通信サービス提供方法
【課題】通信サービスを実現する通信リソースとしての端末、アプリケーションおよびネットワークを動的に選択、変更可能な通信サービス提供方法を提供する。
【解決手段】通信サービスを開始する際および実行中に、その通信サービスを実現する通信リソースとしての端末(PDA、携帯電話、コンピュータ等)、アプリケーション(テレビ電話、VoIP等)、ネットワーク(IEEE802.11b、EV-DO等)を、プレゼンスサーバに登録されている各端末のプレゼンス情報に基づいて、送信側および受信側の各ユーザに選択させ、選択された通信リソースをセッション管理サーバ14へ登録する。セッション管理サーバ14は、選択された通信リソースを利用したセッションをユーザ間に確立する。
【解決手段】通信サービスを開始する際および実行中に、その通信サービスを実現する通信リソースとしての端末(PDA、携帯電話、コンピュータ等)、アプリケーション(テレビ電話、VoIP等)、ネットワーク(IEEE802.11b、EV-DO等)を、プレゼンスサーバに登録されている各端末のプレゼンス情報に基づいて、送信側および受信側の各ユーザに選択させ、選択された通信リソースをセッション管理サーバ14へ登録する。セッション管理サーバ14は、選択された通信リソースを利用したセッションをユーザ間に確立する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信サービス提供方法に係り、特に、通信サービスを実現する通信リソースとしての端末、アプリケーションおよびネットワークを動的に選択、変更可能な通信サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末のモビリティサポート手法として、通信端末を持ち歩いた場合にIPアドレスが変化しても通信が切断されないネットワーク切替え手法が主として検討されてきた。この方法は、アプリケーションに対してネットワークの変更を隠蔽できるものの、アプリケーションを切り替えたり、複数の端末が存在する環境で端末を切り替えたりする、より柔軟なモビリティサポートには対応していない。
【0003】
VoIPで利用されるSIP(Session Initiation Protocol)は、ユーザ間でセッションを開始するためのプロトコルである。一方、非特許文献1は、SIP上でREFERメソッドを定義している。REFERメソッドは呼の転送を実行するメソッドである。その具体的な使用例としては、通信端末Aと通信端末Bとが通信をしている状態から、通信端末Aが通信端末Bに対して「通信端末CへのREFER」を送信すると、このリクエストを受信した通信端末Bは通信端末Cとの通話に移行する、といったものが挙げられる。この動作では、通信端末Bの通信相手が通信端末Aから通信端末Cへと切替わっており、端末切り替えの実行が実現されている。
【非特許文献1】IETF RFC3515 The Session Initiation Protocol (SIP) Refer Method
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
REFERメソッドを使用した上記手法は、アプリケーションが固定的であることを前提とした端末変更であって、非常に限定されたシナリオで利用可能なものである。したがって電話の転送機能などへの適用が好ましい。
【0005】
一方、通信端末が多様化し、遍在化する環境においては、必ずしも一様なアプリケーションのみで通信サービスが実行できるとは限らない。例えば、ユーザ同士が通話するサービスの実現を想定しても、ユーザをとりまく環境に応じて、ある場合はVoIPが、ある場合はテレビ電話が適しているというように、状況にあわせてアプリケーションそのものの切り替えも要求される。
【0006】
サービス全体の具体例を挙げると、屋外で携帯電話を利用してVoIP通信をしていたユーザが、オフィスに戻ったときにPCを使用したテレビ電話に通信を切替えるといったシナリオが挙げられる。また、その切替えに際して、テレビ電話の画面はPCで表示したいが、音声の入出力は携帯電話を使いたいという要求が出てくることも考えられる。
【0007】
さらに、今日の通信では、NATなどのゲートウェイで区切られたローカルネットワーク間の端末同士での通信も頻繁に行われる。しかしながら、REFERメソッドによる端末変更では、グローバルネットワーク上、あるいは全ての端末が単一のローカルネットワーク上に存在する場合には問題ないが、ローカルネットワーク内の通信端末への端末変更などは、アドレスの到達性の問題から実行することができない。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、通信サービスを実現する通信リソースとしての端末、アプリケーションおよびネットワークを動的に選択、変更可能な通信サービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明は、セッション管理サーバおよびプレゼンスサーバが配置されたネットワークを経由して発信者と受信者との間に確立された通信セッション上で、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを組み合わせて所定の通信サービスを提供する通信サービス提供方法において、以下の手順を含むことを特徴とする。
【0010】
(1)発信者の発呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、受信者の着呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、発呼端末において、端末、アプリケーションおよびネットワークの少なくとも一つに関して、所望の通信サービスを実現する通信リソースを一つずつ選択する手順と、前記発呼端末が、前記選択された通信リソースおよび発呼先を含む発呼要求をセッション管理サーバへ送信する手順と、前記セッション管理サーバがプレゼンスサーバから前記各端末のプレゼンス情報を取得する手順と、前記セッション管理サーバが、前記取得したプレゼンス情報に基づいて着呼端末を決定する手順と、前記セッション管理サーバが、各端末のプレゼンス情報および前記選択された通信リソースを含む発呼要求を前記着呼端末へ送信する手順と、前記着呼端末において、前記発呼要求に基づいて通信リソースを選択する手順と、前記着呼端末が、前記選択された通信リソースをセッション管理サーバへ通知する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通信リソースに関する情報を前記発呼端末および着呼端末から受信してセッションテーブルを作成する手順と、前記セッション管理サーバが、前記セッションテーブルの登録内容に基づいて、発信者および受信者の各端末へ、利用する通信リソースを通知する手順と、前記発信者および受信者が、前記通知された通信リソースに基づいて通信を開始する手順とを含む。
【0011】
(2)発呼端末および着呼端末では、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所定の順序で選択され、選択済みの通信リソースと組み合わせられない他の通信リソースの選択が禁止されることを特徴とする。
【0012】
(3)相互に通信する発信者および受信者の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、発信者および受信者の一方では通信リソースが切り替えられ、他方では通信リソースが切り替えられないことを特徴とする。
【0013】
(4)相互に通信中の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、前記セッション管理サーバが、相互に通信中の他方の端末へ通信リソースの切替通知を送信する手順と、前記他方の端末において、前記通信リソースの切替通知に基づいて切り替え後の通信リソースを決定する手順と、前記他方の端末からセッション管理サーバへ、前記決定した通信リソースを通知する手順と、前記セッション管理サーバが、前記一方および他方の各端末から通知された切り替え後の通信リソースをセッションテーブルへ登録する手順と、前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、前記発信者および受信者の一方および他方で通信リソースが切り替えられることを特徴とする。
【0014】
(5)発呼端末、着呼端末および通信中の端末以外の端末も通信リソースとして選択できることを特徴とする。
【0015】
(6)アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに選択あるいは切り替えられるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
上記した特徴(1)によれば、通信サービスを提供する際に、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に組み合わせることができるので、自由度が高く、モビリティに優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【0017】
上記した特徴(2)によれば、端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを選択する際に、組み合わせられない通信リソースの選択が禁止されるので、誤ったリソース選択を未然に防止できる。
【0018】
上記した特徴(3)によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。さらに、相手の通信リソースに影響が及ばないリソース切り替えに関しては、相手に通信リソースの切り替えを通知することなくリソース切り替えを行えるようになる。
【0019】
上記した特徴(4)によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。さらに、相手の通信リソースに影響が及ぶリソース切り替えに関しては、相手にも通信リソースの切り替えが通知されるので、リソース切り替えを確実に行えるようになる。
【0020】
上記した特徴(5)によれば、発呼端末、着呼端末および通信中の端末以外の端末も通信リソースとして利用できるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。
【0021】
上記した特徴(6)によれば、テレビ電話のアプリケーションが音声通信機能と画像通信機能とを含むように、アプリケーションが分割可能な複数の機能を含む場合には、各機能に異なる通信リソース(端末およびネットワーク)を割り当てることができるので、より自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る通信サービス提供システムのネットワーク構成を示したブロック図であり、各種の通信サービスを提供するサーバ群1、複数のオフィスネットワークまたはホームネットワーク2(2a,2b)、および携帯電話基地局3が、インターネット等の広域ネットワーク4を介して相互に接続されている。
【0023】
前記サーバ群1には、ルータ11およびハブ12を介してプレゼンスサーバ13およびセッション管理サーバ14が接続されている。ユーザAのオフィス/ホームネットワーク2aでは、NAT機能およびFW機能を備えたUPnP対応ルータ21aに、ユーザ端末としてのパーソナルコンピュータ(PC)23a、DHCPサーバ24aおよび無線アクセスポイント(AP)25aが、ハブ22aを介して接続されている。前記PC23aにはVoIPアプリケーションおよびテレビ電話アプリケーションが実装されており、USBカメラ26aおよびヘッドセット27aが接続されている。AP25aには、無線LAN機能を備えたユーザ端末としてのPDA28aが収容されている。オフィス/ホームネットワーク2aのユーザAは更に、ユーザ端末としての携帯電話29aを所有している。
【0024】
同様に、ユーザBのオフィス/ホームネットワーク2bは、UPnP対応ルータ21b,ハブ22b、PC23b、DHCPサーバ24bおよびAP25bを備え、前記PC23bにはUSBカメラ26bおよびヘッドセット27bが接続されている。AP25bには無線LAN機能を備えたPDA28bが収容されている。オフィス/ホームネットワーク2bのユーザBは更に、携帯電話29bを所有している。
【0025】
前記プレゼンスサーバ13は、各ユーザや端末の状態をプレゼンスとして管理し、それらのデータをリアルタイムに通知するプレゼンス機能を備えている。前記プレゼンス機能は、ユーザの状態の変化を直ちに別のユーザへ、またユーザ端末の状態の変化を直ちに同一ユーザの他の端末に通知する機能である。
【0026】
セッション管理サーバ14は、リクエストやレスポンスを中継するセッション管理機能を持ち、SIPのMESSAGEメソッドを用いて通信先相手への接続処理、アプリケーション切替や端末切替の際のネゴシエーションの制御を行う。UPnP対応NAT装置21は、UPnPによるデバイス検出対応機能、LAN内の機器からのポートマッピング要求対応機能、およびLAN内の機器へのWAN側IPアドレスの通知機能を備えている。
【0027】
図2は、前記各ユーザ端末の主要部の構成を示したブロック図である。コントローラ101は、プレゼンスサーバ13へのログオンおよびログオフを実行する「ログオン/ログオフ機能」、プレゼンスサーバ13へログオンしているユーザに対して所定のアプリケーションおよび端末で接続を試みる「通話接続機能」、実行中のアプリケーションを切り替える「アプリケーション切替機能」、実行中の端末を切り替える「端末切替機能」、ユーザや端末に関する情報や現在使用しているリンクインタフェースを表示する「ステータス表示機能」、プレゼンスサーバ13へログオンしているユーザまたはログオフしているユーザの表示を行う「バディリスト表示機能」、ならびにステータス表示機能で使用するアイコンファイルや端末名、プレゼンスサーバ13へのログオンで使用するIDおよびパスワードを設定する「ユーザプロファイル設定機能」等の各種機能を備えている。
【0028】
ネットワークマネージャ102は、IPアドレスおよびリンクインタフェースの変更を検知し、サービスマネージャ103への通知を行う「IPアドレス/リンクインタフェース監視機能」、サービスマネージャ103の指示により、リンクインタフェースをIEEE802.11b106およびEV-DO(Evolution Data Optimized)107のいずれかに切り替える「リンクインタフェース切替機能」、ならびにUPnPのメッセージを利用し、UPnPに対応したNAT装置の制御を行う「NAT装置制御機能」等の各種機能を備えている。
【0029】
サービスマネージャ103は、プレゼンスサーバ13に対して、ログオン/ログオフ、ユーザ管理およびプレゼンスの購読申請/購読解除等の制御を行う「クライアント機能」、アプリケーションが持つ設定ファイルを読込み、その設定に応じてアプリケーションの起動/停止等を行う「アプリケーション制御機能」、コントローラ101によるユーザの指示や、アプリケーションの設定による要求等に応じてネットワークマネージャ102への要求を行う「ネットワークマネージャ制御機能」、ならびにIPのMESSAGEメソッドを用いてセッション管理サーバ14との通信を行う「セッション管理サーバクライアント機能」等の各種機能を備えている。
【0030】
TV電話アプリケーション104は、マイク・インタフェースを通じて音声を取り込み、RTP(Real-time Transport Protocol)によって通話相手へ送信する音声入力・送信機能、RTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、スピーカへ出力する音声出力・受信機能、USBカメラを通じて画像を取り込み、RTPによって通話相手へ送信する画像入力・送信機能、およびRTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、画面上へ出力する画像出力・受信機能、およびサービスマネージャ103への要求やサービスマネージャ103からの要求に対する応答を行うサービスマネージャ・インタフェース機能等の各種機能を備えている。
【0031】
VoIPアプリケーション105は、マイク・インタフェースを通じて音声を取り込み、RTPによって通話相手へ送信する音声入力・送信機能、RTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、スピーカへ出力する音声出力・受信機能、およびサービスマネージャ103への要求やサービスマネージャ103からの要求に対する応答を行うサービスマネージャ・インタフェース機能等の各種機能を備えている。
【0032】
次いで、本実施形態の動作を、ユーザAが自身のPDA28a(ユーザ端末A1)からユーザBのユーザ端末B1に発呼して通信を開始する場合を例にして説明する。
【0033】
本実施形態では、以下に詳述するように、相互に通信するユーザA,Bが、通信リソースとしての通信端末(PC23,PDA28,携帯電話29…)、アプリケーション(テレビ電話、VoIP…)およびネットワーク(IEEE802.11b、EV-DO…)を、所定の条件下で任意に選択して通信を開始し、さらに通信中も任意に切替できるが、通信に関わるユーザ端末は、プレゼンスサーバ13に対して予め「端末ログオン」している必要がある。この「端末ログオン」により、ユーザ端末は自身の他のユーザ端末との間で各端末のプレゼンス情報を共有できるようになる。
【0034】
また、発信者側の発呼端末(A1)および着信者側の着呼端末(B1)に関しては、前記「端末ログオン」に加えてさらに、プレゼンスサーバ13に対して予め「ユーザログオン」している必要がある。この「ユーザログオン」により、発呼端末(A1)と着呼端末(B1)とが各端末のプレゼンス情報を共有できるようになる。
【0035】
図3は、各ユーザの一の端末において、コントローラ101が起動された際に実行される端末ログオンの手順を示したシーケンス図であり、ここでは当該端末がオンライン(端末ログオン中)であること等を含むプレゼンス情報を自身の他の端末へ通知するプレゼンス登録処理が行われる。
【0036】
ステップS1において、PDA8aのコントローラ101が起動されると、コントローラ101の初期化、サービスマネージャ103の初期化等の処理が開始され、ステップS2では、現在有効なIPアドレスが取得される。ステップS3では、取得されたIPアドレスがローカルアドレスであるか否かが判定される。本実施形態では、IPアドレスのネットワーク部がプライベートアドレスの範囲であればローカルIPアドレスと判定される。また、この判定が偽であると、ネットワーク上にUPnP対応ルータが存在するか否かで判定が行われる。
【0037】
ステップS4では、前記ステップS3の判定結果がローカルアドレスである場合、サービスマネージャ103からネットワークマネージャ102へWAN側IPアドレスの取得要求が送信される。ステップS5では、この取得要求に応答してネットワークマネージャ102からUPnP対応ルータ21のNAT機能に対してUPnPメッセージが送信される。NAT機能は、このUPnPメッセージに応答してWAN側IPアドレスを返信する。
【0038】
ステップS6では、サービスマネージャ103からプレゼンスサーバ13へ端末ログオン要求が送信される。プレゼンスサーバ13は、当該要求を処理するとともに対応する端末のプレゼンス情報を更新する。ステップS7では、既に端末ログオン済みの自身の他のユーザ端末に関するプレゼンス情報がプレゼンスサーバからユーザ端末へ送信される。ステップS8では、前記ログオンプレゼンス更新通知がユーザAの他の端末(23a,29a)へ通知され、PDA28aがオンラインであることが自身の他の端末に周知される。
【0039】
図11は、PDA28aに表示される前記接続/ステータス画面の一例を示した図であり、ユーザアイコンE1、ユーザIDのダイアログボックスE2、端末アイコンE3、端末名のダイアログボックスE4、ステータスのダイアログボックスE5、リンクインタフェース名のダイアログボックスE6、ログオン/ログオフボタンE7、アプリケーション選択ボタンE21、端末選択ボタンE22、接続ボタンE11、切替ボタンE12、切断ボタンE13、およびガイドエリアE14が設定されている。
【0040】
前記アプリケーション選択ボタンE21および端末選択ボタンE22は排他的にオンされ、図11に示したように、アプリケーション選択ボタンE21が押下されていれば、その下方にアプリケーションアイコンリストE9および端末アイコンリストE10が当該順序で上下に並んで表示される。これに対して、図12に示したように、端末選択ボタンE22が押下されていれば、その下方に端末アイコンリストE10およびアプリケーションアイコンリストE9が当該順序で上下に並んで表示される。
【0041】
前記ステータスのダイアログボックスE5にはユーザの状態として、「ログオン処理中」、「ログオフ処理中」、「offline」、「online」、「[使用中のアプリ名]」および「切替動作中」のいずれかが表示される。前記リンクインタフェースのダイアログボックスE6には、使用中のリンクインタフェース名として、例えば「IEEE802.11b」または「EV-DO」が表示される。前記ログオン/ログオフボタンE7では、ログオン中は青信号が点灯し、ログオフ中は赤信号が点灯する。
【0042】
アプリケーションアイコンリストE9では、選択されているアプリケーションのアイコンがカラーで表示され、それ以外のアイコンは低輝度で表示される。前記端末アイコンリストE10には、選択されているアプリケーションで利用可能な端末のアイコンのみが表示され、利用できない端末のアイコンが表示されない。この端末アイコンリストE10でも同様に、選択されている端末のアイコンがカラーで表示され、それ以外の端末のアイコンは低輝度で表示される。
【0043】
なお、図12に示したように、端末選択ボタンE22が押下されていれば、端末アイコンリストE10には、端末ログオン中の全ての端末のアイコンが表示され、アプリケーションアイコンリストE9には、選択されている端末で利用可能なアプリケーションのアイコンがカラーで表示され、それ以外のアプリケーションのアイコンは低輝度で表示される。
【0044】
なお、本実施形態では、選択されているアプリケーションがテレビ電話のように、画像通信および音声通信といった分割可能な複数の機能を備えている場合には、各機能に別々の端末を割り当てることができる。この場合に例えば、図11に示したように、各端末のアイコン上に各機能アイコン(画像アイコンK1および音声アイコンK2)をドラッグ&ドロップすれば各端末に別々の機能を割り当てることができる。本実施形態では「書斎のPC」に画像アイコンK1がドラッグ&ドロップされて画像表示機能が割り当てられ、「PDA」に音声アイコンK2がドラッグ&ドロップされて音声通話機能が割り当てられている。
【0045】
前記ガイドエリアE14にはエラーメッセージが表示される。本実施形態では、エラーメッセージとして「プレゼンスサーバへのログインに失敗しました」および「***(ユーザ名)との接続に失敗しました」等が用意されている。
【0046】
図4は、発信者側の発呼端末A1および着信者側の着呼端末B1において、各端末のプレゼンス情報をプレゼンスサーバ13に登録して、相手端末がユーザログオンしているか否かの情報(ユーザログオン情報)を相互に共有するためのユーザログオンの制御手順を示したシーケンス図であり、ここでは、ユーザログオンできる端末がユーザごとに一台に限定される場合を例にして説明する。
【0047】
ステップS21において、前記接続/ステータス画面でログオンボタンE7が押下されると、ステップS22では、コントローラ101のログオン/ログオフ機能部からサービスマネージャ103へユーザログオンが要求される。ステップS23では、サービスマネージャ103がプレゼンスサーバ13へユーザログオンし、サービスマネージャ103によりユーザログオンプレゼンスが購読される。さらに、サービスマネージャ103によりユーザログオンプレゼンスが取得され、自身の情報(IMアドレス、オンライン/オフラインフラグ、ログオン端末のアドレスIP)が検索される。このとき、自身の情報がない場合は新たに情報が追加される。ステップS24ではプレゼンスデータの更新が行われ、ログオンプレゼンスを購読している他のユーザへプレゼンスの更新が通知される。ステップS25では、取得した情報がGUIに設定されて前記接続/ステータス画面およびバディリスト画面に反映される。
【0048】
図5は、発信者側から受信者側を発呼する発呼フェーズの手順を示したシーケンス図であり、ここでは、ユーザAが自身のユーザログオン済の端末A1からユーザBを発呼する場合を例にして説明する。
【0049】
ステップS31では、ユーザAにより発呼端末A1の前記接続/ステータス画面上で、端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所望の通信サービスに応じて選択される。本実施形態では、図11に示したように、ユーザ端末として「書斎のPC」および「PDA」が用意されており、アプリケーションとして「TV電話」および「VoIP」が用意されており、ネットワークとして「IEEE802.11b」および「EV-DO」が用意されている。ユーザAにより各通信リソースが順次に選択されると、ステップS32では、その選択結果が接続/ステータス画面に反映される。
【0050】
ステップS33では、ユーザAにより発呼相手が指定される。ステップS34では、前記選択結果が画面に反映される。なお、ここでは通信リソースの選択後に発呼相手が指定されるものとして説明しているが、その逆に、発呼相手の指定後に通信リソースが選択されるようにしても良い。
【0051】
ステップS35において、ユーザAにより前記接続/ステータス画面上で接続ボタンE11が押下されると、ステップS36では、 セッション管理サーバ14への発呼が行われる。このときに通知される情報は、(1)セッション情報、(2)アプリケーション情報、および(3)リソース情報である。
【0052】
前記(1)セッション情報には、発呼ユーザのSIP URI、発呼ユーザのtagおよび着呼ユーザのSIP URIが含まれる。前記(2)アプリケーション情報には、発呼ユーザのアプリケーションベンダ名、発呼ユーザのアプリケーション名、および発呼ユーザのアプリケーション実行に関する情報が含まれる。前記(3)リソース情報には、発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI、発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレスが含まれる。
【0053】
前記「発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI」とは、例えばアプリケーションがテレビ電話のように画像通信と音声通信という分割可能な2つの機能を含む場合に、機能ごとにSIP URIを付できることを意味している。同様に、「発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス」とは、前記テレビ電話の2つの機能に別々のIPアドレスを付与できることを意味している。このようにSIP URIおよびIPアドレスをアプリケーションの機能ごとに設定することにより、機能ごとに通信リソースを選択できるようになる。
【0054】
ステップS37では、セッション管理サーバ14によりプレゼンスサーバ13からユーザBに関するプレゼンス情報が取得される。ステップS38では、取得されたプレゼンス情報により、ユーザBの端末のうちユーザログオン済の端末B1が着呼端末として選択される。
【0055】
ステップS39では、セッション管理サーバ14から前記選択された着呼端末B1へ発呼される。このときに端末B1へ通知される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI)、(2)アプリケーション情報(発呼ユーザのアプリケーションベンダ名,発呼ユーザのアプリケーション名,発呼ユーザのアプリケーション実行に関する情報)および(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)であり、ユーザAが使用する端末のSIP URIは通知されない。
【0056】
ステップS40では、セッション管理サーバ14において、端末A1から受信した情報に基づいてセッションテーブルが仮作成される。ここで仮作成されるセッションテーブルには、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI)および(2)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)が登録される。
【0057】
ステップS41では、ユーザ端末B1上に接続要求に対する応答画面が表示される。図13は、ユーザBの着呼端末B1上に表示される「接続要求への応答」画面の一例を示した図であり、実行中のサービスに関して、サービスの種類および利用中の端末が表示され、さらに接続希望サービスのアイコンE15、利用可能端末のアイコンE16、接続ボタンE17およびキャンセルボタンE18等が表示される。本実施形態では、接続希望サービスのアイコンE15にVoIPのアイコンが表示されているので、発信者がVoIPによる通話を要求していることが判る。
【0058】
図5へ戻り、ステップS42では、ユーザBにより前記応答画面上で、前記VoIPを実行するための通信リソースが選択される。ステップS43において、ユーザBにより前記応答画面上で接続ボタンE17が押下されると、ステップS44では、決定された情報がリソース決定通知によりセッション管理サーバ14へ送信される。ここで送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)および(3)リソース情報(着呼ユーザの機能ID毎に利用されるユーザ端末のSIP URI,着呼ユーザの機能ID毎に利用されるユーザ端末のIPアドレス)である。
【0059】
ステップS45では、セッション管理サーバ14が端末B1から受信したリソース決定通知に基づいてセッションテーブルを作成する。このセッションテーブルには、(1)セッション情報(発呼ユーザ/着呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザ/着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、(3)リソース情報(発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)および(4)バインド情報(発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のSIP URIと機能ID毎のIPアドレスをバインドした情報)が登録される。
【0060】
図6は、前記発呼フェーズに続いて起動される通信リソース通知フェーズの手順を示したシーケンス図であり、ステップS52では、セッション管理サーバ14により、各ユーザ端末へ通知する通信リソースがセッションテーブルに基づいて決定される。ステップS53では、ユーザ端末A1へ通信リソース通知が送信される。
【0061】
この通信リソース通知によりユーザ端末A1へ送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、および(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス,着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)である。ステップS54では、各端末で所定の処理が実行される。ステップS55では、処理完了後、ユーザ端末A1により通信リソース設定完了通知が行われる。
【0062】
ステップS56では、ユーザ端末B1へ通信リソース通知が送信される。このとき、ユーザ端末B1へ送信される情報は、ステップS53と同様、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーション開発元,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス,着呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)である。ステップS57では、各端末上で所定の処理が実行される。ステップS58では、処理完了後、ユーザ端末B1により通信リソース設定完了通知が行われる。
【0063】
ステップS59〜S64では、各ユーザ端末A2,B2に関して前記ステップS53〜S58と同様の処理が繰り返される。ステップS65〜S70では、各ユーザ端末An,Bnに関して前記ステップS53〜S58と同様の処理が繰り返される。前記ステップS59〜S64およびステップS65〜S70の各処理は、対応するステップS53〜S58の各処理と並行して行われる。
なお、上記した各ステップ(S53,S56…)で通信リソース通知の送信対象となるのは、選択された通信サービスを実行しようとしている端末のみであり、その他の端末に関しては、端末ログオンしていても前記通信リソース通知は送信されない。 図7は、前記通信リソース通知フェーズに続いて起動される通信実行フェーズのシーケンス図であり、ステップS81,S83,S85では、前記通信リソース設定完了通知を受信したセッション管理サーバ14からユーザAの各端末A1,A2,Anへ接続準備完了通知が送信される。同様に、ステップS82,S84,S86では、ユーザBの各端末B1,B2,Bnへ接続準備完了通知が送信される。前記ステップS81〜S86の各処理は並行して行われる。上記手順が実行されることにより、各ユーザのサービス実行に関わる端末は全ての端末で通信準備が完了したことを判断する。
【0064】
以上の手順が終了すれば、セッション管理サーバ14には、各ユーザA,Bにより選択された通信リソースのセッション情報が登録されるので、ユーザA,Bは、このセッション情報に基づいて、自ら選択した通信リソースを利用して相互に通信を行えるようになる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、通信サービスを開始する際に、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)をユーザが自由に組み合わせることができるので、自由度が高く、モビリティに優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【0066】
次いで、上記のようにして所望の通信リソースを利用して通信を開始したのち、ユーザの状況変化等に応じてリソースを切り替える手順について説明する。
【0067】
図8は、リソース切替をユーザ間でのネゴシエーション無しに実行する第1切替シーケンスのシーケンス図である。このような第1切替シーケンスは、例えばユーザA,BがPC23a,23bを用いてテレビ電話により音声および画像を送受信している最中に、ユーザAが画像端末をPC23aとしたまま音声端末をPC23aから携帯端末29aに切り替える場合のように、一方のユーザにおけるリソース切替が他方のユーザに影響しない場合に実行される。
【0068】
ステップS91では、ユーザAにより切替対象の通信リソースが選択される。ここで選択可能な端末は利用中の端末に限定されず、プレゼンスサーバに端末ログオンしている端末であれば、自身のどの端末でも選択できる。ステップS92では、端末A1の画面が前記操作に応じて切り替わる。ステップS93において、コントローラ−接続/ステータス画面の「切替」ボタンE12が押下されると、ステップS94では、ユーザ端末A1からセッション管理サーバ14へ切替通知が送信される。この切替通知により、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、およびリソース情報(切り替える機能のID,切替後のユーザ端末のSIP URI,切替後のユーザ端末のIPアドレス)が通知される。
【0069】
ステップS95では、セッション管理サーバ14において通信リソ−スの通知先が検索される。ステップS96では、サービスに関連する各端末へ通信リソース通知が前記と同様に送信される。ステップS97では、関連する各端末へ接続準備完了通知が前記と同様に送信される。ステップS98では、セッションテーブルが更新される。
【0070】
図9は、リソース切替をユーザ間でのネゴシエーション後に実行する第2切替シーケンスのシーケンス図である。このような第2切替シーケンスは、例えばユーザA,Bが携帯電話29a,29bを用いて通話している最中に、ユーザAがアプリケーションをテレビ電話に切り替えたためにユーザBにおいても画像端末を新規に選択しなければならない場合のように、一方のユーザにおけるリソース切替が他方のユーザに影響する場合に実行される。
【0071】
ステップS101において、ユーザAにより接続/ステータス画面上で切替後の端末および/またはアプリケーションが選択されると、ステップS102では、端末A1において画面表示が切り換えられる。ステップS103において、接続/ステータス画面の切替ボタンE12が押下されると、ステップS104では、ユーザ端末A1からセッション管理サーバ14へ切替通知が送信される。この切替通知で送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、およびリソース情報(切替える機能のID,切替後の発呼端末のSIP URI,切替後の発呼端末のIPアドレス)である。
【0072】
ステップS105では、セッション管理サーバ14からユーザ端末B1へ切替通知が送信される。通知される情報は前記ステップS104で通知される情報と同じであるが、切替後の発呼端末のSIP URIは除かれている。ステップS106では、セッションテーブルへの仮追加が行われる。ステップS107では、端末B1において「切替要求への応答」画面が表示される。
【0073】
図14は、「切替要求への応答」画面の一例を示した図であり、実行中のサービスを示すアイコンと、利用中の端末を示すアイコンと、通信相手が希望しているサービスを示すアイコンと、ユーザBが利用可能な端末のアイコンとが表示されている。
【0074】
ステップS108において、ユーザBによりリソース(端末)の選択が行われ、ステップS109において、切替要求画面の切替ボタンが押下されると、ステップS110では、端末B1からセッション管理サーバ14へリソース決定通知が送信される。ステップS111では、セッションテーブルへセッション情報が追加される。
【0075】
ステップS112では、関連する各端末へ通信リソース通知が前記と同様に送信される。ステップS113では、関連する各端末へ接続準備完了通知が前記と同様に送信される。ステップS114では、セッションテーブルが更新される。
【0076】
図10は、切断処理のシーケンスを示した図であり、ステップS121において、端末A1の接続/ステータス画面上で切断ボタンE13が押下されると、ステップS122では、端末A1からセッション管理サーバ14へ切断メッセージが送信される。ステップS123,S125,S127,S129では、セッション管理サーバ14から各端末へ切断メッセージが送信される。ステップS124,S126,S128,S130では、前記各切断メッセージを受信した端末において所定の切断処理が実行される。ステップS131では、切断されたセッションに関する情報がセッション管理テーブルから削除される。
【0077】
次いで、ユーザ端末として携帯電話29を使用した場合の操作手順についで説明する。メニュー画面で本発明の通信サービスが選択されると、前記図3に関して説明した端末ログオン処理および図4に関して説明したユーザログオン処理が連続して実行され、携帯画面には、図15に一例を示した初期画面D1が表示される。
【0078】
初期画面D1には、ユーザ名「UserA」および当該携帯電話のステータス情報「Online(オンライン中)」が表示されている。オンラインリスト501には、同一グループ内でオンライン中の全てのユーザ名が登録されており、三角ボタン502が押下されるとユーザ名の一覧表示画面D2が表示される。アプリケーションリスト503には、利用可能なアプリケーションのアイコンが一覧表示されている。なお、オンラインリスト再取得ボタン509が押下されるとオンラインリストが更新される。
【0079】
ユーザAにより前記オンラインリストから所望の接続先(本実施形態では、UserB)が選択され、さらに接続ボタン504が押下(クリック)されるとアプリケーション選択画面D3が表示される。アプリケーション選択画面D3では、選択された接続先のユーザ名「UserB」およびそのIMアドレス「UserB@×××.jp」が表示される。ここでも、三角ボタン505が押下されると、利用可能な全てのアプリケーションが一覧表示される。ユーザAによりアプリケーションリストから所望のアプリケーション(本実施形態では、VoIP)が選択され、さらに選択ボタン506が押下されると音声端末選択画面D4が表示される。ここでも、三角ボタン507が押下されると、利用可能な全ての音声端末名が一覧表示される。
【0080】
ユーザAにより音声端末リストから所望の端末(ここでは、携帯電話)が選択され、さらに選択ボタン508が押下されると、図16に一例を示した処理中画面D6が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。なお、前記選択されたアプリケーションがVoIPではなくテレビ電話であると、前記音声端末選択画面D4から画像端末選択画面D5へ移行して画像端末(居間のPC)が選択される。その後、ユーザBと接続されると通信中画面D7が表示され、VoIP通信が可能になる。
【0081】
一方、ユーザBの携帯電話では、前記ユーザAからの着信が検知されると、図17の着信画面D8が表示される。ユーザBは、この着信画面D8を参照することで相手のユーザ名「UserA」およびサービス「VoIP」を認識できる。ユーザBにより了承ボタン510が押下されると音声端末選択画面D9が表示される。この音声端末選択画面D9でユーザBにより音声端末リストから音声端末が選択され、さらに選択ボタン511が押下されると処理中画面D11が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。なお、前記ユーザAにより選択されたアプリケーションがVoIPではなくテレビ電話であると、前記音声端末選択画面D9から画像端末選択画面D10へ移行して画像端末(ここでは、居間のPC)がさらに選択された後に前記処理中画面へ移行する。その後、サーバからの応答が検知されると、図21の通信中画面D21が表示されてVoIP通信が可能になる。
【0082】
次いで、VoIP通信中にユーザAがアプリケーションをテレビ電話に切り替える場合の手順について説明する。
【0083】
図18に示したように、ユーザAにより通信中画面D7の切替ボタン512が押下されるとアプリケーション切替画面D12が表示される。このアプリケーション切替画面D12でユーザAによりアプリケーションが前記と同様に選択されて選択ボタン513を押下されると音声端末切替画面D13が表示される。さらに、この音声端末切替画面D13でユーザAにより音声端末が前記と同様に選択されて選択ボタン514が押下されると画像端末選択画面D14が表示される。さらに、この画像端末選択画面D14でユーザAにより画像端末(ここでは、居間のPC)が選択されて選択ボタン515が押下されると図19の切替中画面D15が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。テレビ電話への切替えが完了すると通信中画面D16が表示される。
【0084】
一方、ユーザBの携帯電話では、図20に一例を示したように、前記ユーザAによる切替要求に応答して切替要求画面D17が表示される。この切替要求画面D17で承諾ボタン516が押下されると音声端末選択画面D18が表示される。ユーザBは、画面上部の「VoIP→TVPone」の表示から、VoIP通信からテレビ電話への切替要求であることを認識できる。
【0085】
この音声端末選択画面D18でユーザBにより音声端末が選択されて選択ボタン517が押下されると画像端末切替画面D19が表示される。さらに、この画像端末切替画面D19で画像端末が選択されて選択ボタン518が押下されると切替中画面D20が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。サーバからの応答が検知されると、図22の通信中画面D22が表示されてテレビ電話が可能になる。
【0086】
上記したように、本実施形態によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。
【0087】
次いで、本発明が適用される他のシナリオについて、通信サービスの開始時と開始後に分けて説明する。
【0088】
[サービス開始時のシナリオ]
ケースA:音声通話を希望して音声電話でサービスを開始する。
(a-1):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザBは着信した端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末を、ユーザBは着信端末を、そのままサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(携帯電話29a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望する端末29bを選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAの携帯電話29aとユーザBの携帯電話29bとで音声通話が開始される。
【0089】
(a-2):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザBは着信した端末とは別の端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末を、ユーザBは着信端末とは異なる端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(携帯電話29a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(PC23b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAの携帯電話29aとユーザBのPC23bとで音声通話が開始される。
【0090】
(a-3):ユーザAが携帯電話から発信し、携帯電話以外の端末を利用してユーザBと音声通話を行う。ユーザBは着信した端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末とは異なるサービス実行端末を、ユーザBは着信端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(PC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電話29b)を選択して再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAのPC23aとユーザBの携帯電話29bとで音声通話が開始される。
【0091】
(a-4):ユーザAが携帯電話から発信し、携帯電話以外の端末を利用してユーザBと音声通話を行い、ユーザBは着信した端末とは別の端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末とは異なる端末を、ユーザBも着信端末とは異なる端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(PC23a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(PC23b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAのPC23aとユーザBのPC23bとで音声通話が開始される。
【0092】
ケースB:テレビ電話を希望し、テレビ電話によりサービスを開始するケース
上記したケースAと比較して、開始時のアプリケーションがテレビ電話になった場合の相違点は、複数の端末を利用する場合があるという点である。
(b-1):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザAとユーザBとの間でテレビ電話が開始される。ユーザAは音声通信のサービス実行端末として携帯電話を利用し、画像通信のサービス実行端末としてPCを利用する。ユーザBも同様に、音声通信のサービス実行端末として携帯電話を利用し、画像通信のサービス実行端末としてPCを利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、機能ごとに希望する端末(音声通信は携帯電話29b、画像通信はPC23b)を選択し、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとでテレビ電話が開始される。
【0093】
ケースC:テレビ電話を希望し、音声通話によりサービスを開始するケース
発信ユーザがテレビ電話を希望したとしても、着信ユーザが必ずしもテレビ電話可能とは限らない。端末性能あるいは着信ユーザの希望等により、テレビ電話を実行できない場合にはそのまま音声通話が開始可能であることが望ましい。
(c-1):テレビ電話を希望するユーザAが携帯電話から発信する。しかし、ユーザBは現在テレビ電話ができないため、音声通話で発信を行う。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。ここでは、テレビ電話で接続できなければ音声通話でも接続処理を行うことを予め設定しておく。
手順2:ネットワーク内部のサーバ群(セッション管理サーバ14、プレゼンスサーバ13)が、ユーザBのプレゼンス状態からテレビ電話を実現できないと判断し、音声通話を希望する発信として処理する。
手順3:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順4: ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電話29b、PC23bなど)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順5:ユーザAとユーザBとで音声通話が開始される。
【0094】
(c-2):テレビ電話を希望するユーザAが携帯電話から発信する。しかしながら、ユーザBがテレビ電話による通話を拒否し、音声通話を希望したため、音声通話が開始される。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。ここで、テレビ電話で接続できなければ音声通話でも接続処理を行うことを予め設定しておく。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは音声通話を選択して通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電電話29b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとで音声通話が開始される。
【0095】
[サービス切替え時におけるシナリオ]
A:端末あるいはアプリケーションを切替えるケース
(a-1):ユーザAの携帯電話とユーザBの携帯電話とで音声通話を行っている最中に、ユーザAが携帯電話からテレビ電話への切替え要求を行う。ここでは、ユーザA,Bのいずれもが、音声通信を携帯電話、画像通信をPCで行うものとする。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:通話中のユーザAが携帯電話29aから、希望する切替え後のサービス(テレビ電話)とサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、切替えボタンを押下する。
手順2:ユーザBは携帯電話29bで切替要求を受信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは切替えボタンを押し、希望するサービス実行端末(音声通信は携帯電話29b、画像通信はPC23b)を選択後、再度切替えボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとで音声通話がテレビ電話に切替わる。
【0096】
B:ネットワークを切替えるケース
(b-1):ユーザA(PDA28aあるいは無線LAN機能付き携帯)がユーザBのPC23bと音声通話を行っている。ユーザAが外出先から家に戻ると、自動的に携帯ネットワークから家庭の無線LANへとネットワークが切り替わり、通話を継続する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAは携帯電話の電波しか入らない箇所(屋外)で通話をしている。
手順2:家庭やオフィス等の屋内に入ると、無線LANのエリアであることを端末が自動的に検知する。
手順3:端末が自動的にネットワークの切替えを行う。
【0097】
C:携帯電話による遠隔からのセッション制御
(c-1):ユーザAがPC にストリーミングサーバから配信されるビデオコンテンツをリビングのテレビで見ている。携帯電話からの操作により、ストリーミングをそのまま寝室で見続ける。
手順1:ユーザAは携帯電話の画面上で、切替え後のサービス実行端末(画像通信は寝室のテレビ、音声通信は寝室のステレオ)を選択し、切替えボタンを押す。
手順2:ストリーミングサーバやホームネットワークのプロキシサーバがユーザAからの要求を受信し、配信先の切替えを行う。
手順3:ユーザAが寝室に移動する。
【0098】
なお、上記した各実施形態では、通信リソースの選択や切替がユーザのスイッチ操作に基づいて手動で行われるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、状況に応じて最適な通信リソースが自動的に選択されるようにしても良い。
【0099】
例えば、ユーザ端末がネットワークに関する通信リソースとしてブルートゥースを備えている場合には、ユーザ端末がブルートゥースの通信有効範囲に入ると、これを検知してネットワークがブルートゥースに自動的に切り替わるようにしても良い。
【0100】
あるいは、ユーザ端末にGPSを搭載し、ユーザ端末が自宅に入ったらホームネットワーク用のネットワークに自動的に切り替わったり、ユーザ端末が無線LANのホットスポット(登録商標)のエリアに侵入したらネットワークが無線LANに自動的に切り替わったりするようにしても良い。
【0101】
さらには、相手端末から要求された通信サービスに応じて自身が選択すべき通信リソースを予めユーザ端末に登録しておき、着呼時やサービス切替時に相手の要求する通信サービスに応じて通信リソースが自動的に選択されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に係る通信サービス提供システムのネットワーク構成を示したブロック図である。
【図2】各ユーザ端末の主要部の構成を示したブロック図である。
【図3】端末ログオンの制御手順を示したシーケンス図である。
【図4】ユーザログオンの制御手順を示したシーケンス図である。
【図5】発呼フェーズの手順を示したシーケンス図である。
【図6】通信リソース通知フェーズの手順を示したシーケンス図である。
【図7】通信実行フェーズのシーケンス図である。
【図8】第1切替シーケンスのシーケンス図である。
【図9】第2切替シーケンスのシーケンス図である。
【図10】切断処理のシーケンスを示した図である。
【図11】PDAに表示される接続/ステータス画面の一例を示した図である。
【図12】PDAに表示される接続/ステータス画面の一例を示した図である。
【図13】「接続要求への応答」画面の一例を示した図である。
【図14】「切替要求への応答」画面の一例を示した図である。
【図15】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その1)である
【図16】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その2)である
【図17】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その3)である
【図18】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その4)である
【図19】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その5)である
【図20】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その6)である
【図21】通信中画面(D21)の一例を示した図である。
【図22】通信中画面(D22)の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0103】
1…サーバ群、2(2a,2b)…オフィスネットワークまたはホームネットワーク、3…携帯電話基地局、4…インターネット、11…ルータ、12…ハブ、13…プレゼンスサーバ、14…セッション管理サーバ、21(21a,21b)UPnP対応ルータ…、22(22a,22b)…ハブ、23(23a,23b)…パーソナルコンピュータ(PC)、24(24a,24b)…DHCPサーバ、25(25a,25b)…無線アクセスポイント(AP)、26(26a,26b)…USBカメラ、27(27a,27b)…ヘッドセット、29(29a,29b)…携帯電話
【技術分野】
【0001】
本発明は通信サービス提供方法に係り、特に、通信サービスを実現する通信リソースとしての端末、アプリケーションおよびネットワークを動的に選択、変更可能な通信サービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信端末のモビリティサポート手法として、通信端末を持ち歩いた場合にIPアドレスが変化しても通信が切断されないネットワーク切替え手法が主として検討されてきた。この方法は、アプリケーションに対してネットワークの変更を隠蔽できるものの、アプリケーションを切り替えたり、複数の端末が存在する環境で端末を切り替えたりする、より柔軟なモビリティサポートには対応していない。
【0003】
VoIPで利用されるSIP(Session Initiation Protocol)は、ユーザ間でセッションを開始するためのプロトコルである。一方、非特許文献1は、SIP上でREFERメソッドを定義している。REFERメソッドは呼の転送を実行するメソッドである。その具体的な使用例としては、通信端末Aと通信端末Bとが通信をしている状態から、通信端末Aが通信端末Bに対して「通信端末CへのREFER」を送信すると、このリクエストを受信した通信端末Bは通信端末Cとの通話に移行する、といったものが挙げられる。この動作では、通信端末Bの通信相手が通信端末Aから通信端末Cへと切替わっており、端末切り替えの実行が実現されている。
【非特許文献1】IETF RFC3515 The Session Initiation Protocol (SIP) Refer Method
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
REFERメソッドを使用した上記手法は、アプリケーションが固定的であることを前提とした端末変更であって、非常に限定されたシナリオで利用可能なものである。したがって電話の転送機能などへの適用が好ましい。
【0005】
一方、通信端末が多様化し、遍在化する環境においては、必ずしも一様なアプリケーションのみで通信サービスが実行できるとは限らない。例えば、ユーザ同士が通話するサービスの実現を想定しても、ユーザをとりまく環境に応じて、ある場合はVoIPが、ある場合はテレビ電話が適しているというように、状況にあわせてアプリケーションそのものの切り替えも要求される。
【0006】
サービス全体の具体例を挙げると、屋外で携帯電話を利用してVoIP通信をしていたユーザが、オフィスに戻ったときにPCを使用したテレビ電話に通信を切替えるといったシナリオが挙げられる。また、その切替えに際して、テレビ電話の画面はPCで表示したいが、音声の入出力は携帯電話を使いたいという要求が出てくることも考えられる。
【0007】
さらに、今日の通信では、NATなどのゲートウェイで区切られたローカルネットワーク間の端末同士での通信も頻繁に行われる。しかしながら、REFERメソッドによる端末変更では、グローバルネットワーク上、あるいは全ての端末が単一のローカルネットワーク上に存在する場合には問題ないが、ローカルネットワーク内の通信端末への端末変更などは、アドレスの到達性の問題から実行することができない。
【0008】
本発明の目的は、上記した従来技術の課題を解決し、通信サービスを実現する通信リソースとしての端末、アプリケーションおよびネットワークを動的に選択、変更可能な通信サービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した目的を達成するために、本発明は、セッション管理サーバおよびプレゼンスサーバが配置されたネットワークを経由して発信者と受信者との間に確立された通信セッション上で、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを組み合わせて所定の通信サービスを提供する通信サービス提供方法において、以下の手順を含むことを特徴とする。
【0010】
(1)発信者の発呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、受信者の着呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、発呼端末において、端末、アプリケーションおよびネットワークの少なくとも一つに関して、所望の通信サービスを実現する通信リソースを一つずつ選択する手順と、前記発呼端末が、前記選択された通信リソースおよび発呼先を含む発呼要求をセッション管理サーバへ送信する手順と、前記セッション管理サーバがプレゼンスサーバから前記各端末のプレゼンス情報を取得する手順と、前記セッション管理サーバが、前記取得したプレゼンス情報に基づいて着呼端末を決定する手順と、前記セッション管理サーバが、各端末のプレゼンス情報および前記選択された通信リソースを含む発呼要求を前記着呼端末へ送信する手順と、前記着呼端末において、前記発呼要求に基づいて通信リソースを選択する手順と、前記着呼端末が、前記選択された通信リソースをセッション管理サーバへ通知する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通信リソースに関する情報を前記発呼端末および着呼端末から受信してセッションテーブルを作成する手順と、前記セッション管理サーバが、前記セッションテーブルの登録内容に基づいて、発信者および受信者の各端末へ、利用する通信リソースを通知する手順と、前記発信者および受信者が、前記通知された通信リソースに基づいて通信を開始する手順とを含む。
【0011】
(2)発呼端末および着呼端末では、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所定の順序で選択され、選択済みの通信リソースと組み合わせられない他の通信リソースの選択が禁止されることを特徴とする。
【0012】
(3)相互に通信する発信者および受信者の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、発信者および受信者の一方では通信リソースが切り替えられ、他方では通信リソースが切り替えられないことを特徴とする。
【0013】
(4)相互に通信中の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、前記セッション管理サーバが、相互に通信中の他方の端末へ通信リソースの切替通知を送信する手順と、前記他方の端末において、前記通信リソースの切替通知に基づいて切り替え後の通信リソースを決定する手順と、前記他方の端末からセッション管理サーバへ、前記決定した通信リソースを通知する手順と、前記セッション管理サーバが、前記一方および他方の各端末から通知された切り替え後の通信リソースをセッションテーブルへ登録する手順と、前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、前記発信者および受信者の一方および他方で通信リソースが切り替えられることを特徴とする。
【0014】
(5)発呼端末、着呼端末および通信中の端末以外の端末も通信リソースとして選択できることを特徴とする。
【0015】
(6)アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに選択あるいは切り替えられるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下のような効果が達成される。
上記した特徴(1)によれば、通信サービスを提供する際に、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に組み合わせることができるので、自由度が高く、モビリティに優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【0017】
上記した特徴(2)によれば、端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを選択する際に、組み合わせられない通信リソースの選択が禁止されるので、誤ったリソース選択を未然に防止できる。
【0018】
上記した特徴(3)によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。さらに、相手の通信リソースに影響が及ばないリソース切り替えに関しては、相手に通信リソースの切り替えを通知することなくリソース切り替えを行えるようになる。
【0019】
上記した特徴(4)によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。さらに、相手の通信リソースに影響が及ぶリソース切り替えに関しては、相手にも通信リソースの切り替えが通知されるので、リソース切り替えを確実に行えるようになる。
【0020】
上記した特徴(5)によれば、発呼端末、着呼端末および通信中の端末以外の端末も通信リソースとして利用できるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。
【0021】
上記した特徴(6)によれば、テレビ電話のアプリケーションが音声通信機能と画像通信機能とを含むように、アプリケーションが分割可能な複数の機能を含む場合には、各機能に異なる通信リソース(端末およびネットワーク)を割り当てることができるので、より自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明に係る通信サービス提供システムのネットワーク構成を示したブロック図であり、各種の通信サービスを提供するサーバ群1、複数のオフィスネットワークまたはホームネットワーク2(2a,2b)、および携帯電話基地局3が、インターネット等の広域ネットワーク4を介して相互に接続されている。
【0023】
前記サーバ群1には、ルータ11およびハブ12を介してプレゼンスサーバ13およびセッション管理サーバ14が接続されている。ユーザAのオフィス/ホームネットワーク2aでは、NAT機能およびFW機能を備えたUPnP対応ルータ21aに、ユーザ端末としてのパーソナルコンピュータ(PC)23a、DHCPサーバ24aおよび無線アクセスポイント(AP)25aが、ハブ22aを介して接続されている。前記PC23aにはVoIPアプリケーションおよびテレビ電話アプリケーションが実装されており、USBカメラ26aおよびヘッドセット27aが接続されている。AP25aには、無線LAN機能を備えたユーザ端末としてのPDA28aが収容されている。オフィス/ホームネットワーク2aのユーザAは更に、ユーザ端末としての携帯電話29aを所有している。
【0024】
同様に、ユーザBのオフィス/ホームネットワーク2bは、UPnP対応ルータ21b,ハブ22b、PC23b、DHCPサーバ24bおよびAP25bを備え、前記PC23bにはUSBカメラ26bおよびヘッドセット27bが接続されている。AP25bには無線LAN機能を備えたPDA28bが収容されている。オフィス/ホームネットワーク2bのユーザBは更に、携帯電話29bを所有している。
【0025】
前記プレゼンスサーバ13は、各ユーザや端末の状態をプレゼンスとして管理し、それらのデータをリアルタイムに通知するプレゼンス機能を備えている。前記プレゼンス機能は、ユーザの状態の変化を直ちに別のユーザへ、またユーザ端末の状態の変化を直ちに同一ユーザの他の端末に通知する機能である。
【0026】
セッション管理サーバ14は、リクエストやレスポンスを中継するセッション管理機能を持ち、SIPのMESSAGEメソッドを用いて通信先相手への接続処理、アプリケーション切替や端末切替の際のネゴシエーションの制御を行う。UPnP対応NAT装置21は、UPnPによるデバイス検出対応機能、LAN内の機器からのポートマッピング要求対応機能、およびLAN内の機器へのWAN側IPアドレスの通知機能を備えている。
【0027】
図2は、前記各ユーザ端末の主要部の構成を示したブロック図である。コントローラ101は、プレゼンスサーバ13へのログオンおよびログオフを実行する「ログオン/ログオフ機能」、プレゼンスサーバ13へログオンしているユーザに対して所定のアプリケーションおよび端末で接続を試みる「通話接続機能」、実行中のアプリケーションを切り替える「アプリケーション切替機能」、実行中の端末を切り替える「端末切替機能」、ユーザや端末に関する情報や現在使用しているリンクインタフェースを表示する「ステータス表示機能」、プレゼンスサーバ13へログオンしているユーザまたはログオフしているユーザの表示を行う「バディリスト表示機能」、ならびにステータス表示機能で使用するアイコンファイルや端末名、プレゼンスサーバ13へのログオンで使用するIDおよびパスワードを設定する「ユーザプロファイル設定機能」等の各種機能を備えている。
【0028】
ネットワークマネージャ102は、IPアドレスおよびリンクインタフェースの変更を検知し、サービスマネージャ103への通知を行う「IPアドレス/リンクインタフェース監視機能」、サービスマネージャ103の指示により、リンクインタフェースをIEEE802.11b106およびEV-DO(Evolution Data Optimized)107のいずれかに切り替える「リンクインタフェース切替機能」、ならびにUPnPのメッセージを利用し、UPnPに対応したNAT装置の制御を行う「NAT装置制御機能」等の各種機能を備えている。
【0029】
サービスマネージャ103は、プレゼンスサーバ13に対して、ログオン/ログオフ、ユーザ管理およびプレゼンスの購読申請/購読解除等の制御を行う「クライアント機能」、アプリケーションが持つ設定ファイルを読込み、その設定に応じてアプリケーションの起動/停止等を行う「アプリケーション制御機能」、コントローラ101によるユーザの指示や、アプリケーションの設定による要求等に応じてネットワークマネージャ102への要求を行う「ネットワークマネージャ制御機能」、ならびにIPのMESSAGEメソッドを用いてセッション管理サーバ14との通信を行う「セッション管理サーバクライアント機能」等の各種機能を備えている。
【0030】
TV電話アプリケーション104は、マイク・インタフェースを通じて音声を取り込み、RTP(Real-time Transport Protocol)によって通話相手へ送信する音声入力・送信機能、RTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、スピーカへ出力する音声出力・受信機能、USBカメラを通じて画像を取り込み、RTPによって通話相手へ送信する画像入力・送信機能、およびRTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、画面上へ出力する画像出力・受信機能、およびサービスマネージャ103への要求やサービスマネージャ103からの要求に対する応答を行うサービスマネージャ・インタフェース機能等の各種機能を備えている。
【0031】
VoIPアプリケーション105は、マイク・インタフェースを通じて音声を取り込み、RTPによって通話相手へ送信する音声入力・送信機能、RTPによって通話相手より送信されてきたパケットを受信し、スピーカへ出力する音声出力・受信機能、およびサービスマネージャ103への要求やサービスマネージャ103からの要求に対する応答を行うサービスマネージャ・インタフェース機能等の各種機能を備えている。
【0032】
次いで、本実施形態の動作を、ユーザAが自身のPDA28a(ユーザ端末A1)からユーザBのユーザ端末B1に発呼して通信を開始する場合を例にして説明する。
【0033】
本実施形態では、以下に詳述するように、相互に通信するユーザA,Bが、通信リソースとしての通信端末(PC23,PDA28,携帯電話29…)、アプリケーション(テレビ電話、VoIP…)およびネットワーク(IEEE802.11b、EV-DO…)を、所定の条件下で任意に選択して通信を開始し、さらに通信中も任意に切替できるが、通信に関わるユーザ端末は、プレゼンスサーバ13に対して予め「端末ログオン」している必要がある。この「端末ログオン」により、ユーザ端末は自身の他のユーザ端末との間で各端末のプレゼンス情報を共有できるようになる。
【0034】
また、発信者側の発呼端末(A1)および着信者側の着呼端末(B1)に関しては、前記「端末ログオン」に加えてさらに、プレゼンスサーバ13に対して予め「ユーザログオン」している必要がある。この「ユーザログオン」により、発呼端末(A1)と着呼端末(B1)とが各端末のプレゼンス情報を共有できるようになる。
【0035】
図3は、各ユーザの一の端末において、コントローラ101が起動された際に実行される端末ログオンの手順を示したシーケンス図であり、ここでは当該端末がオンライン(端末ログオン中)であること等を含むプレゼンス情報を自身の他の端末へ通知するプレゼンス登録処理が行われる。
【0036】
ステップS1において、PDA8aのコントローラ101が起動されると、コントローラ101の初期化、サービスマネージャ103の初期化等の処理が開始され、ステップS2では、現在有効なIPアドレスが取得される。ステップS3では、取得されたIPアドレスがローカルアドレスであるか否かが判定される。本実施形態では、IPアドレスのネットワーク部がプライベートアドレスの範囲であればローカルIPアドレスと判定される。また、この判定が偽であると、ネットワーク上にUPnP対応ルータが存在するか否かで判定が行われる。
【0037】
ステップS4では、前記ステップS3の判定結果がローカルアドレスである場合、サービスマネージャ103からネットワークマネージャ102へWAN側IPアドレスの取得要求が送信される。ステップS5では、この取得要求に応答してネットワークマネージャ102からUPnP対応ルータ21のNAT機能に対してUPnPメッセージが送信される。NAT機能は、このUPnPメッセージに応答してWAN側IPアドレスを返信する。
【0038】
ステップS6では、サービスマネージャ103からプレゼンスサーバ13へ端末ログオン要求が送信される。プレゼンスサーバ13は、当該要求を処理するとともに対応する端末のプレゼンス情報を更新する。ステップS7では、既に端末ログオン済みの自身の他のユーザ端末に関するプレゼンス情報がプレゼンスサーバからユーザ端末へ送信される。ステップS8では、前記ログオンプレゼンス更新通知がユーザAの他の端末(23a,29a)へ通知され、PDA28aがオンラインであることが自身の他の端末に周知される。
【0039】
図11は、PDA28aに表示される前記接続/ステータス画面の一例を示した図であり、ユーザアイコンE1、ユーザIDのダイアログボックスE2、端末アイコンE3、端末名のダイアログボックスE4、ステータスのダイアログボックスE5、リンクインタフェース名のダイアログボックスE6、ログオン/ログオフボタンE7、アプリケーション選択ボタンE21、端末選択ボタンE22、接続ボタンE11、切替ボタンE12、切断ボタンE13、およびガイドエリアE14が設定されている。
【0040】
前記アプリケーション選択ボタンE21および端末選択ボタンE22は排他的にオンされ、図11に示したように、アプリケーション選択ボタンE21が押下されていれば、その下方にアプリケーションアイコンリストE9および端末アイコンリストE10が当該順序で上下に並んで表示される。これに対して、図12に示したように、端末選択ボタンE22が押下されていれば、その下方に端末アイコンリストE10およびアプリケーションアイコンリストE9が当該順序で上下に並んで表示される。
【0041】
前記ステータスのダイアログボックスE5にはユーザの状態として、「ログオン処理中」、「ログオフ処理中」、「offline」、「online」、「[使用中のアプリ名]」および「切替動作中」のいずれかが表示される。前記リンクインタフェースのダイアログボックスE6には、使用中のリンクインタフェース名として、例えば「IEEE802.11b」または「EV-DO」が表示される。前記ログオン/ログオフボタンE7では、ログオン中は青信号が点灯し、ログオフ中は赤信号が点灯する。
【0042】
アプリケーションアイコンリストE9では、選択されているアプリケーションのアイコンがカラーで表示され、それ以外のアイコンは低輝度で表示される。前記端末アイコンリストE10には、選択されているアプリケーションで利用可能な端末のアイコンのみが表示され、利用できない端末のアイコンが表示されない。この端末アイコンリストE10でも同様に、選択されている端末のアイコンがカラーで表示され、それ以外の端末のアイコンは低輝度で表示される。
【0043】
なお、図12に示したように、端末選択ボタンE22が押下されていれば、端末アイコンリストE10には、端末ログオン中の全ての端末のアイコンが表示され、アプリケーションアイコンリストE9には、選択されている端末で利用可能なアプリケーションのアイコンがカラーで表示され、それ以外のアプリケーションのアイコンは低輝度で表示される。
【0044】
なお、本実施形態では、選択されているアプリケーションがテレビ電話のように、画像通信および音声通信といった分割可能な複数の機能を備えている場合には、各機能に別々の端末を割り当てることができる。この場合に例えば、図11に示したように、各端末のアイコン上に各機能アイコン(画像アイコンK1および音声アイコンK2)をドラッグ&ドロップすれば各端末に別々の機能を割り当てることができる。本実施形態では「書斎のPC」に画像アイコンK1がドラッグ&ドロップされて画像表示機能が割り当てられ、「PDA」に音声アイコンK2がドラッグ&ドロップされて音声通話機能が割り当てられている。
【0045】
前記ガイドエリアE14にはエラーメッセージが表示される。本実施形態では、エラーメッセージとして「プレゼンスサーバへのログインに失敗しました」および「***(ユーザ名)との接続に失敗しました」等が用意されている。
【0046】
図4は、発信者側の発呼端末A1および着信者側の着呼端末B1において、各端末のプレゼンス情報をプレゼンスサーバ13に登録して、相手端末がユーザログオンしているか否かの情報(ユーザログオン情報)を相互に共有するためのユーザログオンの制御手順を示したシーケンス図であり、ここでは、ユーザログオンできる端末がユーザごとに一台に限定される場合を例にして説明する。
【0047】
ステップS21において、前記接続/ステータス画面でログオンボタンE7が押下されると、ステップS22では、コントローラ101のログオン/ログオフ機能部からサービスマネージャ103へユーザログオンが要求される。ステップS23では、サービスマネージャ103がプレゼンスサーバ13へユーザログオンし、サービスマネージャ103によりユーザログオンプレゼンスが購読される。さらに、サービスマネージャ103によりユーザログオンプレゼンスが取得され、自身の情報(IMアドレス、オンライン/オフラインフラグ、ログオン端末のアドレスIP)が検索される。このとき、自身の情報がない場合は新たに情報が追加される。ステップS24ではプレゼンスデータの更新が行われ、ログオンプレゼンスを購読している他のユーザへプレゼンスの更新が通知される。ステップS25では、取得した情報がGUIに設定されて前記接続/ステータス画面およびバディリスト画面に反映される。
【0048】
図5は、発信者側から受信者側を発呼する発呼フェーズの手順を示したシーケンス図であり、ここでは、ユーザAが自身のユーザログオン済の端末A1からユーザBを発呼する場合を例にして説明する。
【0049】
ステップS31では、ユーザAにより発呼端末A1の前記接続/ステータス画面上で、端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所望の通信サービスに応じて選択される。本実施形態では、図11に示したように、ユーザ端末として「書斎のPC」および「PDA」が用意されており、アプリケーションとして「TV電話」および「VoIP」が用意されており、ネットワークとして「IEEE802.11b」および「EV-DO」が用意されている。ユーザAにより各通信リソースが順次に選択されると、ステップS32では、その選択結果が接続/ステータス画面に反映される。
【0050】
ステップS33では、ユーザAにより発呼相手が指定される。ステップS34では、前記選択結果が画面に反映される。なお、ここでは通信リソースの選択後に発呼相手が指定されるものとして説明しているが、その逆に、発呼相手の指定後に通信リソースが選択されるようにしても良い。
【0051】
ステップS35において、ユーザAにより前記接続/ステータス画面上で接続ボタンE11が押下されると、ステップS36では、 セッション管理サーバ14への発呼が行われる。このときに通知される情報は、(1)セッション情報、(2)アプリケーション情報、および(3)リソース情報である。
【0052】
前記(1)セッション情報には、発呼ユーザのSIP URI、発呼ユーザのtagおよび着呼ユーザのSIP URIが含まれる。前記(2)アプリケーション情報には、発呼ユーザのアプリケーションベンダ名、発呼ユーザのアプリケーション名、および発呼ユーザのアプリケーション実行に関する情報が含まれる。前記(3)リソース情報には、発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI、発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレスが含まれる。
【0053】
前記「発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI」とは、例えばアプリケーションがテレビ電話のように画像通信と音声通信という分割可能な2つの機能を含む場合に、機能ごとにSIP URIを付できることを意味している。同様に、「発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス」とは、前記テレビ電話の2つの機能に別々のIPアドレスを付与できることを意味している。このようにSIP URIおよびIPアドレスをアプリケーションの機能ごとに設定することにより、機能ごとに通信リソースを選択できるようになる。
【0054】
ステップS37では、セッション管理サーバ14によりプレゼンスサーバ13からユーザBに関するプレゼンス情報が取得される。ステップS38では、取得されたプレゼンス情報により、ユーザBの端末のうちユーザログオン済の端末B1が着呼端末として選択される。
【0055】
ステップS39では、セッション管理サーバ14から前記選択された着呼端末B1へ発呼される。このときに端末B1へ通知される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI)、(2)アプリケーション情報(発呼ユーザのアプリケーションベンダ名,発呼ユーザのアプリケーション名,発呼ユーザのアプリケーション実行に関する情報)および(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)であり、ユーザAが使用する端末のSIP URIは通知されない。
【0056】
ステップS40では、セッション管理サーバ14において、端末A1から受信した情報に基づいてセッションテーブルが仮作成される。ここで仮作成されるセッションテーブルには、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI)および(2)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)が登録される。
【0057】
ステップS41では、ユーザ端末B1上に接続要求に対する応答画面が表示される。図13は、ユーザBの着呼端末B1上に表示される「接続要求への応答」画面の一例を示した図であり、実行中のサービスに関して、サービスの種類および利用中の端末が表示され、さらに接続希望サービスのアイコンE15、利用可能端末のアイコンE16、接続ボタンE17およびキャンセルボタンE18等が表示される。本実施形態では、接続希望サービスのアイコンE15にVoIPのアイコンが表示されているので、発信者がVoIPによる通話を要求していることが判る。
【0058】
図5へ戻り、ステップS42では、ユーザBにより前記応答画面上で、前記VoIPを実行するための通信リソースが選択される。ステップS43において、ユーザBにより前記応答画面上で接続ボタンE17が押下されると、ステップS44では、決定された情報がリソース決定通知によりセッション管理サーバ14へ送信される。ここで送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)および(3)リソース情報(着呼ユーザの機能ID毎に利用されるユーザ端末のSIP URI,着呼ユーザの機能ID毎に利用されるユーザ端末のIPアドレス)である。
【0059】
ステップS45では、セッション管理サーバ14が端末B1から受信したリソース決定通知に基づいてセッションテーブルを作成する。このセッションテーブルには、(1)セッション情報(発呼ユーザ/着呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザ/着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、(3)リソース情報(発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)および(4)バインド情報(発呼ユーザ/着呼ユーザの機能ID毎のSIP URIと機能ID毎のIPアドレスをバインドした情報)が登録される。
【0060】
図6は、前記発呼フェーズに続いて起動される通信リソース通知フェーズの手順を示したシーケンス図であり、ステップS52では、セッション管理サーバ14により、各ユーザ端末へ通知する通信リソースがセッションテーブルに基づいて決定される。ステップS53では、ユーザ端末A1へ通信リソース通知が送信される。
【0061】
この通信リソース通知によりユーザ端末A1へ送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、および(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス,着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)である。ステップS54では、各端末で所定の処理が実行される。ステップS55では、処理完了後、ユーザ端末A1により通信リソース設定完了通知が行われる。
【0062】
ステップS56では、ユーザ端末B1へ通信リソース通知が送信される。このとき、ユーザ端末B1へ送信される情報は、ステップS53と同様、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーション開発元,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、(3)リソース情報(発呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス,着呼ユーザの機能ID毎のSIP URI,着呼ユーザの機能ID毎のIPアドレス)である。ステップS57では、各端末上で所定の処理が実行される。ステップS58では、処理完了後、ユーザ端末B1により通信リソース設定完了通知が行われる。
【0063】
ステップS59〜S64では、各ユーザ端末A2,B2に関して前記ステップS53〜S58と同様の処理が繰り返される。ステップS65〜S70では、各ユーザ端末An,Bnに関して前記ステップS53〜S58と同様の処理が繰り返される。前記ステップS59〜S64およびステップS65〜S70の各処理は、対応するステップS53〜S58の各処理と並行して行われる。
なお、上記した各ステップ(S53,S56…)で通信リソース通知の送信対象となるのは、選択された通信サービスを実行しようとしている端末のみであり、その他の端末に関しては、端末ログオンしていても前記通信リソース通知は送信されない。 図7は、前記通信リソース通知フェーズに続いて起動される通信実行フェーズのシーケンス図であり、ステップS81,S83,S85では、前記通信リソース設定完了通知を受信したセッション管理サーバ14からユーザAの各端末A1,A2,Anへ接続準備完了通知が送信される。同様に、ステップS82,S84,S86では、ユーザBの各端末B1,B2,Bnへ接続準備完了通知が送信される。前記ステップS81〜S86の各処理は並行して行われる。上記手順が実行されることにより、各ユーザのサービス実行に関わる端末は全ての端末で通信準備が完了したことを判断する。
【0064】
以上の手順が終了すれば、セッション管理サーバ14には、各ユーザA,Bにより選択された通信リソースのセッション情報が登録されるので、ユーザA,Bは、このセッション情報に基づいて、自ら選択した通信リソースを利用して相互に通信を行えるようになる。
【0065】
このように、本実施形態によれば、通信サービスを開始する際に、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)をユーザが自由に組み合わせることができるので、自由度が高く、モビリティに優れ、かつ通信相手の能力に適した最適な通信サービスを提供できるようになる。
【0066】
次いで、上記のようにして所望の通信リソースを利用して通信を開始したのち、ユーザの状況変化等に応じてリソースを切り替える手順について説明する。
【0067】
図8は、リソース切替をユーザ間でのネゴシエーション無しに実行する第1切替シーケンスのシーケンス図である。このような第1切替シーケンスは、例えばユーザA,BがPC23a,23bを用いてテレビ電話により音声および画像を送受信している最中に、ユーザAが画像端末をPC23aとしたまま音声端末をPC23aから携帯端末29aに切り替える場合のように、一方のユーザにおけるリソース切替が他方のユーザに影響しない場合に実行される。
【0068】
ステップS91では、ユーザAにより切替対象の通信リソースが選択される。ここで選択可能な端末は利用中の端末に限定されず、プレゼンスサーバに端末ログオンしている端末であれば、自身のどの端末でも選択できる。ステップS92では、端末A1の画面が前記操作に応じて切り替わる。ステップS93において、コントローラ−接続/ステータス画面の「切替」ボタンE12が押下されると、ステップS94では、ユーザ端末A1からセッション管理サーバ14へ切替通知が送信される。この切替通知により、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、およびリソース情報(切り替える機能のID,切替後のユーザ端末のSIP URI,切替後のユーザ端末のIPアドレス)が通知される。
【0069】
ステップS95では、セッション管理サーバ14において通信リソ−スの通知先が検索される。ステップS96では、サービスに関連する各端末へ通信リソース通知が前記と同様に送信される。ステップS97では、関連する各端末へ接続準備完了通知が前記と同様に送信される。ステップS98では、セッションテーブルが更新される。
【0070】
図9は、リソース切替をユーザ間でのネゴシエーション後に実行する第2切替シーケンスのシーケンス図である。このような第2切替シーケンスは、例えばユーザA,Bが携帯電話29a,29bを用いて通話している最中に、ユーザAがアプリケーションをテレビ電話に切り替えたためにユーザBにおいても画像端末を新規に選択しなければならない場合のように、一方のユーザにおけるリソース切替が他方のユーザに影響する場合に実行される。
【0071】
ステップS101において、ユーザAにより接続/ステータス画面上で切替後の端末および/またはアプリケーションが選択されると、ステップS102では、端末A1において画面表示が切り換えられる。ステップS103において、接続/ステータス画面の切替ボタンE12が押下されると、ステップS104では、ユーザ端末A1からセッション管理サーバ14へ切替通知が送信される。この切替通知で送信される情報は、(1)セッション情報(発呼ユーザのSIP URI,発呼ユーザのtag,着呼ユーザのSIP URI,着呼ユーザのtag)、(2)アプリケーション情報(アプリケーションベンダ名,アプリケーション名,アプリケーション実行に関する情報)、およびリソース情報(切替える機能のID,切替後の発呼端末のSIP URI,切替後の発呼端末のIPアドレス)である。
【0072】
ステップS105では、セッション管理サーバ14からユーザ端末B1へ切替通知が送信される。通知される情報は前記ステップS104で通知される情報と同じであるが、切替後の発呼端末のSIP URIは除かれている。ステップS106では、セッションテーブルへの仮追加が行われる。ステップS107では、端末B1において「切替要求への応答」画面が表示される。
【0073】
図14は、「切替要求への応答」画面の一例を示した図であり、実行中のサービスを示すアイコンと、利用中の端末を示すアイコンと、通信相手が希望しているサービスを示すアイコンと、ユーザBが利用可能な端末のアイコンとが表示されている。
【0074】
ステップS108において、ユーザBによりリソース(端末)の選択が行われ、ステップS109において、切替要求画面の切替ボタンが押下されると、ステップS110では、端末B1からセッション管理サーバ14へリソース決定通知が送信される。ステップS111では、セッションテーブルへセッション情報が追加される。
【0075】
ステップS112では、関連する各端末へ通信リソース通知が前記と同様に送信される。ステップS113では、関連する各端末へ接続準備完了通知が前記と同様に送信される。ステップS114では、セッションテーブルが更新される。
【0076】
図10は、切断処理のシーケンスを示した図であり、ステップS121において、端末A1の接続/ステータス画面上で切断ボタンE13が押下されると、ステップS122では、端末A1からセッション管理サーバ14へ切断メッセージが送信される。ステップS123,S125,S127,S129では、セッション管理サーバ14から各端末へ切断メッセージが送信される。ステップS124,S126,S128,S130では、前記各切断メッセージを受信した端末において所定の切断処理が実行される。ステップS131では、切断されたセッションに関する情報がセッション管理テーブルから削除される。
【0077】
次いで、ユーザ端末として携帯電話29を使用した場合の操作手順についで説明する。メニュー画面で本発明の通信サービスが選択されると、前記図3に関して説明した端末ログオン処理および図4に関して説明したユーザログオン処理が連続して実行され、携帯画面には、図15に一例を示した初期画面D1が表示される。
【0078】
初期画面D1には、ユーザ名「UserA」および当該携帯電話のステータス情報「Online(オンライン中)」が表示されている。オンラインリスト501には、同一グループ内でオンライン中の全てのユーザ名が登録されており、三角ボタン502が押下されるとユーザ名の一覧表示画面D2が表示される。アプリケーションリスト503には、利用可能なアプリケーションのアイコンが一覧表示されている。なお、オンラインリスト再取得ボタン509が押下されるとオンラインリストが更新される。
【0079】
ユーザAにより前記オンラインリストから所望の接続先(本実施形態では、UserB)が選択され、さらに接続ボタン504が押下(クリック)されるとアプリケーション選択画面D3が表示される。アプリケーション選択画面D3では、選択された接続先のユーザ名「UserB」およびそのIMアドレス「UserB@×××.jp」が表示される。ここでも、三角ボタン505が押下されると、利用可能な全てのアプリケーションが一覧表示される。ユーザAによりアプリケーションリストから所望のアプリケーション(本実施形態では、VoIP)が選択され、さらに選択ボタン506が押下されると音声端末選択画面D4が表示される。ここでも、三角ボタン507が押下されると、利用可能な全ての音声端末名が一覧表示される。
【0080】
ユーザAにより音声端末リストから所望の端末(ここでは、携帯電話)が選択され、さらに選択ボタン508が押下されると、図16に一例を示した処理中画面D6が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。なお、前記選択されたアプリケーションがVoIPではなくテレビ電話であると、前記音声端末選択画面D4から画像端末選択画面D5へ移行して画像端末(居間のPC)が選択される。その後、ユーザBと接続されると通信中画面D7が表示され、VoIP通信が可能になる。
【0081】
一方、ユーザBの携帯電話では、前記ユーザAからの着信が検知されると、図17の着信画面D8が表示される。ユーザBは、この着信画面D8を参照することで相手のユーザ名「UserA」およびサービス「VoIP」を認識できる。ユーザBにより了承ボタン510が押下されると音声端末選択画面D9が表示される。この音声端末選択画面D9でユーザBにより音声端末リストから音声端末が選択され、さらに選択ボタン511が押下されると処理中画面D11が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。なお、前記ユーザAにより選択されたアプリケーションがVoIPではなくテレビ電話であると、前記音声端末選択画面D9から画像端末選択画面D10へ移行して画像端末(ここでは、居間のPC)がさらに選択された後に前記処理中画面へ移行する。その後、サーバからの応答が検知されると、図21の通信中画面D21が表示されてVoIP通信が可能になる。
【0082】
次いで、VoIP通信中にユーザAがアプリケーションをテレビ電話に切り替える場合の手順について説明する。
【0083】
図18に示したように、ユーザAにより通信中画面D7の切替ボタン512が押下されるとアプリケーション切替画面D12が表示される。このアプリケーション切替画面D12でユーザAによりアプリケーションが前記と同様に選択されて選択ボタン513を押下されると音声端末切替画面D13が表示される。さらに、この音声端末切替画面D13でユーザAにより音声端末が前記と同様に選択されて選択ボタン514が押下されると画像端末選択画面D14が表示される。さらに、この画像端末選択画面D14でユーザAにより画像端末(ここでは、居間のPC)が選択されて選択ボタン515が押下されると図19の切替中画面D15が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。テレビ電話への切替えが完了すると通信中画面D16が表示される。
【0084】
一方、ユーザBの携帯電話では、図20に一例を示したように、前記ユーザAによる切替要求に応答して切替要求画面D17が表示される。この切替要求画面D17で承諾ボタン516が押下されると音声端末選択画面D18が表示される。ユーザBは、画面上部の「VoIP→TVPone」の表示から、VoIP通信からテレビ電話への切替要求であることを認識できる。
【0085】
この音声端末選択画面D18でユーザBにより音声端末が選択されて選択ボタン517が押下されると画像端末切替画面D19が表示される。さらに、この画像端末切替画面D19で画像端末が選択されて選択ボタン518が押下されると切替中画面D20が表示され、サーバからの応答に備えて待機する。サーバからの応答が検知されると、図22の通信中画面D22が表示されてテレビ電話が可能になる。
【0086】
上記したように、本実施形態によれば、通信サービスの実行中も、その通信サービスを実現するための通信リソース(端末、アプリケーション、ネットワーク)を自由に切り替えることができるので、自由度が高く、モビリティや状況変化への適応性に優れた通信サービスを提供できるようになる。
【0087】
次いで、本発明が適用される他のシナリオについて、通信サービスの開始時と開始後に分けて説明する。
【0088】
[サービス開始時のシナリオ]
ケースA:音声通話を希望して音声電話でサービスを開始する。
(a-1):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザBは着信した端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末を、ユーザBは着信端末を、そのままサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(携帯電話29a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望する端末29bを選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAの携帯電話29aとユーザBの携帯電話29bとで音声通話が開始される。
【0089】
(a-2):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザBは着信した端末とは別の端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末を、ユーザBは着信端末とは異なる端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(携帯電話29a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(PC23b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAの携帯電話29aとユーザBのPC23bとで音声通話が開始される。
【0090】
(a-3):ユーザAが携帯電話から発信し、携帯電話以外の端末を利用してユーザBと音声通話を行う。ユーザBは着信した端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末とは異なるサービス実行端末を、ユーザBは着信端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(PC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電話29b)を選択して再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAのPC23aとユーザBの携帯電話29bとで音声通話が開始される。
【0091】
(a-4):ユーザAが携帯電話から発信し、携帯電話以外の端末を利用してユーザBと音声通話を行い、ユーザBは着信した端末とは別の端末で音声通話を開始する。ユーザAは発信端末とは異なる端末を、ユーザBも着信端末とは異なる端末を、それぞれサービス実行端末として利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(音声通話)、およびサービス実行端末(PC23a)を選択して発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(PC23b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAのPC23aとユーザBのPC23bとで音声通話が開始される。
【0092】
ケースB:テレビ電話を希望し、テレビ電話によりサービスを開始するケース
上記したケースAと比較して、開始時のアプリケーションがテレビ電話になった場合の相違点は、複数の端末を利用する場合があるという点である。
(b-1):ユーザAが携帯電話から発信し、ユーザAとユーザBとの間でテレビ電話が開始される。ユーザAは音声通信のサービス実行端末として携帯電話を利用し、画像通信のサービス実行端末としてPCを利用する。ユーザBも同様に、音声通信のサービス実行端末として携帯電話を利用し、画像通信のサービス実行端末としてPCを利用する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは通話ボタンを押し、機能ごとに希望する端末(音声通信は携帯電話29b、画像通信はPC23b)を選択し、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとでテレビ電話が開始される。
【0093】
ケースC:テレビ電話を希望し、音声通話によりサービスを開始するケース
発信ユーザがテレビ電話を希望したとしても、着信ユーザが必ずしもテレビ電話可能とは限らない。端末性能あるいは着信ユーザの希望等により、テレビ電話を実行できない場合にはそのまま音声通話が開始可能であることが望ましい。
(c-1):テレビ電話を希望するユーザAが携帯電話から発信する。しかし、ユーザBは現在テレビ電話ができないため、音声通話で発信を行う。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。ここでは、テレビ電話で接続できなければ音声通話でも接続処理を行うことを予め設定しておく。
手順2:ネットワーク内部のサーバ群(セッション管理サーバ14、プレゼンスサーバ13)が、ユーザBのプレゼンス状態からテレビ電話を実現できないと判断し、音声通話を希望する発信として処理する。
手順3:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAが音声通話を希望していることが画面に表示される。
手順4: ユーザBは通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電話29b、PC23bなど)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順5:ユーザAとユーザBとで音声通話が開始される。
【0094】
(c-2):テレビ電話を希望するユーザAが携帯電話から発信する。しかしながら、ユーザBがテレビ電話による通話を拒否し、音声通話を希望したため、音声通話が開始される。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAが携帯電話29aから通信相手(ユーザB)、希望するサービス(テレビ電話)、およびサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、発信ボタンを押下する。ここで、テレビ電話で接続できなければ音声通話でも接続処理を行うことを予め設定しておく。
手順2:ユーザBが携帯電話29bで着信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは音声通話を選択して通話ボタンを押し、希望するサービス実行端末(携帯電電話29b)を選択後、再度通話ボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとで音声通話が開始される。
【0095】
[サービス切替え時におけるシナリオ]
A:端末あるいはアプリケーションを切替えるケース
(a-1):ユーザAの携帯電話とユーザBの携帯電話とで音声通話を行っている最中に、ユーザAが携帯電話からテレビ電話への切替え要求を行う。ここでは、ユーザA,Bのいずれもが、音声通信を携帯電話、画像通信をPCで行うものとする。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:通話中のユーザAが携帯電話29aから、希望する切替え後のサービス(テレビ電話)とサービス実行端末(音声通信は携帯電話29a、画像通信はPC23a)を選択し、切替えボタンを押下する。
手順2:ユーザBは携帯電話29bで切替要求を受信すると、ユーザAがテレビ電話を希望していることが画面に表示される。
手順3:ユーザBは切替えボタンを押し、希望するサービス実行端末(音声通信は携帯電話29b、画像通信はPC23b)を選択後、再度切替えボタンを押す。
手順4:ユーザAとユーザBとで音声通話がテレビ電話に切替わる。
【0096】
B:ネットワークを切替えるケース
(b-1):ユーザA(PDA28aあるいは無線LAN機能付き携帯)がユーザBのPC23bと音声通話を行っている。ユーザAが外出先から家に戻ると、自動的に携帯ネットワークから家庭の無線LANへとネットワークが切り替わり、通話を継続する。このシナリオの手順は以下の通りである。
手順1:ユーザAは携帯電話の電波しか入らない箇所(屋外)で通話をしている。
手順2:家庭やオフィス等の屋内に入ると、無線LANのエリアであることを端末が自動的に検知する。
手順3:端末が自動的にネットワークの切替えを行う。
【0097】
C:携帯電話による遠隔からのセッション制御
(c-1):ユーザAがPC にストリーミングサーバから配信されるビデオコンテンツをリビングのテレビで見ている。携帯電話からの操作により、ストリーミングをそのまま寝室で見続ける。
手順1:ユーザAは携帯電話の画面上で、切替え後のサービス実行端末(画像通信は寝室のテレビ、音声通信は寝室のステレオ)を選択し、切替えボタンを押す。
手順2:ストリーミングサーバやホームネットワークのプロキシサーバがユーザAからの要求を受信し、配信先の切替えを行う。
手順3:ユーザAが寝室に移動する。
【0098】
なお、上記した各実施形態では、通信リソースの選択や切替がユーザのスイッチ操作に基づいて手動で行われるものとして説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、状況に応じて最適な通信リソースが自動的に選択されるようにしても良い。
【0099】
例えば、ユーザ端末がネットワークに関する通信リソースとしてブルートゥースを備えている場合には、ユーザ端末がブルートゥースの通信有効範囲に入ると、これを検知してネットワークがブルートゥースに自動的に切り替わるようにしても良い。
【0100】
あるいは、ユーザ端末にGPSを搭載し、ユーザ端末が自宅に入ったらホームネットワーク用のネットワークに自動的に切り替わったり、ユーザ端末が無線LANのホットスポット(登録商標)のエリアに侵入したらネットワークが無線LANに自動的に切り替わったりするようにしても良い。
【0101】
さらには、相手端末から要求された通信サービスに応じて自身が選択すべき通信リソースを予めユーザ端末に登録しておき、着呼時やサービス切替時に相手の要求する通信サービスに応じて通信リソースが自動的に選択されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に係る通信サービス提供システムのネットワーク構成を示したブロック図である。
【図2】各ユーザ端末の主要部の構成を示したブロック図である。
【図3】端末ログオンの制御手順を示したシーケンス図である。
【図4】ユーザログオンの制御手順を示したシーケンス図である。
【図5】発呼フェーズの手順を示したシーケンス図である。
【図6】通信リソース通知フェーズの手順を示したシーケンス図である。
【図7】通信実行フェーズのシーケンス図である。
【図8】第1切替シーケンスのシーケンス図である。
【図9】第2切替シーケンスのシーケンス図である。
【図10】切断処理のシーケンスを示した図である。
【図11】PDAに表示される接続/ステータス画面の一例を示した図である。
【図12】PDAに表示される接続/ステータス画面の一例を示した図である。
【図13】「接続要求への応答」画面の一例を示した図である。
【図14】「切替要求への応答」画面の一例を示した図である。
【図15】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その1)である
【図16】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その2)である
【図17】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その3)である
【図18】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その4)である
【図19】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その5)である
【図20】携帯電話の表示画面の遷移を示した図(その6)である
【図21】通信中画面(D21)の一例を示した図である。
【図22】通信中画面(D22)の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0103】
1…サーバ群、2(2a,2b)…オフィスネットワークまたはホームネットワーク、3…携帯電話基地局、4…インターネット、11…ルータ、12…ハブ、13…プレゼンスサーバ、14…セッション管理サーバ、21(21a,21b)UPnP対応ルータ…、22(22a,22b)…ハブ、23(23a,23b)…パーソナルコンピュータ(PC)、24(24a,24b)…DHCPサーバ、25(25a,25b)…無線アクセスポイント(AP)、26(26a,26b)…USBカメラ、27(27a,27b)…ヘッドセット、29(29a,29b)…携帯電話
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セッション管理サーバおよびプレゼンスサーバが配置されたネットワークを経由して発信者と受信者との間に確立された通信セッション上で、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを組み合わせて所定の通信サービスを提供する通信サービス提供方法において、
発信者の発呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、
受信者の着呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、
発呼端末において、端末、アプリケーションおよびネットワークの少なくとも一つに関して、所望の通信サービスを実現する通信リソースを一つずつ選択する手順と、
前記発呼端末が、前記選択された通信リソースおよび発呼先を含む発呼要求をセッション管理サーバへ送信する手順と、
前記セッション管理サーバがプレゼンスサーバから前記各端末のプレゼンス情報を取得する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記取得したプレゼンス情報に基づいて着呼端末を決定する手順と、
前記セッション管理サーバが、各端末のプレゼンス情報および前記選択された通信リソースを含む発呼要求を前記着呼端末へ送信する手順と、
前記着呼端末において、前記発呼要求に基づいて通信リソースを選択する手順と、
前記着呼端末が、前記選択された通信リソースをセッション管理サーバへ通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通信リソースに関する情報を前記発呼端末および着呼端末から受信してセッションテーブルを作成する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記セッションテーブルの登録内容に基づいて、発信者および受信者の各端末へ、利用する通信リソースの情報を通知する手順と、
前記発信者および受信者が、前記通知された通信情報に基づいて通信を開始する手順とを含むことを特徴とする通信サービスの提供方法。
【請求項2】
前記発呼端末および着呼端末では、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所定の順序で選択され、選択済みの通信リソースと組み合わせられない他の通信リソースの選択が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項3】
前記アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに選択する手順を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項4】
前記発呼端末において通信リソースを選択する手順で、発呼端末以外の発信者端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項5】
前記着呼端末において通信リソースを選択する手順で、着呼端末以外の受信者端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項6】
相互に通信する発信者および受信者の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、
前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、
前記発信者および受信者の一方では通信リソースが切り替えられ、他方では通信リソースが切り替えられないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信サービスの提供方法。
【請求項7】
相互に通信中の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、
前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、相互に通信中の他方の端末へ通信リソースの切替通知を送信する手順と、
前記他方の端末において、前記通信リソースの切替通知に基づいて切り替え後の通信リソースを決定する手順と、
前記他方の端末からセッション管理サーバへ、前記決定した通信リソースを通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記一方および他方の各端末から通知された切り替え後の通信リソースをセッションテーブルへ登録する手順と、
前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、
前記発信者および受信者の一方および他方で通信リソースが切り替えられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信サービスの提供方法。
【請求項8】
前記アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに切り替える手順を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項9】
前記切替対象の通信リソースを選択する手順において、通信中の端末以外の端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項1】
セッション管理サーバおよびプレゼンスサーバが配置されたネットワークを経由して発信者と受信者との間に確立された通信セッション上で、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースを組み合わせて所定の通信サービスを提供する通信サービス提供方法において、
発信者の発呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、
受信者の着呼端末を含む少なくとも一つの端末がプレゼンスサーバにログオンしてプレゼンス情報を登録する手順と、
発呼端末において、端末、アプリケーションおよびネットワークの少なくとも一つに関して、所望の通信サービスを実現する通信リソースを一つずつ選択する手順と、
前記発呼端末が、前記選択された通信リソースおよび発呼先を含む発呼要求をセッション管理サーバへ送信する手順と、
前記セッション管理サーバがプレゼンスサーバから前記各端末のプレゼンス情報を取得する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記取得したプレゼンス情報に基づいて着呼端末を決定する手順と、
前記セッション管理サーバが、各端末のプレゼンス情報および前記選択された通信リソースを含む発呼要求を前記着呼端末へ送信する手順と、
前記着呼端末において、前記発呼要求に基づいて通信リソースを選択する手順と、
前記着呼端末が、前記選択された通信リソースをセッション管理サーバへ通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通信リソースに関する情報を前記発呼端末および着呼端末から受信してセッションテーブルを作成する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記セッションテーブルの登録内容に基づいて、発信者および受信者の各端末へ、利用する通信リソースの情報を通知する手順と、
前記発信者および受信者が、前記通知された通信情報に基づいて通信を開始する手順とを含むことを特徴とする通信サービスの提供方法。
【請求項2】
前記発呼端末および着呼端末では、通信端末、アプリケーションおよびネットワークの各通信リソースが所定の順序で選択され、選択済みの通信リソースと組み合わせられない他の通信リソースの選択が禁止されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項3】
前記アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに選択する手順を含むことを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項4】
前記発呼端末において通信リソースを選択する手順で、発呼端末以外の発信者端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項5】
前記着呼端末において通信リソースを選択する手順で、着呼端末以外の受信者端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項1に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項6】
相互に通信する発信者および受信者の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、
前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、
前記発信者および受信者の一方では通信リソースが切り替えられ、他方では通信リソースが切り替えられないことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信サービスの提供方法。
【請求項7】
相互に通信中の一方の端末において、切替対象の通信リソースを選択する手順と、
前記一方の端末からセッション管理サーバへ前記通信リソースの切替を通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、相互に通信中の他方の端末へ通信リソースの切替通知を送信する手順と、
前記他方の端末において、前記通信リソースの切替通知に基づいて切り替え後の通信リソースを決定する手順と、
前記他方の端末からセッション管理サーバへ、前記決定した通信リソースを通知する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記一方および他方の各端末から通知された切り替え後の通信リソースをセッションテーブルへ登録する手順と、
前記セッション管理サーバが、セッションテーブルに基づいて通信リソース切替の通知先を選択する手順と、
前記セッション管理サーバが、前記選択された通知先の端末へ前記通信リソースの切替を通知する手順とを含み、
前記発信者および受信者の一方および他方で通信リソースが切り替えられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の通信サービスの提供方法。
【請求項8】
前記アプリケーションが分割可能な複数の機能を備えている場合には、端末およびネットワークの少なくとも一方を機能ごとに切り替える手順を含むことを特徴とする請求項6または7に記載の通信サービスの提供方法。
【請求項9】
前記切替対象の通信リソースを選択する手順において、通信中の端末以外の端末が通信リソースとして選択されることを特徴とする請求項7または8に記載の通信サービスの提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−68119(P2007−68119A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255007(P2005−255007)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】
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