説明

通信システム、端末管理制御装置及び端末管理制御方法

【課題】管理責任者側で被管理者の特定の携帯端末だけを指定し、その携帯端末の内部機能の使用を規制可能にした。
【解決手段】監視側携帯端末毎に、監視側携帯端末が監視し、内部機能を規制可能にする被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部42と、携帯端末の現在位置を取得する現在位置取得部32と、携帯端末の現在位置及び端末記憶部42の記憶内容に基づき、監視側携帯端末の現在位置を含む特定隣接セル内に、監視側携帯端末が監視する被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部51と、特定隣接セル内に被監視側携帯端末が存在する場合、特定隣接セル内の被監視側携帯端末に対して内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部34とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視側携帯端末と、該監視側携帯端末に監視される被監視側携帯端末と、該監視側携帯端末及び該被監視側携帯端末を管理して制御する端末管理制御装置とを有し、特に携帯端末の内部機能を規制可能にした通信システム、端末管理制御装置及び端末管理制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、携帯端末の通信を規制する無線通信システムでは、複数の携帯端末を収容する基地局と、基地局を収容する交換機と、交換機と接続して複数の携帯端末を管理するサーバとを有し、サーバは、携帯端末の通信を規制する時間帯を予め記憶しておき、時間帯の到来に応じて携帯端末の内部機能として通信を規制する技術が知られている。
【0003】
また、携帯端末の通信を規制する際、携帯端末は、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)等の位置情報を使用し、この位置情報に基づき特定通信規制領域への進入を検出した場合、この携帯端末の内部機能として通信を規制する技術が知られている。
【0004】
また、近年、携帯端末には、音声通話機能は勿論のこと、メール機能、ウェブアクセス機能、テレビ受信機能、オーディオ機能、カメラ機能やゲーム機能等の様々な内部機能を備え、携帯端末ユーザに様々な機能を提供している。
【0005】
【特許文献1】特開2006−109326号公報
【特許文献2】特開2005−328346号公報
【特許文献3】特開2005−229180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の通信システムでは、携帯端末の通信規制を開始する特定位置や特定時間帯を予め設定し、携帯端末が特定位置へ移動若しくは特定時間帯に到達しない場合、その携帯端末の通信を規制することはできない。
【0007】
例えば、上記従来の通信システムを学校等に採用した場合、校内等の特定位置や授業時間等の特定時間帯を予め設定しておくことで、生徒の携帯端末の通信を規制することも可能であるが、例えば、管理責任者である学校の先生が被管理者である生徒を引率して校外に移動するような場合、特定位置を限定することができないため、生徒の携帯端末の内部機能を規制することができず、一部の生徒達は携帯端末等のゲーム機能やメール機能等を自由に使用して先生の説明に集中できなくなる場合が考えられる。
【0008】
そこで、管理責任者側では、そばにいる被管理者の特定の携帯端末だけ、その携帯端末の内部機能の使用を規制することが強く望まれている。
【0009】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、管理責任者側で被管理者の特定の携帯端末だけを指定して、その携帯端末の内部機能の使用規制を可能にした通信システム、端末管理制御装置及び端末管理制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
開示システムは、監視側携帯端末と、該監視側携帯端末に監視される被監視側携帯端末と、該監視側携帯端末及び該被監視側携帯端末を管理して制御する端末管理制御装置とを有する通信システムであって、前記端末管理制御装置は、該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部とを有し、前記被監視側携帯端末は、前記端末管理制御装置から前記規制制御メッセージを受信すると、この受信した規制制御メッセージに基づき、前記内部機能を規制することを要件とする。
【0011】
また、開示装置は、監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御装置であって、該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部とを有することを要件とする。
【0012】
また、開示方法は、監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御方法であって、該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶ステップと、前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶ステップの記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定ステップと、前記規制対象判定ステップにて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知ステップと、を含むことを要件とする。
【発明の効果】
【0013】
開示システム、開示装置及び開示方法によれば、監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する被監視側携帯端末が存在する場合、前記特定隣接セル内の被監視側携帯端末に対して内部機能を規制する規制制御メッセージを通知するようにしたので、監視側携帯端末ユーザである管理責任者は、自分の現在位置を含む特定隣接セル内に存在する被監視側携帯端末の内部機能の使用を規制することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面に基づき本発明の通信システム、端末管理制御装置及び端末管理制御方法に関わる実施例について詳細に説明する。
【0015】
まず、最初に本実施例の概要を説明するとすれば、その概要は、監視側携帯端末と、監視側携帯端末に監視される被監視側携帯端末と、監視側携帯端末及び被監視側携帯端末を管理して制御する端末管理制御装置とを有する通信システムであって、端末管理制御装置は、監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部を有している。
【0016】
さらに、端末管理制御装置は、現在位置取得部にて取得した監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び端末記憶部の記憶内容に基づき、監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定し、特定隣接セル内に、規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、特定隣接セル内の規制対象の被監視側携帯端末に対して内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する。
【0017】
被監視側携帯端末は、端末管理制御装置から規制制御メッセージを受信すると、この受信した規制制御メッセージに基づき、内部機能を規制するようにしたので、監視側携帯端末ユーザである管理責任者は、自分の現在位置を含む特定隣接セル内に存在する被監視側携帯端末の内部機能の使用を規制することができる。
【0018】
また、端末管理制御装置は、監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、端末記憶部の記憶内容に基づき、規制解除要求に関わる監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定し、監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知する。
【0019】
また、端末管理制御装置は、監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、規制解除要求に関わる監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定し、監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在する場合、解除対象の被監視側携帯端末に対して内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知するものである。その結果、被監視側携帯端末では、端末管理制御装置から規制解除メッセージを受信すると、この受信した規制解除メッセージに基づき、内部機能の規制を解除することができる。
【実施例】
【0020】
図1は、本実施例の無線通信システム内部の概略構成を端的に示すシステム構成図である。
【0021】
図1に示す無線通信システム1は、複数の携帯端末2を無線接続する基地局3と、複数の基地局3を収容する移動通信用交換機4と、この移動通信用交換機4と接続し、複数の携帯端末2を管理制御する端末管理サーバ5とを有している。
【0022】
各基地局3は、自己のセル内に存在する携帯端末2を無線接続し、その携帯端末2との通信を中継制御するものである。
【0023】
また、移動通信用交換機4は、基地局3を収容し、基地局3経由で携帯端末の位置登録要求を検出すると、その携帯端末2の現在位置をセル単位で位置登録する位置登録機能を備えている。
【0024】
携帯端末2は、音声通話機能、メール機能、ウェブアクセス機能、テレビ受信機能、オーディオ機能、カメラ機能やゲーム機能等の内部機能を備え、監視側携帯端末2Aと、被監視側携帯端末2Bとに分別している。
【0025】
監視側携帯端末2Aとは、複数の携帯端末2の内、特定の携帯端末2を監視する責任管理者側で使用する携帯端末2に相当するものである。また、被監視側携帯端末2Bは、監視側携帯端末2Aに監視される被管理者側で使用する携帯端末2に相当するものである。尚、監視側携帯端末2A及び被監視側携帯端末2Bの内部構成には何等変更はないものとする。
【0026】
図2は、携帯端末2(監視側携帯端末2A及び被監視側携帯端末2B)内部の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図2に示す携帯端末2は、アンテナ11を介して基地局3経由で無線信号を送受信する通信部12と、例えば、通話に使用するスピーカ及びマイクで構成する通話部13と、様々な情報を記憶するメモリ部14と、様々な情報を入力する操作部15と、様々な情報を表示する表示部16と、携帯端末2全体を制御する制御部17とを有している。
【0028】
メモリ部14には、例えば、内部機能に使用するアプリケーションや設定情報等の各種情報を記憶するものである。
【0029】
また、制御部17は、通信部12の通信制御を司る通信制御部17Aと、通話部13の通話制御を司る通話制御部17Bと、操作部15の操作制御を司る操作制御部17Cと、表示部16の表示制御を司る表示制御部17Dと、前述した内部機能の制御を司る内部機能制御部17Eとを有している。
【0030】
図3は、端末管理サーバ5内部の概略構成を示すブロック図である。
【0031】
図3に示す端末管理サーバ5は、移動通信用交換機4とのインタフェースを司る通信インタフェース21と、各種情報を表示するサーバ側表示部22と、各種情報を入力するサーバ側操作部23と、各種情報を記憶するサーバ側記憶部24と、端末管理サーバ5全体を制御するサーバ側制御部25とを有している。
【0032】
サーバ側制御部25は、通信インタフェース21内部の通信制御を司るサーバ側通信制御部31と、移動通信用交換機4内部の携帯端末2の位置登録機能を通じて携帯端末2の現在位置を取得する現在位置取得部32とを有している。
【0033】
サーバ側記憶部24は、現在位置取得部31にて取得した携帯端末2毎の現在位置を順次記憶する端末現在位置記憶部41と、監視側携帯端末2Aで監視する被監視側携帯端末2Bの電話番号を監視側携帯端末2Aの電話番号毎に記憶する端末記憶部42とを有している。
【0034】
サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aで監視する規制対象又は解除対象の被監視側携帯端末2Bであるか否かを判定する管理対象判定部33と、管理対象判定部33にて監視側携帯端末2Bで監視する規制対象又は解除対象の被監視側携帯端末2Bと判定されると、この被監視側携帯端末2Bに対して、例えば、SMS(ショートメッセージサービス)制御を利用した制御メッセージを移動通信用交換機4及び基地局3経由で通知する制御メッセージ通知部34と、サーバ側制御部25全体を制御する端末管理制御部35とを有している。
【0035】
管理対象判定部33は、基地局3及び移動通信用交換機4経由で、監視側携帯端末2Aからの規制開始要求を受信すると、端末現在位置記憶部41に記憶中の携帯端末2の現在位置及び端末記憶部42の記憶内容に基づき、監視側携帯端末2Aの現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bが存在するか否かを判定する規制対象判定部51を有している。
【0036】
尚、監視側携帯端末2Aは、規制開始操作を検出すると、基地局3及び移動通信用交換機4経由で端末管理サーバ5に対して規制開始要求を通知するものである。
【0037】
また、特定隣接セルとは、例えば、監視側携帯端末2Aが位置する基地局3のセルと、このセルに隣接する基地局3のセルとで構成するセル範囲に相当するものである。
【0038】
制御メッセージ通知部34は、規制対象判定部51にて監視側携帯端末2Aの現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末2Aが監視する規制対象の被監視側携帯端末2Bが存在すると判定されると、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、特定隣接セル内の規制対象の被監視側携帯端末2Bに対して内部機能を規制する規制制御メッセージを通知するものである。
【0039】
被監視側携帯端末2Bの内部機能制御部17Eは、規制制御メッセージを受信すると、規制制御メッセージに基づき、複数の内部機能の内、一部の内部機能、例えば、音声通話機能を除く、メール機能、テレビ受信機能、ウェブ機能やゲーム機能等を規制するものである。
【0040】
また、管理対象判定部33は、端末現在位置記憶部41に記憶中の携帯端末2の現在位置に基づき携帯端末2の位置変更を検出すると、位置変更の携帯端末2が被監視側携帯端末2Bの場合、この位置変更の被監視側携帯端末2Bを監視する監視側携帯端末2Aの現在位置を読み出し、この監視側携帯端末2Aの現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、位置変更の被監視側携帯端末2Bが存在するか否かを識別判定する規制対象識別判定部52を有している。
【0041】
制御メッセージ通知部34は、規制対象識別判定部52にて特定隣接セル内に、位置変更の被監視側携帯端末2Bが存在すると判定されると、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、位置変更の被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知するものである。
【0042】
管理対象判定部33は、基地局3及び移動通信用交換機4経由で、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求を受信すると、端末記憶部42の記憶内容に基づき、規制解除要求に関わる監視側携帯端末2Aが監視する解除対象の被監視側携帯端末2Bが存在するか否かを判定する解除対象判定部53を有している。
【0043】
尚、監視側携帯端末2Aは、規制解除操作を検出すると、基地局3及び移動通信用交換機4経由で、端末管理サーバ5に対して規制解除要求を通知するものである。
【0044】
制御メッセージ通知部34は、解除対象判定部53にて監視側携帯端末2Aが監視する解除対象の被監視側携帯端末2Bが存在すると判定されると、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、解除対象の被監視側携帯端末2Bに対して内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知するものである。
【0045】
被監視側携帯端末2Bの内部機能制御部17Eは、規制解除メッセージを受信すると、規制解除メッセージに基づき、規制中の内部機能の規制を解除するものである。
【0046】
管理対象判定部33は、端末記憶部42に記憶中の携帯端末2の現在位置に基づき携帯端末3の位置変更を検出すると、位置変更の携帯端末3が解除対象の被監視側携帯端末2Bの場合、この位置変更の被監視側携帯端末2Bを監視する監視側携帯端末2Aの現在位置を取得し、この監視側携帯端末2Aの現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、位置変更の被監視側携帯端末2Bが存在するか否かを識別判定する解除対象識別判定部54を有している。
【0047】
制御メッセージ通知部34は、解除対象識別判定部54にて特定隣接セル内に、位置変更の被監視側携帯端末2Bが存在しないと判定されると、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、位置変更の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知するものである。
【0048】
また、図4は、端末管理サーバ5内部の端末記憶部42内部の記憶内容を端的に示す説明図である。
【0049】
図4に示す端末記憶部42は、監視側携帯端末2A毎に、この監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bを管理し、監視側携帯端末2Aの電話番号42Aと、監視側携帯端末2Aの設定指示42Bと、この監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bの電話番号42Cと、この被監視側携帯端末2Bの設定状態42Dとを記憶している。
【0050】
監視側携帯端末2Aの設定指示42Bとは、監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bに対して規制を指示する“指示中”と、監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bに対して何等規制を指示しない“指示なし”とがある。
【0051】
また、被監視側携帯端末2Bの設定状態42Dとは、被監視側携帯端末2Bの内部機能が現在規制中であることを示す“規制中”と、被監視側携帯端末2Bが何等規制されていない“通常”と、監視側携帯端末2Aが被監視側携帯端末2Bに規制を指示しているにも関わらず、同被監視側携帯端末2Bが特定隣接エリア内にいない場合は未だに規制を指示していないことを示す“未規制中”とがある。
【0052】
また、端末管理制御部35は、端末記憶部42の記憶内容に基づき、例えば、“0001−2345”の監視側携帯端末2Aが“指示中”であって、その監視側携帯端末2Aが監視する被監視側携帯端末2Bとして“0001−1111”、“0002−1111”、“0003−1111”、“0004−1111”等を認識することになる。
【0053】
さらに、端末管理制御部35は、被監視側携帯端末2Bを認識すると、例えば、“0001−1111”の被監視側携帯端末2Bの設定状態42Dを“規制中”、“0003−1111”の被監視側携帯端末2Bの設定状態42Dを“未規制中”と認識することになる。
【0054】
次に、本実施例の無線通信システム1の動作について説明する。図5は、監視側携帯端末2A内部の監視側操作制御処理に関わる制御部17の処理動作を示すフローチャートである。
【0055】
図5に示す監視側操作制御処理とは、監視側携帯端末2A側の操作部15の操作を検出すると、操作内容に応じた機能制御を実行するものである。
【0056】
図5において監視側携帯端末2A内部の制御部17は、操作部15を通じて規制対象登録操作を検出したか否かを判定する(ステップS11)。尚、規制対象登録操作とは、監視側携帯端末2Aで監視する被監視側携帯端末2Bを端末管理サーバ5側に登録するための操作に相当するものである。
【0057】
制御部17は、規制対象登録操作を検出した場合(ステップS11肯定)、監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号を入力する(ステップS12)。
【0058】
制御部17は、全被監視側携帯端末2Bの電話番号を入力すると、操作部15を通じて規制対象登録完了操作を検出したか否かを判定する(ステップS13)。尚、規制対象登録完了操作とは、被監視側携帯端末2Bの登録を完了する操作に相当するものである。
【0059】
制御部17は、規制対象登録完了操作を検出した場合(ステップS13肯定)、ステップS12にて入力した監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号をメモリ部14に登録する(ステップS14)。
【0060】
制御部17は、監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号を登録すると、監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号を含む規制対象登録要求を、基地局3及び移動通信用交換機4経由で端末管理サーバ5に通知し(ステップS15)、図5に示す処理動作を終了する。
【0061】
その結果、端末管理サーバ5は、監視側携帯端末2Aからの監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号を含む規制対象登録要求を受信すると、この規制対象登録要求を発信した監視側携帯端末2Aの電話番号に基づき、この規制対象登録要求に含まれる監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号を端末記憶部42に記憶するものである。
【0062】
また、制御部17は、規制対象登録完了操作を検出しなかった場合(ステップS13否定)、監視する全被監視側携帯端末2Bの電話番号入力を継続すべく、ステップS12に移行する。
【0063】
また、制御部17は、規制対象登録操作を検出しなかった場合(ステップS11否定)、規制開始操作を検出したか否かを判定する(ステップS16)。
【0064】
制御部17は、規制開始操作を検出した場合(ステップS16肯定)、監視する被監視側携帯端末2Bの内部機能の規制を要求すべく、規制開始要求を基地局3及び移動通信用交換機4経由で規制開始要求を通知することで(ステップS17)、図5に示す処理動作を終了する。
【0065】
また、制御部17は、規制開始操作を検出しなかった場合(ステップS16否定)、規制解除操作を検出したか否かを判定する(ステップS18)。
【0066】
制御部17は、規制解除操作を検出した場合(ステップS18肯定)、監視する被監視側携帯端末2Bの内部機能の規制を解除要求すべく、規制解除要求を基地局3及び移動通信用交換機4経由で端末管理サーバ5に通知することで(ステップS19)、図5に示す処理動作を終了する。
【0067】
また、制御部17は、規制解除操作を検出しなかった場合(ステップS18否定)、他の操作を検出したか否かを判定する(ステップS20)。
【0068】
制御部17は、他の操作を検出した場合(ステップS20肯定)、同操作に応じた機能内容を実行し(ステップS21)、図5に示す処理動作を終了する。
【0069】
また、制御部17は、他の操作を検出しなかった場合(ステップS20否定)、図5に示す処理動作を終了する。
【0070】
図5に示す監視側操作制御処理では、規制対象登録操作を検出すると、規制対象の被監視側携帯端末2Bの全電話番号を入力し、この被監視側携帯端末2Bの全電話番号を含む規制対象登録要求を基地局3及び移動通信用交換機4経由で端末管理サーバ5に通知するようにしたので、監視側携帯端末2Aのユーザは、管理責任のある被監視側携帯端末2Bを端末管理サーバ5に通知することができる。
【0071】
また、監視側操作制御処理では、規制開始操作を検出すると、管理責任のある被監視側携帯端末2Bの一部の内部機能を規制すべく、規制開始要求を端末管理サーバ5に通知するようにしたので、監視側携帯端末2Aのユーザは、規制開始要求を端末管理サーバ5に通知することができる。
【0072】
また、管理側操作制御処理では、規制解除操作を検出すると、管理責任のある規制中の被監視側携帯端末2Bの規制中の内部機能を規制解除すべく、規制解除要求を端末管理サーバ5に通知するようにしたので、監視側携帯端末2Aのユーザは、規制解除要求を端末管理サーバ5に通知することができる。
【0073】
次に、規制開始及び規制解除に関わる無線通信システム1全体の動作について説明する。図6は、規制開始及び規制解除に関わる無線通信システム1全体の処理動作を端的に示す動作シーケンスである。
【0074】
例えば、基地局3のセルAと基地局3のセルBとは隣接せず、さらに、監視側携帯端末2Aは、3台の“X”,“Y”及び“Z”の被監視側携帯端末2Bを規制管理しているものとする。
【0075】
図6に示す監視側携帯端末2Aは、現在位置のセルAへの位置登録を起動すると(ステップS31)、位置登録をセルAの基地局3経由で位置登録を移動通信用交換機4に通知する(ステップS32)。その結果、移動通信用交換機4は、監視側携帯端末2Aの現在位置をセルAとして記憶する。
【0076】
さらに、移動通信用交換機4は、監視側携帯端末2Aの現在位置を端末管理サーバ5に通知する(ステップS33)。その結果、端末管理サーバ5は、現在位置取得部32を通じて監視側携帯端末2Aの現在位置を端末現在位置記憶部41に記憶する。
【0077】
また、監視側携帯端末2Aに管理された“X”の被監視側携帯端末2Bは、現在位置のセルAへの位置登録を起動すると(ステップS34)、セルAの基地局3経由で位置登録を移動通用信交換機4に通知する(ステップS35)。その結果、移動通信用交換機4は、“X”の被監視側携帯端末2Bの現在位置をセルAとして記憶する。
【0078】
さらに、移動通信用交換機4は、監視側携帯端末2Aの現在位置を位置情報として端末管理サーバ5に通知する(ステップS36)。その結果、端末管理サーバ5は、現在位置取得部32を通じて監視側携帯端末2Aの現在位置を端末現在位置記憶部41に記憶する。
【0079】
また、監視側携帯端末2Aに管理された“Y”の被監視側携帯端末2Bは、現在位置のセルBへの位置登録を起動すると(ステップS37)、セルBの基地局3経由で位置登録を移動通信用交換機4に通知する(ステップS38)。その結果、移動通信用交換機4は、“Y”の被監視側携帯端末2Aの現在位置をセルBとして記憶する。
【0080】
さらに、移動通信用交換機4は、監視側携帯端末2Aの現在位置を位置情報として端末管理サーバ5に通知する(ステップS39)。その結果、端末管理サーバ5は、現在位置取得部32を通じて“Y”の被監視側携帯端末2Bの現在位置を端末現在位置記憶部41に記憶する。
【0081】
また、監視側携帯端末2Aに監視された“Z”の被監視側携帯端末2Bは、現在位置のセルAへの位置登録を起動すると(ステップS40)、セルAの基地局3経由で位置登録を移動通信用交換機4に通知する(ステップS41)。その結果、移動通信用交換機4は、“Z”の被監視側携帯端末2Bの現在位置をセルAとして記憶する。
【0082】
さらに、移動通信用交換機4は、監視側携帯端末2Aの現在位置を位置情報として端末管理サーバ5に通知する(ステップS42)。その結果、端末管理サーバ5は、現在位置取得部32を通じて“Z”の被監視側携帯端末2Bの現在位置を端末現在位置記憶部41に記憶する。
【0083】
そして、端末管理サーバ5は、監視側携帯端末2A、“X”の被監視側携帯端末2B及び“Z”の被監視側携帯端末2Bの現在位置がセルA、“Y”の被監視側携帯端末2Bの現在位置がセルBに移動したことを認識している。
【0084】
また、監視側携帯端末2Aは、規制開始操作を検出すると(ステップS43)、セルAの基地局3経由で規制開始要求を移動通信用交換機4に通知する(ステップS44)。
【0085】
移動通信用交換機4は、規制開始要求を受信すると、規制開始要求を端末管理サーバ5に通知する(ステップS45)。
【0086】
端末管理サーバ5は、規制開始要求を受信すると、後述する図7の規制開始制御処理を実行することになる(ステップS46)。
【0087】
端末管理サーバ5は、規制開始制御処理を実行すると、規制開始要求を発信した被監視側携帯端末2Bが監視する規制対象の被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知すべく、この規制制御メッセージを移動通信用交換機4に通知する(ステップS47)。
【0088】
移動通信用交換機4は、端末管理サーバ5からの規制制御メッセージを受信すると、この規制制御メッセージをセルAの基地局3経由で“X”の被監視側携帯端末2B及び“Z”の被監視側携帯端末2Bに対して中継通知する(ステップS48)。
【0089】
被監視側携帯端末2Bは、規制制御メッセージを受信すると、この規制制御メッセージに基づき、内部機能の一部を規制すべく、規制制御を設定する(ステップS49)。その結果、被監視側携帯端末2Bのユーザは、例えば、メール機能、ウェブアクセス機能、テレビ受信機能、オーディオ機能、ゲーム機能やカメラ機能等の内部機能を使用することができなくなる。
【0090】
また、監視側携帯端末2Aは、規制解除操作を検出すると(ステップS50)、セルAの基地局3経由で規制解除要求を移動通信用交換機4に通知する(ステップS51)。
【0091】
移動通信用交換機4は、規制解除要求を受信すると、規制解除要求を端末管理サーバ5に通知する(ステップS52)。
【0092】
端末管理サーバ5は、規制解除要求を受信すると、後述する図9の規制解除制御処理を実行することになる(ステップS53)。
【0093】
端末管理サーバ5は、規制解除制御処理を実行すると、規制解除要求を発信した被監視側携帯端末2Bが監視する解除対象の被監視側携帯端末2Bに規制解除メッセージを通知すべく、この規制解除メッセージを移動通信用交換機4に通知する(ステップS54)。
【0094】
移動通信用交換機4は、規制解除メッセージを受信すると、この規制解除メッセージをセルAの基地局3経由で“X”の被監視側携帯端末2B及び“Z”の被監視側携帯端末2Bに対して中継通知する(ステップS55)。
【0095】
被監視側携帯端末2Bは、規制解除メッセージを受信すると、この規制解除メッセージに基づき、規制中の“X”及び“Z”の被監視側携帯端末2Bの内部機能の規制を解除すべく、規制制御設定を解除する(ステップS56)。
【0096】
その結果、被監視側携帯端末2Bのユーザは、内部機能の規制を全て解除し、全内部機能を自由に使用することができる。
【0097】
次に、図6のステップS46で実行する規制開始制御処理について説明する。図7は、端末管理サーバ5内部の規制開始制御処理に関わるサーバ側制御部25の処理動作を示すフローチャートである。
【0098】
図7に示す規制開始制御処理とは、監視側携帯端末2Aからの規制開始要求に応じて、この監視側携帯端末2Aで監視する被監視側携帯端末2Bの内、特定隣接セル内に位置する被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知する処理である。
【0099】
図7において端末管理サーバ5内部のサーバ側制御部25は、サーバ側通信制御部31を通じて、監視側携帯端末2Aからの規制開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS61)。
【0100】
サーバ側制御部25は、規制開始要求を受信した場合(ステップS61肯定)、端末管理制御部35を通じて、端末記憶部42内に規制開始要求に関わる監視側携帯端末2Aの電話番号があるか否かを判定する(ステップS62)。
【0101】
サーバ側制御部25は、規制開始要求に関わる監視側携帯端末2Aの電話番号がある場合(ステップS62肯定)、監視側携帯端末2Aの位置情報を端末現在位置記憶部41から取得し(ステップS63)、端末記憶部42内に、監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する規制対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号があるか否かを判定する(ステップS64)。
【0102】
サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する規制対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号がある場合(ステップS64肯定)、端末記憶部42に記憶中の監視側携帯端末2Aの電話番号42Aに対応する設定指示42Bを“指示中”に設定する(ステップS65)。
【0103】
サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aの電話番号42Aに対応する設定指示42Bを“指示中”に設定すると、端末記憶部42に記憶中の監視側携帯端末2Aの電話番号42Aに対応する規制対象の被監視側携帯端末2Bを指定する(ステップS66)。
【0104】
サーバ側制御部25は、規制対象の被監視側携帯端末2Bを指定すると、指定した規制対象の被監視側携帯端末2Bの位置情報を端末現在位置記憶部41から取得する(ステップS67)。
【0105】
サーバ側制御部25は、ステップS63にて取得した監視側携帯端末2Aの位置情報とステップS67にて取得した指定の被監視側携帯端末2Bの位置情報とを比較する(ステップS68)。
【0106】
サーバ側制御部25は、その位置情報の比較結果に基づき、規制対象判定部51を通じて、指定の被監視側携帯端末2Bが監視側携帯端末2Aの現在位置を含む特定隣接セル内に存在するか否かを判定する(ステップS69)。
【0107】
サーバ側制御部25は、指定の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合(ステップS69肯定)、制御メッセージ通知部34を通じて、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、指定の被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知する(ステップS70)。
【0108】
サーバ側制御部25は、指定の被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知すると、端末記憶部42に記憶中の指定の被監視側携帯端末2Bの電話番号42Cに対応する設定状態42Dを“規制中”に設定し(ステップS71)、端末記憶部42に記憶中の未指定の規制対象の被監視側携帯端末2Bがあるか否かを判定する(ステップS72)。
【0109】
サーバ側制御部25は、端末記憶部42に記憶中の未指定の規制対象の被監視側携帯端末2Bがない場合(ステップS72否定)、図7の処理動作を終了する。
【0110】
また、サーバ側制御部25は、端末記憶部42に記憶中の未指定の規制対象の被監視側携帯端末2Bがある場合(ステップS72肯定)、次の未指定の規制対象の被監視側携帯端末2Bを指定し(ステップS73)、ステップS68に移行する。
【0111】
また、サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aの規制開始要求を受信しなかった場合(ステップS61否定)、携帯端末2の位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS74)。
【0112】
サーバ側制御部25は、携帯端末2の位置情報を取得した場合(ステップS74肯定)、規制対象識別判定部52を通じて、端末記憶部42に記憶中の携帯端末2の電話番号42Cが“未規制中”の被監視側携帯端末2Bであるか否かを判定する(ステップS75)。
【0113】
サーバ側制御部25は、携帯端末2の電話番号42Cが“未規制中”の被監視側携帯端末2Bの場合(ステップS75肯定)、端末記憶部42に記憶中の“未規制中”の被監視側携帯端末2Bを指定し(ステップS76)、ステップS68に移行する。
【0114】
そして、サーバ側制御部25は、ステップS69にて規制対象識別判定部52を通じて位置情報の被監視側携帯端末2Bが監視側携帯端末2Aの現在位置を含む特定隣接セル内に存在するか否かを判定し、特定隣接セル内に存在する場合、ステップS70にて規制制御メッセージを通知することになる。
【0115】
また、サーバ側制御部25は、ステップS62にて規制開始要求に関わる監視側携帯端末2Aがない場合(ステップS62否定)、又は、ステップS64にて監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する規制対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号がない場合(ステップS64否定)、図7の処理動作を終了する。
【0116】
また、サーバ側制御部25は、ステップS69にて指定の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在しない場合(ステップS69否定)、端末記憶部42に記憶中の被監視側携帯端末2Bの電話番号42Cに対応する設定状態42Dを“未規制中”に設定し(ステップS77)、図7の処理動作を終了する。
【0117】
図7に示す規制開始制御処理では、監視側携帯端末2Aからの規制開始要求を受信すると、監視側携帯端末2Aに対応する被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在するか否かを判定し、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知するようにしたので、端末管理サーバ5は、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bに規制制御メッセージを通知することができる。
【0118】
規制開始制御処理では、携帯端末2の位置登録に伴う位置情報を取得すると、この携帯端末2が“未規制中”の被監視側携帯端末2Bで、かつ、“未規制中”の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在するか否かを判定し、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bに規制制御メッセージを通知するようにしたので、端末管理サーバ5は、未規制中の被監視側携帯端末2Bの現在位置が特定隣接セル内に移動した場合、この被監視側携帯端末2Bに規制制御メッセージを通知することができる。
【0119】
次に、被監視側携帯端末2B内部の制御部17の動作について説明する。図8は、被監視側携帯端末2B内部の被監視側操作制御処理に関わる制御部17の処理動作を示すフローチャートである。
【0120】
図8において被監視側携帯端末2B内部の制御部17は、操作部15を通じて操作を検出したか否かを判定する(ステップS81)。
【0121】
制御部17は、操作を検出した場合(ステップS81肯定)、内部機能の規制制御設定中であるか否かを判定する(ステップS82)。
【0122】
制御部17は、内部機能の規制制御設定中の場合(ステップS82肯定)、ステップS81にて検出した操作が“規制中”の内部機能の操作であるか否かを判定する(ステップS83)。
【0123】
制御部17は、操作が“規制中”の内部機能の操作の場合(ステップS83肯定)、この操作に対応する内部機能を規制し(ステップS84)、“規制中”によるエラー表示を表示部16に表示することで(ステップS85)、図8の処理動作を終了する。
【0124】
制御部17は、ステップS81にて操作を検出しなかった場合(ステップS81否定)、図8の処理動作を終了する。
【0125】
制御部17は、ステップS82にて内部機能の規制制御設定中でない場合(ステップS82否定)、又は、ステップS83にて操作が“規制中”の内部機能の操作でない場合(ステップS83否定)、ステップS81にて検出した操作に対する機能動作を実行することで(ステップS86)、図8の処理動作を終了する。
【0126】
図8に示す被監視側操作制御処理では、端末管理サーバ5からの規制制御メッセージを受信すると、規制制御メッセージに基づき一部の内部機能を規制し、機能操作を検出すると、この機能操作が“規制中”の内部機能の操作であるか否かを判定し、“規制中”の内部機能の操作の場合、操作に対応する機能の使用を規制すると共に、規制によるエラー表示を表示部16に表示するようにしたので、被監視側携帯端末2Bは、“規制中”の場合、“規制中”の内部機能に関わる操作を検出したとしても、操作に対応する内部機能の使用を規制することになる。
【0127】
次に、図6に示すステップS53の規制解除制御処理について説明する。図9は、端末管理サーバ5内部の規制解除制御処理に関わるサーバ側制御部25内部の処理動作を示すフローチャートである。
【0128】
図9に示す規制解除制御処理とは、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求に応じて、この監視側携帯端末2Aで規制中の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知する処理である。
【0129】
図9においてサーバ側制御部25は、サーバ側通信制御部31を通じて、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求を受信したか否かを判定する(ステップS91)。
【0130】
サーバ側制御部25は、規制解除要求を受信した場合(ステップS91肯定)、端末管理制御部35を通じて、端末記憶部42内に規制解除要求に関わる監視側携帯端末2Aの電話番号があるか否かを判定する(ステップS92)。
【0131】
サーバ側制御部25は、規制解除要求に関わる監視側携帯端末2Aの電話番号がある場合(ステップS92肯定)、解除対象判定部53を通じて、端末記憶部42内に、監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する解除対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号があるか否かを判定する(ステップS93)。
【0132】
サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する規制対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号がある場合(ステップS93肯定)、端末記憶部42に記憶中の監視側携帯端末2Aの電話番号に対応する解除対象の被監視側携帯端末2Bを指定する(ステップS94)。
【0133】
サーバ側制御部25は、解除対象の被監視側携帯端末2Bを指定すると、制御メッセージ通知部34を通じて、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、指定の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知する(ステップS95)。
【0134】
サーバ側制御部25は、指定の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知すると、端末記憶部42に記憶中の指定の被監視側携帯端末2Bの設定状態42Dを“通常”に設定し(ステップS96)、端末記憶部42に記憶中の未指定の規制対象の被監視側携帯端末2Bがあるか否かを判定する(ステップS97)。
【0135】
サーバ側制御部25は、端末記憶部42に記憶中の未指定の解除対象の被監視側携帯端末2Bがない場合(ステップS97否定)、図9の処理動作を終了する。
【0136】
また、サーバ側制御部25は、端末記憶部42に記憶中の未指定の解除対象の被監視側携帯端末2Bがある場合(ステップS97肯定)、次の未指定の解除対象の被監視側携帯端末2Bを指定し(ステップS98)、指定の解除対象の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知すべく、ステップS95に移行する。
【0137】
また、サーバ側制御部25は、監視側携帯端末2Aの規制解除要求を受信しなかった場合(ステップS91否定)、携帯端末2の位置情報を取得したか否かを判定する(ステップS99)。
【0138】
サーバ側制御部25は、携帯端末2の位置情報を取得した場合(ステップS99肯定)、解除対象識別判定部54を通じて、端末記憶部42に記憶中の携帯端末2の電話番号42Cに対応する設定状態42Dが“規制中”の被監視側携帯端末2Bであるか否かを判定する(ステップS100)。
【0139】
サーバ側制御部25は、携帯端末2の設定状態42Dが“規制中”の被監視側携帯端末2Bの場合(ステップS100肯定)、端末記憶部42に記憶中の“規制中”の被監視側携帯端末2Bを解除対象の被監視側携帯端末2Bとして指定する(ステップS101)。
【0140】
サーバ側制御部25は、解除対象の被監視側携帯端末2Bとして指定すると、指定した被監視側携帯端末2Bに関わる監視側携帯端末2Aの位置情報を端末現在位置記憶部41から取得し(ステップS102)、この監視側携帯端末2Aの位置情報とステップS99にて取得した指定の解除対象の被監視側携帯端末2Bとの位置情報とを比較する(ステップS103)。
【0141】
サーバ側制御部25は、その位置情報の比較結果に基づき、解除対象識別判定部54を通じて、指定の被監視側携帯端末2Bが監視側携帯端末2Aの現在位置を含む特定隣接セル内に存在するか否かを判定する(ステップS104)。
【0142】
サーバ側制御部25は、指定の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在しない場合(ステップS104否定)、制御メッセージ通知部34を通じて、移動通信用交換機4及び基地局3経由で、指定の被監視側携帯端末2Bに対して規制解除メッセージを通知すべく、ステップS95に移行する。
【0143】
また、サーバ側制御部25は、ステップS92にて規制解除要求に関わる監視側携帯端末2Aがない場合(ステップS92否定)、又は、ステップS93にて監視側携帯端末2Aの電話番号42Aに対応する解除対象の被監視側携帯端末2Bの電話番号42Cがない場合(ステップS93否定)、図9の処理動作を終了する。
【0144】
また、サーバ側制御部25は、ステップS99にて携帯端末2の位置情報を取得しなかった場合(ステップS99否定)、又は、ステップS100にて携帯端末2の電話番号が“規制中”の被監視側携帯端末2Bでない場合(ステップS100否定)、又は、ステップS104にて指定の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合(ステップS104肯定)、図9の処理動作を終了する。
【0145】
図9に示す規制解除制御処理では、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求を受信すると、監視側携帯端末2Aに対応する“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除すべく、規制解除メッセージを通知するようにしたので、端末管理サーバ5は、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求に応じて“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除することができる。
【0146】
規制解除制御処理では、携帯端末2の位置登録に伴う位置情報を取得すると、“規制中”の被監視側携帯端末2Bの場合、“規制中”の被監視側携帯端末2Bの現在位置が特定隣接セル外に移動した場合、この被監視側携帯端末2Bに規制解除メッセージを通知するようにしたので、端末管理サーバ5は、規制中の被監視側携帯端末2Bの特定隣接セル外への移動に応じて“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除することができる。
【0147】
本実施例では、端末管理サーバ5が監視側携帯端末2Aからの規制開始要求を受信すると、監視側携帯端末2Aに対応する被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在するか否かを判定し、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージを通知する。そして、被監視側携帯端末2Bは、規制制御メッセージを受信すると、規制制御メッセージに基づき内部機能を規制する。その結果、監視側携帯端末2Aは、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bの内部機能の使用を規制することができる。
【0148】
また、本実施例では、端末管理サーバ5が携帯端末2の位置登録に伴う位置情報を取得すると、携帯端末2が“未規制中”の被監視側携帯端末2Bの場合、かつ、“未規制中”の被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在するか否かを判定し、被監視側携帯端末2Bが特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bに規制制御メッセージを通知する。そして、被監視側携帯端末2Bは、規制制御メッセージを受信すると、規制制御メッセージに基づき内部機能を規制する。その結果、監視側携帯端末2Aは、被監視側携帯端末2Bの移動に応じて現在位置が特定隣接セル内に存在する場合、この被監視側携帯端末2Bの内部機能の使用を規制することができる。
【0149】
また、本実施例では、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求を受信すると、監視側携帯端末2Aに対応する“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除すべく、規制解除メッセージを通知する。そして、被監視側携帯端末2Bは、規制解除メッセージを受信すると、規制解除メッセージに基づき内部機能の規制を解除する。その結果、監視側携帯端末2Aは、監視側携帯端末2Aからの規制解除要求に応じて“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除することができる。
【0150】
また、本実施例では、携帯端末2の位置登録に伴う位置情報を取得すると、その携帯端末2が“規制中”の被監視側携帯端末2Bで、かつ、“規制中”の被監視側携帯端末2Bの現在位置が特定隣接セル外に移動した場合、この被監視側携帯端末2Bに規制解除メッセージを通知する。そして、被監視側携帯端末2Bは、規制解除メッセージを受信すると、規制解除メッセージに基づき内部機能の規制を解除する。その結果、監視側携帯端末2Aは、規制中の被監視側携帯端末2Bの特定隣接セル外への移動に応じて“規制中”の被監視側携帯端末2Bの規制を解除することができる。
【0151】
本実施例では、端末記憶部42が、監視側携帯端末2Aを識別する電話番号42A毎に、この監視側携帯端末2Aで監視する被監視側携帯端末2Bを識別する電話番号42Cで記憶し、制御メッセージ通知部34は、端末記憶部41に記憶中の被監視側携帯端末2Bの電話番号42Cに基づき、被監視側携帯端末2Bに対して規制制御メッセージや規制解除メッセージを通知する。その結果、管理端末サーバ5は、電話番号に基づき規制制御メッセージや規制解除メッセージを通知することができる。
【0152】
尚、本実施例では、特定隣接セルを監視側携帯端末2Aの現在位置のセル及び、このセルに隣接するセルの範囲内としたが、例えば、監視側携帯端末2Aの現在位置を含むセル内のみに限定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0153】
また、本実施例では、セル範囲が狭い場合、監視側携帯端末2Aの現在位置のセルの隣接セルだけでなく、その隣接セルに隣接するセルを含めて特定隣接セルに設定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0154】
また、本実施例では、規制制御メッセージに応じて被監視側携帯端末2B内部の一部の内部機能を規制するようにしたが、音声通話機能を含めて、全ての内部機能を規制するようにしても良く、その内部機能の規制内容は適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0155】
また、本実施例では、端末管理サーバ5が規制開始要求を受信すると、被監視側携帯端末2B毎に一律の規制内容である規制制御メッセージを通知するようにしたが、被監視側携帯端末2B毎に異なる内部機能の規制内容を設定し、被監視側携帯端末2B毎に内部機能の規制内容を記憶した規制内容管理記憶部を端末管理サーバ5側に備えるようにしても良い。この場合、制御メッセージ通知部34は、特定隣接セル内の規制対象の被監視側携帯端末2Bに対して、この規制対象の被監視側携帯端末2Bに対応する内部機能の規制内容を規制内容管理記憶部から読み出し、この読み出した規制内容を含む規制制御メッセージを通知するようにしても良い。
【0156】
また、端末管理サーバ5側で被監視側携帯端末2Bに優先順位を付与し、優先順位毎に内部機能の規制内容を設定するようにしても良く、この場合、制御メッセージ通知部34は、特定隣接セル内の規制対象の被監視側携帯端末2Bに対して、この規制対象の被監視側携帯端末2Bの優先順位に応じた内部機能の規制内容を読み出し、この読み出した規制内容を含む規制制御メッセージを通知するようにしても良い。
【0157】
また、本実施例では、被監視側携帯端末2B内部の内部機能を規制するようにしたが、内部機能を規制するのではなく、内部機能を操作する入力操作を無効にするように設定するようにしても良いことは言うまでもない。
【0158】
また、本実施例では、電話番号に基づき、制御SMSを利用した規制制御メッセージや規制解除メッセージを被監視側携帯端末2Bに通知するようにしたが、他の方法で被監視側携帯端末2Bに通知するようにしても良いことは言うまでもない。
【0159】
以上、本発明の実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施例が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
【0160】
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0161】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
【0162】
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。
【0163】
以上、本実施例を含む実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0164】
(付記1)監視側携帯端末と、
該監視側携帯端末に監視される被監視側携帯端末と、
該監視側携帯端末及び該被監視側携帯端末を管理して制御する端末管理制御装置とを有する通信システムであって、
前記端末管理制御装置は、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、
現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、
前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部とを有し、
前記被監視側携帯端末は、
前記端末管理制御装置から前記規制制御メッセージを受信すると、この受信した規制制御メッセージに基づき、前記内部機能を規制することを特徴とする通信システム。
【0165】
(付記2)前記規制対象判定部は、
前記監視側携帯端末からの規制開始要求を受信すると、前記規制開始要求に関わる前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する前記規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定することを特徴とする付記1記載の通信システム。
【0166】
(付記3)前記端末管理制御装置は更に、
前記現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置に基づき前記監視側携帯端末あるいは前記被監視側携帯端末の位置変更を検出すると、前記位置変更の携帯端末が前記被監視側携帯端末の場合、この位置変更の被監視側携帯端末を監視する前記監視側携帯端末の現在位置を取得し、この監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、前記位置変更の被監視側携帯端末が存在するか否かを識別判定する規制対象識別判定部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記規制対象識別判定部にて前記特定隣接セル内に、前記位置変更の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記位置変更の被監視側携帯端末に対して前記規制制御メッセージを通知することを特徴とする付記1又は2記載の通信システム。
【0167】
(付記4)前記端末管理制御装置は更に、
前記監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記規制解除要求に関わる前記監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する解除対象判定部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記解除対象判定部にて前記監視側携帯端末が監視する前記解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知し、
前記被監視側携帯端末は、
前記端末管理制御装置から前記規制解除メッセージを受信すると、この受信した規制解除メッセージに基づき、前記内部機能の規制を解除することを特徴とする付記1〜3の何れか一に記載の通信システム。
【0168】
(付記5)前記端末管理制御装置は更に、
前記現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置に基づき前記監視側携帯端末あるいは前記被監視側携帯端末の位置変更を検出すると、前記位置変更の携帯端末が前記解除対象の被監視側携帯端末の場合、この位置変更の被監視側携帯端末を監視する前記監視側携帯端末の現在位置を取得し、この監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、前記位置変更の被監視側携帯端末が存在するか否かを識別判定する解除対象識別判定部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記解除対象識別判定部にて前記特定隣接セル内に、前記位置変更の被監視側携帯端末が存在しないと判定されると、前記位置変更の被監視側携帯端末に対して前記規制解除メッセージを通知することを特徴とする付記1〜4の何れか一に記載の通信システム。
【0169】
(付記6)前記端末記憶部は、
前記監視側携帯端末を識別する電話番号毎に、この監視側携帯端末で監視する前記被監視側携帯端末を識別する電話番号で記憶し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記端末記憶部に記憶中の前記被監視側携帯端末の電話番号に基づき、前記被監視側携帯端末に対して前記メッセージを通知することを特徴とする付記1〜5の何れか一に記載の通信システム。
【0170】
(付記7)前記被監視側携帯端末毎に異なる内部機能の規制内容を設定し、前記被監視側携帯端末毎に内部機能の規制内容を記憶した規制内容管理記憶部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して、この規制対象の被監視側携帯端末に対応する内部機能の規制内容を前記規制内容管理記憶部から読み出し、この読み出した規制内容を含む前記規制制御メッセージを通知することを特徴とする付記1〜6の何れか一に記載の通信システム。
【0171】
(付記8)監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御装置であって、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、
現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、
前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部と
を有することを特徴とする端末管理制御装置。
【0172】
(付記9)前記規制対象判定部は、
前記監視側携帯端末からの規制開始要求を受信すると、前記規制開始要求に関わる前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する前記規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定することを特徴とする付記8記載の端末管理制御装置。
【0173】
(付記10)前記監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記規制解除要求に関わる前記監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する解除対象判定部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記解除対象判定部にて前記監視側携帯端末が監視する前記解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知することを特徴とする付記8又は9記載の端末管理制御装置。
【0174】
(付記11)監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御方法であって、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶ステップと、
前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶ステップにて記憶した記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定ステップと、
前記規制対象判定ステップにて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知ステップと、
を含むことを特徴とする端末管理制御方法。
【0175】
(付記12)前記規制対象判定ステップは、
前記監視側携帯端末からの規制開始要求を受信すると、前記規制開始要求に関わる前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する前記規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定することを特徴とする付記11記載の端末管理制御方法。
【0176】
(付記13)前記監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、前記端末記憶ステップにて記憶した記憶内容に基づき、前記規制解除要求に関わる前記監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する解除対象判定ステップを有し、
前記制御メッセージ通知ステップは、
前記解除対象判定ステップにて前記監視側携帯端末が監視する前記解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知することを特徴とする付記11又は12記載の端末管理制御方法。
【0177】
(付記14)監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御プログラムであって、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶手順と、
前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶手順で記憶した記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定手順と、
前記規制対象判定手順にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知手順とを含むプログラムをコンピュータ装置に実行させることを特徴とする端末管理制御プログラム。
【0178】
(付記15)前記規制対象判定手順は、
前記監視側携帯端末からの規制開始要求を受信すると、前記規制開始要求に関わる前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する前記規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定することを特徴とする付記14記載の端末管理制御プログラム。
【0179】
(付記16)前記監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、前記端末記憶手順で記憶した記憶内容に基づき、前記規制解除要求に関わる前記監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する解除対象判定手順を有し、
前記制御メッセージ通知手順は、
前記解除対象判定手順にて前記監視側携帯端末が監視する前記解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知することを特徴とする付記14又は15記載の端末管理制御プログラム。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】本実施例の無線通信システム内部の概略構成を端的に示すシステム構成図である。
【図2】携帯端末(監視側携帯端末及び被監視側携帯端末)内部の概略構成を示すブロック図である。
【図3】端末管理サーバ内部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】端末管理サーバ内部の端末記憶部内部の記憶内容を端的に示す説明図である。
【図5】監視側携帯端末内部の監視側操作制御処理に関わる制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】規制開始及び規制解除に関わる無線通信システム全体の処理動作を端的に示す動作シーケンスである。
【図7】端末管理サーバ内部の規制開始制御処理に関わるサーバ側制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図8】被監視側携帯端末内部の被監視側操作制御処理に関わる制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【図9】端末管理サーバ内部の規制解除制御処理に関わるサーバ側制御部の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0181】
1 無線通信システム
2 携帯端末
2A 監視側携帯端末
2B 被監視側携帯端末
3 基地局
4 移動通信用交換機
5 端末管理サーバ
25 サーバ側制御部
32 現在位置取得部
33 管理対象判定部
34 制御メッセージ通知部
35 端末管理制御部
41 端末現在位置記憶部
42 端末記憶部
51 規制対象判定部
52 規制対象識別判定部
53 解除対象判定部
54 解除対象識別判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視側携帯端末と、
該監視側携帯端末に監視される被監視側携帯端末と、
該監視側携帯端末及び該被監視側携帯端末を管理して制御する端末管理制御装置とを有する通信システムであって、
前記端末管理制御装置は、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、
現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、
前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部とを有し、
前記被監視側携帯端末は、
前記端末管理制御装置から前記規制制御メッセージを受信すると、この受信した規制制御メッセージに基づき、前記内部機能を規制することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記規制対象判定部は、
前記監視側携帯端末からの規制開始要求を受信すると、前記規制開始要求に関わる前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、この監視側携帯端末が監視する前記規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記端末管理制御装置は更に、
前記監視側携帯端末からの規制解除要求を受信すると、前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記規制解除要求に関わる前記監視側携帯端末が監視する解除対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する解除対象判定部を有し、
前記制御メッセージ通知部は、
前記解除対象判定部にて前記監視側携帯端末が監視する前記解除対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記解除対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能の規制を解除する規制解除メッセージを通知し、
前記被監視側携帯端末は、
前記端末管理制御装置から前記規制解除メッセージを受信すると、この受信した規制解除メッセージに基づき、前記内部機能の規制を解除することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御装置であって、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶部と、
現在位置取得部にて取得した前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶部の記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定部と、
前記規制対象判定部にて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知部と
を有することを特徴とする端末管理制御装置。
【請求項5】
監視側端末装置及び該監視側端末装置に監視される被監視側端末装置とを管理して制御する端末管理制御方法であって、
該監視側携帯端末毎に、内部機能を規制可能な前記被監視側携帯端末を記憶する端末記憶ステップと、
前記監視側携帯端末と前記被監視側携帯端末の現在位置、及び前記端末記憶ステップの記憶内容に基づき、前記監視側携帯端末の現在位置の無線セルを含む特定隣接セル内に、該規制対象の被監視側携帯端末が存在するか否かを判定する規制対象判定ステップと、
前記規制対象判定ステップにて前記特定隣接セル内に、前記規制対象の被監視側携帯端末が存在すると判定されると、前記特定隣接セル内の前記規制対象の被監視側携帯端末に対して前記内部機能を規制する規制制御メッセージを通知する制御メッセージ通知ステップと、
を含むことを特徴とする端末管理制御方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−16491(P2010−16491A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172757(P2008−172757)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】