説明

連結ピン、連結ピンの引抜治具及び引抜方法

【課題】 連結ピンを事後的に直線的に引き抜き可能な引抜治具を提供する。
【解決手段】 構造部材に装着された連結ピンPNを事後的に引き抜く引抜治具1である。案内棒11に沿って直線的に移動可能な操作ウェイト12と、案内棒11の先端側に固着された係止部13と、案内棒11の基端端側に固着されて操作ウェイト12の移動を受け止めるフランジ部21とを備える。使用時には、連結ピンPNと一体化された補助ネジ30に、係止部13を係止させた状態で、操作ウェイト12をフランジ部21に打ち付けることにより、連結ピンPNを補助ネジ30と共に直線的に引き抜く。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築物などの構造部材の接合に使用された連結ピンを事後的に引き抜くことを可能にした引抜治具その他に関するものである。
【背景技術】
【0002】
木造住宅などの木造建築物では、一般に、梁と柱、柱と土台などの接合には、接合金具が使用される。そして、接合金具を使用する場合には、接合金具を木材を確実に係合させるために連結ピンが好適に用いられている。
【0003】
この連結ピンは、構造部材の内部にきつく叩き込まれるが、連結ピンの打ち込み箇所を間違えた場合だけでなく、例えば、建築物の増改築や取り壊しのために、隣接する構造部材の接合を解きたい場合には、連結ピンを木材から抜く必要がある。
【0004】
ここで、連結ピンの進入方向に連結ピンを叩き出せる場合には何の問題も無いが、それが不可能であり、連結ピンを逆向きに引き抜くしかない場合がある。かかる場合、テコの原理を応用した連結ピンの引抜治具がまず考えられるが、これでは連結ピンを真っ直ぐに抜くことができず、しかも、木材にも多大な傷をつけてしまうという問題がある。
【0005】
一方、特許文献1に記載の連結ピンの発明も提案されている。この発明では、連結ピン本体の頭部に平行な一対の扁平面を切り欠くと共に、上記頭部の平坦な頂面中央に外向き開口する回動操作工具用の係止凹溝を切り欠いた連結ピンに、回動操作工具を用いて、連結ピンを構造部材から抜き出している。
【特許文献1】特開2001−40780号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の連結ピンは、その製造が容易でなく、しかも、使用時には、連結ピンを木材にねじ込む必要があり、その作業が煩雑である。そもそも、一つの建築物の完成には多数の連結ピンを使用するのであるから、そのコストは極力安価であるべきであり、また連結ピンの装着作業についても簡便なものが強く望まれる。また、引き抜き時にも、電動工具を要することなく、直線的に引き抜き可能な連結ピンが望まれる。
【0007】
本発明は、上記の要請に基づいてなされたものであって、製作コストが安価で装着時の使用も容易であり、且つ事後的にも直線的に容易に引き抜き可能な連結ピンを提供することを目的とする。また、連結ピンを直線的に引き抜き可能な引抜治具及び引抜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、構造部材に装着された連結ピンを事後的に引き抜く引抜治具であって、案内部材に沿って直線的に移動可能な操作ウェイトと、前記案内部材の一端側に固着されて、前記連結ピンと一体化された補助具に係止可能な係止部と、前記案内部材の他端側に固着されて、前記操作ウェイトの移動を受け止めるフランジ部とを備え、前記操作ウェイトを前記フランジ部に打ち付けることにより、前記係止部に係止された前記補助具を、前記連結ピンと共に直線的に引き抜くようにしている。
【0009】
前記係止部は、基端部から先端に向けて略U字状に延びる延設部を有し、前記基端部には、前記案内部材が圧入される収容取付孔が形成されるのが好ましい。また、前記係止部は、基端部から先端に向けて略U字状に延びる延設部を有し、前記延設部は、その底部に設けられた作業部と、作業部の両側から垂直に立上がる側壁部とに区分され、この側壁部によって、前記係止部の先端側には、略U字状の開口溝が形成するようにしてもよい。更にまた、円柱形状の案内部材と、前記案内部材に遊嵌される略円筒状の操作ウェイトと、前記案内部材の先端側に固着される係止部と、前記案内部材の基端側に固着される保持部とで構成され、前記フランジ部が前記保持部に設けられ、前記操作ウェイトを除いて、全体が強固に一体化されているのが好ましい。
【0010】
一方、請求項5に係る引抜方法は、構造部材に装着された連結ピンに補助具を固定する第一工程と、引抜治具の先端側に設けた係止部を、前記連結ピンに固定された前記補助具に係止させる第二工程と、前記補助具に前記係止部を係止させた状態で、前記引抜治具の軸上を移動可能な操作ウェイトを、前記引抜治具の基端側に打ち付ける第三工程とを備えて、前記構造部材に装着された連結ピンを事後的に直線的に引き抜くようにしている。
【0011】
また、請求項6に係る発明は、隣接する2つの構造部材を接合する接合金具と組み合わせて使用され、全体として略円柱状に形成され、その先端部が先細になっている連結ピンであって、前記連結ピンPNの基端部には、予備孔が軸方向に予め形成されており、前記連結ピンの引抜き時には、前記予備孔を介して前記連結ピンと一体化される補助具が、前記連結ピンと共に直線的に引く抜かれるようになっている。
【0012】
ここで、前記連結ピンの一部には、他の部分より径方向に大きい大径部が設けられているのが好ましい。また、前記大径部は、加圧変形された隆起部であるか、或いは、前記大径部は、軸方向の基端側が先端側より均一に大径となり、且つ、そこには網目状の凹凸が形成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記した各発明によれば、製作コストが安価で装着時の使用も容易であり、且つ事後的にも直線的に容易に引き抜き可能な連結ピンを実現できる。また、連結ピンを直線的に引き抜き可能な引抜治具及び引抜方法を実現できる。なお、本発明は、木造建築物に対して使用するのが特に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明を実施形態に基づき以下に説明する。図1は、第1実施例に係る引抜治具1を示す図であり、図1(a)は、引抜治具1を図1(b)のB−B線に沿って切断した中央断面図、図1(b)は、図1(a)のA−A方向に見た係止部13の拡大正面図、図1(c)は、係止部13の一部を破断して図示した斜視図である。
【0015】
図1(a)に示す通り、この引抜治具1は、円柱形状の案内棒11と、案内棒11に遊嵌される略円筒状の操作ウェイト12と、案内棒11の先端側に固着される係止部13と、案内棒11の基端側に固着される保持部14とで構成されている。前記の各部材11〜14は、鋼鉄などの金属製であり、操作ウェイト12を除いて、全体が強固に一体化されている。
【0016】
案内棒11は、典型的には鋼鉄製の丸棒が使用され、案内棒11の本体部11aの両端には、やや小径の取付部11b,11cが突出形成されている。
【0017】
操作ウェイト12は、全体として略円筒状に形成され、軸方向中央の把持部12aと、把持部12aの両端の大径フランジ12bとに区分される。この操作ウェイト12には、径方向中央部を軸方向に貫通して挿通孔15が設けられ、挿通孔15の内径は、案内棒11の外径よりもやや大きく形成されている。また、把持部12aには、人間の指に対応した凹部が形成されて、全体として、軸方向に波形の外周輪部を有している。
【0018】
図1(b)(c)に示すように、係止部13は、略直方体状の基端部16と、基端部16から先端に向けて略U字状に延びる延設部17とに区分される。そして、基端部16には、案内棒11の先端側取付部11bが圧入される収容取付孔16aが貫通して形成されている。
【0019】
一方、延設部17は、その底部に設けられた作業部18と、作業部18の両側から垂直に立上がる側壁部19とに区分され、この側壁部19によって、係止部13の先端側には、略U字状の開口溝が形成されている。
【0020】
延設部17の底部に設けられた作業部18は、後述する引抜作業用の補助ネジ30(図4参照)を引掛ける部分である。そのため、作業部18は、補助ネジ30の軸部32を受け入れる導入部18aと、受け入れた補助ネジ30の頭部31を係止する作業本体部18bとに区分されている(図1(c))。図示の通り、導入部18aは、補助ネジ30の軸部32を受け入れやすいよう、先端に向けて広がっている。また、作業本体部18bは、補助ネジ30の軸部32よりやや大径で、補助ネジ30の頭部31より確実に小径の円弧形状を有している。
【0021】
作業部18の肉厚Hは、これが厚いほど引抜強度に優れるが、余り厚いと作業性に劣るので、十分な強度を有する前提で必要最小限の厚さに設定されている。また、作業本体部18bは、補助ネジ30の頭部31を受け入れるに必要な最小限の左右幅W及び前後幅に設定されている(図1(b))。
【0022】
この実施例では、一対の側壁部19,19が、作業部18の両側で基端部16と同一高さまで立設されている。そのため、後述する引抜作業を繰り返しても、作業部18が十分な引抜強度を維持する。
【0023】
図1(a)に示す通り、保持部14は、丸棒状の円柱部20と、略四角形の四隅がコーナー加工された矩形板状のフランジ部21とで構成されている。円柱部20の先端側には、やや小径の突出固定部20aが形成され、突出固定部20aには、案内棒11の基端側取付部11cと同径の円柱取付孔22が形成されている。ここで、突出固定部20aの外径は、案内棒11の本体部11aの外径よりも大径に形成されている。また、円柱取付孔22の深さは、案内棒11の基端側取付部11cの軸方向長さよりやや深く形成されている。そのため、案内棒11の基端側取付部11cが円柱取付孔22に圧入された状態では、案内棒の本体部11aの基端面と、突出固定部20a先端面とが確実に当接することになる。
【0024】
フランジ部21の板厚は、円柱部20の突出固定部20aの軸方向長さと同程度に形成されている。また、フランジ部21の中心位置には、突出固定部20aの外径と同一寸法の内径を有する丸孔21aが形成されている。そして、円柱部20の突出固定部20aが、フランジ部21の丸孔21aに圧入されて溶接されることで、円柱部20とフランジ部21とが一体化されている。
【0025】
以上説明した案内棒11、操作ウェイト12、係止部13、及び保持部14は、例えば、以下のようにして組み立てられる。まず、案内棒11の先端側取付部11bを係止部13の収容取付孔16aに圧入した後、案内棒11と係止部13とを溶接により一体化する。次に、案内棒11に操作ウェイト12を挿通し、突出固定部20aに形成された円柱取付孔22に、案内棒11の基端側取付部11cを圧入した後、突出固定部20aと案内棒11とを溶接により一体化する。
【0026】
以上のようにして組み立てられた引抜治具1では、操作ウェイト12が案内棒11に遊嵌されているので、操作ウェイト12は、案内棒11の軸方向に沿って移動自在である。また、案内棒11の両端部に固着された係止部13とフランジ部21とが、操作ウェイト12のストッパとして作用して、操作ウェイト12が案内棒11から抜脱されることがない。
【0027】
図2は、上記実施例の引抜治具1によって、引き抜かれる連結ピンPNを示す図であり、(a)は連結ピンPNの正面図、(b)は平面図、(c)はA−A断面図、(d)はB−B断面図、(e)は連結ピンPNの変形例を示す正面図である。
【0028】
連結ピンPNは、略円柱状に形成されており、連結ピンPNの先端部は、切頭円錐状に形成されている。また、連結ピンPNの基端部には、径方向中心に予備孔HOが特徴的に形成されている。予備孔HOは、この実施例では単純な丸孔であるが、一旦木材に埋め込まれた連結ピンPNを何らかの理由で引く抜く場合には、この丸孔にネジ溝が事後的に形成される。そして、ネジ溝の切られた予備孔HOに補助ネジ30(図4)をねじ込むことで、補助ネジ30と連結ピンPNとが一体化される。
【0029】
また、連結ピンPNの外周には、基端側の対称位置に隆起部23,23が設けられている。この隆起部23は、連結ピンPNを、径方向両側(図の上下方向)から加圧することで形成される。なお、隆起部23,23は、木材に埋め込まれた連結ピンPNの回動を防止する部分であるが、隆起部23に代えて、或いは、隆起部23に加えて、連結ピンPNの基端側をやや大径にすると共に、ローレット加工を施して微細な凹凸模様を形成しても良い。図2(e)は、隆起部に代えてローレット加工を施した連結ピンPN’であり、連結ピンPN’の軸方向中央から基端部にかけて、軸方向中央から先端部の径よりもやや大径に形成すると共に、その外周に網目状の凹凸模様が形成されている。
【0030】
図3は、柱2と梁3との接合構造を示す斜視図であり、図4は、梁3に挿入された連結ピンPNの引抜方法を示す斜視図である。
【0031】
図3に示すとおり、柱2と梁3とを接合する部材として接合金具4が使用される。この接合金具4は、金属製板体を略コ字状に折り曲げて形成されたものであり、基端部が柱2とボルト・ナットにより接合され、先端部4a、4aが梁3と連結ピンPNにより接合される。接合金具4の基端部には、ボルト穴(不図示)が形成されており、接合金具4の先端部の上部及び下部には切欠き24が形成され、両先端部の中央には3つのピン孔25が形成されている。
【0032】
柱2には、接合金具4の基端部に対応した円柱溝26が上下2つ形成されている。梁3の一端部には、上面から下面にかけて、接合金具4の先端部4a、4aに対応した2本の切込み溝27,27が形成されている。梁3の側面には、接合金具4の切欠き24に対応したピン孔28、接合金具4のピン孔25に対応したピン貫通穴29,29が切込み溝27,27を横切って形成されている。
【0033】
柱2と梁3の接合は以下のようにして行われる。柱2の円柱溝26に接合金具4の基端部を挿入して、接合金具4のボルト穴にボルト(不図示)を通し、柱2の反対側でナット(不図示)を締めることにより、柱2に接合金具4を固定する。次に、梁3のピン孔28に、連結ピンPNをハンマー等で叩き込む。そして、梁3を接合金具4の上側から落とし込み、ピン孔28に挿入された連結ピンPNが、接合金具の上部切欠き24に引掛けられる。その後、梁3のピン貫通穴29,29を介して接合金具4のピン孔25,25に連結ピンPNを嵌挿して、接合金具4と梁3を固定することにより、柱2に梁3を接合する。
【0034】
図4に示すとおり、作業完了状態では、梁3には連結ピンPNが3つ挿入されており、連結ピンPNの基端部が梁3の側面に表れている。このような完成状態において、その後、建物の建替えや改築などの要請から、柱2と梁3とを分離したい場合がある。かかる場合、連結ピンPNをその先端方向に叩き出すことができれば良いが、建物の構造上、連結ピンPNの先端方向に余分な空間がなく、叩き出し作業が不可能な場合もある。
【0035】
このような場合、この連結ピンPNの梁3から引抜きは、以下のようにして行われる。まず、この連結ピンPNの予備孔HOの内周に、ネジ切り工具によってネジ溝を形成する。この時、連結ピンPNの隆起部23,23は係止片として働き、ネジ切り作業において、連結ピンPNが回動することを防止する。
【0036】
このようにしてネジ溝が形成されると、次にネジ溝を有する予備孔HOに、補助ネジ30をねじ込む。このねじ込み作業では、補助ネジ30が完全にねじ込まれる手前で完了させる。すなわち、ねじ込み作業の完了状態では、連結ピンPNから補助ネジの頭部31までの距離は、引抜治具1の作業部18の板厚Hよりやや長く設定される。
【0037】
次に、引抜治具1の導入部18aを、補助ネジ30の軸部32に誘導し、最終的に、補助ネジの頭部31を作業本体部18bに保持させる。作業者は、この状態で、操作ウェイト12と保持部14を把持して、操作ウェイト12を勢いよく何回もフランジ部21に打ち付ける。そうすると、操作ウェイト12が打ち付けられた方向、即ち、梁3から離れる方向に力が作用して、連結ピンPNが補助ネジ30と共に、回動動作を伴うことなく直線的に引き抜かれることとなる。
【0038】
以上の実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は、その趣旨を変更しない限り上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、実施形態では、連結ピンPNの予備孔HOでは、連結ピンPNの引抜時にねじ切り作業によってネジ溝を形成しているが、予備孔HOにネジ溝が予め形成された連結ピンPNを使用してもよい。この場合、ねじ切り作業を省略して、補助ネジ30を連結ピンPNの予備孔HOにねじ込み、引抜治具1で連結ピンPNを引き抜くこととなる。
【0039】
また、引抜治具1は、図5に示す第2実施例の引抜治具1であってもよい。図5は、第2実施例に係る引抜治具1を示す図であり、図5(a)は、引抜治具1を図1(b)のB−B線に沿って切断した中央断面図、図5(b)は、図1(a)のA−A方向に見た係止部13の拡大正面図、図5(c)は、係止部13の斜視図である。
【0040】
この図5に示す引抜治具1の操作ウェイト12の把持部12aは、人間の指に対応した凹部が形成されず、円筒状となっている。このように把持部12aを形成することにより、簡易に操作ウェイト12を製造することができる。また、操作ウェイト12を一旦把持し、フランジ部21に向かって操作ウェイト12を投げ付けて、連結ピンPNを補助ネジ30と共に引き抜く場合に有効である。
【0041】
また、引抜治具1の係止部13は、略直方体状の基端部16と、基端部16から先端に向けて延びる延設部17とに区分される。基端部16には、案内棒11の先端側取付部11bが圧入される収容取付孔16aが、第1実施例の引抜治具1と同様に、貫通して形成されている。延設部17の基端側は、略円弧状に形成され、先端側には、略U字状の開口溝が形成されている。また、延設部17の肉厚Hは、基端部16の厚さより薄く形成されている。延設部17は、引抜作業用の補助ネジ30(図4参照)を引掛ける部分として、補助ネジ30の軸部32を受け入れる導入部18aと、受け入れた補助ネジ30の頭部31を係止する作業本体部18bとに区分されている(図5(b)、(c))。図示の通り、導入部18aは、補助ネジ30の軸部32を受け入れやすいよう、先端に向けて広がっている。また、作業本体部18bは、補助ネジ30の軸部32よりやや大径で、補助ネジ30の頭部31より確実に小径の円弧形状を有している。
【0042】
第2実施例の引抜治具1の係止部13は、以上のように形成されているので、第1実施例のように側壁部19を設ける必要がなく、より容易に係止部13を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る引抜治具を示す図面である。
【図2】連結ピンPNを示す図面である。
【図3】柱と梁の接合構造を示す図面である。
【図4】連結ピンPNの引抜方法を示す図面である。
【図5】引抜治具の変形例を示す図面である。
【符号の説明】
【0044】
1 引抜治具
11 案内部材(案内棒)
12 操作ウェイト
13 係止部
21 フランジ部
30 補助具(補助ネジ)
PN 連結ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造部材に装着された連結ピンを事後的に引き抜く引抜治具であって、
案内部材に沿って直線的に移動可能な操作ウェイトと、
前記案内部材の一端側に固着されて、前記連結ピンと一体化された補助具に係止可能な係止部と、
前記案内部材の他端側に固着されて、前記操作ウェイトの移動を受け止めるフランジ部とを備え、
前記操作ウェイトを前記フランジ部に打ち付けることにより、前記係止部に係止された前記補助具を、前記連結ピンと共に直線的に引き抜くようにしたことを特徴とする引抜治具。
【請求項2】
前記係止部は、基端部から先端に向けて略U字状に延びる延設部を有し、前記基端部には、前記案内部材が圧入される収容取付孔が形成されている請求項1に記載の引抜治具。
【請求項3】
円柱形状の案内部材と、前記案内部材に遊嵌される略円筒状の操作ウェイトと、前記案内部材の先端側に固着される係止部と、前記案内部材の基端側に固着される保持部とで構成され、前記フランジ部が前記保持部に設けられ、前記操作ウェイトを除いて、全体が強固に一体化されている請求項1又は2に記載の引抜治具。
【請求項4】
構造部材に装着された連結ピンに補助具を固定する第一工程と、
引抜治具の先端側に設けた係止部を、前記連結ピンに固定された前記補助具に係止させる第二工程と、
前記補助具に前記係止部を係止させた状態で、前記引抜治具の軸上を移動可能な操作ウェイトを、前記引抜治具の基端側に打ち付ける第三工程とを備えて、
前記構造部材に装着された連結ピンを事後的に直線的に引き抜くようにしたことを特徴とする連結ピンの引抜方法。
【請求項5】
隣接する2つの構造部材を接合する接合金具と組み合わせて使用され、全体として略円柱状に形成され、その先端部が先細になっている連結ピンであって、
前記連結ピンPNの基端部には、予備孔が軸方向に予め形成されており、
前記連結ピンの引抜き時には、前記予備孔を介して前記連結ピンと一体化される補助具が、前記連結ピンと共に直線的に引く抜かれるようになっている連結ピン。
【請求項6】
前記連結ピンの一部には、他の部分より径方向に大きい大径部が設けられている請求項5に記載の連結ピン。
【請求項7】
前記大径部は、加圧変形された隆起部である請求項6に記載の連結ピン。
【請求項8】
前記大径部は、軸方向の基端側が先端側より均一に大径となり、且つ、そこには網目状の凹凸が形成されている請求項6又は7に記載の連結ピン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−253300(P2007−253300A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83582(P2006−83582)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(500543834)木建技研株式会社 (10)
【Fターム(参考)】