説明

農作業機

【課題】操作性に優れた農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機は、作業機本体部と、作業機本体部の両端部に回動可能に設けた折畳作業部と、折畳作業部を回動させるための操作部41とを備える。操作部41は、折畳作業部を閉じ方向に回動させる際に押動操作する作動用ボタン52を有する。操作部41は、作動用ボタン52の押動操作中のみ折畳作業部が回動する手動モードと作動用ボタン52の一度の押動操作により折畳作業部が設定状態になるまで回動する自動モードとの切換えの際に、押動操作するモード切換用ボタン55を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作性に優れた農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばトラクタに連結される中央の作業機本体部と、作業機本体部の左右両端部に上下方向に回動可能に設けられた折畳作業部(作動部)と、折畳作業部を回動させるモータ式駆動手段とを備えた農作業機が知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、この種の折畳式の農作業機では、例えばトラクタに乗った運転者が、リモコン操作ユニット(操作部である電動リモコン)の作動用ボタン(例えば「閉ボタン」)を押動操作すると、その作動用ボタンが押動操作されている間のみ折畳作業部が回動するようになっている。
【特許文献1】特開2003−023814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような農作業機では、折畳作業部を折畳む際にその折畳作業部が所望の折畳状態になるまでリモコン操作ユニットの作動用ボタンを押動操作し続けなければならず、操作性に問題がある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、操作性に優れた農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の農作業機は、駆動源から出力される動力に基づいて作動する作動部と、この作動部を作動させるための操作部とを具備し、前記操作部は、前記作動部を作動させる際に押動操作される作動用ボタンと、前記作動用ボタンが押動操作されている間のみ前記作動部が作動する手動モードと前記作動用ボタンが一旦押動操作されると前記作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンとを備えるものである。
【0006】
そして、操作部が、作動用ボタンが押動操作されている間のみ作動部が作動する手動モードと作動用ボタンが一旦押動操作されると作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンを備えるため、従来に比べて操作性に優れている。
【0007】
請求項2記載の農作業機は、駆動源から出力される動力に基づいて作動する作動部と、この作動部を作動させるための操作部とを具備し、前記操作部は、前記作動部を作動させる際に押動操作される作動用ボタンと、前記作動用ボタンが押動操作されている間のみ前記作動部が作動する手動モードと前記作動用ボタンが一旦押動操作されると前記作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンとを備え、前記モード切換用ボタンの押動操作により自動モードに切り換えられた状態時において、前記作動部の作動途中で前記作動用ボタンが押動操作された場合に、前記作動部が非常停止するものである。
【0008】
そして、操作部が、作動用ボタンが押動操作されている間のみ作動部が作動する手動モードと作動用ボタンが一旦押動操作されると作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンを備えるため、従来に比べて操作性に優れており、しかも、自動モード時において作動部の作動途中で作動用ボタンが押動操作された場合にその作動部が非常停止するため、安全性にも優れている。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、作動部が非常停止すると、自動モードから手動モードに自動的に切り換わるものである。
【0010】
そして、作動部が非常停止すると、自動モードから手動モードに自動的に切り換わるため、作動部の非常停止後における操作に戸惑うようなことがない。
【0011】
請求項4記載の農作業機は、請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機において、操作部は、作動部の作動時に警告音を発するブザーを有するものである。
【0012】
そして、操作部が作動部の作動時に警告音を発するブザーを有するため、安全性の向上が図られる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、操作部が、作動用ボタンが押動操作されている間のみ作動部が作動する手動モードと作動用ボタンが一旦押動操作されると作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンを備えるため、従来に比べて操作性に優れている。
【0014】
請求項2に係る発明によれば、操作部が、作動用ボタンが押動操作されている間のみ作動部が作動する手動モードと作動用ボタンが一旦押動操作されると作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンを備えるため、従来に比べて操作性に優れており、しかも、自動モード時において作動部の作動途中で作動用ボタンが押動操作された場合にその作動部が非常停止するため、安全性にも優れている。
【0015】
請求項3に係る発明によれば、作動部が非常停止すると、自動モードから手動モードに自動的に切り換わるため、作動部の非常停止後における操作に戸惑うようなことを抑制できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、操作部が作動部の作動時に警告音を発するブザーを有するため、安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図2および図3において、1は3分割の折畳み式農作業機で、この農作業機1は、走行車であるトラクタ(図示せず)に連結して使用する牽引式の代掻き機である。そして、農作業機1は、トラクタの後部に連結された状態で、トラクタの走行により圃場を前方に移動しながら、代掻作業および土引作業を選択的に行うものである。
【0019】
農作業機1は、トラクタの後部の3点リンク部に連結される左右方向長手状の作業機本体部2と、この作業機本体部2の左右方向両端部に略前後方向の支軸(回動中心軸線)3を中心として上下方向に回動可能に設けられ回動(回動角度は例えば150度)により折畳状態および展開状態に切り換えられる左右一対の延長作業部である折畳作業部(作動部)4と、この各折畳作業部4を回動させる伸縮可能な油圧シリンダ(駆動源)5とを備えている。すなわち、作業機本体部2には、油圧シリンダ5から出力される動力に基づいて作動する折畳作業部4が設けられている。
【0020】
作業機本体部2は、左右方向長手状の機枠7と、機枠7に回転可能に設けられ入力軸側から動力を受けて駆動回転するロータリ式の耕耘体(図示せず)と、機枠7の後部に弾性板であるゴム板8を介して上下回動可能に設けられた略板状の整地体9とを有している。耕耘体は、左右方向の耕耘軸と、この耕耘軸に放射状に取り付けられた複数の耕耘爪とを有している。また、整地体9は、上端部がゴム板8に取り付けられた第1整地板(均平板)10と、この第1整地板10の下端部に上端部が回動可能に取り付けられた第2整地板(レーキ)11とを有している。
【0021】
また、作業機本体部2は、センタ土引ロック用モータ(駆動源)12から出力される動力に基づいて作動し整地体9を機枠7に対して固定して土引ロック状態にするセンタ土引ロック手段(作動部)13を有している。
【0022】
折畳作業部4は、左右方向長手状の機枠21と、機枠21に回転可能に設けられ折畳作業部4の展開状態時に中央の作業機本体部2の耕耘軸側から動力を受けて駆動回転するロータリ式の耕耘体(図示せず)と、機枠21の後部に弾性板であるゴム板22を介して上下回動可能に設けられた略板状の整地体23とを有している。耕耘体は、左右方向の耕耘軸と、この耕耘軸に放射状に取り付けられた複数の耕耘爪とを有している。また、整地体23は、上端部がゴム板22に取り付けられた第1整地板(均平板)24と、この第1整地板24の下端部に上端部が回動可能に取り付けられた第2整地板(レーキ)25とを有している。また、折畳作業部4の展開状態時には、作業機本体部2の整地体9の第1・第2整地板10,11の外端部と折畳作業部4の整地体23の第1・第2整地板24,25の内端部とが嵌脱可能に嵌合して両整地体9,23が一体化し、折畳作業部4の折畳状態時には、第1・第2整地板10,11の外端部と第1・第2整地板24,25の内端部との嵌合が解除されて両整地体9,23は分離される。
【0023】
また、折畳作業部4は、サイド土引ロック用モータ(駆動源)26から出力される動力に基づいて作動し整地体23を機枠21に対して固定して土引ロック状態にするサイド土引ロック手段(作動部)27を有している。
【0024】
さらに、折畳作業部4は、整地体23の第2整地板25の外端部に回動可能に設けられ回動により折畳非作用状態および展開作用状態に切り換えられる延長整地体である延長レーキ(サイドレーキ)29を有している。また、折畳作業部4は、延長レーキ用モータ(駆動源)30から出力される動力に基づいて延長レーキ29を整地体23の第2整地板25に対して回動させて折畳非作用状態または展開作用状態にする延長レーキ回動手段31を有している。すなわち、折畳作業部4は、延長レーキ用モータ30から出力される動力に基づいて作動する延長レーキ29を有している。
【0025】
また一方、農作業機1は、図3に示されるように、CPU等にて構成された制御手段33を備え、この制御手段33は例えば作業機本体部2に設けられている。
【0026】
制御手段33には、左右2つの油圧シリンダ5、1つのセンタ土引ロック用モータ12、左右2つのサイド土引ロック用モータ26、および左右2つの延長レーキ用モータ30がそれぞれ電気的に接続されている。また、制御手段33には、作動部を作動させるための操作装置としての操作部である1ユニット状のリモコン操作ユニット41が有線或いは無線により電気的に接続され、このリモコン操作ユニット41はトラクタに乗った運転者が操作可能な位置に配設されている。
【0027】
ここで、リモコン操作ユニット41は、図1および図3に示すように、電源入切の際に押動操作される1つの電源入切用ボタン42を備えている。
【0028】
また、リモコン操作ユニット41は、左の折畳作業部4の延長レーキ29を開くつまり展開作用状態にする際に押動操作される左延長レーキ開用ボタン43と、左の折畳作業部4の延長レーキ29を閉じるつまり折畳非作用状態にする際に押動操作される左延長レーキ閉用ボタン44と、右の折畳作業部4の延長レーキ29を開くつまり展開作用状態にする際に押動操作される右延長レーキ開用ボタン45と、右の折畳作業部4の延長レーキ29を閉じるつまり折畳非作用状態にする際に押動操作される右延長レーキ閉用ボタン46とを備えている。
【0029】
さらに、リモコン操作ユニット41は、センタ土引ロック手段13およびサイド土引ロック手段27を作動させて整地体9,23を土引ロック状態にする際に押動操作される土引作業ボタン48と、センタ土引ロック手段13およびサイド土引ロック手段27を作動させて整地体9,23の土引ロック状態を解除して代掻フリー状態にする際に押動操作される代掻作業ボタン49とを備えている。
【0030】
また、リモコン操作ユニット41は、折畳作業部4を開くつまり展開状態にする際に押動操作される開ボタン51と、折畳作業部4を閉じるつまり折畳状態にする際に押動操作される閉ボタン52とを備えている。さらに、リモコン操作ユニット41は、折畳作業部4を選択する際に押動操作される左選択ボタン53および右選択ボタン54を備えている。
【0031】
なお、左延長レーキ開用ボタン43、左延長レーキ閉用ボタン44、右延長レーキ開用ボタン45、右延長レーキ閉用ボタン46、土引作業ボタン48、代掻作業ボタン49、開ボタン51、閉ボタン52、左選択ボタン53および右選択ボタン54が、それぞれ作動部4,13,27,29を作動させる際に押動操作される押しボタン式の作動用ボタンとなっている。
【0032】
また一方、リモコン操作ユニット41は、作動用ボタンが押動操作されている間のみ作動部4,13,27,29が作動する手動モードと作動用ボタンが一旦押動操作されると作動部4,13,27,29が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタン55を備えている。
【0033】
そして、農作業機1では、モード切換用ボタン55の押動操作により自動モードに切り換えられた状態時において、作動部4,13,27,29の作動途中で非常事態の発生等により複数の作動用ボタンのうちの少なくとも1つの任意の作動用ボタンが押動操作された場合には、その作動中の作動部4,13,27,29が制御手段33の制御に基づき非常停止するようになっている。また、自動モード中に作動部4,13,27,29が非常停止した場合には、制御手段33の制御に基づき自動モードから手動モードに自動的に切り換わるようになっている。
【0034】
また、リモコン操作ユニット41は、作動部4,13,27,29の作動時に警告音(例えば「ピー、ピー」等)を発するブザー60を有している。このブザー60は、例えば手動モード時には作動用ボタンが押動操作されている間、警告音を発し、自動モード時には作動部が作動している間、警告音を発する。
【0035】
ここで、図4を参照して農作業機1の基本的動作を説明すると、リモコン操作ユニット41の電源入切用ボタン42が押動操作によりオンされると(ステップ1)、手動モードとして電源が入り、電源入表示ランプ61が点灯する(ステップ2)。この手動モードでは、作動用ボタンが押動操作されている間のみ、その押動操作に対応して作動部4,13,27,29が作動する。作動用ボタンから指を離して作動用ボタンの押動操作を解除すれば、作動部4,13,27,29が停止する。
【0036】
そして、リモコン操作ユニット41のモード切換用ボタン55が押動操作によりオンされると(ステップ3)、自動モードに切り換わり、電源入表示ランプ61が点灯したまま、自動モード表示ランプ62が点灯する(ステップ4)。この自動モードでは、作動用ボタンが一旦押動操作(ワンプッシュ操作)されると、作動部4,13,27,29が予め設定された設定状態になるまで作動する。
【0037】
そして、このような自動モード時において、作動部4,13,27,29の作動途中で、例えば1つの任意の作動用ボタンが押動操作によりオンされると(ステップ5)、その作動中の作動部4,13,27,29が制御手段33の制御に基づき非常停止し(ステップ6)、例えば危険等の非常事態を回避できる。なお、作動部4,13,27,29を非常停止させた場合には、自動モードから手動モードに自動的に切り換わる。
【0038】
次に、図5を参照して農作業機1の作動部4,29の閉じ動作について具体的に説明する。
【0039】
電源入切用ボタン42がオンされた後(ステップ11)、モード切換用ボタン55がオンされると(ステップ12)、自動モードとなる(ステップ13)。
【0040】
この自動モード時において、左右の折畳作業部4を同時に閉じる場合は(ステップ14)、閉ボタン52をワンプッシュによる押動操作によりオンする(ステップ15)。閉ボタン52をオンすると、通常では、左右の延長レーキ29が閉じて折畳非作用状態となり、その後、左右の油圧シリンダ5が縮むことにより、左右の折畳作業部4を同時に閉じて折畳状態となる(ステップ16)。すなわち、閉ボタン52が一度押すと、左右の延長レーキ29が折畳非作用状態になるまで回動した後に折畳作業部4が折畳状態になるまで回動する。
【0041】
左の折畳作業部4のみを閉じる場合は、左選択ボタン53および閉ボタン52を同時にワンプッシュによる押動操作によりオンする(ステップ17)。左選択ボタン53および閉ボタン52をオンすると、通常では、左の延長レーキ29が閉じて折畳非作用状態となり、その後、左の油圧シリンダ5が縮むことにより、左の折畳作業部4のみが閉じて折畳状態となる(ステップ18)。
【0042】
右の折畳作業部4のみを閉じる場合は、右選択ボタン54および閉ボタン52を同時にワンプッシュによる押動操作によりオンする(ステップ19)。右選択ボタン54および閉ボタン52をオンすると、通常では、右の延長レーキ29が閉じて折畳非作用状態となり、その後、右の油圧シリンダ5が縮むことにより、右の折畳作業部4のみが閉じて折畳状態となる(ステップ20)。
【0043】
そして、ステップ16、18および20のいずれの場合においても、延長レーキ29または折畳作業部4が閉じ動作を行っている途中で、複数の作動用ボタン中の1つの任意の作動用ボタン、例えば閉ボタン52がワンプッシュによる押動操作によりオンされると(ステップ21)、その閉じ動作中の延長レーキ29または折畳作業部4が非常停止し(ステップ22)、例えば危険等の非常事態を回避できる(ステップ23)。なお、延長レーキ29または折畳作業部4が非常停止した後は、モード切換用ボタン55が操作されなくても、自動モードから手動モードに自動的に切り換わる。
【0044】
なお、延長レーキ29の閉じ動作終了後、折畳作業部4が閉じ動作を開始する前に、センタ土引ロック手段13、サイド土引ロック手段27が作動するようにしてもよい。
【0045】
一方、手動モード時においては(ステップ24)、例えば左選択ボタン53および閉ボタン52を同時にワンプッシュによる押動操作によりオンすると(ステップ25)、それら両ボタン52,53が押動操作されている間のみ、左の油圧シリンダ5が縮むことにより左の折畳作業部4が閉じ動作を行う(ステップ26)。また、例えば左延長レーキ閉用ボタン44をワンプッシュによる押動操作によりオンすると(ステップ27)、そのボタン44が押動操作されている間のみ、左の延長レーキ29が閉じ動作を行う(ステップ28)。さらに、例えば右延長レーキ閉用ボタン46をワンプッシュによる押動操作によりオンすると(ステップ29)、そのボタン46が押動操作されている間のみ、右の延長レーキ29が閉じ動作を行う(ステップ30)。また、例えば右選択ボタン54および閉ボタン52を同時にワンプッシュによる押動操作によりオンすると(ステップ31)、それら両ボタン52,54が押動操作されている間のみ、右の油圧シリンダ5が縮むことにより右の折畳作業部4が閉じ動作を行う(ステップ32)。
【0046】
そして、ステップ26、28、30および32のいずれの場合においても、指を離して押動操作を解除すれば(ステップ33)、その閉じ動作中の延長レーキ29または折畳作業部4が非常停止し(ステップ34)、例えば危険等の非常事態を回避できる(ステップ35)。なお、手動モードでは、非常事態が発生せず、所定時間押動操作すれば、延長レーキ29、折畳作業部4の閉じ動作が終了する(ステップ36)。
【0047】
このように上記農作業機1によれば、リモコン操作ユニット41が手動モードと自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタン55を備えるため、従来に比べて操作性に優れており、よって幅広いユーザが同じリモコン操作ユニット41を使用でき、しかも、自動モード時において作動部4,13,27,29の作動途中で作動用ボタンが押動操作された場合にその作動部4,13,27,29が非常停止するため、安全性にも優れている。
【0048】
また、作動部4,13,27,29が非常停止すると、自動モードから手動モードに自動的に切り換わるため、作動部4,13,27,29の非常停止後における操作に戸惑うようなことがない。
【0049】
なお、安全な作動部、例えば延長レーキ29に関しては、手動モードの際に、押動操作を途中で解除しても延長レーキ29が予め設定された設定状態になるまで作動するようにしてもよい。
【0050】
また、折畳作業部(作動部)4を備えた折畳み式の代掻き装置(農作業機)には限定されず、例えば前進作業位置および後退作業位置間で移動する土盛り・畦塗りを行う作業部を備えたリターン式の畦塗り機等にも適用することができる。
【0051】
さらに、折畳作業部4を回動させる駆動源は、油圧シリンダ5には限定されず、電動モータ等でもよい。
【0052】
また、自動モードでの作動部の作動途中に、電源入切用ボタン42やモード切換用ボタン55が押動操作された場合にも、作動部が非常停止するようにしてもよい。
【0053】
さらに、リモコン操作ユニット41が電源入表示ランプ61だけを有する場合には、手動モード時には電源入表示ランプ61が点灯し、自動モード時には電源入表示ランプ61が点滅するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の操作部を示す正面図である。
【図2】同上農作業機の部分後面図である。
【図3】同上農作業機の制御系のブロック図である。
【図4】同上農作業機の基本的動作のフローチャートである。
【図5】同上農作業機の閉じ動作のフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
1 農作業機
4 作動部である折畳作業部
5 駆動源である油圧シリンダ
12 駆動源であるセンタ土引ロック用モータ
13 作動部であるセンタ土引ロック手段
26 駆動源であるサイド土引ロック用モータ
27 作動部であるサイド土引ロック手段
29 作動部である延長レーキ
30 駆動源である延長レーキ用モータ
43 作動用ボタンである左延長レーキ開用ボタン
44 作動用ボタンである左延長レーキ閉用ボタン
45 作動用ボタンである右延長レーキ開用ボタン
46 作動用ボタンである右延長レーキ閉用ボタン
48 作動用ボタンである土引作業ボタン
49 作動用ボタンである代掻作業ボタン
51 作動用ボタンである開ボタン
52 作動用ボタンである閉ボタン
53 作動用ボタンである左選択ボタン
54 作動用ボタンである右選択ボタン
60 ブザー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源から出力される動力に基づいて作動する作動部と、
この作動部を作動させるための操作部とを具備し、
前記操作部は、
前記作動部を作動させる際に押動操作される作動用ボタンと、
前記作動用ボタンが押動操作されている間のみ前記作動部が作動する手動モードと前記作動用ボタンが一旦押動操作されると前記作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンとを備える
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
駆動源から出力される動力に基づいて作動する作動部と、
この作動部を作動させるための操作部とを具備し、
前記操作部は、
前記作動部を作動させる際に押動操作される作動用ボタンと、
前記作動用ボタンが押動操作されている間のみ前記作動部が作動する手動モードと前記作動用ボタンが一旦押動操作されると前記作動部が予め設定された設定状態になるまで作動する自動モードとの切換えの際に押動操作されるモード切換用ボタンとを備え、
前記モード切換用ボタンの押動操作により自動モードに切り換えられた状態時において、前記作動部の作動途中で前記作動用ボタンが押動操作された場合に、前記作動部が非常停止する
ことを特徴とする農作業機。
【請求項3】
作動部が非常停止すると、自動モードから手動モードに自動的に切り換わる
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。
【請求項4】
操作部は、作動部の作動時に警告音を発するブザーを有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−166793(P2006−166793A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−363756(P2004−363756)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】