説明

通信装置

【課題】既に設置されている無線子機を変更することなく設置でき且つ低消費電流で、受信電界強度を測定することができる通信装置を提供する。
【解決手段】上位機器からの要求で、無線通信によりメータ5から計量データを収集し、上位機器に計量データを送信する通信装置であって、上位機器から送信される要求電文を受信する有線受信部12と、計量データが付加され、メータ5に接続された無線子機4から無線送信される応答電文を受信する無線受信部15と、無線受信部15で受信した応答電文の電界強度を測定する電界強度測定部17と、有線受信部12で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、電界強度測定電文を無線子機4が受信できる仕様の子機宛電文に変換して無線子機4に無線送信するとともに電界強度測定部17を起動させる電文判定変換部21とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メータの計量データを無線通信により収集する通信装置に関し、特に無線通信により受信した電文の電界強度を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各家庭に設けられた電気、ガス、水道等のメータの検針は、電話回線等の通信ネットワークを利用して、集中管理センタ等からメータの計量値を自動的に収集する自動検針システムを用いて行われている。
【0003】
近年、この自動検針システムにおいて、電話回線等に接続される網制御部と各メータ間が無線通信により接続されるケースが増えてきている。図7は無線自動検針システムの構成を示すブロック図であり、図8は従来の通信装置(無線親機)の構成を示すブロック図である。
【0004】
図7に示すように、無線自動検針システムは、電話回線1に接続される網制御部2、網制御部2に有線で接続される通信装置(無線親機3)、無線親機3に無線で接続される無線子機4及び無線子機4に有線で接続されるメータ5で構成され、網制御部2及び無線親機3は屋内に設置され、無線子機4及びメータ5は屋外に設置される。
【0005】
図8に示すように、従来の通信装置(無線親機3)は、I/F部11、有線受信部12、無線送信部13、アンテナ14、無線受信部15、有線送信部16及び電界強度測定部17で構成され、有線受信部12及び有線送信部16で制御部10を構成している。
【0006】
無線自動検針システムは、センタ(図示しない)から電話回線1を介して呼び出しが発生すると、網制御部2は電話回線1を制御してセンタと無線親機3との間を通信可能状態とする。その後、センタから計量データ要求電文を無線親機3に送信すると、無線親機3の有線受信部12は、I/F部11を介して計量データ要求電文を受信する。無線送信部13は、有線受信部12で受信された計量データ要求電文を無線変調し、無線変調された計量データ要求電文をアンテナ14を介して無線子機4に無線送信する。無線子機4は、計量データ要求電文に対する計量データ応答電文にメータ5の計量データを付加して無線親機3に無線送信する。無線親機3の無線受信部15は、計量データ応答電文をアンテナ14を介して受信し、受信した計量データ応答電文を復調し、復調された計量データ応答電文を有線送信部16に送信する。有線送信部16は、計量データ応答電文をI/F部11を介してセンタに送信する。センタ装置は計量データ応答電文に付加された計量データを収集する。
【0007】
しかし、無線自動検針システムにおいて、無線親機3と無線子機4との間の無線通信は周囲環境の影響を受けやすいため、無線機器設置後に電波環境(受信電界強度)を測定する方法が考えられている。
【0008】
そこで、図8に示す従来の通信装置(無線親機3)には、電界強度測定部17が設けられ、次に示す第1の方法(例えば、特許文献1)及び第2の方法によって、受信電界強度を測定する方法が知られている。
【0009】
第1の方法として、受信電界強度測定時に、センタから無線親機3に通常の計量データ要求電文とは仕様の異なる電界強度測定電文を送信し、無線親機3が電界強度測定電文を受信した場合に、電界強度測定部17を起動させる。無線親機3は電界強度測定電文を通常の計量データ要求電文と同様に無線子機4に無線送信し、無線子機4は電界強度測定電文に対する電界強度測定応答電文を無線親機3に無線送信する。電界強度測定部17は無線親機3の無線受信部15が受信した電界強度測定応答電文の電界強度を測定する。電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データは電界強度測定応答電文に付加されて有線送信部16を介してセンタに送信される。
【0010】
第2の方法として、無線親機3がセンタから通常の計量データ要求電文を受信した場合に、電界強度測定部17を起動させる。計量データ要求電文は、通常どおり無線親機3−無線子機4間で送受信され、電界強度測定部17は、無線子機4からの計量データ応答電文の電界強度を常に測定する。電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データは計量データ応答電文に毎回付加されて有線送信部16を介してセンタに送信される。
【特許文献1】特許第3316918号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記の第1の方法により、受信電界強度を測定する場合は、通常の計量データ要求電文とは仕様の異なる電界強度測定電文を無線親機3−無線子機4間で無線通信させるため、既に設置されている無線子機4に電界強度測定電文を受信する機能がないと無線子機4が電界強度測定電文に対する電界強度測定応答電文を送信することができない。従って、電界強度測定電文を受信する機能がない無線子機4が既に設置されている場合には、無線親機3とともに無線子機4も変更する必要がある。
【0012】
また、上記の第2の方法により、受信電界強度を測定する場合は、センタがメータ5に対して計量データを要求するたびに毎回電界強度を測定することができるが、無線自動検針システムで使用される無線親機3は、需要家宅のAC電源を使用することなく電池で動作(約10年間メンテナンスフリー)している場合がほとんどであり、不要な電池電流消費は機器のコストアップになり、機器寸法が大きくなるといった課題があった。
【0013】
本発明の課題は、既に設置されている無線子機を変更することなく設置でき且つ低消費電流で、受信電界強度を測定することができる通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記課題を解決するために以下の手段を採用した。請求項1の発明は、上位機器からの要求で、無線通信によりメータから計量データを収集し、前記上位機器に前記計量データを送信する通信装置であって、前記上位機器から送信される要求電文を受信する有線受信部と、前記計量データが付加され、前記メータに接続された無線子機から無線送信される応答電文を受信する無線受信部と、前記無線受信部で受信した応答電文の電界強度を測定する測定部と、前記有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、前記電界強度測定電文を前記無線子機が受信できる仕様の子機宛電文に変換して前記無線子機に無線送信するとともに前記測定部を起動させる電文判定変換部とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1記載の通信装置において、使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録される子機情報登録部を更に備え、前記電文判定変換部は、前記有線受信部で受信した要求電文が前記電界強度測定電文であるときに、前記電界強度測定電文を子機宛電文に変換して、前記子機情報登録部に登録された複数の無線子機に一括して無線送信するとともに前記測定部を起動させることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、上位機器からの要求で、無線通信によりメータから計量データを収集し、前記上位機器に前記計量データを送信する通信装置であって、前記上位機器から送信される要求電文を受信する有線受信部と、前記計量データが付加され、前記メータに接続された無線子機から無線送信される応答電文を受信する無線受信部と、前記無線受信部で受信した応答電文の電界強度を測定する測定部と、前記測定部で測定された測定値を記憶する記憶部と、前記有線受信部で受信した要求電文が、前記無線子機が受信できる仕様の子機宛電文であるときに、前記子機宛電文を前記無線子機に無線送信するとともに前記測定部及び前記記憶部を起動させ、前記有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、前記記憶部に前記測定値を出力させる電文判定部とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3記載の通信装置において、使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録される子機情報登録部を更に備え、前記電文判定部は、前記有線受信部で受信した要求電文が前記子機宛電文であるときに、前記子機宛電文を前記子機情報登録部に登録された複数の無線子機に、一括して無線送信するとともに前記測定部及び前記記憶部を起動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1の発明によれば、電文判定変換部は有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、前記電界強度測定電文を無線子機が受信できる仕様の子機宛電文に変換して無線子機に無線送信するとともに測定部を起動させ、測定部は無線子機から送信される応答電文の電界強度を測定するので、既に設置されている無線子機を変更することなく且つ低消費電流で、受信電界強度を測定することができる。
【0019】
請求項2の発明によれば、子機情報登録部に、使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録され、有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに前記電界強度測定電文を子機宛電文に変換して、子機情報登録部に登録された複数の無線子機に一括して無線送信するとともに測定部を起動させるので、1台の通信装置で複数台の無線子機から送信される応答電文の受信電界強度測定を一括で行うことができる。
【0020】
請求項3の発明によれば、電文判定部は有線受信部で受信した要求電文が、無線子機が受信できる仕様の子機宛電文であるときに、前記子機宛電文を無線子機に送信するとともに測定部及び記憶部を起動させ、測定部は無線子機から送信される応答電文の電界強度を測定し、測定値を記憶部に記憶する。また、記憶部は有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、記憶された測定値を出力するので、既に設置されている無線子機を変更することなく且つ低消費電流で、受信電界強度を測定することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、子機情報登録部に、使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録され、有線受信部で受信した要求電文が子機宛電文であるときに前記子機宛電文を、子機情報登録部に登録された複数の無線子機に一括して無線送信するとともに測定部及び記憶部を起動させるので、1台の通信装置で複数台の無線子機から送信される応答電文の受信電界強度測定を一括で行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施例に係る通信装置を図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、背景技術の欄で説明した通信装置の構成部分と同一又は相当部分には、背景技術の欄で使用した符号と同一の符号を用いて説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1に係る通信装置は、図7に示した無線自動検針システムで使用される無線親機3であり、電話回線1及び網制御部2を介して図示しないセンタ等の上位機器に接続され、メータ5に接続された無線子機4と無線で接続されている。
【0024】
図1は本発明の実施例1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、本発明の実施例1に係る通信装置は、I/F部11、有線受信部12、無線送信部13、アンテナ14、無線受信部15、有線送信部16、電界強度測定部17及び電文判定変換部21で構成され、有線受信部12、有線送信部16及び電文判定変換部21で制御部18を構成している。
【0025】
I/F部11は、網制御部2に有線で接続された電文入出力部である。有線受信部12は、I/F部11に接続され、図示しないセンタから送信された電文を受信して、電文判定変換部21に出力する。
【0026】
電文判定変換部21は、有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であるかどうかを判定して、有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であった場合、電界強度測定電文を子機宛要求電文に変換して無線送信部13に出力するとともに電界強度測定部17を起動させる。有線受信部12で受信した電文が計量データ要求電文であった場合、計量データ要求電文をそのまま無線送信部13に出力する。また、電文判定変換部21により変換された子機宛要求電文はメータ5の計量データを収集するための計量データ要求電文と同様な仕様の電文であり、既に設置されている無線子機4であっても受信することができる。
【0027】
無線送信部13は、子機宛要求電文または計量データ要求電文を無線変調して、アンテナ14を介して無線子機4に無線送信する。無線子機4は、無線親機3から送信された電文が子機宛要求電文であった場合、子機宛応答電文を無線親機3に無線送信する。無線子機4は、無線親機3から送信された電文が計量データ要求電文であった場合、メータ5の計量データが付加された計量データ応答電文を無線親機3に無線送信する。
【0028】
無線受信部15は、無線子機4から無線送信された電文を受信して復調し、復調した電文を出力する。
【0029】
電界強度測定部17は、電文判定変換部21により有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であると判定されたときに起動し、無線受信部15で受信された子機宛応答電文の電界強度を測定する。電界強度測定部は、測定された電界強度に基づく電界強度データを有線送信部16に出力する。また、電界強度測定部17は電界強度測定後、停止する。
【0030】
有線送信部16は、無線受信部15から出力された電文をI/F部11を介してセンタに送信する。このとき、無線受信部15から出力された電文が子機宛応答電文である場合は電界強度測定応答電文に変換して送信する。この電界強度測定応答電文には、電界強度測定部17から出力された電界強度データや無線子機4のIDデータが付加されている。無線子機4のIDデータを付加することで、通信した無線子機4との整合もセンタで確認できる。有線送信部16は、無線受信部15から出力された電文が計量データ応答電文である場合は、計量データ応答電文をI/F部11を介してセンタに送信する。
【0031】
次に、本発明の実施例1に係る通信装置を使用して、電文の受信電界強度を測定するときの通信手順を図2を用いて詳細に説明する。図2に示すように、まず、センタは無線親機3に起動電文を送信し、無線親機3はセンタに応答電文を送信する。この起動電文によりセンタと無線親機3との間を通信可能状態とする。次に、センタからの電界強度測定電文を無線親機3が受信すると、無線親機3の電文判定変換部21は、電界強度測定電文を子機宛要求電文に変換する。変換された子機宛要求電文は無線子機4に無線送信されるとともに電界強度測定部17が起動する。
【0032】
無線子機4は子機宛要求電文に応答して、無線親機3に子機宛応答電文を無線送信する。無線親機3内の電界強度測定部17は、無線受信部15で受信した子機宛応答電文の電界強度を測定して、電界強度測定後、電界強度測定部17は停止する。電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データは無線子機4のIDデータとともに電界強度測定応答電文に付加されてセンタに送信される。その後、センタは無線親機3に終了電文を送信してセンタ−無線親機3間の通信を終了し、無線親機3は無線子機4に終了電文を送信して無線親機3−無線子機4間の通信を終了する。
【0033】
このように、本発明の実施例1に係る通信装置は、電文判定変換部が、有線受信部12で受信した電文を電界強度測定電文であると判定したときに、電界強度測定電文を無線子機4が受信できる仕様の子機宛要求電文に変換して無線子機4に無線送信する。また、電界強度測定部17は、電文判定変換部21により有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であると判定されたときに起動して受信電界強度を測定し、測定後停止する。
【0034】
このため、本発明の通信装置(無線親機3)と無線子機4との間の無線通信を従来通りの内容で行い、既に設置されている無線子機4を変更する必要はない。また、通常行う通信では電界強度測定部17を動作させないため、低消費電流で、受信電界強度を測定することができる。
【0035】
なお、上記の説明で通信装置は電話回線1を介してセンタに接続するものとしたが、本発明の通信装置はセンタ以外の上位機器、例えばハンドヘルド型の端末等に接続するものとしてもよい。
【実施例2】
【0036】
図3は本発明の実施例2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、本発明の実施例2に係る通信装置は、図1に示す実施例1に係る通信装置の電文判定変換部21の代わりに電文判定部22を設け、電界強度記憶部23を更に設け、有線受信部12、有線送信部16、電文判定部22及び電界強度記憶部23で制御部19を構成したもので、その他の構成は実施例1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付しその詳細は省略する。また、センタから計量データ要求電文が送信され、メータ5の計量データを収集するときの動作は実施例1の動作と同様である。
【0037】
電文判定部22は、有線受信部12で受信した電文が子機宛要求電文であった場合、子機宛要求電文を無線送信部13に出力するとともに電界強度測定部17及び電界強度記憶部23を起動させる。また、有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であった場合、無線送信部13及びアンテナ14を介して無線子機4に終了電文を無線送信して、無線親機3と無線子機4間の通信を終了する。電界強度測定電文は電界強度記憶部23に出力される。
【0038】
電界強度記憶部23は、電文判定部22により有線受信部12で受信した電文が子機宛要求電文であると判定されたときに起動し、電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データを記憶する。また、電界強度記憶部23は、有線受信部12で電界強度測定電文を受信したときに、記憶された電界強度データを有線送信部16に出力する。
【0039】
次に、本発明の実施例2に係る通信装置を使用して、電文の受信電界強度を測定するときの通信手順を図4を用いて詳細に説明する。図4に示すように、まず、センタは無線親機3に起動電文を送信し、無線親機3はセンタに応答電文を送信する。この起動電文によりセンタと無線親機3との間を通信可能状態とする。次に、センタからの子機宛要求電文を無線親機3が受信すると、無線親機3の電文判定部22は、子機宛要求電文をそのまま無線送信部13を介して無線子機4に無線送信するとともに電界強度測定部17及び電界強度記憶部23を起動させる。
【0040】
無線子機4は子機宛要求電文に応答して、無線親機3に子機宛応答電文を無線送信する。電界強度測定部17は子機宛応答電文の受信電界強度を測定して、測定された電界強度に基づく電界強度データを電界強度記憶部23に記憶させる。子機宛応答電文はセンタに送信される。
【0041】
その後、センタからの電界強度測定電文を無線親機3が受信すると、電界強度測定部17は停止し、無線子機4に終了電文を無線送信して無線親機3−無線子機4間の通信を終了する。また、電界強度記憶部23は、有線受信部12で電界強度測定電文を受信すると、記憶された電界強度データを有線送信部16に出力し、電界強度データは無線子機4のIDデータとともに電界強度測定応答電文に付加されてセンタに送信される。その後、センタは無線親機3に終了電文を送信してセンタ−無線親機3間の通信を終了する。
【0042】
このように、本発明の実施例2に係る通信装置は、電文判定部22により有線受信部12で受信した電文が、無線子機4で受信できる仕様の子機宛要求電文であると判定されたときに、子機宛要求電文を無線子機4に送信する。また、電界強度測定部17及び電界強度記憶部23は、電文判定部22により有線受信部12で受信した電文が子機宛要求電文であると判定されたときに起動し、電界強度測定部17は、受信電界強度を測定し、測定後停止する。
【0043】
このため、本発明の通信装置(無線親機3)と無線子機4との間の無線通信を従来通りの内容で行い、既に設置されている無線子機4を変更する必要はない。また、通常行う通信では電界強度測定部17を動作させないため、低消費電流で、受信電界強度を測定することができる。
【0044】
なお、無線親機3が子機宛要求電文を受信した後、電界強度測定電文以外の電文を受信した場合、電界強度測定部17を停止させて通常の計量データ要求電文受信時と同様に動作させてもよい。
【実施例3】
【0045】
図5は本発明の実施例3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。図5に示すように、本発明の実施例3に係る通信装置は、図1に示す実施例1に係る通信装置に子機情報登録部25を更に設けたもので、その他の構成は実施例1の構成と同一であり、同一部分には同一符号を付しその詳細は省略する。また、センタから計量データ要求電文が送信され、メータ5の計量データを収集するときの動作は実施例1の動作と同様である。
【0046】
子機情報登録部25には、無線親機3と通信する全ての無線子機4の子機IDまたは子機識別符号表等の複数の無線子機4から1台の無線子機4を特定できるユニークな情報(子機識別情報)が登録されている。また、子機情報登録部25は、電文判定変換部21に接続されている。
【0047】
電文判定変換部21は、有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であった場合、子機情報登録部25に登録された子機識別情報を参照して、電界強度測定電文を一括呼出要求電文(登録されている全ての無線子機4に子機宛要求電文を送信するための電文)に変換する。電文判定変換部21は、変換された一括呼出要求電文を無線送信部13に出力するとともに電界強度測定部17を起動させる。
【0048】
無線送信部13は、一括呼出要求電文に基づいて、子機情報登録部25に登録されている全ての無線子機4に子機宛要求電文を無線送信する。
【0049】
次に、本発明の実施例3に係る通信装置を使用して、電文の電界強度を測定するときの通信手順を図6を用いて詳細に説明する。図6に示すように、まず、センタは無線親機3に起動電文を送信し、無線親機3はセンタに応答電文を送信する。この起動電文によりセンタと無線親機3との間を通信可能状態とする。次に、センタからの電界強度測定電文を無線親機3が受信すると、無線親機3の電文判定変換部21は、電界強度測定電文を子機宛要求電文(一括呼出要求電文)に変換する。子機宛要求電文は子機情報登録部25に登録されている全ての無線子機4に無線送信されるとともに電界強度測定部17が起動する。
【0050】
登録されている全ての無線子機4は、それぞれの子機宛要求電文に応答して、無線親機3に子機宛応答電文を無線送信する。電界強度測定部17はそれぞれの子機宛応答電文の受信電界強度を測定して、全ての子機宛応答電文の電界強度測定後、電界強度測定部17は停止する。電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データは、無線子機4のIDデータまたは無線子機4のユニークな情報とともに電界強度測定応答電文に付加されてセンタに送信される。その後、センタは無線親機3に終了電文を送信してセンタ−無線親機3間の通信を終了する。
【0051】
このように、本発明の実施例3に係る通信装置は、子機情報登録部25に、使用する全ての無線子機4のIDデータ等が登録され、有線受信部12で受信した電文が電界強度測定電文であるときに、電界強度測定電文を子機宛要求電文(一括呼出要求電文)に変換して、子機情報登録部25に登録された全ての無線子機4に一括して無線送信するとともに電界強度測定部17を起動させるので、1台の通信装置で複数台の無線子機4から送信される子機宛応答電文の受信電界強度測定を一括で行うことができる。特に、上位機器にハンドヘルド型の端末を用いて無線子機4からの受信電界強度を測定する場合の電界強度測定時間を短縮でき、設置工事作業の効率化が図れる。
【0052】
なお、センタから送信される電界強度測定電文に、測定したい無線子機4のIDデータ等を付加して、指定された1台または複数の無線子機4からの受信電界強度を測定することもできる。
【0053】
また、センタからの電界強度測定電文を無線親機3が受信した場合、無線親機3の電文判定変換部21は、電界強度測定電文を子機宛要求電文(一括呼出要求電文)に変換したが、電界強度測定電文をメータ計量データを収集する要求電文(一括呼出要求電文)に変換して、子機情報登録部25に登録されている全ての無線子機4に無線送信してもよい。この場合も、電界強度測定電文を受信したことで電界強度測定部17が起動する。以下、無線親機3で、無線子機4からの応答電文を、電界強度測定部17で受信電界強度を測定して、全ての子機からの応答電文の電界強度測定後、電界強度測定部17を停止する。電界強度測定部17で測定された電界強度に基づく電界強度データは、無線子機4のIDデータまたは無線子機4のユニークな情報とともに電界強度測定応答電文に付加されてセンタに送信することでも、前記実施例と同様な効果を実施できる。
【0054】
さらにまた、子機情報登録部25を図3に示す本発明の実施例2に係る通信装置に設けることで、実施例2に係る通信装置においても、実施例3に係る通信装置の効果と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、無線通信によりメータの計量データを収集する通信装置において、受信電界強度を測定できる通信装置として、さまざまな需要家において、利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施例1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例1に係る通信装置を使用して、電文の電界強度を測定する通信手順を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施例2に係る通信装置を使用して、電文の電界強度を測定する通信手順を示す図である。
【図5】本発明の実施例3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例3に係る通信装置を使用して、電文の電界強度を測定する通信手順を示す図である。
【図7】無線自動検針システムの構成を示すブロック図である。
【図8】従来の通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0057】
1 電話回線
2 網制御部
3 無線親機
4 無線子機
5 メータ
10、18、19 制御部
11 I/F部
12 有線受信部
13 無線送信部
14 アンテナ
15 無線受信部
16 有線送信部
17 電界強度測定部
21 電文判定変換部
22 電文判定部
23 電界強度記憶部
25 子機情報登録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位機器からの要求で、無線通信によりメータから計量データを収集し、前記上位機器に前記計量データを送信する通信装置であって、
前記上位機器から送信される要求電文を受信する有線受信部と、
前記計量データが付加され、前記メータに接続された無線子機から無線送信される応答電文を受信する無線受信部と、
前記無線受信部で受信した応答電文の電界強度を測定する測定部と、
前記有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、前記電界強度測定電文を前記無線子機が受信できる仕様の子機宛電文に変換して前記無線子機に無線送信するとともに前記測定部を起動させる電文判定変換部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録される子機情報登録部を更に備え、
前記電文判定変換部は、
前記有線受信部で受信した要求電文が前記電界強度測定電文であるときに、前記電界強度測定電文を子機宛電文に変換して、前記子機情報登録部に登録された複数の無線子機に一括して無線送信するとともに前記測定部を起動させることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
上位機器からの要求で、無線通信によりメータから計量データを収集し、前記上位機器に前記計量データを送信する通信装置であって、
前記上位機器から送信される要求電文を受信する有線受信部と、
前記計量データが付加され、前記メータに接続された無線子機から無線送信される応答電文を受信する無線受信部と、
前記無線受信部で受信した応答電文の電界強度を測定する測定部と、
前記測定部で測定された測定値を記憶する記憶部と、
前記有線受信部で受信した要求電文が、前記無線子機が受信できる仕様の子機宛電文であるときに、前記子機宛電文を前記無線子機に無線送信するとともに前記測定部及び前記記憶部を起動させ、前記有線受信部で受信した要求電文が電界強度測定電文であるときに、前記記憶部に前記測定値を出力させる電文判定部と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
使用する全ての無線子機の子機識別情報が登録される子機情報登録部を更に備え、
前記電文判定部は、
前記有線受信部で受信した要求電文が前記子機宛電文であるときに、前記子機宛電文を前記子機情報登録部に登録された複数の無線子機に、一括して無線送信するとともに前記測定部及び前記記憶部を起動させることを特徴とする請求項3記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−222909(P2006−222909A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36879(P2005−36879)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000220262)東京瓦斯株式会社 (1,166)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】