説明

通信装置

【課題】ソース装置でエラーが発生したことをユーザに正しく認識させるようにする。
【解決手段】外部装置にエラーの通知を行う通信装置であって、前記通信装置におけるエラーを検出する検出手段と、被写体の光学像から画像データを生成する撮像手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第1のエラー通知と前記撮像手段によって生成された画像データとが重畳された第1のデータを前記外部装置に送信する第1の通信手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第2のエラー通知を含む第2のデータを前記外部装置に送信する第2の通信手段と、前記検出手段によってエラーが検出された場合、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のいずれか一つに応じてエラーを前記外部装置に通知するように制御する制御手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置と通信を行う通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)(登録商標)と呼ばれる通信インターフェースが提案されている。HDMI規格に準拠した通信システム(以下、「HDMIシステム」と呼ぶ。)は、ソース(Source)装置とシンク(Sink)装置とを有する。ソース装置は、映像データをHDMIインターフェースを介して送信することができる。シンク装置は、ソース装置からの映像データをHDMIインターフェースを介して受信し、受信した映像データを表示器に表示することができる。
【0003】
また、HDMIシステムでは、CEC(Consumer Electronics Control)規格に準拠したコマンド(以下、「CECコマンド」と呼ぶ。)を用いることができる。ソース装置は、CECコマンドを用いることにより、シンク装置を制御することができる。シンク装置も、CECコマンドを用いることにより、ソース装置を制御することができる。
【0004】
ソース装置が映像データをシンク装置に送信するための認証処理を行う場合に、シンク装置との認証にエラーが発生したとき、エラーが発生したことを示す文字データを含むCECコマンドをシンク装置に送信するソース装置が開示されている(特許文献1)。この場合、シンク装置が表示器にソース装置から受信したエラーが発生したことを示す文字データを表示することによって、ソース装置でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−077347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ソース装置は、CECコマンドに含まれる文字データがシンク装置の表示器にどのように表示されるかを検出できず、文字データが表示される位置や文字の大きさをシンク装置に指示することができなかった。
【0007】
これにより、ソース装置からシンク装置に送信されたCECコマンドに含まれる文字データの一部がシンク装置の表示器に表示されないような事態があった。
【0008】
そのため、シンク装置の表示器に表示される文字データによって、ソース装置でエラーが発生したことをユーザに正しく認識させることができなかった。
【0009】
そこで、本発明は、ソース装置でエラーが発生したことをユーザに正しく認識させるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る通信装置は、外部装置にエラーの通知を行う通信装置であって、前記通信装置におけるエラーを検出する検出手段と、被写体の光学像から画像データを生成する撮像手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第1のエラー通知と前記撮像手段によって生成された画像データとが重畳された第1のデータを前記外部装置に送信する第1の通信手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第2のエラー通知を含む第2のデータを前記外部装置に送信する第2の通信手段と、前記検出手段によってエラーが検出された場合、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のいずれか一つに応じてエラーを前記外部装置に通知するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る通信装置は、外部装置にエラーの通知を行う通信装置であって、前記通信装置におけるエラーを検出する検出手段と、記録媒体から画像データを読み出す再生手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第1のエラー通知と前記再生手段によって前記記録媒体から読み出された画像データとが重畳された第1のデータを前記外部装置に送信する第1の通信手段と、前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第2のエラー通知を含む第2のデータを前記外部装置に送信する第2の通信手段と、前記検出手段によってエラーが検出された場合、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のいずれか一つに応じてエラーを前記外部装置に通知するように制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ソース装置でエラーが発生したことをユーザに正しく認識させるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1及び2に係る通信システムを示す図である。
【図2】実施例1及び2に係る通信システムの一例を示すブロック図である。
【図3】実施例1及び2に係るエラーリストを示す図である。
【図4】実施例1及び2に係る第1のエラー警告処理のフローチャートである。
【図5】実施例1に係る第2のエラー警告処理のフローチャートである。
【図6】実施例2に係る第2のエラー警告処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例の説明は図面を参照しながら行う。ただし、以下の実施例はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0015】
[実施例1]
実施例1に係る通信システムは、図1に示すように、通信装置100と外部装置200とが、接続ケーブル300を介して通信可能に接続されている。
【0016】
通信装置100は、接続ケーブル300を介して映像(video)データ、音声(audio)データ及び補助データを外部装置200に送信することができる映像出力装置である。外部装置200は、通信装置100から受信した映像データを表示器に表示し、通信装置100から受信した音声データをスピーカから出力する表示装置である。通信装置100及び外部装置200はいずれも、接続ケーブル300を介して様々な制御コマンドを双方向に送信することができる。
【0017】
実施例1において、通信装置100、外部装置200及び接続ケーブル300は、HDMI規格に準拠するものとする。したがって、通信装置100は、HDMI規格におけるHDMIソース(Source)として機能するソース装置であり、外部装置200は、HDMI規格におけるHDMIシンク(Sink)として機能するシンク装置である。
【0018】
実施例1において、通信装置100及び外部装置200は、HDMI規格が規定しているCEC(Consumer Electronics Control)プロトコルに準拠するものとする。通信装置100と外部装置200との間で双方向に送信される制御コマンドは、CECプロトコルに準拠している。以下、CECプロトコルに準拠した制御コマンドを「CECコマンド」と呼ぶ。
【0019】
実施例1では、通信装置100の一例としてデジタル一眼レフカメラ(以下カメラとする)を用いる。勿論、通信装置100は、デジタル一眼レフカメラに限るものではなく、HDMIソース装置としての機能を持つ装置であれば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、レコーダ、DVDプレイヤ等の映像出力装置を通信装置100として用いてもよい。
【0020】
実施例1では、外部装置200の一例としてテレビジョン受像機(以下、「テレビ」と呼ぶ)を用いる。もちろん、外部装置200は、テレビに限るものではなく、HDMIシンク装置としての機能を持つ装置であれば、プロジェクタやパーソナルコンピュータ等の表示装置を外部装置200として用いてもよい。
【0021】
以下、通信装置100を「カメラ100」と呼び、外部装置200を「テレビ200」と呼び、接続ケーブル300を「HDMIケーブル300」と呼ぶ。
【0022】
次に、図2を参照して、HDMIケーブル300を説明する。
【0023】
HDMIケーブル300は、+5Vパワーライン301、HPD(Hot Plug Detect)ライン302、DDC(Display Data Channel)ライン303を有する。HDMIケーブル300はさらに、TMDS(Transition Minimized Differential Singnaling)ライン304、CECライン305を有する。
【0024】
+5Vパワーライン301は、カメラ100からテレビ200に+5V電源を供給するための電力供給ラインである。
【0025】
HPDライン302は、高電圧レベル(以下、Hレベル)又は低電圧レベル(以下、Lレベル)のHPD信号をテレビ200からカメラ100に伝送するための伝送ラインである。
【0026】
DDCライン303は、テレビ200のデバイス情報をテレビ200からカメラ100に伝送するための伝送ラインである。
【0027】
テレビ200のデバイス情報とはテレビ200のEDID(Extended display identification data)又はE−EDID(Enhanced EDID)である。EDID及びE−EDIDはいずれも、テレビ200のデバイス情報として、テレビ200に関するテレビ200の識別情報、テレビ200の表示能力や音声能力などに関する情報等を含む。例えば、EDID及びE−EDIDには、テレビ200がサポートしている解像度、走査周波数、アスペクト比、色空間などに関する情報が含まれている。E−EDIDは、EDIDを拡張したものであり、EDIDよりも多くのデバイス情報を含む。例えば、E−EDIDには、テレビ200がサポートしている映像データ及び音声データのフォーマットなどに関する情報が含まれている。テレビ200の識別情報とは、テレビ200の製品名、テレビ200の製造者名及びテレビ200の製造年等を示す情報である。以下、EDID及びE−EDIDをいずれも「EDID」と呼ぶ。テレビ200のEDIDを受信したカメラ100は、テレビ200のEDIDを参照することにより、テレビ200の表示能力、音声能力などを自動的に知ることができる。さらに、CPU101は、テレビ200の表示能力及び音声能力に適した映像フォーマット及び音声フォーマットを自動的に知ることができる。カメラ100の設定をテレビ200に適した設定にすることにより、カメラ100は、カメラ100からテレビ200に送信される映像データ及び音声データをテレビ200の能力に適した映像データ及び音声データにすることができる。
【0028】
TMDSライン304は、カメラ100からテレビ200に映像データ、音声データ及び補助データを伝送するための伝送ラインである。TMDSライン304は、TMDSチャンネル0、TMDSチャンネル1、TMDSチャンネル2及びTMDSクロックチャンネルを含む。
【0029】
CECライン305は、カメラ100とテレビ200との間で様々なCECコマンドを双方向に伝送するための伝送ラインである。テレビ200は、カメラ100を制御するためのCECコマンドをCECライン305を介してカメラ100に送信することにより、カメラ100を制御することができる。
【0030】
なお、HDMIケーブル300は、HDMI1.3規格に対応しているものであっても、HDMI1.3規格以降の規格に対応しているものであってもよい。
【0031】
また、接続ケーブル300の一例として、「HDMIケーブル300」について説明を行ったが、接続ケーブル300は、HDMI規格と互換性のある通信インターフェースであってもよく、HDMIケーブル以外の通信ケーブルに対応するものであってもよい。
【0032】
<カメラ100>
次に、図2を参照して、カメラ100の構成の一例を説明する。
【0033】
カメラ100は、図2に示すように、CPU101、メモリ102、通信部103、撮像部104、画像処理部105、記録部106、表示部107、操作部108、電源供給部109及び異常検知部110を有する。以下、カメラ100について説明する。
【0034】
CPU101は、メモリ102に格納されているコンピュータプログラムに従って、カメラ100全体の動作を制御する。CPU101は、テレビ200のEDIDを用いてカメラ100全体の動作を制御することもできる。CPU101はカメラ100の各部から供給されたデータを解析することによってカメラ100全体を制御する。また、CPU101は電源供給部109から各部に電力を供給するように制御したり、電力の供給を停止するように制御する。
【0035】
メモリ102は、CPU101のワークエリアとして機能する。メモリ102に記憶される情報には、テレビ200のEDID、テレビ200のEDIDをCPU101が解析した解析結果等がある。また、メモリ102には、各部の動作に対するフラグの設定やCPU101によって行われた演算や解析の結果等が記録される。また、メモリ102には、図3に示すようなエラーリストが記録されている。エラーリストには、エラーの種類を識別するためのエラー信号と、エラーの種類に対応するエラー警告とが関連付けて記録されている。エラー信号とは、図3の「エラー1」、「エラー2」、「エラー3」及び「エラー4」が該当する。エラー警告とは、図3の「撮像素子の温度が高温」、「記録媒体の温度が高温」、「バッテリの残量が不足」及び「記録媒体の残量が不足」の項目等である。図3には、エラー種類とエラー警告とが各々4つ示されているが、エラーリストには、これ以外のエラーの種類とエラーの警告とが記録されていてもよい。また、メモリ102には、カメラ100の製品名を示す情報、カメラ100の製品カテゴリを示す情報及びカメラ100の製造者名を示す情報等も記録されている。
【0036】
なお、CPU101のワークエリアは、メモリ102に限られるものではなく、ハードディスク装置等の外部記録装置等であってもよい。
【0037】
通信部103は、HDMIケーブル300を接続するための接続端子を有し、接続端子を介して、テレビ200のEDIDを取得し、CECコマンドの送受信や映像データや音声データ、補助データ等の送信を行う。通信部103は、データ送信部103aとコマンド処理部103bを有する。
【0038】
通信部103は、電源供給部109から供給された電力から+5V電源を生成し、生成した+5V電源を+5Vパワーライン301を介してテレビ200に送信するようにCPU101によって制御される。
【0039】
また、通信部103は、テレビ200から送信されてくるHPD信号を、HPDライン302を介して受信することができる。通信部103は、HPDライン302を介して受信したHPD信号がHレベルのHPD信号からLレベルのHPD信号に変化した場合、HPD信号がHレベルからLレベルに変化した旨をCPU101に通知する。また、通信部103は、HPD信号がLレベルのHPD信号からHレベルのHPD信号に変化した場合も同様にHPD信号がLレベルからHレベルに変化した旨をCPU101に通知する。CPU101から受信したHPD信号を要求された場合、通信部103はHPD信号をCPU101に供給する。
【0040】
また、通信部103は、テレビ200からEDIDをDDCライン303を介して取得することができる。CPU101に通知されたHPD信号がHレベルの場合、通信部103はDDCライン303を介して、テレビ200からテレビ200のEDIDを取得することができる。CPU101に通知されたHPD信号がLレベルの場合、通信部103はDDCライン303を介してテレビ200からEDIDを取得することはできない。通信部103は、EDIDを取得した場合、取得したEDIDをCPU101に供給し、CPU101は供給されたEDIDの解析を行い、供給されたEDID及びEDIDの解析結果をメモリ102に記録する。
【0041】
データ送信部103aは、映像データと、音声データと、補助データとを、TMDSライン304を介してテレビ200に送信することができる。カメラ100の動作モードが撮影モードである場合、通信部103は、撮像部104で生成された映像データと、不図示のマイクロフォン部で生成された音声データとをTMDSライン304を介してテレビ200に送信することができる。この場合、CPU101で生成された補助データも、映像データ及び音声データとともにTMDSライン304を介してテレビ200に送信される。カメラ100の動作モードが再生モードである場合、通信部103は、記録部106が記録媒体106aから再生した映像データ及び音声データをTMDSライン304を介してテレビ200に送信することができる。この場合、CPU101で生成された補助データも、映像データ及び音声データとともにTMDSライン304を介してテレビ200に送信される。また、データ送信部103aは映像データや音声データを別々に送信するものであってもよい。
【0042】
コマンド処理部103bは、テレビ200から送信されたCECコマンドをCECライン305を介して受信する。テレビ200から受信したCECコマンドは、コマンド処理部103bからCPU101に供給される。CPU101は、テレビ200から受信したCECコマンドに応じてカメラ100を制御する。
【0043】
また、コマンド処理部103bは、テレビ200を制御するためのCECコマンドをCECライン305を介してテレビ200に送信する。テレビ200を制御するためのCECコマンドは、CPU101で生成され、CPU101からコマンド処理部103bに供給される。また、カメラ100がテレビ200にCECコマンドを送信した場合に、テレビ200がカメラ100からのCECコマンドを受信できたとき、テレビ200はCECコマンドに対する応答信号をカメラ100に送信する。そのため、コマンド処理部103bは、CECコマンドに対する応答信号をテレビ200から受信することができる。CECコマンドに対する応答信号には、肯定応答を示すAck信号と否定応答を示すNack応答とがある。
【0044】
撮像部104は、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合は、被写体を撮影し、当該被写体の光学像から映像データを生成する。撮像部104で生成される映像データは、動画データ、静止画データのいずれでもよい。撮像部104で生成された映像データは、撮像部104からデータ送信部103a、記録部106及び表示部107に供給される。テレビ200から正しいEDIDを受信できた場合、CPU101は、撮像部104からデータ送信部103aに供給される映像データを、テレビ200の表示能力に適した映像データに変換する。撮像部104からデータ送信部103aに供給された映像データは、TMDSライン304を介してテレビ200に送信される。撮像部104から記録部106に供給された映像データは、記録媒体106aに記録される。撮像部104から表示部107に供給された映像データは、表示部107に表示される。
【0045】
撮像部104は、不図示のレンズユニットと接続可能な接続端子を有する。レンズユニットは、バリエータレンズやフォーカシングレンズ等の撮影レンズ群や絞り及びそれらの駆動回路等を含んでいる。また、撮像部104は、フォーカルプレーン式のシャッター、撮像素子104a、ミラー手段104b、A/D変換部、タイミング発生回路、ファインダー及び温度検出部104c等を備える。
【0046】
撮像素子104aは、撮像部104の接続端子に接続された不図示のレンズユニットを介して入射した被写体の光学像を電気信号である画像信号に変換する。撮像素子の一例として、例えばCCDイメージセンサやCMOSセンサがある。ミラー手段104bは、レンズユニットを介して入射した被写体の光学像を撮像素子104aに導く位置、またはレンズユニットを介して入射した被写体の光学像をファインダーに導く位置に移動する。被写体の光学像を撮像素子104aに導く位置とは、ミラー手段104bが被写体の光学像から退避している位置である。被写体の光学像をファインダーに導く位置とは、被写体の光学像をファインダーに導くためにミラー手段104bが被写体の光学像をファインダーに向けて反射している位置である。
【0047】
A/D変換部は撮像素子104aから出力される画像信号(アナログデータ)をデジタルデータ(映像データ)に変換し、メモリ102、通信部103、画像処理部105、記録部106及び表示部107に供給する。タイミング発生回路は、撮像部104の各部にクロック信号や制御信号を供給する。また、撮像部104は、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合は、被写体を撮影し、当該被写体の光学像から映像データを生成する。撮像部104は、カメラ100の動作モードが再生モードである場合は、被写体の撮影を停止し、当該被写体の光学像からの映像データの生成を停止する。なお、撮像部104によって生成される映像データは、静止画データであっても、動画データであってもよい。
【0048】
撮像素子104aの温度が高温になった場合、撮像素子104aによって生成される画像信号(アナログデータ)にノイズが発生し、撮像部104によって生成される映像データが劣化してしまう。このような事態を防ぐために温度検出部104cは、撮像素子104aで生成される画像信号(アナログデータ)の劣化を防ぐために撮像素子104aの温度を検出する。また、温度検出部104cは、撮像素子104aの温度を示す第1の温度情報を異常検知部110に出力する。
【0049】
画像処理部105は、撮像部104から出力された映像データ、またはメモリ102や記録媒体106aから読み出された映像データに対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行う。画像処理部105は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により映像データを公知の圧縮方法を用いて圧縮し、圧縮された映像データを伸長する圧縮伸長回路を備えている。なお、映像データを圧縮する圧縮方式として、JPEG方式、MPEG方式、RAW方式等が挙げられる。メモリ102から読み出された映像データは、圧縮伸長回路において、圧縮処理、または伸長処理が行われ、画像処理部105は、圧縮処理または伸長処理を終えた映像データを記録部106、または通信部103に出力する。
【0050】
また、画像処理部105は、メモリ102に格納されているテレビ200のEDIDに応じて撮像部104、または記録部106から供給された映像データからテレビ200の画像表示能力に適した映像データを生成する。この場合、画像処理部105は、生成したテレビ200の画像表示能力に適した映像データを通信部103、または記録部106に供給する。
【0051】
撮像部104及び画像処理部105は、CPU101によって、AF処理及びAE処理を行うように制御される。CPU101からAF処理及びAE処理を開始するように指示された場合、画像処理部105は、撮像部104から出力される映像データを用いて演算処理を行う。撮像部104及び画像処理部105は、この演算結果に基づいて、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF処理及びAE処理を行う。
【0052】
また、撮像部104及び画像処理部105は、CPU101によって、静止画の撮影を行うように制御される。CPU101から静止画の撮影を開始するように指示された場合、撮像部104及び画像処理部105は露光処理や現像処理等の処理を含む撮影処理を実行する。撮像素子104aから出力されたアナログデータはA/D変換部を介してデジタルデータに変換され、映像データとしてメモリ102に書き込まれる。撮像部104及び画像処理部105は、メモリ102に書き込まれた映像データに対して現像処理や圧縮処理が行う。現像処理や圧縮処理が行われた映像データは、メモリ102から記録媒体106aに静止画データとして書き込まれる。なお、撮像部104及び画像処理部105がAF処理及びAE処理を行った場合、AF処理に関する情報及びAE処理に関する等の撮影情報はメモリ102に記録される。なお、撮影情報には、ライブビューの設定、AFの設定、シャッタースピード及び被写体の明るさを示す情報が含まれる。
【0053】
記録部106は、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合は、撮像部104で生成された映像データと、マイクロフォン部で生成された音声データとを記録媒体106aに記録する。また、記録部106は、画像処理部105によって、画像処理が行われた映像データを記録媒体106aに記録する。撮像部104及びマイクロフォン部で生成された映像データ及び音声データの記録媒体106aへの記録は、操作部108を介して入力されたユーザの指示に従ってCPU101が制御する。同様に画像処理部105によって画像処理が行われた映像データの記録媒体106aへの記録は、操作部108を介して入力されたユーザの指示に従ってCPU101が制御する。
【0054】
記録部106は、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合は、撮像部104で生成された映像データと、マイクロフォン部で生成された音声データとを記録媒体106aに記録することができる。撮像部104及びマイクロフォン部で生成された映像データ及び音声データの記録媒体106aへの記録は、操作部108を介して入力されたユーザの指示に従ってCPU101が制御する。
【0055】
記録部106は、カメラ100の動作モードが再生モードである場合は、ユーザによって選択された映像データ及び音声データを記録媒体106aから再生することができる。記録媒体106aから再生される映像データ及び音声データの選択は、操作部108を介して入力されたユーザの指示に従ってCPU101が制御する。
【0056】
記録部106が記録媒体106aから再生した映像データは、記録部106からデータ送信部103a及び表示部107に供給される。テレビ200から正しいEDIDを受信できた場合、CPU101は、記録部106からデータ送信部103aに供給される映像データを、EDIDに応じてテレビ200の表示能力に適した映像データに変換する。記録部106からデータ送信部103aに供給された映像データは、TMDSライン304を介してテレビ200に送信される。記録部106から表示部107に供給された映像データは、表示部107に表示される。記録部106が記録媒体106aから再生した音声データは、記録部106からデータ送信部103a及び不図示のスピーカ部に供給される。テレビ200から正しいEDIDを受信できた場合、CPU101は、記録部106からデータ送信部103aに供給される音声データを、EDIDに応じてテレビ200の音声能力に適した音声データに変換する。記録部106からデータ送信部103aに供給された音声データは、TMDSライン304を介してテレビ200に送信される。記録部106からスピーカ部に供給された音声データは、スピーカ部から出力される。
【0057】
記録媒体106aは、メモリカード、ハードディスク装置などの記録媒体である。記録媒体106aは、カメラ100に内蔵された記録媒体であっても、カメラ100から取り外し可能な記録媒体であってもよい。
【0058】
また、記録部106は、記録媒体106aを保護するために記録媒体106aの温度を検出する温度検出部106bを有する。温度検出部106bは、記録媒体106aの温度を示す第2の温度情報を異常検知部110に出力する。
【0059】
また、記録部106には、記録媒体106aの残りの容量を検出する残量検出部106cを有する。残量検出部106cは、記録媒体106aの残りの容量を示す残量情報を異常検知部110に出力する。なお、残量情報とは、カメラ100で撮影できる残りの静止画データの枚数を示す撮影可能枚数であっても良く、カメラ100で撮影できる残りの動画データの記録時間を示す記録可能時間であっても良い。
【0060】
表示部107は、液晶ディスプレイなどの表示器により構成される。カメラ100の動作モードが撮影モードである場合、表示部107は、撮像部104で生成された映像データを表示する。カメラ100の動作モードが再生モードである場合、表示部107は、記録部106が記録媒体106aから再生した映像データを表示する。
【0061】
操作部108は、カメラ100を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部108は、カメラ100を操作するための電源ボタン108a、モード変更ボタン108b、シャッターボタン108c、十字ボタン、メニューボタン等を有し、各ボタンはスイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU101は、操作部108を介して入力されたユーザの指示に従ってカメラ100を制御することができる。ユーザによって操作部108のボタンが操作された場合、操作部108から各ボタンに応じた操作信号がCPU101に入力される。CPU101は操作部108から入力された操作信号を解析し、解析結果に応じて操作信号に対応した処理を判定する。CPU101は、操作部108から入力された操作信号に対応した処理を実行するようにカメラ100の各部を制御する。
【0062】
電源ボタン108aは、カメラ100の電源をオンまたはオフのいずれかに変更することをCPU101に指示するボタンである。
【0063】
モード変更ボタン108bは、カメラ100の動作モードを撮影モード、再生モード等のいずれかに変更することをCPU101に指示するボタンである。撮影モードとは、撮像部104及び画像処理部105によって静止画データを生成するモードである。
【0064】
シャッターボタン108cは、カメラ100に動画データまたは静止画データを撮影することをCPU101に指示するボタンである。
【0065】
メニューボタンは、メモリ102に記憶されているカメラ100の設定を変更するためのメニュー画面の表示又は非表示をCPU101に指示するボタンである。これらのメニュー画面をユーザが操作することによって、カメラ100にライブビュー撮影の設定を行うことができる。ユーザは、メニューボタンを押下し、表示部107にメニュー画面を表示させ、十字ボタンによってライブビュー撮影の項目を選択し、ライブビュー撮影を行うように設定することができる。
【0066】
なお、ユーザによってライブビュー撮影の設定が「ON」に設定された場合、CPU101はメモリ102に格納されているライブビュー撮影の有無を示すライブビュー撮影設定フラグを「ON」にする。また、ライブビュー撮影の設定が「OFF」に設定された場合、CPU101はメモリ102内のライブビュー撮影設定フラグを「OFF」にする。
【0067】
電源供給部109は、AC電源、またはバッテリ109aからカメラ100の各部に必要な電源を供給する。また、電源供給部109は、バッテリ109aがカメラ100に装着されたか否かを判定すし、電源供給部109は、AC電源と接続されているか否かを判定する。また、電源供給部109は、バッテリ109aがカメラ100に装着され、かつ、AC電源がカメラ100と接続されていない場合、バッテリ109aの電圧を監視し、バッテリ109aの残量を検出する残量検出部109bを有する。また、残量検出部109bは、バッテリ109aの残量を示す残量情報を異常検知部110に出力する。また、残量検出部109bは、バッテリ109aから取得したバッテリ109aの残量を示す情報から、バッテリ109aの残量を検出しても良い。なお、残量情報は、バッテリ109aがカメラ100に供給する出力電圧を示す情報であっても良く、バッテリ109aの充電容量を示す情報であっても良い。なお、バッテリ109aの充電容量とは、満充電状態であるバッテリ109aに対するバッテリ109aの残量を示す値である。
【0068】
なお、バッテリ109aは、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池であっても、NiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池であっても良いものとする。また、バッテリ109aは、カメラ100に対して装着可能な電池である。
【0069】
異常検知部110は、温度検出部104cから供給された第1の温度情報を取得し、撮像素子104aの温度を定期的に監視する。異常検知部110は、第1の温度情報から撮像素子104aの温度が所定の温度以上になったか否かを監視することによって、カメラ100にエラーが発生しているか否かを判定する。異常検知部110が第1の温度情報に応じて撮像素子104aの温度が所定の温度以上であると判定した場合、異常検知部110は、撮像素子104aの温度が高温であることを示す第1のエラー信号をCPU101に供給する。なお、異常検知部110が第1の温度情報に応じて撮像素子104aの温度が所定の温度より低いと判定した場合、異常検知部110は、第1のエラー信号をCPU101に供給しないようにする。撮像素子104aの温度が所定の温度以上である状態から撮像素子104aの温度が所定の温度よりも低い状態になった場合、異常検知部110は、第1のエラー信号のCPU101への供給を停止する。なお、異常検知部110が撮像素子104aの温度と比較するための所定の温度は、あらかじめ、メモリ102に記録されている値であっても、CPU101が撮像素子104aの温度を監視することによって算出した値であってもよいものとする。
【0070】
また、異常検知部110は、記録媒体106aが装着されている場合、温度検出部106bから供給された第2の温度情報を取得し、記録媒体106aの温度を定期的に監視する。異常検知部110は、第2の温度情報から記録媒体106aの温度が所定の温度以上になったか否かを監視することによって、カメラ100にエラーが発生しているか否かを判定する。異常検知部110が第2の温度情報に応じて記録媒体106aの温度が所定の温度以上であると判定した場合、異常検知部110は、記録媒体106aの温度が高温であることを示す第2のエラー信号をCPU101に供給する。なお、異常検知部110が第2の温度情報に応じて記録媒体106aの温度が所定の温度よりも低いと判定した場合、異常検知部110は、第2のエラー信号をCPU101に供給しないようにする。記録媒体106aの温度が所定の温度以上である状態から記録媒体106aの温度が所定の温度よりも低い状態になった場合、異常検知部110は、第2のエラー信号のCPU101への供給を停止する。なお、異常検知部110が記録媒体106aの温度と比較するための所定の温度は、あらかじめ、メモリ102に記録されている値であっても、CPU101が記録媒体106aの温度を監視することによって算出した値であってもよいものとする。
【0071】
また、異常検知部110は、不図示のAC電源とカメラ100とが接続されていない場合、かつ、バッテリ109aが装着されている場合に、残量検出部109bから供給された残量情報を取得し、バッテリ109aの残量を定期的に監視する。異常検知部110は、残量情報からバッテリ109aの残量が所定値以上であるか否かを監視することによって、カメラ100にエラーが発生しているか否かを判定する。異常検知部110が残量情報に応じてバッテリ109aの残量が所定値よりも低いと判定した場合、異常検知部110は、バッテリ109aの残量が少ないことを示す第3のエラー信号をCPU101に出力する。なお、異常検知部110がバッテリ残量情報に応じてバッテリ109aの残量が所定値以上であると判定した場合、異常検知部110は、第3のエラー信号をCPU101に供給しないようにする。バッテリ109aの残量が所定値よりも低い場合に、AC電源とカメラ100が接続された場合、電源供給部109はAC電源からカメラ100の各部に電力を供給するので、異常検知部110は、第3のエラー信号のCPU101への供給を停止する。なお、異常検知部110がバッテリ109aの残量と比較するための所定値は、あらかじめ、メモリ102に記録されている値であってもよいものとする。また、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合、異常検知部110がバッテリ109aの残量と比較するための所定値は、CPU101がカメラ100で撮影を行うために必要な電力に応じて決定するものであってもよい。例えば、ライブビュー撮影の設定が「ON」に設定されている場合、CPU101は、カメラ100でライブビュー撮影を行うための電力に応じてバッテリ109aの残量と比較するための所定値を算出してもよい。また、例えば、ライブビュー撮影の設定が「OFF」に設定されている場合、CPU101は、カメラ100でライブビュー撮影と異なる撮影を行うための電力に応じてバッテリ109aの残量と比較するための所定値を算出してもよい。また、カメラ100の動作モードが再生モードである場合、異常検知部110がバッテリ109aの残量と比較するための所定値は、CPU101が、記録媒体106aに記録された映像データを表示部107に表示するための電力に応じて決定してもよい。
【0072】
また、異常検知部110は、記録媒体106aが装着されている場合、残量検出部106cから供給された残量情報を取得し、記録媒体106aの残量を定期的に監視する。異常検知部110は、残量情報から記録媒体106aの残りの容量が所定値以上である否かを監視することによって、カメラ100エラーが発生しているか否かを判定する。異常検知部110が残量情報に応じて記録媒体106aの残りの容量が所定値よりも低いと判定した場合、異常検知部110は、記録媒体106aの残りの容量が少ないことを示す第4のエラー信号をCPU101に供給する。なお、異常検知部110が容量情報に応じて記録媒体106aの残りの容量が所定値以上であると判定した場合、異常検知部110は、第4のエラー信号をCPU101に供給しないようにする。なお、異常検知部110が記録媒体106aの残量と比較するための所定値は、あらかじめ、メモリ102に記録されている値であってもよいものとする。また、カメラ100の動作モードが撮影モードである場合、異常検知部110が記録媒体106aの残量と比較するための所定値は、CPU101がカメラ100の撮影の設定に応じて算出するものであってもよい。例えば、CPU101は、カメラ100が撮影する映像データの記録サイズや画素数に応じて記録媒体106aの残量と比較するための所定値を算出してもよい。
【0073】
なお、CPU101は、異常検知部110からエラー信号を受信した場合、受信したエラー信号がどのようなエラーであるか否かを判定し、受信したエラー信号に応じてエラー警告を選択する。さらにCPU101は、選択したエラー警告を画像処理部105に出力し、画像処理部105は、CPU101によって選択されたエラー警告を示す文字情報を生成する。なお、画像処理部105で生成されるCPU101によって選択されたエラー警告を示す文字情報とは、視覚的に確認できる画像データである。
【0074】
また、CPU101は、異常検知部110からエラー信号を受信した場合、受信したエラー信号に応じてカメラ100の各部の動作を停止するように制御する。CPU101が受信したエラー信号が第1のエラー信号である場合、CPU101は、撮像部104の動作を停止するように撮像部104を制御する。CPU101が受信したエラー信号が第2のエラー信号である場合、CPU101は、記録部106及び記録媒体106aの動作を停止するように記録部106及び記録媒体106aを制御する。CPU101が受信したエラー信号が第3のエラー信号である場合、CPU101は、バッテリ109aの残量が少ないことを示す情報を表示部107に表示するように制御してから、カメラ100の電源をオフにするように電源供給部109を制御する。また、CPU101は、バッテリ109aの残量が少ないことを示す情報以外にバッテリ109aの充電を促すための情報を表示部107に表示するように制御してもよい。CPU101が受信したエラー信号が第3のエラー信号である場合、CPU101は、後述の第1の警告処理及び第2の警告処理を行ってからカメラ100の電源をオフにするようにする。このため、CPU101は、後述の第1の警告処理及び第2の警告処理を行うために、後述の第1の警告処理及び第2の警告処理以外の処理を行わないようにする。
【0075】
第1の警告処理及び第2の警告処理以外の処理とは、例えば、操作部108を介して入力された指示を受け付ける処理や、コマンド処理部103bを介して受信したCECコマンドに応じてカメラ100全体を制御する処理である。
【0076】
CPU101が受信したエラー信号が第4のエラー信号である場合、CPU101は、記録媒体106aの残量が少ないことを示す情報を表示部107に表示するように表示部107を制御する。
【0077】
<テレビ200>
次に、図2を参照して、テレビ200の構成の一例を説明する。
【0078】
テレビ200は、図2に示すように、CPU201、チューナ部202、通信部203、表示部204、操作部205、メモリ206及び電源供給部207を有する。
【0079】
CPU201は、メモリ206に格納されているコンピュータプログラムに従ってテレビ200全体の動作を制御する。また、CPU201は電源供給部207から各部に電力を供給するように制御したり、電力の供給を停止するように制御する。
【0080】
チューナ部202は、ユーザによって選択されたテレビジョンチャンネルのテレビジョン放送を受信する。テレビジョンチャンネルの選択は、操作部205もしくは不図示のリモコンを用いて行うことができる。
【0081】
通信部203は、HDMIケーブル300を接続するための接続端子を有する。通信部203は、カメラ100から送信された映像データ、音声データ及び補助データを、TMDSライン304を介して受信することができる。カメラ100から受信した映像データは、表示部204に表示される。カメラ100から受信した音声データは、不図示のスピーカ部から出力される。カメラ100から受信した補助データは、CPU201に供給される。CPU201は、カメラ100から受信した補助データに従ってテレビ200を制御することができる。
【0082】
なお、通信部203が有する接続端子の数はテレビ200によって任意であり、テレビ200は接続端子の数だけHDMIケーブルを介してカメラ100以外のソース装置を接続することができる。そのため、テレビ200はHDMIケーブルを介して接続されたカメラ100以外のソース装置から送信された映像データ、音声データ及び補助データを受信することができる。この場合、カメラ100と同様に、カメラ100以外のソース装置から受信した映像データは表示部204に表示され、音声データは不図示のスピーカ部から出力され、補助データはCPU201に供給される。
【0083】
通信部203は、カメラ100から送信されたCECコマンドをCECライン305を介して受信し、CPU201が生成したCECコマンドを送信することができる。なお、通信部203は、カメラ100から受信したCECコマンドに「OSD String」が含まれている場合、「OSD String」をCPU201に供給する。「OSD String」とは、HDMI規格に規定されているASCIIコードによって示される文字データである。テレビジョン放送を表示部204に表示している場合、CPU201は、「OSD String」を解析し、解析結果から得られた文字データとチューナ部202が受信した映像データとを重畳させて表示部204に表示するように各部を制御する。CPU201は、「OSD String」を解析し、解析結果から得られた文字データと通信部203がカメラ100から受信した映像データとを重畳させて表示部204に表示するように各部を制御する。通信部203が他のソース装置から受信した映像データを表示部204に表示している場合、CPU201は「OSD String」の解析結果による文字データと他のソース装置からの映像データとを重畳させて表示部204に表示するように各部を制御する。
【0084】
通信部203は、カメラ100が+5Vパワーライン301を介してテレビ200に+5V電源を供給しているか否かを判定し、判定結果に応じてHレベルのHPD信号またはLレベルのHPD信号をカメラ100にHPDライン302を介して送信する。通信部203が+5Vパワーライン301を介してカメラ100から+5V電源を取得していない場合、CPU201はLレベルのHPD信号をカメラ100にHPDライン302を介して送信するように通信部203を制御する。
【0085】
通信部203が+5Vパワーライン301を介してカメラ100から+5V電源を取得した場合、CPU201はメモリ206に格納されているテレビ200のEDIDをカメラ100にDDCライン303を介して送信可能か否かを判定する。メモリ206に格納されているEDIDに含まれる情報が変更されていない場合、またはEDIDの書き換えが完了している場合、CPU201はテレビ200のEDIDをカメラ100にDDCライン303を介して送信可能であると判定する。この場合、CPU201はHレベルのHPD信号をHPDライン302を介してカメラ100に送信するように通信部203を制御する。テレビ200に対する設定の変更により、EDIDに含まれる情報が書き換えられている場合、CPU201はテレビ200のEDIDをカメラ100にDDCライン303を介して送信できないと判定する。この場合も、CPU201はLレベルのHPD信号をHPDライン302を介してカメラ100に送信するように通信部203を制御する。
【0086】
また、通信部203は、テレビ200のEDIDを、DDCライン303を介してカメラ100に送信することができる。
【0087】
表示部204は、液晶ディスプレイ等の表示器により構成される。表示部204は、チューナ部202及び通信部203の少なくとも一つから供給された映像データを表示することができる。通信部203によってカメラ100から受信した映像データが供給された場合、表示部204はカメラ100から受信した映像データを表示する。
【0088】
操作部205は、テレビ200を操作するためのユーザインターフェースを提供する。操作部205は、テレビ200を操作するための複数のボタンを有する。操作部205に含まれる各ボタンは、スイッチ、タッチパネル等により構成される。CPU201は、操作部205を介して入力されたユーザの指示に従ってテレビ200を制御することができる。操作部205はテレビ200を操作するための電源ボタン、チャンネル選択ボタン、外部入力ボタン等を有する。
【0089】
電源供給部207は、AC電源等からテレビ200の各部に必要な電力を供給する。
【0090】
<第1のエラー警告処理>
次に、図4を参照して、実施例1に係るカメラ100で行われる第1のエラー警告処理について説明する。
【0091】
図4は、実施例1に係るカメラ100で行われる第1のエラー警告処理の一例を説明するためのフローチャートである。第1のエラー警告処理は、カメラ100が電源オン状態であり、かつ、カメラ100の動作モードが撮影モードであり場合、ライブビューの設定が「ON」であるときに行われる。なお、カメラ100とテレビ200とにHDMIケーブル300が物理的に接続されていることを前提とする。
【0092】
なお、第1のエラー警告処理は、CPU101がメモリ102に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。また、図4に示されるエラー警告処理をカメラ100に実行させるためのコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPUやMPU等)上で稼動しているOS(Operating System)やネットワーク等を利用して実現されるものであっても良い。
【0093】
S101において、CPU101は、電源供給部109から供給された電力から+5V電源を生成し、+5Vパワーライン301を介して、テレビ200に送信するように通信部103を制御する。通信部103が+5V電源を+5Vパワーライン301を介して、テレビ200に送信した後、本フローチャートはステップS101からステップS102に進む。
【0094】
S102において、CPU101は、通信部103において検出されたHPD信号がLレベルからHレベルに変化したか否かを判定する。CPU101によって、通信部103において検出されたHPD信号がLレベルからHレベルに変化した判定された場合(ステップS102でYESの場合)、本フローチャートはステップS102からステップS103に進む。CPU101によって、通信部103において検出されたHPD信号がLレベルからHレベルに変化していない場合、つまりHPD信号がLレベルのままであると判定された場合(ステップS102でNOの場合)、本フローチャートは終了する。
【0095】
S103において、CPU101は通信部103がDDCライン303を介してテレビ200のEDIDを取得したか否かを判定する。CPU101によって、通信部103がDDCライン303を介してテレビ200のEDIDを取得したと判定された場合(ステップS103でYESの場合)、本フローチャートはステップS103からステップS104に進む。通信部103はDDCライン303を介してテレビ200のEDIDを取得し、CPU101に供給する。CPU101は通信部103から供給されたテレビ200のEDIDを解析し、EDID及びEDIDの解析結果をメモリ102に記録した後、CPU101はEDIDの解析結果に応じて映像データをテレビ200の表示に適した映像フォーマットに変更する。CPU101によって、テレビ200の映像フォーマットに変更された映像データはデータ送信部103aに供給され、データ送信部103aによりTMDSライン304を介して、テレビ200に送信される。CPU101によって、通信部103がDDCライン303を介してテレビ200のEDIDを取得していないと判定された場合(ステップS103でNOの場合)、本フローチャートは終了する。
【0096】
ステップS104において、CPU101はカメラ100が第1のモードであるか、第2のモードであるかを判定する。CPU101によって、カメラ100が第1のモードであると判定された場合、本フローチャートはステップS104からステップS105に進む。CPU101によって、カメラ100が第2のモードであると判定された場合、本フローチャートはステップS104からステップS108に進む。第1のモードとは、映像データと映像データに関する情報とを合成してテレビ200に送信するモードであり、第2のモードとは、映像データに関する情報を合成せずに映像データだけをテレビ200に送信するモードである。
【0097】
S105において、CPU101は、メモリ102に記録されている撮影情報と映像データとを合成した合成データをテレビ200に送信するようにデータ送信部103aを制御する。メモリ102に記録されている撮影情報と映像データとを合成した合成データは、画像処理部105によって生成される。画像処理部105にメモリ102に記録されている撮影情報が供給された場合、画像処理部105は、撮影情報を文字データに変換する。画像処理部105は、テレビ200のEDIDに応じて、撮像部104から供給された映像データと撮影情報から文字データに変換された撮影文字データとを合成し、テレビ200の画像表示能力に適した合成データを生成する。画像処理部105によって生成された合成された撮影文字データと映像データとの合成データは、通信部103に供給され、通信部103は、撮影合成データをTMDSライン304を介してテレビ200に送信する。
【0098】
データ送信部103aによって、合成データがテレビ200に送信された場合、本フローチャートはS105からS106に進む。
【0099】
S106において、CPU101は、異常検知部110からエラー信号を受信したか否かを判定する。CPU101によって、異常検知部110からエラー信号を受信したと判定された場合、本フローチャートはステップS106からステップS107に進む。CPU101によって、異常検知部110からエラー信号を受信していないと判定された場合、本フローチャートは終了する。この場合、カメラ100のモードが第1のモードから第2のモードに変更されるまで、S105〜S107までの処理を行ってもよい。さらに、カメラ100のモードが第1のモードから第2のモードに変更された場合、S104で第2のモードと判定された場合と同様の処理を行ってもよい。
【0100】
S107において、CPU101は、エラー警告と映像データとを合成したエラー合成データを生成するように画像処理部105を制御する。CPU101は受信したエラー信号の示すエラー種類を判別し、メモリ102からエラーの種別に対応したエラーの警告を示すエラー警告を選択する。
【0101】
例えば、CPU101は、異常検知部110から第1のエラー信号を受信した場合、第1のエラー信号が「エラー1」に対応すると判定し、「エラー1」に対応するエラー警告である「撮像素子の温度が高温」を選択する。
【0102】
なお、CPU101は、異常検知部110からエラー信号を受信した場合、受信したエラー信号が「エラー1」、「エラー2」、「エラー3」及び「エラー4」のいずれか一つに対応するか否かを判定し、判定結果に応じてエラー警告を選択する。例えば、CPU101は、異常検知部110から第1のエラー信号を受信した場合、第1のエラー信号が「エラー1」に対応すると判定し、「エラー1」に対応するエラー警告である「撮像素子が高温」を選択する。CPU101が異常検知部110から第2のエラー信号、第3のエラー信号及び第4のエラー信号のいずれか一つを受信した場合も、受信したエラー信号が「エラー1」、「エラー2」、「エラー3」及び「エラー4」のいずれか一つに対応するか否かを判定する。この場合も、CPU101は、判定結果に応じてエラー警告を選択する。
【0103】
CPU101は、選択したエラー警告を示すエラー警告情報を画像処理部105に供給する。エラー警告情報が画像処理部105に供給された場合、画像処理部105は、エラー警告情報をテレビ200の画像表示能力に適した第1の警告データに変換する。なお、第1の警告データは、エラー警告情報を示す文字情報であり、カタカナ、ひらがな、漢字及びアルファベットによって示される文字情報である。この場合、画像処理部105は、テレビ200のEDIDに応じて、第1の警告データの大きさや色等を調整する。画像処理部105は、テレビ200のEDIDに含まれる情報に応じて、撮像部104から供給された映像データと第1の警告データとを合成し、テレビ200の画像表示能力に適した合成データを生成する。この場合、画像処理部105は、テレビ200のEDIDに含まれる情報に応じて、第1の警告データを撮像部104から供給された映像データに合成する位置を調整する。画像処理部によって合成された第1の警告データ(本発明に係る第1のエラー通知の一例)と映像データとの合成データであるエラー合成データ(本発明に係る第1のデータの一例)は、本発明に係る第1の通信手段の一例であるデータ送信部103aに供給される。データ送信部103aは、エラー合成データをTMDSライン304を介してテレビ200に送信する。CPU101は、エラー合成データをテレビ200に送信するようにデータ送信部103aを制御する。データ送信部103aがテレビ200にエラー合成データを送信した場合、本フローチャートは終了する。この場合も、カメラ100のモードが第1のモードから第2のモードに変更されるまで、S105〜S107までの処理を行ってもよい。さらに、カメラ100のモードが第1のモードから第2のモードに変更された場合も、S104で第2のモードと判定された場合と同様の処理を行ってもよい。
【0104】
テレビ200は、表示部204にカメラ100から受信した映像データを表示している場合、エラー合成データを表示部204に表示する。
【0105】
このことにより、テレビ200がカメラ100から送信された映像データを表示部204に表示している場合、テレビ200を視聴しているユーザにカメラ100で発生したエラーを通知することができる。
【0106】
また、ユーザにエラーがカメラ100で発生したことを通知するため、第1の警告データにカメラ100を識別するための情報が含ませるようにしてもよい。カメラ100を識別するための情報とは、カメラ100の製品名を示す情報、カメラ100の製品のカテゴリを示す情報またはカメラ100の製造者名等である。
【0107】
また、テレビ200が表示部204にカメラ100から受信した映像データを表示していない場合、カメラ100からテレビ200に送信されたエラー合成データをテレビ200は表示部204に表示しない。この場合、カメラ100からテレビ200に送信されたエラー合成データをテレビ200の表示部204に表示するために、カメラ100はカメラ100から受信した映像データをテレビ200に表示させるためのCECコマンドをテレビ200に送信してもよい。カメラ100は、カメラ100から受信した映像データをテレビ200に表示させるためのCECコマンドをテレビ200に送信してから、エラー合成データをテレビ200に送信するようにしてもよい。
【0108】
カメラ100はカメラ100から受信した映像データをテレビ200に表示させるためのCECコマンドとは、CEC規格に規定されている<Active Source>コマンド及び<Image View On>コマンド等である。また、カメラ100はカメラ100から受信した映像データをテレビ200に表示させるためのCECコマンドに<Image View On>コマンドの代わりに<Text View On>コマンドが含まれていてもよい。また、カメラ100はカメラ100から受信した映像データをテレビ200に表示させるためのCECコマンドは、vendor commandであってもよい。
【0109】
S108において、CPU101は、第2のモードに応じた第2のエラー警告処理を行う。CPU101によって第2のエラー警告処理が実行された場合、本フローチャートは終了する。この場合、カメラ100のモードが第2のモードから第1のモードに変更されるまで、S108の処理を行ってもよい。さらに、カメラ100のモードが第2のモードから第1のモードに変更された場合、S104で第1のモードと判定された場合と同様の処理を行ってもよい。
【0110】
なお、S105において、メモリ102に記録されている撮影情報と映像データとを合成した合成データをテレビ200に送信するようにしたが、この場合、映像データと合成される撮影文字データは、アイコンであってもよい。また、第1の警告データは、エラーの種別に対応したアイコンやエラーの種別に対応した映像データであっても良い。
【0111】
なお、複数のエラー信号を異常検知部110からCPU101が受信した場合も、CPU101は、S107の処理と同様の処理を行うものとする。この場合、CPU101は受信した複数のエラー信号の各々に対応するエラー警告情報を画像処理部105に供給し、画像処理部105は、複数エラー警告情報を各々第1の警告データに変換する。画像処理部105によって、変換された複数の第1の警告データと撮像部104から供給された映像データとは合成され、通信部103によってテレビ200に送信される。
【0112】
<第2のエラー警告処理>
次に、図5を参照して、実施例1に係るカメラ100で行われる第2のエラー警告処理について説明する。
【0113】
図5は、実施例1に係るカメラ100で行われる第2のエラー警告処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0114】
なお、第2のエラー警告処理は、CPU101がメモリ102に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。また、図5に示されている第2のエラー警告処理をカメラ100に実行させるためのコンピュータプログラムは、コンピュータ(CPUやMPU等)上で稼動しているOSやネットワーク等を利用して、実現されるものであっても良い。
【0115】
S201において、CPU101は、異常検知部110からエラー信号を受信したか否かを判定する。CPU101によって、異常検知部110からエラー信号を受信したと判定された場合(ステップS201でYES)、本フローチャートはステップS201からステップS202に進む。CPU101によって、異常検知部110からエラー信号を受信していないと判定された場合(ステップS201でNO)、本フローチャートは終了する。
【0116】
S202において、CPU101は、テレビ200が録画機能を有するか否かを判定する。S202において、CPU101は、テレビ200が録画機能を有する装置であることを確認するためのvendor command(以下、第1の録画確認コマンドと呼ぶ。)をテレビ200に送信するようにコマンド処理部103bを制御する。vendor commandコマンドとは、カメラ100の製造者名とテレビ200の製造者名とが同一である場合に、カメラ100とテレビとで応答することができるCECコマンドである。
【0117】
テレビ200がカメラ100と同一の製造者名を持つ場合であって、かつ、カメラ100から第1の録画確認コマンドを受信した場合に、録画機能を有するとき、テレビ200は、カメラ100にAck信号を送信する。テレビ200がカメラ100と同一の製造者名を持たない場合は、録画機能をもっていたとしても、テレビ200は、カメラ100からの第1の録画確認コマンドに対してカメラ100にAck信号を返さない。また、テレビ200が録画機能をもっていない場合、テレビ200は、カメラ100からの第1の録画確認コマンドに対してカメラ100にAck信号を返さない。
【0118】
CPU101は、テレビ200が録画機能を有するか否かをテレビ200からAck信号を受信したか否かに応じて判定する。第1の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがAck信号をテレビ200から受信した場合、CPU101は、テレビ200が録画機能を有すると判定する。第1の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがAck信号をテレビ200から受信しなかった場合、CPU101は、テレビ200が録画機能を有しないと判定する。また、第1の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがNack信号をテレビ200から受信した場合も同様に、CPU101は、テレビ200が録画機能を有しないと判定する。
【0119】
CPU101によって、テレビ200が録画機能を有すると判定された場合(ステップS202でYES)、本フローチャートはステップS202からステップS204に進む。CPU101によって、テレビ200が録画機能を有しないと判定された場合(ステップS202でNO)、本フローチャートはステップS202からステップS203に進む。なお、CPU101は、テレビ200が録画機能を有するか否かをメモリ102に記録されているテレビ200のEDIDに含まれるProduct IDによって判定しても良い。また、CPU101は、テレビ200が録画機能を有するか否かをCEC規格に規定されているCECコマンドによって判定しても良い。
【0120】
S203において、CPU101は、S107と同様にエラー文字データと映像データとを合成したエラー合成データを生成するように画像処理部105を制御し、エラー合成データをテレビ200に送信するようにデータ送信部103aを制御する。データ送信部103aがテレビ200にエラー合成データを送信した場合、本フローチャートは終了する。
【0121】
S204において、CPU101は、テレビ200が録画中であるか否かを判定する。
【0122】
S204において、CPU101は、テレビ200が録画を行っていることを確認するためのvendor command(以下、第2の録画確認コマンドと呼ぶ。)を生成し、生成した第2の録画確認コマンドをテレビ200に送信するようにコマンド処理部103bを制御する。テレビ200がカメラ100と同一の製造者名を持つ場合であって、かつ、カメラ100から第2の録画確認コマンドを受信した場合に、録画中であるとき、テレビ200は、カメラ100にAck信号を送信する。テレビ200がカメラ100と同一の製造者名を持たない場合は、録画中であったとしても、テレビ200は、カメラ100からの第2の録画確認コマンドに対してカメラ100にAck信号を返さない。また、テレビ200は、録画中でない場合、カメラ100からの第1の録画確認コマンドに対してカメラ100にAck信号を返さない。
【0123】
CPU101は、テレビ200が録画を行っているか否かをテレビ200からAck信号を受信したか否かに応じて判定する。第2の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがAck信号をテレビ200から受信した場合、CPU101は、テレビ200が録画を行っていると判定する。第2の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがAck信号をテレビ200から受信しなかった場合、CPU101は、テレビ200が録画を行っていないと判定する。また、第2の録画確認コマンドをテレビ200に送信した後、コマンド処理部103bがNack信号をテレビ200から受信した場合も同様に、CPU101は、テレビ200が録画を行っていないと判定する。
【0124】
CPU101は、テレビ200が録画中であると判定された場合(ステップS204でYES)、本フローチャートはステップS204からステップS205に進む。CPU101は、テレビ200が録画を行っていないと判定された場合(ステップS204でNO)、本フローチャートはステップS204からステップS203に進む。
【0125】
S205において、CPU101は、異常検知部110から受信したと判定されたエラー信号がカメラ100に発生するさまざまなエラーのうち、優先度が高いエラーであるか否かを判定する。CPU101は、受信したエラー信号が、「エラー1」、「エラー2」及び「エラー3」のいずれか一つであるか否かによって、異常検知部110から受信したと判定されたエラー信号が優先度の高いエラーであるか否かを判定する。受信したエラー信号が「エラー1」、「エラー2」及び「エラー3」のいずれか一つである場合、CPU101は、受信したエラー信号が優先度の高いエラーであると判定する。CPU101によって、受信したエラー信号が優先度の高いエラーであると判定された場合(ステップS205でYES)、本フローチャートはステップS205からステップS203に進む。
【0126】
受信したエラー信号が「エラー1」、「エラー2」及び「エラー3」のいずれでもない場合、CPU101は、受信したエラー信号が優先度の低いエラーであると判定する。なお、例えば、受信したエラー信号が「エラー4」である場合、CPU101は、受信したエラー信号が優先度の低いエラーであると判定する。CPU101によって、受信したエラー信号が優先度の低いエラーであると判定された場合(ステップS205でNO)、本フローチャートはステップS205からステップS206に進む。
【0127】
S206において、CPU101は、エラー警告情報を含むCECコマンドをテレビ200に送信するように通信部103を制御する。
【0128】
CPU101は受信したエラー信号の示すエラー種類を判別し、メモリ102からエラーの種別に対応したエラーを示すエラー警告情報を選択する。CPU101はエラー警告情報をASCIIコードに従って文字データに変換し、ASCIIコードにより文字データに変換された第2の警告データ(本発明に係る第2のエラー通知の一例)を含むCECコマンド(本発明に係る第2のデータの一例)を生成する。なお、第2の警告データは、エラー警告情報を示す情報である。なお、以下、ASCIIコードにより文字データに変換された第2のエラー警告データを含むCECコマンドを「エラー警告コマンド」と呼ぶ。第2の警告データは、HDMI規格における「OSD String」である。なお、エラー警告コマンドとは、例えば<Set OSD String>コマンドである。
【0129】
さらに、CPU101は、エラー警告コマンドを、本発明に係る第2の通信手段の一例である通信部103に供給し、エラー警告コマンドをCECライン305を介してテレビ200に送信するようにコマンド処理部103bを制御する。コマンド処理部103bがテレビ200にエラー警告コマンドをテレビ200に送信した場合、本フローチャートは終了する。
【0130】
なお、この場合、テレビ200にTMDSライン304を介して送信される映像データは、第1の警告データが含まれない映像データである。データ送信部103aがテレビ200にTMDSライン304を介して映像データを送信している際にコマンド処理部103bがテレビ200にエラー警告コマンドを送信する場合、データ送信部103aからテレビ200への映像データの送信は中断されない。
【0131】
エラー警告コマンドをカメラ100から受信したテレビ200は、表示部204に表示される映像データと第2の警告データによって示される文字データとを重畳して表示部204に表示する。なお、この場合、テレビ200は、表示部204にカメラ100から受信した映像データを表示していない場合であってもよい。
【0132】
このことにより、テレビ200がカメラ100から送信された映像データを表示部204に表示していない場合であっても、テレビ200を視聴しているユーザにカメラ100で発生したエラーを通知することができる。
【0133】
また、ユーザにエラーがカメラ100で発生したことを通知するため、第2の警告データにカメラ100を識別するための情報を含ませるようにしてもよい。
【0134】
なお、複数のエラー信号を異常検知部110からCPU101が受信した場合に、エラー警告コマンドをテレビ200に送信する場合、CPU101は、エラー信号ごとにエラー警告コマンドを生成し、これを順番にテレビ200に送信するようにしてもよい。
【0135】
このように実施例1に係るカメラ100では、映像データと映像データに関する情報とを合成してテレビ200に送信する際に、カメラ100でエラーが発生したとき、テレビ200に第1の警告データを映像データに合成して送信することができる。これにより、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0136】
また、カメラ100では、映像データと映像データに関する情報とを合成しないでテレビ200に送信する際に、カメラ100でエラーが発生したとき、テレビ200の状態及びエラーに応じて第1の警告データを映像データに合成して送信することができる。これにより、テレビ200が録画機能を持っていない場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0137】
また、これにより、テレビ200が録画を行っていない場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0138】
また、テレビ200が録画を行っている場合において、エラーの優先度が高い場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0139】
また、テレビ200が録画を行っている場合において、エラーの優先度が低い場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信したエラー警告コマンドによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。この場合、テレビ200は、エラー警告コマンドに含まれる第2の警告データとカメラ100から受信した映像データとを合成して表示させるので、テレビ200に記録される映像データには、第1の警告データが含まれない。したがって、テレビ200が録画を行っている場合において、エラーの優先度が低い場合、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させるとともに、ユーザにとって意図しない映像データがテレビ200に録画されることを防ぐことができる。
【0140】
なお、実施例1において説明したエラーは、撮像素子の温度が高温である場合やバッテリの残量が少ない場合以外に異常検知部110によって、フリッカーによる画像のちらつきが検出された場合もエラーとして含まれても良い。
【0141】
また、エラー警告コマンドは、<Set OSD String>コマンドに限らず、第2の警告データを含むvendor commandであっても良い。
【0142】
なお、実施例1における第1のエラー警告処理及び第2のエラー警告処理は、カメラ100の動作モードが再生モードである場合に行われても良い。カメラ100の動作モードが再生モードである場合、S105において、CPU101は、記録媒体106aに記録されている映像データを読み出すように記録部106を制御し、記録媒体106aから読み出した映像データをテレビ200に送信するようにする。また、この場合、S107において、CPU101は、エラー警告と記録媒体106aから読み出した映像データとを合成したエラー合成データを生成するように画像処理部105を制御する。この場合、エラー警告と記録媒体106aから読み出した映像データとを合成したエラー合成データは、データ送信部103aによってテレビ200に送信すされる。第2のエラー警告処理については、カメラ100の動作モードが再生モードである場合も、カメラ100の動作モードが撮像モードである場合と同様であるものとする。
【0143】
[実施例2]
次に、図1〜4及び図6を参照して、実施例2を説明する。なお、実施例2では、実施例1と同様の箇所の説明を省略し、実施例1と異なる箇所について説明する。
【0144】
実施例2におけるカメラ100のメモリ102には、外部装置管理リストが格納されている。なお、外部装置管理リストとは、外部装置をまとめて管理するためのリストであり、登録されている外部装置を示す外部装置の識別情報を各々記録している。なお、外部装置の識別情報として、外部装置の製品名、外部装置の製造者名及び外部装置の製造年等の情報が予め外部装置管理リストに格納されている。
【0145】
<第2のエラー警告処理>
図6は、実施例2に係るカメラ100で行われる第2のエラー警告処理について説明する。図6は、実施例2に係るカメラ100で行われる第2のエラー警告処理の一例を説明するためのフローチャートである。実施例1では、図4の第1のエラー警告処理のS108において、第2のエラー警告処理が実行されたが、実施例2では、図4の第1のエラー警告処理のS108において、図6に示す第2のエラー警告処理が実行されるものとする。実施例2における第1のエラー警告処理は、実施例1における第1のエラー警告処理と同様であるものとする。なお、実施例1と共通する処理については、同一の番号を付するものとする。
【0146】
なお、第2のエラー警告処理は、CPU101がメモリ102に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって制御される。また、図6に示されているエラー警告処理をカメラ100に実行させるためのコンピュータプログラムは、コンピュータ上で稼動しているOSやネットワーク等を利用して、実現されるものであっても良い。
【0147】
図6に示すフローチャートのステップS201、S203、S205及びS206で行われる処理は、図5に示すフローチャートのステップS201、S203、S205及びS206で行われる処理と同様である。したがって、実施例2では、ステップS201、S203、S205及びS206の説明を省略する。
【0148】
S201において、CPU101によって、異常検知部110からエラー信号を受信したと判定された場合(ステップS201でYES)、本フローチャートはステップS201からステップS301に進む。
【0149】
S301において、CPU101は、S103において、メモリ102に記録されたテレビ200のEDIDの解析結果から、テレビ200がメモリ102に記録されている外部装置管理リストに登録されている外部装置であるか否かを判定する。
【0150】
例えば、テレビ200の製品名が外部装置管理リストに格納されている外部装置の製品名と一致する場合、CPU101は、テレビ200がメモリ102に記録されている外部装置管理リストに登録されている外部装置であると判定する。テレビ200の製品名が外部装置管理リストに格納されている外部装置の製品名と一致しない場合、CPU101は、テレビ200がメモリ102に記録されている外部装置管理リストに登録されていないと判定する。
【0151】
CPU101によって、テレビ200が外部装置管理リストに登録されていると判定された場合(ステップS301でYES)、本フローチャートはステップS301からS203に進む。CPU101によって、テレビ200が外部装置管理リストに登録されていないと判定された場合(ステップS301でNO)、本フローチャートはステップS301からS205に進む。
【0152】
また、S301において、CPU101は、テレビ200の製造者名と外部装置管理リストに登録されている外部装置の製造者名とを比較することによって、テレビ200が装置情報管理リストに登録されている外部装置であるか否かを判定しても良い。また、なお、S301において、CPU101は、テレビ200の製造年月日と外部装置管理リストに登録されている外部装置の製造年月日とを比較することによって、テレビ200が外部装置管理リストに登録されている外部装置であるか否かを判定しても良い。
【0153】
実施例2に係るカメラ100では、映像データと映像データに関する情報とを合成しないでテレビ200に送信する際、カメラ100でエラーが発生した場合、テレビ200が登録されていれば、第1の警告データを映像データに合成して送信することができる。これにより、テレビ200がカメラ100に登録されている装置である場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0154】
また、テレビ200がカメラ100に登録されていない装置である場合において、エラーの優先度が高い場合、第1の警告データを映像データに合成して送信することができる。この場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信した映像データによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。
【0155】
また、テレビ200がカメラ100に登録されていない場合において、エラーの優先度が低い場合、テレビ200に表示されたカメラ100から受信したエラー警告コマンドによって、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させることができる。この場合、カメラ100でエラーが発生したことをユーザに認識させるとともに、ユーザにとって意図しない映像データがテレビ200に録画されることを防ぐことができる。
【0156】
また、実施例2に係るカメラ100は、図6のステップS301で行われる処理以外の処理は、実施例1と同様の処理を行うので、実施例1と同様の利点を得ることもできる。
【0157】
なお、メモリ102に記録されている外部装置管理リストの外部装置の識別情報は、カメラ100が外部装置から受信した外部装置のEDIDから取得したものであっても良い。またカメラ100がvendor commandやCECコマンドを用いて外部装置から取得したもの良い。また、メモリ102に記録されている外部装置管理リストの外部装置の識別情報は、ユーザによって設定可能なものであっても良い。
【0158】
なお、実施例1と同様に実施例2における第1のエラー警告処理及び第2のエラー警告処理も、カメラ100の動作モードが再生モードである場合に行われても良いものとする。第2のエラー警告処理については、カメラ100の動作モードが再生モードである場合も、カメラ100の動作モードが撮像モードである場合と同様であるものとする。
【0159】
[その他の実施形態]
本発明に係る撮像装置は、実施例1及び2で説明したカメラ100に限定されるものではない。本発明に係る撮像装置は、例えば、複数の装置から構成されるシステムにより実現することも可能である。
【0160】
また、実施例1及び2において説明した構成機能及びシステムは、コンピュータで実行可能なコンピュータプログラムによって実現することもできる。この場合、当該コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体から当該コンピュータによって読み出され、当該コンピュータで実行される。またこの場合、当該コンピュータ読取可能な記録媒体には、ハードディスク装置、光ディスク、CD−ROM、CD−R、メモリカード、ROM等を用いることができる。なお、当該コンピュータプログラムは、通信インターフェースを介して外部装置から当該コンピュータに提供され、当該コンピュータで実行されるようにしてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置にエラーの通知を行う通信装置であって、
前記通信装置におけるエラーを検出する検出手段と、
被写体の光学像から画像データを生成する撮像手段と、
前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第1のエラー通知と前記撮像手段によって生成された映像データとが重畳された第1のデータを前記外部装置に送信する第1の通信手段と、
前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第2のエラー通知を含む第2のデータを前記外部装置に送信する第2の通信手段と、
前記検出手段によってエラーが検出された場合、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のいずれか一つに応じてエラーを前記外部装置に通知するように制御する制御手段とを有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記検出手段によって検出されるエラーが所定のエラーであるか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記検出手段によって検出されるエラーが前記所定のエラーである場合、前記制御手段は、前記第1のデータを前記外部装置に送信するように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記外部装置が前記撮像手段によって生成される画像データを録画していない場合に、前記検出手段によって検出されるエラーが前記所定のエラーでないとき、前記制御手段は、前記第2のデータを前記外部装置に送信するように前記第2の通信手段を制御することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記外部装置が前記撮像手段によって生成される画像データを録画するための録画手段を有していない場合、前記制御手段は、前記第1のデータを前記外部装置に送信するように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記外部装置が前記撮像手段によって生成される画像データを録画していない場合、前記制御手段は、前記第1のデータを前記外部装置に送信するように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記外部装置が所定の装置である場合に、前記制御手段は、前記第1のデータを前記外部装置に送信するように前記第1の通信手段を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記所定の装置は、前記外部装置の識別情報が前記通信装置に記録されている装置であることを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記第1のエラー通知は、前記撮像手段の温度が高温であることを示す通知、前記記録媒体の温度が高温であることを示す通知、前記通信装置に装着された電池の残量が低いことを示す通知及び前記記録媒体の残量が低いことを示す通知の少なくとも一つを含み、
前記第2のエラー通知は、前記撮像手段の温度が高温であることを示す通知、前記記録媒体の温度が高温であることを示す通知、前記通信装置に装着された電池の残量が低いことを示す通知及び前記記録媒体の残量が低いことを示す通知の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
外部装置にエラーの通知を行う通信装置であって、
前記通信装置におけるエラーを検出する検出手段と、
記録媒体から画像データを読み出す再生手段と、
前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第1のエラー通知と前記再生手段によって前記記録媒体から読み出された画像データとが重畳された第1のデータを前記外部装置に送信する第1の通信手段と、
前記検出手段によって検出されたエラーに対応する第2のエラー通知を含む第2のデータを前記外部装置に送信する第2の通信手段と、
前記検出手段によってエラーが検出された場合、前記第1の通信手段及び前記第2の通信手段のいずれか一つに応じてエラーを前記外部装置に通知するように制御する制御手段とを有することを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−49825(P2012−49825A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189983(P2010−189983)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】