説明

通電電力出力装置

【課題】車載されている走行用モータに電気的に接続して用いるとともにモータ電流を調整する半導体モジュールの複数個を備えている通電電力出力装置において、バスバーとバスバーの接続状態を解除して半導体モジュール単位で交換することを可能とする。
【解決手段】 複数枚のバスバー同士をクリップ90でとめる。一方のバスバー92の接触面に複数個の凸部P1〜P4を形成しておく。クリップの押圧部R1,R2がバスバー92に当接する位置に複数個の凸部が形成しておく。他方のバスバー94の接触面は平坦にしておく。各々の凸部の頂部を湾曲形状にしておくと、クリップでとめるだけで、バスバー92とバスバー94間の導電性を確実に確保することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、車載されている走行用モータに電気的に接続して用い、走行用モータに通電する電力を出力する装置を開示する。ここでいう走行用モータは、走行専用のモータに限られず、走行用に用いられることがあるモータを意味しており、例えば発電機として作動する状態があっても走行用に用いられる状態があれば、走行用モータに含まれる。また、走行用モータのみで走行するものに限られず、エンジン等を併用して走行する状態があっても、走行用モータに含まれる。
【背景技術】
【0002】
車載されている走行用モータに通電する場合、一般にはバッテリから供給される直流をパワー半導体装置でスイッチングして交流に変換し、交流に変換した電流を走行用モータに通電する。パワー半導体装置で大電流をスイッチングすることから、パワー半導体装置の電極部にバスバー(導電材料で形成された長尺の板をいう。金属の帯を用いることが多い)を固定し、バスバーとバスバーを接続することによって複数個のパワー半導体装置を組み合わせた回路を構成する。パワー半導体装置の電極部にバスバーを固定したものを本明細書では、半導体モジュールという。その定義によれば、バスバーも半導体モジュールの一部であるが、外観上は半導体モジュールからバスバーが伸びているように見える。
【0003】
現状では、バスバーとバスバーを溶接して接続しており、故障時には複数個の半導体モジュールを組み合わせた回路の全体を交換する必要がある。
特許文献1に、バスバーとバスバーをクリップで挟みつけることで、バスバーとバスバーを機械的に固定するとともに、導電性を確保する技術が記載されている。バスバーとバスバーをクリップで挟みつけることで導電性を確保することができれば、故障時には、故障した半導体モジュールの単位で交換することが可能となる。交換時の部品代を低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−62023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術によって、バスバーとバスバー間の導電性を確実に確保することができれば、問題はない。しかしながら実際に量産してみると、バスバーとバスバーをクリップで挟みつけるだけでは、バスバーとバスバーの接触圧や接触面積が安定せず、接触抵抗が安定しない。また振動などによってクリップの位置がずれてしまう可能性がある。本明細書では、バスバーとバスバーをクリップで挟んで密着させることによって、バスバーとバスバー間の接触抵抗を安定させることができるクリップとめ技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、バスバーとバスバーがクリップで固定されており、半導体モジュールの単位で交換することができる通電電力出力装置を開示する。その通電電力出力装置は、車載されている走行用モータに電気的に接続して用いる。
本明細書で開示する通電電力出力装置は、モータに通電するモータ電流を調整する半導体装置が組込まれている半導体モジュールの複数個を備えている。各々の半導体モジュールからバスバーが伸びており、複数枚のバスバー同士がクリップによってとめられてバスバーとバスバー間の導電性が確保されている。一方のバスバーの接触面(他方のバスバーと接触する面)に、複数個の凸部が形成されている。その複数個の凸部は、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置に形成されている。正確にいうと、クリップの押圧部はバスバーの非接触面に当接することから、当接位置に表裏を隔てて対向する位置に複数個の凸部が形成されている。各々の凸部は、湾曲した頂部を備えている。ここでいう湾曲は、かまぼこ型のように、1方向に湾曲している形状であってもよいし、半球形状のように、直交する2方向に湾曲している形状であってもよい。また、ラグビーボールのように、湾曲部の極率半径が、方向によって相違する形状であってもよい。複数個の凸部に接触する他方のバスバーの接触面は平坦である。
【0007】
一方のバスバーの接触面に複数個の凸部を形成しておいて平坦な他方のバスバーに密着させると、湾曲した頂部が平坦なバスバーに倣うように変形し、バスバーの表面に自然に形成されている酸化膜が破壊され、バスバーとバスバーが酸化膜を介さないで直接に接触する関係を得ることができる。凸部を平坦面に密着させると、接触形状と接触圧力が安定し、量産したときに接触不良となる製品が出現する可能性を確実に減少させることができる。一方のバスバーの接触面に複数個の凸部を形成しておくと、バスバーとバスバーをクリップで挟むだけで、バスバーとバスバー間の導電性を確実に確保することができる。
【0008】
クリップの基部の内側から押圧部までの距離と、パスバーの先端から凸部までの距離を等しくしておくことが好ましい。
この場合、クリップの基部の内側がパスバーの先端に当接するまでクリップを差し込むと、クリップの押圧部がバスバーの非接触面に当接する位置の反対面側(接触面側)の位置に、複数個の凸部が形成されている関係を得ることができる。クリップの押圧力が直接的に凸部に作用し、凸部の頂部を相手側のバスバーに倣わせることができる。
【0009】
バスバーを走行用モータの通電電流が流れる場合、2個の凸部で接触させると接触抵抗が十分に下がらないことがある。そのために3個以上の凸部が必要とされることがある。3個以上の凸部を直線上に設ける場合、凸部の高さが不揃いとなって頂部が直線上に並ばないことがある。複数個の凸部の頂部が直線上に並んでいないと、クリップで押圧しても相手側に十分に密着しない凸部が残ってしまうことがある。
そこで、バスバーの幅方向に4個の凸部を配列しておくとともに、クリップに、片側の2個の凸部を押圧する部分と、反対側の2個の凸部を押圧する部分に分離するスリットを形成しておくことが好ましい。
【0010】
この場合、スリットによって分離された部分が独立に変形することが可能となり、それぞれが2個の凸部を押圧する。2個の凸部を押圧する場合、2個の凸部の双方を確実に押圧する。3個の凸部を押圧する場合には、その頂部が直線上に揃っていない場合に、2個の凸部のみを押圧して残った凸部が押圧されない場合が生じるのに対し、2個の凸部を押圧する場合には、押圧されない凸部が残る可能性がない。スリットによって4個の凸部を押圧する部分を2分して独立に変形できるようにすると、4個の凸部の全部を確実に押圧することができる。
【0011】
重ねられた複数枚のバスバーと、クリップの位置関係を安定させるためには、位置決め用の補助部材を加えることが好ましい。すなわち、クリップの基部に内側から当接するとともにクリップの外側に向けて伸びる一対の係止爪が形成されている内側補助部材と、各係止爪が通過する孔を備えている外側補助部材を付加する。外側補助部材に設けられている孔は、係止爪が通過すると係止爪が孔の周囲に係止して係止爪が逆方向に通過することを禁止する形状としておく。その場合、半導体モジュールの位置決め基準となっているケーシングを基準にして外側補助部材を位置決する。
【0012】
上記によると、半導体モジュールの位置決め基準となっているケーシングに対して、外側補助部材が位置決めされ、それに係止する内側補助部材が位置決めされ、外側補助部材と内側補助部材によってクリップが位置決めされる。バスバーも半導体モジュールを介してケーシングに対して位置決めされている。結局、バスバーとクリップの双方がケーシングに対して位置決めされ、バスバーとクリップの相対的位置関係が安定する。
【0013】
一つの外側補助部材が、複数個のクリップに亘っていると、一つの外側補助部材を取り付けることで複数個所の接続作業が完了する。
【発明の効果】
【0014】
本明細書に記載されている発明によると、バスバーとバスバーをクリップでとめるだけで、バスバーとバスバー間の導電性を確実に確保することができる。クリップは取り外せることから、半導体モジュール単位で交換することが可能となる。通電電力出力装置の全体を交換する場合に比して、交換作業に必要な部品を限定することができ、無駄の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】通電電力出力装置の回路構成と、モジュールの単位を示す。
【図2】バスバーとバスバーをクリップで接続している部分の分解斜視図を示す。
【図3】凸部の形状を例示する。
【図4】第2実施例のクリップどめを説明する。
【図5】異なる方向に伸びるバスバーをグリップどめする様子を説明する。
【図6】3枚のバスバーをグリップどめする様子を説明する。
【図7】補助部材を付加してクリップとバスバーの位置関係を安定させる様子を示す。
【図8】バスバーとクリップと補助部材の断面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
下記に示す実施例の主要な特徴を列記する。
(特徴1)板厚が厚い側のバスバーは平坦にしておく。板厚が薄い側のバスバーに凸部を形成する。
(特徴2)各凸部の形成範囲内に、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置が存在している。
(特徴3)クリップの押圧部がバスバーに当接する範囲内に、複数個の凸部が形成されている。この場合も、各凸部の形成範囲内に、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置が存在している。
【実施例】
【0017】
図1は、通電電力出力装置60の回路構成と、モジュールの単位を示す。通電電力出力装置60は、車載されているバッテリ2と、車載されているモータジェネレータ52に接続して用いる。モータジェネレータ52は、モータとして機能して自動車を走行させる状態と、発電機として機能する状態がある。通電電力出力装置60は、バッテリ2の直流電圧を昇圧する部分と、昇圧した直流電圧を3相の交流に変換する部分を備えており、変換した3相の交流をモータジェネレータ52に供給してモータジェネレータ52をモータとして機能させる。制動時にはモータジェネレータ52が発電機として機能し、3相の交流を発生する。この状態では、通電電力出力装置60が3相交流を直流電圧に変換し、バッテリ2の電圧に降圧してバッテリ2を充電する。
【0018】
通電電力出力装置60は、コネクター4,5によってバッテリ2に接続される。通電電力出力装置60は、コンデンサ6とリアクトル8と昇圧用トランジスタ14とダイオード16を備えており、昇圧用トランジスタ14を断続的にオン・オフすることによってコンデンサ6の電圧を昇圧した電圧をダイオード12を介してコンデンサ20に印加する。通電電力出力装置60は、降圧用トランジスタ10を備えており、降圧用トランジスタ10を断続的にオン・オフすることによってコンデンサ20の電圧を降圧した電圧をコンデンサ6に印加する。
通電電力出力装置60は、上段トランジスタ22と下段トランジスタ26を直列に接続した回路と、上段トランジスタ30と下段トランジスタ34を直列に接続した回路と、上段トランジスタ38と下段トランジスタ42を直列に接続した回路を並列に接続した部分を備えており、コネクター46,48,50に3相の交流を出力する。24,28,32,36,40,44は、環流ダイオードである。
【0019】
通電電力出力装置60は、第1モジュール62、第2モジュール64、第3モジュール66、第4モジュール68、第5モジュール70、第6モジュール72を接続することで形成されている。第1モジュール62は、コンデンサ6とリアクトル8を備えており、2本のバスバーが伸びている。第2モジュール64は、トランジスタ10,14と、ダイオード12,16を備えている半導体モジュールであり、3本のバスバーが伸びている。第3モジュール66は、抵抗18とコンデンサ20を備えており、図示の接続関係を実現する複数枚のバスバーが伸びている。第4モジュール68は、トランジスタ22,26と、ダイオード24,28を備えている半導体モジュールであり、第4モジュール68から3本のバスバーが伸びている。第4モジュール68から伸びる一枚のバスバーは、コネクタ46に伸びている。第5モジュール70は、トランジスタ30,34と、ダイオード32,36を備えている半導体モジュールであり、第5モジュール70から3本のバスバーが伸びている。第5モジュール70から伸びる一枚のバスバーは、コネクタ48に伸びている。第6モジュール72は、トランジスタ38,42と、ダイオード40,44を備えている半導体モジュールであり、第6モジュール72から3本のバスバーが伸びている。第6モジュール72から伸びる一枚のバスバーは、コネクタ50に伸びている。
図示の80は、モジュールから伸びているバスバーとバスバーをクリップどめして接続している箇所を示している。
【0020】
図2は、2枚のバスバー92,94をクリップ90でとめる様子を説明している。一方のバスバー92の接触面(バスバー94側の面)に複数個の凸部P1,P2,P3,P4が形成されている。他方のバスバー94の接触面は平坦である。クリップ90は、ばね性のある板を折り曲げて形成されており、基部Sから両サイドに延びる部分が相互に接近する姿勢となっており、最も接近する部分が押圧部R1,R2となっている。両先端は外側に開いており、クリップ90の内側にバスバー92,94を取り込みやすくなっている。クリップ90の基部Sの内側から押圧部R1,R2までの距離Aと、パスバー92,94の先端から凸部P1〜P4までの距離Bは、等しい。クリップ90は、パスバー92,94の先端がクリップ90の基部Sの内側に当接するまで押し込む。凸部P1〜P4は、押圧部R1,R2がバスバー92に当接する位置に形成されている。正確にいうと、凸部P1〜P4は、押圧部R1,R2がバスバー92に当接する位置の裏面(接触面側)に形成されている。凸部P1〜P4の各々は、半球状であり、湾曲した頂部を備えている。バスバー92,94の板厚が相違する場合には、薄い方のバスバーに凸部を形成する。
各々の凸部の形成範囲内に、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置が存在している。そのために、クリップの各々が凸部を直接的に押圧する。クリップの押圧部がバスバーに当接する範囲が直線状でなく、広がりを持っていてもよい。その場合は、クリップの押圧部がバスバーに当接する範囲内に複数個の凸部を形成する。この場合も、各々の凸部の形成範囲内に、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置が存在することになる。
【0021】
図3は、凸部形状の変形例を示している。(1)は、凸部P5〜P8の各々が、ラグビーボールの半分に相当する形状である場合を例示している。(2)は、凸部P9〜P11の各々が、かまぼこ形状である場合を例示している。凸部形成方法によって、凸部の頂部が直線上に揃う場合には、かまぼこ形状(一方向に湾曲している形状)であってもよい。
【0022】
図4は、接触抵抗を下げるために3個以上の凸部が必要とされ、凸部の頂部を直線上に揃えることが難しい場合を例示している。この場合、バスバーの片側に配置されている2個の凸部P12,P13と、反対側に配置されている2個の凸部P14,P15を分けて扱うと、それぞれの頂部が直線上に揃う。凸部P12,P13の頂部は直線C1上にあり、凸部P14,P16の頂部は直線C2上にある。
そこで、クリップの凸部を押す側に、スリット102を設け、片側の2個の凸部P12,P13を押圧する部分106と、反対側の2個の凸部P14,P15を押圧する部分104に分離し、部分104と部分106が独立に変形できるようにする。すると、(3)に示すように、部分106は片側の2個の凸部P12,P13を反対側のバスバー108に確実に押圧し、部分104は反対側の2個の凸部P14,P15を反対側のバスバー108に確実に押圧する。4個の凸部P12,P13,P14,P15の全部が確実に反対側のバスバー108に押圧され、バスバーとバスバーの接触抵抗を確実に低下させる。
【0023】
図5は、異なる方向に伸びているバスバー202とバスバー204をクリップ206でとめる場合を例示している。図6は、3枚のバスバー210,212,214をクリップどめする場合を例示している。この場合、中央のバスバーを平坦とし、外側のバスバーの内側に凸部を形成する。図示の216は、凸部の背面に形成された凹部を示し、218はバスバー214の接触面に形成された凸部を示している。
【0024】
図7は、バスバー128aと130aに対してクリップ110aを位置決めし、バスバー128bと130bに対してクリップ110bを位置決めするために、補助部材を付加した例を示している。ケーシング126は、バスバー128aと130aが伸びている半導体モジュールと、バスバー128bと130bが伸びている半導体モジュールを固定している。結局、バスバー128a,130a,128b,130bは、ケーシング126に対して位置決めされている。
【0025】
内側補助部材112aは、クリップ110aの基部Sに内側から当接する部分114aと、クリップ110aの外側に伸びる一対の係止爪116a,118aを備えている。クリップ110aの基部Sの内側には、内側補助部材112aの当接面114aに密着する平坦面を形成しておく。クリップ110aの基部Sの外側側には、外側補助部材に密着する平坦面を形成しておく。
外側補助部材124には、係止爪116aが通過する貫通孔120aと、係止爪118aが通過する貫通孔122aが形成されている。係止爪116aが貫通孔120aを通過すると、貫通孔120aの周囲に係止爪116aが係止して係止爪116aが逆方向に通過して抜けることを禁止する。同様に、係止爪118aが貫通孔122aを通過すると、貫通孔122aの周囲に係止爪118aが係止して係止爪118aが逆方向に通過して抜けることを禁止する。係止爪116aを貫通孔120aに通過させ、係止爪118aを貫通孔122aに通過させると、クリップ110aの基部の平坦面が外側補助部材124と内側補助部材112aの間に挟みつけられる。その結果、クリップ110aが外側補助部材124に対して位置決めされる。その状態が図8に示されている。クリップ110bにも、上記と同じ補助部材を用いる。外側補助部材124は、複数個のクリップ110aと110bに対して共通化されている。複数個のクリップ110aと110bが、外側補助部材124に対して位置決めされる。外側補助部材124は、ケーシング126に対して位置決めされる。そのために、バスバー128aと130aとクリップ110aの位置関係が一定に調整される。同様に、バスバー128bと130bとクリップ110bの位置関係が一定に調整される。
【0026】
バスバーとバスバーの接続箇所が複数個所である場合、複数個のクリップ110a,110b・・を、複数個の内側補助部材112a,112b・・を使って、共通に用いる外側補助部材124に位置決めしておくと、共通に用いる外側補助部材124をケーシング126に位置決めすることで、複数個所の接続作業が同時に完成する。補助部材を用いることで一方のバスバーと他方のバスバーとクリップの位置関係が安定し、安定した導電性が確保される。複数の接続箇所に共通に用いられる補助部材を用いると、複数箇所の接続作業が簡単化される。
【0027】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0028】
90:クリップ
92:一方のバスバー
94:他方のバスバー
P1,P2,P3,P4:凸部
R1,R2:押圧部
S:基部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載されている走行用モータに電気的に接続して用いる通電電力出力装置であり、
モータ電流を調整する半導体装置が組込まれている半導体モジュールの複数個を備えており、
各々の半導体モジュールからバスバーが伸びており、
複数枚のバスバー同士がクリップによってとめられており、
一方のバスバーの接触面のうちの、クリップの押圧部がバスバーに当接する位置に表裏を隔てて対向する位置に、複数個の凸部が形成されており、
他方のバスバーの接触面は平坦であり、
各々の凸部が、湾曲した頂部を備えていることを特徴とする通電電力出力装置。
【請求項2】
クリップの基部の内側から押圧部までの距離と、パスバーの先端から凸部までの距離が等しいことを特徴とする請求項1に記載の通電電力出力装置。
【請求項3】
バスバーの幅方向に4個の凸部が配列されており、
クリップに、片側の2個の凸部を押圧する部分と、反対側の2個の凸部を押圧する部分に分離するスリットが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の通電電力出力装置。
【請求項4】
クリップの基部に内側から当接するとともに、クリップの外側に伸びる一対の係止爪が形成されている内側補助部材と、
各係止爪が通過する孔を備えており、各係止爪が通過すると係止爪が孔の周囲に係止して係止爪が逆方向に通過することを禁止する外側補助部材が付加されており、
その外側補助部材が、半導体モジュールの位置決め基準となっているケーシングを基準にして位置決めされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかの1項に記載の通電電力出力装置。
【請求項5】
一つの外側補助部材が、複数個のクリップに亘っていることを特徴とする請求項4の通電電力出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−93946(P2013−93946A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233685(P2011−233685)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】