説明

通信装置

【課題】データの流れと連動させて、より好適に消費電力の低減を図ることのできる通信装置を提供する。
【解決手段】第1の外部機器から映像信号を受信する映像信号受信部と、第1の外部機器から受信した映像信号を第2の外部機器へ出力する映像信号出力部と、第1の外部機器から電源制御信号を受信する、映像信号受信部よりも消費電力の低い電源制御信号受信部と、記第2の外部機器へ電力を供給するための電源ケーブルが接続されるコンセントと、を備え、前記電源制御信号受信部で起動のための電源制御信号を受信した場合に、前記映像信号受信部へ電力を供給すると共に、前記コンセントへ電力を供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、エコロジー等の観点から、消費電力の低減を図ることが求められている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、パソコン本体に搭載される電源スイッチと連動して、コンセントへの電源電圧の供給、停止を切り換えるコンセント装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−139841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の装置では、他の映像信号や制御信号等の流れと、電源との連動については考慮されていない。より具体的には、例えば、パソコン本体がオンになったからといって、周辺機器が使用されるとは限らず、このような制御方法では余分な電力が消費される可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、データの流れと連動させて、より好適に消費電力の低減を図ることのできる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の通信装置は、第1の外部機器から映像信号を受信する映像信号受信部と、前記第1の外部機器から受信した映像信号を第2の外部機器へ出力する映像信号出力部と、前記第1の外部機器から電源制御信号を受信する、前記映像信号受信部よりも消費電力の小さい電源制御信号受信部と前記第2の外部機器へ電力を供給するための電源ケーブルが接続されるコンセントと、を備え、前記電源制御信号受信部で起動のための電源制御信号を受信した場合に、前記映像信号受信部へ電力を供給すると共に、前記コンセントへ電力を供給することを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項4に記載の通信装置は、第1の外部機器から映像信号を受信する映像信号受信部と、前記第1の外部機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、前記第1の外部機器から受信した映像信号を第2の外部機器へ出力する映像信号出力部と、前記制御信号受信部で制御信号を受信した場合に、起動のための電源制御信号を前記第2の外部機器へ送信する電源制御信号送信部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、データの流れと連動させて、より好適に消費電力の低減を図ることのできる通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信装置を含む通信システムの構成を示す図。
【図2】本発明の一実施形態に係る通信装置を含む通信システムの送信側の装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の一実施形態に係る通信装置を含む通信システムの送信側の装置の構成を示すブロック図。
【図4】本発明の一実施形態に係る映像送信装置の処理の流れを示すフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態に係る映像受信装置の処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の通信装置について、図面を参照しながら説明する。
まず、図1を参照して、本発明の通信装置の一実施形態に係る映像受信装置及び映像送信装置を含むシステムの構成を説明する。
本通信システムは、映像送信装置10と、映像受信装置20と、プレーヤ(ソース装置)30と、表示装置(シンク装置)40とを含む。ここで、本実施形態においては、プレーヤ30で符号化データを非圧縮の映像信号へ復号(デコード)し、当該映像信号が、非圧縮のまま映像送信装置10及び映像受信装置20を介して表示装置40へと伝送され、表示装置40で当該映像信号に基づく映像が表示される。
【0011】
プレーヤ30と、映像送信装置10との間は、たとえはHDMIケーブル50で接続される。上述の通り、プレーヤ30で復号された映像信号は、HDMIケーブル50を介して映像送信装置10へと出力される。また、プレーヤ30と映像送信装置10との間では、HDMIケーブル50のCECライン等を利用して、制御信号(CECコマンド)の通信も行なわれる。より具体的には、メニュー画面の表示切替や、電源オン、電源オフ(スタンバイを含む)等のための制御信号を伝送する。尚、当該制御信号については、プレーヤ30と映像送信装置10との間で双方向に通信可能である。尚、当該CECコマンドは、プレーヤ30、映像送信装置10、映像受信装置20、表示装置40のいずれの機器間でも双方向に通信することが可能である。
【0012】
映像送信装置10は、プレーヤ30から受信した映像信号を、無線で非圧縮のまま映像受信装置20へ送信する。このとき、映像送信装置10はWirelessHD規格等の方式で映像信号の伝送を行なうことができる。映像送信装置10と映像受信装置20との間のWirelessHD上では、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)と同様にCEC等の制御信号の伝送を行うことができる。
【0013】
更に、映像送信装置10は映像受信装置20に対し、WirelessHDとは別の通信方式(例えばIrDA)等により電源オン/オフの切換を行なうための電源制御信号を送信することができる。当該電源制御信号の通信に用いられる通信方式は、少なくとも使用される通信モジュールの待機電力が映像信号の伝送に使用されるWirelessHDよりも小さいことが求められる。特に、映像受信装置20側の当該電源制御信号の通信に使用される通信モジュールは、(外部からの電源供給を受けずに)コンデンサのみで信号を通信(受信)できるほど待機電力が小さいことが望ましい。
【0014】
映像受信装置20と、表示装置40との間は、たとえばHDMIケーブル70で接続される。上述の通り、映像受信装置20が映像送信装置10から受信した非圧縮の映像信号は、HDMIケーブル70を介して表示装置40へと出力される。また、映像受信装置20と表示装置40との間は、HDMIケーブル70のCECラインを使用して、制御信号(CECコマンド)の通信を行なうことが可能である。
【0015】
更に、映像受信装置20は、コンセント(図1には図示せず)を有し、表示装置40へ電力を供給するための電源ケーブル60が接続される。電源ケーブルが映像受信装置20に接続されることにより、映像受信装置20から表示装置40への電力供給が行われ、表示装置40が表示等の処理を行うことができるようになる。
【0016】
ここで、本通信システムでは、上述の通り映像送信装置10と映像受信装置20との間で映像信号及び制御信号(CECコマンド)の伝送が行なわれるWirelessHD等の通信方式と、電源制御信号(電源オン/オフを切り換えるための)の伝送が行なわれるIrDA等の通信方式との2方式の通信方式での伝送が可能である。ここで、映像信号の伝送が行なわれるWirelessHDは、電源制御信号の伝送が行なわれるIrDA等のよりも、通信モジュールの消費電力が低い。以下、電源制御信号の授受が行なわれる通信モジュールは外部電源(図示せず)からの電力供給を受けずとも、コンデンサ等に蓄電された電力で動作可能であるとする。
【0017】
また、映像受信装置20の電源オフ時には、表示装置40へ電力供給を行う電源ケーブル60が接続されるコンセントを含む、映像受信装置20全体の電力供給が停止される。これにより、電源オフ時には、表示装置40及び映像受信装置20の両装置で外部供給の電力が消費されることはなくなり、待機電力をゼロとすることが可能となる。
【0018】
一方、映像信号伝送開始時には、例えばプレーヤ30からCECコマンド等により起動等が指示される(起動を伴うCECコマンドの送信も含む)ので、このとき、映像送信装置10は電源オンのための電源制御信号を映像受信装置20へ送信する。これにより、映像受信装置20は、電源ケーブル60へ電力を供給するコンセントを含む装置全体への電力が供給される。これにより、映像受信装置20のみならず表示装置40までも起動させることが可能となる。
【0019】
続いて、図2を参照しながら映像送信装置10及びプレーヤ30の構成について説明する。図2は、映像送信装置10及びプレーヤ30の構成を示す図である。
プレーヤ30は、映像信号処理部303、HDMI通信部305、及び制御信号処理部307を含む。
映像信号処理部303は、記録媒体301に記録された符号化映像データを復号(デコード)し、非圧縮の映像信号に変換する。ここで、記録媒体301は内蔵記憶媒体でも外部記憶媒体でも良い。また、映像信号処理部303が復号する映像データは、記録媒体301に記録されたものでなくとも、図示しないチューナで受信した放送波から得られるものであっても良い。
【0020】
HDMI通信部305は、映像信号処理部303で復号した映像信号に対して所定の暗号化を行なって、HDMIケーブル50を介して映像送信装置10へ出力する。尚ここで、映像送信装置10へ出力される映像信号は、非圧縮のまま出力される。
【0021】
制御信号処理部307は、HDMI通信部305で通信する、CECコマンド等の制御信号(制御コマンド)を処理する。より具体的には、CECコマンドでは、HDMIネットワーク上の各装置に対して、ネットワークトポロジー上の位置を示す物理アドレスを指定して、各装置にメニュー画面の表示やスタンバイモードへの移行、リモコン制御信号(再生/停止、チャネル切換などのリモコン制御信号)等の指示を行なうことが出来るので、制御信号処理部307は、ユーザからの指示(例えばリモコン操作による)等に応じて、HDMIネットワーク上の各機器にCECコマンドをHDMI通信部305から送信すると共に、HDMI通信部305で受信する、HDMIネットワーク上の各機器からのCECコマンドに応じた処理を行う。
【0022】
尚ここで、映像信号はプレーヤ30から映像送信装置10へ一方向にしか出力されないが、CECコマンドは映像送信装置10とプレーヤ30との間で双方向に通信可能である。
【0023】
続いて、映像送信装置10の構成について説明する。映像送信装置10は、HDMI通信部101と、映像信号処理部103と、WirelessHD通信部105と制御部107と、電源制御信号送信部109とを有する。
【0024】
HDMI通信部101は、映像信号入力部101aと制御通信部101bとを有する。映像信号入力部101aは、プレーヤ30から受信した暗号化された非圧縮の映像信号を復号(暗号を解読)し、映像信号処理部103へと出力する。制御信号通信部101bは、制御部107による制御の下、プレーヤ30との間でCECコマンド等の制御信号の通信を行なう。
【0025】
映像信号処理部103は、制御部107による制御の下、HDMI通信部101から出力された映像信号をWirelessHD通信部105の映像信号送信部105aへ出力する。
【0026】
WirelessHD通信部105は、映像信号送信部105a、制御信号通信部105b、及びHostインタフェース(I/F)レジスタ105cを有する。映像信号送信部105aは、映像信号処理部103から非圧縮の映像信号の入力を受け、当該映像信号に暗号化を行なって映像受信装置20へと非圧縮のまま送信する。
【0027】
制御信号通信部105bは、制御部107による制御の下、CECコマンド等の制御信号を映像受信装置20との間で通信(送受信)する。
Hostインタフェースレジスタ105cは、シンク装置である表示装置40が起動中であるか否かの状態を記録するためのレジスタ(メモリ)である。尚、本実施形態において、表示装置40の電源ケーブル60は映像受信装置20のコンセントに接続されているため、表示装置40の起動中であるかどうかの状態は、映像受信装置20の起動状態と一致する。そこで、Hostインタフェースレジスタ105cは、映像受信装置20が起動中であるか否か(WirelessHD通信部105で映像受信装置20と通信可能な状態であるか否か)の状態を記録しておけば良い。
【0028】
尚、シンク装置である表示装置40の起動状態の確認方法については、映像受信装置20の起動状態を確認する方法に限られない。例えば、CECコマンドを制御信号通信部105bから表示装置40宛に送信し、それに対するレスポンスが返ってくるか否か等によっても判断することができる。
【0029】
制御部107は、例えばCPU(Central Processing Unit)やメモリなどから構成され、映像信号送信装置10内の各構成を統括制御する。また、制御部107は、HDMI通信部101の制御信号通信部101bを介してプレーヤ30と通信するCECコマンド、及びWirelessHD通信部105の有する制御信号通信部105bを介して映像受信装置20と通信するCECコマンド、電源制御信号送信部109を用いて映像受信装置に送信する電源制御信号に関する制御を行なう。HDMI通信部101で受信したCECコマンドが、シンク装置である表示装置40側の装置へのものである場合には、WirelessHD通信部105の制御信号通信部105bから、シンク装置側へ当該CECコマンドを送信する。また同様に、WirelessHD通信部105で受信したCECコマンドが、ソース装置であるプレーヤ30側の装置へのものである場合には、当該CECコマンドをHDMI通信部101の制御信号通信部101bから送信する。
【0030】
ここで特に、制御部107は、プレーヤ30側から表示装置40の電源オンを伴うCECコマンド、より具体的には、メニュー画面の表示を指示するImage View On、Text View Onコマンドを受信した場合に、映像受信装置20を電源オンするための電源制御信号を電源制御信号送信部109から送信させる。尚ここで、HDMI規格上、Image View OnコマンドやText View Onコマンドは、当該CECコマンドを受信した装置が電源オフ状態である場合には、電源をオンする旨が規定されている。
【0031】
電源制御信号送信部109は、制御部107による制御の下、映像受信装置20に対して電源オン/オフのための電源制御信号を送信する。特に、上述の通り、表示装置40を起動させるためのCECコマンドをHDMI通信部101で受信した場合には、電源制御信号送信部109から電源オンのための電源制御信号を送信する。
【0032】
次に、図3を参照しながら映像受信装置20及び表示装置40の構成について説明する。図3は、映像受信装置20及び表示装置40の構成を示す図である。
WirelessHD通信部201は、映像信号受信部201a及び制御信号通信部201bを有する。映像信号受信部201aは、映像送信装置10から暗号化された非圧縮の映像信号を受信し、これを復号(解読)して映像信号処理部203へ出力する。
【0033】
制御信号通信部201bは、制御部209による制御の下、CECコマンド等の制御信号を映像送信装置10との間で双方向に通信する。
HDMI通信部205は、制御部209による制御の下、映像信号処理部203から出力された映像信号を暗号化して、非圧縮のまま表示装置40へと送信する。また、制御部209による制御の下、CECコマンドを表示装置40との間で双方向に通信する。
【0034】
電源制御信号受信部207は、電源オン/オフのための電源制御信号を映像送信装置10から受信する。上述の通り、当該電源制御信号の通信はIrDA等のWirelessHDとは異なる通信方式により行なわれる。また、本実施例においては、電源制御信号受信部207は待機時の消費電力が十分に小さく、外部からの電力供給を受けずとも、内蔵するコンデンサに溜められた電力のみで長期間受信動作が可能であるものとする。映像受信装置20が外部から電力が供給されていない待機時に電源制御信号受信部207で電源オンのための電源制御信号を受信すると、電源制御信号受信部207は制御部209の電源制御部209aへその旨の信号を出力する。
【0035】
制御部209は、例えばCPUやメモリ等から構成され、映像受信装置20内の各構成を統括制御する。また、WirelessHD通信部201の制御信号通信部201bやHDMI通信部205で受信したCECコマンドに係る処理を行うと共に、電源制御信号受信部207で電源オンのための電源制御信号を受信した場合には、その旨の信号を受信した電源制御部209aにより、コンセント211を含む映像受信装置20全体への電力供給を開始させて、映像受信装置20全体を起動させる。コンセント211には、上述の通り、表示装置40へ電力を供給するための電源ケーブル60が接続される。
【0036】
続いて、表示装置40の構成を説明する。表示装置40は、HDMI通信部401と映像信号処理部403と表示部405と電源ケーブル接続部407とを有する。HDMI通信部401は、映像受信装置20から受信した、暗号化された非圧縮の映像信号を復号(暗号を解読)して映像信号処理部403へ出力する。
【0037】
映像信号処理部403は、HDMI通信部401から出力された映像信号を表示信号に変換して表示部405へ出力して表示部405へ映像を表示させる。
電源ケーブル接続部407は、映像受信装置20のコンセント211へ接続される電源ケーブル60が接続される接続端子を含む。電源ケーブル接続部407へ電力供給が成されると、表示装置40へ電力供給が行われるので、表示装置40が起動する。
【0038】
次に、映像送信装置10の処理の流れについて図4を参照しながら説明する。図4は、映像送信装置10の処理の流れを示すフローチャートである。
映像送信装置10は、CECコマンドをHDMI通信部101の制御信号通信部101bで受信すると(S401のYes)、当該CECコマンドが、表示装置40宛のImage View Onコマンド及びText View Onコマンドのどちらかであるか否かを制御部107で判断する(S403)。
【0039】
CECコマンドがImage View Onコマンド又はText View Onコマンドである場合には、制御部107はWirelessHD通信部105のHostインタフェースレジスタ105cからデータを読出し(S405)、表示装置40(TV)が起動済であるか否かを判別する(S407)。表示装置40が起動していない、即ち映像受信装置20が起動していない場合には(S407のNo)、制御部107は、電源制御信号送信部109に電源オンのための電源制御信号を映像受信装置20へ送信させる(S409)。
【0040】
プレーヤ30から受信したCECコマンドがImage View On及びText View Onのどちらでもない場合(S403のNo)、表示装置40が起動済みの場合(S407のYes)、又は電源制御信号送信部109からの電源オンのための電源制御信号送信(S409)後、制御部107はS401で受信したCECコマンドに応じた処理を行う(S411)。より具体的には、例えば表示装置40宛のCECコマンドである場合には、WirelessHD通信部105の制御信号通信部105bに、当該CECコマンドの映像受信装置20への送信を行なわせる。
【0041】
S411でのCECコマンドの処理後、制御部107は処理を終了するか否かを判別し(S413)、終了しない場合(S413のNo)にはS401の処理へ戻ってCECコマンドの受信待機状態となる。
【0042】
続いて、映像受信装置20側の処理の流れについて、図5を参照しながら説明する。図5は、映像受信装置20の処理の流れを示すフローチャートである。
映像受信装置20は、CECコマンドをWirelessHD通信部201の制御信号通信部201bで受信すると(S501のYes)、当該CECコマンドが表示装置40宛のStand Byコマンドであるか否かを判別する(S503)。
【0043】
Stand Byコマンドである場合には(S503のYes)、HDMI通信部205から表示装置40へと当該CECコマンドを送信する(S507)。そして、当該CECコマンドの送信後、表示装置40がスタンバイ状態になるまでの十分な時間の経過を待ってから自装置の電源オフ制御を行なうと共に、コンセント211を含む自装置全体への電力供給を停止させる(S509)。
【0044】
S501で受信したCECコマンドがStand Byコマンドでない場合には(S503のNo)、通常通りコマンドに応じた処理を行う(S505)。その後、S501に戻ってCECコマンド受信を待つ状態に戻る。
【0045】
また、S509での映像受信装置20の電源オフ後(電源オフ時点でも、電源制御信号受信部207は、自身の有するコンデンサによって動作し、電源制御信号を受信可能な状態にある)、電源制御信号受信部207で電源オンのための電源制御信号を受信した場合には(S511のYes)、その旨を制御部209の電源制御部209aへ出力して、コンセント211を含む装置全体への電力供給を開始させると共に、映像受信装置20全体を起動させる(S513)。これにより、コンセント211に接続された電源ケーブル60により電力供給を受ける表示装置40も合わせて起動することになる。起動後は、S501に戻ってCECコマンドの新たな受信を待つ状態に戻る。
【0046】
以上説明したように、本実施例によれば、映像受信装置20は、表示装置40へ電源を供給する電源ケーブル60が接続されるためのコンセント211を接続可能となっているので、映像受信装置20の起動状態と、表示装置40との起動状態との連動性を持たせることが可能である。CECコマンド等により、表示装置40の起動をオフする旨のコマンドを受信した場合には、映像受信装置20も電源オフ状態となることによって、映像受信装置20及び表示装置40の双方の待機電力をほぼゼロとすることができる。この効果は、電源オンのための電源制御信号受信部207が外部からの電力を必要としない場合に、更に顕著となる。
【0047】
電源オンの際には、映像送信装置10から、映像信号とは異なるデバイスで電源制御信号を映像受信装置20に送信することにより、消費電力の大きいWirelessHD通信部201を起動させることなく電源オンの制御が可能となり、更に、映像受信装置20及び表示装置40の双方を起動させることが可能となる。そして、起動時は、映像信号の通信経路も確保されることとなるため、データの流れと連動させて、好適に消費電力の低減も図ることができる。
【0048】
また、本願の映像受信装置は、CECコマンド等で映像送信装置10から電源オフの旨を受信した場合には、まずその旨をCECコマンドで表示装置40へ出力した後、十分な時間が経過してからコンセント211を含む自装置全体への電力供給を停止する。これにより、表示装置40がまだ電源オフとなる準備が出来ていない状態で、強制的に電力供給を停止させる事態を避けることが可能である。
【0049】
また、映像送信装置10は、表示装置40の起動状態を確かめるためのレジスタ105cを備え、その状態に応じて電源制御信号の送信の要否を判断している。これにより、不要な電源制御信号の送受信の発生を避けることが可能である。
【0050】
更に、映像送信装置10は、表示装置40の起動を伴うCECコマンドの受信時には、電源制御信号による映像受信装置20の起動後に、当該CECコマンドをWirelessHD通信部105から送信するようにしているので、当該CECコマンドによる、メニュー画面表示等の表示装置40の動作が可能となる。
【符号の説明】
【0051】
10・・・映像送信装置
20・・・映像受信装置
30・・・プレーヤ
40・・・表示装置
50、70・・・HDMIケーブル
60・・・電源ケーブル
101・・・HDMI通信部
101a・・映像信号入力部
101b・・・制御信号通信部
103・・・映像信号処理部
105・・・WirelessHD通信部
105a・・・映像信号送信部
105b・・・制御信号通信部
105c・・・Hostインタフェースレジスタ
107・・・制御部
109・・・電源制御信号送信部
201・・・WirelessHD通信部
201a・・・映像信号受信部
201b・・・制御信号通信部
203・・・映像信号処理部
205・・・HDMI通信部
207・・・電源制御信号受信部
209・・・制御部
209a・・・電源制御部
211・・・コンセント
301・・・記憶媒体
303・・・映像信号処理部
305・・・HDMI通信部
307・・・制御信号処理部
401・・・HDMI通信部
403・・・映像信号処理部
405・・・表示部
407・・・電源ケーブル接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の外部機器から映像信号を受信する映像信号受信部と、
前記第1の外部機器から受信した映像信号を第2の外部機器へ出力する映像信号出力部と、
前記第1の外部機器から電源制御信号を受信する、前記映像信号受信部よりも消費電力の低い電源制御信号受信部と、
前記第2の外部機器へ電力を供給するための電源ケーブルが接続されるコンセントとを備え、
前記電源制御信号受信部で起動のための電源制御信号を受信した場合に、前記映像信号受信部へ電力を供給すると共に、前記コンセントへ電力を供給すること
を特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記第1の外部機器から電源オフのための制御信号を受信する制御信号受信部
を更に備え、
前記電源オフのための制御信号を受信した場合に、前記コンセントへの電力供給を停止すること
を特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記コンセントへの電力供給の停止前に、前記第2の外部機器へ前記電源オフのための制御信号を送信すること
を特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
第1の外部機器から映像信号を受信する映像信号受信部と、
前記第1の外部機器から制御信号を受信する制御信号受信部と、
前記第1の外部機器から受信した映像信号を第2の外部機器へ出力する映像信号出力部と、
前記制御信号受信部で制御信号を受信した場合に、起動のための電源制御信号を前記第2の外部機器へ送信する電源制御信号送信部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項5】
前記電源制御信号送信部は、前記制御信号受信部で制御信号を受信した場合であって、前記第2の外部機器が起動していない場合に、前記起動のための電源制御信号を送信すること
を特徴とする請求項4記載の通信装置。
【請求項6】
前記電源制御信号送信部からの前記起動のための電源制御信号の送信後、前記制御信号受信部で受信した制御信号を送信する制御信号送信手段
を更に備えることを特徴とする請求項4記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−142368(P2011−142368A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294257(P2009−294257)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】