説明

転がり軸受、軸受装置、および電装装置

【課題】電食防止性能を向上させることができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】内周面に外輪軌道面8を有する外輪9と、外周面に内輪軌道面10を有する内輪11と、外輪軌道面8と内輪軌道面10との間に転動自在に配設される複数の転動体13と、を備える転がり軸受4であって、外輪8および内輪11の軸方向端部に、アース線18の端部が接続可能な凹部16,17が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、オルタネータ等の電装装置の回転支持部に用いられる転がり軸受、軸受装置、および電装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電装装置としてのオルタネータは、エンジンルームの省スペース化に伴い小型化される傾向にある。即ち、近年、FF車(前置エンジン前輪駆動車)の普及により、自動車を小型軽量化すると共に、居住空間を拡大する事が行なわれている。この居住空間の拡大によりエンジンルームの大きさが制限される為、エンジンルームに組み込むオルタネータを小型化する事が要求される。
【0003】
しかし、単に、オルタネータを小型化した場合、オルタネータの出力が低下し、自動車に必要な電力を確保する事ができない。そこで、この出力の低下を補う為に、オルタネータを構成する回転軸を高速で回転させる事が行なわれている。即ち、回転軸の中間部に固定したロータを高速で回転させる事により、オルタネータの発電量を増大させ、これにより、オルタネータを小型化すると共に、小型化に伴うオルタネータの出力の低下を補うようにしている。
【0004】
ところで、このようなオルタネータ等の電装装置の回転支持部に用いられる転がり軸受では、外輪と転動体との間、内輪と転動体との間で電食が生じないように、セラミック製の転動体を用いたものや、外輪の外周面に絶縁被膜を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2003−278744号公報
【特許文献2】特開平10−159841号公報
【特許文献3】特開平10−78041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1〜3では、セラミック製の転動体はコスト増につながり、また、前述のように回転軸を高速で回転させる必要があり、外輪の外周面に設けた絶縁被膜が劣化した場合や、より過酷な使用環境で転がり軸受を使用する場合等においては、電食防止性能が十分に機能せず、外輪と転動体との間、内輪と転動体との間に電食が発生してしまう問題があった。
【0007】
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電食防止性能を向上させることができる転がり軸受、軸受装置、および電装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した本発明の目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える転がり軸受であって、
前記外輪および前記内輪のうちの少なくとも一方の軌道輪の軸方向端部に、アース線の端部が接続可能な凹部が設けられる
ことを特徴とする転がり軸受。
(2) 内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備える転がり軸受であって、
前記シールド板に、アース線の端部が接続可能な凹部または凸部が設けられる
ことを特徴とする転がり軸受。
(3) 内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える軸受装置であって、
前記外輪および前記内輪のうちの固定輪の軸方向端部に一端部が取り付けられるアース線と、
前記外輪および前記内輪のうちの回転輪の軸方向端部に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記回転輪の軸方向端部側に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
(4) 内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備え、前記外輪が固定輪とされる軸受装置であって、
前記シールド板に一端部が取り付けられるアース線と、
前記内輪の軸方向端部に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記内輪の軸方向端部側に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
(5) 内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備え、前記内輪が固定輪とされる軸受装置であって、
前記内輪の軸方向端部に一端部が取り付けられるアース線と、
前記シールド板に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記シールド板側に軸方向に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
(6) 転がり軸受と、該転がり軸受の内輪に嵌合される回転軸と、前記転がり軸受の外輪に嵌合されるハウジングと、を備える電装装置であって、
前記ハウジングに一端部が取り付けられるアース線と、
前記回転軸に設けられる接点部材と、
該接点部材に摺動可能に配置され、前記アース線の他端部が電気的に接続される導電部材と、
を備える
ことを特徴とする電装装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、アース線を介して転がり軸受の転動体以外の部材に電気を導通させて接地することができるので、容易に、かつ低コストで転がり軸受の電食防止性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態である転がり軸受が組み込まれたオルタネータを説明するための断面図、図2は本発明の第1の実施形態である、外輪が固定輪とされた転がり軸受を説明するための要部断面図、図3は本発明の第1の実施形態である、内輪が固定輪とされた転がり軸受を説明するための要部断面図、図4は本発明の第1の実施形態である転がり軸受の変形例を説明するための要部断面図である。
【0012】
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態である転がり軸受が組み込まれたオルタネータについて説明する。
このオルアネータ1は、自動車の走行用エンジンを駆動源として、自動車に必要な発電を行なうもので、ハウジング2の内側には回転軸3が本発明の第1の実施形態である一対の転がり軸受4を介して回転自在に支持されている。回転軸3の中間部には、ロータ5と整流子6とが設けられている。
【0013】
回転軸3の一端部(図1の右端部)でハウジング2外に突出した部分には、従動プーリ7が固定されている。エンジンへの組み付け状態では、従動プーリ7に無端ベルトを掛け渡し、エンジンのクランクシャフトにより、回転軸3を回転駆動自在とする。
【0014】
本発明の第1の実施形態である転がり軸受4は、図2に示すように、内周面に外輪軌道面8を有する外輪9と、外周面に内輪軌道面10を有する内輪11と、内輪軌道面10と外輪軌道面8との間に保持器12を介して円周方向に転動可能に配設された複数の転動体13と、外輪9の軸方向の両端部内周部にそれぞれ装着されたシールド板15と、を備えて構成される。
【0015】
外輪9の内周面と内輪11の外周面との間の空間14にはグリース組成物が封入されており、このグリース組成物により外輪軌道面8及び内輪軌道面10と転動体13との転がり接触部を潤滑している。このように構成される転がり軸受4は、外輪9がハウジング2に内嵌され、内輪11が回転軸3に外嵌される事により、回転軸3をハウジング2に対して回転自在に支持する。
【0016】
ここで、外輪9の軸方向の一端面(図2の左端面)にアース線18の一端部が接続される接続穴(凹部)16が設けられるとともに、内輪11の軸方向の他端面(図2の右端面)にもアース線18の一端部が接続される接続穴(凹部)17が設けられている。なお、本実施形態では、接続穴16,17としているが、これに代えて、図4に示すように、接続溝16a,17aとしてもよい。
【0017】
そして、本実施形態では、外輪9が固定輪とされた内輪回転型の転がり軸受4であるため、外輪9の軸方向の一端面(図2の左端面)に設けられた接続穴16にアース線18の一端部を接続して、該アース線18の他端部を転がり軸受4以外の部材等に接地(GND)させている。
【0018】
これにより、アース線18を介して転がり軸受4の転動体13以外の部材に電気を導通させて接地することができるので、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0019】
なお、内輪11が固定輪とされた外輪回転型の転がり軸受4の場合には、図3に示すように、内輪11の軸方向の他端面(図2の右端面)に設けられた接続穴17にアース線18の一端部を接続して、該アース線18の他端部を転がり軸受4以外の部材等に接地(GND)させることで、上記同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施形態である転がり軸受について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0021】
本実施形態の転がり軸受24は、外輪9が固定輪とされた内輪回転型とされており、外輪9の軸方向の両端部内周面にそれぞれ装着された一対のシールド板18のうちのいずれか一方のシールド板18の軸方向外側を向く部位に、軸方向外方に突出する接続突起(凸部)25を設けている。
そして、接続突起25にアース線18の一端部を接続して、該アース線18の他端部を転がり軸受4以外の部材等に接地(GND)させている。
【0022】
これにより、アース線18を介して転がり軸受4の転動体13以外の部材に電気を導通させて接地することができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0023】
なお、本実施形態では、シールド板16に接続突起25を設けた場合を例示したが、これに代えて、シールド板16に接続溝や接続穴等の凹部を設けて、該凹部にアース線18の一端部を接続するようにしてもよい。
【0024】
(第3の実施形態)
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施形態である軸受装置について説明する。
なお、上記第1の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0025】
本実施形態の軸受装置34は、内輪11が固定輪とされた外輪回転型の転がり軸受4を
備えており、該転がり軸受4の内輪11の軸方向の一端面(図6の左端面)、および外輪9の軸方向の他端面(図6の右端面)には、それぞれアース線18の一端部が接続される接続穴や接続溝等の接続凹部35,36が設けられている。
【0026】
また、外輪9の軸方向の一端面(図6の左端面)には、板ばね等の導電部材37が外輪9に摺接可能に配置されており、該導電部材37は、圧縮コイルばね等の押圧部材38により外輪9側に押圧されて該外輪9の軸方向の一端面に押圧接触している。
【0027】
そして、本実施形態では、アース線18の一端が内輪11の接続凹部35に接続されるとともに、アース線18の他端が押圧部材38および導電部材37のうちのいずれか一方の部材(図では押圧部材38)に電気的に接続されている。
【0028】
これにより、外輪9の回転時においても導電部材37が外輪9に摺接するので、内輪11(外輪9)からアース線18を介して外輪9(内輪11)に電気が流れて転動体13に電気が流れないようにすることができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0029】
(第4の実施形態)
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施形態である軸受装置について説明する。
なお、上記第1および第3の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0030】
本実施形態の軸受装置44は、外輪9が固定輪とされた内輪回転型の転がり軸受4を備えており、該転がり軸受4の内輪11の軸方向の一端面(図7の左端面)、および外輪9の軸方向の他端面(図7の右端面)には、それぞれアース線18の一端部が接続される接続穴や接続溝等の接続凹部35,36が設けられている。
【0031】
また、内輪11の軸方向の他端面(図7の右端面)には、板ばね等の導電部材37が内輪11に摺接可能に配置されており、該導電部材37は、圧縮コイルばね等の押圧部材38により内輪11側に押圧されて該内輪11の軸方向の他端面に押圧接触している。
【0032】
そして、本実施形態では、アース線18の一端が外輪9の接続凹部36に接続されるとともに、アース線18の他端が押圧部材38および導電部材37のうちのいずれか一方の部材(図では押圧部材38)に電気的に接続されている。
【0033】
これにより、内輪11回転時においても導電部材37が内輪11に摺接するので、外輪9(内輪11)からアース線18を介して内輪11(外輪9)に電気が流れて転動体13に電気が流れないようにすることができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0034】
(第5の実施形態)
次に、図8を参照して、本発明の第5の実施形態である軸受装置について説明する。
なお、上記第1および第3の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0035】
本実施形態の軸受装置54は、内輪11が固定輪とされた外輪回転型の転がり軸受4を備えており、該転がり軸受4の内輪11の軸方向の一端面(図8の左端面)には、アース線18の一端部が接続される接続穴や接続溝等の接続凹部35が設けられている。
【0036】
また、軸方向の一端側(図8の左端側)のシールド板15の軸方向外側には、板ばね等の導電部材37がシールド板15に摺接可能に配置されており、該導電部材37は、圧縮コイルばね等の押圧部材38によりシールド板15側に押圧されて該シールド板15の軸方向外側の面に押圧接触している。
【0037】
そして、本実施形態では、アース線18の一端が内輪11の接続凹部35に接続されるとともに、アース線18の他端が押圧部材38および導電部材37のうちのいずれか一方の部材(図では押圧部材38)に電気的に接続されている。
【0038】
これにより、外輪9の回転に伴ってシールド板15が回転したときにおいても導電部材37がシールド板15に摺接するので、内輪11(外輪9)からアース線18およびシールド板15を介して外輪9(内輪11)に電気が流れて転動体13に電気が流れないようにすることができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0039】
(第6の実施形態)
次に、図9を参照して、本発明の第6の実施形態である軸受装置について説明する。
なお、上記第1および第3の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略または簡略化する。
【0040】
本実施形態の軸受装置64は、外輪9が固定輪とされた内輪回転型の転がり軸受4を備えており、軸方向の一端側(図9の右端側)のシールド板15には、アース線18の一端部が接続される接続穴や接続突起等の接続部65が設けられている。
【0041】
また、内輪11の軸方向の一端面(図9の右端面)には、板ばね等の導電部材37が内輪11に摺接可能に配置されており、該導電部材37は、圧縮コイルばね等の押圧部材38により内輪11側に押圧されて該内輪11の軸方向の一端面に押圧接触している。
【0042】
そして、本実施形態では、アース線18の一端がシールド板15の接続部65に接続されるとともに、アース線18の他端が押圧部材38および導電部材37のうちのいずれか一方の部材(図では押圧部材38)に電気的に接続されている。
【0043】
これにより、内輪11が回転したときにおいても導電部材37が内輪11に摺接するので、外輪9(内輪11)からシールド板15およびアース線18を介して内輪11(外輪9)に電気が流れて転動体13に電気が流れないようにすることができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0044】
(第7の実施形態)
次に、図10を参照して、本発明の第7の実施形態であるオルタネータについて説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複または相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0045】
本実施形態のオルタネータ(電装装置)70は、外輪9が固定輪とされた内輪回転型の転がり軸受4と、転がり軸受4の内輪11に内嵌される回転軸71と、転がり軸受4の外輪8に外嵌されるハウジング72と、を備える。
【0046】
回転軸71には、オルタネータ用のブラシ73とアース用のブラシ(接点部材)74とが設けられており、回転軸71のブラシ74の外周側には、導電部材75がブラシ74に対して摺動可能に配置されている。そして、ハウジング72にアース線18の一端部が接続され、該アース線18の他端が導電部材75に電気的に接続されている。
【0047】
これにより、ハウジング72(回転軸71)からアース線18および導電部材75を介して回転軸71(ハウジング72)に電気が流れて転動体13に電気が流れないようにすることができ、容易に、かつ低コストで転がり軸受4の電食防止性能を向上させることができる。
【0048】
なお、本発明の外輪、内輪、転動体、アース線、シールド板、凹部、凸部、導電部材、押圧部材、回転軸、ハウジング、接点部材等の構成は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0049】
例えば、上記各実施形態では、転動体として玉を用いた玉軸受に本発明を適用した場合を例示したが、これに限定されず、転動体として、ころを用いたころ軸受やその他の転がり軸受に本発明を適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態である転がり軸受が組み込まれたオルタネータの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である、外輪が固定輪とされた転がり軸受を説明するための要部断面図である。
【図3】本発明の第1の実施形態である、内輪が固定輪とされた転がり軸受を説明するための要部断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である転がり軸受の変形例を説明するための要部断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態である、外輪が固定輪とされた転がり軸受を説明するための要部断面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態である、内輪が固定輪とされた軸受装置を説明するための要部断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態である、外輪が固定輪とされた軸受装置を説明するための要部断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態である、内輪が固定輪とされた軸受装置を説明するための要部断面図である。
【図9】本発明の第6の実施形態である、外輪が固定輪とされた軸受装置を説明するための要部断面図である。
【図10】本発明の第7の実施形態であるオルタネータを説明するための要部断面図である。
【符号の説明】
【0051】
4,24 転がり軸受
8 外輪軌道面
9 外輪
10 内輪軌道面
11 内輪
13 転動体
15 シールド板
16,17 接続穴(凹部)
16a,17a 接続溝(凹部)
18 アース線
25 接続突起(凸部)
34,44,54,64 軸受装置
37 導電部材
38 押圧部材
70 オルタネータ(電装装置)
71 回転軸
72 ハウジング
74 ブラシ(接点部材)
75 導電部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える転がり軸受であって、
前記外輪および前記内輪のうちの少なくとも一方の軌道輪の軸方向端部に、アース線の端部が接続可能な凹部が設けられる
ことを特徴とする転がり軸受。
【請求項2】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備える転がり軸受であって、
前記シールド板に、アース線の端部が接続可能な凹部または凸部が設けられる
ことを特徴とする転がり軸受。
【請求項3】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、を備える軸受装置であって、
前記外輪および前記内輪のうちの固定輪の軸方向端部に一端部が取り付けられるアース線と、
前記外輪および前記内輪のうちの回転輪の軸方向端部に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記回転輪の軸方向端部側に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
【請求項4】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備え、前記外輪が固定輪とされる軸受装置であって、
前記シールド板に一端部が取り付けられるアース線と、
前記内輪の軸方向端部に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記内輪の軸方向端部側に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
【請求項5】
内周面に外輪軌道面を有する外輪と、外周面に内輪軌道面を有する内輪と、前記外輪軌道面と前記内輪軌道面との間に転動自在に配設される複数の転動体と、前記外輪の軸方向端部に装着されるシールド板と、を備え、前記内輪が固定輪とされる軸受装置であって、
前記内輪の軸方向端部に一端部が取り付けられるアース線と、
前記シールド板に接触可能な導電部材と、
該導電部材を前記シールド板側に軸方向に押圧する押圧部材と、
を備え、
前記導電部材および前記押圧部材のうちのいずれか一方の部材に前記アース線の他端部が電気的に接続される
ことを特徴とする軸受装置。
【請求項6】
転がり軸受と、該転がり軸受の内輪に嵌合される回転軸と、前記転がり軸受の外輪に嵌合されるハウジングと、を備える電装装置であって、
前記ハウジングに一端部が取り付けられるアース線と、
前記回転軸に設けられる接点部材と、
該接点部材に摺動可能に配置され、前記アース線の他端部が電気的に接続される導電部材と、
を備える
ことを特徴とする電装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−52587(P2009−52587A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217389(P2007−217389)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】