベルが所定値以上になったときにのみ少なくとも1つの第1の低雑音増幅器に入力される地上デジタル放送信号のレベルを下げるかまたは0とし、少なくとも他の1つの第1の低雑音増幅器には第1の電波のレベルの変化に関わらず地上波デジタル放送信号のレベルを変えることなく入力したので、使用するケーブルの本数が少なくなる。また、地上デジタル放送信号のダイバーシティ受信に対しては、強電界時の歪み防止と弱電界持の同期維持が図られる。
【0016】
また、第2の解決手段によれば、少なくとも1つの第1の低雑音増幅器の前段に可変減衰器を設け、第1の受信処理部には第1の電波のレベルが所定値以上の範囲で電圧が変化するAGC電圧を発生するためのAGC電圧発生回路を設け、AGC電圧によって可変減衰器の減衰量を制御したので、強電界持に第1の低雑音増幅器に入力される地上デジタル放送信号のレベルを下げて歪み発生を防止できる。
【0017】
また、第3の解決手段によれば、少なくとも1つの第1の低雑音増幅器には該低雑音増幅器を迂回するためのバイパス回路を並設し、第1の電波のレベルが所定値以上の時にのみ地上デジタル放送信号を少なくとも1つの第1の低雑音増幅器に入力せずにバイパス回路を介して出力したので、強電界持には第1の低雑音増幅器に地上デジタル放送信号が入力されないので歪み発生を防止できる。
【0018】
また、第4の解決手段によれば、ユニット化されたアンテナモジュール内に少なくとも第1及び第2の低雑音増幅器を構成し、1つのケーブルに電源電圧を重畳するための電源供給手段をケーブルの出力側に設け、第1及び第2の低雑音増幅器に該ケーブルから電源を供給したので、アンテナモジュールと受信処理部との接続が簡単となり、車輌への取り付けが簡単となる。
【0019】
また、第5の解決手段によれば、第2のアンテナはGPSの電波を受信するアンテナであり、第2のアンテナをアンテナモジュール内に構成したので、アンテナモジュールを小型にできる。
【0020】
また、第6の解決手段によれば、アンテナモジュールと第1のアンテナとを車輌のフロントガラス又はリアガラスの内側に取り付けたので、アンテナモジュールからはケーブルによって受信処理部に接続するだけで装置が構成できる。
【0021】
また、第7の解決手段によれば、第1のアンテナは2つであり、2つの第1のアンテナをアンテナモジュールの両側に互いに離間して取り付けたので、ダイバーシティ受信が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1に示す第1の実施形態に従って本発明の車両用受信装置を説明する。車輌のフロントガラスやリアガラス等の内側に取り付けられるアンテナモジュール21には、第2のアンテナ22、第2のアンテナ22に接続された第2の低雑音増幅器(以下、LNA)23、合波器24、複数の第1のLNA25(図1には二つのLNA25a、25bを示す)、第1のLNA25bの前段に設けられた可変減衰器26等が構成される。また、アンテナモジュール21が取り付けられる同じフロントガラスやリアガラス等には、複数の第1のアンテナ27(図1には二つの第1のアンテナ27a、27bを示す)が取り付けられるが、これら各第1のアンテナ27はアンテナモジュール21内に構成された各第1のLNA25にそれぞれ結合されるが、少なくとも1つの第1のLNA25bの前段には可変減衰器26がもうけられ、少なくとも他の1つの第1のLNA25aは直接アンテナ27aに接続される。
【0023】
第2のアンテナ22は、衛星から送信される第2の電波、例えばGPS電波(位置、方位を特定するためにGPS衛星から放射される1.5GHzの電波)を受信する。第2のアンテナ22で受信された第2の電波の信号(例えば、GPS信号等の衛星信号)は、第2のLNA23を介して合波器24の一方の合波入力端に入力される。
【0024】
また、第1のアンテナ27は、地上デジタル放送用(テレビジョン放送又は音声放送)の第1の電波を受信する。従って第1の電波の周波数は第二の電波の周波数よりも低い。周波数は受信チャンネルに対応して10数倍の範囲で変わる。そして、何れか1つの第1のアンテナ27(図1では第1のアンテナ27a)で受信された第1の電波の信号(地上デジタル放送信号)は、第1のLNA25aを介して合波器24の他方の合波入力端に入力される。合波器24の合波出力端には第1のケーブル28が接続されているので、合波器24で合波された信号は第1のケーブル28に送出される。また、その他の第1のアンテナ27(図1では第1のアンテナ27b)で受信された第1の電波の信号(地上デジタル放送信号)は、可変減衰器26を介して第1のLNA25bに入力される。第1のLNA25bから出力される地上デジタル放送信号は第2のケーブル29に送出される。
【0025】
図2はアンテナモジュール21と第1のアンテナ27とをフロントガラスに取り付けた場合の取り付け位置の1例を示す。アンテナモジュール21は運転操作の妨げにならないようにフロントガラスの上部中央部分に取り付けられ、第1のアンテナ27a、27bはその両側に離間して取り付けられる。第1のアンテナ27はアンテナケーブル30によってアンテナモジュール21に接続される。
【0026】
再び図1の説明に戻る。車室内には受信装置本体部31が設置される。受信装置本体部31内には、分波器32、第1の受信処理部33、第2の受信処理部34が設けられる。分波器32は第1のケーブル28の出力端側に接続される。衛星信号が出力される一方の分波出力端は第2の受信処理部34に接続される。地上デジタル放送信号が出力される他方の分波出力端は第1の受信処理部33に接続される。また、第2のケーブル29の出力端は第1の受信処理部33に接続される。
【0027】
第1の受信処理部33には、図示はしないが、複数系統(図1では2系統となる)の選局手段(チューナ)及びそれらにそれぞれ縦続接続されたOFDM復調手段と、各OFDM復調信号を最大比合成(C/Nが最大となるように合成すること)する合成手段とが構成されている。
【0028】
また、第2の受信処理部34には、GPS信号を処理する機能が備えられる。従って、第2のアンテナ22と第2の受信処理部34との間の系統においては、少なくとも第2のアンテナ22と第2の受信処理部34とは、共にGPSに対応する構成とされる。つまり、第2のアンテナ22がGPS電波を受信するものであれば、第2の受信処理部34はGPS信号を処理する機能を有する。
【0029】
また、第1の受信処理部33には、第1の電波のレベルが所定値以上になったときにのみ電圧が変化するAGC電圧を出力するAGC電圧発生回路(図示せず)が設けられている。このAGC電圧は、可変減衰器26に供給されるように、第2のケーブル29に重畳される。また、受信装置本体部31には何れのケーブル(図1では第1のケーブル28)に電源電圧Bを重畳するための電源供給手段35(チョークインダクタ)が設けられる。第1のケーブル28に重畳された電源電圧はアンテナモジュール21内の第1及び第2のLNA25、23に供給される。
【0030】
以上の構成においては、第1のアンテナ27の何れか1つ(第1のアンテナ27a)で受信された地上デジタル放送信号と第2のアンテナ22で受信された衛星信号とが共通の第1のケーブル28を介して受信装置本体部31に出力されるようになっているので、アンテナモジュール21と受信装置本体部31とを接続するケーブルが1本少なくなる。
【0031】
また、少なくとも1つの第1のLNA25bが設けられた受信系統においては、第1の電波のレベル(電界強度)が所定値よりも低いときは、AGC電圧が一定値に保持され、地上デジタル放送信号は減衰することなく第1のLNA25bに入力される。そして、増幅された信号は第2のケーブル29を介して第1の受信処理部33に入力され、OFDM復調される。少なくとも他の1つの第1のLNA25aに対応して第1のアンテナ27aで受信された地上デジタル放送信号は第1のLNA25aで増幅され、第1のケーブル28を介して第1の受信処理部33に入力され、OFDM復調される。そして、各復調信号は最大比合成されるのでダイバーシティ受信装置として受信感度が向上する。
【0032】
また、電界強度が所定値よりも大きいときは、AGC電圧によって可変減衰器26の減衰量が受信強度の値に対応して増加し、減衰された地上デジタル放送信号が第1のLNA25bに入力される。従って、第1のLNA25bでは歪みを発生しないので第1の受信処理部31内のチューナではC/Nが悪化せず、復調段階以降での受信エラーが発生しない。また、第1のアンテナ27aでは電界強度の大きさの如何に関わらず常に信号を受信しているので、電界強度が弱くなってもOFDM復調後の合成段階で同期が外れることがない。
【0033】
図3は第2の実施形態を示す。図2においては、図1における可変減衰器26が省かれ、代わりに切替手段36と、第1のLNA25aに並設されたバイパス回路37とが設けられる。切替手段36は第1のアンテナ27bを第1のLNA25b又はバイパス回路37に接続する。また、第1の受信処理部33には、図示はしないが比較回路が設けられる。この比較回路は、切替手段36を切替制御するための切替信号を出力し、第2のケーブル29に重畳する。その他の構成は図1と同じである。
【0034】
以上説明した図3の構成においてもケーブルが1本少なくなることは図1と同じである。また、第1の電波のレベルが所定値以下のときは、第1のアンテナ27bは切替手段36によって第1のLNA25bに接続される。従って、第1のアンテナ27bで受信された地上デジタル放送信号は第1のLNA25bによって増幅され、第2のケーブル29を介して第1の受信処理部33に入力され、OFDM復調される。また、他の1つの第1のアンテナ27aでは電界強度の大きさの如何に関わらず常に第1の電波を受信しているので、OFDM復調後の合成段階で同期が外れることがなく、受信感度も向上する。
【0035】
また、第1の電波のレベルが所定値よりも大きいときは、第1のアンテナ27bは切替手段36によってバイパス回路37に接続される。従って、第1のアンテナ27bで受信された地上デジタル放送信号は第1のLNA25bには入力されず、バイパス回路37を介して出力される。よって、電界強度が大きくても第1のLNA25bによって歪みが発生せず、第1の受信処理部33ではC/Nが悪化せず、復調段階以降での受信エラーが発生しない。
【0036】
なお、図5、図6はそれぞれ図1、図2に対応する第3、第4の実施形態を示すものであり、少なくとも1つのLNA25bと少なくとも他の1つのLNA25aとの位置が逆となり、それに伴って、可変減衰器26とバイパス回路37の挿入位置が変更になっている。すなわち、図5においては、第1のアンテナ27aから出力される地上デジタル放送信号は可変減衰器26を介して少なくとも1つの第1のLNA25bに入力され、第1のLNA25bの出力信号は合波器24に入力される。また、第1のアンテナ27bから出力される地上デジタル放送信号は少なくとも他の1つの第1のLNA25aに入力され、第1のLNA25aの出力信号は第2のケーブル29に出力される。
【0037】
AGC電圧は第1のケーブル28を介して可変減衰器26に供給され、電源電圧は第2のケーブル29からLNA23、各LNA25に供給される。
【0038】
また、図6においては、図5の可変減衰器26の代わりに切替手段36とバイパス回路37が設けられる。そして、第1のケーブル28から切替手段36に切替信号が供給される。その他の構成は図5と同一である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の車載用受信装置における第1の実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の車載用受信装置の取り付け状態を示すイメージ図である。
【図3】本発明の車載用受信装置における第2の実施形態を示すブロック構成図である。
【図4】従来の車載用受信装置のブロック構成図である。
【図5】本発明の車載用受信装置における第3の実施形態を示すブロック構成図である。
【図6】本発明の車載用受信装置における第4の実施形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
【0040】
21:アンテナモジュール
22:第2のアンテナ
23:第2の低雑音増幅器
24:合波器
25:第1の低雑音増幅器
26:可変減衰器
27:第1のアンテナ
28:第1のケーブル
29:第2のケーブル
30:アンテナケーブル
31:受信装置本体部
32:分波器
33:第1の受信処理部
34:第2の受信処理部
35:電源供給手段
36:切替手段
37:バイパス回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上デジタル放送用の第1の電波を受信する少なくとも2つ以上の第1のアンテナと、前記各第1のアンテナに対応してそれぞれ設けられた第1の低雑音増幅器と、前記各第1の低雑音増幅器からそれぞれ出力される地上デジタル放送信号を最大比合成する第1の受信処理部と、前記第1の電波とは周波数が異なり、衛星から送信される第2の電波を受信する第2のアンテナと、前記第2のアンテナに対応して設けられた第2の低雑音増幅器と、前記第2の低雑音増幅器から出力される衛星信号を処理する第2の受信処理部とを備え、前記各第1の低雑音増幅器からそれぞれ出力される前記地上デジタル放送信号をそれぞれ独立したケーブルを介して前記第1の受信処理部に入力し、前記第2の低雑音増幅器から出力される前記衛星信号を1つの前記ケーブルを介して前記第2の受信処理部に入力し、前記第1の電波のレベルが所定値以上になったときにのみ少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器に入力される前記地上デジタル放送信号のレベルを下げるかまたは0とし、少なくとも他の1つの前記第1の低雑音増幅器には前記第1の電波のレベルの変化に関わらず前記地上波デジタル放送信号のレベルを変えることなく入力したことを特徴とする車載用受信装置。
【請求項2】
少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器の前段に可変減衰器を設け、前記第1の受信処理部には前記第1の電波のレベルが前記所定値以上の範囲で電圧が変化するAGC電圧を発生するためのAGC電圧発生回路を設け、前記AGC電圧によって前記可変減衰器の減衰量を制御したことを特徴とする請求項1に記載の車載用受信装置。
【請求項3】
少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器には該低雑音増幅器を迂回するためのバイパス回路を並設し、前記第1の電波のレベルが前記所定値以上の時にのみ前記地上デジタル放送信号を前記少なくとも1つの前記第1の低雑音増幅器に入力せずに前記バイパス回路を介して出力したことを特徴とする請求項1に記載の車載用受信装置。
【請求項4】
ユニット化されたアンテナモジュール内に少なくとも前記第1及び第2の低雑音増幅器を構成し、1つの前記ケーブルに電源電圧を重畳するための電源供給手段を前記ケーブルの出力側に設け、前記第1及び第2の低雑音増幅器に該ケーブルから電源を供給したことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車載用受信装置。
【請求項5】
前記第2のアンテナはGPSの電波を受信するアンテナであり、前記第2のアンテナを前記アンテナモジュール内に構成したことを特徴とする請求項4に記載の車載用受信装置。
【請求項6】
前記アンテナモジュールと前記第1のアンテナとを車輌のフロントガラス又はリアガラスの内側に取り付けたことを特徴とする請求項5に記載の車載用受信装置。
【請求項7】
前記第1のアンテナは2つであり、前記2つの第1のアンテナを前記アンテナモジュールの両側に互いに離間して取り付けたことを特徴とする請求項6に記載の車載用受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−211546(P2006−211546A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−23847(P2005−23847)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】