説明

軸受

【課題】Cu合金からなる基台にSn合金層からなる摺動面を備えた軸受において、Cu−Snからなる金属間化合物が形成されるのを抑制してSn合金層が基台に充分な剥離強度を以って保持される軸受を提供すること。
【解決手段】Cu合金からなる基台11にホワイトメタル層13からなる摺動面10を有する軸受1であって、前記基台11は前記摺動面10側に微細凹凸部15が形成されるとともに強磁性金属又はその合金からなるめっき層12が被覆され、前記めっき層12を介してホワイトメタル層13が形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Cu合金の基台にホワイトメタルをはじめとするSn合金層からなる摺動面が形成された軸受において、CuとSnとの金属間化合物の発生が抑制され、寿命を延ばすことが可能な軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、蒸気タービン、遠心圧縮機のような回転機械において、ローターのラジアル方向及びスラスト方向の力を支持するためにすべり軸受が広く用いられている。
すべり軸受は、炭素鋼からなる基台にホワイトメタルをはじめとするSn合金層からなる摺動面を形成して構成されるのが一般的であるが、軸受としての熱伝導性を向上させるためにCu合金の基台が用いられる場合がある。
【0003】
このように、Cu合金からなる基台にSn合金層からなる摺動面を形成した軸受は、使用中の温度上昇により軸受が50〜60℃になると、基台に含有されるCuと、Sn合金層中のSnが反応してCu−Snからなる柱状の金属間化合物を形成し、外力が付加されるとこの金属間化合物が起点となってSn合金層が剥離しやすいという問題がある。
そこで、Cu−Snからなる金属間化合物が形成されるのを抑制して、Cu合金からなる基台とSn合金層からなる摺動面を備えた軸受に関して耐剥離性を向上するための技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平8−135660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公開された技術によれば、耐剥離性を向上するために、Sn合金層の内部に網状に形成したSnめっき銅線、Al線あるいはAl合金線等を埋設するにあたって、基台と網状の線とを溶接することが必要となり、溶接に多くの工数が必要とされるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、Cu合金からなる基台にSn合金層からなる摺動面を備えた軸受において、Cu−Snからなる金属間化合物が形成されるのを抑制してSn合金層が基台に充分な剥離強度を以って保持される軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、Cu合金からなる基台にSn合金層からなる摺動面を有する軸受であって、前記基台は前記摺動面側に微細凹凸部が形成されるとともに強磁性金属又はその合金からなるめっき層が被覆され、前記めっき層を介してSn合金層が形成されていることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る軸受によれば、Cu合金からなる基台にホワイトメタルをはじめとするSn合金層が形成する場合に、基台の摺動面側に微細凹凸部を形成し、基台にNi(ニッケル)、Fe(鉄)、Co(コバルト)等の強磁性金属又はその合金からなるめっき層を被覆したうえでSn合金層が形成される。
その結果、基台に含有されるCuと摺動面に含有されるSnとの接触が抑制されてCu−Sn金属間化合物が形成され難くなり、かつ微細凹凸部によりめっき層が基台に充分な強度を以って保持されるのでSn合金層の剥離強度が向上する。
【0008】
この明細書において微細凹凸部とは、微細凹凸部を構成する凹凸の高さがSn合金層の厚さよりも小さく、例えば、微細凹凸部を形成した領域における微細凹凸部の表面積が微細凹凸部が形成されていない場合の1.5倍以上とされ、めっき層に接触面積増大による保持力の増大を付与するものをいう。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の軸受であって、前記微細凹凸部は、
高さH≧0.1mm
前記微細凹凸部の開口幅W≧1.5H
に形成されていることを特徴とする。
【0010】
この発明に係る軸受によれば、微細凹凸部の高さHが0.1mm以上であるので接触面積増大によるアンカー効果が向上し、開口幅W≧1.5Hであり微細凹凸部を構成している凸部と凸部の頂間距離が拡がっているので一の凸部の頂から他の凸部の頂に至るせん断起因破断が生じ難くなる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の軸受であって、
前記めっき層の厚さtは、
1μm≦t≦300μmとされ、
より好適には、10μm≦t≦100μm
とされることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る軸受によれば、めっき層の厚さtが1μm以上であるため、めっき層を貫通するめっき欠陥が形成されることが抑制され、また、めっき層の厚さtが300μm以下であるため、めっき層の残留応力に起因するせん断強度の低下が抑制される。
また、10μm≦t≦100μmである場合には、微細凹凸部の効果が発揮されるめっき層を安定して形成し易く、基台に含有されるCuと摺動面のSnとの反応を充分に抑制することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受であって、前記微細凹凸部は、前記摺動面における対象物の摺動方向と直交する方向に形成された凹溝からなることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る軸受によれば、微細凹凸部を構成する凹溝が、対象物の摺動方向と直交する方向に形成されているので、対象物の摺動に対して相対的に大きなせん断強度を確保することができSn合金層の剥離を抑制することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受であって、前記微細凹凸部は、前記面方向に点在して形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る軸受によれば、微細凹凸部が、面方向に点在して形成されているので、接触面積増大による効果が大きくなるとともに、特定の方向に偏ることなく大きなせん断強度が確保される。その結果、Sn合金層の剥離をより効率的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る軸受によれば、Cu−Snからなる金属間化合物の形成が抑制されるとともに、めっき層及びSn合金層が基台に充分に保持されるので、Sn合金層の剥離を抑制して軸受を長寿命化するとともに軸受の信頼性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図1、図2を参照し、この発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る軸受の第1の実施形態を示す図であり、符号1はラジアル軸受(以下、軸受という)を示している。また、図2は、軸受1の断面構成を示す図である。
【0019】
軸受1は、図1に示すように、所定の長さを有し内周及び外周が略半円状に形成された形態をなしており、内周側は回転軸の外周が回転自在に支持される摺動面10とされている。
軸受1は、基台11と、Ni(強磁性金属又はその合金)めっき層12と、ホワイトメタル(Sn合金)層13とを備えており、これらが外周側から順に配置され、長手方向略中央には周方向に所定の長さを有する油溝13Aが形成されている。
【0020】
基台11は、Cu合金により形成されており摺動面10側には複数の凹溝(微細凹凸部)15が基台11の摺動面10側全面にわたって形成されている。
凹溝15は、図1(B)に示すように、軸受1の長手方向、すなわち摺動面10に支持される回転軸(図示せず)の軸線方向に沿って、例えば、ホイール砥石工具等によって形成され、凹溝の底部から凸部の頂部までの高さH≧0.1(mm)、凹溝15を構成する凸部と凸部の開口部の幅W≧1.5Hとされている。
なお、凹溝15の、凹溝15が伸びる方向に直交する断面形状は、例えば、図2に示すような波形、台形、矩形等が選択して用いられる。
【0021】
めっき層12は、例えば、Ni(ニッケル)から構成され、基台11に形成された凹溝15に被覆されるとともにNiめっき層12の摺動面10側にはホワイトメタル層13が形成されている。
また、Niめっき層12は、厚さtが1μm以上300μm以下とされている。また、Niめっき層12は、厚さt10μm以上、100μm以下であることがより好適である。
【0022】
なお、Niめっきに関しては、添加物中のS(硫黄)成分の共析状態により分類される(1)純Ni/半光沢、(2)純Ni/光沢、(3)純Ni/無光沢のうちいずれを用いてもよいし、他の強磁性金属又はその合金からなる組成のめっき、例えば、Ni−Feめっき(Ni−5〜50mass%Fe)、Ni−W(タングステン)めっき(Ni−5〜50mass%W)、Ni−P(リン)めっき(Ni−1〜15mass%P)、Ni−Bめっき(Ni−1〜10mass%B)、純Feめっき等をNiめっきに代えて用いてもよい。
【0023】
ホワイトメタル層13は、めっき層12の表面に形成されており、軸受1の内周側が摺動面10とされていて、基台11にNiめっき12を被覆した後に、例えば、基台11にホワイトメタルを鋳造することにより形成されている。
なお、ホワイトメタルとしては、例えば、JIS H 5401のホワイトメタル第一種(1)、第二種(JW2)から第十種のものを用いることが可能であるが、摺動性能が確保されることを条件として、他のSn合金を用いることも可能である。
【0024】
第1の実施形態に係る軸受1によれば、基台11とホワイトメタル層13の間にNiめっき層12が形成されてCu−Sn金属間化合物の形成が抑制され、かつ凹溝15によりNiめっき層12が基台11に充分な強度を以って保持されるのでホワイトメタル層13に充分な剥離強度が確保できる。
【0025】
また、Niめっき層12は、厚さtが1μm以上とされているのでNiめっき層12を貫通するめっき欠陥が形成され難く、また、厚さtが300μm以下であるためNiめっき層12の残留応力に起因するせん断強度の低下が抑制される。
また、凹溝15が、高さHが0.1mm以上かつ開口幅W≧1.5Hであるため大きなせん断強度が確保される。また、凹溝15が、対象物の摺動方向と直交する方向に形成されているので摺動による作用力に対して大きなせん断強度を確保してホワイトメタル層13の剥離を抑制することができる。
その結果、軸受1を長寿命化するとともに信頼性を向上することができる。
【0026】
次に、この発明に係る軸受の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る軸受2が第1の実施形態と異なるのは、基台11に形成された微細凹凸部が軸受2の周方向、すなわち配置される図示しない回転軸の摺動方向に沿って形成される複数の凹溝16とされている点でありその他は同様であるため、説明を省略する。
【0027】
第2の実施形態に係る軸受2によれば、凹溝16が周方向に形成されているため、軸受2を周方向に回転させて凹溝16を形成することが可能とされ、加工コストが低減可能とされて摺動面における作用力が小さい軸受2を安価に提供することができる。
【0028】
次に、この発明に係る軸受の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る軸受3が第1の実施形態と異なるのは、基台11に形成された微細凹凸部が軸受3の周方向及び長手方向の双方と交差する方向に形成される複数の凹溝17である点であり、その他は同様であるため説明を省略する。
第3の実施形態に係る軸受3によれば、ラジアル方向及びスラスト方向の双方の負荷に対するせん断強度が大きく確保され、ラジアル、スラストの双方に負荷がかかる軸受として効果的に用いることができる。
また、軸受2同様、加工コストを安価とすることができる。
【0029】
次に、この発明に係る軸受の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態に係る軸受4が第1の実施形態と異なるのは、基台11に形成された微細凹凸部が軸受4の摺動面10の面方向に沿って点在する微細凹凸部18とされている点であり、その他は同様であるため説明を省略する。
また、微細凹凸部18は、例えば、ショットブラスト、金型による形状成形等により形成され、(1)微細凹凸部18を構成する凹部の底面に対して複数の凸部が形成された形態、(2)微細凹凸部18の凸部の頂面として複数の凹部が形成された形態、及び(1)、(2)が組み合わせられた形態のいずれを用いてもよい。
第4の実施形態に係る軸受4によれば、微細凹凸部18によりNiめっき層12との接触面積が大きく確保され、かつ微細凹凸部18に方向性がないため、ラジアル、スラストの双方向の作用力に対して大きなせん断強度を確保することができる。
【0030】
次に、この発明に係る軸受の第5の実施形態について説明する。
図4は、第5の実施形態に係る軸受5を用いた軸受構成体1Aを示す図であり、軸受5を、例えば、中心を通過する線により周方向に八分割して軸受構成体1Aを構成する円板20に固定したものであり、軸受5及び軸受構成体1Aは、回転軸に生じるスラスト力を受けるためのスラスト軸受である。なお、軸受5を、分割せずにそのまま使用するかどうか、また何分割するかは自在に設定可能である。
【0031】
軸受5は、Cu合金からなり円形平板の中央に円形穴が形成された基台21を備え、断面構成は図2で示した第1の実施形態同様とされている。すなわち、基台21の摺動面30側にNiめっき層12が被覆され、Niめっき層12を介してホワイトメタル層13が形成されている。
図5(A)は、軸受5を構成する基台21の摺動面30側に形成される微細凹凸部を示す図であり、基台21の内周側から外周に向かって漸次拡径しながら周回する渦巻き状の凹溝(微細凹凸部)25とされ、基台21の摺動面30側全面にわたって形成されている。
めっき層12、ホワイトメタル(Sn合金)層13は、軸受1と同様であるため説明を省略する。
【0032】
第5の実施形態に係る軸受5によれば、摺動による作用力と並行する方向に凹溝25が形成されているので、スラスト力に対して大きなせん断強度を確保してホワイトメタル層13の剥離を抑制し、軸受6の寿命を延ばすとともに信頼性を向上することができる。
また、凹溝25が渦巻状に形成されているので旋盤等によって容易に加工することが可能である。
【0033】
次に、この発明に係る軸受の第6の実施形態に係る軸受6について説明する。
図5(B)は、軸受6の基台21に形成される微細凹凸部を示す図であり、基台21の内周側から径方向外方に向かって放射状に伸びる凹溝(微細凹凸部)26とされている。その他は、軸受5と同様であるため説明を省略する。
【0034】
第6の実施形態に係る軸受6によれば、摺動による作用力と直交する方向に凹溝26が形成されているので、大きなせん断強度を確保してホワイトメタル層13の剥離を抑制して、軸受6の寿命を延ばすとともに信頼性を向上することができる。
【0035】
次に、この発明に係る軸受の第7の実施形態に係る軸受7について説明する。
図5(C)は、軸受7の基台21の摺動面30側に形成される微細凹凸部を示す図であり、摺動面30に沿う方向に点在する微細凹凸部27が形成されている。その他は、第5の実施形態に係る軸受5と同様であるため説明を省略する。
【0036】
また、微細凹凸部27は、微細凹凸部18と同様、例えば、ショットブラスト、金型による形状成形等により形成され、(1)微細凹凸部27を構成する凹部の底面に対して複数の凸部が形成された形態、(2)微細凹凸部27の凸部の頂面として複数の凹部が形成された形態、及び(1)、(2)が組み合わせられた形態のいずれを用いてもよい。
【0037】
第7の実施形態に係る軸受7によれば、微細凹凸部27は、Niめっき層12との接触面積が大きく確保されるとともに方向性がなくラジアル、スラストの双方向の作用力に対して大きなせん断強度を得られるのでホワイトメタル層13の剥離を抑制し、軸受7の寿命を延ばすとともに信頼性を向上することができる。
【0038】
次に、図6を参照して微細凹凸部がせん断強度に与える影響について説明する。
試験片は、Cr(クロム含有Cu合金)に、微細凹凸部として凹溝を形成し、凹溝を被覆するように厚さ20μmのNiめっき層を形成し、めっき層を被覆した後にホワイトメタル(JW2)層を形成した。
そして、試験片を温度120℃まで加熱し120℃で225時間保持し、その後160℃まで冷却し160℃で100時間保持したものを、JISG0601(2002)に基づいてせん断強度を測定した。
なお、凹溝は、凹溝をなす凸部が図6(A)に示すような台形とされている。
【0039】
図6(B)は、凹溝の高さH(mm)と、せん断強さ(MPa)との関係を示したものであり、凹溝の高さHが約0.1(mm)未満の場合には、せん断による破断が凹溝をなす両側の凸部の角部Eから角部Eに向かって発生し易いが、約0.1(mm)以上ではせん断強度が大幅に向上することが確認された。
【0040】
図6(C)は、凹部のW/H(幅/高さ)と、せん断強さ(MPa)との関係を示したものであり、凹部のW/H(幅/高さ)が、1.5未満の場合には、せん断による破断が凹溝をなす両側の凸部の角部Eから角部Eに向かって発生し易いが、1.5以上ではせん断強度が大幅に向上することが確認された。
以上のことから、高さH≧0.1mm、開口幅W≧1.5Hとすることが有効であることが確認された。
【0041】
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、微細凹凸部が高さH0.1mm以上かつ開口幅Wが1.5H以上である場合について説明したが、例えば、このうちのいずれか一方又は双方が上記条件を満足していなくてもよいことはいうまでもない。
【0042】
また、上記実施の形態においては、めっき層がNiめっき層とされ、めっき層の厚さが1μm以上300μm以下の場合について説明したが、めっき層の材あいつをそのNi合金、Ni以外の金属又はそれらの合金を用いためっき層を形成してもよいし、めっき層の厚さを1μm未満、又は300μmを超える構成としてもよい。
【0043】
また、上記実施の形態においては、微細凹凸部として凹溝、点在する微細凹凸部を用いる場合について説明したが、その他の形態の微細凹凸部を適用してもよい。
また、上記実施の形態においては、微細凹凸部が、基台11、21の摺動面側全面にわたって形成されている場合について説明したが、例えば、軸受の摺動方向の端部近傍等、摺動力が作用し易く剥離の起点となり易い一部の領域に微細形状部を形成する構成としてもよい。
【0044】
また、上記実施の形態においては、微細凹凸部が、機械加工等により形成される場合について説明したが、電子ビームをはじめとする物理的加工手段、又はエッチングをはじめとする化学的加工手段によって微細凹凸部を形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る軸受の第1の実施形態に係る軸受の概略構成を示す図であり、(A)は、軸受の斜視図を、(B)は、基台に形成される凹溝の概略を示す図である。
【図2】本発明にかかる軸受の断面を示す図である。
【図3】本発明に係る軸受を示す図であり、(A)は第2の実施形態に係る軸受の基台に形成される凹溝を、(B)は第3の実施形態に係る軸受の基台に形成される凹溝を、(C)は第4の実施形態に係る軸受の基台に形成される微細凹凸部である。
【図4】本発明の第5の実施形態に係るスラスト軸受構成体を摺動面の側から見た図である。
【図5】本発明に係るスラスト軸受の基台に形成する微細凹凸部を摺動面側から見た図であり、(A)は第5の実施形態に係る軸受の基台に形成される凹溝を、(B)は第6の実施形態に係る軸受の基台に形成される凹溝を、(C)は第7の実施形態に係る軸受の基台に形成される微細凹凸部である。
【図6】本発明の効果を説明する図であり、(A)は試験片に形成した凹溝の断面を、(B)は凹溝の高さHによる効果を、(C)は開口部の幅W/高さHによる効果を説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1、2、3、4 ラジアル軸受(軸受)
5、6、7 スラスト軸受(軸受)
10、30 摺動面
11、21 基台
12 Niめっき層
13 ホワイトメタル層(Sn合金層)
15、16、17 凹溝(微細凹凸部)
18 微細凹凸部
25、26 凹溝(微細凹凸部)
27 微細凹凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu合金からなる基台にSn合金層からなる摺動面を有する軸受であって、
前記基台は前記摺動面側に微細凹凸部が形成されるとともに強磁性金属又はその合金からなるめっき層が被覆され、
前記めっき層を介してSn合金層が形成されていることを特徴とする軸受。
【請求項2】
請求項1に記載の軸受であって、
前記微細凹凸部は、
高さH≧0.1mm
前記微細凹凸部の開口幅W≧1.5H
に形成されていることを特徴とする軸受。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の軸受であって、
前記めっき層の厚さtは、
1μm≦t≦300μmとされ、
より好適には、10μm≦t≦100μm
とされることを特徴とする軸受。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受であって、
前記微細凹凸部は、
前記摺動面における対象物の摺動方向と直交する方向に形成された凹溝からなることを特徴とする軸受。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軸受であって、
前記微細凹凸部は、前記面方向に点在して形成されていることを特徴とする軸受。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−228776(P2009−228776A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−74546(P2008−74546)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】