説明

軸受

【課題】軸受内外の圧力差によるシール部での吸着現象を防止できると共にグリースの漏洩や異物の浸入も防止できる軸受を提供すること。
【解決手段】軸受内部を軸受外部からシールするシール部5を備えた転がり軸受において、シール部5に軸受内部から軸受外部に至る穴5eを形成すると共に、穴5eの内部に穴5eを閉塞するように通気性フィルム6を設置した。通気性フィルム6は、クレイズを有する高分子樹脂フィルムであり、軸受内部と軸受外部との間で固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えた軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
軸受には、大きく分けて、転動体の転がり摩擦を利用した転がり軸受と、軸受と軸との間の滑り摩擦を利用した滑り軸受がある。
【0003】
転がり軸受では、軸受内部がグリースにより潤滑されるタイプが多く使用されている。軸受内部から外部へのグリースの漏洩及び軸受外部から内部への異物の侵入を防ぐために、このタイプの転がり軸受では軸受内部を軸受外部からシールしている。
【0004】
このシールの形式には、非接触型と接触型とがあり、よりシール性が求められる場合には接触型が用いられる。この接触型のシールは、環状のシール部の外周縁を外輪に固着し、内周縁のシールリップと呼ばれる部分を内輪に接触するように設置するものである。
【0005】
しかし、接触型シールが使用された転がり軸受では、高温時に軸受内部の空気が高圧になると空気が軸受外部に抜けやすい一方、低温時に軸受内部の空気が低圧になっても軸受外部から空気が軸受内部に流入しにくい。そのため、何ら対策を講じなければ、高温から低温への温度変化が生じた場合、軸受内部が外部に対して負圧になりシールリップが内輪に吸着するいわゆる吸着現象が発生する可能性がある。吸着現象が生じると軸受のトルクが大きくなったり、シールリップが摺動する面の発熱が大きくなり軸受温度上昇に繋がるという問題がある。
【0006】
特許文献1においては、シールリップ先端に1個ないし複数個の突起を設けることにより、突起周辺で軸受内部と外部が連通して空気が流通し、吸着現象を防止している。特許文献2及び3においては、シール部の外周面および軸受内部側の面に空気孔を設けることにより、軸受内部と外部が連通して空気が流通し、吸着現象を防止している。
【特許文献1】特開2000−257640号公報
【特許文献2】特開2000−065074号公報
【特許文献3】特開2002−364655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の1個ないし複数個の突起を設けた構造では、突起周辺を通じてグリースの漏洩や異物の浸入が生じる。また、軸受が使用されるにしたがって突起が摩耗し、吸着現象が防止できなくなる。特許文献2及び3における、シール部の外周面および軸受内部側の面に空気孔を設けた構造でも、この空気孔を通じて、グリースの漏洩や異物の浸入が生じる。また、特許文献2ではシール部の外周面又は軸受内部側の面のいずれか一方の面に空気孔を設けた構造も開示されているが、この場合は吸着現象が防止できなくなる。このような問題は、転がり軸受だけでなく、軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えた軸受に共通のものである。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、吸着現象を防止できると共にグリースの漏洩や異物の浸入も防止できる軸受を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1の発明は、軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えた軸受において、軸受内部と軸受外部との間で固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容する通気性フィルムを備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項1の発明によれば、軸受内部の空気圧が軸受外部より低圧になった場合、前記通気性フィルムを通して空気が軸受内部に流入し、軸受内部と軸受外部との間の空気圧差が解消され、吸着現象が防止される。また前記通気性フィルムにより、グリースの漏洩及び異物の侵入が防止される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記軸受が、外輪、内輪及び前記外輪と内輪との間に介在する転動体を有する転がり軸受であることを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明によれば、転がり軸受について請求項1と同様の作用及び効果が得られる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記シール部に軸受内部側から軸受外部側に至る穴を形成すると共に、当該穴の内部に当該穴を閉塞するように前記通気性フィルムを設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、シール部を利用して通気性フィルムによる通気構造が得られる。また、穴の内部に通気性フィルムを設けているため、軸受内部のグリースの流動に曝されることや軸受外部の異物等に衝突されることが少なく、通気性フィルムの寿命が延びる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記外輪又は内輪に軸受内部側から軸受外部側に至る穴を形成すると共に、当該穴の内部に当該穴を閉塞するように前記通気性フィルムを設けたことを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、穴が外輪又は内輪にあるため、穴の変形はほとんど起こらないため、通気性フィルムの寿命が延びる。
【0017】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記軸受の転動体が転動する軌道が前記外輪及び内輪のそれぞれにおいて二列であり、前記外輪又は内輪に形成された穴が前記軌道の間に位置することを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明によれば、二列の軌道の間のスペースを利用して、通気性フィルムによる通気構造が得られる。
【0019】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの1項の発明において、前記通気性フィルムが、クレイズを有する高分子樹脂フィルムであることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、クレイズを有する高分子樹脂フィルムは、固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容するので、請求項1と同様の作用及び効果が得られる。
【0021】
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記クレイズを、高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行な縞状に形成したことを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明によれば、クレイズは分子配向方向に生じ易いため、高分子樹脂フィルムに縞状のクレイズを容易に生成することができるので、クレイズを有する高分子樹脂フィルムを容易に入手できる。
【0023】
請求項8の発明は、請求項6又は7のいずれか1項の発明において、前記クレイズに添加剤層を形成したことを特徴とする。
【0024】
請求項8の発明によれば、添加剤層の種類に応じて通気性フィルムに種々の機能を発揮させることができる。例えば、添加剤層として安定剤を含有する層を形成して、通気性フィルムの耐久性を向上したり、可塑剤を含有する層を形成して、通気性フィルムの柔軟性を向上することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、吸着現象を防止できると共にグリースの漏洩や異物の浸入も防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図を参照しながら説明する。ただし、特に説明のない限り、軸方向、径方向は、軸受を基準にしたものとする。
【0027】
図1に本発明に係る第1実施形態の軸受を示す。この軸受は転がり軸受の1種の深溝玉軸受であり、図1(A)に示すように外輪1、内輪2、転動体としての玉3、保持器4及びシール部5を主な構成要素としている。外輪1はその内周面に玉3の軌道面1aを有し、内輪2はその外周面に玉3の軌道面2aを有する。軌道面1aと軌道面2aとの間に、複数の玉3が保持器4に保持された状態で配置されている。
【0028】
外輪1の内周面における軸方向の両端に段部1bと、この段部1bから軸受内部側に連続して取付溝1cが形成されている。これら段部1b及び取付溝1cと対応するように、内輪2の外周面における軸方向の両端に段部2bと、この段部2bから軸受内部側に連続してシール溝2cが形成されている。
【0029】
シール部5は、環状の板からなる補強用の芯金5bを有し、この芯金5bが弾性体部5aの中に埋め込まれて一体化されている。シール部5は、その外周縁部5cにて外輪1の取付溝1cに嵌着され、その内周縁部のシールリップ部5dにおける軸受内部側にて内輪2のシール溝2cに接触する。これにより、シール部5は軸受内部を軸受外部からシールする。軸受内部には潤滑剤、例えばグリースが封入されている。尚、軸受の軸方向両端側にあるシール部5、段部1b、2b、取付溝1c及びシール溝2cの構造は、軸受の軸方向中央位置を対称軸とする左右対称の関係である。
【0030】
シール部5には、径方向で玉3の中心と同位置に、軸受内部側から軸方向に軸受外部側に至る断面円形状の穴5eが形成されている。図1(B)及び(C)に示すように、穴5eにおける弾性体部5aと芯金5bとの境界の位置に通気性フィルム6が穴5eを閉塞するように設置されている。通気性フィルム6の周縁部が弾性体部5aと芯金5bと間で挟持されると共に固着されている。通気性フィルム6の穴5e内に露出している部分は円形状で、穴5eの軸に対して垂直である。
【0031】
通気性フィルム6は、後に詳述するように、固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容する特性をもつ。このため、軸受内部の空気圧が軸受外部より低圧になった場合、通気性フィルム6を通して空気が軸受内部に流入し、軸受内部と軸受外部との間の空気圧差が解消されるため、吸着現象が防止される。また通気性フィルム6により、軸受内部から外部へのグリースの漏洩及び軸受外部から内部への異物の侵入が防止される。
【0032】
穴5eは、本実施形態では、軸受における軸方向両端のシール部5の両方にあるが、一方のシール部5のみにあってもよい。穴5eの数は少なくとも2つのシール部5のいずれか一方に1つあればよく、上限は特に限定されない。穴5eの数が多いほど通気性が良くなる反面、シール部の強度が弱くなることを考慮して適宜決めればよい。穴5eの内径及び位置も限定されず、シール部5の強度と通気性から適宜決めればよい。また、穴5eの断面形状は必ずしも円形状でなくともよく、他の形状、例えば矩形状であってもよい。
【0033】
穴5eにおいて通気性フィルム6を設置する箇所は特に限定されず、通気性フィルム6は穴5eの任意の位置に設置することができる。また、穴5eの軸受内部側又は軸受外部側の開口部を覆うように設置してもよい。ただし、軸受外部側は異物等との衝突により、軸受内部側はグリースの流動に曝されることにより通気性フィルム6が劣化する可能性がある。従って穴5eの軸方向中間位置が好ましい。また、上記のように、弾性体部5aと芯金5bとの境界に設置する場合、弾性体部5aと芯金5bとを固着する工程において通気性フィルム6を配置するだけでよく、別途、通気性フィルム6を設置するための工程を追加する必要がない。
【0034】
図2に本発明に係る第2実施形態の軸受を示す。この軸受は転がり軸受の1種の複列アンギュラ玉軸受である。図1に示した深溝玉軸受と同様の構成要素には同じ符号を付し説明する。この複列アンギュラ玉軸受は、図2(A)に示すように外輪1、内輪2、転動体としての玉3、保持器4及びシール部5を主な構成要素としている。外輪1はその内周面に玉3の軌道面1aを2つ有し、内輪2はその外周面に玉3の軌道面2aを2つ有する。軌道面1aと軌道面2aとの間に、複数の玉3が保持器4に保持された状態で配置されている。軌道面1aと軌道面2aに対する玉3の接触角は30°である。シール部5、段部1b、2b、取付溝1c及びシール溝2cの構造は、図1に示した深溝玉軸受と同様なので説明を省略する。ただし、シール部5に穴5eは形成されていない。
【0035】
この第2実施形態では、外輪1の外周面における軸方向で中央の位置に、軸受内部側から径方向に軸受外部側に至る断面円形状の穴1dが形成されている。図2(B)及び(C)に示すように、この穴1dの軸方向中央の位置に樹脂や金属等で形成された円筒状の枠7と共に円形状の通気性フィルム6が穴1dを閉塞するように設置されている。通気性フィルム6の周縁部は枠7に固着され、枠7は穴1dの内周面に固着されている。通気性フィルム6の穴1dに露出している部分は円形状であり、穴1dの軸に対して垂直である。
【0036】
通気性フィルム6は、後に詳述するように、固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容する特性をもつため、第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0037】
穴1dの数は少なくとも1つあればよく、その上限は特に限定されず、数が多いほど通気性が良くなる反面、外輪1の強度が弱くなることを考慮して適宜決めればよい。穴1dの内径及び位置も限定されず、外輪1の強度と通気性から適宜決めればよい。また、穴1dの断面形状は必ずしも円形状でなくともよく、他の形状、例えば矩形状であってもよい。
【0038】
穴1dにおいて通気性フィルム6を設置する箇所は特に限定されず、通気性フィルム6は穴1dの任意の位置に設置することができる。また、穴5eの軸受内部側又は軸受外部側の開口部を覆うように設置してもよい。ただし、軸受外部側は異物等の衝突により、軸受内部側はグリースの流動に曝されることにより通気性フィルム6が劣化する可能性がある。従って、穴1dの軸方向中間位置が好ましい。また、上記のように複列アンギュラ玉軸受の外輪1の外周面における軸方向で中央の位置に設置する場合には、軌道面1aの強度に与える影響が少ない。
【0039】
以下、上述の通気性フィルム6について、図3及び図4に基づき詳述する。通気性フィルム6は、クレイズを有する高分子樹脂フィルム8であり、固体及び液体の通過は阻止するが、空気の通過は許容する特性を持つ。
【0040】
ここで言うクレイズとは、高分子樹脂フィルム8の表面に現れる表面クレイズとその内部に発生する内部クレイズの両方を含むものであって、微細なひび状の模様を有する領域を言う。クレイズは分子束(フィブリル)とミクロボイドから構成されており、全体としてスポンジの構造に似たものとなっている。このクレイズを構成するミクロボイドは、通常の状態では空気も通過しにくい微細な連通孔であるが、加圧されると拡張して通気性をもつ。
【0041】
通気性フィルム6は、高分子樹脂フィルム8にその分子配向方向と略平行に縞状のクレイズを生成したものである。高分子樹脂フィルム8の素材としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド等を採用することができる。
【0042】
この通気性フィルム6の製造方法としては、図3に示すように、高分子樹脂フィルム8をその分子配向方向と略平行に折り曲げて局部的な折曲げ線8aを形成する。そして、折り曲げた高分子樹脂フィルム8の上下面を、一対の押え部材9、9にて押え、各押え部材9、9を折曲げ線8aに対し直交方向において互いに反対方向に移動させて高分子樹脂フィルム8を引っ張る。これにより、高分子樹脂フィルム8にその分子配向方向と略平行に縞状のクレイズが生成される。
【0043】
また、通気性フィルム6の別の製造方法を、図4に示す。この製造方法は、緊張状態に保持した高分子樹脂フィルム8の一面に、押圧体10(ブレード)の鋭角の角部10aを高分子樹脂フィルム8の分子配向方向と略平行に押し付けて局部的な折曲げ線8aを形成する。そして、高分子樹脂フィルム8に押圧体10の角部10aを押し付けたまま、高分子樹脂フィルム8を折曲げ線8aに対して直交方向に引っ張る。これにより、高分子樹脂フィルム8に分子配向方向と略平行に縞状のクレイズが生成される。
【0044】
なお、クレイズを形成するときの高分子樹脂フィルム8の温度、緊張度、あるいは折曲げ角度等を変えることにより、クレイズ相互間の間隔、クレイズの幅、連通するクレイズの割合を変更することができ、簡単に通気性を調整することが可能である。
【0045】
また、クレイズに添加剤層を形成してもよい。例えば、添加剤層として安定剤を含有する層を形成して通気性フィルムの耐久性を向上したり、可塑剤を含有する層を形成して、通気性フィルムの柔軟性を向上することが可能となる。添加剤層の種類は、ここで挙げたものに限らず、使用目的に応じて種々のものを適用することができる。
【0046】
上記実施形態では、通気性フィルム6を設置する穴をシール部5又は外輪1に形成したが、必ずしもシール部5又は外輪1に形成する必要は無く、例えば内輪2に形成しても良く、外輪1とシール部5の間に形成してもよい。すなわち、軸受の機能・強度に悪影響を与えなければ任意の位置に形成することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、本発明を深溝玉軸受及び複列アンギュラ玉軸受に適用したが、本発明はこれに限定されず、他の転がり軸受、例えば円筒ころ軸受や円錐ころ軸受にも適用できる。更には、転がり軸受以外の軸受、例えば滑り軸受等の他の軸受にも、軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えているものであれば適用可能である(ただし、装着された軸の外周面と軸受内面とが摺動するタイプの軸受、例えば滑り軸受の場合は、軸受内部を、滑り軸受に装着された軸の外周面とシール部と滑り軸受内面とで囲まれた部分とする)。すなわち、軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えている軸受であれば全てに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る深溝玉軸受であり、(A)は部分縦断面図、(B)は(A)のA部拡大図、(C)は(B)のA’矢視図である。
【図2】本発明の実施形態に係る複列アンギュラ玉軸受であり、(A)は部分縦断面図、(B)は(A)のB部拡大図、(C)は(B)のB’矢視図である。
【図3】本発明に実施形態に係る通気性フィルムの製造方法の一実施形態を示す正面図である。
【図4】本発明に実施形態に係る通気性フィルムの製造方法の他の実施形態を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 外輪
1a 外輪における転動体の軌道面
1d 外輪における通気性フィルム設置用の穴
2 内輪
2a 内輪における転動体の軌道面
3 転動体(玉)
5 シール部
5e シール部における通気性フィルム設置用の穴
6 通気性フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受内部を軸受外部からシールするシール部を備えた軸受において、
軸受内部と軸受外部との間で固体及び液体の通過は阻止するが空気の通過を許容する通気性フィルムを備えたことを特徴とする軸受。
【請求項2】
請求項1に記載の軸受において、前記軸受が、外輪、内輪及び前記外輪と内輪との間に介在する転動体を有する転がり軸受であることを特徴とする軸受。
【請求項3】
請求項2に記載の軸受において、前記シール部に軸受内部側から軸受外部側に至る穴を形成すると共に、当該穴の内部に当該穴を閉塞するように前記通気性フィルムを設けたことを特徴とする軸受。
【請求項4】
請求項2に記載の軸受において、前記外輪又は内輪に軸受内部側から軸受外部側に至る穴を形成すると共に、当該穴の内部に当該穴を閉塞するように前記通気性フィルムを設けたことを特徴とする軸受。
【請求項5】
請求項4に記載の軸受において、前記軸受の転動体が転動する軌道が前記外輪及び内輪のそれぞれにおいて二列であり、前記外輪又は内輪に形成された穴が前記軌道の間に位置することを特徴とする軸受。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の軸受において、前記通気性フィルムが、クレイズを有する高分子樹脂フィルムであることを特徴とする軸受。
【請求項7】
請求項6に記載の軸受において、前記クレイズを、高分子樹脂フィルムの分子配向方向と略平行な縞状に形成したことを特徴とする軸受。
【請求項8】
請求項6又は7のいずれか1項に記載の軸受において、前記クレイズに添加剤層を形成したことを特徴とする軸受。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−68581(P2009−68581A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236793(P2007−236793)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】