説明

通信システムにおける登録

通信ネットワークにおける方法がコントローラエンティティにおいて着信要求を処理する。この方法は、ユーザに関する複数のコンタクトアドレスをコントローラエンティティ内に登録する段階と、ユーザに対する通信リンクのための要求をコントローラエンティティにおいて受け取る段階と、この要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する情報をユーザ情報記憶装置に問い合わせる段階と、ユーザ情報記憶装置からの情報にしたがってその要求を処理する段階と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、および、特に、ユーザが複数のロケーションから識別情報を登録することができる通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムが、ユーザ機器、通信ネットワーク要素、および、その通信システムに関連している他のエンティティのような2つ以上のエンティティの間の通信を可能にする機構として理解されることが可能である。通信システムは、典型的には、その通信システムに関連している様々なエンティティが何を行うことを許可されているか、および、それがどのように行われるべきかを記述する特定の規格または仕様にしたがって動作する。例えば、この規格または仕様は、ユーザ、または、より具体的には、ユーザ機器もしくはユーザ端末装置が、回線交換サービスおよび/またはパケット交換サービスを提供されるかどうかを定義することができる。その接続のために使用されるべき通信プロトコルおよび/または通信パラメータも定義されることが可能である。言い換えると、通信が基づいていることが可能な「規則」の特定のセットが、通信システムによる通信を可能にするために定義される必要がある。
【0003】
ユーザ機器のための無線通信を実現する通信システムが公知である。無線システムの一例が公衆陸上移動網(PLMN)である。このPLMNは、典型的には、セルラ技術に基づいている。セルラシステムでは、基地トランシーバ局(BTS)または類似のアクセスエンティティが、移動局(MS)または他のこうした無線ユーザ機器(UE)に対して、これらのエンティティの間の無線インタフェースを経由してサービスを提供する。ユーザ機器と通信ネットワーク要素との間の通信が、適切な通信プロトコルに基づいていることが可能である。通信のための必要とされる基地局装置および他の装置の動作とが、1つまたは複数の制御エンティティによって制御されることが可能である。様々な制御エンティティが相互接続されることが可能である。さらに、1つまたは複数のゲートウェイノードが、セルラネットワークを他のネットワーク、例えば、公衆交換回線網(PSTN)、および/または、IP(インターネットプロトコル)および/または他のパケット交換ネットワークのような他の通信ネットワークに接続するために設けられてもよい。
【0004】
通信システムの加入者のようなユーザに対して提供されてよいサービスの一例が、いわゆるマルチメディアサービスである。マルチメディアサービスを提供することが可能にされている通信システムの中には、インターネットプロトコル(IP)マルチメディアネットワークとして知られているものがある。IPマルチメディア(IM)機能性が、IPマルチメディアコアネットワーク(CN)サブシステム、すなわち、簡単に言うと、IPマルチメディアサブシステム(IMS)によって提供されることが可能である。このIMSは、マルチメディアサービスの提供のための様々なエンティティを含む。
【0005】
通信システムは、サーバとして知られているネットワークエンティティによってネットワークの様々なサービス提供機能が処理される方向において開発されてきている。例えば、現在の第3世代(G3)無線マルチメディアネットワークのアーキテクチャでは、幾つかの互いに異なるサーバが互いに異なる機能を処理するために使用されるということが想定されている。これらは、コールセッション制御機能(CSCF)のような機能を含む。このコールセッション機能は、プロキシコールセッション制御機能(P−CSCF)、問合せコールセッション制御機能(interrogating call session control function)(I−CSCF)と、サービングコールセッション制御機能(serving call session control function)(S−CSCF)とのような様々なカテゴリに分けられることが可能である。CSCFがコール状態制御機能と称されることもあるということを理解されたい。
【0006】
通信システムは、ユーザ、典型的には加入者が、その通信システムを経由して通信を開始しなければならないように構成されてよい。例えば、ユーザが、適切な通信ネットワークエンティティからのセッション、トランザクション、または、他のタイプの通信を要求してよい。こうした通信はそのユーザから開始されると見なされることが可能である。上述のネットワークエンティティから、サービングコールセッション制御機能(S−CSCF)は、その通信システムからのサービスを要求することが可能であるためにユーザが登録されることを必要とするエンティティを形成する。
【0007】
3GPP仕様の現時点の最新バージョンである3GPPリリース6のような特定の仕様では、IMSネットワークは、2つ以上のコンタクトアドレスを使用してユーザが複数のロケーションから単一の公開ユーザ識別情報を登録することを可能にするように構成されている。複数のコンタクトアドレスは、さらに、複数のアクセスネットワークに対するアクセス権を有する異なる端末装置にさえ関係してよい。例えば、ユーザは、適切なユーザ機器によって、GPRSおよび/またはWLANネットワークを経由してIMSにアクセスしてもよい。
【0008】
着信要求(incoming request)をプロキシする時に、そのネットワークは、登録されたコンタクトアドレスの全部に対して、または、登録コンタクトアドレスの一部だけに着信要求を送る選択権を有する。最も適切な経路選択決定を行うために、そのネットワークは、複数のコンタクトを処理する際に、ユーザとそのネットワークとの両方からのある種の選好(preference)設定を必要とする。さらに明確に述べると、そのネットワークは、そのネットワークが要求を分岐(fork)させる必要があるか否かを決定する必要がある。その次に、分岐が使用されるべきである場合には、順次探索(sequential search)または並行探索(parallel search)が好ましいかどうかの決定が必要とされる。順次探索が好ましい場合には、そのネットワークは、登録ユーザ識別情報に関連付けられている異なるコンタクトアドレスがどんな順序でコンタクトされるべきか決定されることを必要とする。
【0009】
J. Rosenberg 他による Internet Engineering Task Force (IETF) 文書 RFC 3261“SIP: Session Initiation Protocol”(2002年6月)が、順次探索の概念を説明している。このRFC 3261文書は本明細書に引例として組み入れられている。この順次探索では、順次試行が、いわゆるq(選好)値によって与えられたユーザの選好に基づいて複数のコンタクトに関して行われる。このq値は、ユニフォームリソース識別子(URI)のような、コンタクトアドレスに付与されたパラメータである。最も選好順位(preference)が高いコンタクトにコンタクトする試みが失敗すると、最終的な応答がコンタクトアドレスの1つから受信されるまで、その次の選好順位のコンタクトが試行される。RFC 3261は、さらに、並行分岐の概念も説明している。並行分岐では、異なるアドレスが同時に並行してコンタクトされる。すなわち、ネットワークは、着信要求を登録コンタクトのすべてに同時に分岐させる。RFC 3261によるq値を使用することによって、被呼者が複数の登録コンタクトを処理する際に、登録に基づいて選好を操作することが可能である。
【0010】
提案は、発呼者も特定の要求を処理する際に自分の選好を指示することが可能であるということである。発呼者の選好は、被呼者の選好よりも優先してよい。これは、特定のヘッダフィールドすなわち「要求−ディスポジション(Request-Disposition)」ヘッダフィールドを使用して行われてよい。このフィールドは、終端ネットワークのサーバがこのヘッダフィールドが中に含まれている要求をどのように処理すべきかに関する発呼者の選好を指定する。これは、次の指示語を使用して行われることが提案されている。プロキシが要求を分岐させる(「分岐」)べきかどうか、または、単一のアドレスだけにプロキシする(「無分岐(no-fork)」)べきかどうかを指示するために、分岐指示語(fork directive)が提案されている。分岐させないようにサーバが要求される場合には、そのサーバは要求を「最適の(best)」アドレスにプロキシすべきだろう。この最適のアドレスは、通常は、最大のq値を有するアドレスだろう。分岐指示語が「分岐」に設定される場合には、並行指示語(parallel-directive)が、プロキシサーバがすべての既知のアドレスに対して一度にプロキシする(「並行(parallel)」ことを発呼者が望むか、または、プロキシサーバが既知のアドレスに対して順次的にプロキシし、先行のアドレスに関する最終応答をそのプロキシサーバが受け取らなかった後にだけその次のアドレスにコンタクトする(「順次」)ことを発呼者が望むかどうかを指示する。
【0011】
しかし、被呼者の選好も発呼者の選好も定義されない場合には、そのネットワークの挙動が曖昧だろう。終端プロキシサーバは、この「省略時(default case)」においてその終端プロキシサーバがどのように挙動するべきかの何らかのコンフィギュレーションを必要とするだろう。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の実施態様が、上述の問題の1つまたは幾つかに対処することを目的とする。
【0013】
本発明の一実施様態によって、コントローラエンティティにおいて着信要求を処理するための通信システムにおける方法が提供され、この方法は、
ユーザに関する複数のコンタクトアドレスをコントローラエンティティ内に登録することと、
そのユーザに対する通信リンクのための要求をコントローラエンティティにおいて受け取ることと、
この要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する情報をユーザ情報記憶装置に問い合わせることと、
ユーザ情報記憶装置からの情報にしたがってその要求を処理することと、
を含む。
【0014】
本発明の別の実施態様によって、複数のコンタクトアドレスを有するユーザに対してサービス提供するように構成されている通信システムが提供され、この通信システムは、
ユーザのコンタクトアドレスが登録されているコントローラエンティティが備えられているマルチメディアネットワークと、
ユーザに関する要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する情報を記憶するように構成されているユーザ情報記憶装置であって、コントローラエンティティは、ユーザ情報記憶装置に対して問合せを行って、ユーザ情報記憶装置から問い合わされた情報にしたがってユーザに対する接続のための要求を処理するように構成されているユーザ情報記憶装置と、
を備える。
【0015】
本発明のさらに別の実施態様によって、マルチメディアネットワークのためのコントローラエンティティが提供され、このコントローラエンティティは、ユーザに関する複数のコンタクトアドレスを登録するためのレジスタと、ユーザに関する要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する仕方に関する情報を記憶するように構成されているユーザ情報記憶装置に対するインタフェースとを備え、このコントローラエンティティは、ユーザ情報記憶装置に対して問合せを行って、このユーザ情報記憶装置からの情報にしたがってユーザに対する接続のための要求を処理するように構成されている。
ユーザのコンタクトアドレスが登録されているコントローラエンティティが備えられているマルチメディア、および
【0016】
本発明の実施態様は様々な利点を提供することができる。例えば、この実施態様は、発呼者の選好も被呼者の選好も指示されていない場合に、ネットワークのオペレータが終止プロキシ(terminating proxy)すなわち終止S−CSCF挙動を設定することを可能にすることもできる。このことは、特に、通信システムの動作の最適化を可能にする。
【0017】
本発明のより適切な理解のために、以下では、例示として添付図面を参照する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明が具体化されてよいネットワークアーキテクチャの一例を示す図1を参照する。図1はIPマルチメディアネットワーク10を示す。IPマルチメディアサービスは、IPマルチメディアネットワーク加入者に提供されてよい。IPマルチメディア(IM)機能性は、そのサービスの提供のための様々なエンティティを含むコアネットワーク(CN)サブシステムによって提供されることが可能である。コアネットワーク(CN)エンティティは、典型的には、幾つかの無線アクセスネットワークを経由した通信を可能にするための、および、さらには、他のセルラシステムおよび/または固定回線通信システムに対してのようなより多くの通信システムの1つに対して単一の通信システムをインタフェースするための、様々な交換および他の制御エンティティとゲートウェイとを備える。
【0019】
示されている構成では、ユーザ機器1が2つの異なるアクセスネットワーク2、4を経由してIMSネットワーク10にアクセスしてよい。例示されているネットワークは、汎用パケット無線サービス(GPRS)ネットワーク2と無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)4とを備える。各々のアクセスネットワークはそれぞれに基地局3、5を備えている。これらのアクセスネットワークは、典型的には、少なくとも1つの適切なコントローラ(理解し易いように示されていない)によって制御される。
【0020】
コントローラは各基地局毎に割り当てられてもよく、または、コントローラは複数の基地局を制御することが可能である。コントローラが、個々の基地局と、複数の基地局を制御するための無線アクセスネットワークレベルとの両方に設けられている解決策も公知である。したがって、ネットワークコントローラの名称とロケーションと個数とがシステムに依存するということが理解されるべきである。
【0021】
基地局2、5は、無線インタフェースを経由して移動ユーザすなわち加入者の移動ユーザ機器1に対して信号を送受信するように構成されている。これに対応して、移動ユーザ機器1は、無線インタフェースを経由して基地局に対して信号を送受信することが可能である。移動ユーザは、ネットワークに接続するために、インターネットプロトコル(IP)通信に適合化されている任意の適切な移動装置を使用してよい。例えば、移動ユーザは、パーソナルコンピュータ(PC)、パーソナルデータアシスタント(PDA)、移動局(MS)等によってセルラネットワークにアクセスしてよい。次の具体例は移動局に関連して説明されている。
【0022】
当業者は典型的な移動局の特徴と動作に精通している。したがって、この特徴と動作を詳細に説明することは不要である。ユーザが電話をかけたり受けたりすることと、ネットワークに対してデータを送受信することと、例えばマルチメディアコンテンツを体験することとのようなタスクのために、移動局1を使用できるということを指摘することで十分である。移動局は、移動通信ネットの基地局に対して信号を無線で受送信するためのアンテナ要素を備えてもよい。移動局1は、さらに、移動ユーザ機器のユーザ用に画像および他の図形情報を表示するための表示装置を備えてもよい。典型的には、スピーカ手段も備えられる。移動ユーザ機器の動作は、操作ボタン、音声コマンド等のような適切なユーザインタフェースによって制御されてよい。さらに、移動ユーザ機器は、プロセッサエンティティと記憶手段とを備えている。理解し易いように1つの移動局だけが図1に示されているが、幾つかの移動局が移動通信ネットワークの各基地局と同時通信してもよいということを理解されたい。
【0023】
図1の表現が極めて概略的であるということと、実際の具体例においては、特にネットワーク2では、基地局の個数が著しく多いということを理解されたい。1つの通信ネットワークが複数の無線アクセスネットワークを有してもよい。
【0024】
現在の第3世代(3G)の無線IPマルチメディアネットワークアーキテクチャでは、幾つかの互いに異なるサーバエンティティが互いに異なる機能を処理するために使用されるということが想定されている。これらは、コールセッション制御機能(CSCF)を処理するエンティティを含む。コールセッション機能は、プロキシコールセッション制御機能(P−CSCF)、問合せコールセッション制御機能(I−CSCF)と、サービングコールセッション制御機能(S−CSCF)とのような様々なカテゴリに分けられることが可能である。理解し易くするために、図1はS−CSCF 12だけを示す。
【0025】
サービングコールセッション制御機能12は、加入者10が中に登録されることになっているエンティティを形成する。この登録は、通信システムからのサービスを要求することが可能であるために必要とされる。ユーザは、図示されているネットワーク2、4のような任意の適切なアクセスシステムを経由して自分自身を登録してよい。
【0026】
図1では、ユーザ1は、コントローラエンティティ12に登録されている複数のコンタクト7を有するように示されている。さらに明確に述べると、コンタクトアドレスの「コンタクト1(q1)」から「コンタクトx(qx)」は、GPRSネットワーク2を経由して提供される。コンタクトアドレス「コンタクト2(q2)」から「コンタクトy(qy)」はWLANネットワーク4を経由して提供される。これらのコンタクトのすべてがコントローラエンティティ12のコンタクトレジスタ14に登録されている。
【0027】
加入者情報記憶装置が、加入者管理サーバ(HSS)20によって提供される形で示されている。この加入者管理サーバ(HSS)20は、加入者すなわちユーザに関連した情報を格納するためのものである。この加入者管理サーバ(HSS)は、例えばセッションセットアップ手続き中に、適切なインタフェースを通して他の機能エンティティによって問い合わされることが可能である。従来においては、加入者情報は、認証データ(例えば、加入者または端末装置の登録識別情報)等のような情報を含む。HSSは、さらに、加入者プロファイル情報を恒久的に記憶するために使用されることも可能である。
【0028】
この好ましい実施形態は、サービングコール状態制御機能12における、複数の登録を有する移動ユーザ1に対してユーザ6が発呼しようとする時の、コールセットアップ手続きに関する。着呼側のユーザ2が、例えばq値を使用することによってその登録によって着信要求の分岐に関する何らかの選好をS−CSCF 12に対して指示することを行っていないということが起こり得る。発呼側のユーザ6は、例えば上述の「要求−ディスポジション」ヘッダフィールドを使用することによって何らかの選好を指示することを行っていない。
【0029】
未定義の状況を回避するために、加入者情報記憶装置20内に記憶されているユーザプロファイル22が、着信要求がどのように処理されるべきかに関する情報を含む。この情報の使用の具体化は、上述した分岐指示語および並行指示語と同様であってよい。HSS 20のオペレータがそのHSS内に記憶されている情報 提供 可能であることが好ましい。このオペレータが、さらに、記憶されている情報を静的に変更することが可能であることが好ましい。
【0030】
動作時には、図2のステップ30で、ユーザに関する複数のアドレスがS−CSCF 12において登録されてよい。ステップ31では、着信要求が、移動ユーザ1に関して終端されるべきS−CSCF 12に到着するだろう。ユーザ1は登録によってq値をS−CSCF 12に指示することは行っていない。着信要求も、例えば「要求−ディスポジション」ヘッダフィールドによる、発呼者の選好を全く持っていない。こうした状況では、S−CSCF 12は、ステップ32において、ユーザ情報データベースに問い合わせてよい。その次に、ステップ33において、この要求が、HSS 20内に格納されているユーザプロファイル22にしたがって処理されてよい。
【0031】
例えば、ユーザプロファイル22は、次の代替物を指示するように、すなわち、単一のコンタクトだけに対してプロキシする(無分岐)ように、または、既知のアドレスすべてに対して要求を一度にプロキシする(並行分岐)ように、または、要求を順次プロキシするように構成されてもよい。最後の場合には、順序がランダムに選択されてよい(順次探索)。特定の用途では、2つの選択肢で十分だろう。例えば、この選択肢は無分岐と順次分岐であってよい。4つ以上の選択肢が使用されてもよい。
【0032】
ユーザの選好が既知のコンタクトアドレスに関して指示されていない場合にだけ、処理がユーザ情報記憶装置からの情報にしたがって行われてよい。例えば、要求によって指示された何らかの選好がユーザ情報記憶装置からの情報をオーバラン(overrun)することがある。あるいは、その要求が選好を含む場合には、または、別の形で選好が知られている場合には、ユーザ情報の問合せが行わなくてもよい。
【0033】
この問合せは、既知のコンタクトアドレスのサブグループに対してだけ行われてもよい。例えば、このサブグループは図1においてWLANアドレスまたはGPRSアドレスを含んでよい。
【0034】
処理命令が、コントローラエンティティ12における各コンタクトアドレスの登録中に、互いに無関係に各コンタクトアドレスに関して指示され割り当てられてよい。処理命令は、ユーザ機器1またはユーザ情報記憶装置によって各コンタクトアドレスに関して指示され割り当てられてよい。
【0035】
本発明の実施形態を移動局に関して説明してきたが、本発明の実施形態があらゆる他の適切なタイプのユーザ機器に対しても適用可能であるということを理解されたい。
【0036】
本発明の実施形態をIMSシステムとGPRSネットワークとWLANネットワークとに関して説明してきた。本発明は、さらに、符号分割多重アクセス、周波数分割多重アクセス、時分割多重アクセス、または、これらのハイブリッドを含むあらゆる他のアクセス技術にも適用可能である。さらに、すべてのSIPエンティティを有するいわゆるすべてのSIPネットワークに関連して、特定の具体例が説明されている。本発明は、さらに、他のあらゆる適切な通信システム、無線システムまたは固定回線システム、規格、および、プロトコルにも適用可能である。無線データ通信サービスを可能にする他の採用可能な通信システムの例は、非限定的に、汎用移動通信システム(UMTS)、i−phoneまたはCDMA2000、地上基盤無線(Terrestrial Trunked Radio)(TETRA)システム、および、Enhanced Data rate for GSM Evolution(EDGE)移動データネットワークのような第3世代移動通信システムを含む。固定回線システムの例が、自宅とオフィスとのような異なるロケーションにおいてユーザのためのインターネットアクセスを実現する様々な広帯域技術を含む。通信ネットワークのために使用される規格とプロトコルとに係わらず、本発明は、ネットワークエンティティにおける登録が必要とされるすべての通信ネットワークに適用されることが可能である。
【0037】
本発明の実施形態を、サービングコール状態制御機能に関して説明してきた。本発明の実施形態は、適用可能である場合に他のネットワーク要素に適用可能である。
【0038】
上述の加入者管理サーバ(HSS)20に加えて、または、この加入者管理サーバの代わりに、必要とされているユーザ情報が、ユーザ固有情報を格納するように構成されている任意の適切なデータベースから得られてもよい。
【0039】
さらに、サービング制御エンティティ12に加えて、ユーザはプロキシ制御エンティティに関連付けられることを必要とすることがあるということも理解されたい。このプロキシエンティティは、ユーザが中を移動していた区域に割り当てられてよい。したがって、ユーザが任意のタイプのアクセスネットワークを介してそのネットワークにアクセスする時には、そのアクセスネットワークは、例えば帯域幅管理のための、そのネットワークの視点から、アクセスされたサービスを制御するためのプロキシ制御エンティティを割り当ててよい。さらに、ユーザが、アクセスネットワークからの助けなしに、自分のユーザ機器によって適切なP−CSCFを探索して発見してもよいということも可能である。理解し易いように、その他の採用可能なコール状態制御機能エンティティが図1から省略されている。
【0040】
さらに、上記内容が本発明の例示的な実施形態を説明するが、添付されている特許請求項に定義されている本発明の範囲から逸脱することなしに、開示されている解決策に対して加えられてよい幾つかの変型と変更とが存在するということも指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明が具体化されてよい通信システムを示す。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の動作を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラエンティティにおいて着信要求を処理するための通信システムにおける方法であって、
ユーザに関する複数のコンタクトアドレスを前記コントローラエンティティ内に登録することと、
前記ユーザに対する通信リンクのための要求を前記コントローラエンティティにおいて受け取ることと、
前記要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する情報をユーザ情報記憶装置に問い合わせることと、
前記ユーザ情報記憶装置からの情報にしたがって前記要求を処理することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記記憶装置内に記憶されているユーザプロファイルが、前記ユーザに関する要求をどのように処理すべきかに関する少なくとも2つの事前定義された選択肢を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択肢は、単一のコンタクトアドレスだけに対してプロキシする、既知のアドレスすべてに対して前記要求を一度にプロキシする、または、前記要求を前記既知のコンタクトアドレスに対して順次プロキシする、である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラエンティティはマルチメディアネットワークに関連して提供される、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ユーザは少なくとも2つの異なる通信ネットワーク内においてコンタクトアドレスを登録する、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理は、ユーザの選好が前記既知のコンタクトアドレスに関して指示されていない場合にだけ、前記ユーザ情報記憶装置からの情報にしたがって生じる、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記問合せは前記既知のコンタクトアドレスのサブグループに対して行われる、請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
処理命令が指示され、および、各コンタクトアドレスの登録中に各コンタクトアドレスに別々に割り当てられる、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記処理命令が指示され、および、前記ユーザまたは前記ユーザ情報記憶装置によって各コンタクトアドレスに割り当てられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
複数のコンタクトアドレスを有するユーザに対してサービス提供するように構成されている通信システムであって、
前記ユーザの前記コンタクトアドレスが登録されるコントローラエンティティが備えられているマルチメディアネットワークと、
前記ユーザに関する要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する情報を記憶するように構成されているユーザ情報記憶装置であって、前記コントローラエンティティは、前記ユーザ情報記憶装置に対して問合せを行って、前記ユーザ情報記憶装置から問い合わされた情報にしたがって前記ユーザに対する接続のための要求を処理するように構成されているユーザ情報記憶装置と、
を備える通信システム。
【請求項11】
マルチメディアネットワークのためのコントローラエンティティであって、ユーザに関する複数のコンタクトアドレスを登録するためのレジスタと、前記ユーザに関する要求をどのように処理すべきかに関する仕方に関する仕方に関する情報を記憶するように構成されているユーザ情報記憶装置に対するインタフェースと、を備え、および、前記ユーザ情報記憶装置に問合せを行って、前記ユーザ情報記憶装置からの情報にしたがって前記ユーザに対する接続のための要求を処理するように構成されているコントローラエンティティ。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−504777(P2007−504777A)
【公表日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−530631(P2006−530631)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/IB2004/001491
【国際公開番号】WO2004/102900
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(398012616)ノキア コーポレイション (1,359)
【Fターム(参考)】