説明

通信端末装置、サーバー、着信制御システム及び着信制御方法

【課題】固定電話を呼び出さなくても容易に連絡を取ることができ、連絡を取る際の利便性を向上させること。
【解決手段】近距離無線通信部101は、サーバー200と接続して近距離無線通信を行う。番号保持部102は、他の通信端末装置と共通のグループ代表番号を記憶する。報知部104は、番号保持部102に記憶するグループ代表番号に着信した場合に、着信を報知する。グループ代表番号着信制御部105は、近距離無線通信部101におけるサーバー200との接続を検出した場合に、グループ代表番号に対する着信をサーバー200に報知させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば家族間で連絡を取り合う通信端末装置、サーバー、着信制御システム及び着信制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、携帯電話と固定電話との通話料は、携帯電話同士の通話料に比べて割高であるため、家族間で連絡を取る場合には、最初に携帯電話を呼び出し、呼び出した携帯電話からの応答が無い場合に、固定電話を呼び出すことが多いと考えられる。
【0003】
例えば、発信者である夫は、妻の携帯電話を呼び出しても応答が無い場合に、次に子供の携帯電話を呼び出すことが考えられる。また、発信者である夫は、家族の何れの携帯電話を呼び出しても応答が無い場合には、携帯電話に対する着信に気が付いていないだけで、家族の少なくとも1人は自宅に居る可能性が高いと考え、最終的に自宅の固定電話を呼び出すことが考えられる。従って、例えば4人家族の場合には、携帯電話を3回呼び出すとともに、固定電話を1回呼び出すことにより、合計4回の呼び出しを行う必要がある。
【0004】
また、家族間に限らず、SOHO等の小規模な組織において連絡を取り合う場合にも、上記と同様の状況が考えられる。
【0005】
しかしながら、上記の場合には、発信者は、着信先からの応答があるまで携帯電話及び固定電話を順次呼び出す必要があり、連絡を取る際に煩わしいという課題がある。
【0006】
上記の煩わしさを解消する方法として、複数の携帯端末をグループ化して共通の特定固定電話番号を付与し、外部電話端末から特定固定電話番号に対する呼び出しがあった場合に、グループ内の携帯端末を呼び出すサービスが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−336454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1においては、携帯端末に対する着信に気が付かない場合には、最終的には固定電話を呼び出す必要があり、連絡を取る際に不便であるという問題がある。また、最近は、固定電話を保有しない場合もあり、この場合には、携帯端末に対する着信に気が付かなければ、家族の少なくとも1人が自宅に居ても連絡を取ることができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、固定電話を呼び出さなくても容易に連絡を取ることができ、連絡を取る際の利便性を向上させることができる通信端末装置、サーバー、着信制御システム及び着信制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信端末装置は、通信相手と接続して近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、他の通信端末装置と共通の代表番号を記憶する番号保持手段と、前記番号保持手段に記憶する前記代表番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させる着信制御手段と、を具備する構成を採る。
【0011】
また、本発明の通信端末装置は、通信相手と接続して近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、自局の番号を記憶する番号保持手段と、前記番号保持手段に記憶する前記自局の番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させる着信制御手段と、を具備する構成を採る。
【0012】
本発明のサーバーは、共通の代表番号を記憶する複数の通信相手と近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、前記通信相手における前記代表番号への着信の報知を前記通信相手から要請された場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、を具備する構成を採る。
【0013】
本発明の着信制御システムは、通信端末装置と、前記通信端末装置と近距離無線通信を行うサーバーとを具備する着信制御システムであって、前記通信端末装置は、前記サーバーと接続して近距離無線通信を行う第1の近距離無線通信手段と、記憶手段に記憶する他の通信端末装置と共通の代表番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、前記接続を検出した場合に前記着信の報知を前記サーバーに要請する着信制御手段と、を具備し、前記サーバーは、前記通信端末装置と近距離無線通信を行う第2の近距離無線通信手段と、前記通信端末装置から前記要請を受けた場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、を具備する構成を採る。
【0014】
また、本発明の着信制御システムは、通信端末装置と、前記通信端末装置と近距離無線通信を行うサーバーとを具備する着信制御システムであって、前記通信端末装置は、前記サーバーと接続して近距離無線通信を行う第1の近距離無線通信手段と、記憶手段に記憶する自局の番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、前記接続を検出した場合に前記着信の報知を前記サーバーに要請する着信制御手段と、を具備し、前記サーバーは、前記通信端末装置と近距離無線通信を行う第2の近距離無線通信手段と、前記通信端末装置から前記要請を受けた場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、を具備する構成を採る。
【0015】
本発明の着信制御方法は、通信相手との間で近距離無線通信を行う通信端末装置における着信制御方法であって、前記通信相手と接続して近距離無線通信を行うステップと、記憶手段に記憶する他の通信端末装置と共通の代表番号に着信した場合に前記着信を報知するステップと、前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させるステップと、を具備するようにした。
【0016】
また、本発明の着信制御方法は、通信相手との間で近距離無線通信を行う通信端末装置における着信制御方法であって、前記通信相手と接続して近距離無線通信を行うステップ、記憶手段に記憶する自局の番号に着信した場合に前記着信を報知するステップと、前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させるステップと、を具備するようにした。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、固定電話を呼び出さなくても容易に連絡を取ることができ、連絡を取る際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係るサーバーの構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係る通信端末装置及びサーバーの動作を示すシーケンス図
【図4】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2に係る通信端末装置及びサーバーの動作を示すシーケンス図
【図6】本発明の実施の形態3に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態4に係るサーバーの構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信端末装置100の構成を示すブロック図である。
【0021】
通信端末装置100は、近距離無線通信部101と、番号保持部102と、自局着信制御部103と、報知部104と、グループ代表番号着信制御部105と、サーバー制御部106とから主に構成される。また、呼制御部150は、自局着信制御部103と、報知部104と、グループ代表番号着信制御部105と、サーバー制御部106とを含む。以下に、各構成について詳細に説明する。
【0022】
近距離無線通信部101は、後述するサーバー200と接続し、接続したサーバー200と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部101は、例えばWLAN(Wireless Local Area Network)またはブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)によりサーバー200と近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信部101は、後述するサーバー制御部106より入力した、着信を報知することを要請する制御信号をサーバー200へ近距離無線通信により送信する。
【0023】
番号保持部102は、グループ化した複数の通信端末装置に付与する共通の電話番号であるグループ代表番号を予め記憶する。また、番号保持部102は、通信端末装置100の自局の電話番号を予め記憶する。グループ代表番号は、例えば、家族で使用する複数の通信端末装置、またはSOHO等の小規模の組織において使用する複数の通信端末装置に付与される。
【0024】
自局着信制御部103は、他の通信端末装置または固定電話からの着信があった際に、番号保持部102に記憶している自局の電話番号を参照し、自局の電話番号に対する着信である場合に着信制御を行う。具体的には、自局着信制御部103は、自局の電話番号に対する着信である場合に、報知部104において着信を報知させる制御を行う。また、自局着信制御部103は、自局の電話番号に対する着信である場合に、近距離無線通信部101におけるサーバー200との接続の有無を検出する。また、自局着信制御部103は、サーバー200との接続を検出した場合には、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0025】
即ち、自局着信制御部103は、サーバー200と接続されている場合には、屋内に有るものと判定する。この場合、自局着信制御部103は、報知部104に着信を報知させるとともに、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0026】
報知部104は、自局着信制御部103またはグループ代表番号着信制御部105の制御に従って呼び出し音を鳴らすことにより着信を報知する。
【0027】
グループ代表番号着信制御部105は、他の通信端末装置または固定電話からの着信があった際に、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号を参照し、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号に対する着信である場合に着信制御を行う。具体的には、グループ代表番号着信制御部105は、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号に対する着信である場合に、報知部104において着信を報知させる制御を行う。また、グループ代表番号着信制御部105は、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号に対する着信である場合に、近距離無線通信部101におけるサーバー200との接続の有無を検出する。また、グループ代表番号着信制御部105は、サーバー200との接続を検出した場合には、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0028】
即ち、グループ代表番号着信制御部105は、サーバー200と接続している場合には、屋内に有るものと判定する。この場合、グループ代表番号着信制御部105は、報知部104に着信を報知させるとともに、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0029】
また、グループ代表番号着信制御部105は、サーバー200と接続していない場合には、屋外に有るものと判定する。この場合、グループ代表番号着信制御部105は、報知部104に着信を即時に報知させるモードと、報知部104に着信を報知させないモードと、報知部104における着信の報知開始のタイミングを所定時間遅らせるモードとの何れかのモードを選択する。また、この場合、グループ代表番号着信制御部105は、サーバー200と接続していないので、サーバー200に着信を報知させることはできない。
【0030】
サーバー制御部106は、自局着信制御部103またはグループ代表番号着信制御部105の要請に応じて、着信の報知を要請する制御信号を近距離無線通信部101へ出力する。
【0031】
以上で、通信端末装置100の構成の説明を終える。
【0032】
次に、サーバー200の構成について、図2を用いて説明する。図2は、サーバー200の構成を示すブロック図である。
【0033】
サーバー200は、近距離無線通信部201と、着信制御部202と、報知部203とから主に構成される。以下に、各構成について詳細に説明する。
【0034】
近距離無線通信部201は、通信端末装置100と接続し、接続した通信端末装置100と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部201は、例えばWLANまたはブルートゥースにより通信端末装置100と近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信部201は、着信を報知することを要請する制御信号を通信端末装置100から受信する。また、近距離無線通信部201は、受信した制御信号を着信制御部202へ出力する。
【0035】
着信制御部202は、近距離無線通信部201から入力した制御信号に基づいて、通信端末装置100において着信があったことを報知部203より報知させる制御を行う。また、着信制御部202は、近距離無線通信部201から入力した制御信号が複数の発信者からの着信を示す場合には、各発信者の情報及び着信先である通信端末装置100の情報を順次報知するように報知部203を制御する。この際、サーバー200は、各発信者及び着信先である通信端末装置100の情報を付加した制御信号を通信端末装置100から受信することにより、上記の制御を行うことができる。
【0036】
報知部203は、着信制御部202の制御に従って呼び出し音を鳴らすことにより着信を報知する。また、報知部203は、着信制御部202の制御に従って、各発信者の情報及び着信先である通信端末装置100の情報を順次音声により報知する。
【0037】
以上で、サーバー200の構成の説明を終える。
【0038】
次に、通信端末装置100及びサーバー200の動作について、図3を用いて説明する。図3は、通信端末装置100及びサーバー200の動作を示すシーケンス図である。図3において、通信端末装置100−1は屋内に有り、通信端末装置100−2は屋外に有るものとする。なお、図3において、通信端末装置100−1及び通信端末装置100−2は、図1の通信端末装置100と同一構成を有する。
【0039】
本実施の形態における着信制御システムは、図3に示すように、移動網システム300と、通信端末装置100−1、100−2と、サーバー200とから主に構成される。
【0040】
最初に、通信端末装置100が屋内に有る場合の通信端末装置100及びサーバー200の動作について説明する。
【0041】
通信端末装置100−1は、屋内に有ることより、近距離無線通信部101において、サーバー200の近距離無線通信部201と接続し、接続した近距離無線通信部201と近距離近距離無線通信を行う(ステップST301)。
【0042】
また、移動網システム300は、通信端末装置100−1に対する着信の要求を受け(ステップST302)、受けた着信の要求を通信端末装置100−1へ送信する(ステップST303)。
【0043】
次に、通信端末装置100−1は、自局着信制御部103において着信を検出した際に(ステップST303)、自局着信制御部103において自局の番号に対して着信したものと判定するとともに報知部104に着信を報知させる(ステップST304)。
【0044】
次に、通信端末装置100−1は、自局着信制御部103において、近距離無線通信部101におけるサーバー200の近距離無線通信部201との接続の有無を検出し、屋内であるか否かを判定する(ステップST305)。
【0045】
次に、通信端末装置100−1は、自局着信制御部103において屋内と判定し(ステップST306:屋内)、自局着信制御部103は、サーバー制御部106に対して、サーバー200に着信を報知させることを要請する(ステップST307)。
【0046】
次に、サーバー制御部106は、サーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成し、生成した制御信号を、近距離無線通信部101を介して(ステップST308)、サーバー200に近距離無線通信により送信する(ステップST309)。
【0047】
次に、サーバー200は、近距離無線通信部201において制御信号を受信し(ステップST309)、着信制御部202において着信を報知する(ステップST310)。
【0048】
なお、通信端末装置100−1は、自局着信制御部103において屋外と判定した場合には(ステップST306:屋外)、サーバー制御部106においてサーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成しない。
【0049】
以上で、通信端末装置100が屋内に有る場合の通信端末装置100及びサーバー200の動作の説明を終える。
【0050】
次に、複数の通信端末装置100及びサーバー200の動作について、図3を用いて説明する。図3において、通信端末装置100−1と通信端末装置100−2とは共通のグループ代表番号を記憶するとともに、通信端末装置100−1は屋内に有り、通信端末装置100−2は屋外に有るものとする。
【0051】
通信端末装置100−1は、屋内に有ることより、近距離無線通信部101において、サーバー200の近距離無線通信部201と接続し、接続した近距離無線通信部201と近距離無線通信を行う(ステップST551)。
【0052】
また、移動網システム300は、グループ代表番号に対する着信の要求を受け(ステップST552)、受けた着信の要求を通信端末装置100−1へ送信するとともに(ステップST553)、通信端末装置100−2へ送信する(ステップST554)。
【0053】
次に、通信端末装置100−1は、グループ代表番号着信制御部105において着信を検出した際に(ステップST553)、グループ代表番号着信制御部105において、近距離無線通信部101におけるサーバー200の近距離無線通信部201との接続の有無を検出し、屋内であるか否かを判定する(ステップST555)。
【0054】
また、通信端末装置100−2は、グループ代表番号着信制御部105において着信を検出した際に(ステップST554)、グループ代表番号着信制御部105において、グループ代表番号に対して着信があったものと判定する。また、通信端末装置100−2は、グループ代表番号着信制御部105において、近距離無線通信部101におけるサーバー200の近距離無線通信部201との接続の有無を検出し、屋内であるか否かを判定する(ステップST556)。この場合には、グループ代表番号着信制御部105は、サーバー200との接続を検出しないことにより屋外であるものと判定する。
【0055】
次に、通信端末装置100−1は、グループ代表番号着信制御部105において屋内であると判定し(ステップST557:屋内)、報知部104において着信を報知させる制御を行う(ステップST558)。
【0056】
次に、グループ代表番号着信制御部105はサーバー制御部106に着信を報知させることを要請する(ステップST559)。
【0057】
次に、サーバー制御部106は、サーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成し、生成した制御信号を、近距離無線通信部101を介して(ステップST560)、サーバー200に近距離無線通信により送信する(ステップST561)。
【0058】
次に、サーバー200は、近距離無線通信部201において制御信号を受信し(ステップST561)、着信制御部202において着信を報知する(ステップST562)。
【0059】
一方、通信端末装置100−2は、グループ代表番号着信制御部105において、屋外であると判定するとともに(ステップST563:屋外)、報知部104において所定の条件で着信を報知させる制御を行う(ステップST564)。ここで、所定の条件とは、報知部104に着信を即時に報知させるモードと、報知部104に着信を報知させないモードと、報知部104における着信の報知開始のタイミングを所定時間遅らせるモードとの何れかのモードを選択することを意味する。
【0060】
このように、本実施の形態によれば、固定電話を呼び出さなくても容易に連絡を取ることができ、連絡を取る際の利便性を向上させることができる。また、本実施の形態によれば、固定電話を有さない場合において、確実に連絡を取ることができる。また、本実施の形態によれば、グループ代表番号に対して着信する場合には、複数の通信端末装置を順次呼び出す煩わしさを解消することができる。また、本実施の形態によれば、グループ代表番号に対して着信する場合には、屋外に有る通信端末装置の着信の報知を開始するタイミングを所定時間遅らせる場合には、電話に出やすい通信端末装置から順次呼び出しできるので、電話に出にくい屋外等に有る通信端末装置における報知の頻度を減らすことができる。
【0061】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る通信端末装置400の構成を示すブロック図である。
【0062】
図4に示す通信端末装置400は、図1に示す実施の形態1に係る通信端末装置100に対して、モーションセンサー401を追加し、自局着信制御部103の代わりに自局着信制御部402を有する。なお、図4において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、サーバーは図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0063】
通信端末装置400は、近距離無線通信部101と、番号保持部102と、報知部104と、グループ代表番号着信制御部105と、サーバー制御部106と、モーションセンサー401と、自局着信制御部402とから主に構成される。また、呼制御部450は、報知部104と、グループ代表番号着信制御部105と、サーバー制御部106と、自局着信制御部402とを含む。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1と異なる各構成について、詳細に説明する。
【0064】
モーションセンサー401は、通信端末装置400の動きを検出する。モーションセンサー401は、例えば加速度センサーである。
【0065】
自局着信制御部402は、他の通信端末装置または固定電話から着信があった際に、番号保持部102に記憶している自局の電話番号を参照し、自局の電話番号に対する着信である場合に着信制御を行う。具体的には、自局着信制御部402は、自局の電話番号に対する着信があった場合に、報知部104に着信を報知させる制御を行う。また、自局着信制御部402は、自局の電話番号に対する着信である場合に、近距離無線通信部101におけるサーバー200との接続の有無を検出するとともに、モーションセンサー401における検出結果を取得する。また、自局着信制御部402は、サーバー200と接続している検出結果、及びモーションセンサー401の動いていない検出結果を取得した場合に、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0066】
即ち、自局着信制御部402は、サーバー200と接続されており、かつモーションセンサー401により動きを検出しない場合には、屋内において通信端末装置400を身に着けていないものと推定する。この場合、自局着信制御部402は、報知部104に着信を報知させるとともに、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請する。
【0067】
また、自局着信制御部402は、サーバー200と接続されており、かつモーションセンサー401により動きを検出した場合には、屋内において通信端末装置400を身に着けているものと推定する。この場合、自局着信制御部402は、報知部104に着信を報知させるとともに、サーバー200において着信を報知することをサーバー制御部106に要請しない。
【0068】
報知部104は、グループ代表番号着信制御部105または自局着信制御部402の制御に従って呼び出し音を鳴らすことにより着信を報知する。
【0069】
サーバー制御部106は、自局着信制御部402またはグループ代表番号着信制御部105の要請に応じて、着信の報知を行う制御信号を近距離無線通信部101へ出力する。
【0070】
以上で、通信端末装置400の構成の説明を終える。
【0071】
次に、通信端末装置400及びサーバー200の動作について、図5を用いて説明する。図5は、通信端末装置400及びサーバー200の動作を示すシーケンス図である。図5において、通信端末装置400は屋内に有るものとする。
【0072】
本実施の形態における通信システムは、図5に示すように、移動網システム300と、通信端末装置400と、サーバー200とから主に構成される。
【0073】
通信端末装置400は、屋内に有ることより、近距離無線通信部101において、サーバー200の近距離無線通信部201と接続し、接続した近距離無線通信部201と近距離無線通信を行う(ステップST501)。
【0074】
また、移動網システム300は、通信端末装置400に対する着信の要求を受け(ステップST502)、受けた着信の要求を通信端末装置400へ送信する(ステップST503)。
【0075】
次に、通信端末装置400は、自局着信制御部402において着信を検出した場合に(ステップST503)、自局着信制御部402において自局の番号に着信したものと判定するとともに報知部104に着信を報知させる(ステップST504)。
【0076】
次に、通信端末装置400は、自局着信制御部402において、近距離無線通信部101における近距離無線通信部201との接続の有無を検出し、屋内であるか否かを判定する(ステップST505)。
【0077】
次に、通信端末装置400は、自局着信制御部402において動きを検出したか否かを判定する。即ち、通信端末装置400は、自局着信制御部402において通信端末装置400を身に着けているか否かを判定する(ステップST506)。
【0078】
次に、通信端末装置400は、自局着信制御部402において屋内かつ身に着けていないと判定した場合に(ステップST507:屋内)、サーバー制御部106にサーバー200に着信を報知させることを要請する(ステップST508)。
【0079】
次に、サーバー制御部106は、サーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成し、生成した制御信号を、近距離無線通信部101を介して(ステップST509)、サーバー200に近距離無線通信により送信する(ステップST510)。
【0080】
次に、サーバー200は、近距離無線通信部201において制御信号を受信し(ステップST510)、着信制御部202において着信を報知する(ステップST511)。
【0081】
一方、通信端末装置400は、自局着信制御部402において、屋内かつ身に着けていると判定した場合に(ステップST507:屋外)、サーバー制御部106においてサーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成しない。なお、通信端末装置400は、自局着信制御部402において、屋外と判定した場合には(ステップST507:屋内)、サーバー制御部106においてサーバー200に着信を報知させることを要請する制御信号を生成しない。
【0082】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、自局着信時に、動きの検出結果を用いて、サーバーでの着信の報知を制御するので、屋内で通信端末装置を身に着けていない場合に、自局着信があったことを確実に認識させることができる。また、本実施の形態によれば、屋内で、通信端末装置を身に着けていない場合に、自局着信があった時には、サーバーでの着信の報知をしないため、屋内に居る他の人に迷惑をかけないようにすることが出来る。
【0083】
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3に係る通信端末装置600の構成を示すブロック図である。
【0084】
図6に示す通信端末装置600は、図1に示す実施の形態1に係る通信端末装置100に対して、電話帳601を追加し、グループ代表番号着信制御部105の代わりにグループ代表番号着信制御部602を有する。なお、図6において、図1と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、サーバーは図2と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0085】
通信端末装置600は、近距離無線通信部101と、番号保持部102と、自局着信制御部103と、報知部104と、サーバー制御部106と、電話帳601と、グループ代表番号着信制御部602とから主に構成される。また、呼制御部650は、自局着信制御部103と、報知部104と、サーバー制御部106と、グループ代表番号着信制御部602とを含む。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1と異なる各構成について詳細に説明する。
【0086】
電話帳601は、他の通信端末装置の固有の電話番号または固定電話の固有の電話番号を、適宜更新可能な状態で記憶する。即ち、電話帳601は、通信端末装置600に対する着信元である発信者の電話番号を記憶する。
【0087】
グループ代表番号着信制御部602は、他の通信端末装置または固定電話から着信があった際に、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号の参照結果、及び電話帳601の参照結果に基づいて、着信制御を行う。具体的には、グループ代表番号着信制御部602は、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号に対する着信である場合、かつ電話帳601に記憶している電話番号の発信者からの着信である場合に着信制御を行う。一方、グループ代表番号着信制御部602は、番号保持部102に記憶しているグループ代表番号に対する着信である場合であっても、電話帳601に記憶している電話番号の発信者からの着信ではない場合には着信制御を行わない。なお、上記以外のグループ代表番号着信制御部602における動作は、上記の実施の形態1におけるグループ代表番号着信制御部105における動作と同一であるので、その説明を省略する。
【0088】
報知部104は、自局着信制御部103またはグループ代表番号着信制御部602の制御に従って呼び出し音を鳴らすことにより着信を報知する。
【0089】
サーバー制御部106は、自局着信制御部103またはグループ代表番号着信制御部602の要請に応じて、着信の報知を行う制御信号を近距離無線通信部101へ出力する。
【0090】
なお、通信端末装置600及びサーバー200の動作については、電話帳601を参照する以外は、上記の実施の形態1と同一であるので、その説明を省略する。
【0091】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、電話帳に記憶されている発信者からのグループ代表番号への着信の場合にのみ報知するので、より適切なメンバーにのみ着信を報知することができる。
【0092】
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4に係るサーバー700の構成を示すブロック図である。
【0093】
図7に示すサーバー700は、図2に示す実施の形態1に係るサーバー200に対して、通話部701を追加する。なお、図7において、図2と同一構成である部分には同一の符号を付してその説明を省略する。また、本実施の形態において、通信端末装置は図1と同一構成であるので、その説明を省略する。
【0094】
サーバー700は、近距離無線通信部201と、着信制御部202と、報知部203と、通話部701とから主に構成される。以下に、本実施の形態における上記の実施の形態1と異なる構成について詳細に説明する。
【0095】
通話部701は、近距離無線通信部201から入力した通話等の音声信号を再生して音声として出力する。また、通話部701は、外部から入力した通話等の音声を音声信号に変換して近距離無線通信部201へ出力する。
【0096】
近距離無線通信部201は、通信端末装置100と接続し、接続した通信端末装置100と近距離無線通信を行う。近距離無線通信部201は、例えばWLANまたはブルートゥースにより通信端末装置100と近距離無線通信を行う。また、近距離無線通信部201は、着信を報知することを要請する制御信号を通信端末装置100から受信する。また、近距離無線通信部201は、受信した制御信号を着信制御部202へ出力する。また、近距離無線通信部201は、通信端末装置100から音声信号を受信した場合には、受信した音声信号を通話部701へ出力する。また、近距離無線通信部201は、通話部701から入力した音声信号を通信端末装置100へ近距離無線通信により送信する。
【0097】
報知部203は、着信制御部202の制御に従って呼び出し音を鳴らすことにより着信を報知する。また、報知部203は、通話部701において音声が出力されている場合であっても、通話部701から出力される音声に重畳して着信の報知を行う。即ち、報知部203は、キャッチフォンの機能を有する。また、報知部203は、複数の発信者からの着信を報知する場合には、着信制御部202の制御に従って、各発信者の情報及び着信先である通信端末装置100の情報を順次報知する。この際、サーバー200は、各発信者の情報及び着信先である通信端末装置100の情報を付加した制御信号を通信端末装置100から受信することにより、上記の制御を行うことができる。
【0098】
なお、本実施の形態において、通信端末装置及びサーバーの動作については、通話中に着信の報知の要請を受ける点、及び複数の発信者から着信を受ける点以外は、上記の実施の形態1と同一であるので、その説明を省略する。
【0099】
このように、本実施の形態によれば、上記の実施の形態1の効果に加えて、キャッチフォンの機能を有するので、通話中であっても着信に気が付くようにすることができる。
【0100】
なお、本実施の形態において、上記の実施の形態2のモーションセンサーを設けて、動きがあるか否かの検出結果を用いて、着信の報知を制御してもよい。また、本実施の形態において、上記の実施の形態3の電話帳を設けて、電話帳に記憶されている発信者からの着信があった場合にのみ着信を報知してもよい。
【0101】
上記の実施の形態1〜実施の形態4において、自局着信制御部とグループ代表番号着信制御部との双方を設けたが、本発明はこれに限らず、自局着信制御部とグループ代表番号着信制御部のいずれか一方のみを設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明にかかる通信端末装置、サーバー、着信制御システム及び着信制御方法は、例えば家族間で連絡を取り合うのに好適である。
【符号の説明】
【0103】
100 通信端末装置
101 近距離無線通信部
102 番号保持部
103 自局着信制御部
104 報知部
105 グループ代表番号着信制御部
106 サーバー制御部
150 呼制御部
200 サーバー
201 近距離無線通信部
202 着信制御部
203 報知部
300 移動網システム
400 通信端末装置
401 モーションセンサー
402 自局着信制御部
450 呼制御部
600 通信端末装置
601 電話帳
602 グループ代表番号着信制御部
650 呼制御部
700 サーバー
701 通話部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手と接続して近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
他の通信端末装置と共通の代表番号を記憶する番号保持手段と、
前記番号保持手段に記憶する前記代表番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、
前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させる着信制御手段と、
を具備する通信端末装置。
【請求項2】
前記着信制御手段は、前記接続を検出しない場合に、前記報知手段における前記着信の報知を開始するタイミングを所定時間遅らせる請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
発信者番号を記憶する電話帳をさらに具備し、
前記報知手段は、前記電話帳に記憶する前記発信者番号の発信者からの前記着信である場合に前記着信を報知し、
前記着信制御手段は、前記電話帳に記憶している前記発信者番号の発信者からの前記着信である場合において、前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させる請求項1記載の通信端末装置。
【請求項4】
通信相手と接続して近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
自局の番号を記憶する番号保持手段と、
前記番号保持手段に記憶する前記自局の番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、
前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させる着信制御手段と、
を具備する通信端末装置。
【請求項5】
動きを検出する動き検出手段をさらに具備し、
前記着信制御手段は、前記接続を検出した場合に加えて、前記動きを検出しない場合に前記通信相手に前記着信を報知させる請求項4記載の通信端末装置。
【請求項6】
共通の代表番号を記憶する複数の通信相手と近距離無線通信を行う近距離無線通信手段と、
前記通信相手における前記代表番号への着信の報知を前記通信相手から要請された場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、
を具備するサーバー。
【請求項7】
前記報知手段は、複数の前記着信の前記要請を受けた場合に、着信元の情報と着信先の前記通信相手の情報とを交互に報知する請求項6記載のサーバー。
【請求項8】
通話を行う通話手段をさらに具備し、
前記報知手段は、前記通話手段における通話中に前記要請を受けた場合に、前記通話手段における通話の音声に重畳して前記報知を行う請求項6記載のサーバー。
【請求項9】
通信端末装置と、前記通信端末装置と近距離無線通信を行うサーバーとを具備する着信制御システムであって、
前記通信端末装置は、
前記サーバーと接続して近距離無線通信を行う第1の近距離無線通信手段と、
記憶手段に記憶する他の通信端末装置と共通の代表番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、
前記接続を検出した場合に前記着信の報知を前記サーバーに要請する着信制御手段と、
を具備し、
前記サーバーは、
前記通信端末装置と近距離無線通信を行う第2の近距離無線通信手段と、
前記通信端末装置から前記要請を受けた場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、
を具備する着信制御システム。
【請求項10】
通信端末装置と、前記通信端末装置と近距離無線通信を行うサーバーとを具備する着信制御システムであって、
前記通信端末装置は、
前記サーバーと接続して近距離無線通信を行う第1の近距離無線通信手段と、
記憶手段に記憶する自局の番号に着信した場合に前記着信を報知する報知手段と、
前記接続を検出した場合に前記着信の報知を前記サーバーに要請する着信制御手段と、
を具備し、
前記サーバーは、
前記通信端末装置と近距離無線通信を行う第2の近距離無線通信手段と、
前記通信端末装置から前記要請を受けた場合に、前記着信の報知を行う報知手段と、
を具備する着信制御システム。
【請求項11】
通信相手との間で近距離無線通信を行う通信端末装置における着信制御方法であって、
前記通信相手と接続して近距離無線通信を行うステップと、
記憶手段に記憶する他の通信端末装置と共通の代表番号に着信した場合に前記着信を報知するステップと、
前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させるステップと、
を具備する着信制御方法。
【請求項12】
通信相手との間で近距離無線通信を行う通信端末装置における着信制御方法であって、
前記通信相手と接続して近距離無線通信を行うステップ、
記憶手段に記憶する自局の番号に着信した場合に前記着信を報知するステップと、
前記接続を検出した場合に前記着信を前記通信相手に報知させるステップと、
を具備する着信制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−250280(P2011−250280A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122945(P2010−122945)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】