説明

通信装置、及びデータ伝送方法

【課題】機器内伝送による無線通信への妨害を回避しつつ、機器内の高速なデータ伝送を実現することが可能な通信装置を提供すること。
【解決手段】所定の通信帯域を利用して無線通信する無線通信部と、所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送するデータ伝送部と、前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する妨害判定部と、前記妨害判定部により前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える速度制御部と、を備える、通信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、及びデータ伝送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やノートPCなどの携帯機器は、ユーザが操作するための操作手段が搭載された本体部分と、LCDなどの表示装置が搭載された表示部分とで構成されていることが多い。また、本体部分と表示部分とを接続するヒンジ部分には可動部材が用いられている。通常、このヒンジ部分には電力線や信号線が通っている。そのため、ヒンジ部分の変形に応じてヒンジ部分を通る配線に劣化が生じる。そこで、ヒンジ部分が変形した際に、ヒンジ部分を通る配線に劣化が生じないようにする工夫が求められている。なお、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。
【0003】
ヒンジ部分を通る配線に生じる劣化を抑制するには、まず、ヒンジ部分を通る配線の本数を減らすことが重要になる。これまで、本体部分から表示部分へのデータ伝送には、パラレル伝送方式が多く用いられてきた。パラレル伝送方式を適用する場合、表示装置に表示される画像データを伝送するのに、数十本以上の信号線をヒンジ部分に配線することが求められる。そのため、ヒンジ部分の変形に伴って信号線に捻れが生じ、電力線や信号線が断線する危険があった。そこで、パラレル伝送方式に代えて、シリアル伝送方式をヒンジ部分のデータ伝送に適用する方法が考案された。
【0004】
シリアル伝送方式の場合、データは符号化されてから伝送される。その際、符号化方式としては、例えば、NRZ(Non Return to Zero)符号方式やマンチェスター符号方式、或いは、AMI(Alternate Mark Inversion)符号方式等が用いられる。例えば、下記の特許文献1には、バイポーラ符号の代表例であるAMI符号を利用してデータ伝送する技術が開示されている。また、同文献には、データクロックを信号レベルの中間値で表現して伝送し、受信側で信号レベルに基づいてデータクロックを再生する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平3−109843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、シリアル伝送方式を適用すると、ヒンジ部分の変形自由度が増し、携帯機器のデザイン性を向上させることが可能になる。また、配線の本数が少なくなり、捻れなどに対する耐性が高まることから、ヒンジ部分を通る配線の信頼度が向上する。しかしながら、シリアル伝送方式の場合、パラレル伝送方式に比べて1クロック当たりに伝送されるデータの量が減るため、同じデータ伝送速度を得るには高速なクロックを用いる必要がある。特に、最近の携帯端末に搭載されるLCDは解像度が高いため、LCDに表示される画像データをシリアル伝送するには非常に高速なクロックを用いる必要がある。
【0007】
しかしながら、クロックの伝送速度が高速化すると、シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が無線通信の通信帯域に干渉してしまう。このような干渉は、EMI(Electro Magnetic Interference)と呼ばれる。EMIが発生すると、無線通信の通信品質が劣化してしまい、電波を正しく受信できなくなる可能性がある。そのため、携帯端末内におけるシリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域とが干渉しないようにしてEMIの発生を防止するか、或いは、EMIが発生しても無線通信の電波を正しく受信できるようにする工夫が求められている。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、シリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域とが干渉して無線通信の品質劣化が生じるのを防止することが可能な、新規かつ改良された通信装置、及びデータ伝送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定の通信帯域を利用して無線通信する無線通信部と、所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送するデータ伝送部と、前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する妨害判定部と、前記妨害判定部により前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える速度制御部と、を備える、通信装置が提供される。
【0010】
また、前記妨害判定部は、前記無線通信部が無線通信している場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する、ように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記妨害判定部は、前記無線通信部が電波を受信している場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する、ように構成されていてもよい。
【0012】
また、上記の通信装置は、前記無線通信部が受信する電波の強度を検出する受信強度検出部をさらに備えていてもよい。この場合、前記妨害判定部は、前記受信強度検出部により検出された電波の強度が所定の強度よりも弱い場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する。
【0013】
また、上記の通信装置は、前記所定の伝送路を介して接続された第1及び第2のモジュールにより構成されていてもよい。この場合、前記第1のモジュールは、パラレルデータを出力する演算処理部と、前記演算処理部により出力されたパラレルデータをシリアル化して前記シリアルデータを生成するパラレル/シリアル変換部と、を有する。そして、前記データ伝送部は、前記所定の伝送路を通じて、前記パラレル/シリアル変換部により生成されたシリアルデータを伝送する。さらに、前記第2のモジュールは、前記データ伝送部により伝送されたシリアルデータをパラレル化して前記パラレルデータを生成するシリアル/パラレル変換部と、前記シリアル/パラレル変換部により生成されたパラレルデータを出力する出力部と、を有する。
【0014】
また、前記データ伝送部は、前記シリアルデータの伝送速度に関する情報を当該シリアルデータと共に伝送するように構成されていてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、所定の通信帯域を利用して無線通信する無線通信部と、所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送するデータ伝送部と、を有する通信装置が、前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する妨害判定ステップと、前記妨害判定ステップにて前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える速度制御ステップと、を含む、データ伝送方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記の通信装置が備える妨害判定部や速度制御部の機能などをコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。さらに、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記プログラムが記録された、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体が提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明によれば、シリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域とが干渉して無線通信の品質劣化が生じるのを防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】パラレル伝送方式を採用した携帯端末の構成例を示す説明図である。
【図2】シリアル伝送方式を採用した携帯端末の構成例を示す説明図である。
【図3】シリアル伝送方式による伝送方法の一例を示す説明図である。
【図4】シリアル伝送の伝送帯域による無線通信帯域への妨害、及び本発明の一実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図5】シリアル伝送の伝送帯域による無線通信帯域への妨害、及び本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図6】本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図7】シリアル伝送の伝送帯域による無線通信帯域への妨害、及び本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図8】シリアル伝送の伝送帯域による無線通信帯域への妨害、及び本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図9】本実施形態に係る携帯端末の構成について説明するための説明図である。
【図10】本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図11】本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【図12】本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、図1を参照しながら、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成について簡単に説明する。次いで、図2を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成について簡単に説明する。この中で、図3を参照しながら、シリアル伝送方式によるデータ伝送方法について説明を補足する。
【0021】
次いで、図4、図5を参照しながら、シリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域との間の干渉により無線通信の通信品質が劣化する問題について議論する。次いで、図6を参照しながら、シリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域との間の干渉により無線通信の通信品質が劣化するのを防止することが可能な本実施形態に係る伝送制御方法について説明する。
【0022】
次いで、図7、図8を参照しながら、シリアル伝送の伝送帯域と無線通信の通信帯域との間の干渉を考慮した本実施形態に係る伝送制御方法について説明する。次いで、図9を参照しながら、本実施形態に係る伝送制御方法を実現することが可能な携帯端末130の機能構成について説明する。
【0023】
次いで、図10を参照しながら、無線通信の実施期間に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。次いで、図11を参照しながら、送信時/受信時の切り替えに応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。次いで、図12を参照しながら、受信電波の強度に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。最後に、本実施形態の技術的思想について纏め、当該技術的思想から得られる作用効果について簡単に説明する。
【0024】
(説明項目)
1:はじめに
1−1:パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成
1−2:シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成
2:実施形態
2−1:シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉について
2−2:伝送制御方法
2−2−1:シリアル伝送速度の切り替えについて
2−2−2:無線通信タイミングに応じたシリアル伝送速度の切り替え
2−2−3:受信電波強度に応じたシリアル伝送速度の切り替え
2−2−4:送受信切り替え時におけるシリアル伝送速度の切り替え
2−3:携帯端末130の機能構成
2−4:シリアル伝送速度の制御方法
2−4−1:無線通信期間に応じた制御方法
2−4−2:送信時/受信時の切り替えに応じた制御方法
2−4−3:受信電波強度に応じた制御方法
3:まとめ
【0025】
<1:はじめに>
はじめに、これまで機器内のデータ伝送方式として多く利用されてきたパラレル伝送方式と、これから多く利用されつつあるシリアル伝送方式の概要について、それぞれの方式を採用した携帯端末100、130の装置構成を例に挙げて簡単に説明する。
【0026】
[1−1:パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成]
まず、図1を参照しながら、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成について簡単に説明する。図1は、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成の一例を示す説明図である。図1には、携帯端末100の一例として携帯電話が模式的に描画されている。しかし、以下で説明する技術の適用範囲は携帯電話に限定されない。例えば、ノートPC等の情報処理装置や各種の携帯型電子機器にも適用可能である。
【0027】
図1に示すように、携帯端末100は、主に、表示部102と、液晶部104(LCD)と、接続部106と、操作部108と、ベースバンドプロセッサ110(BBP)と、パラレル信号線路112と、により構成される。但し、LCDは、Liquid Crystal Displayの略である。なお、表示部102を表示側、操作部108を本体側と呼ぶ場合がある。なお、ここでは説明の都合上、パラレル信号線路112を介して映像信号が伝送されるケースを例に挙げる。もちろん、パラレル信号線路112を介して伝送される信号の種類はこれに限定されず、例えば、制御信号や音声信号等もある。
【0028】
図1に示すように、表示部102には、液晶部104が設けられている。まず、液晶部104には、パラレル信号線路112を介して伝送された映像信号が入力される。そして、液晶部104は、入力された映像信号に基づいて映像を表示する。また、接続部106は、表示部102と操作部108とを接続する部材である。この接続部106を形成する接続部材は、例えば、表示部102をZ−Y平面内で180度回転できる構造を有する。また、この接続部材は、X−Z平面内で表示部102が回転可能に形成されていてもよい。この場合、携帯端末100は折り畳みできる構造になる。なお、この接続部材は、自由な方向に表示部102を可動にする構造を有していてもよい。
【0029】
ベースバンドプロセッサ110は、携帯端末100の通信制御、及びアプリケーションの実行機能を提供する演算処理部である。ベースバンドプロセッサ110から出力されるパラレル信号は、パラレル信号線路112を通じて表示部102の液晶部104に伝送される。パラレル信号線路112には、多数の信号線が配線されている。例えば、携帯電話の場合、この信号線数nは50本程度である。また、映像信号の伝送速度は、液晶部104の解像度がQVGAの場合、130Mbps程度となる。そして、パラレル信号線路112は、接続部106を通るように配線されている。
【0030】
つまり、接続部106には、パラレル信号線路112を形成する多数の信号線が配線されている。上記のように、接続部106の可動範囲を広げると、その動きによりパラレル信号線路112に損傷が発生する危険性が高まる。そのため、パラレル信号線路112の信頼性が損なわれてしまう。一方で、パラレル信号線路112の信頼性を維持しようとすると、接続部106の可動範囲が制約され、携帯端末100のデザイン性や機能性が低下してしまう。こうした理由から、接続部106を形成する可動部材の自由度及びパラレル信号線路112の信頼性を向上させる仕組みが求められている。そこで考案されたのが、後述するシリアル伝送方式である。
【0031】
以上、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100の装置構成について説明した。
【0032】
[1−2:シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成]
次に、図2を参照しながら、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成について簡単に説明する。図2は、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成の一例を示す説明図である。
【0033】
なお、図2には、携帯端末130の一例として携帯電話が模式的に描画されている。しかし、以下で説明する技術の適用範囲は携帯電話に限定されない。例えば、ノートPC等の情報処理装置や各種の携帯型電子機器にも適用可能である。また、パラレル伝送方式を採用した携帯端末100と実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより詳細な説明を省略する。
【0034】
図2に示すように、携帯端末130は、主に、表示部102と、液晶部104(LCD)と、接続部106と、操作部108とを有する。さらに、携帯端末130は、ベースバンドプロセッサ110(BBP)と、パラレル信号線路132、136と、シリアル信号線路134と、シリアライザ150と、デシリアライザ170とを有する。
【0035】
携帯端末130は、上記の携帯端末100とは異なり、接続部106に配線されたシリアル信号線路134を通じてシリアル伝送方式により映像信号を伝送している。そのため、操作部108には、ベースバンドプロセッサ110から出力されたパラレル信号をシリアル化するためのシリアライザ150が設けられている。一方、表示部102には、シリアル信号線路134を通じて伝送されるシリアル信号をパラレル化するためのデシリアライザ170が設けられている。
【0036】
シリアライザ150は、ベースバンドプロセッサ110から出力され、かつ、パラレル信号線路132を介して入力されたパラレル信号をシリアル信号に変換する。例えば、図3に示すように、パラレル信号用クロック(P−CLK)に同期して信号A、信号B、信号C、信号Dが並列にシリアライザ150に入力される。
【0037】
但し、信号Aには、データA1(data A1)、データA2(data A2)が含まれるものとする。また、信号Bには、データB1(data B1)、データB2(data B2)が含まれるものとする。さらに、信号Cには、データC1(data C1)、データC2(data C2)が含まれるものとする。そして、信号Dには、データD1(data D1)、データD2(data D2)が含まれるものとする。
【0038】
シリアライザ150は、信号A、信号B、信号C、信号Dに含まれるデータA1、A2、B1、B2、C1、C2、D1、D2を直列に合成し、パラレル信号の4倍の周波数を持つシリアル信号用クロック(Clock)に同期した合成信号を生成する。この合成信号が、シリアル信号である。シリアライザ150により得られたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に入力される。
【0039】
シリアル信号が入力されると、デシリアライザ170は、入力されたシリアル信号から各データを分離してパラレル信号を復元する。そして、デシリアライザ170は、パラレル信号線路136を通じてパラレル信号を液晶部104に入力する。なお、シリアル信号線路134には、信号A、信号B、信号C、信号D等を合成して得られるシリアル信号(データ信号)と共に、クロックが伝送されてもよい。また、シリアル信号は、LVDS(Low Voltage Differential Signal)等の差動信号を用いた伝送方式で伝送されるようにしてもよい。
【0040】
このように、シリアル伝送方式を採用することで、シリアル信号線路134の配線数kは、図1の携帯端末100が有するパラレル信号線路112の配線数nよりも大幅に少ない数(1≦k≪n)にすることができる。例えば、配線数kは、高々数本程度にまで削減することができる。その結果、シリアル信号線路134が配線される接続部106の可動範囲に関する自由度を、パラレル信号線路112が配線される接続部106に比べて非常に大きくすることが可能になる。また、シリアル信号線路134の信頼性も向上する。
【0041】
以上、シリアル伝送方式を採用した携帯端末130の装置構成について説明した。
【0042】
<2:実施形態>
上記のように、携帯端末130の設計自由度や接続部106を通るシリアル信号線路134に対する信頼性の観点から、接続部106を介した信号の伝送にはシリアル伝送方式を採用するのが望ましい。しかしながら、シリアル信号の伝送に利用するクロックは、パラレル信号の伝送に利用するクロックに比べて高い周波数であることが求められる。例えば、図3には、パラレルに入力された4つの信号をシリアル化して伝送する例が示されているが、この場合、シリアル信号の伝送に必要なクロックの周波数は、これら4つの信号をパラレルに伝送する場合に比べて4倍になる。つまり、シリアル伝送を実現するには、パラレル伝送を実現する場合に比べて高い周波数のクロックが用いられる。
【0043】
ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと伝送される信号の種類は、赤、青、緑の各色に対応するビデオ信号や同期信号などがある。例えば、1色あたり8ビットのビデオ信号が伝送されるものと仮定すると、約30の信号が一度に伝送されることになる。この場合、シリアル伝送に利用されるクロックの周波数は、パラレル伝送に利用されるクロックに比べて約30倍の周波数になる。さらに、最近では液晶部104の高解像度化が進み、ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと高速に画像データを伝送する必要性が増している。その結果、単位時間当たりに伝送されるデータの量を増やすため、シリアル伝送に利用されるクロックの周波数が向上している。
【0044】
上記の通り、データ伝送速度の向上は、クロックの周波数を高めることに繋がる。もちろん、1クロック当たりに伝送可能なデータ量を増やすための仕組みについても研究が進められている。しかしながら、クロックの周波数を高めることはデータ伝送速度を向上する上で最も単純で効果的な方法である。そのため、クロックの周波数を高めてデータ伝送速度を向上させる際に生じる問題点を解決しておくことは非常に重要である。本実施形態において議論される問題点は、シリアル伝送に利用される伝送帯域と、無線通信に利用される通信帯域とが干渉して無線通信の通信品質が低下してしまうという問題点である。
【0045】
上記の通り、液晶部104の高解像度化などに伴うデータ伝送速度の高速化に対する要求から、シリアル伝送に利用されるクロックの周波数は、無線通信に利用される通信帯域にまで及んでいる。そのため、これまではシリアル信号線路134にシールドを施すなどの対策が検討されてきた。しかしながら、シールドなどにより電波の干渉を完全に防ぐことは難しい。例えば、無線通信で受信する電波強度が弱い場合には、シリアル信号線路134をシリアル信号が流れる際に生じる輻射によって電波が正しく受信できなくなる。そこで、本件発明者は、(1)無線通信が常時行われるものでないこと、(2)無線通信の電波強度が常時一定のものでないこと、(3)無線通信の送信時と受信時とで干渉の影響が異なること、に注目し、上記問題点を解決するための伝送制御方法を考案した。
【0046】
[2−1:シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉について]
まず、図4、図5を参照しながら、シリアル伝送に利用される伝送帯域(以下、シリアル伝送帯域)と、無線通信に利用される通信帯域(以下、無線通信帯域)との干渉について説明する。上記の通り、データ伝送速度が向上してくると、シリアル伝送帯域が高周波帯域にシフトする。さらに、シリアル伝送帯域が無線通信帯域にまで達すると、図5に示すように、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との間で干渉が生じてしまう。但し、データ伝送速度が低い場合、図4に示すように、シリアル伝送帯域のメインローブと無線通信帯域とは干渉せず、無線通信の通信品質に対して大きな影響が生じることはほとんどない。
【0047】
従って、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を避けるにはデータ伝送速度を低速に制御すればよいが、データ伝送速度を向上させたいという要求に反する。そこで、本実施形態では、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を避けつつ、実質的に高いデータ伝送速度を得られるようにする伝送制御方法を提案する。
【0048】
[2−2:伝送制御方法]
以下、本実施形態に係る伝送制御方法について説明する。
【0049】
(2−2−1:シリアル伝送速度の切り替えについて)
本実施形態に係る伝送制御方法は、シリアル伝送速度の切り替え方法に関する。上記の通り、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との間で生じる干渉は、データ伝送速度が高速な場合に発生する。そのため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との間で干渉が生じる場合、或いは、その干渉が顕著な場合にシリアル伝送速度を低速に切り替えることができれば、この干渉に起因して無線通信の通信品質が劣化することを避けることができる。しかしながら、シリアル伝送速度を低速にしている期間が長いと、必要とされるデータの伝送速度が得られなくなり、液晶部104の表示に乱れが生じたりしてしまう。
【0050】
(2−2−2:無線通信タイミングに応じたシリアル伝送速度の切り替え)
そこで、本件発明者は、まず、(1)無線通信が常時行われるものでないこと、に注目した。ある携帯端末130には、図6に示すように、基地局から所定のタイムスロットが割り当てられ、そのタイムスロットの期間に上り又は下り回線を通じた無線通信が行われる。図6の例では、携帯端末130の下り回線(受信)に対して番号2のタイムスロットが割り当てられている。この例の場合、携帯端末130は、番号1、3〜8のタイムスロットに対応する期間、無線通信(受信)を行わない。つまり、番号1、3〜8のタイムスロットに対応する期間は、その携帯端末130において高速なシリアル伝送を実施しても、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉が生じない。
【0051】
そこで、本実施形態に係る携帯端末130は、その携帯端末130に割り当てられたタイムスロットの期間、シリアル伝送速度を低速に制御する。つまり、この携帯端末130は、自身に割り当てられたタイムスロットの開始に合わせてシリアル伝送速度を低速に切り替え、そのタイムスロットの終了に合わせてシリアル伝送速度を高速に切り替える。このような構成にすると、自身が無線通信可能な期間は図4のようなスペクトルとなり、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との間で生じる干渉によって無線通信の通信品質が劣化するのを避けることができる。一方、自身が無線通信可能でない期間は図5のようなシリアル伝送帯域のスペクトルとなるが、自身が無線通信を行わないため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉が問題となることはない。
【0052】
このように、自身に割り当てられたタイムスロットの期間だけシリアル伝送速度を低速に制御することにより、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を回避することが可能になる。また、シリアル伝送速度が低速になる期間が限られるため、実質的なデータ伝送速度に対する影響は限定的である。従って、上記の仕組みを設けることにより、データ伝送速度をほとんど犠牲にせず、無線通信の通信品質を向上させることが可能になる。
【0053】
(2−2−3:受信電波強度に応じたシリアル伝送速度の切り替え)
次に、本件発明者は、(2)無線通信の電波強度が常時一定のものでないこと、に注目した。携帯端末130の場合、基地局との間の距離や、基地局との間に存在する電波障害物の配置などは一定ではない。そのため、携帯端末130が基地局から受信する電波の強度は、常時一定ではない。例えば、携帯端末130が基地局に近い場合、図8に示すように、シリアル伝送速度が高く、シリアル伝送帯域と無線通信帯域とが干渉していても、十分な通信品質で無線通信が可能となる場合がある。もちろん、シリアル伝送速度が低速の場合、図7に示すように、無線通信において良好な通信品質が得られる。
【0054】
そこで、本実施形態に係る携帯端末130は、受信電波の強度を測定し、受信電波の強度が所定の閾値を下回った場合にのみシリアル伝送速度を低速に切り替えるように制御する。つまり、この携帯端末130は、受信電波の強度が高い場合(図8の状況に対応)にはシリアル伝送速度を高速のまま維持し、受信電波の強度が低い場合(図5の状況に対応)にはシリアル伝送速度を低速に切り替える(図4を参照)。このように、自身に割り当てられたタイムスロットの期間でも受信電波の強度が高い場合にはシリアル伝送速度を高速に保つことで、実質的なデータ伝送速度の低下を抑制することが可能になる。
【0055】
(2−2−4:送受信切り替え時におけるシリアル伝送速度の切り替え)
次に、本件発明者は、(3)無線通信の送信時と受信時とで干渉の影響が異なること、に注目した。上記の通り、携帯端末130が基地局から受信する電波の強度は、携帯端末130と基地局との間の距離や、携帯端末130と基地局との間に存在する電波障害物の配置などに応じて異なる。一方で、携帯端末130が発信する電波の強度は、携帯端末130の位置においてほとんど一定である。つまり、図8に示したスペクトルが得られる程度に送信電波の強度が強い場合には、無線通信における送信時にシリアル伝送速度を低速にする必要がない。また、現実的に無線通信における送信電波の強度は、図8に示したスペクトルが得られる程度に強い。
【0056】
そこで、本実施形態に係る携帯端末130は、無線通信における受信時にはシリアル伝送速度を低速に切り替え、送信時にはシリアル伝送速度を高速のまま維持するように制御する。もちろん、受信電波の強度が強い場合、携帯端末130は、無線通信における受信時であっても、シリアル伝送速度を高速なまま維持するように制御してもよい。このように、送信時にシリアル伝送速度を高速なまま維持することにより、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉に起因して生じる通信品質の劣化を抑制しつつ、実質的なデータ伝送速度をさらに向上させることが可能になる。
【0057】
[2−3:携帯端末130の機能構成]
次に、図9を参照しながら、これまで説明してきたシリアル伝送速度の制御を実現することが可能な本実施形態に係る携帯端末130の機能構成について説明する。図9は、本実施形態に係る携帯端末130の機能構成について説明するための説明図である。
【0058】
図9に示すように、携帯端末130が備えるベースバンドプロセッサ110は、後述する判定機能を有する。また、携帯端末130が備えるシリアライザ150は、バッファ管理部152と、PS変換部154とを有する。そして、携帯端末130が備えるデシリアライザ170は、SP変換部172と、バッファ管理部174とを有する。さらに、携帯端末130は、スイッチ190と、低速クロック生成器192と、高速クロック生成器194とを有する。
【0059】
スイッチ190は、アンテナの送信/受信を切り替える手段である。また、低速クロック生成器192は、図4、図7のように、シリアル伝送帯域が無線通信帯域と干渉しないように、周波数が低く設定されたクロック(以下、低速クロック)を生成する手段である。一方、高速クロック生成器194は、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を許容して、高い周波数に設定されたクロック(以下、高速クロック)を生成する手段である。この周波数は、シリアライザ150からデシリアライザ170へのデータ伝送速度及び符号化方式などに応じて、当該データ伝送速度を実現可能な周波数に設定される。
【0060】
低速クロック生成器192により生成された低速クロック、及び高速クロック生成器194により生成された高速クロックは、シリアライザ150に入力される。なお、低速クロック生成器192、高速クロック生成器194の動作は、ベースバンドプロセッサ110により制御されてもよい。ベースバンドプロセッサ110は、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉状況に応じて、低速クロックを利用するか、高速クロックを利用するかを判定する判定機能を有する。そこで、ベースバンドプロセッサ110は、低速クロックを利用すると判定した場合には低速クロック生成器192を動作させ、高速クロックを利用すると判定した場合には高速クロック生成器194を動作させるようにしてもよい。
【0061】
ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、高速クロックでシリアル伝送を実施した場合にシリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉により無線通信に妨害を与えるか否かを判定する。つまり、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、(1)無線通信が行われているか否か、(2)無線通信の受信電波強度が所定の閾値を上回っているか否か、(3)送信時であるか、受信時であるか、を判定する。
【0062】
(ケース1:無線通信が行われていない状況)
例えば、(1)無線通信が行われていない場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力する。この高速イネーブル信号は、シリアライザ150に対し、高速クロックを利用して高速にシリアル伝送するように制御するための制御信号である。
【0063】
高速イネーブル信号が入力されると、シリアライザ150は、高速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。例えば、ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考える。まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力され、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを高速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0064】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、シリアル信号の伝送に利用したクロックの種類(低速クロック/高速クロック)を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は高速である。そのため、高速クロックを表す情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロックの種類を表す情報(以下、クロック種別情報)は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0065】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0066】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0067】
(ケース2:無線通信が行われていない状況)
一方、(1)無線通信が行われている場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力しない。
【0068】
高速イネーブル信号が入力されない状況において、シリアライザ150は、低速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考えると、まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力される。そして、シリアライザ150に入力された画像データは、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを低速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0069】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、クロック種別情報を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は低速である。そのため、低速クロックを表すクロック種別情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロック種別情報は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0070】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0071】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0072】
(ケース3:受信電波強度が所定の閾値を上回っている場合)
また、(2)受信電波強度が所定の閾値を上回っている場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力する。
【0073】
高速イネーブル信号が入力されると、シリアライザ150は、高速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考えると、まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力される。そして、シリアライザ150に入力された画像データは、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを高速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0074】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、クロック種別情報を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は高速である。そのため、高速クロックを表す情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロック種別情報は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0075】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0076】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0077】
(ケース4:受信電波強度が所定の閾値を下回っている場合)
一方、(2)受信電波強度が所定の閾値を下回っている場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力しない。
【0078】
高速イネーブル信号が入力されていないため、シリアライザ150は、低速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考えると、まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力される。そして、シリアライザ150に入力された画像データは、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを高速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0079】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、クロック種別情報を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は低速である。そのため、低速クロックを表す情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロック種別情報は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0080】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0081】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0082】
(ケース5:送信期間である場合)
また、(3)送信期間である場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力する。
【0083】
高速イネーブル信号が入力されると、シリアライザ150は、高速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考えると、まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力される。そして、シリアライザ150に入力された画像データは、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを高速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0084】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、クロック種別情報を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は高速である。そのため、高速クロックを表す情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロック種別情報は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0085】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0086】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0087】
(ケース6:受信期間である場合)
一方、(3)受信期間である場合、ベースバンドプロセッサ110の判定機能は、シリアライザ150に高速イネーブル信号を入力しない。
【0088】
高速イネーブル信号が入力されていないため、シリアライザ150は、低速クロックを利用してシリアル伝送を実施する。ベースバンドプロセッサ110から液晶部104へと画像データを伝送する場合について考えると、まず、ベースバンドプロセッサ110から出力された画像データは、シリアライザ150に入力される。そして、シリアライザ150に入力された画像データは、シリアライザ150が有するバッファ管理部152にて保存される。次いで、バッファ管理部152にて保存された画像データは、PS変換部154により読み出され、シリアル信号に変換される。このとき、PS変換部154は、バッファ管理部152から読み出した画像データを高速クロックに同期してパラレル/シリアル変換を実行し、シリアル信号を生成する。
【0089】
PS変換部154により生成されたシリアル信号は、シリアル信号線路134を通じてデシリアライザ170に伝送される。このとき、PS変換部154は、クロック種別情報を併せてデシリアライザ170に伝送する。この場合、シリアル伝送速度は低速である。そのため、低速クロックを表す情報がシリアル信号と共にデシリアライザ170に伝送される。このようにしてデシリアライザ170に伝送されたシリアル信号及びクロック種別情報は、デシリアライザ170が有するSP変換部172に入力される。
【0090】
シリアル信号及びクロック種別情報が入力されると、伝送中のクロックに応じてシリアル信号から元の画像データを復元する。ここで,デシリアライザ170が有するSP変換部172でシリアル/パラレル変換する際に利用する高速(段落によっては低速)クロックは、デシリアライザ170で別途生成してもよいし、シリアル信号と共にシリアライザ150から供給されるようにしてもよいし、シリアル信号からクロックを抽出する仕組み(例えば、特開2009−267624号公報を参照)を設けてもよい。
【0091】
SP変換部172により復元された画像データは、バッファ管理部152に入力され、バッファ管理部152により保存される。そして、バッファ管理部152により保存された画像データは、液晶部104に入力され、液晶部104に表示される。なお、デシリアライザ170は、クロック種別情報が示すクロックの種類に応じて、画像データを液晶部104に入力するタイミングを調節する。
【0092】
このように、携帯端末130は、ベースバンドプロセッサ110の判定機能を用いてシリアル伝送が無線通信に妨害を与えるか否かを判定し、その判定結果に応じてシリアル伝送速度(クロックの周波数)を切り替える。このようにしてシリアル伝送が無線通信に妨害を与える状況でシリアル伝送速度を低速に切り替えることにより、シリアル伝送速度の平均的な高速性を維持しつつ、シリアル伝送が無線通信に妨害を与えるのを防止することが可能になる。以上、本実施形態に係る携帯端末130の機能構成について説明した。
【0093】
[2−4:シリアル伝送速度の制御方法]
次に、本実施形態に係るシリアル伝送速度の制御方法について、より詳細に説明する。
【0094】
(2−4−1:無線通信期間に応じた制御方法)
まず、図10を参照しながら、無線通信期間に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。図10は、無線通信期間に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。なお、ステップS101の処理が開始される時点において、シリアル伝送速度は高速に設定されているものとする。
【0095】
図10に示すように、ベースバンドプロセッサ110は、判定機能により、無線通信期間が開始したか否かを判定する(S101)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の始まりを検出した場合に、無線通信期間が開始したと判定する。無線通信期間が開始したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS102に進める。一方、無線通信期間が開始していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS101に進める。
【0096】
ステップS102に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を停止し、シリアル伝送速度を低速に切り替える(S102)。次いで、ベースバンドプロセッサ110は、無線通信期間が終了したか否かを判定する(S103)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の終わりを検出した場合に、無線通信期間が終了したと判定する。
【0097】
無線通信期間が終了したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS104に進める。一方、無線通信期間が終了していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS103に進める。ステップS104に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を再開し、シリアル伝送速度を高速に切り替える(S104)。そして、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS101に進める。
【0098】
以上、無線通信期間に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明した。上記の制御方法を適用すると、無線通信期間においてシリアル伝送速度が低速になるため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を避けることができる。また、無線通信期間でない期間においてはシリアル伝送速度を高速に維持することが可能になり、シリアル信号線路134を通じた高速なデータ伝送が実現される。
【0099】
(2−4−2:送信時/受信時の切り替えに応じた制御方法)
次に、図11を参照しながら、無線通信の通信状態(送信時/受信時)に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。図11は、無線通信の通信状態(送信時/受信時)に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【0100】
図11に示すように、ベースバンドプロセッサ110は、判定機能により、無線通信期間が開始したか否かを判定する(S111)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の始まりを検出した場合に、無線通信期間が開始したと判定する。無線通信期間が開始したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS112に進める。一方、無線通信期間が開始していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS111に進める。
【0101】
ステップS112に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、受信状態であるか否かを判定する(S112)。受信状態である場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS113に進める。一方、受信状態でない場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS111に進める。
【0102】
ステップS113に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を停止し、シリアル伝送速度を低速に切り替える(S113)。次いで、ベースバンドプロセッサ110は、無線通信期間が終了したか否かを判定する(S114)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の終わりを検出した場合に、無線通信期間が終了したと判定する。
【0103】
無線通信期間が終了したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS115に進める。一方、無線通信期間が終了していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS114に進める。ステップS115に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を再開し、シリアル伝送速度を高速に切り替える(S115)。そして、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS111に進める。
【0104】
以上、無線通信の通信状態に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明した。上記の制御方法を適用すると、無線通信期間においてシリアル伝送速度が低速になるため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を避けることができる。特に、干渉による無線通信への妨害が顕著になる受信時のみシリアル伝送速度を低速にすることで、シリアル伝送速度を低速にする時間が短くなる。その結果、送信期間においてもシリアル伝送速度を高速に維持することが可能になり、図10の構成に比べ、シリアル信号線路134を通じたデータ伝送速度をさらに向上させることが可能になる。
【0105】
(2−4−3:受信電波強度に応じた制御方法)
次に、図12を参照しながら、受信電波強度に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明する。図12は、受信電波強度に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明するための説明図である。
【0106】
図12に示すように、ベースバンドプロセッサ110は、判定機能により、無線通信期間が開始したか否かを判定する(S121)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の始まりを検出した場合に、無線通信期間が開始したと判定する。無線通信期間が開始したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS122に進める。一方、無線通信期間が開始していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS121に進める。
【0107】
ステップS122に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、受信状態であるか否かを判定する(S122)。受信状態である場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS123に進める。一方、受信状態でない場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS121に進める。
【0108】
ステップS123に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、受信強度を検出し、検出した受信強度が所定の閾値を下回るか否かを判定する(S123)。受信強度<閾値である場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS124に進める。一方、受信強度<閾値でない場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS125に進める。
【0109】
ステップS124に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を停止し、シリアル伝送速度を低速に切り替え(S124)、処理をステップS127に進める。一方、ステップS125に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアル伝送速度が低速であるか否かを判定する(S125)。シリアル伝送速度が低速の場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS126に進める。一方、シリアル伝送速度が高速の場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS127に進める。
【0110】
ステップS125にて処理をステップS126に進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を再開し、シリアル伝送速度を高速に切り替え(S126)、処理をステップS127に進める。ステップS127に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、無線通信期間が終了したか否かを判定する(S127)。例えば、ベースバンドプロセッサ110は、自身に割り当てられたタイムスロットの期間(例えば、図6を参照)の終わりを検出した場合に、無線通信期間が終了したと判定する。
【0111】
無線通信期間が終了したと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、処理をステップS128に進める。一方、無線通信期間が終了していないと判定した場合、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS123に進める。ステップS128に処理を進めた場合、ベースバンドプロセッサ110は、シリアライザ150が有するPS変換部154に対する高速イネーブル信号の入力を再開してシリアル伝送速度を高速に切り替えるか、高速イネーブル信号の入力を維持する(S128)。そして、ベースバンドプロセッサ110は、再び処理をステップS121に進める。
【0112】
以上、受信感度に応じたシリアル伝送速度の制御方法について説明した。上記の制御方法を適用すると、無線通信期間においてシリアル伝送速度が低速になるため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との干渉を避けることができる。特に、干渉による無線通信への妨害が顕著になる受信強度が弱い状況でのみシリアル伝送速度が低速になるため、シリアル伝送速度を低速にする時間が短くなる。その結果、送信期間及び受信期間の一部においてもシリアル伝送速度を高速に維持することが可能になり、図11の構成に比べ、シリアル信号線路134を通じたデータ伝送速度をさらに向上させることが可能になる。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の技術を適用することにより、シリアル伝送による無線通信への妨害を回避しつつ、シリアル伝送によるデータ伝送速度を高速に維持することが可能になる。
【0114】
<3:まとめ>
最後に、本発明の実施形態に係る技術内容について簡単に纏める。ここで述べる技術内容は、例えば、PC、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯情報端末、情報家電、カーナビゲーションシステム等、種々の情報処理装置に対して適用することができる。
【0115】
上記の情報処理装置の機能構成は次のように表現することができる。当該情報処理装置は、次のような無線通信部と、データ伝送部と、妨害判定部と、速度制御部とを有する。上記の無線通信部は、所定の通信帯域を利用して無線通信する手段である。また、上記のデータ伝送部は、所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送する手段である。このように、本実施形態に係る情報処理装置は、無線通信の機能及びデータ伝送の機能を有する。
【0116】
そして、上記の妨害判定部は、前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する手段である。さらに、上記の速度制御部は、前記妨害判定部により前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える手段である。
【0117】
先に説明したように、データ伝送速度が向上すると、シリアル伝送帯域と無線通信帯域とが干渉し、シリアル伝送が無線通信に妨害を与えてしまう。しかしながら、上記構成を適用すると、妨害が生じるタイミングでシリアル伝送速度が低速に切り替えられるため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域とが干渉しなくなる。また、妨害が生じるタイミング以外ではシリアル伝送速度が高速に保たれるため、シリアル伝送帯域と無線通信帯域との間の干渉を回避しながらも、高速にデータを伝送することが可能になる。
【0118】
(備考)
上記のスイッチ190、ベースバンドプロセッサ110は、無線通信部の一例である。上記のシリアライザ150、デシリアライザ170は、データ伝送部の一例である。上記のシリアル信号線路134は、所定の伝送路の一例である。上記のベースバンドプロセッサ110は、妨害判定部、速度制御部、受信強度検出部、演算処理部の一例である。上記の操作部108は、第1のモジュールの一例である。上記のPS変換部154は、パラレル/シリアル変換部の一例である。上記の表示部102は、第2のモジュールの一例である。上記のSP変換部172は、シリアル/パラレル変換部の一例である。上記の液晶部104は、出力部の一例である。
【0119】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0120】
100、130 携帯端末
102 表示部
104 液晶部
106 接続部
108 操作部
110 ベースバンドプロセッサ
132、136 パラレル信号線路
134 シリアル信号線路
150 シリアライザ
152 バッファ管理部
154 PS変換部
170 デシリアライザ
172 SP変換部
174 バッファ管理部
190 スイッチ
192 低速クロック生成器
194 高速クロック生成器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信帯域を利用して無線通信する無線通信部と、
所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送するデータ伝送部と、
前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する妨害判定部と、
前記妨害判定部により前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える速度制御部と、
を備える、
通信装置。
【請求項2】
前記妨害判定部は、前記無線通信部が無線通信している場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記妨害判定部は、前記無線通信部が電波を受信している場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記無線通信部が受信する電波の強度を検出する受信強度検出部をさらに備え、
前記妨害判定部は、前記受信強度検出部により検出された電波の強度が所定の強度よりも弱い場合に、前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定する、
請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記所定の伝送路を介して接続された第1及び第2のモジュールにより構成され、
前記第1のモジュールは、
パラレルデータを出力する演算処理部と、
前記演算処理部により出力されたパラレルデータをシリアル化して前記シリアルデータを生成するパラレル/シリアル変換部と、
を有し、
前記データ伝送部は、前記所定の伝送路を通じて、前記パラレル/シリアル変換部により生成されたシリアルデータを伝送し、
前記第2のモジュールは、
前記データ伝送部により伝送されたシリアルデータをパラレル化して前記パラレルデータを生成するシリアル/パラレル変換部と、
前記シリアル/パラレル変換部により生成されたパラレルデータを出力する出力部と、
を有する、
請求項1又は4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記データ伝送部は、前記シリアルデータの伝送速度に関する情報を当該シリアルデータと共に伝送する、
請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
所定の通信帯域を利用して無線通信する無線通信部と、所定の伝送路を通じてシリアルデータを伝送するデータ伝送部と、を有する通信装置が、
前記データ伝送部によるシリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が、前記無線通信部による無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えるか否かを判定する妨害判定ステップと、
前記妨害判定ステップにて前記シリアルデータの伝送に利用する伝送帯域が前記無線通信に利用する通信帯域に妨害を与えると判定された場合に、前記データ伝送部を制御して前記シリアルデータの伝送速度を低速に切り替える速度制御ステップと、
を含む、
データ伝送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−234199(P2011−234199A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−103705(P2010−103705)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】