説明

軸部材保持機構、感光体ドラムユニット及び画像形成装置

【課題】本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングが回転軸に対して所望の角度で保持された軸部材保持機構を提供することを目的とする。
【解決手段】軸部材保持機構110aは、回転軸Rを中心に回転可能に配置される第1軸部材120aと、外輪部253a及び第1軸部材120aに被嵌すると共に外輪部253aの内側に外輪部253aに対して相対回転可能に配置される内輪部252aを有する第1ベアリング250aと、第1ベアリング250aにおける外輪部253aを該外輪部253aが回転することを規制した状態で保持する第1保持部210aを有する第1保持部材200aと、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける一方側に第1ベアリング250aと当接して配置され第1ベアリング250aが傾くことを抑制する傾き抑制部材260aと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構、該軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニット、及び該感光体ドラムユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやコピー機等の画像形成装置において、感光体ドラムを有するタイプが存在する。感光体ドラムは、感光体ドラム本体と、感光体ドラム本体の両端に配置される軸部材とを備える。また、感光体ドラムは、軸部材を装置本体側に形成される保持部(保持機構)により所定の回転軸を中心に回転可能に保持される。
感光体ドラムにおける軸部材を保持(支持)する機構として、例えば、感光体ドラムにおける軸部材をベアリングにより回転可能に保持(支持)する機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−189751号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の機構において、所定の保持部材に対して軸部材に装着された状態でベアリングを取り付ける場合、ベアリングは、取り付け動作によって、回転軸に対して所望の角度から傾いて取り付けられることがあった。
特に、ベアリングが軸部材の端部から離間した位置に配置された場合や、ベアリングを取り付ける場所が保持部材における挿入方向奥側に位置する場合には、ベアリングは、軸部材(感光体ドラム)の回転軸に対して所望の角度で取り付けることが難しい場合があった。
【0005】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングが回転軸に対して所望の角度で保持された軸部材保持機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、外輪部と、前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記ベアリングと当接して配置され、前記ベアリングが傾くことを抑制する傾き抑制部材と、を備える軸部材保持機構に関する。
【0007】
また、前記傾き抑制部材は、前記ベアリングにおいて、前記外輪部のみと当接して配置されることが好ましい。
【0008】
また、前記外輪部は、前記傾き抑制部材側に形成される被当接部を有し、前記傾き抑制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記外輪部における被当接部に当接する1又は複数の当接部を有することが好ましい。
【0009】
また、前記傾き抑制部材は、前記軸部材に単独で装着された状態における最大傾きが、前記ベアリングが前記軸部材に単独で装着された状態における最大傾きよりも小さくなるよう形成されることが好ましい。
【0010】
また、前記傾き抑制部材は、前記回転軸方向における長さが、前記ベアリングの前記回転軸方向における長さよりも長くなるよう構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記当接部は、前記外輪部における前記被当接部が嵌合する第1凹部を有することが好ましい。
【0012】
また、前記被当接部は、前記傾き抑制部材における前記当接部が嵌合する第2凹部を有することが好ましい。
【0013】
また、前記傾き抑制部材の前記ベアリング側と反対側に配置され、前記傾き抑制部材における前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備え、前記規制部材は、前記回転軸方向と直交する方向において前記軸部材の表面から突出した長さである突出長さが、前記傾き抑制部材における突出長さに対する比が0.5以上になるよう形成されることが好ましい。
【0014】
また、前記保持部は、中空状の挿入空間を有し、前記ベアリングは、前記傾き抑制部材と反対側を前側として前記挿入空間に挿入移動され、前記傾き抑制部材は、前記ベアリングが前記挿入空間に挿入移動されている状態において、前記ベアリングが傾くことを抑制することが好ましい。
【0015】
また、前記軸部材における前記ベアリング側の端部近傍に配置される端部側ベアリングと、を備え、前記ベアリングは、前記軸部材における前記端部側ベアリングから前記回転軸方向における内側に所定距離だけ離間した位置に配置されることが好ましい。
【0016】
また、前記保持部材は、前記挿入空間における前記回転軸方向の端部側に連続して形成される通過用空間を有し、前記ベアリングは、前記通過用空間を通って前記挿入空間に挿入配置されることが好ましい。
【0017】
本発明は、上述した軸部材保持機構と、前記軸部材における前記ベアリングの前記傾き抑制部材側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える感光体ドラムユニットに関する。
【0018】
本発明は、上述した感光体ドラムユニットと、前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングが回転軸に対して所望の角度で保持された軸部材保持機構を提供することができる。
また、本発明によれば、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することができる。
また、本発明によれば、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プリンタにおける各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【図2】感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。
【図3】図2における領域Aの拡大図である。
【図4】軸部材保持機構を説明するための部分断面図である。
【図5】図4における領域Bの拡大図であり、軸部材保持機構を説明するための断面図である。
【図6】傾き抑制部材を説明するための斜視図である。
【図7A】第1軸部材に装着した状態の第1ベアリングを第1保持部に取り付ける手順における初期状態を示す図である。
【図7B】第1軸部材に装着した状態の第1ベアリングを第1保持部に取り付ける手順における挿入状態を示す図である。
【図7C】第1軸部材に装着した状態の第1ベアリングを第1保持部に取り付ける手順における取り付け状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、プリンタ1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
以下の説明において、プリンタ1の前側に立ったユーザから見て、左右方向を矢印Xの方向とし、前後(奥行き)方向を矢印Yの方向とし、上下方向を矢印Zの方向とする。
【0022】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成されている。
【0023】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0024】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbとの集合体である。
【0025】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、画像形成時に感光体ドラム2a、2b、2c、2dが回転すると順に、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0026】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の感光体ドラム本体150a、(図2参照)150b、150c、150dと、感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれの両端側に配置される第1軸部材120a(図2参照)、120b、120c、120d及び第2軸部材140a(図2参照)、140b、140c、140dと、を有する。ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとをつなぐ第3軸部材125a(図2参照)、125b、125c、125dを有する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第3軸部材125a、125b、125c、125dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとが一体的に連続して形成される1本の軸部材を有している。
感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれは、感光体又は像担持体として機能する。
【0027】
第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a(図2参照)、200b、200c、200d、及び第2保持部材300a(図2参照)、300b、300c、300dにおいて、回転可能に保持される。具体的には、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a、200b、200c、200dそれぞれに保持される第1ベアリング250a、250b、250c、250dそれぞれにより回転可能に保持される。また、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第2保持部材300a、300b、300c、300dそれぞれに保持される第2ベアリング350a(図3参照)、350b、350c、350dそれぞれにより回転可能に保持される。
【0028】
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500に直接又はジョイント部材を介して間接的に連結される。
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から回転駆動力が伝達される。
ここで、上述の通り、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれが第1ベアリング250a、250b、250c、250dや第2保持部材300a、300b、300c、300dにより回転可能に保持されるので、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から伝達された回転駆動力により回転される。
【0029】
上述より、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる回転軸を中心に、図1に示した矢印の方向に回転可能に配置されている。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0030】
ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、ユニット化され、感光体ドラムユニット100に一体的に配置される(図2参照)。
感光体ドラムユニット100は、第1軸部材120a、120b、120c、120dや第1ベアリング250a、250b、250c、250dにより構成される軸部材保持機構110a(図2参照)、110b、110c、110dを含んで構成される。軸部材保持機構110a、110b、110c、110d及び感光体ドラムユニット100については、後に説明する。
【0031】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)に帯電させる。
【0032】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置されている。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成されている。
【0033】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0034】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置されている。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像の帯電電荷が除去された箇所に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成されている。
【0035】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0036】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
【0037】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラとして機能する対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡されている。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0038】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置されている。
【0039】
中間転写ベルト7は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成されている。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0040】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0041】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0042】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に1次転写後に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0043】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0044】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0045】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置されている。中間転写ベルト7は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間に2次転写ニップN2が形成されている。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写されている。
【0046】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0047】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置されている。給紙カセット52は、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に構成されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容されている。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されているカセット給紙部51により搬送路Lに送り出されている。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0048】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされている用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置されている。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0049】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、を備える。
【0050】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0051】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ニップN2との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置されている。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置されている。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0052】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、中間ローラ対82が配置されている。中間ローラ対82は、給紙ローラ対81に関して用紙搬送方向の下流側に配置され、給紙ローラ対81より搬送されている用紙Tを挟持して、レジストローラ対80へ搬送する。
【0053】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられた搬送路である。戻し搬送路Lbによって、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対してトナー画像が転写されている。
【0054】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0055】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成されている。排紙部50は、装置本体Mの上部に配置されている。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によって、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送されている用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0056】
排紙部50の開口側には、排紙集積部M1が形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面(外面)に形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mの上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサ(不図示)が配置されている。
【0057】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、中間ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0058】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0059】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0060】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0061】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0062】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0063】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0064】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0065】
図2から図6により、軸部材保持機構及び、該軸部材保持機構を含む感光体ドラムユニットについて説明する。以下、感光体ドラム2aに対応する軸部材保持機構110aを中心に説明し、同様の構成である感光体ドラム2b、2c、2dに対応する軸部材保持機構110b、110c、110dの説明は省略する。ここで、軸部材保持機構110b、110c、110dの構成は、軸部材保持機構110aの構成と同様であり、軸部材保持機構110aについての説明を援用することができる。
【0066】
図2は、感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。図3は、図2における領域Aの拡大図である。図4は、軸部材保持機構を説明するための部分断面図である。図5は、図4における領域Bの拡大図であり、軸部材保持機構を説明するための断面図である。図6は、傾き抑制部材を説明するための斜視図である。
【0067】
まず、感光体ドラムユニット100について説明する。
図2に示すように、感光体ドラムユニット100は、軸部材保持機構110aと、軸部材保持機構110aにおいて回転可能に保持される第1軸部材120aを含む感光体ドラム2aと、感光体ドラム2aにおける第2軸部材140aに連結される不図示の感光体ドラム駆動ユニット500と、を備える。
【0068】
上述の通り、感光体ドラム2aは、感光体ドラム本体150aと、回転軸方向Jにおいて感光体ドラム本体150aの一端側に配置される第1軸部材120aと、他端側に配置される第2軸部材140aとを備える。ここで、感光体ドラム本体150aは、第1軸部材120aにおける後述する第1ベアリング250aに対して傾き抑制部材260a側と反対側に配置される。
【0069】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aを回転軸R(図4参照)を中心に回転可能に構成される。
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの一端側に配置される第1軸部材120aを回転可能に保持する。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aを回転軸を中心に回転可能に保持する。
【0070】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの他端側に配置される第2軸部材140aを回転駆動させる。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる感光体ドラム駆動ユニット500は、第2軸部材140aに回転駆動力を伝達する。
【0071】
これにより、第2軸部材140aに伝達された回転駆動力により、第1軸部材120aを回転可能に保持される感光体ドラム2a(感光体ドラム本体150a)は、回転軸Rを中心に回転される。
【0072】
ここで、感光体ドラム駆動ユニット500は、電源から供給された電力により回転駆動力を発生させると共に発生させた回転駆動力を出力可能な回転駆動部(例えば、モータ)と、回転駆動部から出力された回転駆動力を伝達する伝達部(例えば、各種ギア)と、第2軸部材140aと連結されると共に伝達部により伝達された回転駆動力を第2軸部材140aに伝達させる連結部(例えば、ジョイント)とを備える。
【0073】
続けて、軸部材保持機構110aについて説明する。
図3及び図4に示すように、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aと、第1ベアリング250aと、第1ベアリング250aを保持する第1保持部210aを有する第1保持部材200aと、第1ベアリング250aにおける端部121a側に配置される傾き抑制部材260と、を備える。
【0074】
また、本実施形態において、軸部材保持機構110aは、傾き抑制部材260aに当接して配置される第1クリップ270a(第1規制部材)と、第1ベアリング250aに当接して配置される第2クリップ280a(第2規制部材)とを備える。
また、本実施形態において、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aの端部側に配置される第2ベアリング350aと、第2ベアリング350aを保持する第2保持部310aを有する第2保持部材300aと、第2ベアリング350aを挟むように配置される第3クリップ370a及び第4クリップ380aとを備える。
【0075】
図4に示すように、第1軸部材120aは、感光体ドラム2aにおける一端側に配置される。第1軸部材120aは、第1ベアリング250a及び第2ベアリング350aにより回転軸Rを中心に回転可能に保持される。
【0076】
図4及び図5に示すように、第1ベアリング250aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置された第2ベアリング350aから所定距離だけ離間した位置に取り付けられる。
【0077】
第1ベアリング250aは、第2ベアリング350aとともに第1軸部材120aを回転可能に軸支(保持)する。
図5に示すように、第1ベアリング250aは、第1軸部材120aの直径方向K外側に配置される外輪部253aと、直径方向K内側に配置される内輪部252aと、直径方向Kにおいて内輪部252aと外輪部253aとの間に配置される複数のボール部材254aとを備える。
【0078】
内輪部252aは、第1軸部材120aに被嵌すると共に、外輪部253aの直径方向K内側に外輪部253aに対して相対回転可能に配置される。
内輪部252aは、後述する傾き抑制部材260aに当接されない。
【0079】
外輪部253aは、内輪部252aの直径方向K外側に内輪部252aと相対回転可能に配置される。外輪部253aは、ボール部材254aを該ボール部材254aが回転可能な状態で保持する。
外輪部253aは、後述する第1保持部210a(図4参照)に回転が規制された状態で保持される。外輪部253aは、第1保持部210aにより保持された状態において、ボール部材254aを介して内輪部252aを相対回転可能に保持する。
【0080】
外輪部253aは、後述する傾き抑制部材260a側に形成される第1被当接部255a及び第2被当接部256aを有する。第1被当接部255a及び第2被当接部256aは、傾き抑制部材260a側に突出して形成される。第1被当接部255a及び第2被当接部256aそれぞれは、回転軸方向Jからみてリング状に形成される。
第1被当接部255aは、直径方向K内側に位置し後述する第1当接部265aに当接される部分である。第2被当接部256aは、直径方向K内側に位置し後述する第2当接部266aに当接される部分である。
外輪部253aは、後述する傾き抑制部材260aに当接される。
【0081】
図4に示すように、第1ベアリング250aは、後述する第1保持部材200aに形成される第1保持部210aに挿入されて保持される。
具体的には、第1ベアリング250aは、後述する傾き抑制部材260a側と反対側(感光体ドラム本体150a側)を前側として、第1保持部210aを構成する第1挿入空間212aに挿入される。ここで、第1挿入空間212aが挿入移動における入り口である後述する開口205から離間した挿入方向C奥側に位置するので、第1ベアリング250aは、挿入移動される間に回転軸Rに対して初期設定した姿勢(所望の姿勢、角度)から傾いてしまう場合がある。
【0082】
第1ベアリング250aは、第1挿入空間212aに挿入されるために第1軸部材120aに装着された状態で移動されている間、傾き抑制部材260aによって装着時の姿勢から傾くことが抑制される。
これにより、第1ベアリング250aは、回転軸Rに対して該第1ベアリング250aの直径が直交した姿勢が維持された状態で第1保持部210aに保持される。
【0083】
第1挿入空間212aに挿入された第1ベアリング250aは、第1保持部210aを構成する第1保持面211aにより外輪部253aにおける回転が規制された状態で保持される。
また、第1ベアリング250aは、回転軸方向Jにおける感光体ドラム本体150a側への移動が第1壁部213aにより規制された状態で第1保持部210aに保持される。
【0084】
図4に示すように、第1保持部材200aは、回転軸方向Jにおいて第2保持部材300aから感光体ドラム本体150a側に所定距離だけ離間して配置される。ここで、所定距離は、例えば、10mm以上、好ましくは20mm以上である。
【0085】
第1保持部材200aは、第1ベアリング250aにおける外輪部253aを該外輪部253aが回転することを規制した状態で保持する第1保持部210a(ベアリング保持部)を有する。また、第1保持部材200aは、傾き抑制部材260aを収容すると共に保持する傾き抑制部材保持部220aを有する。
【0086】
第1保持部210aは、第1保持部材200aに形成される。第1保持部210aは、第2保持部材300aに形成される第2保持部310aから回転軸方向Jにおいて所定距離だけ離間して配置される。
【0087】
第1保持部210aは、第1保持面211aと、第1挿入空間212aと、第1壁部213aとを有する。
第1保持面211aは、第1挿入空間212aの外郭を構成する曲面であり、第1ベアリング250aの外周面に対応して形成される。第1保持面211aは、第1ベアリング250aの外周面に被嵌するように当接して、第1ベアリング250aにおける外輪部253aの回転を規制すると共に第1ベアリング250aを保持する。
【0088】
第1挿入空間212aは、開口205a側の後述する傾き抑制部材挿入空間222aにおける挿入方向C奥側に連続して形成される。
第1挿入空間212aは、中空状に形成される。第1挿入空間212aは、円筒状の中空部である。第1挿入空間212aは、第1保持面211aにより形成される空間である。
第1挿入空間212aには、第1ベアリング250aが挿入される。具体的には、第1挿入空間212aには、後述する通過空間を兼ねる傾き抑制部材挿入空間222aを通過して移動された第1ベアリング250aが挿入される。
【0089】
第1壁部213aは、第1保持面211aにおける挿入方向C奥側の外縁に連続して、第1保持面211aから回転軸R側に延びるように形成される部分である。
第1壁部213aは、第1ベアリング250aにおける挿入方向Cへの移動を規制する。
【0090】
傾き抑制部材保持部220aは、第1保持部210aにおける挿入方向C手前側(図4において右側、開口205a側)に形成される。
傾き抑制部材保持部220aは、傾き抑制部材保持面221aと、傾き抑制部材保持部220aと、第2壁部223aとを有する。ここで、傾き抑制部材保持部220aにおける挿入方向C手前側には、開口205aが形成される。
【0091】
傾き抑制部材保持面221aは、傾き抑制部材挿入空間222aの外郭を構成する曲面であり、後述する傾き抑制部材260aの外周面に対応して形成される。傾き抑制部材保持面221aは、傾き抑制部材260aの外周面に被嵌するように当接して傾き抑制部材260aを保持する。
【0092】
傾き抑制部材挿入空間222aは、後述する第1挿入空間212aにおける挿入方向C手前側に連続して形成される。
傾き抑制部材挿入空間222aは、中空状に形成される。傾き抑制部材挿入空間222aは、円筒状の中空部である。傾き抑制部材挿入空間222aは、傾き抑制部材保持面221aにより形成される空間である。
【0093】
傾き抑制部材挿入空間222aにおける挿入方向C手前側には、開口205aが形成される。開口205aを介して挿入方向Cに移動される第1ベアリング250aは、傾き抑制部材挿入空間222aを通過する。傾き抑制部材挿入空間222aは、第1ベアリング250aが通過する通過空間として機能する。
傾き抑制部材挿入空間222aには、第1ベアリング250aと共に移動された傾き抑制部材260aが挿入される。
【0094】
第2壁部223aは、傾き抑制部材保持面221aにおける挿入方向C奥側の外縁に連続して、傾き抑制部材保持面221aから回転軸R方向に延びるように形成される部分である。第2壁部223aは、傾き抑制部材保持面221aと第1保持面211aとを繋ぐように形成される。第2壁部223aは、傾き抑制部材260aにおける挿入方向Cへの移動を規制する。
【0095】
図4及び図5に示すように、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける一方側に第1ベアリング250aと当接して配置される。傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける端部121a側に配置される。
【0096】
図5及び図6に示すように、傾き抑制部材260aは、ベアリング側に形成される第1当接部265a及び第2当接部266aを有する。
第1当接部265a及び第2当接部266aは、第1ベアリング250a側に突出するように形成される。第1当接部265a及び第2当接部266aそれぞれは、回転軸方向Jからみてリング状に形成される。第1当接部265a及び第2当接部266aそれぞれは、第1被当接部255a及び第2被当接部256aそれぞれに対応して形成される。
【0097】
第1当接部265a及び第2当接部266aそれぞれは、第1被当接部255a及び第2被当接部256aそれぞれに当接して配置される。
傾き抑制部材260aにおいて、第1当接部265a及び第2当接部266aのみが第1ベアリング250aに当接して配置される。つまり、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aにおいて、外輪部253aのみと当接して配置される。
【0098】
傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aが傾くことを抑制する。また、傾き抑制部材260aは、第1挿入空間21aに第1ベアリング250aが挿入される際において、第1ベアリング250aが傾くことを抑制する。
【0099】
傾き抑制部材260aは、第1軸部材120aに単独で装着された状態における最大傾きが、第1ベアリング250aが第1軸部材120aに単独で装着された状態における最大傾きよりも小さくなるよう形成される。つまり、傾き抑制部材260aは、傾きを抑制する対象である第1ベアリング250aよりも傾きにくいことが好ましい。ここで、傾きは、回転軸Rと傾き抑制部材260a(第1ベアリング250a)の直径とを含む平面に対して投影した傾き抑制部材260a及び第1ベアリング250aの投影平面像により測定できる。
【0100】
また、傾き抑制部材260aは、回転軸方向Jにおける長さが、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける長さよりも長くなるよう構成される。
ここで、傾き抑制部材260aにおける内径と傾き抑制部材260aにおける内径とが略同一である場合、回転軸方向Jにおける長さが長いほど上述した最大傾きが小さくなる。このため、傾き抑制部材260aにおける回転軸方向Jの長さが長いほど好ましい。
【0101】
傾き抑制部材260aは、第1保持部材200aにおける傾き抑制部材保持部220aに収容されると共に保持される。
傾き抑制部材260aは、傾き抑制部材保持部220aにおける傾き抑制部材挿入空間222aに挿入配置される。
【0102】
傾き抑制部材260aは、第1挿入空間212aに挿入配置された第1ベアリング250aにおける傾きを抑制する。
また、傾き抑制部材260aは、第1挿入空間212aに挿入移動される第1ベアリング250aが挿入移動されている状態において、第1ベアリング250aが傾くことを抑制する。詳細には、傾き抑制部材260aは、傾き抑制部材挿入空間222aを通過して第1挿入空間212aに挿入される移動(動作)中に第1ベアリング250aが初期装着時の姿勢から傾くことを抑制する。
【0103】
ここで、傾き抑制部材260aは、回転軸方向Jにおける両側に形成される第1凹部267a及び第2凹部268aを有する。第1凹部267a及び第2凹部268aそれぞれは、周方向に連続して環状に形成される凹部である。ここで、第2凹部268aは、第1ベアリング250a及び傾き抑制部材260aを第1保持部210aに挿入する際に利用することも可能である。例えば、第2凹部268aに挿入可能な形状(例えば、円筒状)の挿入部を有する所定の取り付け用の道具を利用する場合、ユーザは、挿入部を第2凹部268aに挿入した状態で挿入方向Cに押し出すようにして、挿入操作を行うことができる。
【0104】
傾き抑制部材260aは、硬い材料(材質)で構成されていることが好ましい。傾き抑制部材260aの材料として、例えば、樹脂(ABS(acrylonitrile butadiene styrene)等)や金属等を列示できる。
【0105】
図4及び図5に示すように、第1クリップ270a(第1規制部材)は、傾き抑制部材260aにおける第1ベアリング250a側と反対側に配置される。
第1クリップ270aは、傾き抑制部材260aの端部121a側において第1軸部材120aに取り付けられると共に、傾き抑制部材260aに当接して配置される。
【0106】
第1クリップ270aは、一方が開口した略C字状に形成される。第1クリップ270aは、第1軸部材120aにおける傾き抑制部材260aの端部121a側に周方向に延びるように形成される第1溝部131aに嵌合するようにして配置される。
第1溝部131aに嵌合するようにして配置された第1クリップ270aは、傾き抑制部材260aの回転軸方向Jにおける端部121a側への移動を規制すると共に、傾き抑制部材260aにおける傾きを規制する。
【0107】
第1クリップ270aは、回転軸方向Jと直交する直径方向Kにおいて第1軸部材120aの表面から突出した長さである突出長さL1が、傾き抑制部材260aにおける突出長さL2に対する比が0.5以上、好ましくは0.6以上、特に好ましくは1.0以上となるように形成される。
【0108】
第2クリップ280aは、第1ベアリング250aにおける傾き抑制部材260a側と反対側に配置される。第2クリップ280aは、第1ベアリング250aの感光体ドラム本体150a側において第1軸部材120aに取り付けられると共に、第1ベアリング250aに当接して配置される。
【0109】
第2クリップ280a(第1規制部材)は、第1クリップ270aと同様に一方が開口した略C字状に形成される。第2クリップ280aは、第1軸部材120aにおける第1ベアリング250aの感光体ドラム本体150a側に周方向に延びるように形成される第2溝部130aに嵌合するようにして配置される。第2溝部130aに嵌合するようにして配置された第2クリップ280aは、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける感光体ドラム本体150a側への移動を規制すると共に、第1ベアリング250aにおける傾きを規制する。
【0110】
図4に示すように、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置される。第2ベアリング350aは、第1ベアリング250aとともに第1軸部材120aを回転可能に軸支(保持)する。第2ベアリング350aは、第1ベアリング250aと同様に構成される。
【0111】
第2保持部材300aは、第1軸部材120aにおける端部121a側に配置される。
第2保持部材300aには、第2ベアリング350aを保持する第2保持部310aが形成される。
第2ベアリング350aは、後述する第2保持部材300aに形成される第2保持部310aに挿入されて保持される。
第2保持部材300aは、第2ベアリング350aにおける外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持する。第2保持部310aは、第1保持部210aと同様に構成される。
【0112】
第2ベアリング350aは、回転軸方向Jにおいて該第2ベアリングを挟むように配置される第3クリップ370a及び第4クリップ380aにより、回転軸方向Jにおける移動が規制される。第3クリップ370a及び第4クリップ380aは、第2クリップ280と同様に構成される。
【0113】
続けて、図7Aから図7Cにより、第1軸部材120aに装着された状態の第1ベアリング250aを第1保持部210aに取り付ける手順を説明する。
図7Aは、第1軸部材120aに装着された状態の第1ベアリング250aを第1保持部210aに取り付ける手順における初期状態を示す図である。図7Bは、第1軸部材120aに装着された状態の第1ベアリング250aを第1保持部210aに取り付ける手順における挿入状態を示す図である。図7Cは、第1軸部材120aに装看された状態の第1ベアリング250aを第1保持部210aに取り付ける手順における取り付け状態を示す図である。
【0114】
まず、作業者は、図7Aに示すように、第1ベアリング250aと傾き抑制部材260aとを第1軸部材120aに装着する。作業者は、第1ベアリング250aを所望の角度に調整して装着する。作業者は、更に、傾き抑制部材260aの移動及び傾きを抑制する第1クリップ270aと、第1ベアリング250aの移動を規制する第2クリップ280aとを第1軸部材120aに取り付ける。
【0115】
次いで、作業者は、図7Bに示すように、第1ベアリング250aを前側として、第1ベアリング250a及び傾き抑制部材260aを挿入方向Cに移動させる。
ここで、作業者は、上述した取り付け道具を用いて、傾き抑制部材260aを挿入方向Cに押し出すようにして、第1ベアリング250a及び傾き抑制部材260aを挿入方向Cに移動させてもよい。
【0116】
この挿入移動において、第1ベアリング250aは、開口205aから傾き抑制部材挿入空間222aに挿入されると共に、傾き抑制部材挿入空間222aを通過して第1挿入空間212aに挿入される。また、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aに続いて開口205aから傾き抑制部材挿入空間222aに挿入される。
ここで、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aに当接して、挿入移動中に第1ベアリング250aが傾くことを抑制する。
【0117】
続けて、作業は、図7Cに示すように、更に第1ベアリング250a及び傾き抑制部材260aを挿入方向Cに移動させることで、第1ベアリング250aを第1保持部210aに保持させると共に、傾き抑制部材260aを傾き抑制部材保持部220aに保持させる。
この状態において、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aに当接して、第1保持部210aに保持された第1ベアリング250aが傾くことを抑制する。
【0118】
また、この状態において、第1ベアリング250aは、第1保持部210aにより外輪部253aの回転が規制された状態で保持される。これにより、第1軸部材120aは、第1保持部210aにより回転可能に保持される。つまり、感光体ドラム2aは、軸部材保持機構110aにより回転可能に保持される。
【0119】
本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aに装着された第1ベアリング250aが傾くことを抑制可能な傾き抑制部材260aを備える。これにより、軸部材保持機構110aは、第1ベアリング250aを第1保持部210aに取り付ける(挿入)際に第1ベアリング250aが傾くことを抑制できる。また、軸部材保持機構110aは、第1保持部210aにおいて保持された第1ベアリング250aが傾くことを抑制できる。
【0120】
また、本実施形態によれば、傾き抑制部材260aは、第1ベアリング250aにおける内輪部252aに当接せず、外輪部253aのみに当接して配置される。
これにより、軸部材保持機構110aは、第1ベアリング250aにおける傾きを好適に抑制できる。
【0121】
また、本実施形態によれば、傾き抑制部材260aは、第1軸部材120aに単独で装着された状態における最大傾きが、第1ベアリング250aが第1軸部材120aに単独で装着された状態における最大傾きよりも小さくなるよう形成される。また、傾き抑制部材260aは、回転軸方向Jにおける長さが、第1ベアリング250aの回転軸方向Jにおける長さよりも長くなるよう構成される。
これにより、傾き抑制部材260a自体が傾き難くなるよう構成されるので、軸部材保持機構110aは、第1ベアリング250aにおける傾きを好適に抑制できる。
【0122】
また、本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、傾き抑制部材260aにおける移動及び傾きを抑制する第1クリップ270aを有する。また、第1クリップ270aは、回転軸方向Jと直交する直径方向Kにおいて第1軸部材120aの表面から突出した長さである突出長さL1が、傾き抑制部材260aにおける突出長さL2に対する比が0.5以上になるよう形成される。これにより、第1クリップ270aは、傾き抑制部材260aの傾きを好適に抑制する。また、これにより、第1ベアリング250aの傾きが好適に抑制される。
【0123】
また、本実施形態において、第1ベアリング250aは、傾き抑制部材挿入空間222aを通過して第1挿入空間212aに挿入される。また、第1ベアリング250aは、挿入空間の奥側に挿入して配置される。このため、第1ベアリング250aは、精度良く移動させることが困難であることや、移動中に障害になる部分が多いことから、初期装着時の姿勢から傾く可能性が高くなっている。また、第1ベアリング250aが挿人空間の奥側に配置されるので、第1ベアリング250aに生じた傾きを直すことも困難である。
本実施形態において、上述のような場合においても軸部材保持機構110aは、取り付け時(挿入移動)において生じやすい第1ベアリング250aの傾きを好適に抑制する。
【0124】
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を提供することができる。ここで、感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2a等における回転軸のズレが生じることを抑制できる。
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を備えるプリンタ1(画像形成装置)を提供することができる。
ここで、プリンタ1は、用紙Tに転写される画像のズレが発生することを抑制できる。
【0125】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されていることなく、種々の形態を採用することができる。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【0126】
また、本実施形態において、第1当接部265a及び第2当接部266aは、環状であって第1被当接部255a及び第2被当接部256aの全面に当接しているが、これに限定されない。
第1当接部265a及び第2当接部266aは、完全な環状でなくてもよく、環方向に複数の凹部(非当接部、切り欠き部)を有していてもよい。また、第1当接部265a及び第2当接部266aは、例えば、突起状に形成されていてもよい。この場合、突起状の部分は、複数ある必要があり、3つ以上あることが好ましい。
【0127】
また、本実施形態において、第1当接部265a及び第2当接部266aは、第1被当接部255a及び第2被当接部256aを被嵌する環状に形成された第1凹部を有していてもよい。また、逆に、第1被当接部255a及び第2被当接部256aは、第1当接部265a及び第2当接部266aを被嵌する環状に形成された第2凹部を有していてもよい。いずれの場合も、第1ベアリング250aと傾き抑制部材260aは、一体的に連結される。これにより、第1ベアリング250aは、より傾くことが抑制される。また、この場合、傾き抑制部材260a単独の傾き抑制機能が低くても、好適に第1ベアリング250aにおける傾きが抑制される。
【符号の説明】
【0128】
1……プリンタ(画像形成装置)、2a,2b,2c,2d……感光体ドラム(像担持体)、5a,5b,5c,5d……トナーカートリッジ(トナー収容部)、7……中間転写ベルト(転写部)、9……定着部、16a,16b,16c,16d……現像器、T……用紙(被転写材)感光体ドラムユニット……100、軸部材保持機構……110a、110b、110c、110d、第1軸部材(軸部材)……120a、120b、120c、120d、保持部材……200a、200b、200c、200d、第1保持部(ベアリング保持部)……210a、210b、210c、210d、第1挿入空間……212a、212b、212c、212d、傾き抑制部材挿入空間(通過空間)……222a、222b、222c、222d、第1ベアリング(ベアリング)……250a、250b、250c、250d、外輪部……253a、253b、253c、253d、内輪部……252a、252b、252c、252d、第1被当接部……255a、255b、255c、255d、第2被当接部……256a、256b、256c、256d、傾き抑制部材……260a、260b、260c、260d、第1当接部……265a、265b、265c、265d、第2当接部……266a、266b、266c、266d、第1クリップ(第1規制部)……270a、270b、270c、270d、第2クリップ(第2規制部)……280a、280b、280c、280d、第2保持部材……300a、300b、300c、300d、第2保持部……310a、310b、310c、310d、C……挿入方向、R……回転軸、T……用紙(被転写材)、J……回転軸方向、K……直径方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、
前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、
外輪部と、
前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、
前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、
前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記ベアリングと当接して配置され、前記ベアリングが傾くことを抑制する傾き抑制部材と、を備える
軸部材保持機構。
【請求項2】
前記傾き抑制部材は、
前記ベアリングにおいて、前記外輪部のみと当接して配置される
請求項1に記載の軸部材保持機構。
【請求項3】
前記外輪部は、前記傾き抑制部材側に形成される被当接部を有し、
前記傾き抑制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記外輪部における被当接部に当接する1又は複数の当接部を有する
請求項2に記載の軸部材保持機構。
【請求項4】
前記傾き抑制部材は、前記軸部材に単独で装着された状態における最大傾きが、前記ベアリングが前記軸部材に単独で装着された状態における最大傾きよりも小さくなるよう形成される
請求項1から3のいずれかに記載の軸部材保持機構。
【請求項5】
前記傾き抑制部材は、
前記回転軸方向における長さが、前記ベアリングの前記回転軸方向における長さよりも長くなるよう構成される
請求項4に記載の軸部材保持機構。
【請求項6】
前記当接部は、前記外輪部における前記被当接部が嵌合する第1凹部を有する
請求項3に記載の軸部材保持機構。
【請求項7】
前記被当接部は、前記傾き抑制部材における前記当接部が嵌合する第2凹部を有する
請求項3に記載の軸部材保持機構。
【請求項8】
前記傾き抑制部材の前記ベアリング側と反対側に配置され、前記傾き抑制部材における前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備え、
前記規制部材は、前記回転軸方向と直交する方向において前記軸部材の表面から突出した長さである突出長さが、前記傾き抑制部材における突出長さに対する比が0.5以上になるよう形成される
請求項1から7のいずれかに記載の軸部材保持機構。
【請求項9】
前記ベアリング保持部は、中空状の挿入空間を有し、
前記ベアリングは、前記傾き抑制部材と反対側を前側として前記挿入空間に挿入移動され、
前記傾き抑制部材は、前記ベアリングが前記挿入空間に挿入移動されている状態において、前記ベアリングが傾くことを抑制する
請求項1から8のいずれかに記載の軸部材保持機構。
【請求項10】
前記軸部材における前記ベアリング側の端部近傍に配置される端部側ベアリングと、を備え、
前記ベアリングは、前記軸部材における前記端部側ベアリングから前記回転軸方向における内側に所定距離だけ離間した位置に配置される
請求項9に記載の軸部材保持機構。
【請求項11】
前記保持部材は、前記挿入空間における前記回転軸方向の端部側に連続して形成される通過用空間を有し、
前記ベアリングは、前記通過用空間を通って前記挿入空間に挿入配置される
請求項9又は10に記載の軸部材保持機構。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載の軸部材保持機構と、
前記軸部材における前記ベアリングの前記傾き抑制部材側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える
感光体ドラムユニット。
【請求項13】
請求項12に記載の感光体ドラムユニットと、
前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、
前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える
画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate


【公開番号】特開2011−203348(P2011−203348A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68446(P2010−68446)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】