説明

近接センサ

【課題】 被検出体の素早い動きにも対応することができる近接センサを提供すること。
【解決手段】 近接センサは、制御部10、センサ部20、出力部21a〜21b、検出部22などを備え、表示装置40に設けられた操作部30に接続される。制御部10は、LEDなどを備える出力部21a〜21bに対して異なるパルスコードで略同時に赤外線の発射を示す駆動信号を出力する共に、PDなどからなる検出部22から出力された検出信号を取得する。そして、制御部10は、検出信号を取得すると、その検出信号がどの出力部21a〜21bから出力されたものかなどに基づいて車両搭乗者の手(被検出体)の動作を判定し、この判定結果に基づいて、操作部30に対して操作信号の出力を禁止することを示す制御信号、もしくは禁止を解除することを示す制御信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、近接センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、運動の変化を検出する光学的スイッチとして特許文献1に示すものがある。特許文献1に示す光学的スイッチは、少なくとも2つの発光手段、少なくとも1つの受光手段などを備える。
【0003】
2つの発光手段は、同じ波長の光又は同じ波長領域にある光をかわるがわる周期的に放射する。そして、受光手段が、この放射される光が所定の領域内に存在する物体などによって散乱又は反射された散乱光又は反射光の少なくとも一部を受信することによって物体などの運動の変化を検出するものである。
【特許文献1】特表2003−526236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す光学的スイッチは、同じ波長の光又は同じ波長領域にある光をかわるがわる周期的に放射するため、発光手段毎に放射のタイムラグが生じることになり、素早い物体の動きには対応できない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、被検出体の素早い動きにも対応することができる近接センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に記載の近接センサは、それぞれ態様が異なる検出用信号を出力する複数の出力手段と、被検出体にて反射した検出用信号をそれぞれ検出する検出手段と、複数の出力手段からの検出用信号の出力時期が少なくとも一部重複するように複数の出力手段に検出用信号を出力させると共に、検出手段によってそれぞれ検出された検出用信号に基づいて被検出体の動作を判定する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
【0007】
このように、複数の出力手段から、それぞれ態様が異なる検出用信号を複数の出力手段よって検出用信号が少なくとも一部重複するように出力することによって複数の出力手段による検出用信号の出力のタイムラグが減少し、すばやい動きの被検出体にも対応することができる。
【0008】
また、請求項2に記載のように、波長もしくは周波数を異ならせることによって、それぞれの出力手段による検出用信号の態様を異ならせることができる。また、請求項3に記載にように、検出用信号として赤外線もしくは超音波をパルスコード化して用い、そのパルスコードをそれぞれの出力手段で異ならせることによって、それぞれの出力手段による検出用信号の態様を異ならせることができる。
【0009】
また、請求項4に記載の近接センサでは、検出手段は、複数の出力手段で共用することを特徴とするものである。このように、検出手段を複数の出力手段で共用することによって、検出手段の使用数を減少させることができ、近接センサのコストダウンが可能となる。
【0010】
また、請求項5に記載の近接センサでは、近接センサは、車両の運転席と助手席との間に搭載され車載機器に対して操作信号を出力すると操作手段に接続され、操作手段は、車速度が所定値以上であり、かつ運転者が操作手段を操作しようとしている場合は操作信号の出力を禁止するものであり、複数の出力手段は、操作手段の近傍であり検出手段を挟んで運転席側と助手席側とに配置され、制御手段は、被検出体の動作として運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とするものである。
【0011】
このように、車速度が所定値以上であり、かつ運転者が操作手段を操作しようとしている場合に操作信号の出力を禁止する操作手段に接続されるものであり、制御手段は、被検出体の動作として運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することによって、車両走行中の運転者による操作手段の操作を防止することができる。
【0012】
また、運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定する場合、請求項6乃至請求項9に記載のように、検出手段にて検出されたそれぞれの検出用信号の強度、運転席側に配置された出力手段から出力された検出用信号のみを検出したか否か、検出手段にて検出用信号を検出し始めた際に先に運転席側に配置された出力手段から出力された検出用信号を検出したか否か、検出手段にて検出されたそれぞれの検出用信号の頻度などによって判定することによって、正確に運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することができる。
【0013】
また、正確に運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定するために検出用信号の頻度を用いる場合、請求項10に記載のように、パルスコードを検出した数に基づいても判定することができる。
【0014】
また、請求項11に記載の近接センサでは、近接センサは、制御手段の判定結果に基づいて車両の天井に設けられフロントガラスに沿ってスライド動作するスライドサンバイザーの動作を制御するサンバイザー制御手段と接続され、複数の出力手段は、フロントガラス近傍であり、検出手段を間に挟んでスライド方向に配置され、制御手段は、被検出体の動作として搭乗者の光を遮る動作を判定することを特徴とするものである。
【0015】
このように、被検出体の動作として搭乗者の光を遮る動作を判定することによって、搭乗者に影響している外光に応じてスライドサンバイザーを制御することができる。
【0016】
また、請求項12に記載のように、スライドサンバイザーが使用状態である際に、フロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した後、所定時間内にフロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は、外光の影響がなくなったとみなしてスライドサンバイザーの格納位置へのスライド動作を要求する動作であると判定することができる。
【0017】
また、請求項13に記載の近接センサでは、スライドサンバイザーは、複数段階のスライド位置を有するものであり、制御手段は、検出手段にてフロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合はスライドサンバイザーの最大使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定し、フロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号及びフロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を同時に検出した場合はスライドサンバイザーの中間使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定し、フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合はスライドサンバイザーの最小使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定することを特徴とするものである。
【0018】
搭乗者は、外光が影響する場合、その外光の入射角度に応じて手を動かすことによって外光を遮ることがある。従って、請求項13に記載の近接センサのように、スライドサンバイザーの使用位置をフロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は最大使用位置、フロントガラスに近い出力手段及びフロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を同時に検出した場合は中間使用位置、フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は最小使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定することができ、より一層搭乗者に影響している外光に応じたスライドサンバイザー制御を行うことができる。
【0019】
また、請求項14に記載のように、フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した後、所定時間内にフロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は、外光の影響が急に強くなったとみなして、他の場合に比べて早くスライド動作させることを要求する動作であると判定することができる。
【0020】
また、請求項15に記載の近接センサでは、近接センサは、情報機器に対して方向を示す操作信号を出力するものであり、出力手段は、検出手段を中心として複数個所に等間隔で配置されるものであり、制御手段は、被検出体の動作としてどの方向が指示されたかを判定し、方向を示す操作信号を出力することを特徴とするものである。
【0021】
このように、被検出体の動作としてどの方向が指示されたかを判定し、その判定結果に応じて方向を示す操作信号を情報機器に対して出力することによって、近接センサを例えば、十字キーなどのような操作手段として用いることができる。
【0022】
また、どの方向が指示されたか否かを判定する場合、請求項16に記載のように、検出手段が検出した検出用信号を出力している出力手段の検出手段の位置に対する方向を指示された方向と判定することができる。また、請求項17に記載のように、基準出力手段から出力された検出用信号を検出してから所定時間内に全ての出力手段から出力された検出用信号を検出すると共に、検出手段を挟んで基準出力手段と対向する位置に配置されている対向出力手段から出力された検出用信号を検出した場合、対向出力手段の配置されている方向を指示された方向を判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0024】
(第1の実施の形態)
ここで、本発明の第1の実施の形態に関して図面を用いて説明する。本発明の実施の形態においては、本発明の近接センサを車両の表示装置に設けられた操作部に適用した例である。図1は、本発明の第1の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。図2(a)は本発明の第1の実施の形態における表示装置を説明するイメージ図であり、図2(b)は本発明の第1の実施の形態における近接センサの手の位置と入力強度の関係を示すグラフである。
【0025】
本実施の形態における近接センサは、制御部(制御手段)10、センサ部20、出力部(出力手段)21a〜21b、検出部(検出手段)22などを備え、表示装置40に設けられた操作部(操作手段)30に接続される。
【0026】
制御部10は、出力部21a〜21bに対して赤外線の発射を示す駆動信号を出力すると共に、検出部22から出力された入力強度を示す信号などを含む検出信号を取得する。そして、制御部10は、検出信号を取得すると、その検出信号がどちらの出力部21a〜21bから出力されたものかなどに基づいて車両搭乗者の手(被検出体)の動作を判定するものである。さらに、制御部10は、この判定結果に基づいて、操作部30に対して操作信号の出力を禁止することを示す制御信号(操作禁止信号とも称する)、もしくは禁止を解除することを示す制御信号(操作禁止解除信号とも称する)を出力する。また、制御部10は、図示しないイグニッション装置及び車速度検出装置と接続されており、イグニッション信号(IG信号)、車速信号を取得する。
【0027】
出力部21a〜21bは、LED(発光ダイオード)などを備え、制御部10から赤外線の発射を示す駆動信号が出力されると、検出用信号としての赤外線をそれぞれ異なるパルスコードで略同時に発射する。検出部22は、複数の出力部21a〜21bで共有するものであり、PD(フォトダイオード)、増幅回路などを備えPDにて検出した赤外線を増幅回路にて増幅して制御部10に検出信号として出力する。なお、出力部21a〜21bは、LEDに限定されるものではなく、赤外線を出力できるものであればよい。また、検出部22は、PDに限定されるものではなく、赤外線を検出できるものであればよい。
【0028】
操作部30は、表示装置40の周辺部に設けられたメカニカルな操作スイッチ42を有し、操作スイッチ42の操作に応じて図示しないナビゲーション装置、テレビジョン装置、オーディオ装置、空調装置などの車載機器へ操作信号を出力する。また、操作部30は、制御部10から操作禁止信号が出力された場合は操作信号の出力を禁止し、操作禁止解除信号が出力された場合は操作信号を出力する。
【0029】
表示装置40は、車室内のセンターコンソール付近に設置されカラー液晶パネルなどからなる表示画面41などを備え、ナビゲーション装置によって形成される地図データやテレビジョン装置によって受信したテレビ番組などを表示画面41に表示する。
【0030】
また、表示装置40は、図2(a)に示すように表示画面41が形成される面側に、操作スイッチ42、出力部21a〜21b、検出部22を備える。出力部21a〜21bは、検出部22を挟んで助手席側(21a)と運転席側(21b)とに配置される。そして、各出力部21a、21bによる赤外線の発射領域、すなわち被検出体を検出可能な検出領域は、出力部21aは検出領域A1であり、出力部21bは検出領域A2である。
【0031】
ここで、本発明の第1の実施の形態における近接センサの動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【0032】
まず、ステップS1では、制御部10は、IG信号があるか否かを判定し、IG信号がある場合はステップS2に進み、IG信号がない場合はステップS1での判定を繰り返す。
【0033】
ステップS2では、制御部10は、車速度検出装置からの車速度信号に基づいて車速度が5km以上であるか否かを判定し、車速が5km以上であると判定した場合はステップS3へ進み、5kmより遅いと判定した場合はステップS5へ進む。これは、車速度が5km以上であるような場合に運転者が操作スイッチ42を操作することは危険であるので、運転者による操作を禁止するか否かを判定するためである。
【0034】
そして、ステップS3では、制御部10は、検出部22の検出結果(検出信号)に基づいて運転者が操作スイッチ42を操作しようとしているか否かを判定し、運転者が操作しようとしていると判定した場合はステップS4へ進み、運転者が操作しようとしていないと判定した場合はステップS5へ進む。
【0035】
なお、制御部10は、図2(b)に示すように、運転席側の出力部21bから出力された赤外線の検出部22への入力強度と助手席側の出力部21aから出力された赤外線の検出部22への入力強度とを比較する。そして、制御部10は、運転席側の出力部21bから出力された赤外線の検出部22への入力強度が助手席側の出力部21aから出力された赤外線の検出部22への入力強度より大きい場合、すなわち検出領域A2の方に被検出体がある場合は、その被検出体は運転者の手であるとみなすことができる。
【0036】
従って、制御部10は、運転席側の出力部21bから出力された赤外線の検出部22への入力強度が助手席側の出力部21aから出力された赤外線の検出部22への入力強度より大きい場合は運転者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定し、それ以外の場合は助手席側の搭乗者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定する。
【0037】
また、制御部10は、検出部22からの検出信号が運転席側の出力部21bから出力された赤外線のみである場合、すなわち検出領域A2のみに被検出体がある場合は、その被検出体は運転者の手であるとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が運転席側の出力部21bから出力された赤外線のみである場合は運転者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定し、それ以外の場合は助手席側の搭乗者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定する。この場合、出力部21a及び出力部21bのどちらか一方のみの赤外線を検出するために、所定の入力強度以上の赤外線、例えば図2(b)のB点以上の入力強度の赤外線のみを用いるようにしてもよい。
【0038】
また、制御部10は、検出部22にて赤外線を検出し始めた際に、先に運転席側の出力手段21bから出力された赤外線を示す検出用信号を取得した場合、すなわち先に検出領域A2に被検出体が存在するような場合は、その被検出体は運転者の手であるとみなすことができる。従って、制御部10は、検出部22にて赤外線を検出し始めた際に、先に運転席側の出力手段21bから出力された赤外線を取得した場合にも運転者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定し、それ以外の場合は助手席側の搭乗者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定してもよい。この場合、出力部21a及び出力部21bのどちらの赤外線が先に検出されたか否かを判定するために、図2(b)のグラフの左端は出力部21aから出力された赤外線のみが検出されるように所定の入力強度以上の赤外線を用い、図2(b)のグラフの右端は出力部21bから出力された赤外線のみが検出されるように所定の入力強度以上の赤外線を用いるようにしてもよい。
【0039】
さらに、制御部10は、時間をカウントするタイマー(計時手段)などを備え、所定時間内に取得した赤外線のパルスコードの数が助手席側の出力部21aから出力されたものよりも運転席側の出力部21bから出力されたものの方が多い場合にも運転者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定してもよい。この場合、制御部10は、所定時間内に取得した赤外線のパルスコードの数が運転席側の出力部21bから出力されたものよりも助手席側の出力部21aから出力されたものの方が多い場合には助手席の搭乗者が操作スイッチ42を操作しようとしていると判定する。
【0040】
ステップS4では、制御部10は、車速度が5km以上であり、かつ運転者が操作スイッチ42を操作しようとしている場合なので、操作スイッチ42の操作を禁止するために操作禁止信号を操作部30に出力する。
【0041】
ステップS5では、制御部10は、車速度が5kmより遅いか、もしくは助手席の搭乗者が操作スイッチ42を操作しようとしている場合なので、操作スイッチ42の操作の禁止を解除するために操作禁止解除信号を操作部30に出力する。
【0042】
なお、本発明の実施の形態においては、出力部21a〜21b及び検出部22は表示装置40に設けられた例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の運転席と助手席との間に搭載される操作スイッチ42の近傍であればよい。
【0043】
また、本発明の実施の形態においては、制御部10が操作部30に対して操作禁止信号、もしくは操作禁止解除信号を出力する例を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。操作部30が制御部10による動作の判定結果に基づいて操作信号の出力を禁止するか否かを判定するようにしてもよい。
【0044】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に関して図面を用いて説明する。本発明の実施の形態においては、本発明の近接センサをスライドサンバイザー装置に適用した例である。
【0045】
第2の実施の形態における近接センサは、第1の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は、近接センサをスライドサンバイザー装置に適用する点である。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。図5は、本発明の第2の実施の形態におけるスライドサンバイザーを説明するイメージ図である。
【0047】
本実施の形態における近接センサは、制御部(制御手段)10、センサ部20、出力部(出力手段)21c〜21d、検出部(検出手段)22などを備え、スライドサンバイザー装置50に接続される。
【0048】
制御部10は、検出信号を取得すると、その検出信号がどの出力部21c〜21dから出力されたものかなどに基づいて車両搭乗者の手(被検出体)の動作を判定するものである。さらに、制御部10は、この判定結果に基づいて、スライドサンバイザー装置50に対してサンバイザー51のスライド動作を示す駆動信号を出力する。また、制御部10は、図示しない電源装置と接続されておりアクセサリー信号(ACC信号)を取得する。
【0049】
出力部(出力手段)21c〜21d及び検出部(検出手段)22は、車室内の天井60のフロントガラスに近い場所に搭載される。出力部21c〜21dは、フロントガラス側(紙面左側)から出力部21d、検出部22、出力部21cの順で配置される。
【0050】
スライドサンバイザー装置50は、図5に示すようにサンバイザー51、格納部52などを備える。そして、サンバイザー51は、制御部10からの駆動信号に基づいて駆動する図示しないモータなどによってスライド動作し、天井60の格納部52に出入自在となっている。すなわち、図5に示すように天井60には、図示しない一対のガイドレールが平行に設けられ、このガイドレール間にサンバイザー51がスライド可能に設けられている。
【0051】
また、サンバイザー51は、複数段階の使用位置(本実施の形態においては3段階)を有する。その使用位置とは、サンバイザー51の略全てが格納部52から露出する程度の位置である最大使用位置、サンバイザー51のスライド方向の長さの半分程度が格納部52から露出する程度の位置である中間使用位置、サンバイザー51のスライド方向の長さの四分の一程度が格納部52から露出する程度の位置である最小使用位置である。
【0052】
ここで、本発明の第2の実施の形態における近接センサの動作について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【0053】
ステップS11では、制御部10は、ACC信号があるか否かを判定し、ACC信号がある場合はステップS12に進み、ACC信号がない場合はステップS11での判定を繰り返す。
【0054】
ステップS12では、制御部10は、車両搭乗者がサンバイザー51の最小使用位置を要求しているか否かを判定し、最小使用位置を要求していると判定した場合はステップS13へ進み、最小使用位置を要求していないと判定した場合はステップS14へ進む。
【0055】
制御部10は、検出部22からの検出信号がフロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された赤外線のみである場合、車両搭乗者が外光を遮るために動かした手の位置は出力部21cに近い位置にある可能性が有り、外光は車両の真上に近い方向から入射しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号がフロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者がサンバイザー51の最小使用位置を要求し、それ以外の場合はサンバイザー51の最小使用位置を要求していないと判定する。
【0056】
ステップS13では、制御部10は、スライドサンバイザー装置50に対して最小使用位置を示す駆動信号を出力する。スライドサンバイザー装置50は、取得した駆動信号に基づいてモータを駆動することによってサンバイザー51を最小使用位置にスライド移動する。
【0057】
ステップS14では、制御部10は、車両搭乗者がサンバイザー51の中間使用位置を要求しているか否かを判定し、中間使用位置を要求していると判定した場合はステップS15へ進み、中間使用位置を要求していないと判定した場合はステップS16へ進む。
【0058】
制御部10は、検出部22からの検出信号が出力部21c及び出力部21dの両方から出力された赤外線である場合、車両搭乗者が外光を遮るために動かした手の位置は出力部21cと出力部21dの中間位置にある可能性が有り、外光は車両の真上から多少車両前方から入射しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が出力部21c及び出力部21dの両方から出力された赤外線である場合は、車両搭乗者がサンバイザー51の中間使用位置を要求し、それ以外の場合はサンバイザー51の中間使用位置を要求していないと判定する。
【0059】
ステップS15では、制御部10は、スライドサンバイザー装置50に対して中間使用位置を示す駆動信号を出力する。スライドサンバイザー装置50は、取得した駆動信号に基づいてモータを駆動することによってサンバイザー51を中間使用位置にスライド移動させる。
【0060】
ステップS16では、制御部10は、車両搭乗者がサンバイザー51の最大使用位置を要求しているか否かを判定し、最大使用位置を要求していると判定した場合はステップS17へ進み、最大使用位置を要求していないと判定した場合はステップS18へ進む。
【0061】
制御部10は、検出部22からの検出信号がフロントガラスに近い方の出力部21dから出力された赤外線のみである場合、車両搭乗者が外光を遮るために動かした手の位置は出力部21dに近い位置にある可能性が有り、外光は車両の前方の低い位置から入射しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号がフロントガラスに近い方の出力部21dから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者がサンバイザー51の最大使用位置を要求し、それ以外の場合はサンバイザー51の最大使用位置を要求していないと判定する。
【0062】
ステップS17では、制御部10は、スライドサンバイザー装置50に対して最大使用位置を示す駆動信号を出力する。スライドサンバイザー装置50は、取得した駆動信号に基づいてモータを駆動することによってサンバイザー51を最大使用位置にスライド移動させる。
【0063】
ステップS18では、制御部10は、車両搭乗者がサンバイザー51をすばやく最大使用位置にスライド移動することを要求しているか否かを判定し、すばやく最大使用位置にスライド移動することを要求していると判定した場合はステップS19へ進み、すばやく最大使用位置にスライド移動することを要求していないと判定した場合はステップS20へ進む。
【0064】
制御部10は、フロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された検出信号を取得した後、所定時間内にフロントガラスに近い方の出力部21dから出力された検出信号を取得した場合、車両搭乗者は外光を遮るために急いで出力部21cから出力部21dの方へ手を動かした可能性が有り、急に外光が車室内に入射してきたとみなすことができる。従って、制御部10は、フロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された検出信号を取得した後、所定時間内にフロントガラスに近い方の出力部21dから出力された検出信号を取得した場合は、車両搭乗者がサンバイザー51をすばやく最大使用位置にスライド移動することを要求し、それ以外の場合はサンバイザー51をすばやく最大使用位置にスライド移動することを要求していないと判定する。
【0065】
ステップS19では、制御部10は、スライドサンバイザー装置50に対してすばやく最大使用位置にスライド移動することを示す駆動信号を出力する。スライドサンバイザー装置50は、取得した駆動信号に基づいてモータの回転速度を上昇させて駆動することによってサンバイザー51をすばやく最大使用位置にスライド移動させる。
【0066】
ステップS20では、制御部10は、車両搭乗者がサンバイザー51を格納部52にスライド移動することを要求しているか否かを判定し、格納部52にスライド移動することを要求していると判定した場合はステップS21へ進み、格納部52にスライド移動することを要求していないと判定した場合はステップS12へ進む。
【0067】
制御部10は、フロントガラスに近い方の出力部21dから出力された検出信号を取得した後、所定時間内にフロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された検出信号を取得した場合、車両搭乗者は外光を遮る必要がなくなり出力部21dから出力部21cの方へ手を動かした可能性が有り、外光は車室内に入射してきていないとみなすことができる。従って、制御部10は、フロントガラスに近い方の出力部21dから出力された検出信号を取得した後、所定時間内にフロントガラスから遠い方の出力部21cから出力された検出信号を取得した場合は、車両搭乗者がサンバイザー51を格納部52にスライド移動することを要求し、それ以外の場合はサンバイザー51を格納部52にスライド移動することを要求していないと判定する。
【0068】
ステップS21では、制御部10は、スライドサンバイザー装置50に対して格納を示す駆動信号を出力する。スライドサンバイザー装置50は、取得した駆動信号に基づいてモータを駆動することによってサンバイザー51を格納部52にスライド移動させる。
【0069】
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に関して図面を用いて説明する。本発明の実施の形態においては、本発明の近接センサを車載機器の操作装置として適用した例である。
【0070】
第3の実施の形態における近接センサは、第1及び第2の実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。第3の実施の形態において、第1及び第2の実施の形態と異なる点は、近接センサを車載機器の操作装置として適用した点である。
【0071】
図7は、本発明の第3の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。図8は、本発明の第3の実施の形態における近接センサを説明するイメージ図である。
【0072】
本実施の形態における近接センサは、制御部(制御手段)10、センサ部20、出力部(出力手段)21e〜21h、検出部(検出手段)22などを備え、車載機器70に接続される。
【0073】
制御部10は、検出信号を取得すると、その検出信号がどの出力部21e〜21hから出力されたものかなどに基づいて車両搭乗者の手(被検出体)の動作を判定するものである。さらに、制御部10は、この判定結果に基づいて、車載機器70に対して方向を示す操作信号(右操作信号、左操作信号、上操作信号、下操作信号など)を出力する。また、制御部10は、図示しない電源装置と接続されておりアクセサリー信号(ACC信号)を取得する。
【0074】
出力部21e〜21h及び検出部22は、車室内のセンターコンソール付近に設置される。そして、出力部21e〜21hは、図8に示すように検出部22を中心として等間隔に右側に出力部21e、左側に出力部21f、上側に出力部21g、下側に出力部21hが配置される。そして、出力部21e〜21hによる赤外線の発射領域、すなわち搭乗者の手(被検出体)の検出可能な領域は、出力部21eは検出領域A3であり、出力部21fは検出領域A4であり、出力部21gは検出領域A5であり、出力部21hは検出領域A6である。なお、出力部は4方向に限定されるものではなく、2方向、8方向など複数方向に設けるものであればよい。
【0075】
車載機器70は、ナビゲーション装置、テレビジョン装置、オーディオ装置、空調装置などであり、制御部10からの操作信号に基づいて案内経路の設定、テレビチャンネルの変更、音量の調節、空調温度の調整などを実行する。
【0076】
ここで、本発明の第3の実施の形態における近接センサの動作について説明する。図9は、本発明の第3の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【0077】
ステップS31では、制御部10は、ACC信号があるか否かを判定し、ACC信号がある場合はステップS32に進み、ACC信号がない場合はステップS31での判定を繰り返す。
【0078】
ステップS32では、制御部10は、車両搭乗者が右方向を操作しているか否かを判定し、右方向を操作していると判定した場合はステップS33へ進み、右方向を操作していないと判定した場合はステップS34へ進む。
【0079】
制御部10は、検出部22からの検出信号が右側の出力部21eから出力された赤外線のみである場合、搭乗者は右方向を操作しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が右側の出力部21eから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者が右方向を操作していると判定し、それ以外は右方向を操作していないと判定する。
【0080】
又は、制御部10は、左側の出力部21fから出力された検出信号を取得した後、所定時間内に全ての出力部21e〜21h、右側の出力部21eの順番で検出信号を取得した場合も搭乗者は右方向を操作しているとみなすことができる。
【0081】
ステップS33では、制御部10は、車載機器70に対して右方向を示す右操作信号を出力する。
【0082】
ステップS34では、制御部10は、車両搭乗者が左方向を操作しているか否かを判定し、左方向を操作していると判定した場合はステップS35へ進み、左方向を操作していないと判定した場合はステップS36へ進む。
【0083】
制御部10は、検出部22からの検出信号が左側の出力部21fから出力された赤外線のみである場合、搭乗者は左方向を操作しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が左側の出力部21fから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者が左方向を操作していると判定し、それ以外は左方向を操作していないと判定する。
【0084】
又は、制御部10は、右側の出力部21eから出力された検出信号を取得した後、所定時間内に全ての出力部21e〜21h、左側の出力部21fの順番で検出信号を取得した場合も搭乗者は左方向を操作しているとみなすことができる。
【0085】
ステップS35では、制御部10は、車載機器70に対して左方向を示す左操作信号を出力する。
【0086】
ステップS36では、制御部10は、車両搭乗者が上方向を操作しているか否かを判定し、上方向を操作していると判定した場合はステップS37へ進み、上方向を操作していないと判定した場合はステップS38へ進む。
【0087】
制御部10は、検出部22からの検出信号が上側の出力部21gから出力された赤外線のみである場合、搭乗者は上方向を操作しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が上側の出力部21gから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者が上方向を操作していると判定し、それ以外は上方向を操作していないと判定する。
【0088】
又は、制御部10は、下側の出力部21hから出力された検出信号を取得した後、所定時間内に全ての出力部21e〜21h、上側の出力部21gの順番で検出信号を取得した場合も搭乗者は上方向を操作しているとみなすことができる。
【0089】
ステップS37では、制御部10は、車載機器70に対して上方向を示す上操作信号を出力する。
【0090】
ステップS38では、制御部10は、車両搭乗者が下方向を操作しているか否かを判定し、下方向を操作していると判定した場合はステップS39へ進み、下方向を操作していないと判定した場合はステップS32へ進む。
【0091】
制御部10は、検出部22からの検出信号が下側の出力部21hから出力された赤外線のみである場合、搭乗者は下方向を操作しているとみなすことができる。従って、制御部10は、検出信号が下側の出力部21hから出力された赤外線のみである場合は、車両搭乗者が下方向を操作していると判定し、それ以外は下方向を操作していないと判定する。
【0092】
又は、制御部10は、上側の出力部21gから出力された検出信号を取得した後、所定時間内に全ての出力部21e〜21h、下側の出力部21hの順番で検出信号を取得した場合も搭乗者は下方向を操作しているとみなすことができる。
【0093】
ステップS39では、制御部10は、車載機器70に対して下方向を示す下操作信号を出力する。
【0094】
また、第1乃至第3の実施の形態においては、検出部22で検出した赤外線がどの出力部21a〜21hから出力された赤外線であるかを区別するためにパルスコードを異ならせるようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、出力部21a〜21hから出力する赤外線の波長又は周波数を異ならせてもよい。この場合、被検出体の動作を判定する際に、検出部22にて検出された赤外線の検出頻度を用いるようにしてもよい。
【0095】
また、第1乃至第3の実施の形態においては、検出用信号として赤外線を用いる例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、超音波を用いてもよい。この場合、出力部21a〜21hは、制御部10からの駆動信号に応じて検出用信号として所定波長の超音波を発射するものであり、圧電素子、圧電素子を駆動する圧電素子駆動部などを備える。出力部21a〜21hは、制御部10から超音波の発射を示す駆動信号が出力されると、圧電素子駆動部により人間の耳には聞こえない程度の低周波で振動するように圧電素子が駆動されることによって超音波を発射する。検出部22は、被検出体によって反射した超音波を検出して制御部10に出力するものであり、圧電素子、増幅回路などを備える。検出部22は、圧電素子にて検出した超音波を増幅回路にて増幅して制御部10に検出信号として出力する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。
【図2】(a)は本発明の第1の実施の形態における表示装置を説明するイメージ図であり、(b)は本発明の第1の実施の形態における近接センサの手の位置と入力強度の関係を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態におけるスライドサンバイザーを説明するイメージ図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態における近接センサの概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における近接センサを説明するイメージ図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態における近接センサの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0097】
10 制御部(制御手段)、20 センサ部、21a〜21h 出力部(出力手段)、22 検出部(検出手段)、30 操作部(操作手段)、40 表示装置、41 表示画面、42 操作スイッチ、50 スライドサンバイザー装置、51 サンバイザー、52 格納部、60 天井、70 車載機器、A1〜A6 検出領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ態様が異なる検出用信号を出力する複数の出力手段と、
被検出体にて反射した前記検出用信号をそれぞれ検出する検出手段と、
前記複数の出力手段からの検出用信号の出力時期が少なくとも一部重複するように前記複数の出力手段に検出用信号を出力させると共に、前記検出手段によってそれぞれ検出された検出用信号に基づいて被検出体の動作を判定する制御手段と、
を備えることを特徴とする近接センサ。
【請求項2】
前記複数の出力手段は、検出用信号として赤外線もしくは超音波を用いるものであり、それぞれの出力手段で波長もしくは周波数を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項3】
前記複数の出力手段は、検出用信号として赤外線もしくは超音波をパルスコード化して用いるものであり、それぞれの出力手段でパルスコードを異ならせることを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
【請求項4】
前記検出手段は、前記複数の出力手段で共用することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項5】
前記近接センサは、車両の運転席と助手席との間に搭載され車載機器に対して操作信号を出力すると操作手段に接続され、当該操作手段は、車速度が所定値以上であり、かつ前記運転者が前記操作手段を操作しようとしている場合は前記操作信号の出力を禁止するものであり、前記複数の出力手段は、前記操作手段の近傍であり前記検出手段を挟んで運転席側と助手席側とに配置され、前記制御手段は、前記被検出体の動作として運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項6】
前記制御手段は、前記検出手段にて検出されたそれぞれの検出用信号の強度に基づいて運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の近接センサ。
【請求項7】
前記制御手段は、前記運転席側に配置された出力手段から出力された検出用信号のみを検出したか否かに基づいて運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の近接センサ。
【請求項8】
前記制御手段は、前記検出手段にて検出用信号を検出し始めた際に、先に運転席側に配置された出力手段から出力された検出用信号を検出したか否かに基づいて運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の近接センサ。
【請求項9】
前記制御手段は、前記検出手段にて検出されたそれぞれの検出用信号の頻度に基づいて運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項5に記載の近接センサ。
【請求項10】
前記出力手段は、前記検出用信号としてパルスコードを用いるものであり、前記制御手段は、前記検出用信号の頻度としてパルスコードを検出した数に基づいて運転者が操作手段を操作しようとしているか否かを判定することを特徴とする請求項9に記載の近接センサ。
【請求項11】
前記近接センサは、前記制御手段の判定結果に基づいて車両の天井に設けられフロントガラスに沿ってスライド動作するスライドサンバイザーの動作を制御するサンバイザー制御手段と接続され、前記複数の出力手段は、前記フロントガラス近傍であり、前記検出手段を間に挟んで前記スライド方向に配置され、前記制御手段は、前記被検出体の動作として搭乗者の光を遮る動作を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項12】
前記制御手段は、時間を計時する計時手段を備え、前記スライドサンバイザーが使用状態である際に、前記フロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した後、所定時間内に前記フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は前記スライドサンバイザーの格納位置へのスライド動作を要求する動作であると判定することを特徴とする請求項11に記載の近接センサ。
【請求項13】
前記スライドサンバイザーは、複数段階のスライド位置を有するものであり、前記制御手段は、前記検出手段にて前記フロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は前記スライドサンバイザーの最大使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定し、前記フロントガラスに近い出力手段から出力された検出用信号及び当該フロントガラスから遠い前記出力手段から出力された検出用信号を同時に検出した場合は前記スライドサンバイザーの中間使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定し、前記フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は前記スライドサンバイザーの最小使用位置へのスライド動作を要求する動作であると判定することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の近接センサ。
【請求項14】
前記制御手段は、時間を計時する計時手段を備え、前記検出手段にて前記フロントガラスから遠い出力手段から出力された検出用信号を検出した後、所定時間内に当該フロントガラスに近い前記出力手段から出力された検出用信号を検出した場合は、他の場合に比べて早くスライド動作させることを要求する動作であると判定することを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項15】
前記近接センサは、情報機器に対して方向を示す操作信号を出力するものであり、前記出力手段は、前記検出手段を中心として複数個所に等間隔で配置されるものであり、前記制御手段は、前記被検出体の動作としてどの方向が指示されたかを判定し、その判定結果に応じて前記方向を示す操作信号を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の近接センサ。
【請求項16】
前記制御手段は、前記検出手段が検出した検出用信号を出力している前記出力手段の当該検出手段の位置に対する方向を前記指示された方向と判定することを特徴とする請求項15に記載の近接センサ。
【請求項17】
前記制御手段は、時間を計時する計時手段を備え、前記検出手段にて検出された前記検出用信号を出力する前記出力手段を基準出力手段とし、当該基準出力手段から出力された前記検出用信号を検出してから所定時間内に全ての出力手段から出力される検出用信号を検出すると共に、当該検出手段を挟んで前記基準出力手段と対向する位置に配置されている対向出力手段から出力された検出用信号を検出した場合、当該対向出力手段の配置されている方向を前記指示された方向と判定することを特徴とする請求項15に記載の近接センサ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−88768(P2006−88768A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−273758(P2004−273758)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】