説明

通信装置およびその制御方法、サーバおよびその制御方法、通信システム、通信装置制御プログラム、サーバ制御プログラム、並びに該プログラムを記録した記録媒体

【課題】面識の無い者を簡便に特定できる通信装置などを提供する。
【解決手段】サーバ12は、移動端末の端末IDとユーザの顔写真データとを対応付けた端末−顔写真対応テーブル71を記憶する記憶部51と、複数の移動端末の位置情報を通信部52を介して取得する端末位置収集部63と、端末位置収集部63が取得した複数の移動端末の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定する接近判定部64と、接近判定部64が特定した移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末IDに対応する顔写真データを、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71から検索し、通信部52を介して他方の移動端末に送信する顔写真検索部65とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびその制御方法、サーバおよびその制御方法、通信システム、通信装置制御プログラム、サーバ制御プログラム、並びに該プログラムを記録した記録媒体に関するものである。特に、本発明は、自装置から所定距離内に移動端末が存在するか否かを判断する通信装置などに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動端末の中で最も普及している携帯電話機は、近時、電子メール機能、撮影機能などの種々の機能を有しており、最近では、GPS(Global Positioning System)を利用して自機の位置を測定するGPS機能を有するようになっている。このため、上記GPS機能を有効活用する方法が検討されている。
【0003】
上記方法の一例として、特許文献1に記載のゲーム方法が挙げられる。このゲーム方法で利用されるゲーム機は、GPSを利用して自機の位置を測定し、測定した自機の位置の情報を微弱電波で送信する一方、他機の位置の情報を該他機から微弱電波で受信し、上記自機の位置に対する上記他機の相対位置を表示するものである。これにより、複数人の位置関係を同時に判明することができる。
【0004】
そして、上記ゲーム方法では、ゲーム参加者の中から鬼役を選出し、その他の複数の人は逃げ役として所定の範囲内で分散し、ゲームを開始する。鬼役の人は、自身のゲーム機に表示される逃げ役の人の位置関係を参照して、逃げ役の人に接近して捕まえる。捕まった逃げ役の人は、鬼役となる。そして、逃げ役の人が1人になったら、その人が勝者となる。
【特許文献1】特開2003−210831号公報(2003年7月29日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記GPSを利用した位置測定には測定誤差が含まれる。現在のところ、GPSの測定誤差は10m程度であり、DGPS(Differential GPS)でも測定誤差は数m程度である。このため、上記ゲーム方法では、測定誤差の範囲内に複数人が存在する場合があり、この場合、ゲーム参加者は、視認により相手を特定する必要がある。すなわち、ゲーム参加者は顔見知りである必要があり、逆に言えば、互いに面識の無い者は、上記ゲームに参加することができない。
【0006】
この問題点を回避するため、上記ゲーム参加者の顔写真を事前に配布することが考えられる。しかしながら、ゲーム参加者全ての顔写真を確認しながら、相手を特定する煩雑な作業が必要となる。このことは、ゲーム参加者の数が増えるに従って、いっそう顕著となる。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、面識の無い者を簡便に特定できる通信装置などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信装置は、上記課題を解決するため、自装置から所定距離内に移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する取得手段と、該取得手段が取得したユーザ識別情報を報知する報知手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る通信装置の制御方法は、上記課題を解決するため、自装置から所定距離内に移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する取得ステップと、該取得ステップにて取得されたユーザ識別情報を報知する報知手段とを含むことを特徴としている。
【0010】
ここで、ユーザ識別情報の例としては、顔写真、名称などが挙げられる。また、報知手段の例としては、画像を表示する表示装置、音声を出力するスピーカ、印刷媒体に印刷するプリンタなどが挙げられる。例えば、ユーザ識別情報が顔写真または名称である場合、報知手段は、表示装置に表示したり、プリンタにて印刷媒体に印刷したりすることが考えられる。また、ユーザ識別情報が名称である場合、報知手段は、スピーカにて名称を音声出力することも考えられる。
【0011】
また、自装置から所定距離内に移動端末が存在することの検知は、自装置で行ってもよいし、サーバ、移動端末など、外部の通信装置で行われてもよい。また、上記所定距離は、移動端末のユーザを視認したり、呼びかけたりできる最大距離であることが好ましい。
【0012】
また、上記移動端末のユーザ識別情報の取得は、予め記憶した複数のユーザ識別情報の中から選択することにより行ってもよいし、上記検知を行ったときに上記外部の通信装置からユーザ識別情報を受信することにより行ってもよい。また、上記取得手段は、上記ユーザ識別情報を、上記移動端末から近距離無線通信などを介して直接的に取得してもよいし、上記移動端末から上記サーバ、公衆網などを介して間接的に取得してもよい。
【0013】
上記の構成および方法によると、自装置から所定距離内に移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザ識別情報が報知される。従って、本発明に係る通信装置のユーザは、報知されたユーザ識別情報を参照して、移動端末のユーザを視認したり、名称で呼びかけたりすることにより、移動端末のユーザと面識が無くても、当該ユーザを特定することができる。
【0014】
また、自装置から所定距離内に存在する移動端末のユーザ識別情報が報知されるので、報知されるユーザ識別情報が限定され、さらに、ユーザを特定できる可能性の高いユーザ識別情報が報知されることになる。従って、移動端末のユーザを簡便に特定することができる。なお、本発明に係る通信装置は、据置型の装置でもよいし、モバイル型の移動端末でもよい。
【0015】
本発明に係る通信装置では、近距離無線通信を行う近距離無線通信部をさらに備えており、前記取得手段は、自装置と前記近距離無線通信が可能な前記移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得してもよい。この場合、近距離無線通信が可能かどうかにより、自装置から所定距離内に移動端末が存在するかどうかを検知できる。
【0016】
本発明に係る通信装置では、前記近距離無線通信部が前記移動端末から受信した信号の受信強度に基づいて、自装置から、前記所定距離よりも短い別の所定距離内に存在する移動端末を検知する検知手段をさらに備えてもよい。この場合、自装置から、上記別の所定距離内に存在する移動端末と、自装置から、上記別の所定距離外かつ上記所定距離内に存在する移動端末とを区別することができる。
【0017】
本発明に係る通信装置では、情報を表示する表示部と、前記移動端末の位置情報を取得する他位置取得手段と、該他位置取得手段が取得した前記移動端末の位置情報を前記表示部が表示するように制御する表示制御手段とをさらに備えてもよい。この場合、通信装置のユーザは、移動端末の位置を把握することができる。
【0018】
本発明に係る通信装置では、自装置の位置情報を取得する自位置取得手段と、前記移動端末の位置情報を取得する他位置取得手段と、前記自位置取得手段が取得した自装置の位置と、前記他位置取得手段が取得した前記移動端末の位置との距離を算出する距離算出手段とをさらに備えており、前記取得手段は、該距離算出手段が算出した距離が前記所定距離内である場合、前記移動端末のユーザ識別情報を取得してもよい。
【0019】
ここで、自装置の位置情報を取得するには、GPSを利用して位置測定を行う位置測定装置を接続したり、自装置の内部に設けたりすることにより実現できる。また、移動端末の位置情報は、当該移動端末から近距離無線通信などを介して直接的に取得してもよいし、当該移動端末から上記サーバ、公衆網などを介して間接的に取得してもよい。
【0020】
上記の構成によると、自装置および移動端末の位置情報に基づいて、自装置から移動端末の距離を算出できるので、自装置から所定距離内に移動端末が存在するかを検知できる。
【0021】
ところで、通信装置と移動端末との距離が近くても、それらの間に障害物が存在する場合、通信装置のユーザは、移動端末のユーザを認識できない場合が考えられる。一方、近距離無線通信の場合、上記障害物が存在すると、通信可能な距離が短くなる。そこで、自装置および移動端末の位置情報に基づく上記検知と、近距離無線通信を利用した上記検知とを組み合わせることにより、面識の無い者を簡便にかつ精度よく特定することができる。
【0022】
本発明に係るサーバは、情報を記憶する記憶部と、外部の複数の移動端末と通信を行う通信部とを備えるサーバであって、上記課題を解決するために、前記記憶部は、前記移動端末を識別する端末識別情報と、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報とを対応付けた端末ユーザ対応情報を記憶しており、前記複数の移動端末の位置情報を前記通信部を介して取得する端末位置取得手段と、該端末位置取得手段が取得した前記複数の移動端末の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定する端末特定手段と、該端末特定手段が特定した移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末識別情報に対応するユーザ識別情報を、前記記憶部の前記端末ユーザ対応情報から検索し、前記通信部を介して他方の移動端末に送信する検索手段とを備えることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係るサーバの制御方法は、情報を記憶する記憶部と、外部の複数の移動端末と通信を行う通信部とを備えており、前記記憶部は、前記移動端末を識別する端末識別情報と、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報とを対応付けた端末ユーザ対応情報を記憶するサーバの制御方法であって、上記課題を解決するために、前記複数の移動端末の位置情報を前記通信部を介して取得する端末位置取得ステップと、該端末位置取得ステップにて取得された前記複数の移動端末の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定する端末特定ステップと、該端末特定ステップにて特定された移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末識別情報に対応するユーザ識別情報を、前記記憶部の前記端末ユーザ対応情報から検索し、前記通信部を介して他方の移動端末に送信する検索ステップとを含むことを特徴としている。
【0024】
上記の構成および方法によると、複数の移動端末からそれぞれ取得した複数の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定し、特定された移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末識別情報に対応するユーザ識別情報を、他方の移動端末に送信している。これにより、上記他方の移動端末は、自端末から所定距離内に存在する上記一方の移動端末のユーザ識別情報を取得できるので、上述のように、上記他方の移動端末のユーザは、上記一方の移動端末のユーザと面識が無くても、当該ユーザを簡便に特定することができる。また、或る移動端末から所定距離内に存在する別の移動端末の特定を、移動端末ではなく、サーバが行うので、移動端末における処理の負担を軽減することができる。
【0025】
なお、上記記憶部に記憶される端末ユーザ対応情報は、各移動端末から取得してもよいし、サーバ側で入力されてもよい。また、上記検索手段は、一方の移動端末のユーザ識別情報を、他方の移動端末に送信するだけでなく、他方の移動端末のユーザ識別情報を、一方の移動端末に送信することが好ましい。
【0026】
なお、上記構成の通信装置である複数の移動端末と、上記構成のサーバとが通信網を介して通信可能に接続した通信システムであれば、上述の効果と同様の効果を奏することができる。
【0027】
また、上記通信装置の各手段を、通信装置制御プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。また、上記サーバの各手段を、サーバ制御プログラムによりコンピュータ上で実行させることができる。さらに、上記通信装置制御プログラムおよび上記サーバ制御プログラムの少なくとも1つを、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で当該制御プログラムを実行させることができる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明に係る通信装置は、自装置から所定距離内に存在する移動端末のユーザ識別情報が報知されるので、ユーザを特定できる可能性の高いユーザ識別情報が報知されることになり、従って、移動端末のユーザと面識が無くても、当該ユーザを簡便に特定できるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明に係るサーバは、或る移動端末から所定距離内に存在する別の移動端末の特定を、移動端末ではなく、サーバが行うので、移動端末における処理の負担を軽減できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る通信システムの概略構成を示している。図示のように、通信システム10は、複数の移動端末(通信装置)11とサーバ12とを、基地局13および通信網14を介して通信可能に接続した構成である。
【0031】
移動端末11は、無線を利用した移動可能な通信端末であり、例えば、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)端末、PDA(Personal Digital Assistant)、自動車電話機などが挙げられる。具体的には、移動端末11は、基地局13および通信網14を介して、サーバ12と通信を行うものであり、基地局13との通信が無線で行われるため、移動端末11を移動して利用することができる。なお、通信網14としては、移動体通信網、電話回線網、インターネット、LAN(Local Area Network)など、公知の通信網を利用することができる。
【0032】
本実施形態では、移動端末11は、被写体の撮影を行う撮影機能と、GPSを利用して現在地を測定するGPS機能とを有している。
【0033】
サーバ12は、移動端末11から基地局13および通信網14を介して各種情報を収集すると共に、基地局13および通信網14を介して移動端末11に各種情報を提供するものである。サーバ12は、通常のコンピュータと同様の構成である。
【0034】
本実施形態では、サーバ12は、移動端末11が上記撮影機能を利用して撮影したユーザの顔写真の情報(ユーザ識別情報)を、各移動端末11から受信して記憶する。また、サーバ12は、移動端末11が上記GPS機能を利用して測定した現在地の情報を、各移動端末11から受信して記憶する。
【0035】
そして、サーバ12は、記憶された各移動端末11の現在地の情報に基づき、互いの距離が所定値(例えば、10m程度)以下である移動端末11同士を特定する。そして、サーバ12は、特定した移動端末11のうち、一方の移動端末11におけるユーザの顔写真の情報を他方の移動端末11に送信すると共に、他方の移動端末11におけるユーザの顔写真の情報を一方の移動端末11に送信する。
【0036】
従って、互いの移動端末11にて、相手の顔写真を表示することにより、相手との面識が無くても、相手を特定することができる。また、表示される相手の顔写真は、自端末11から所定距離内に存在する他端末11のユーザの顔写真であるので、表示されるユーザの顔写真数が限定され、さらに、相手を特定できる可能性の高い顔写真が表示されることになる。従って、相手を簡便に特定することができる。
【0037】
また、或る移動端末11から所定距離内に存在する別の移動端末11の特定を、移動端末11ではなく、サーバ12が行うので、移動端末11における処理の負担を軽減することができる。
【0038】
〔実施例〕
次に、本実施形態の通信システム10を利用したゲームシステムの例について説明する。本実施例のゲーム形態は、従来の鬼ごっこと同様に、鬼役の者が他の者を追い回し、捕まった者が次の鬼役となるものである。
【0039】
本実施例における移動端末11およびサーバ12の詳細について図1および図3を参照して説明する。図3は、移動端末11の概略構成を示している。図示のように、移動端末11は、制御部20、記憶部21、通信部22、操作部23、表示部(報知手段)24、撮影部25、GPS受信部26、および近距離無線通信部27を備える構成である。
【0040】
制御部20は、移動端末11内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部20の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、制御部20の詳細については後述する。
【0041】
記憶部21は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部21の例としては、制御部20が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROM(Read Only Memory)と、バーコード認識や通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データ、撮影画像データ、現在地データなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)とが挙げられる。
【0042】
通信部22は、基地局13との通信を行うためのものである。具体的には、通信部22は、制御部20から受信したデータを、基地局13への無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号を無線通信用アンテナ(図示せず)を介して外部に送信するものである。また、通信部22は、外部から上記無線通信用アンテナを介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部20に送信するものである。通信部22では、チャネルコーデック処理、ベースバンド信号処理、データの変復調処理、RF(Radio Frequency)処理などが行われる。
【0043】
操作部23は、移動端末11の表面に設けられた操作ボタンなどの入力デバイスをユーザが操作することにより、操作データを作成して制御部20に送信するものである。入力デバイスとしては、ボタンスイッチの他にタッチパネルなどが挙げられる。
【0044】
表示部24は、制御部20から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて表示画面に画像を表示するものである。具体的には、表示部24は、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electoroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、受信した画像データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える構成である。
【0045】
撮影部25は、被写体の撮影を行って映像データを生成するものである。具体的には、撮影部25は、被写体からの光を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子と、該撮像素子からの電気信号をRGB各色のデジタル映像データに変換する映像処理回路とを備える構成である。撮影部25は、生成した映像データを制御部20に送信する。
【0046】
GPS受信部26は、GPS衛星からGPS用アンテナ(図示せず)を介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したGPSデータを制御部20に送信するものである。
【0047】
近距離無線通信部27は、外部の装置と近距離無線通信を行うためのものである。具体的には、近距離無線通信部27は、制御部20から受信したデータを近距離無線送信に適した形式に変換し、変換した無線信号を、近距離無線通信用アンテナ(図示せず)を介して外部に送信するとともに、外部から上記近距離無線通信用アンテナを介して受信した無線信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部20に送信するものである。近距離無線通信部27では、データの変復調処理、RF処理などが行われる。
【0048】
なお、近距離無線通信の例としては、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra WideBand)、無線LAN(IEEE802.11)などが挙げられる。また、上記近距離無線通信のデータ伝送媒体の例としては、光、電波などが挙げられる。しかしながら、赤外線などの光を利用する場合、照射方向を送信先の受光部に合わせる必要がある。従って、データ伝送媒体としては電波が望ましい。
【0049】
本実施例では、自端末のユーザが鬼役である場合、逃げ役の移動端末11と近距離無線通信が可能となったとき、逃げ役を捕獲可能な距離にまで接近したと判断している。このため、近距離無線通信部27は、近距離無線通信が可能な距離が、逃げ役を捕獲可能な距離(例えば1m程度、或いは0m〜10mの中から選択)となるように、無線通信の出力強度が調整されている。
【0050】
次に、制御部20および記憶部21の詳細について説明する。図3に示すように、制御部20は、ゲーム内容取得部30、参加申請部31、鬼役情報取得部32、自位置取得部(自位置取得手段)33、他位置取得部(他位置取得手段、表示制御手段)34、顔写真取得部(取得手段)35、および捕獲判定部(取得手段、検知手段)36を備える構成である。また、記憶部21には、端末ID40、鬼役情報41、および端末−位置対応テーブル42が記録されている。
【0051】
端末ID40は、自身の移動端末11を識別する識別情報(ID)である。端末IDは、端末固有の番号でもよいし、サーバ12が移動端末11ごとに割り当てた番号でもよい。また、移動端末11が携帯電話機または自動車電話の場合、端末IDは電話番号でもよい。
【0052】
鬼役情報41は、現在鬼役のユーザを示す情報であり、当該鬼役のユーザの移動端末11の端末IDを含んでいる。また、端末−位置対応テーブル42は、移動端末11の端末IDと現在地の情報とを、移動端末11ごとに対応付けたものである。
【0053】
ゲーム内容取得部30は、ゲームの募集内容を、サーバ12から通信部22を介して取得するものである。この募集内容には、募集人数と、募集期限と、ゲームの開始時刻、終了時刻、および実施範囲とが少なくとも含まれている。ゲーム内容取得部30は、取得したゲームの募集内容を表示部24にて表示させる。
【0054】
参加申請部31は、ゲームへの参加をサーバ12に申請するものである。具体的には、参加申請部31は、表示部24を介してユーザに顔写真を撮影するように指示して、撮影部25から顔写真データを取得し、取得した顔写真データと、記憶部21から読み出した自端末の端末ID40とを、通信部22を介してサーバ12に送信する。なお、参加申請部31は、撮影部25にて予め撮影されて記憶部21に記憶した顔写真データを利用してもよい。
【0055】
鬼役情報取得部32は、ゲームの開始時または鬼役の交代時に、サーバ12から通信部22を介して上記鬼役情報を取得するものである。鬼役情報取得部32は、取得した鬼役情報で記憶部21の鬼役情報41を更新する。
【0056】
自位置取得部33は、GPS受信部26からのGPSデータに基づいて、自端末の現在地を測定することにより、自端末の現在地を示す現在地データを取得するものである。自位置取得部33は、取得した現在地データと、記憶部21から読み出した自端末の端末ID40とを、通信部22を介してサーバ12に送信する。また、自位置取得部33は、作成した現在地データに基づいて、自端末の現在地の情報を表示部24にて表示させる。自位置取得部33における処理は、ゲームの進行中に適宜行われる。
【0057】
なお、自位置取得部33は、基地局13の位置情報その他の位置情報を取得して、上記現在地データを補正してもよい。この場合、現在地の精度を向上することができる。また、自位置取得部33は、GPS受信部26にて現在地を測定し、測定した現在地データを自位置取得部33が受信してもよい。或いは、自位置取得部33は、GPSデータから現在地を測定する外部のサーバに、GPSデータを通信部22を介して送信することにより、当該外部のサーバから現在地データを取得してもよい。
【0058】
また、自位置取得部33は、現在地データが変化した場合にのみサーバ12に送信することが望ましい。この場合、基地局13、通信網14、およびサーバ12における負荷を軽減することができる。
【0059】
他位置取得部34は、他の移動端末11の現在地データおよび端末IDを、サーバ12から通信部22を介して取得するものである。他位置取得部34は、取得した他の移動端末11の現在地データおよび端末IDで、記憶部21の端末−位置対応テーブル42を更新すると共に、表示部24に表示させる。
【0060】
顔写真取得部35は、自端末から所定の範囲内に存在する他の移動端末11のユーザの顔写真データを、サーバ12から通信部22を介して取得するものである。顔写真取得部35は、取得した顔写真を表示部24に表示させる。
【0061】
捕獲判定部36は、自端末のユーザが鬼役である場合に、逃げ役を捕獲したか否かを判定するものである。具体的には、捕獲判定部36は、記憶部21の鬼役情報41が自端末の端末ID40であり、ユーザが操作部23にて捕獲したことを示す操作を行い、かつ、近距離無線通信部27が他の移動端末11と通信可能となった場合に、逃げ役に接触して捕獲したと判定する。
【0062】
捕獲判定部36は、逃げ役を捕獲したと判定した場合、捕獲した旨を示す捕獲通知を通信部22を介してサーバ12に送信する。このとき、捕獲判定部36は、上記他の移動端末11から近距離無線通信部27を介して端末IDを取得し、取得した端末IDを上記捕獲通知と共にサーバ12に送信してもよい。
【0063】
図1は、サーバ12の概略構成を示している。図示のように、サーバ12は、制御部50、記憶部51、および通信部52を備える構成である。
【0064】
制御部50は、サーバ12内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部50の機能は、例えばRAMやフラッシュメモリなどの記憶素子に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。なお、制御部50の詳細については後述する。
【0065】
記憶部51は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部51の例としては、制御部50が動作するときに必要なプログラムや、通信制御データなどの固定データを記憶する読出し専用の半導体メモリであるROMと、通信に関するデータ、演算に使用するデータ、および演算結果などを一時的に記憶する、いわゆるワーキングメモリとしてのRAMと、各種の設定データなどを記憶する書換え可能な不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)と、端末に提供する多数のデータなどを記憶するHDD(Hard Disk Drive)とが挙げられる。
【0066】
通信部52は、通信網14との通信を行うためのものである。具体的には、通信部52は、制御部50から受信したデータを、通信網14への送信に適した形式に変換し、変換した信号を通信網14に送信するものである。また、通信部52は、通信網14から受信した信号を元の形式に変換し、変換したデータを制御部50に送信するものである。
【0067】
次に、制御部50および記憶部51の詳細について説明する。図1に示すように、制御部50は、ゲーム告知部60、参加受付部61、鬼役決定部62、端末位置収集部(端末位置取得手段)63、接近判定部(距離算出手段、端末特定手段)64、顔写真検索部(検索手段)65、および捕獲通知取得部66を備える構成である。また、記憶部51には、ゲーム内容情報70、端末−顔写真対応テーブル(端末ユーザ対応情報)71、鬼役情報72、および端末−位置対応テーブル73が記録されている。
【0068】
ゲーム内容情報70は、上述のゲームの募集内容を示す情報である。ゲーム内容情報70は、サーバ12が作成したものでもよいし、或る移動端末11から取得したものでもよい。移動端末11から取得した場合、ゲームの主催者は、当該移動端末11のユーザとなる。
【0069】
端末−顔写真対応テーブル71は、移動端末11の端末IDと当該移動端末11のユーザの顔写真とを、移動端末11ごとに対応付けたものである。なお、鬼役情報72および端末−位置対応テーブル73は、移動端末11の鬼役情報41および端末−位置対応テーブル42とそれぞれ同様であるので、その説明を省略する。
【0070】
ゲーム告知部60は、記憶部51からゲーム内容情報70を読み出して、通信部52を介して移動端末11に送信するものである。本実施例では、ゲーム内容情報70は、例えば、インターネットを利用したWebページの情報として、不特定多数に公開されることが好ましい。
【0071】
参加受付部61は、ゲームへの参加を受け付けるものである。具体的には、参加受付部61は、移動端末11から通信部52を介して、顔写真データおよび端末IDを取得することにより、ゲームへの参加を受け付ける。参加受付部61は、取得した顔写真データおよび端末IDで、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71を更新する。
【0072】
また、参加受付部61は、ゲーム内容情報70に含まれる参加募集人数に到達した場合、或いはゲーム内容情報70に含まれる参加受付期間を経過した場合、参加受付部61における参加受付処理を終了し、その旨を鬼役決定部62に通知する。なお、参加受付部61は、移動端末11のユーザの名前データなど、顔写真データ以外のユーザを識別する情報をさらに取得して、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71に含めてもよい。
【0073】
鬼役決定部62は、ゲームの鬼役を決定するものである。具体的には、鬼役決定部62は、参加受付部61が参加受付処理を終了した場合、端末−顔写真対応テーブル71に含まれる端末IDの中から1つを選択し、選択した端末IDの移動端末11のユーザを鬼役として決定する。また、鬼役決定部62は、捕獲通知取得部66が上述の捕獲通知を取得した場合、捕獲された逃げ役のユーザを次の鬼役として決定する。
【0074】
鬼役決定部62は、決定した鬼役のユーザの移動端末11の端末IDを鬼役情報として、記憶部51の鬼役情報72を更新すると共に、通信部52を介して移動端末11に送信する。
【0075】
端末位置収集部63は、各移動端末の現在地の情報を収集するものである。具体的には、端末位置収集部63は、移動端末11の現在地データおよび端末IDを、各移動端末11から通信部52を介して取得する。端末位置収集部63は、取得した現在地データおよび端末IDで記憶部51の端末−位置対応テーブル73を更新すると共に、上記現在地データおよび端末IDを、ゲームに参加している全ての移動端末11に通信部52を介して配信する。
【0076】
接近判定部64は、記憶部51の端末−位置対応テーブル73を利用して、互いの距離が所定値(例えば10m)以下である端末ID同士を判定する。接近判定部64は、判定した端末ID同士を顔写真検索部65に送出する。
【0077】
顔写真検索部65は、接近判定部64が判定した端末ID同士に対応する複数の顔写真データを記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71から検索するものである。顔写真検索部65は、一方の端末IDに対応する顔写真データを他方の端末IDの移動端末11に通信部52を介して送信すると共に、他方の端末IDに対応する顔写真データを一方の端末IDの移動端末11に通信部52を介して送信する。なお、顔写真検索部65は、顔写真データと共に端末IDを送信してもよい。
【0078】
捕獲通知取得部66は、鬼役のユーザの移動端末11から通信部52を介して上記捕獲通知を取得するものである。捕獲通知取得部66は、上記捕獲通知を取得すると、捕獲された逃げ役のユーザにおける移動端末11の端末IDを特定し、特定した端末IDを鬼役決定部62に送出する。上記端末IDは、鬼役のユーザの移動端末11から取得してもよいし、捕獲されたユーザの移動端末11から取得してもよい。また、上記端末IDは、接近判定部64が判定した端末ID同士の一方が鬼役のものである場合の他方として特定してもよい。
【0079】
上記構成の移動端末11およびサーバ12における処理動作について図5および図6を参照して説明する。図5はゲーム開始前の処理動作を示しており、図6はゲーム開始後の処理動作を示している。
【0080】
図5に示すように、まず、サーバ12のゲーム告知部60は、記憶部から読み出したゲーム内容情報70を移動端末11に送信することにより、ゲームの告知を行う(ステップS10(以下「S10」と略称することがある。他のステップについても同様である。))。
【0081】
このとき、移動端末11では、ゲーム内容取得部30は、サーバ12から受信したゲーム内容情報を表示部24に表示させる(S20)。次に、参加申請部31は、ユーザから操作部23を介して参加の指示を受け取ったか否かを判断する(S21)。上記参加の指示を受け取らなかった場合、処理動作を終了する。一方、上記参加の指示を受け取った場合、参加申請部31は、ユーザの顔写真データと自端末の端末IDとを含む参加申請を行う(S22)。
【0082】
このとき、サーバ12では、参加受付部61が、移動端末11から受信した参加申請を受け付けて、該参加申請に含まれる顔写真データおよび端末IDで、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71を更新する(S11)。次に、参加受付部61は、ゲーム内容情報70に含まれる参加募集人数に到達するか、或いはゲーム内容情報70に含まれる参加受付期間を経過することにより、参加受付を終了するか否かを判断する(S12)。上記参加受付を続行する場合、ステップS11に戻って上記動作を繰り返す。
【0083】
一方、上記参加受付を終了した場合、鬼役決定部62は、参加を受け付けた端末ID、すなわち端末−顔写真対応テーブル71に含まれる端末IDの中から1つを選択し、選択した端末IDの移動端末11のユーザを鬼役として決定する(S13)。また、鬼役決定部62は、決定した端末IDを鬼役情報として、記憶部51に記憶すると共に、移動端末11に送信する。このとき、移動端末11では、鬼役情報取得部32が、サーバ12から受信した鬼役情報で記憶部21の鬼役情報41を更新する(S23)。その後、移動端末11およびサーバ12は、ゲームの開始時刻に到達するまで待機する。
【0084】
ゲームの開始時刻に到達すると、図6に示すように、まず、移動端末11の自位置取得部33は、GPS受信部26からのGPSデータに基づいて、自端末の現在地を示す現在地データ(位置情報)を取得し、取得した現在地データと自端末の端末ID40とをサーバ12に送信する(S40)。
【0085】
このとき、サーバ12では、端末位置収集部63が、移動端末11の現在地データおよび端末IDを、各移動端末11から収集し、収集した現在地データおよび端末IDで記憶部51の端末−位置対応テーブル73を更新すると共に、上記現在地データおよび端末IDを、ゲームに参加している全ての移動端末11に配信する(S30)。これにより、移動端末11では、他位置取得部34が、サーバ12から配信された移動端末11の現在地データおよび端末IDで、記憶部21の端末−位置対応テーブル42を更新すると共に、自端末の現在地と他端末の現在地とを表示部24に表示させる(S41)。
【0086】
次に、サーバ12では、接近判定部64が、記憶部51の端末−位置対応テーブル73を利用して、互いの距離が所定値以下である端末ID同士が存在するか否かを判定する(S31)。上記端末ID同士が存在しない場合、ステップS33に進む。一方、上記端末ID同士が存在する場合、顔写真検索部65が、一方の端末IDに対応する顔写真データを、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71から検索して、他方の端末IDの移動端末11に送信する。同様に、顔写真検索部65が、他方の端末IDに対応する顔写真データを、記憶部51の端末−顔写真対応テーブル71から検索して、一方の端末IDの移動端末11に送信する(S32)。
【0087】
このとき、移動端末11では、サーバ12から顔写真データを受信すると(S42)、顔写真取得部35が、受信した顔写真を表示部24に表示させる(S43)。図4は、表示部24における表示画面の一例を示している。図示の例では、地図上に、自分の位置(正確には、自端末の現在地)が黒丸で示され、他者の位置(正確には他端末の現在地)が白丸で示されている。また、図示の例では、自端末から所定の距離以内に存在する他端末のユーザの顔写真と名前とが表示されている。
【0088】
従って、鬼役のユーザは、図4に示す表示画面を参照することにより、ゲームに参加しているユーザと面識がない場合や、周囲にゲームとは無関係の人が存在する場合でも、ゲームに参加している逃げ役のユーザを視認して捕獲することができる。
【0089】
図6に戻って、移動端末11の捕獲判定部36は、記憶部21の鬼役情報41が自端末の端末ID40であり、ユーザが操作部23にて捕獲したことを示す操作を行い、かつ、近距離無線通信部27が他の移動端末11と通信可能となったという条件を満たすか否かを判断する(S44)。上記条件を満たさない場合、ステップS47に進む。一方、上記条件を満たす場合、捕獲判定部36は、逃げ役に接触して捕獲したと判定し、捕獲した旨を示す捕獲通知をサーバ12に送信する(S45)。
【0090】
一方、ステップS33にて、サーバ12では、捕獲通知取得部66が、鬼役のユーザの移動端末11から上記捕獲通知を取得したか否かを判断する。上記捕獲通知を取得しない場合、ステップS35に進む。一方、上記捕獲通知を取得した場合、捕獲された逃げ役のユーザにおける移動端末11の端末IDを捕獲通知取得部66が特定し、特定した端末IDの移動端末11のユーザを鬼役決定部62が次の鬼役に決定することにより、鬼役が交替する(S34)。
【0091】
次に、鬼役決定部62は、決定した次の鬼役のユーザにおける移動端末11の端末IDを鬼役情報として、記憶部51の鬼役情報72を更新すると共に、移動端末11に送信する。このとき、移動端末11では、鬼役情報取得部32が、サーバ12から受信した鬼役情報で記憶部21の鬼役情報41を更新する(S47)。
【0092】
そして、サーバ12および移動端末11では、ゲームの終了時刻に到達するまで、上述の処理動作(S30〜S34・S40〜S46)が繰り返され、上記終了時刻に到達すると、処理動作を終了する(S35・S47)。
【0093】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0094】
例えば、上記実施形態では、ユーザの顔写真および名前を表示部24に表示することにより、当該ユーザを特定できるようにしているが、ユーザの顔写真および名前の何れか一方のみを表示部24に表示してもよい。このように、顔写真、名前など、ユーザを識別する任意のユーザ識別情報を少なくとも1つを利用すればよい。
【0095】
また、表示部24に表示する代わりにプリンタに印刷してもよい。また、ユーザの名前をスピーカから音声出力してもよい。このように、ユーザ識別情報を報知する任意の報知手段を利用することができる。
【0096】
また、上記実施形態では、移動端末11間の距離が所定距離内であるかどうかをサーバ12の接近判定部64で判定しているが、移動端末11にて行ってもよい。この場合、接近判定部64と同様に、自端末の位置情報と他端末の位置情報とに基づいて判定してもよいし、近距離無線通信部27にて近距離無線通信が可能な移動端末11を探索することにより判定してもよい。近距離無線通信部27を利用する場合、近距離無線通信が可能な距離が、前記所定距離(例えば10m程度)となるように、無線通信の出力強度が調整される。なお、上記逃げ役を捕獲可能な距離内であるかどうかは、近距離無線通信部27における受信強度で判定することができる。
【0097】
さらに、移動端末11間の距離が所定距離内であるかどうかを、サーバ12の接近判定部64における判定結果と、かつ、移動端末11の近距離無線通信部27を利用した判定結果とを組み合わせてもよい。これにより、面識の無い相手を簡便にかつ精度よく特定することができる。
【0098】
最後に、移動端末11およびサーバ12の各ブロック、特に制御部20・50は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0099】
すなわち、移動端末11およびサーバ12は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである移動端末11およびサーバ12の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記移動端末11およびサーバ12に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0100】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0101】
また、移動端末11およびサーバ12を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように、本発明は、自装置から所定距離内に存在する移動端末のユーザ識別情報が報知されることにより、相手と面識が無くても、相手を簡便に特定できるので、鬼ごっこのようなゲームだけでなく、不特定多数に出会いの場を提供するサービスや、不審者との遭遇を回避するサービスなど、各種サービスに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態である通信システムにおけるサーバの概略構成を示すブロック図である。
【図2】上記通信システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】上記通信システムにおける移動端末の概略構成を示すブロック図である。
【図4】上記移動端末の表示部に表示される表示画面の一例を示す図である。
【図5】上記移動端末およびサーバにおけるゲーム開始前の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】上記移動端末およびサーバにおけるゲーム開始後の処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
10 通信システム
11 移動端末(通信装置)
12 サーバ
13 基地局
14 通信網
20・50 制御部
21・51 記憶部
22・52 通信部
23 操作部
24 表示部(報知手段)
25 撮影部
26 GPS受信部
27 近距離無線通信部
30 ゲーム内容取得部
31 参加申請部
32 鬼役情報取得部
33 自位置取得部(自位置取得手段)
34 他位置取得部(他位置取得手段、表示制御手段)
35 顔写真取得部(取得手段)
36 捕獲判定部(取得手段、検知手段)
41 鬼役情報
42 端末−位置対応テーブル
60 ゲーム告知部
61 参加受付部
62 鬼役決定部
63 端末位置収集部(端末位置取得手段)
64 接近判定部(距離算出手段、端末特定手段)
65 顔写真検索部(検索手段)
66 捕獲通知取得部
70 ゲーム内容情報
71 端末−顔写真対応テーブル(端末ユーザ対応情報)
72 鬼役情報
73 端末−位置対応テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置から所定距離内に移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する取得手段と、
該取得手段が取得したユーザ識別情報を報知する報知手段とを備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
近距離無線通信を行う近距離無線通信部をさらに備えており、
前記取得手段は、自装置と前記近距離無線通信が可能な前記移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記近距離無線通信部が前記移動端末から受信した信号の受信強度に基づいて、自装置から、前記所定距離よりも短い別の所定距離内に存在する移動端末を検知する検知手段をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
情報を表示する表示部と、
前記移動端末の位置情報を取得する他位置取得手段と、
該他位置取得手段が取得した前記移動端末の位置情報を前記表示部が表示するように制御する表示制御手段とをさらに備えることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
自装置の位置情報を取得する自位置取得手段と、
前記移動端末の位置情報を取得する他位置取得手段と、
前記自位置取得手段が取得した自装置の位置と、前記他位置取得手段が取得した前記移動端末の位置との距離を算出する距離算出手段とをさらに備えており、
前記取得手段は、該距離算出手段が算出した距離が前記所定距離内である場合、前記移動端末のユーザ識別情報を取得することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
情報を記憶する記憶部と、外部の複数の移動端末と通信を行う通信部とを備えるサーバであって、
前記記憶部は、前記移動端末を識別する端末識別情報と、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報とを対応付けた端末ユーザ対応情報を記憶しており、
前記複数の移動端末の位置情報を前記通信部を介して取得する端末位置取得手段と、
該端末位置取得手段が取得した前記複数の移動端末の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定する端末特定手段と、
該端末特定手段が特定した移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末識別情報に対応するユーザ識別情報を、前記記憶部の前記端末ユーザ対応情報から検索し、前記通信部を介して他方の移動端末に送信する検索手段とを備えることを特徴とするサーバ。
【請求項7】
複数の移動端末とサーバとが通信網を介して通信可能に接続した通信システムであって、
前記サーバは、請求項6に記載のサーバであり、
前記移動端末は、請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置であることを特徴とする通信システム。
【請求項8】
請求項1から5までの何れか1項に記載の通信装置を動作させるための通信装置制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるための通信装置制御プログラム。
【請求項9】
請求項6に記載のサーバを動作させるためのサーバ制御プログラムであって、コンピュータを上記の各手段として機能させるためのサーバ制御プログラム。
【請求項10】
請求項8に記載の通信装置制御プログラム、および請求項9に記載のサーバ制御プログラムの少なくとも1つが記録されたコンピュータ読取り可能な記録媒体。
【請求項11】
通信装置の制御方法であって、
自装置から所定距離内に移動端末が存在する場合、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報を取得する取得ステップと、
該取得ステップにて取得されたユーザ識別情報を報知する報知手段とを含むことを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項12】
情報を記憶する記憶部と、外部の複数の移動端末と通信を行う通信部とを備えており、前記記憶部は、前記移動端末を識別する端末識別情報と、当該移動端末のユーザを識別するユーザ識別情報とを対応付けた端末ユーザ対応情報を記憶するサーバの制御方法であって、
前記複数の移動端末の位置情報を前記通信部を介して取得する端末位置取得ステップと、
該端末位置取得ステップにて取得された前記複数の移動端末の位置情報を利用して、互いの距離が所定距離以下である移動端末同士を特定する端末特定ステップと、
該端末特定ステップにて特定された移動端末同士のうち、一方の移動端末の端末識別情報に対応するユーザ識別情報を、前記記憶部の前記端末ユーザ対応情報から検索し、前記通信部を介して他方の移動端末に送信する検索ステップとを含むことを特徴とするサーバの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−147651(P2009−147651A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322498(P2007−322498)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】