説明

遊技媒体貸出装置および方法、並びにプログラム

【課題】遊技店の管理コストを低減する。
【解決手段】持球計数部54は、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する。持球管理部172は、バッファ221に、持球計数部54の計数結果である持球数Aを保持させる。記録部241は、持球数Aの数量を加算して持球数Bを記録媒体に記録する。持球払出部53は、持球数A、および持球数Bの両方、またはいずれかに基づいて、遊技媒体を払い出す。持球数Aが所定数量より多くなった場合、記録部241は、記録媒体の持球数Bを、所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、持球管理部172は、持球数Aの数量を所定数量分だけ減算した数量に更新して保持する。本発明は、遊技媒体管理システムに適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体貸出装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、遊技店において、各遊技者の持球数(各遊技者が所有する遊技媒体数)を管理するための遊技用記録媒体の流通量を抑制し、準備すべき遊技用記録媒体の数量を低減させ、遊技用記録媒体の管理コストを低減できるようにした遊技媒体貸出装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店、およびパチスロ店に代表される遊技店においては、遊技者が遊技を開始するに当たり、遊技球やメダルなどの遊技媒体の貸し出しを受けて遊技を開始する。この遊技媒体の貸し出しをする装置として、現金を受付け、受け付けた現金に相当する有価価値を遊技度数として遊技用記録媒体に記録し、記録された有価価値に基づいて遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出装置が一般に普及している。
【0003】
この遊技媒体貸出装置の技術として、紙幣識別機(ビルバリ)にて受付けられた現金の額面である遊技用有価価値数を遊技用記録媒体(IC(Integrated Circuit)コイン、ICカード等)に書込むと共に、遊技台からの遊技媒体貸出要求に基づいて、貸出可能な有価価値を読み取り、貸出された有価価値分を減算した有価価値を書込む有価価値の取扱い方法に関する技術が開示されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、遊技者が遊技台で遊技することにより獲得した遊技媒体を、遊技台用のICカードに持球数として記録し、ICカードに記録された持球数の情報に基づいて、再度遊技を開始できるように払い出す技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−300112号公報
【特許文献2】特開平5−15655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した特許文献1,2により開示されている遊技媒体の貸出技術においては、遊技用記録媒体に記録された有価価値から遊技媒体の貸出単価に基づいて1度数として予め設定された所定数量を上限とした遊技媒体が1回の貸出動作で貸し出されることになる。
【0007】
一般に貸出動作は、遊技者により貸出ボタンが押下されるとき、予め設定された1度数に対応する遊技度数分のパルス信号が、遊技台より遊技媒体貸出装置に送信され、このパルス信号に基づいて、遊技用記録媒体に記録された有価価値情報に対応する数量の遊技媒体を遊技台または遊技媒体貸出装置から払い出す指示がなされる。
【0008】
遊技媒体払出装置は、遊技度数の1単位、または予め設定された遊技媒体の数量を1つの払出命令による遊技媒体の払い出し処理として実行している。そのため、持球計数機能を有する遊技媒体貸出装置においては、持球の計数結果を遊技用記録媒体に記録して遊技媒体の貸出処理を実行する場合、遊技度数などが予め設定された1単位の数量に満たない状態になると、貸出処理において貸出す事が出来ないので、遊技度数が1単位未満となる数量が余り球として遊技用記録媒体に記録され続けることになる。
【0009】
結局、残された余り球として記録された残価値は返却ボタンの押下により遊技者に返却された遊技用記録媒体は、景品交換処理にて景品に交換されて返却される。
【0010】
しかしながら、上述した遊技用記録媒体の処理方法では、遊技度数未満の余り球の残価値を有する遊技用記録媒体を遊技者に返却する必要があるが、持球計数機能に対応していないため、記録される遊技度数は、最初に投入される金額がある程度制限される状況においては、1単位となる数量に対応する有価価値が、受け付けられた紙幣の金額に対応する有価価値の倍数となる限り、余り球の発生は皆無に等しい状態となる。
【0011】
一方、昨今においては、持球計数機能を各台間機に持たせることで、計数された持球数の数量の情報を遊技用記録媒体に記録することが求められている。この場合、持球数は、有価価値を管理する場合とは異なり、様々な数量になることが考えられるため、必然的に余り球となる持球数の情報が記録される機会が増えることが予想される。
【0012】
すなわち、持球計数機能を用いて、持球数の計数結果をも遊技用記録媒体に記録できるようにすると、受付けられた現金に相当する有価価値のみを遊技度数として遊技用記録媒体に書込む遊技用記録媒体の処理方法と比べて、余り球残価値が遊技用記録媒体に残る機会が増える分だけ、遊技店全体として遊技者の手元に遊技用記録媒体を返却する頻度が高くなり、返却すべき遊技用記録媒体の流通量が増大することになる。
【0013】
このため、遊技店は、遊技媒体の貸し出し管理に用いられる遊技用記録媒体を多く保有する必要があり、結果として、持球計数機能付き遊技媒体貸出装置は、持玉計数機能を有さない遊技媒体貸出装置に比べて、遊技用記録媒体を多く保有する必要に迫られることとなるので遊技店で管理する遊技媒体の管理コストが高くなってしまう。
【0014】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、特に、遊技店において、各遊技者の持球数(各遊技者が所有する遊技媒体数)を管理するための遊技用記録媒体の流通量を抑制し、遊技店で保有すべき遊技用記録媒体の数量を低減させることで、遊技媒体の管理コストを低減できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一側面の遊技媒体貸出装置においては、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0016】
持球払出ボタンが押下される場合、前記計数持球数情報の数量がゼロではないとき、前記払出手段には、前記計数持球数情報に対応する数量の遊技球を払い出させ、前記計数持球数情報保持手段には、前記計数持球数情報の数量をゼロにさせるようにすることができる。
【0017】
持球払出ボタンが押下される場合、前記計数持球数情報の数量がゼロであり、前記記録持球数情報の数量がゼロではないとき、前記払出手段には、前記記録持球数情報の数量のうち、前記所定数量分を上限として前記遊技球を払い出させ、前記記録手段には、払い出した遊技球に相当する数量分だけ減算して前記記録持球数情報を更新して記録させるようにすることができる。
【0018】
返却ボタンが押下される場合、前記記録媒体に前記有価価値情報、および前記記録持球数情報の少なくとも何れかが記録されているとき、前記記録媒体を返却する返却手段をさらに含ませるようにすることができ、前記記録媒体を返却する場合、前記払出手段には、前記計数持球数情報の数量の遊技球を払い出させ、前記計数持球数情報保持手段には、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持させるようにすることができる。
【0019】
前記遊技球の単価を設定する単価設定手段をさらに含ませるようにすることができ、前記所定数量は、前記単価設定手段により設定される単価の遊技球の、所定の有価価値の額面に相当する数量とすることができる。
【0020】
前記記録手段には、前記記録媒体に前記記録持球数情報を記録するとき、前記単価設定手段により設定された単価毎に、記録持球数情報を記録させるようにすることができる。
【0021】
本発明の遊技媒体貸出装置の遊技媒体貸出方法は、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する遊技媒体貸出装置における遊技媒体貸出処理であって、前記持球計数手段における、前記遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数ステップと、前記計数持球数情報保持手段における、前記持球計数ステップの処理での計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持ステップと、前記記録手段における、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録ステップと、前記払出手段における、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出ステップとを含み、前記計数持球数情報保持ステップの処理により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録ステップの処理は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持ステップの処理は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0022】
本発明の一側面のプログラムは、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する遊技媒体貸出装置を制御するコンピュータに、前記持球計数手段における、前記遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数ステップと、前記計数持球数情報保持手段における、前記持球計数ステップの処理での計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持ステップと、前記記録手段における、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録ステップと、前記払出手段における、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出ステップとを含む処理を実行させ、前記計数持球数情報保持ステップの処理により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録ステップの処理は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持ステップの処理は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0023】
本発明の一側面の遊技媒体貸出装置においては、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0024】
本発明の一側面の遊技媒体貸出装置における、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段とは、例えば、持球計数部であり、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段とは、例えば、持球管理部のバッファであり、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段とは、例えば、記録媒体返却部の記録部であり、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とは、例えば、持球払出部である。
【0025】
すなわち、持球管理部のバッファにより保持されている、持球計数部により計数された遊技媒体の数量が所定数量より多くなった場合、記録媒体返却部の記録部は、記録媒体に記録されている記録持球数情報を、所定数量分だけ加算して更新して、記録し、持球管理部は、バッファに記憶している持球計数部により計数された持球数情報の数量を所定数量分だけ減算した数量に更新して保持する。
【0026】
このため、記録媒体に有価価値情報、および記録持球数情報の少なくとも何れかが記録されている場合、返却ボタンが押下されることにより、記録媒体返却部が、記録媒体を返却するとき、持球払出部は、持球管理部のバッファに記憶されている持球数情報の数量の遊技球を払い出すことが可能となる。
【0027】
したがって、持球管理部のバッファに記憶されている、所定数量に満たない余り球に対応する持球数情報を記録媒体に記録する必要がなくなるので、記録媒体を返却する頻度を抑制することが可能となる。
【0028】
結果として、遊技店は、返却の頻度に応じて保有すべき遊技用の記録媒体の保有数を抑制することが可能となり、遊技店の管理コストを低減することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、返却の頻度に応じて保有すべき遊技用の記録媒体の保有数を抑制し、遊技店の管理コストを低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明を適用した遊技媒体管理システムの構成例を説明するブロック図である。
【図2】遊技台と台間機の外観を示す図である。
【図3】台間機の外観を示す図である。
【図4】遊技台および台間機の構成例を示すブロック図である。
【図5】持球計数部の構成を示す図である。
【図6】記録媒体に記録される情報の例を示すである。
【図7】持球管理処理を説明するフローチャートである。
【図8】計数シャッタ管理処理を説明するフローチャートである。
【図9】記録媒体受付処理を説明するフローチャートである。
【図10】持球加算処理を説明するフローチャートである。
【図11】持球払出処理を説明するフローチャートである。
【図12】記録媒体管理処理を説明するフローチャートである。
【図13】記録媒体返却判定処理を説明するフローチャートである。
【図14】持球更新処理を説明する図である。
【図15】汎用のコンピュータの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明の構成要件と、発明の詳細な説明に記載の実施の形態との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、本発明をサポートする実施の形態が、発明の詳細な説明に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の詳細な説明中には記載されているが、本発明の構成要件に対応する実施の形態として、ここには記載されていない実施の形態があったとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、実施の形態が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その実施の形態が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
【0032】
すなわち、本発明の一側面の遊技媒体貸出装置においては、遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段(例えば、図4の持球計数部54)と、前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段(例えば、図4の持球管理部172のバッファ221)と、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段(例えば、図4の記録媒体返却部158の記録部241)と、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段(例えば、図4の持球払出部53)とを含み、前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0033】
返却ボタンが押下される場合、前記記録媒体に前記有価価値情報、および前記記録持球数情報の少なくとも何れかが記録されているとき、前記記録媒体を返却する返却手段(例えば、図4の記録媒体返却部158)をさらに含ませるようにすることができ、前記記録媒体を返却する場合、前記払出手段には、前記計数持球数情報の数量の遊技球を払い出させ、前記計数持球数情報保持手段には、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持させるようにすることができる。
【0034】
前記遊技球の単価を設定する単価設定手段(例えば、図4のレート設定部176)をさらに含ませるようにすることができ、前記所定数量は、前記単価設定手段により設定される単価の遊技球の、所定の有価価値の額面に相当する数量とすることができる。
【0035】
本発明の遊技媒体貸出装置の遊技媒体貸出方法は、前記持球計数手段における、前記遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数ステップ(例えば、図10のステップS74)と、前記計数持球数情報保持手段における、前記持球計数ステップの処理での計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持ステップ(例えば、図10のステップS72)と、前記記録手段における、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録ステップ(例えば、図9のステップS44)と、前記払出手段における、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出ステップ(例えば、図11のステップS97)とを含み、前記計数持球数情報保持ステップの処理により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、前記記録ステップの処理は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、前記持球数情報保持ステップの処理は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する。
【0036】
[本発明に係る遊技店の遊技媒体管理システムの一実施の形態の構成例]
図1は、本発明に係る遊技店の遊技媒体管理システムの一実施の形態の構成例を示す図である。
【0037】
遊技店1−1乃至1−nは、いわゆるパチンコ店、パチスロ店、または、カジノ店である。また、これらの遊技店1−1乃至1−nは、系列店舗または第3者遊技店管理センタ2の加盟店であって、複数の店舗を統括的に管理する必要のある店舗である。各遊技店1−1乃至1−nは、第3者遊技店管理バス4により接続されており、それらのバスおよびインターネット等に代表される公衆通信回線網5を介して、相互に第3者遊技店管理情報を授受している。尚、以降において、遊技店1−1乃至1−nのそれぞれについて、特に区別する必要がない場合、単に、遊技店1と称するものとし、その他の構成についても同様に称するものとする。
【0038】
第3者遊技店管理センタ2は、第3者遊技店管理センタを管理運営する事業者により使用されるサーバであり、第3者遊技店管理データベース(DB)3で管理されている媒体貸出管理情報からなるDBを各遊技店1より供給されてくる情報に基づいて更新すると供に、更新した最新の媒体貸出管理情報を各遊技店1の媒体貸出管理装置25に対して配信する。
【0039】
第3者遊技店管理バス4は、主に各遊技店1の媒体貸出管理装置25により管理される媒体貸出管理情報を流通させるための伝送路として機能する。
【0040】
遊技店管理装置21は、いわゆるホールコンピュータと呼ばれるものであり、遊技店管理情報バス30を介して遊技台34−1乃至34−mの動作を監視している。遊技店管理装置21は、遊技台34の出玉もしくはメダルの払い出しの情報、各遊技台34−1乃至34−mの遊技者の呼び出し情報、またはエラーの発生などの監視状況に応じて、所定の処理を実行し、実行結果を有機EL(Electro Luminescence)やLCD(Liquid Crystal Display)などからなる表示部23に表示する。遊技店管理装置21は、遊技台34−1乃至34−m、および台間機35−1乃至35−mのそれぞれより供給されてくる情報を、それぞれを識別する識別情報(例えば、遊技台番号)とを対応付けて遊技台管理データベース22により管理する。
【0041】
媒体貸出管理装置25は、精算販売機31、および貸出機32からの情報に基づいて、貸し出される遊技媒体の媒体貸出管理情報を媒体貸出管理データベース27を用いて管理すると供に、媒体貸出管理データベース27に登録されている媒体貸出管理情報を更新する際、その更新情報を、第3者遊技店管理バス4および公衆通信回線網5を介して第3者遊技店管理センタ2に送る。さらに、媒体貸出管理装置25は、第3者遊技店管理バス4および公衆通信回線網5を介して第3者遊技店管理センタ2により供給されてくる媒体貸出管理情報を取得し、媒体貸出管理データベース27に蓄積させる。
【0042】
貸出機32は、遊技者が遊技台34で遊技する際、現金やプリペイドカード(ICコイン、またはICカードを含む)などにより所定の金額を受け付けると、金額に応じた数量の遊技媒体を貸し出す。この際、貸出機32は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報を媒体貸出管理装置25に供給する。これにより、媒体貸出管理装置25は、受け付けた現金やプリペイドカードの残数などの情報と供に、貸し出した遊技媒体の個数の情報を媒体貸出管理データベース27に登録する。
【0043】
精算販売機31は、貸球を借りるための度数をつけてプリペイドカードを販売する。このとき、精算販売機31は、販売したプリペイドカードの度数と払いうけた金額とを媒体貸出管理装置25に供給する。また、精算販売機31は、プリペイドカードなどの度数として貸し出した遊技媒体の残数に基づいて現金を精算して払い出す。このとき、精算販売機31は、プリペイドカードの残数と払い戻した現金の金額を媒体貸出管理装置25に供給する。
【0044】
貯球払機33は、遊技者が遊技台を遊技することにより獲得した遊技球、またはメダルの数量、すなわち持球の数量が記録された遊技用の記録媒体である、ICコインやICカードを受け付けて、記録媒体に記録された数量の範囲で、遊技球、またはメダルを払い出す。
【0045】
遊技台34−1乃至34−mは、遊技者により所定の操作がなされることにより、遊技を実行し、いわゆる小当たりや大当たりに応じて、遊技球、または、メダルを払い出す。尚、以降においては、遊技台34の例として、弾球式遊技台、すなわち、パチンコ台を例にして説明を進めるものとするが、遊技球と同様の、または類似した遊技媒体の払い出し機能を備えることができれば、パチンコ台に限るものではなく、例えば、回動式遊技台、すなわち、パチスロ台にも適用することができる。
【0046】
台間機35−1乃至35−mは、各遊技台34−1乃至34−mに対応して設けられている。すなわち、台間機35は、遊技台34に対して1対1に設けられており、例えば、図2で示されるように、遊技台34の左側に対応する台間機35が設けられる。また、台間機35は、図3で示されるように、遊技球を払い出すノズル51、および遊技者が遊技により獲得した遊技球、いわゆる持球を受け付ける受皿52が設けられている。ノズル51は、台間機35に内蔵される持球払出部53が、払出ボタン50が押下されて、持球である遊技球の払い出しが指示されたとき、その指示に基づいて払い出された遊技球を遊技台34の上皿に誘導する。受皿52は、遊技により獲得された遊技球、すなわち、持球を受け付けると共に、図3で示されるように、台間機35の下部に設けられた、持球計数部54に誘導して、持球として獲得された遊技球の数量を計数させる。
【0047】
[遊技台および台間機の構成例]
次に、図4を参照して、遊技台34および台間機35の構成例について説明する。
【0048】
まず、遊技台34の構成例について説明する。
【0049】
遊技台34は、貸球払出制御部101、操作部102、および貸球払出部103より構成されている。貸球払出制御部101は、操作部102の操作信号に応じて、遊技球の貸し出し、またはICコインなどからなる遊技用の記録媒体251(図6)の返却を指示する信号を供給する。また、貸球払出制御部101は、台間機35からの貸球の払い出しの指示に基づいて、貸球を払い出す。尚、図示していないが、遊技台34には、この他に遊技球が打ち込まれる遊技盤、および入賞口に遊技球が導入されることにより、遊技状態を変化させたり、演出状態を変化させる基盤等も設けられている。
【0050】
操作部102は、貸出ボタン111、および返却ボタン112を備えており、それぞれの操作内容に応じた操作信号を発生して、貸球払出制御部101に供給する。貸球払出部103は、貸球払出制御部101により制御され、貸球の払い出しが指示されると、貸球を遊技台34の上皿に払い出す。
【0051】
次に、台間機35の構成例について説明する。
【0052】
台間機35は、台間機制御部151、操作部152、送受信部153、台間機情報記憶部154、現金受付部155、払出情報送受信部156、記録媒体受付部157、記録媒体返却部158、持球払出部53、および持球計数部54を備えている。
【0053】
台間機制御部151は、記録媒体制御部171、持球管理部172、操作制御部173、持球計数処理部174、持球払出制御部175、およびレート設定部176を備えており、台間機35の動作の全体を制御している。
【0054】
記録媒体制御部171は、払出情報送受信部156を介して遊技台34より遊技球の貸し出しを指示する信号を受けると、記録媒体受付部157に問い合わせてICコインなどからなる記録媒体251(図6)に記録されている有価価値、および持球数情報を読み出し、有価価値の範囲で貸球の払い出しの指示を払出情報送受信部156を介して遊技台34に通知する。この際、記録媒体制御部171は、レート設定部176により設定される遊技球の単価に基づいて、貸出球数を設定し、設定した貸出球数分だけ貸球を払い出すように遊技台34に通知する。また、記録媒体制御部171は、記録媒体251より読み出した持球数情報を持球管理部172に通知する。さらに、記録媒体制御部171は、持球管理部172より持球数情報が供給されてくると、記録媒体返却部158の記録部241により記録媒体251(図6)に持球数情報を記録させる。
【0055】
また、記録媒体制御部171は、払出情報送受信部156を介して遊技台34からの記録媒体251(図6)の返却を指示する信号を受けると、記録媒体返却部158を制御して、記録媒体受付部157に受け付けられた記録媒体251(図6)を返却させる。この際、記録媒体制御部171は、持球管理部172に対しても、記録媒体251(図6)の返却を指示したことを通知する。
【0056】
さらに、記録媒体制御部171は、現金受付部155により現金が受け付けられると、記録媒体返却部158の記録部241により記録媒体に対して受け付けた現金の額面に相当する有価価値の情報を記録させる。また、記録媒体制御部171は、有価価値に対応して貸球の払い出しを指示するとき、および、現金の受付に基づいて有価価値を記録させるとき、台間機情報記憶部154に記憶されている台間機35を識別する情報と共に、有価価値、および貸出球数などの情報を送受信部153を制御して、媒体貸出管理装置25に供給する。
【0057】
持球計数処理部174は、持球計数部54を制御して、図2で示される受皿52より誘導されてくる遊技球の球数を持球数として計数させ、計数結果を持球管理部172に供給する。持球管理部172は、持球計数処理部174より供給されてくる計数結果を、順次累積的に加算して、バッファ221に記憶させる。そして、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている計数結果として記憶されている持球数情報を記録媒体制御部171に供給して、記録媒体に記録させるように指示する。また、持球管理部172は、操作制御部173より操作部152の払出ボタン50が操作されて、持球の払い出しが指示されたことが通知されると、持球払出制御部175を制御して、持球払出部53より持球を払い出させる。さらに、持球管理部172は、バッファ221に記憶された持球数情報を記録媒体251(図6)に記録させるとき、または、記録媒体251に記録された持球数情報を読み出して持球を払い出させるとき、操作制御部173に対して持球数情報を供給し、操作部152のLCD231に表示させる。
【0058】
操作部152は、払出ボタン50およびLCD231を備えており、持球の払い出しを指示するときに操作される払出ボタン50が操作されると、操作内容に応じた信号を操作制御部173に供給する。また、操作部152は、持球管理部172より操作制御部173を介して持球数情報が供給されてくると、対応する持球数情報をLCD231に表示する。
【0059】
台間機情報記憶部154は、台間機35を個別に識別する情報を記憶しており、その識別情報は、送受信部153を介して媒体貸出管理装置25に対して発信される各種の情報に付加される。
【0060】
現金受付部155は、いわゆるビルバリと呼ばれる紙幣識別機能を備えた装置であり、投入された紙幣である現金の真偽を判定した上で、投入された現金の額面の情報を読み出し、有価価値情報として記録媒体制御部171に供給する。
【0061】
記録媒体受付部157は、投入シャッタ191、および読取部192を備えており、投入シャッタ191の開閉を制御し、台間機35の図示せぬ投入口に投入された記録媒体251(図6)を受け付けると共に、読取部192を制御して、受け付けた記録媒体251(図6)の記録されている有価価値情報、および持球数情報を読み出させる。
【0062】
記録媒体返却部158は、記録媒体制御部171により制御され、記録媒体251の返却が指示されると、記録媒体受付部157により投入が受け付けられた記録媒体251を返却する。また記録媒体返却部158は、記録部241を備えており、記録媒体制御部171からの指示に基づいて、投入された記録媒体251(図6)に対して有価価値情報、および持球数情報を記録させる。
【0063】
持球払出部53は、持球払出制御部175により制御され、持球の払い出しが指示されると、指定された数量の遊技球を、持球として払い出す。このとき払い出された遊技球は、ノズル51により遊技台34の上皿に誘導される。尚、払い出される遊技球の数量が、所定数の場合は、台間機35からの指示に基づいて遊技台34が払い出し、所定数に満たない数量の遊技球の払い出しがノズル51より台間機35が直接払い出すようにしてもよい。
【0064】
持球計数部54は、例えば、図5で示されるように、計数シャッタ211、および計数センサ212を備えており、ソレノイドSLをオンオフさせることにより、計数シャッタ211を開閉し、計数通路R1上を移動する遊技球を計数センサ212へ誘導する。そして、持球計数部54は、計数センサ212を制御し、計数通路R1上を通過する遊技球数を計数する。すなわち、図5で示されるように、計数通路R1は、計数センサ212方向に傾斜しており、遊技球P1乃至P3は、計数シャッタ211が開放されると、計数センサ212方向に移動し、計数センサ212により通過が検出される状態となる。また、計数シャッタ211が閉鎖されると、遊技球P1乃至P3は、計数センサ212方向には移動できない状態となるため、計数センサ212により通過が検出されない状態となる。
【0065】
[記録媒体に記録される情報]
次に、図6を参照して、記録媒体251に記録される情報について説明する。
【0066】
記録媒体251に記録される情報は、記録媒体251を識別するID、有価価値情報、遊技球の単価別の持球数情報が記録される。これらの情報は、情報の種別毎に記録されるアドレスが設定されており、図6の例においては、「00」のアドレスには、IDが記録されており、「01」のアドレスには、有価価値情報が記録されており、「02」乃至「04」のアドレスには、それぞれ遊技球の単価が1球当たり4円、2円、および1円の場合の持球数情報が記録されていることが示されている。尚、ここでは、遊技球の単価が3種類の場合について示されているが、これ以外の単価が存在する場合は、3種類以上の単価毎に持球数情報が記録されることになり、対応したアドレスが設定されて、個別に記録される。
【0067】
[持球管理処理]
次に、図7のフローチャートを参照して、持球管理処理について説明する。
【0068】
持球管理処理は、原則として遊技店1の営業時間内において継続される処理である。すなわち、営業が開始されると、処理が開始される。ステップS1において、記録媒体制御部171は、レート設定部176に予め設定されている遊技球の単価の情報を読み込んで認識する。すなわち、例えば、遊技球の単価として、1球当たり4円、2円、または1円のいずれが設定されているのかを示す情報が、レート設定部176には予め設定されているので、記録媒体制御部171は、その情報を読み出し、図示せぬバッファなどに記憶する。以降において、記録媒体制御部171は、このとき記憶した遊技球の単価設定に基づいて、遊技球数を計算する。
【0069】
ステップS2において、記録媒体制御部171は、計数シャッタ管理処理を実行し、計数シャッタ211の開閉による遊技球の計数の可否を管理する。尚、計数シャッタ管理処理については、図8のフローチャートを参照して、詳細を後述するものとする。
【0070】
ステップS2において、計数シャッタ211が開放されて、遊技球の計数が可能な状態となると、処理は、ステップS3に進む。
【0071】
ステップS3において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付処理を実行し、持球計数部54により計数された計数結果を記録媒体251に記録させるまでの処理を実行する。すなわち、記録媒体251に持球数情報として記録される数量は、基本的に払い出しが可能な最低数量単位でしか記録することができない。このため、この最低払出数量となるまでは、記録媒体251への書き込みができない。
【0072】
すなわち、記録媒体251を所持しない遊技者が遊技台34で遊技している場合、上述した最低数量となるまでは、記録媒体を所持していない状態となる。したがって、記録媒体受付処理は、記録媒体251を所持していない遊技者が、現金を投入することにより、記録すべき有価価値が発生する、または、遊技により獲得した遊技球の数量を管理するための最低数量の持球数情報が発生することにより、遊技者が所持すべき記録媒体251が発生するまでの処理となる。
【0073】
尚、台間機35は、有価価値、および持球数情報のいずれも記録されていない記録媒体251を、図示せぬ貯留部に貯留しており、必要に応じて、図示せぬ貯留部より取り出して、新たな有価価値情報、および持球数情報を記録する。また、後述するが、記録媒体管理処理においては、遊技者が記録媒体251が投入されると、投入された記録媒体251が受け付けられて、持球管理部172のバッファ221に記憶されている持球数情報に、受け付けられた記録媒体251に記録されている持球数情報とが合算されて管理される。また、記録媒体受付処理は、図9のフローチャートを参照して、詳細を後述する。
【0074】
ステップS3の処理により、記録媒体251の投入が受け付けられるか、または、有価価値情報、または持球数情報が記録された記録媒体251が発生すると、処理は、ステップS4に進む。
【0075】
ステップS4において、記録媒体制御部171は、持球管理部172と共に、遊技媒体管理処理を実行し、記録媒体251に記録されるべき、有価価値情報および持球数情報を管理し、記録媒体251に記録する。尚、遊技媒体管理処理については、図12のフローチャートを参照して、詳細を後述する。
【0076】
ステップS4において、遊技媒体管理処理は、記録媒体251に記録すべき有価価値情報および持球数情報がなくなるか、または、記録媒体251の返却が指示されると、終了し、処理は、ステップS5に進む。
【0077】
ステップS5において、記録媒体制御部171は、営業終了時間であるか否かを判定し、営業時間内である場合、処理は、ステップS2に戻る。すなわち、営業時間内である限り、ステップS2乃至S5の処理が繰り返される。そして、ステップS5において、営業終了時間であると判定された場合、処理は、終了する。
【0078】
[計数シャッタ管理処理]
次に、図8のフローチャートを参照して、計数シャッタ管理処理について説明する。
【0079】
ステップS21において、記録媒体制御部171は、上述した図示せぬ貯留部に、有価価値情報、および持球数情報のいずれも記録されていない未記録の記録媒体が貯留されているか否かを判定する。ステップS21において、例えば、未記録の記録媒体が貯留されていないと判定された場合、ステップS22において、記録媒体制御部171は、持球管理部172に対して、計数シャッタ211を閉じるように指示する。この指示を受けて、持球管理部172は、持球計数処理部174に対して、計数シャッタ211を閉じるように指示する。そこで、持球計数処理部174は、ソレノイドSLを動作させて、計数シャッタ211を閉じて、計数通路R1を流通する遊技球を計数センサ212で検出できない状態とする。
【0080】
すなわち、何らかの情報が記録された記録媒体251が投入された場合には問題がないが、未記録の記録媒体251が無い状態で持球数が計数されると、計数結果である持球数情報を遊技者に付与することができない状態となるので、以降の処理においては、少なくとも1枚の未記録の記録媒体251が必要となる。そこで、持球となる遊技球の球数を計数できない状態とすると、遊技者が遊技により遊技球を持球として獲得できても、計数ができない状態となる。このような場合、遊技者は、遊技店1の係員に対して計数できない旨の申告をすることとなるため、この申告により未記録の記録媒体251が貯留されていないことが係員に認識されることとなり、持球数情報が発生した場合に遊技者に対して、その情報を付与することができないといった事態を回避することが可能となる。
【0081】
一方、ステップS21において、未記録の記録媒体251が投入されるなどして貯留されていると判定された場合、処理は、ステップS23に進む。
【0082】
ステップS23において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157に対して、次回の記録対象となる記録媒体251を識別するIDの情報を読み出すように指示する。記録媒体受付部157は、この指示に応じて、読取部192を制御し、記録媒体251のIDを読み取らせ、読み取ったIDの情報を記録媒体制御部171に供給する。記録媒体制御部171は、この情報に基づいて記録媒体251のIDを取得する。
【0083】
ステップS24において、記録媒体制御部171は、持球管理部172に対して、計数シャッタ211を開くように指示する。この指示を受けて、持球管理部172は、持球計数処理部174に対して、計数シャッタ211を開くように指示する。この指示に基づいて、持球計数処理部174は、ソレノイドSLを動作させて、計数シャッタ211を開き、計数通路R1を流通する遊技球を計数センサ212で検出できる状態とする。
【0084】
以上の処理により、未記録の記録媒体251が投入されていない状態では、持球となる遊技球の数量を計数できないようにすることができる。結果として、遊技者からの申告などにより未記録の記録媒体251が貯留されていないことを認識することが可能となり、持球数情報が行き場の無い状態で遊技が継続されてしまうといった事態を回避ことが可能となる。
【0085】
[遊技媒体受付処理]
次に、図9のフローチャートを参照して、遊技媒体受付処理について説明する。
【0086】
ステップS41において、持球管理部172は、持球計数処理部174を制御して、持球計数部54の計数センサ212において、遊技球の通過が検出されたか否かを判定する。ステップS41において、例えば、遊技球の通過が検出されている場合、処理は、ステップS42に進む。
【0087】
ステップS42において、持球管理部172は、持球加算処理を実行し、計数センサ212により通過が検出された遊技球の数量を持球数情報に加算する。
【0088】
[持球加算処理]
ここで、図10のフローチャートを参照して、持球加算処理について説明する。
【0089】
ステップS71において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数情報を読み出す。尚、以降において、バッファ221に記憶されている持球数情報における数量を持球数Aと称するものとする。
【0090】
ステップS72において、持球管理部172は、持球計数処理部174を制御して、持球計数部54の計数センサ212により計数された遊技球の数量の情報を取得する。そして、持球管理部172は、持球数Aを、通過が検出された遊技球の数量分だけ加算した値に更新してバッファ221に記憶させる。
【0091】
ステップS73において、持球管理部172は、持球計数処理部174に対して計数処理に異常が発生しているか否かを問い合わせて判定する。ステップS73において、例えば、持球計数処理部174からの応答により、異常が発生していないと判定された場合、処理は、ステップS74に進む。
【0092】
ステップS74において、持球管理部172は、持球計数処理部174に問い合わせて、持球計数部54の計数センサ212において、遊技球の通過が検出されたか否かを判定し、通過が検出された場合、処理は、ステップS71に戻る。すなわち、ステップS71乃至S74の処理が繰り返されることにより、順次計数センサ212により通過が検出された遊技球数分だけ加算されて持球数Aがバッファ221に記憶される。
【0093】
一方、ステップS73において、例えば、持球計数処理部174からの応答により、異常が発生していると判定された場合、処理は、ステップS76に進む。
【0094】
ステップS76において、持球管理部172は、操作制御部173に対して異常が発生していることを操作部152のLCD231に表示させる。すなわち、異常が発生している限り、ステップS73,S76の処理が繰り返されて、異常が発生していることが表示され続ける。ステップS76において、発生していた異常が解除された場合、処理は、ステップS74に進む。すなわち、異常が発生している限り、計数センサ212において遊技球の通過が検出されても持球管理部172におけるバッファ221の持球数Aにはカウントされないことになる。
【0095】
また、ステップS74において、計数センサ212において、遊技球の通過が検出されない場合、処理は、ステップS75に進む。
【0096】
ステップS75において、持球管理部172は、持球計数部54の計数センサ212により遊技球の通過が最後に検出されてから所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過していない場合、処理は、ステップS74に戻る。すなわち、遊技球の通過が検出されない状態で、所定時間が経過するまでは、ステップS74,S75の処理が繰り返される。そして、ステップS75において、所定時間が経過したと判定された場合、処理は、終了する。
【0097】
以上の処理により、持球計数部54の計数センサ212により遊技球の通過が検出されることにより計数される遊技球の数量が、順次、持球管理部172のバッファ221に持球数Aに加算して更新していくことが可能となる。
【0098】
ここで、図9のフローチャートの説明に戻る。
【0099】
ステップS42において、持球加算処理が実行されることにより、持球管理部172のバッファ221に記憶されている持球数Aに計数された遊技球数が順次加算される。
【0100】
ステップS43において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aが記録媒体251に記録される書込最低数量に達したか否かを判定する。ここで、書込最低数量とは、例えば、持球として管理されている遊技球の払い出しが要求されたときに払い出される1回分の遊技球の数量である。すなわち、例えば、遊技球の単価が1球当たり4円であった場合、100円分を1度数とすると1度数で25球を貸し受けることが可能となる。さらに、1回の貸し受けは5度数分、すなわち、500円分であったとすれば、1回の貸し受け分、すなわち、一回の貸出操作で125球の遊技球が貸し出されることになる。遊技球は、パルス状の波形の信号によりスプロケットをステッピングモータにより回転させることで払い出される。そこで、1回の貸出操作で貸し出される遊技球数と同数の125球単位で持球も払い出されるものとすれば、125球よりも少ない数量単位で記録媒体251に持球数情報が記録されていても、払い出すことができないこととなり、結果として、余り球として記録されることになる。そこで、このような払い出しができない球数、すなわち、書込最低球数に満たない場合には、記録媒体251に対して持球数情報として記録させないようにしている。すなわち、書込最低球数とは、持球数情報の範囲内における、1回の払い出し要求により払い出しが可能な最低球数であると同時に、記録媒体251に記録されるべき最低球数である。
【0101】
ステップS43において、バッファ221に記憶されている持球数Aが記録媒体251に記録される書込最低球数に達していないと判定された場合、処理は、ステップS41に戻る。すなわち、バッファ221に記憶されている持球数Aが記録媒体251に記録される書込最低球数に達するまで、ステップS41乃至S43の処理が繰り返される。そして、ステップS43において、バッファ221に記憶されている持球数Aが記録媒体251に記録される書込最低球数に達したと判定された場合、処理は、ステップS44に進む。
【0102】
ステップS44において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの情報を記録媒体制御部171に供給し、記録媒体251に記録するように指示する。記録媒体制御部171は、持球管理部172より供給されてきた持球数Aを記録媒体返却部158に供給し、記録媒体251に記録させる。記録媒体返却部158は、記録部241を制御して、記録媒体251の現在の遊技球の単価に対応するアドレスに記録されている持球数情報の数量を、持球数Aの数量を加算した数量に更新して記録させる。尚、以降において、記録媒体251に記録されている持球数情報の数量については、持球数Bと称するものとする。
【0103】
ステップS45において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157を制御して、投入シャッタ191を閉じさせる。この処理により、新たに遊技者が所持している記録媒体251が投入されることを防止する。すなわち、現状の遊技者の持球数の情報は、未記録の状態で貯留されていた記録媒体251に記録されているため、他の記録媒体251の投入を受け付けると、以降においていずれの記録媒体251に対して持球数情報を記録すべきか識別ができない状態となりうる。そこで、新たな記録媒体251の投入を受け付けない状態とすることで、現在の遊技者の持球数情報を記録すべき記録媒体251を特定できる状態とする。
【0104】
ステップS46において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの数量の情報をゼロに設定し、処理は、終了する。すなわち、バッファ221には、持球計数部54により計数されたが、記録媒体251に持球数の情報として記録されていない状態の数量が蓄積されることとなるが、記録媒体251に記録されたので、一旦リセットされることになる。
【0105】
一方、ステップS41において、遊技球の通過が計数センサ212により検出されなかった場合、処理は、ステップS47に進む。
【0106】
ステップS47において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157を制御して、読取部192により有価価値情報、または持球数情報が記録された記録媒体251が投入されたか否かを判定させる。ステップS47において、有価価値情報、または持球数情報が記録された記録媒体251が投入されたと判定された場合、処理は、ステップS48に進む。
【0107】
ステップS48において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157を制御して、読取部192より、投入された記録媒体251を識別するIDを読み取らせる。
【0108】
ステップS49において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157を制御して、読取部192より、投入された記録媒体251に記録されている持球数Bの持球数情報を読み取らせる。
【0109】
ステップS50において、記録媒体制御部171は、持球管理部172にバッファ221に記憶されている持球数Aを問い合わせて取得する。そして、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157を制御して、持球数Bの持球数情報のみを読み出させ、持球数Aの数量を加算して持球数Bを更新して、記録媒体251に記録させ、処理は、ステップS45に進む。
【0110】
また、ステップS47において、有価価値情報、または持球数情報が記録された記録媒体251が投入されていないと判定された場合、処理は、ステップS51に進む。
【0111】
ステップS51において、記録媒体制御部171は、現金受付部155が紙幣からなる現金の投入を受け付けたか否かを判定する。ステップS51において、例えば、紙幣からなる現金を受け付けたと判定された場合、処理は、ステップS52に進む。
【0112】
ステップS52において、記録媒体制御部171は、記録媒体返却部158を制御して、記録部241により記録媒体251に受け付けた現金の額面に相当する有価価値情報を記録させる。さらに、記録媒体制御部171は、持球管理部172に問い合わせてバッファ221に記憶されている持球数Aの情報を取得し、さらに、記録媒体返却部158を制御して、記録部241により記録媒体251の持球数Bの数量を持球数Aを加算した数量に更新して記録させ、処理は、ステップS45に進む。
【0113】
さらに、ステップS51において、紙幣からなる現金を受け付けないと判定された場合、ステップS53において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの情報を読み出す。
【0114】
ステップS54において、持球管理部172は、読み取った持球数Aの数量の情報がゼロであるか否かを判定し、例えば、ゼロであった場合、処理は、ステップS41に戻る。一方、ステップS54において、持球数Aの数量の情報が、ゼロであった場合、ステップS55は、操作制御部173に対して操作部152の払出ボタン50の操作を有効な状態に設定させる。
【0115】
ステップS56において、持球管理部172は、操作制御部173を制御して、操作部152の払出ボタン50が押下されたか否かを判定し、例えば、操作部152の払出ボタン50が押下されていないと判定された場合、処理は、ステップS41に戻る。
【0116】
一方、ステップS56において、払出ボタン50が押下された場合、ステップS57において、持球管理部172は、持球払出処理を実行し、持球払出部53より持球となる遊技球を払い出させる。
【0117】
[持球払出処理]
ここで、図11のフローチャートを参照して、持球払出処理について説明する。
【0118】
ステップS91において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの情報を読み取る。
【0119】
ステップS92において、持球管理部172は、持球数Aがゼロであるか否かを判定し、例えば、ゼロであった場合、処理は、ステップS93に進む。
【0120】
ステップS93において、持球管理部172は、記録媒体制御部171に対して記録媒体251に記録されている持球数Bの情報を読み出すように要求する。記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの情報を読み出し持球管理部172に供給する。
【0121】
ステップS94において、記録媒体制御部171は、記録媒体251の上書き処理を管理する管理フラグをONに設定する。
【0122】
ステップS95において、持球管理部172は、取得した持球数Bの数量の範囲で、所定の払出数を上限として、払出球数Cを設定する。
【0123】
一方、ステップS92において、持球数Aがゼロではない場合、ステップS104において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの数量の範囲で、所定の払出数を上限として、払出球数Cを設定して記憶する。
【0124】
すなわち、記録媒体251に有価価値情報、および持球数情報の少なくともいずれかの情報が記録されるまでの間に、払出ボタン50が押下された場合、バッファ221に持球数Aが記憶されている限り、優先的に持球数Aの数量の範囲で払出球数Cが設定されて記憶される。
【0125】
ステップS96において、持球管理部172は、払出球数Cの情報を持球払出制御部175に供給し、読み取らせ、払い出しを指示する。
【0126】
ステップS97において、持球払出制御部175は、持球払出部53を制御して遊技球を1球払い出させる。
【0127】
ステップS98において、持球払出制御部175は、払出球数Cを1デクリメントして更新する。
【0128】
ステップS99において、持球払出制御部175は、払出球数Cがゼロであるか否かを判定し、ゼロでは無い場合、処理は、ステップS96に戻る。
【0129】
すなわち、ステップS95、またはS104において設定された払出球数Cに相当する数量の遊技球が払い出されるまで、ステップS96乃至S99の処理が繰り返される。そして、ステップS99において、払出球数Cがゼロとなったと判定された場合、設定された払出球数Cが払い出されたものとみなし、処理は、ステップS100に進む。
【0130】
ステップS100において、記録媒体制御部171は、管理フラグがONに設定されているか否かを判定し、例えば、ONに設定されている場合、ステップS101において、記録媒体返却部158の記録部241を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bより、払出球数Cの数量分を現在して持球数Bを更新させる。
【0131】
ステップS102において、記録媒体制御部171は、管理フラグをOFFにし、処理は、終了する。
【0132】
一方、ステップS100において、管理フラグがONではない場合、ステップS103において、記録媒体制御部171は、持球管理部172に対してバッファ221に記憶されている持球数Aの持球数情報の数量をゼロに設定させる。
【0133】
すなわち、持球払出処理により、記録媒体251に有価価値情報、または持球数情報のいずれかが記録されていない場合、バッファ221に記憶されている持球数Aの数量がゼロではないとき、優先的に持球数Aの数量に基づいて払出球数Cが設定され、持球数Aの数量がゼロのとき、記録媒体251に記録されている持球数Bの数量に基づいて払出球数Cが設定される。結果として、余り球となりうるバッファ221に記憶されている持球数Aがある限り、払出ボタン50が押下されると、持球数Aが優先的に払い出され、持球数Bは、払出球数の書込最小数量単位で数量が記録されていることになるので、記録媒体251には、払出操作が繰り返されても余り球となる数量が記録されないようにすることが可能となる。
【0134】
ここで、図9のフローチャートの説明に戻る。
【0135】
ステップS57において、持球払出処理が終了すると、ステップS58において、持球管理部172は、操作制御部173を制御して、操作部152の払出ボタン50の動作を無効にして、処理は、ステップS41に戻る。
【0136】
すなわち、記録媒体受付処理により、記録媒体251を所持しない遊技者が、遊技により所定数よりも多い持球数となって、記録媒体251を所持するようになった場合、記録媒体251には、少なくとも持球数Bが1回の払出操作で払い出しが可能な数量が記録されるので、払出操作を繰り返して、持球数Bに余り球が生じる可能性が低減される。また、記録媒体251に持球数Bが記録されるまでは、払出操作がなされても、持球管理部172のバッファ221に記憶されている持球数Aの数量で払い出されるため、記録媒体251に記録されている持球数Bに余り球が生じる可能性が低減される。いずれにおいても、結果として、遊技店1が保有すべき記録媒体251の数量を抑制することができ、管理コストを低減することが可能となる。
【0137】
[記録媒体管理処理]
次に、図12のフローチャートを参照して、記録媒体管理処理について説明する。
【0138】
ステップS121において、持球管理部172は、記録媒体制御部171に記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を問い合わせる。この問い合わせに応じて、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を読み取り、持球管理部172に供給する。
【0139】
ステップS122において、持球管理部172は、記録媒体制御部171に記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を問い合わせる。この問い合わせに応じて、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を読み取り、持球管理部172に供給する。そして、持球管理部172は、持球数Bの数量がゼロであるか否かを判定する。ステップS122において、例えば、持球数Bの数量がゼロではない場合、処理は、ステップS123に進む。
【0140】
ステップS123において、持球管理部172は、操作制御部173を制御して、操作部152の払出ボタン50の操作を有効な状態に設定させる。
【0141】
ステップS124において、持球管理部172は、操作制御部173に問い合わせて、操作部152の払出ボタン50が押下されたか否かを判定する。ステップS124において、例えば、払出ボタン50が押下された場合、処理は、ステップS125に進み、持球払出処理が実行される。尚、この持球払出処理は、図11のフローチャートを参照して説明した処理と同様であるので、その説明は省略するものとする。
【0142】
ステップS126において、持球管理部172は、記録媒体制御部171に記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を問い合わせる。この問い合わせに応じて、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの数量を読み取り、持球管理部172に供給する。
【0143】
ステップS127において、持球管理部172は、持球数Bの数量がゼロであるか否かを判定する。ステップS127において、持球数Bの数量がゼロではない場合、処理は、ステップS124に戻る。すなわち、持球数Bがゼロとなるまで、払出ボタン50が押下される限り、ステップS124乃至S127の処理が繰り返されて、持球として計数された分の遊技球が払い出される。
【0144】
一方、ステップS127において、持球数Bがゼロとなった場合、ステップS128において、持球管理部172は、操作制御部173を制御して、操作部152の払出ボタン50の操作を無効な状態に設定させる。
【0145】
ステップS129において、記録媒体制御部171に記録媒体251に記録されている有価価値情報を問い合わせる。この問い合わせに応じて、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている有価価値情報を読み取り、持球管理部172に供給する。そして、持球管理部172は、有価価値があるか否かを判定する。ステップS129において、例えば、有価価値がある場合、処理は、ステップS121に戻る。
【0146】
一方、ステップS129において、例えば、有価価値が無い場合、ステップS130において、記録媒体251を図示せぬ貯留部に貯留する。すなわち、持球数Bの数量がゼロであって、有価価値が無い記録媒体251は、既に未記録の状態となっているため、遊技者に対して返却されることがなくなるため、未記録の記録媒体251として貯留される。
【0147】
ステップS131において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の投入シャッタ191を開放させて、新たな記録媒体251を受け付けられる状態に設定する。
【0148】
ステップS132において、記録媒体制御部171は、処理対象であることを示す記録媒体251のIDの情報を消去する。すなわち、現状においては、記録媒体251に情報を記録する必要が無い状態となっているため、処理対象となる記録媒体251の情報がリセットされることになる。
【0149】
ステップS122において、記録媒体251に記録されている持球数Bがゼロである場合、または、ステップS124において、払出ボタン50が押下されない場合、処理は、ステップS133に進む。
【0150】
ステップS133において、記録媒体制御部171は、払出情報送受信部156を制御して、遊技台34より操作部102の返却ボタン112が押下されたことを示し信号が供給されてきているか否かを判定する。ステップS133において、返却ボタン112が押下されている場合、処理は、ステップS134に進む。
【0151】
ステップS134において、記録媒体制御部171は、記録媒体返却処理を実行し、記録媒体251を返却する。
【0152】
[記録媒体返却処理]
ここで、図13のフローチャートを参照して、記録媒体返却処理について説明する。
【0153】
ステップS151において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの情報を読み出させて、取得する。
【0154】
ステップS152において、記録媒体制御部171は、持球数Bが書込最低数量より少ないか否かを判定する。例えば、今現在の持球数Bの数量が、上述した125球よりも少ないか否かが判定される。すなわち、書込最低数量以下であるということは、余り球となるため、実質的に余り球が発生するか否かが判定されている。
【0155】
ステップS152において、持球数Bが書込最低数量より少ない場合、ステップS153において、持球払出処理が実行されて、持球数Bの数量の遊技球が持球として払い出される。すなわち、今の場合、持球数Bは、書込最低数量より少ないので、一回の払出数量である125球よりも少ないので、全量が払いだされることとなる。この結果、持球数Bの数量として余り球となる数量が記録されず、全て払い出されることになる。尚、持球払出処理については、図11のフローチャートを参照して説明した処理と同様であるので、その説明は省略するものとする。
【0156】
ステップS154において、持球管理部172は、操作制御部173を制御して、操作部152の払出ボタン50の操作を無効に設定する。
【0157】
ステップS155において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている有価価値の情報を読み出す。
【0158】
ステップS156において、記録媒体制御部171は、読み出した有価価値情報が額面としてゼロではないか否かを判定し、額面がゼロであり、実質的に有価価値の情報がない場合、ステップS157において、記録媒体251を図示せぬ貯留部に貯留する。
【0159】
一方、ステップS156において、有価価値の額面がゼロではなく、有価価値が存在する場合、ステップS158において、記録媒体制御部171は、記録媒体返却部158を制御して、記録媒体251を返却させる。
【0160】
すなわち、上述した記録媒体返却処理により、記録媒体251に記録されている持球数Bの情報が、書込最低数量より少なく、実質的に余り球となる数量であるときには、返却が指示された時点で、持球を全量払い出すようにして、記録媒体251を貯留するようにした。このため、余り球となる数量しか持球数Bの数量として記録しないような記録媒体251は返却しないようにしたので、記録媒体251の流通量を抑制することが可能となる。結果として、遊技店が保有すべき記録媒体251の数量を抑制することが可能となるので、管理コストを低減することが可能となる。尚、以上の例においては、記録媒体251の返却時における場合について説明してきたが、返却時以外の操作においても持球数Bが書込最低数量を下回る場合においても、余り球となる数量しか持球数Bの数量として記録しないような記録媒体251は返却しないようにしてもよい。すなわち、例えば、持球の払い出しにより持球数Bが書込最低数量を下回った場合、記録媒体251に記録されている持球数Bをバッファ221に記憶させ、持球数Aとして管理するようにしたり、または、書込最低数量を下回った持球数B分だけ払い出し、持球数Bの情報をゼロにするようにしてもよい。
【0161】
ここで、図12のフローチャートの説明に戻る。
【0162】
ステップS134の処理により、記録媒体返却処理が実行されると、処理は、ステップS131に進む。
【0163】
一方、ステップS133において、返却ボタン112が押下されなかった場合、処理は、ステップS135に進む。
【0164】
ステップS135において、持球計数部54の計数センサ212が遊技球の通過を検出したか否かを判定し、遊技球の通過が検出されない場合、処理は、ステップS121に戻る。
【0165】
一方、ステップS135において、計数センサ212により遊技球の通過が検出された場合、ステップS136において、記録媒体制御部171は、持球更新処理を実行して、記録媒体251の持球数Bを通過を検出した遊技球数分更新する。
【0166】
[持球更新処理]
ここで、図14のフローチャートを参照して、持球更新処理について説明する。
【0167】
ステップS171において、持球管理部172は、持球加算処理を実行し、バッファ221の持球数Aの数量を計数センサ212により計数した遊技球の数量分だけ更新する。尚、持球計数処理については、図10のフローチャートを参照して説明した処理と同様であるので、その説明は省略する。
【0168】
ステップS172において、記録媒体制御部171は、記録媒体受付部157の読取部192を制御して、記録媒体251に記録されている持球数Bの情報を読み出させ、取得する。
【0169】
ステップS173において、記録媒体制御部171は、持球管理部172に対して今現在の持球数Aを問い合わせて取得する。そして、記録媒体制御部171は、取得した持球数Aの数量を持球数Bの数量の加算して持球数Bの数量を更新し、さらに、記録媒体返却部158の記録部241を制御して、記録媒体251に更新した持球数Bを記録させる。
【0170】
ステップS174において、持球管理部172は、バッファ221に記憶されている持球数Aの数量の情報をゼロに設定する。
【0171】
以上のように、持球更新処理によれば、遊技球の通過が計数センサ212により検出される度に、順次持球数Aに計数結果として記憶された後、持球数Bが、持球数A分だけ加算された状態で更新される処理が繰り返される。結果として、一旦、記録媒体251への記録が開始された後は、書込最低数量とは無関係に順次、計数結果が持球数Bに反映され続けることとなる。
【0172】
以上の処理により、記録媒体には、持球として計数された持球数のうち、余り球となる数量が記録されない状態となるため、記録媒体の返却頻度が低減されることとなり、遊技店で保有すべき数量を低減させることができる。結果として、遊技店において記録媒体の管理コストを低減させることが可能となる。
【0173】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0174】
図15は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0175】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0176】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0177】
尚、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【0178】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【符号の説明】
【0179】
34 遊技台
35 台間機
53 持球払出部
54 持球計数部
101 貸球払出制御部
102 操作部
103 貸球払出部
111 貸出ボタン
112 返却ボタン
151 台間機制御部
157 記録媒体受付部
158 記録媒体返却部
171 記録媒体制御部
172 持球管理部
174 持球計数処理部
175 持球払出制御部
176 レート設定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、
前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、
紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、
前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、
前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、
前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、
前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
遊技媒体貸出装置。
【請求項2】
持球払出ボタンが押下される場合、前記計数持球数情報の数量がゼロではないとき、前記払出手段は、前記計数持球数情報に対応する数量の遊技球を払い出し、前記計数持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロにする
請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項3】
持球払出ボタンが押下される場合、前記計数持球数情報の数量がゼロであり、前記記録持球数情報の数量がゼロではないとき、前記払出手段は、前記記録持球数情報の数量のうち、前記所定数量分を上限として前記遊技球を払い出させ、前記記録手段は、払い出した遊技球に相当する数量分だけ減算して前記記録持球数情報を更新して記録する
請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項4】
返却ボタンが押下される場合、前記記録媒体に前記有価価値情報、および前記記録持球数情報の少なくとも何れかが記録されているとき、前記記録媒体を返却する返却手段をさらに含み、
前記記録媒体を返却する場合、前記払出手段は、前記計数持球数情報の数量の遊技球を払い出し、前記計数持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項5】
前記遊技球の単価を設定する単価設定手段をさらに含み、
前記所定数量は、前記単価設定手段により設定される単価の遊技球の、所定の有価価値の額面に相当する数量である
請求項1に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項6】
前記記録手段は、前記記録媒体に前記記録持球数情報を記録するとき、前記単価設定手段により設定された単価毎に、記録持球数情報を記録する
請求項5に記載の遊技媒体貸出装置。
【請求項7】
遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、
前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、
紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、
前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、
前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、
前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、
前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
遊技媒体貸出装置における遊技媒体貸出処理であって、
前記持球計数手段における、前記遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数ステップと、
前記計数持球数情報保持手段における、前記持球計数ステップの処理での計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持ステップと、
前記記録手段における、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録ステップと、
前記払出手段における、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出ステップとを含み、
前記計数持球数情報保持ステップの処理により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、
前記記録ステップの処理は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、
前記持球数情報保持ステップの処理は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
を含む遊技媒体貸出方法。
【請求項8】
遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数手段と、
前記持球計数手段の計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持手段と、
紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録手段と、
前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出手段とを含み、
前記計数持球数情報保持手段により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、
前記記録手段は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、
前記持球数情報保持手段は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
遊技媒体貸出装置を制御するコンピュータに、
前記持球計数手段における、前記遊技者が所持する遊技球の数量を遊技台毎に計数する持球計数ステップと、
前記計数持球数情報保持手段における、前記持球計数ステップの処理での計数結果である計数された数量を累積的に計数持球数情報として保持する計数持球数情報保持ステップと、
前記記録手段における、紙幣識別装置にて受付けられた有価価値の額面を示す有価価値情報を記録媒体に記録すると共に、前記計数持球数情報から移行された遊技球の数量を記録持球数情報として記録媒体に記録する記録ステップと、
前記払出手段における、前記計数持球数情報、または前記記録持球数情報に基づいて、前記遊技媒体を払い出す払出ステップとを含む処理を実行させ、
前記計数持球数情報保持ステップの処理により保持されている計数持球数情報が所定数量より多くなった場合、
前記記録ステップの処理は、前記記録持球数情報を、前記所定数量分だけ加算した数量に更新して、記録し、
前記持球数情報保持ステップの処理は、前記計数持球数情報の数量をゼロに更新して保持する
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−177302(P2011−177302A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43492(P2010−43492)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【出願人】(501468770)株式会社ジョイコシステムズ (66)
【Fターム(参考)】