説明

遊技機

【課題】CPU等のハードウェア資源に対する負荷を抑えつつ、回転リールの停止表示態
様をバリエーションに富んだものとし、停止出目が単調になるのを防止することが可能な
遊技機を提供する。
【解決手段】回転リール25と、スタートスイッチ37と、ストップスイッチ38と、制御装置
100とを少なくとも備えた遊技機において、制御装置100に、役抽選手段140と、回転リー
ル25の回転の開始に関する制御を行うための回転開始制御手段160と、回転中のいずれか
の回転リール25(制御対象リール)に対応するストップスイッチ38の操作が行われたこと
を契機として、役抽選手段140による抽選の結果、制御対象リールの回転位置、及び、回
転中の他の回転リール25の回転位置に基づいて、制御対象リールの停止制御を行う回転停
止制御手段180とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に関し、詳しくは、所定の停止操作を契機として、回転リールの停
止制御を行う遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機、たとえば、スロットマシンとしては、複数の図柄を表示した回
転リールを複数個備えるとともに、回転リールにおける図柄の組み合わせにより構成され
る役を抽選により決定するための役抽選手段を備えるものが知られている。そして、前記
役抽選手段による抽選の結果、所定の役に当選するとともに、遊技者がストップスイッチ
を操作することにより回転リールが停止した際、予め定められた有効ライン上に当該役を
構成する図柄が並んだ場合に入賞となり、遊技者に様々な利益を供与するものが知られて
いる。
また、このようなスロットマシンにおいては、遊技者によりストップスイッチが操作さ
れた際、所定の制御(停止制御)により回転リールの停止を行うのが一般的である。この
ような回転リールの停止制御としては、たとえば、回転リールの停止情報を記憶した停止
テーブルに基づいて行われるものが挙げられる。ここで、停止テーブルとは、回転リール
の停止位置を決定するためのテーブルである。具体的には、役抽選手段による抽選の結果
、及び、ストップスイッチが操作されたときの当該ストップスイッチに対応する回転リー
ルの回転位置に応じて、当該回転リールの停止位置を決定するためのデータを予め定めた
ものである。また、回転リールの停止位置を決定するためのデータとしては、たとえば、
ストップスイッチが操作されてから対応する回転リールが停止するまでの移動コマ数など
が挙げられる。
【0003】
具体的には、上述のようなスロットマシンでは、スタートスイッチが操作された際に役
抽選手段による抽選が行われる。そして、遊技者によりストップスイッチが操作されると
、前記役抽選手段による抽選の結果、及び、操作されたストップスイッチに対応する回転
リールに基づいて、停止テーブルが選択される。そして、選択された停止テーブル、及び
、前記ストップスイッチが操作されたときの前記回転リールの回転位置から、前記回転リ
ールの移動コマ数が決定される。そして、前記回転リールは、決定された移動コマ数分だ
け回転した後、回転を停止することとなる。
このようなスロットマシンは、下記の特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3757047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、停止テーブルに基づいて回転リールの停止制御を行うスロットマシンでは、上
述の如く、役抽選手段による抽選の結果、及び、ストップスイッチが操作されたときの対
応する回転リールの回転位置に基づいて、前記回転リールの停止位置が決定される。した
がって、役抽選手段による抽選の結果が同じ場合に、同じ回転位置でストップスイッチが
操作されると、回転リールは常に同じ位置で停止することとなるため、回転リールの停止
表示態様(停止出目)が単調になってしまうという問題が生じていた。
また、上述の問題点を解消すべく、前記停止テーブルを複数備えるとともに、ストップ
スイッチの操作が行われた際に所定の抽選手段により抽選を行って、前記複数の停止テー
ブルの中から一の停止テーブルを選択するように形成することも考えられる。
【0006】
しかし、スロットマシンにおける回転リールは、対応するストップスイッチが操作され
てから190msという非常に短い時間内(すなわち、最大4図柄の範囲内)で停止させ
なければならない旨が規則で定められている。すなわち、スロットマシンの制御装置は、
この非常に短い時間内に、回転リールの停止位置を定めた処理を行った上で、この定めら
れた停止位置に基づいて回転リールを停止させる処理を行わなければならない。したがっ
て、上述の時間内に、これらの処理に加えて、さらに停止テーブルを選択するための抽選
を行うことは、制御装置を構成するCPU等のハードウェア資源に対して大きな負荷をか
けることとなるため、好ましくない。
【0007】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した事情によりなされたもので
あり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1又は2)
すなわち、請求項1又は2記載の発明は、上記事情によりなされたものであり、CPU
等のハードウェア資源に対する負荷を抑えつつ、回転リールの停止表示態様をバリエーシ
ョンに富んだものとし、停止出目が単調になるのを防止することが可能な遊技機を提供す
ることを目的とする。
(請求項3又は4)
すなわち、請求項3又は4記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の目的に加え
、毎遊技ごとの回転リールの停止表示態様を、より確実に異なったものとすることが可能
な遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項に記載された発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各
発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限
定するものではない。
(請求項1)
請求項1記載の発明は、周囲に複数の図柄51を表示した複数個の回転リール25と、各回
転リール25の回転を開始させるためのスタートスイッチ37と、対応する回転リール25の回
転を停止させるためのストップスイッチ38と、遊技に関する制御を行うための制御装置10
0と、を少なくとも備え、制御装置100は、総ての回転リール25の回転が停止した際に表示
された図柄51の組み合わせにより構成される役を抽選により決定するための役抽選手段14
0と、回転リール25の回転の開始に関する制御を行うための回転開始制御手段160と、回転
中のいずれかの回転リール25(以下、「制御対象リール」とする。)に対応するストップ
スイッチ38の操作が行われたことを契機として、役抽選手段140による抽選の結果、前記
ストップスイッチ38の操作が行われた時点における前記制御対象リールの回転位置、及び
、前記時点における回転中の他の回転リール25の回転位置に基づいて、前記制御対象リー
ルの停止制御を行う回転停止制御手段180と、役抽選手段140による抽選の結果、所定の役
に当選し、かつ、回転リール25が停止した状態で表示される図柄51が、役に応じて予め定
められた表示態様になることにより入賞と判定するとともに、この入賞に基づいた制御を
行うための入賞制御手段200と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
ここで、遊技機としては、遊技メダルを用いて遊技が行われるスロットマシンや、遊技
球を用いてスロットマシンと同様の遊技が行われるパロット(登録商標)遊技機などが挙
げられる。
また、本発明に係る遊技機には、遊技メダルなどの遊技媒体を払い出すための払い出し
装置(ホッパーユニット27)や、遊技に関する情報を遊技者に向かって報知したり、演出
を表示したりするための演出装置50(ランプ52、液晶表示装置53、スピーカー54など)を
設けることもできる。
前記回転リール25としては、駆動モーター等(たとえば、ステッピングモーターなど)
を備え、この駆動モーターにより物理的に回転や停止が行われるものであってもよく、液
晶表示装置などの表示装置に所定の画像を表示することにより回転や停止が行われるもの
であってもよい。また、前記回転リール25に表示される図柄51の数は特に限定されるもの
ではなく、たとえば、全部で21個の図柄51を表示することができる。また、本発明に係
る遊技機には、前記回転リール25を、たとえば3個(左リール22、中リール23、右リール
24)設置することができる。
【0010】
前記制御装置100は、遊技に関する制御を行うためのものであり、電子基板や所定の電
子部品などによって構成されている。また、この制御装置100は、主としてメインの遊技
に関する制御を行うための主制御装置(メイン基板)、遊技に付随する演出やメイン以外
の遊技に関する制御を行うための副制御装置(サブ基板)など、複数の装置から構成され
ていてもよい。また、この制御装置100には、後述する役抽選手段140、回転開始制御手段
160、回転停止制御手段180等を備えているが、これらに限定されるものではなく、他の手
段を備えることもできる。
前記役抽選手段140は、総ての回転リール25の回転が停止した際に表示された図柄51の
組み合わせにより構成される役を抽選により決定するためのものである。具体的には、前
記役抽選手段140には、所定の数値範囲内で乱数を発生させるための乱数発生手段、前記
乱数発生手段により発生する乱数がとる数値領域の範囲内であって、前記役に対応した所
定の数値領域を有する役当選領域を複数備えた抽選テーブル、乱数発生手段により発生し
た乱数が前記抽選テーブルのいずれかの役当選領域に属するか否かを判定するための当選
判定手段、前記当選判定手段により所定の役に当選したと判定された場合に前記役に対応
する当選フラグを成立させるためのフラグ成立手段などを備えることができる。
【0011】
ここで、「役」とは、予め定められたものであって、図柄51の組み合わせにより構成さ
れるものである。前記役は、たとえば、同一の図柄51を複数個組み合わせた表示態様とす
ることができる。具体的には、「7」「7」「7」により構成されるビッグボーナス役(
BBゲーム役)、「ベル」「ベル」「ベル」により構成されるベル役、「REPLAY」
「REPLAY」「REPLAY」により構成される再遊技役などが挙げられる。また、
一の図柄51と他の図柄51を組み合わせた態様とすることができる。具体的には、「チェリ
ー」「ANY」「ANY」(「ANY」はいずれの図柄51でも構わないことを意味する)
により構成されるチェリー役などが挙げられる。
【0012】
前記回転開始制御手段160は、回転リール25の回転の開始に関する制御を行うためのも
のである。具体的には、回転開始制御手段160は、スタートスイッチ37が操作されること
により出力されるスタート信号を受信することで、各回転リール25に対して回転開始信号
を出力し、各回転リール25の回転を開始させる。
前記回転停止制御手段180は、回転リール25の停止制御を行うものである。具体的には
、役抽選手段140による抽選の結果に基づいて、停止させるべき図柄51を所定位置に停止
させ、停止させてはいけない図柄51を停止させないように、回転リール25の回転を停止さ
せる制御を行うものである。なお、停止制御としては、図柄51の停止位置を定めた停止テ
ーブル181を用いて行うテーブル制御であってもよく、また、所定の図柄51を停止させる
か否かを判断しながら制御を行うプログラム制御であってもよい。またここで、停止テー
ブル181とは、回転リール25の停止位置を決定するためのテーブルである。具体的には、
回転リール25の回転位置に応じて、ストップスイッチ38が操作されてから回転リール25が
停止するまでの移動コマ数を予め定めたものである。
【0013】
本発明に係る回転停止制御手段180は、回転中のいずれかの回転リール25(制御対象リ
ール)に対応するストップスイッチ38の操作が行われたことを契機として、役抽選手段14
0による抽選の結果、前記ストップスイッチ38の操作が行われた時点における前記制御対
象リールの回転位置、及び、前記時点における回転中の他の回転リール25の回転位置に基
づいて、前記制御対象リールの停止制御を行うものである。すなわち、本発明に係る回転
停止制御手段180は、操作されたストップスイッチ38に対応する回転リール25の回転位置
のみならず、前記ストップスイッチ38が操作された時点で回転中の他の回転リール25の回
転位置をも参照して決定された所定位置に、回転リール25を停止させるものである。なお
ここで、制御対象リールとは、操作されたストップスイッチ38に対応する回転リール25を
意味するものである。
【0014】
具体的には、たとえば、3個の回転リール25(左リール22、中リール23、右リール24)
を備えたスロットマシンにおいて、総ての回転リール25が回転している場合に、左リール
22(制御対象リール)に対応するストップスイッチ38が操作されたとき、回転停止制御手
段180は、役抽選手段140による抽選の結果、前記ストップスイッチ38が操作された時点に
おける左リール22の回転位置、及び、同時点における中リール23、右リール24の回転位置
に基づいて、前記左リール22(制御対象リール)の停止制御を行うように形成することが
できる。また、左リール22が停止し、中リール23及び右リール24が回転している場合に、
中リール23(制御対象リール)に対応するストップスイッチ38が操作されたとき、回転停
止制御手段180は、役抽選手段140による抽選の結果、前記ストップスイッチ38が操作され
た時点における中リール23の回転位置、及び、同時点における右リール24の回転位置に基
づいて、前記中リール23(制御対象リール)の停止制御を行うように形成することができ
る。
【0015】
また、より具体的に、回転リール25の停止制御が上述のテーブル制御により行われる場
合には、回転停止制御手段180は、たとえば、以下のような制御をするように形成するこ
とができる。スタートスイッチ37が操作されることを契機として、3個の回転リール25が
回転を開始するとともに、役抽選手段140による抽選が行われる。そして、たとえば、左
リール22に対応するストップスイッチ38が操作されると、この時点における左リール22の
回転位置、中リール23の回転位置及び右リール24の回転位置が取得される。そして、回転
停止制御手段180は、前記抽選の結果と取得された中リール23及び右リール24の回転位置
とに基づいて、複数の停止テーブル181の中から一の停止テーブル181を選択する。そして
さらに、回転停止制御手段180は、この選択した停止テーブル181、及び、同時点における
左リール22の回転位置に基づいて、左リール22の移動コマ数(0コマから4コマ)を取得
する。そして、回転停止制御手段180は、この移動コマ数分だけ左リール22を回転させた
後、この左リール22の回転を停止させる。
【0016】
また、回転リール25の停止制御が上述のプログラム制御により行われる場合には、回転
停止制御手段180は、たとえば、以下のような制御をするように形成することができる。
上述と同様に、スタートスイッチ37が操作されることを契機として、3個の回転リール25
が回転を開始するとともに、役抽選手段140による抽選が行われる。そして、たとえば、
左リール22に対応するストップスイッチ38が操作されると、この時点における左リール22
の回転位置、中リール23の回転位置及び右リール24の回転位置が取得される。そして、回
転停止制御手段180は、前記抽選の結果と左リール22の回転位置とに基づいて、回転リー
ル25が停止するまでに移動可能な最大コマ数(4コマ)の範囲内で、所定の図柄51が停止
可能な位置(停止可能位置)を検索する。そして、停止可能位置が複数あった場合には、
回転停止制御手段180は、取得された中リール23及び右リール24の回転位置に基づいて、
複数の停止可能位置からいずれか一の停止可能位置を選択する。そして、回転停止制御手
段180は、選択された停止可能位置に所定の図柄51を停止させ、左リール22の回転を停止
させる。
【0017】
また、回転停止制御手段180は、制御対象リール以外の回転中の総ての回転リール25を
参照して、制御対象リールの停止制御を行うこともできるし、制御対象リール以外の回転
中の一部の回転リール25を参照して、制御対象リールの停止制御を行うこともできる。具
体的には、上述のように、3個総ての回転リール25が回転している場合に、左リール22(
制御対象リール)に対応するストップスイッチ38が操作されたとき、回転停止制御手段18
0は、役抽選手段140による抽選の結果、左リール22(制御対象リール)の回転位置、及び
、中リール23、右リール24(すなわち、制御対象リール以外の回転中の総ての回転リール
25)の回転位置に基づいて、前記左リール22(制御対象リール)の停止制御を行うように
設定することができる。また、同場合に、回転停止制御手段180は、役抽選手段140による
抽選の結果、左リール22(制御対象リール)の回転位置、及び、右リール24(すなわち、
制御対象リール以外の回転中の一部の回転リール25)の回転位置に基づいて、前記左リー
ル22(制御対象リール)の停止制御を行うように設定することもできる。
【0018】
また、回転停止制御手段180が制御対象リールの停止制御を行う際に参照するデータは
、役抽選手段140による抽選の結果、制御対象リールの回転位置、及び、回転中の他の回
転リール25の回転位置に限定されるものではなく、これらに加えて他の条件を参照するこ
ともできる。たとえば、回転停止制御手段180は、前記抽選結果、回転位置等に加えて、
遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態など)、既に停止している回転リール25の停止位
置などを参照して、制御対象リールの停止制御を行ってもよい。
また、各回転リール25の回転位置は、たとえば、回転リール25を回転駆動させる駆動モ
ーター(ステッピングモーター)のパルス信号に基づいて、取得することができる。具体
的には、各回転リール25の所定位置にインデックスを設けるとともに、回転リール25が一
回転するごとに前記インデックスの通過を検知するための検知センサー45を設ける。また
、検知センサー45によりインデックスの通過が検知されたことを契機として、駆動モータ
ー(ステッピングモーター)から出力されるパルス信号のカウントを開始し、このカウン
トされた値に基づき、インデックスの回転角度を算出することで、回転リール25の回転位
置を検出する回転位置検出手段170を設ける。これにより、回転リール25の回転位置を取
得することができる。また、インデックスの通過を検知するための検知センサー45は、特
に限定されるものではなく、フォトセンサーやタッチセンサー等とすることができる。
【0019】
なお、回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38が操作された場合に、回転中の他
の回転リール25が存在していない(すなわち、他の回転リール25が総て停止している)と
きには、制御対象リールの回転位置や、既に停止している回転リール25の停止位置等に基
づいて、制御対象リールの停止制御を行うことができる。また、回転停止制御手段180が
前記停止制御の際に参照するデータとしては、特に上記のものに限定されるわけではない

前記入賞制御手段200は、役抽選手段140による抽選の結果、所定の役に当選し、かつ、
回転リール25が停止した状態で表示される図柄51が、役に応じて予め定められた表示態様
になることにより入賞と判定するとともに、この入賞に基づいた制御を行うためのもので
ある。たとえば、回転リール25の回転が停止した際に、所定の有効ライン上に「7」「7
」「7」が停止表示された場合、入賞制御手段200は、BBゲーム役の入賞と判定し、こ
れに基づいて、BBゲームを開始させる制御を行う。
【0020】
(作用・効果)
本発明によれば、回転停止制御手段180は、回転中のいずれかの回転リール25(制御対
象リール)に対応するストップスイッチ38の操作が行われたことを契機として、役抽選手
段140による抽選の結果、ストップスイッチ38の操作が行われた時点における制御対象リ
ールの回転位置、及び、前記時点における回転中の他の回転リール25の回転位置に基づい
て、前記制御対象リールの停止制御を行う。すなわち、本発明に係る遊技機においては、
操作されたストップスイッチ38に対応する回転リール25の回転位置のみならず、前記操作
時点において回転中の他の回転リール25の回転位置をも参照して、制御対象リールの停止
位置が決定されることとなる。
【0021】
ここで、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25について
常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点において回転中
の他の回転リール25は常に同じ回転位置となるものではない。換言すれば、回転リール25
の回転位置は、ストップスイッチ38を操作した際の若干のタイミングのズレや、前回の遊
技における停止位置などに影響されるため、同じ回転位置でストップスイッチ38が操作さ
れたとしても、この時点における他の回転リール25は、異なる回転位置となることが多い

すなわち、所定の回転リール25の回転位置は同じであっても、他の回転リール25の回転
位置は異なるため、回転停止制御手段180により決定される制御対象リールの停止位置も
常に同じとはならず、バリエーションに富んだものとすることができる。そして、これに
より、回転リール25の停止出目が単調になるのを防止できることとなる。
【0022】
また、本発明に係る回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38が操作された時点に
おける回転リール25の回転位置を取得し、これに基づいて、制御対象リールの停止位置を
決定するものである。すなわち、制御対象リールの停止位置を決定するために、ストップ
スイッチ38が操作された後に新たに抽選等の負荷の大きい処理を行う必要がない。
これにより、CPU等のハードウェア手段に対する負荷を抑えつつ、回転リール25の停
止表示態様をバリエーションに富んだものとすることができる。
(請求項2)
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載の発明の特徴に加え、前記制御装置100は、
回転リール25の回転位置に応じて、ストップスイッチ38が操作されてから前記回転リール
25が停止するまでの移動コマ数を予め定めた停止テーブル181を複数備え、前記回転停止
制御手段180は、役抽選手段140による抽選の結果、及び、制御対象リールに対応するスト
ップスイッチ38の操作が行われた時点における回転中の他の回転リール25の回転位置に基
づいて、前記複数の停止テーブル181から一の停止テーブル181を選択するための停止テー
ブル選択手段182と、停止テーブル選択手段182により選択された停止テーブル181、及び
、前記ストップスイッチ38の操作が行われた時点における前記制御対象リールの回転位置
に基づいて、前記制御対象リールの移動コマ数を取得するための移動コマ数取得手段183
と、を備えていることを特徴とする。
【0023】
前記停止テーブル181は、回転リール25の回転位置に応じて、ストップスイッチ38が操
作されてから前記回転リール25が停止するまでの移動コマ数を予め定めたものである。そ
して、この停止テーブル181は、制御装置100に複数備えられるものである。
具体的には、停止テーブル181には、回転リール25に表示された各図柄51ごとに、0コ
マから4コマ(最大移動コマ数)までのいずれかの移動コマ数が定められている。
また、上述の如く、停止テーブル181は複数備えられるものであるが、たとえば、役抽
選手段140による抽選の結果ごとにそれぞれ複数個備えることができる。具体的には、制
御装置100は、BBゲーム役に対応する停止テーブル181、RBゲーム役に対応する停止テ
ーブル181、ベル役に対応する停止テーブル181などをそれぞれ複数個ずつ備えることがで
きる。
【0024】
前記停止テーブル選択手段182は、制御対象リールに対応するストップスイッチ38の操
作が行われた時点における回転中の他の回転リール25の回転位置に基づいて、複数の停止
テーブル181から一の停止テーブル181を選択するためのものである。換言すれば、停止テ
ーブル選択手段182は、制御対象リール以外の回転中の回転リール25の回転位置に基づい
て、制御対象リールの停止制御を行うための停止テーブル181を選択するためのものであ
る。
具体的には、回転リール25の各回転位置に対応付けて、一の停止テーブル181を予め定
めておく。そして、停止テーブル選択手段182が、ストップスイッチ38が操作されたこと
を契機として、回転リール25の回転位置に基づき、予め定められた停止テーブル181を選
択するように形成することができる。
【0025】
たとえば、3個の回転リール25(左リール22、中リール23、右リール24)を備えたスロ
ットマシン10において、各回転リール25にそれぞれ21個ずつ(図柄番号は「0番」から
「20番」まで)の図柄51が表示されているものとする。そして、このスロットマシン10
において、3個の回転リール25のうち、いずれか2個の回転リール25の回転位置の組み合
わせに対応付けて、一の停止テーブル181を予め定めておく。たとえば、中リール23の「
0番」の図柄51、及び、右リール24の「5番」の図柄51の組み合わせに対応付けて、所定
の停止テーブル181(たとえば、テーブルA)を予め定めておく。そして、このスロット
マシン10において、3個総ての回転リール25が回転中であって、左リール22に対応するス
トップスイッチ38が操作された場合に、中リール23の中段に「0番」の図柄51が位置し、
かつ、右リール24の中段に「5番」の図柄51が位置していたときには、この組み合わせに
対応付けて予め定められていた前記停止テーブル181(たとえば、テーブルA)が、停止
テーブル選択手段182により、選択されるように形成することができる。
【0026】
なお、回転リール25の回転位置に、停止テーブル181を対応付ける方法は、特に限定さ
れるものではなく、たとえば、上述のように、回転リール25の各回転位置ごと(複数の回
転リール25との関係で対応付ける場合には、これらの回転リール25における回転位置の組
み合わせごと)に、一の停止テーブル181を対応付けることができる。
また、回転リール25の回転位置をグループ化し、各グループごと(複数の回転リール25
との関係で対応付ける場合には、グループの組み合わせごと)に、一の停止テーブル181
を対応付けることができる。たとえば、一の回転リール25における「0番」から「5番」
までの図柄51を第1グループ、「6番」から「10番」までの図柄51を第2グループなど
のようにグループ化するとともに、他の回転リール25における「0番」から「5番」まで
の図柄51をAグループ、「6番」から「10番」までの図柄51をBグループなどのように
グループ化する。そして、たとえば、第1グループ、及び、Aグループの組み合わせに対
応付けて、停止テーブル181(たとえば、テーブルB)を予め定めておくことができる。
【0027】
また、上述のように、回転リール25の回転位置と停止テーブル181とを直接的に対応付
けるのではなく、間接的に対応付けてもよい。たとえば、回転リール25の回転位置に基づ
いて所定の演算式等により導出される値と、停止テーブル181とを対応付けてもよい。
より具体的には、たとえば、所定の演算式による導出値が「偶数」の場合はテーブルA
、前記導出値が「奇数」の場合はテーブルB、のように、導出値と一の停止テーブル181
とを予め対応付けておく。そして、ストップスイッチ38が操作されたことを契機として、
この時点における回転中の制御対象リール以外の回転リール25の回転位置に基づいて、こ
れらの回転リール25の中段に位置する図柄51の図柄番号を取得し、これらの図柄番号の和
を求め、この和に基づいて停止テーブル181が選択されるように形成することができる。
すなわち、この和が「偶数」であれば、停止テーブル選択手段182によりテーブルAが選
択され、一方、この和が「奇数」であれば、停止テーブル選択手段182によりテーブルB
が選択されるように形成することができる。
【0028】
前記移動コマ数取得手段183は、停止テーブル選択手段182により選択された停止テーブ
ル181、及び、前記ストップスイッチ38の操作が行われた時点における前記制御対象リー
ルの回転位置に基づいて、前記制御対象リールの移動コマ数を取得するためのものである
。換言すれば、移動コマ数取得手段183は、対応するストップスイッチ38が操作されてか
ら回転を停止するまでに、前記制御対象リールが移動するコマ数を、選択された停止テー
ブル181から取得するものである。そして、制御対象リールは、この移動コマ数取得手段1
83により取得された移動コマ数分だけ移動した後、回転を停止することとなる。
具体的には、たとえば、所定の停止テーブル181において、所定の回転リール25におけ
る所定の図柄番号の図柄51に、移動コマ数として「1」が定められていたものとする。そ
して、ストップスイッチ38が操作されたことを契機として、前述の停止テーブル選択手段
182により、前記停止テーブル181が選択されたものとする。この場合において、ストップ
スイッチ38が操作された際、前記図柄番号の図柄51がスロットマシン10における表示窓34
の中段に位置していたとき、移動コマ数取得手段183により、予め定められていた移動コ
マ数「1」が取得される。すると、前記回転リール25は、1コマ分だけ移動して、すなわ
ち、前記図柄51が中段から下段に移動した状態で停止することとなる。換言すれば、前記
回転リール25は、1コマ滑りすることとなる。
【0029】
また、同停止テーブル181において、所定の回転リール25における所定の図柄番号の図
柄51に、移動コマ数として「0」が定められていたものとする。この場合において、スト
ップスイッチ38が操作された際、前記図柄51がスロットマシン10における表示窓34の中段
に位置していたとき、移動コマ数取得手段183により、予め定められていた移動コマ数「
0」が取得される。すると、前記回転リール25は移動することなく、すなわち、前記図柄
51が中段に位置したままの状態で停止することとなる。換言すれば、前記回転リール25は
、ビタ止まりすることとなる。
また、回転停止制御手段180としては、停止テーブル選択手段181や移動コマ数取得手段
182以外にも、上述のように、移動コマ数取得手段182により取得された移動コマ数に基づ
いて、制御対象リールに対して停止制御を行う回転停止制御実行手段184などを備えるこ
ともできる。
【0030】
(作用・効果)
本発明によれば、役抽選手段140による抽選の結果、及び、制御対象リールに対応する
ストップスイッチ38の操作が行われた時点における回転中の他の回転リール25の回転位置
に基づいて、停止テーブル選択手段182により一の停止テーブル181が選択される。そして
、この選択された停止テーブル181、及び、ストップスイッチ38の操作が行われた時点に
おける制御対象リールの回転位置に基づいて、移動コマ数取得手段183により移動コマ数
が取得される。そして、制御対象リールは、この取得された移動コマ数分だけ回転した後
、停止することとなる。
【0031】
ここで、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25について
常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点において回転中
の他の回転リール25は常に同じ回転位置となるものではない。換言すれば、回転リール25
の回転位置は、ストップスイッチ38を操作した際の若干のタイミングのズレや、前回の遊
技における停止位置などに影響されるため、同じ回転位置でストップスイッチ38が操作さ
れたとしても、この時点における他の回転リール25は、異なる回転位置となることが多い

すなわち、所定の回転リール25の回転位置は同じであっても、他の回転リール25の回転
位置は異なるため、停止テーブル選択手段182により選択される停止テーブル181も異なる
こととなり、さらには、移動コマ数取得手段183により取得される移動コマ数も異なるこ
ととなる。したがって、制御対象リールの停止位置は常に同じものとはならず、バリエー
ションに富んだものとすることができる。そして、これにより、回転リール25の停止出目
が単調になるのを防止できることとなる。
【0032】
また、本発明によれば、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25の
回転位置を取得し、これに基づいて、停止テーブル選択手段182及び移動コマ数取得手段1
83により、制御対象リールの停止位置が決定されるものとなっている。すなわち、制御対
象リールの停止位置を決定するために、ストップスイッチ38が操作された後に新たに抽選
等の負荷の大きい処理を行う必要がない。
これにより、CPU等のハードウェア手段に対する負荷を抑えつつ、回転リール25の停
止表示態様をバリエーションに富んだものとすることができる。
(請求項3)
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の特徴に加え、前記回転開始制御手段
160は、スタートスイッチ37が操作されたことを契機として、所定の回転リール25におけ
る回転開始のタイミングを変更するための回転開始時期変更手段161を備えていることを
特徴とする。
【0033】
すなわち、回転開始時期変更手段161は、回転リール25の回転を開始させるための回転
開始信号を出力するタイミングを変更するためのものである。
具体的には、回転開始時期変更手段161は、回転開始時期を変更する対象の回転リール2
5を選択するための回転開始時期変更リール選択手段、スタートスイッチ37が操作されて
から回転リール25が回転を開始するまでの時間のデータを記憶するための時間データ記憶
テーブル、時間データ記憶テーブルに記憶された時間データから一の時間データを選択す
るための時間データ選択手段、スタートスイッチ37が操作されてからの経過時間を計測す
るための計時手段、回転開始時期変更リール選択手段により選択された回転リール25につ
いて、スタートスイッチ37が操作されてから前記時間データ選択手段により選択された時
間経過後に、回転を開始させるための変更リール回転開始手段などを備えることができる
。なお、回転開始時期変更手段161が備える各種手段は、これらに限定されるものではな
い。
【0034】
また、回転開始時期変更手段161は、複数の回転リール25のうち、いずれか1個の回転
リール25のみ回転開始のタイミングを変更することもできるし、2個以上の回転リール25
について回転開始のタイミングを変更することもできる。
また、回転開始時期変更手段161は、回転リール25の回転開始のタイミングを決定する
ためのデータとして、スタートスイッチ37が操作されてから回転リール25が回転を開始す
るまでの時間(たとえば、100msなど)のデータを備えることができる。また、この
時間データは、複数パターン備えることができる。また、この時間データは、所定の抽選
手段による抽選などによって選択することができる。
【0035】
(作用・効果)
本発明によれば、所定の回転リール25における回転開始のタイミングが、回転開始時期
変更手段161により変更されることとなる。
ここで、もし前回の遊技が終了した時点における回転リール25の停止表示態様が同じで
あったとしても、回転リール25が回転を開始するタイミングが異なることから、所定時点
における回転リール25の回転位置は異なるものとなる。
したがって、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25につ
いて常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点における回
転中の他の回転リール25は異なる回転位置となり、制御対象リールの停止位置も異なるこ
ととなる。
【0036】
すなわち、本発明によれば、毎遊技ごとの回転リール25の停止表示態様を、より確実に
異なったものとすることができることとなる。
(請求項4)
請求項4記載の発明は、上記請求項2又は3記載の発明の特徴に加え、前記回転リール
25は、回転を開始した後、所定の速度に達するまで所定の加速度で加速しながら回転し、
前記所定の速度に達した後は、当該速度で定速回転を行うように形成されており、前記回
転開始制御手段160は、スタートスイッチ37が操作されたことを契機として、所定の回転
リール25における前記所定の加速度を変更するための加速度変更手段162を備えているこ
とを特徴とする。
【0037】
具体的には、加速度変更手段162は、加速度を変更する対象の回転リール25を選択する
ための加速度変更リール選択手段、回転を開始した後所定の速度に達するまでの回転リー
ル25の加速度のデータを記憶するための加速度データ記憶テーブル、加速度データ記憶テ
ーブルに記憶された加速度のデータから一の加速度のデータを選択するための加速度デー
タ選択手段、加速度変更リール選択手段により選択された回転リール25を、加速度データ
選択手段により選択された加速度により回転させるための加速度設定手段などを備えるこ
とができる。なお、加速度変更手段162が備える各種手段は、これらに限定されるもので
はない。
【0038】
また、加速度変更手段162は、複数の回転リール25のうち、いずれか1個の回転リール2
5のみ加速度を変更することもできるし、2個以上の回転リール25について加速度を変更
することもできる。
また、加速度変更手段162は、上述のように、回転リール25の加速度のデータを記憶す
ることができるが、加速度のデータとしては、加速度の値そのものを記憶することができ
る。すなわち、この場合には、加速度変更手段162は前記データに基づいて直接、加速度
を変更することができる。また、加速度のデータとしては、回転リール25が回転を開始し
てから所定の速度に達するまでの時間を記憶してもよい、すなわち、この場合には、加速
度変更手段162は、まず、前記データに基づいて加速度の値を算出し、算出された値に基
づいて加速度を変更することができる。
【0039】
また、加速度変更手段162は、1の加速度のデータを備えることもできるし、また、2
以上の加速度のデータを備えることもできる。また、この加速度のデータは、所定の抽選
手段による抽選などによって選択することができる。
(作用・効果)
本発明によれば、所定の回転リール25の加速度が、加速度変更手段162により変更され
ることとなる。
ここで、もし前回の遊技が終了した時点における回転リール25の停止表示態様が同じで
あったとしても、回転リール25が回転を開始してから定速回転に至るまでの加速度が異な
ることから、所定時点における回転リール25の回転位置は異なるものとなる。
【0040】
したがって、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25につ
いて常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点における回
転中の他の回転リール25は異なる回転位置となり、制御対象リールの停止位置も異なるこ
ととなる。
すなわち、本発明によれば、毎遊技ごとの回転リール25の停止表示態様を、より確実に
異なったものとすることができることとなる。
【発明の効果】
【0041】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1又は2)
すなわち、請求項1又は2記載の発明は、CPU等のハードウェア資源に対する負荷を
抑えつつ、回転リールの停止表示態様をバリエーションに富んだものとし、停止出目が単
調になるのを防止することが可能な遊技機を提供することができる。
(請求項3又は4)
すなわち、請求項3又は4記載の発明は、上記請求項1又は2記載の発明の効果に加え
、毎遊技ごとの回転リールの停止表示態様を、より確実に異なったものとすることが可能
な遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの制御装置の入力及び出力の概略を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態であって、スロットマシンを示す外観正面図である。
【図3】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの前扉を開いた状態における、前扉の裏側及び筐体の内部を示す外観正面図である。
【図4】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの表示窓を示す外観正面図である。
【図5】本発明の実施の形態であって、回転リールの図柄配列の一部を示す概略図である。
【図6】本発明の実施の形態であって、BBゲーム役当選時における、左リール用停止テーブルの例を示す概念図である。
【図7】本発明の実施の形態であって、BBゲーム役当選時における、中リール用の停止テーブルの例を示す概念図である。
【図8】本発明の実施の形態であって、BBゲーム役当選時における、右リール用停止テーブルの例を示す概念図である。
【図9】本発明の実施の形態であって、左リール用停止テーブルを選択するための参照テーブルの一部を示す概念図、及び、中リール用停止テーブルを選択するための参照テーブルの一部を示す概念図である。
【図10】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、メイン処理の概略を示すフローである。
【図11】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、リール回転開始処理の概略を示すフローである。
【図12】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、加速度変更処理の概略を示すフローである。
【図13】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、回転開始時期変更処理の概略を示すフローである。
【図14】本発明の実施の形態であって、スロットマシンの動作のうち、リール回転停止処理の概略を示すフローである。
【図15】本発明の実施の形態の変形例1であって、左リール用停止テーブルを選択するための参照テーブルを示す概念図である。
【図16】本発明の実施の形態の変形例2であって、左リール用停止テーブルを選択するための参照テーブルを示す概念図である。
【図17】本発明の実施の形態の変形例3であって、回転停止制御手段の概略を示すブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態の変形例3であって、スロットマシンの動作のうち、リール回転停止処理の概略を示すフローである。
【発明を実施するための形態】
【0043】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
(図面の説明)
図1から図14までは、本発明の実施の形態を示すものである。
図1は、スロットマシン10の制御装置100の入力及び出力の概略を示すブロック図であ
る。図2は、スロットマシン10を示す外観正面図である。図3は、スロットマシン10の前
扉30を開いた状態における、前扉30の裏側及び筐体20の内部を示す外観正面図である。図
4は、スロットマシン10の表示窓34を示す外観正面図である。図5は、回転リール25の図
柄配列の一部を示す概略図である。図6は、BBゲーム役当選時における、左リール用停
止テーブルの例を示す概念図である。図7は、BBゲーム役当選時における、中リール用
の停止テーブルの例を示す概念図である。図8は、BBゲーム役当選時における、右リー
ル用停止テーブルの例を示す概念図である。図9は、左リール用停止テーブルを選択する
ための参照テーブルの一部を示す概念図、及び、中リール用停止テーブルを選択するため
の参照テーブルの一部を示す概念図である。図10から図14までは、スロットマシン10
の動作の概略を示すフローである。
【0044】
また、図15から図18までは、本発明の実施の形態の変形例を示すものである。
図15及び図16は、左リール用停止テーブルを選択するための参照テーブルを示す概
念図である。図17は、回転停止制御手段180の概略を示すブロック図である。図18は
、スロットマシン10の動作の概略を示すフローである。
(スロットマシン10)
本実施の形態に係る遊技機は、メダル遊技機であるスロットマシン10であって、遊技媒
体として円板状の遊技球を使用するものである。
スロットマシン10は、図2に示すように、正面側(スロットマシン10から見て、スロッ
トマシン10と対向する遊技者の方向)に開口する箱状の筐体20と、この筐体20の正面開口
を開閉可能に塞ぐ前扉30とから構成されている。
【0045】
(筐体20)
筐体20には、高さ方向の中央付近に、この筐体20の内部空間を上下2つの空間に仕切る
中板26が設けられている。そして、この筐体20における、中板26の下側の空間には、スロ
ットマシン10に備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置28や、遊技メダルを
貯留するとともに役の入賞時等に遊技メダルを払い出すためのホッパーユニット27等が設
置されている。なお、この筐体20における、中板26の下側の空間には、これらの装置以外
の装置を設置することもできる。
また、この筐体20における、中板26の上側の空間には、スロットマシン10の作動を制御
するための基板を備えた基板ユニット29と、複数の回転リール25を備えたリールユニット
21とが設置されている。なお、この筐体20における、中板26の上側の空間には、これらの
装置以外の装置を設置することもできる。
【0046】
前記基板ユニット29は、図3に示すように、スロットマシン10の作動を制御するための
基板と、この基板を収納するための基板ケースとから構成されるものであって、スロット
マシン10の背部を構成する背板に固定された状態で設置されている。前記基板としては、
スロットマシン10の動作及び遊技を制御するためのメイン基板や、スロットマシン10にお
ける演出を制御するためのサブ基板を備えている。そして、これらの基板により、スロッ
トマシン10の作動を制御する制御装置100が構成されている。
前記リールユニット21は、スロットマシン10の遊技に用いられるメインの装置であって
、前記中板26に載置された状態で設置されている。このリールユニット21は、特に図示し
ていないが、枠体に固定された3個のステッピングモーターと、各ステッピングモーター
の回転軸に固定された3個の回転リール25とから構成されている。具体的には、この回転
リール25は、図2の向かって左側に位置する左リール22と、図2の向かって右側に位置す
る右リール24と、この左リール22及び右リール24の間に位置する中リール23とからなるも
のである。また、各回転リール25の周囲には、それぞれ複数個(本実施の形態では、21
個)の図柄51が表示されている。また、これらの回転リール25は、前記ステッピングモー
ターの回転軸を中心として、後述する表示窓34内を回転リール25の図柄51が上側から下側
へ向けて通過するように、回転する。
【0047】
(前扉30)
前扉30は、筐体10の左端部に設けられたヒンジ(図示しておらず)に回転自在に軸支さ
れ、筐体20の正面開口を覆う板状扉である。
この前扉30の前面上部には、図2に示すように、遊技状態に応じて点灯したり、点滅し
たりするランプ52や、各種演出や報知を行うための液晶表示装置53などを備えた装飾部31
が備えられている。また、前扉30の前面中央には、上部パネル32aが備えられている。ま
た、前扉30の前面下部には、下部パネル32bが備えられている。また、前扉30の下部中央
(前記下部パネル32bの下側)には、筐体20の内部に設けられたホッパーユニット27から
遊技メダルを払い出すためのメダル払出口40が設けられる。また、前扉30の下部であって
、メダル払出口40の両側には、音声を出力するためのスピーカー54がそれぞれ1つずつ設
けられている。また、メダル払出口40の下方には、メダル払出口40から払い出された遊技
メダルを貯めておくことができるメダル受け皿41が設けられている。
【0048】
また、前扉30の前面における、上部パネル32aと下部パネル32bとの間には、正面側に突
出する操作部33が備えられている。
前記操作部33の上面右端部には、遊技を開始するにあたり遊技メダルをベットすべく、
遊技メダルを投入するためのメダル投入口44が設けられている。また、前記操作部33の上
面左端部には、スロットマシン10に電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダ
ルを遊技メダルのベットに代えるためのベットスイッチが設けられている。なお、このベ
ットスイッチは、遊技メダル1枚のベットに代えることができるシングルベットスイッチ
36a、及び、遊技を開始するためにベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベット
に代えることができるマックスベットスイッチ36bとから構成され、これらのスイッチは
左右に並んで設けられている。また、前記操作部33の前面左端部には、クレジットメダル
を精算するための精算スイッチ39が設けられている。また、前記精算スイッチ39の右側に
は、3個総ての回転リール25の回転を開始させるためのレバー状のスタートスイッチ37が
設けられている。また、前記操作部33の前面中央には、前記各回転リール25に対応すると
ともに、各回転リール25の回転をそれぞれ別個に停止させるための3個のストップスイッ
チ38が設けられている。また、操作部33の前面右端部には、前扉30を解錠するための鍵穴
42が設けられている。
【0049】
また、前記上部パネル32aの中央には、筐体20の内部に設けられた3個の回転リール25
の図柄51を視認可能な表示窓34が形成されている。
前記表示窓34は、前記3個の回転リール25の前方に設けられており、3個総ての回転リ
ール25の回転が停止した際に、各回転リール25の周囲に表示されている複数個の図柄51の
うちの3個を表示、すなわち、視認することができるものとなっている。すなわち、3個
総ての回転リール25が停止すると、図4に示すように、前記表示窓34内における、それぞ
れの回転リール25に対応する表示位置に、それぞれ3個の図柄51が縦並びに表示される。
換言すれば、表示窓34内の上段位置、中段位置、及び下段位置にそれぞれ3個の図柄51が
表示される。そして、前記表示窓34内に、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄51が表
示されることとなる。
【0050】
また、本実施の形態に係るスロットマシン10は、図4に示すように、前記表示窓34内に
停止した左リール22、中リール23、及び、右リール24それぞれの図柄51の表示位置を一直
線に結ぶことが可能なラインである計5本の有効ラインを有している。
具体的には、図4に示すように、左リール22の中段位置と中リール23の中段位置と右リ
ール24の中段位置とを一直線に結んだ有効ラインが中段ライン91である。また、左リール
22の上段位置と中リール23の上段位置と右リール24の上段位置とを一直線に結んだ有効ラ
インが上段ライン92である。また、左リール22の下段位置と中リール23の下段位置と右リ
ール24の下段位置とを一直線に結んだ有効ラインが下段ライン93である。また、左リール
22の下段位置と中リール23の中段位置と右リール24の上段位置とを一直線に結んだ有効ラ
インが右上りライン94である。また、左リール22の上段位置と中リール23の中段位置と右
リール24の下段位置とを一直線に結んだ有効ラインが右下りライン95である。
【0051】
そして、後述する役抽選手段140の抽選の結果、後述する所定の役に当選するとともに
、いずれかの有効ライン上に、前記役を構成する図柄51の組み合わせが停止したとき、前
記役の入賞となる。
また、図3に示すように、前扉30の裏面における、前記メダル投入口44の下部に対応す
る位置には、このメダル投入口44から投入された遊技メダルの正偽を判断するためのメダ
ルセレクター43、及び、このメダルセレクター43により適正な遊技メダルであると判断さ
れた遊技メダルを検知するためのメダルセンサー35が設けられている。
(制御装置100)
制御装置100は、上述の如く、スロットマシン10の作動を制御するためのものであり、
メイン基板やサブ基板等により構成されている。また、制御装置100は、CPU、ROM
、RAM、及び、I/O等、種々の電子部品などが備えられている。なお、CPUは、1
個のみ備えることもできるし、複数のCPUを備えることもできる。また、CPU、RO
M、RAM、及び、I/O等は一体に構成されたワンチップ型とすることもできる。
【0052】
また、制御装置100には、この制御装置100に対して各種信号等を入力可能な入力手段、
入力手段による入力等に基づいた制御の結果を出力可能な出力手段が備えられている。ま
た、制御装置100は、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、各種制
御手段として機能する。
具体的には、制御装置100は、スタートスイッチ37、及び、ストップスイッチ38の操作
により回転リール25の回転及び停止の制御、遊技に関する制御、また、遊技に関する演出
の制御等を行う。
(制御装置100の入力手段)
前記制御装置100の入力手段としては、図1に示すように、次のスイッチ等が接続され
ている。
【0053】
(1)メダルセンサー35
(2)ベットスイッチ(シングルベットスイッチ36a、マックスベットスイッチ36b)
(3)スタートスイッチ37
(4)ストップスイッチ38
(5)精算スイッチ39
(6)検知センサー45
なお、制御装置100の入力手段としては、これら(1)から(6)までのスイッチ等に
限定されるものではない。
【0054】
(メダルセンサー35)
メダルセンサー35は、図2に示すように、前扉30の裏面における、メダル投入口44の下
部に対応する位置に設けられたセンサーであって、メダル投入口44から投入された遊技メ
ダルのうち、前述のメダルセレクター43により適正な遊技メダルとして判断されたものを
検知するためのものである。
(ベットスイッチ)
ベットスイッチは、図2に示すように、操作部33の上面左端部に設けられたスイッチで
あって、前記クレジットメダル数を減算して遊技メダルのベットに代えるためのものであ
る。本実施の形態に係るスロットマシン10では、ベットスイッチとして、遊技メダル1枚
のベットに代えることができるシングルベットスイッチ36a、及び、遊技を開始するため
にベット可能な最大枚数である遊技メダル3枚のベットに代えることができるマックスベ
ットスイッチ36bが設けられている。
【0055】
本実施の形態に係るスロットマシン10は、メダル投入口44から遊技メダルを投入するこ
とで、1回の遊技につき、最大3枚の遊技メダルをベットすることができるように形成さ
れている。また、スロットマシン10に投入された遊技メダルは、予め定められた規定枚数
(たとえば、50枚)まで、電子的に貯留(クレジット)しておくことができるように形
成されている。また、このクレジットされた遊技メダルの枚数は、所定の表示装置(図示
しておらず)に表示されるものとなっている。そして、前記表示装置にクレジットメダル
数が表示されている場合には、メダル投入口44に遊技メダルを投入する代わりに、ベット
スイッチを操作することにより遊技メダルのベットを行うことができる。すなわち、スタ
ートスイッチ37を操作可能状態にすることができる。具体的には、シングルベットスイッ
チ36aを操作すると、前記表示装置の表示が「1」減算され、遊技メダルが1枚ベットさ
れたこととなる。また、マックスベットスイッチ36bを操作すると、前記表示装置の表示
が「3」減算され、遊技メダルが3枚ベットされたこととなる。なお、ベットスイッチと
しては、2枚ベット用のスイッチを設けることもできる。
【0056】
また、遊技メダルのベットは、メダル投入口44への遊技メダルの投入、又は、ベットス
イッチの操作のいずれか一方のみにより行うだけでなく、双方を併用して行うこともでき
る。
(スタートスイッチ37)
スタートスイッチ37は、図2に示すように、操作部33の前面左部に設けられ、正面側に
突出するレバー形状のものである。このスタートスイッチ37は、遊技メダルがベットされ
ることを条件に、また、後述する再遊技役に入賞することを条件に、リールユニット21の
駆動を開始させることが可能なものである。
【0057】
前記「再遊技役」とは、後述する役抽選手段140により抽選される役の一つである。そ
して、この役抽選手段140による抽選によって、再遊技役に当選し、再遊技役を構成する
図柄51(「REPLAY」)が、所定の有効ライン上に停止すると、再遊技役に入賞する
こととなる。そして、再遊技役に入賞すると、遊技メダルを新たにベットすることなく、
再度、遊技を行うことができることとなっている。
なお、本実施の形態に係るスロットマシン10では、後述する回転開始時期変更手段161
により、所定の回転リール25における回転の開始時期が変更される場合がある。
(ストップスイッチ38)
ストップスイッチ38は、図2に示すように、操作部33の前面中央に設けられているスイ
ッチであって、リールユニット21の駆動を停止させるためのものである。具体的には、ス
トップスイッチ38は、図2に示すように、左リール22、中リール23、及び、右リール24の
それぞれに対応した3個のスイッチから構成されており、前記各回転リール25の下方に対
応する位置に横並びに1個ずつ設けられているものである。
【0058】
そして、各回転リール25に対応したストップスイッチ38を操作することにより、対応し
た回転リール25が回転を停止するように形成されている。
また、後述する如く、本実施の形態に係る回転リール25は、回転を開始した後、所定の
速度に達するまで所定の加速度で加速しながら回転し、前記所定の速度に達した後は、当
該速度で定速回転を行うように形成されている。
そして、ストップスイッチ38は、総ての回転リール25の回転速度が前記所定の速度に達
することにより操作可能となるように形成されている。
(精算スイッチ39)
精算スイッチ39は、図2に示すように、操作部33の前面左端部に設けられたスイッチで
あって、クレジットされている遊技メダルを精算、すなわち、クレジットを解除して、ク
レジットメダルを払い出すためのものである。
【0059】
(検知センサー45)
後述する如く、各回転リール25の所定箇所には、回転リール25の回転位置を検知するた
めに用いられるインデックス(図示しておらず)が設けられている。このインデックスは
、回転リール25と一体成形された突体であって、当該回転リール25と共に回転するものと
なっている。
そして、検知センサー45は、前記インデックスの回転軌道上の所定箇所に設けられてお
り、前記インデックスの通過を検知するためのものである。
具体的には、検知センサー45は、特に図示していないが、空隙を挟んで相対向する受光
部及び発光部を有するフォトセンサーにより構成されるものであり、前記インデックスが
受光部及び発光部の間の空隙を通過可能となるような位置に設けられている。換言すれば
、検知センサー45は、前記インデックスの回転軌道上の所定箇所を、受光部及び発光部に
より挟むことができる位置に設けられている。
【0060】
そして、回転リール25が回転する際、これに伴って所定回転軌道上を回転するインデッ
クスが受光部及び発光部の間の空隙を通過すると、発光部が発した光線をインデックスが
遮断し、受光部が前記光線を感知しないことにより、インデックスの通過を検知すること
ができる。そして、ステッピングモーターにより各回転リール25が回転を開始し、前記イ
ンデックスが前記検知センサー45により検知された後における、ステッピングモーターか
ら出力されるパルス信号に基づいて、後述する回転位置検出手段170により、回転リール2
5の回転位置が検出される。
なお、前記検知センサー45は、フォトセンサーに限定されるものではなく、たとえば、
磁気センサーやタッチセンサーなどを用いることもできる。
【0061】
(制御装置100の出力手段)
前記制御装置100の出力手段としては、図2に示すように、次のものが接続されている

(1)リールユニット21
(2)ホッパーユニット27
(3)演出装置50(ランプ52、液晶表示装置53、スピーカー54)
なお、制御装置100の出力手段としては、これら(1)から(3)までに限定されるも
のではない。
【0062】
(リールユニット21)
リールユニット21は、所定の枠体に固定された3個のステッピングモーター(図示して
おらず)と、各ステッピングモーターの回転軸にそれぞれ固定された計3個の回転リール
25とから構成されている。そして、各回転リール25は、円筒状に形成された回転ドラム(
図示しておらず)と、この回転ドラムの周囲に貼付されるテープ状のリールテープ(図示
しておらず)とを備えている。そして、各回転リール25におけるリールテープの外周面に
は、回転方向へ向けてほぼ等間隔に、「7」「BAR」「スイカ」「ベル」「チェリー」
「REPLAY」等の複数種類の図柄51が所定の配列で計21個表示されている。また、
前記回転リール25は、前記ステッピングモーターの回転軸を中心として、表示窓34内を、
回転リール25に表示された図柄51が上側から下側へ向けて通過するように、回転するもの
となっている。
【0063】
また、上述の如く、各回転リール25の所定箇所には、回転リール25の回転を検知するた
めに用いられるインデックス(図示しておらず)が設けられ、また、上述の如く、このイ
ンデックスの回転軌道上の所定箇所には、インデックスの通過を検知する検知センサー45
が設けられている。そして、上述の如く、ステッピングモーターから出力されるパルス信
号に基づいて、ストップスイッチ38が操作された時点における回転位置を検出し、その後
、所定位置で回転リール25を停止させることによって、停止制御が行われるものとなって
いる。
(ホッパーユニット27)
ホッパーユニット27は、図3に示すように、筐体20における、中板26の下側の空間に設
けられており、所定の役に入賞するなどの遊技結果に基づいて、遊技者に遊技メダルの払
い出しを行うためのものである。
【0064】
(演出装置50)
演出装置50は、制御装置100から出力される所定の演出用制御信号の入力を契機として
、遊技者に入賞等を報知するなど種々の演出を行うためのものである。具体的には、演出
装置50は、前記装飾部31に設けられたランプ52や液晶表示装置53、前扉30の下部であって
メダル払出口40の両側に1つずつ設けられたスピーカー54等を備えている。なお、演出装
置50は、これらのものに限定されるわけではなく、CRT表示装置、ドットマトリクス表
示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置等を備えることもできる。
また、前記ランプ52は、光源の点滅、点灯又は消灯により、遊技を盛り上げたり、所定
の役が当選していることを報知したりするためのものである。また、前記液晶表示装置53
は、文字や画像(静止画や動画)の表示により、遊技の演出や各種報知を行うためのもの
である。また、スピーカー54は、所定の効果音やBGMの出力により、遊技の演出や各種
報知を行うためのものである。
【0065】
具体的には、所定の遊技状態(たとえば、BBゲーム等)に移行したり、所定の役に当
選したりすると、後述する遊技制御手段120が、後述する演出制御手段300にBBゲーム開
始信号や当選信号を出力する。そして、演出制御手段300は、前記信号の入力を契機とし
て、所定の演出データを選択し、この演出データに基づく制御信号を演出装置50に出力す
る。そして、演出装置50は、演出制御手段300により出力された制御信号の入力を契機と
して、前記演出データに基づく演出内容を出力する。
(制御装置100の制御手段)
前記制御装置100は、上述の如く、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込む
ことで、図1に示すように、大別して、次の(1)から(7)までの制御手段として機能
する。
【0066】
(1)遊技制御手段120
(2)役抽選手段140
(3)回転開始制御手段160
(4)回転位置検出手段170
(5)回転停止制御手段180
(6)入賞制御手段200
(7)演出制御手段300
なお、制御装置100としては、上記した(1)から(7)までの制御手段に限定される
ものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
【0067】
(遊技制御手段120)
遊技制御手段120は、回転リール25の回転及び停止、ホッパーユニット27による遊技メ
ダルの払い出し等の遊技における各種装置の制御を行うとともに、各種遊技の状態に応じ
た遊技の制御を行うためのものである。
本実施の形態に係る遊技制御手段120は、図1に示すように、大別すると、次の手段を
備える。
(1)通常遊技制御手段121
(2)特別遊技制御手段122
また、遊技制御手段120としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定されるもの
ではない。
【0068】
(通常遊技制御手段121)
通常遊技制御手段121は、一般的な遊技である通常遊技を制御するためのものである。
具体的には、遊技メダルの投入又はベットスイッチが操作されることにより、遊技メダ
ルがベットされたことを条件に、スタートスイッチ37が操作されると、予め定められた役
のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選が行われる。そして、これに伴って、3個総
ての回転リール25が回転を開始する。その後、所定のストップスイッチ38を1つ操作する
と、このストップスイッチ38に対応した回転リール25の回転が停止する。そして、ストッ
プスイッチ38を3個総て操作し終わると、3個の回転リール25の回転が総て停止する。こ
のとき、表示窓34内に形成されるいずれかの有効ライン上に、役を構成する図柄51の組み
合わせが停止されると、当該役の入賞となり、役に応じた枚数の遊技メダルがメダル払出
口40から払い出される。なお、遊技メダルを払い出す代わりに、クレジットメダルとして
貯留してもよい。また、役の態様に応じて、遊技者に対して遊技メダルの払い出し以外の
所定の利益を付与することもできる。
【0069】
本実施の形態に係るスロットマシン10では、前記役として、入賞により所定枚数の遊技
メダルが払い出される小役(スイカ役、ベル役、及び、チェリー役)と、遊技メダルの払
い出しは無いが遊技メダルを新たに投入することなく再度の遊技を行える再遊技役と、小
役及び再遊技役よりもさらに大きな利益を遊技者に付与する特別遊技に係る特別遊技役(
BBゲーム役など)と、を備えている。
また、小役のうち、たとえば、スイカ役は、「スイカ」の図柄51の組み合わせ(「スイ
カ」「スイカ」「スイカ」)により構成される。そして、いずれかの有効ライン上に「ス
イカ」「スイカ」「スイカ」の表示態様が停止すると、スイカ役の入賞となり、所定枚数
(たとえば15枚)の遊技メダルが払い出される。また、小役のうち、チェリー役は、「
チェリー」の図柄51と他の図柄51との組み合わせ(「チェリー」「ANY」「ANY」(
ANYはいずれの図柄51でも構わないという意味))により構成される。そして、いずれ
かの有効ライン上に「チェリー」「ANY」「ANY」の表示態様が停止すると、チェリ
ー役の入賞となり、所定枚数(たとえば2枚)の遊技メダルが払い出される。また、再遊
技役は、「REPLAY」の図柄51の組み合わせ(「REPLAY」「REPLAY」「
REPLAY」)により構成される。そして、いずれかの有効ライン上に「REPLAY
」「REPLAY」「REPLAY」の表示態様が停止すると、再遊技役の入賞となり、
新たに遊技メダルを投入することなく、前回の遊技と同じ条件で再度遊技を行うことがで
きる。また、BBゲーム役は、「7」の図柄51の組み合わせ(「7」「7」「7」)によ
り構成される。そして、いずれかの有効ライン上に「7」「7」「7」の表示態様が停止
すると、BBゲーム役の入賞となり、所定枚数(たとえば15枚)の遊技メダルが払い出
された後、BBゲームに移行する。
【0070】
(特別遊技制御手段122)
特別遊技制御手段122は、通常遊技よりも遊技者に大きな利益を付与する特別遊技(B
Bゲーム、RBゲーム)を制御するためのものである。
RBゲームは、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行わせる遊技で
ある。また、BBゲームは、通常遊技を行うとともに、この通常遊技中に一定条件下でR
Bゲームに移行できるようにした遊技である。
具体的には、BBゲームに移行すると、前記通常遊技と同様に所定枚数の遊技メダルの
ベットによって遊技が開始される。そして、3つの回転リール25の回転を総て停止させた
際に、有効ライン上に所定の表示態様が停止しているか否かによって、遊技メダルの払い
出しが行われる。すなわち、BBゲーム中は、前記通常遊技と同様に小役を含めた抽選が
毎回行われる。
【0071】
但し、このBBゲーム中にRBゲームに移行するための特定の表示態様が有効ライン上
に停止した場合には、その後RBゲームに移行する。そして、RBゲームが終了した後は
、また通常遊技と同様の抽選及び制御が行われる。そして、BBゲーム中において払い出
された遊技メダルが所定の枚数(たとえば、345枚)に達することにより、終了する。
なお、BBゲームの終了条件となる遊技メダルの払い出し枚数の累計は複数パターン備え
ることができる。また、BBゲームの終了条件としては、上述のような遊技メダルの払い
出し枚数の累計ではなく、他の条件を設定することもできる。
また、RBゲームに移行すると、所定の表示態様が所定の有効ライン上に停止した場合
に入賞となる遊技が行われる。
【0072】
(役抽選手段140)
役抽選手段140は、前記役を抽選するためのものであり、より詳しくは、予め定められ
た抽選確率に基づいて、いずれかの役に当たったか又はハズレかの抽選を行うものである

この役抽選手段140としては、所定の数値範囲内(たとえば、0〜65535)で乱数
を発生させるための乱数発生手段、乱数発生手段により発生した乱数を所定のタイミング
(たとえば、スタートスイッチ37操作時)で抽出する乱数抽出手段、乱数発生手段により
発生する乱数がとる数値領域の範囲内であって、役に対応した所定の数値領域を有する当
選領域を複数備えた抽選テーブル、乱数発生手段により発生した乱数が前記抽選テーブル
のいずれかの当選領域に属するか否かを判定する、すなわちいずれかの役に当選したか否
かを判定するための当選判定手段、当選判定手段によりいずれかの役に当選したと判定さ
れた場合、当該役に対応した当選フラグを成立させるためのフラグ成立手段等を備えるこ
とができる。
【0073】
また、特に図示していないが、本実施の形態に係るスロットマシン10では、各遊技状態
(通常遊技、特別遊技)ごとに、それぞれ抽選テーブルが備えられている。そして、上述
の当選判定を行う際には、その時点における遊技状態に対応した抽選テーブルが参照され
るものとなっている。すなわち、遊技状態の違いとは、当選判定の際に参照される抽選テ
ーブルが各々異なることを意味するものである。
具体的には、本実施の形態に係るスロットマシン10では、抽選テーブルとして、通常遊
技中の当選判定において参照される通常遊技用抽選テーブルと、特別遊技中の当選判定に
おいて参照される特別遊技用抽選テーブル(BBゲーム用抽選テーブル、RBゲーム用抽
選テーブル)と、を備えている。また、通常遊技用抽選テーブルは、特別遊技役(BBゲ
ーム役、RBゲーム役)の当選領域、再遊技役の当選領域、小役の当選領域、及び、ハズ
レ領域が、所定の割合で設定されたテーブルである。また、特別遊技用抽選テーブルとし
てのBBゲーム用抽選テーブルは、RBゲーム役の当選領域、小役の当選領域、及び、ハ
ズレ領域が設定されるとともに、RBゲーム役及び小役の当選領域が、通常遊技用抽選テ
ーブルにおける同領域よりも大きい割合で設定されたテーブルである。また、特別遊技用
抽選テーブルとしてのRBゲーム用抽選テーブルは、小役の当選領域が設定されるととも
に、この小役の当選領域が、通常遊技用抽選テーブルにおける同領域よりも大きい割合で
設定されたテーブルである。
【0074】
そして、本実施の形態に係るスロットマシン10では、前記乱数発生手段が発生させた乱
数を、前記乱数抽出手段がスタートスイッチ37の操作時に抽出する。そして、この抽出さ
れた乱数が、この時点における遊技状態に対応した前記抽選テーブルのいずれかの当選領
域に属するか否かを、前記当選判定手段が判定する。そして、前記抽出された乱数が、前
記当選判定手段により、所定の当選領域に属すると判定された場合、当該当選領域に対応
する役の当たりとなる。一方、前記乱数がいずれの当選領域にも属さないと判定された場
合、ハズレとなる。
また、上述のフラグ成立手段は、役抽選手段140による抽選の結果、いずれかの役に当
たった場合、役に対応した当選フラグを成立させる。
【0075】
ここで、当選フラグの成立とは、予め定められた記憶領域の所定ビットの数値が所定値
となっている状態を意味するものである。たとえば、BBゲーム役に対応する、記憶領域
の所定のビットの数値が「1」となっている場合、BBゲーム役の当選フラグが成立して
いる状態と設定することができる。一方、前記ビットの数値が「0」となっている場合、
BBゲーム役の当選フラグが成立していない状態と設定することができる。すなわち、B
Bゲームに当選していない場合は、前記ビットの数値は「0」となっているが、役抽選手
段140によりBBゲーム役に当選すると前記ビットの数値は「1」となり、BBゲーム役
の当選フラグが成立したこととなる。なお、この当選フラグとしては、役抽選手段140の
抽選結果が小役の当選である場合に成立する小役当選フラグや、前記抽選結果がBBゲー
ムなどの特別遊技役の当選である場合に成立する特別当選フラグ等がある。
【0076】
また、前記小役当選フラグは、当選フラグが成立した遊技においてのみ有効となるもの
となっている。具体的には、役抽選手段140により所定の小役に当選すると、所定の小役
当選フラグが成立(対応するビットの数値が「0」から「1」に変更)する。そしてこの
遊技において、前記小役当選フラグに対応する小役の入賞となると、前記小役の当選状態
が解除されるため、前記当選フラグも解除される(対応するビットの数値が「1」から「
0」に変更される)ものとなっている。また、前記遊技において、前記小役当選フラグに
対応する小役の入賞とならなかった場合にも、すなわち、前記小役を構成する図柄51の組
み合わせをいずれかの有効ライン上に停止させることができなかった場合にも、前記当選
フラグは解除されるものとなっている。
【0077】
これに対して、前記特別当選フラグは、次の遊技へ持ち越すことができるものとなって
いる。すなわち、特別当選フラグが成立した遊技において、この特別当選フラグに対応す
る特別遊技役の入賞とならなかった場合には、次遊技においても、特別当選フラグが成立
したまま(対応するビットの数値が「1」)となるように設定されている。そして、この
特別遊技役の入賞となるまで、特別当選フラグは成立したままとなっており、特別遊技役
の入賞となると、特別当選フラグは解除されるものとなっている。
(回転開始制御手段160)
回転開始制御手段160は、回転リール25の回転の開始に関する制御を行うためのもので
ある。具体的には、回転開始制御手段160は、スタートスイッチ37が操作されることによ
り出力されるスタート信号を受信することで、回転リール25の回転に係る条件(回転開始
時期、加速度など)を決定し、この条件に基づいて、各回転リール25に対して回転開始信
号を出力し、回転を開始させるものである。そして、この回転開始制御手段160は、図1
に示すように、次の(1)及び(2)の手段を有している。
【0078】
(1)回転開始時期変更手段161
(2)加速度変更手段162
なお、回転開始制御手段160としては、上記した(1)及び(2)の手段に限定される
ものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(回転開始時期変更手段161)
回転開始時期変更手段161は、スタートスイッチ37が操作されたことを契機として、所
定の回転リール25における回転開始のタイミングを変更するためのものである。すなわち
、回転開始時期変更手段161は、回転リール25が回転を開始するタイミングを異ならせる
ためのものである。
【0079】
本実施の形態に係る回転開始時期変更手段161は、特に図示していないが、回転リール2
5の回転開始時期の変更を行うか否かを決定するための変更決定手段、回転開始時期を変
更する回転リール25を選択するための回転開始時期変更リール選択手段、スタートスイッ
チ37が操作されてから回転リール25が回転を開始するまでの時間のデータを複数記憶する
ための時間データ記憶テーブル、時間記憶テーブルに記憶された時間データから一の時間
データを選択するための時間データ選択手段、スタートスイッチ37が操作されてからの経
過時間を計測するための計時手段、回転開始時期変更リール選択手段により選択された回
転リール25について、スタートスイッチ37が操作されてから前記時間データ選択手段によ
り選択された時間の経過後に、回転を開始させるための変更リール回転開始手段などを備
えている。また、時間データ記憶テーブルには、スタートスイッチ37が操作されてから回
転リール25が回転を開始するまでの時間として、10ms、30ms、50msの3パタ
ーンが設けられている。なお、この時間データは、上記値に限定されるものではなく、他
の値を設定することもできるし、また、より多くのパターンを設けることもできる。
【0080】
具体的には、回転開始時期変更手段161は、以下のように回転リール25の回転開始時期
を変更する。まず、スタートスイッチ37が操作されると、変更決定手段により、回転リー
ル25の回転開始時期を変更するか否かが決定される。そして、回転開始時期を変更する旨
が決定されると、回転開始時期変更リール選択手段により、3個の回転リール25の中から
回転開始時期を変更する回転リール25が選択される。そして、回転リール25が選択される
と、当該回転リール25に対応させる時間データが、時間データ記憶テーブルの中から、時
間データ選択手段により選択される。そして、この後、計時手段により計時が開始される
。また、前記回転開始時期変更リール選択手段により選択されなかった回転リール25は、
この時点で回転を開始することとなる。そして、この計時手段により計時された経過時間
が前記時間データ選択手段により選択された時間に達した時点で、前記回転開始時期変更
リール選択手段により選択された回転リール25が回転を開始することとなる。
【0081】
より具体的には、たとえば、スタートスイッチ37が操作された際に、回転開始時期を変
更する回転リール25として、回転開始時期変更リール選択手段により、中リール23が選択
されたものとする。また、この中リール23を回転させるまでの時間として、時間データ選
択手段により、50msが選択されたものとする。すると、この時点で、回転開始時期変
更リール選択手段により選択されなかった左リール22及び右リール24は、同時に回転を開
始する。そして、この時点からの、計時手段による計時時間が50msに達したとき、中
リール23が回転を開始する。
なお、回転開始時期変更リール選択手段は、回転開始時期を変更する回転リール25とし
て、1個の回転リール25のみを選択するように形成することもできるし、2個以上の回転
リール25を選択するように形成することもできる。また、2個以上の回転リール25が選択
された場合、回転リール25を回転させるまでの時間は同じ時間とすることもできるし、異
なった時間とすることもできる。すなわち、時間データ選択手段は、2個以上の回転リー
ル25に対してそれぞれ同じ時間データを選択してもよいし、それぞれ異なった時間データ
を選択してもよい。
【0082】
(加速度変更手段162)
加速度変更手段162は、スタートスイッチ37が操作されたことを契機として、所定の回
転リール25における前記所定の加速度を変更するためのものである。すなわち、本実施の
形態に係る回転リール25は、回転を開始した後、所定の速度に達するまで所定の加速度で
加速しながら回転し、前記所定の速度に達した後は、当該速度で定速回転を行うように形
成されているが、加速度変更手段162は、定速回転に達するまでの加速度を異ならせるた
めのものである。
本実施の形態に係る加速度変更手段162は、特に図示していないが、回転リール25の加
速度の変更を行うか否かを決定するための変更決定手段、加速度を変更する回転リール25
を選択するための加速度変更リール選択手段、回転を開始した後所定の速度に達するまで
の回転リール25の加速度のデータを記憶するための加速度データ記憶テーブル、加速度デ
ータ記憶テーブルに記憶された加速度データから一の加速度データを選択するための加速
度データ選択手段、加速度変更リール選択手段により選択された回転リール25を、加速度
データ選択手段により選択された加速度によって回転させるための加速度設定手段などを
備えている。また、本実施の形態に係る加速度データ記憶テーブルは、回転リール25の加
速度の値そのものを、加速度のデータとして記憶している。また、加速度のデータとして
は、初期値として予め定められた「既定加速度」、既定加速度よりも遅い「低加速度」、
既定加速度よりも速い「高加速度」の3パターンが設けられている。なお、この加速度の
データは、上記のものに限定されるものではなく、より多くのパターンを設けることもで
きる。
【0083】
具体的には、加速度変更手段162は、以下のように回転リール25の加速度を変更する。
まず、スタートスイッチ37が操作されると、変更決定手段により、回転リール25の加速度
を変更するか否かが決定される。そして、加速度を変更する旨が決定されると、加速度変
更リール選択手段により、3個の回転リール25の中から加速度を変更する回転リール25が
選択される。そして、回転リール25が選択されると、当該回転リール25に対応させる加速
度のデータが、加速度データ記憶テーブルの中から、加速度データ選択手段により選択さ
れる。そして、前記加速度変更リール選択手段により選択されなかった回転リール25につ
いては、初期値として予め定められた既定加速度が、加速度設定手段により設定される。
一方、前記加速度変更リール選択手段により選択された回転リール25については、加速度
データ選択手段により選択された所定の加速度が、加速度設定手段により設定される。そ
して、回転が開始されると、各回転リール25は、所定の速度に達するまで、前記設定され
た加速度に基づいて加速しながら回転することとなる
より具体的には、たとえば、スタートスイッチ37が操作された際に、加速度を変更する
回転リール25として、加速度変更リール選択手段により、右リール24が選択されたものと
する。また、この右リール24の加速度として、加速度データ選択手段により、「高加速度
」が選択されたものとする。すると、加速度変更リール選択手段により選択されなかった
左リール22及び中リール23には、加速度設定手段により「既定加速度」が設定され、右リ
ール24には、加速度設定手段により「高加速度」が設定される。そして、左リール22及び
中リール23については、回転を開始してから所定の速度に達するまで、「既定加速度」で
加速しながら回転することとなる。一方、右リール24については、「高加速度」で加速し
ながら回転することとなる。
【0084】
なお、加速度変更リール選択手段は、加速度を変更する回転リール25として、1個の回
転リール25のみを選択するように形成することもできるし、2個以上の回転リール25を選
択するように形成することもできる。また、2個以上の回転リール25が選択された場合、
回転リール25の加速度は同じ値とすることもできるし、異なった値とすることもできる。
すなわち、加速度データ選択手段は、2個以上の回転リール25に対してそれぞれ同じ加速
度データを選択してもよいし、それぞれ異なった加速度データを選択してもよい。
(回転位置検出手段170)
回転位置検出手段170は、ストップスイッチ38が操作された時点における回転リール25
の回転位置を検出するためのものである。
【0085】
具体的には、回転位置検出手段170は、特に図示していないが、ステッピングモーター
から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、カウント手段によるパル
ス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。
より具体的には、各回転リール25が回転を開始し、総ての回転リール25が所定の速度で
定速回転するようになった後、検知センサー45によりインデックスの通過が検知されたこ
とを契機として、前記カウント手段が、ステッピングモーターから出力されるパルス信号
のカウントを開始する。そして、ストップスイッチ38が操作された時点における、前記カ
ウント値に基づいて、インデックスの回転角度を算出し、これにより前記時点における回
転リール25の回転位置を検出することとなる。また、前記カウント手段によるパルス信号
のカウント値は、検知センサー45によりインデックスの通過が検知される都度、前記リセ
ット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるもの
となっている。
【0086】
(回転停止制御手段180)
回転停止制御手段180は、ストップスイッチ38の操作に基づいて、対応する回転リール2
5の回転停止の制御を行うためのものである。具体的には、回転停止制御手段180は、役抽
選手段140による抽選の結果に基づき、ストップスイッチ38が操作された時点で、有効ラ
イン上に直ちに停止できる図柄51を基準として、この図柄51から回転方向に予め定められ
た個数(最大移動コマ数、たとえば4コマ)移動したときの図柄51までの範囲で、対応す
る回転リール51を停止させるように形成されている。
より具体的には、本実施の形態に係る回転停止制御手段180は、回転中のいずれかの回
転リール25(制御対象リール)に対応するストップスイッチ38の操作が行われたことを契
機として、役抽選手段140による抽選の結果、前記ストップスイッチ38の操作が行われた
時点における前記制御対象リールの回転位置、及び、前記時点における回転中の他の回転
リール25の回転位置に基づいて、前記制御対象リールの停止制御を行うように形成されて
いる。そして、この回転停止制御手段180は、図1に示すように、次の(1)から(4)
までの手段を有している。
【0087】
(1)停止テーブル181
(2)停止テーブル選択手段182
(3)移動コマ数取得手段183
(4)回転停止制御実行手段184
なお、回転停止制御手段180としては、上記した(1)から(4)までの手段に限定さ
れるものではなく、他の手段を含んでいてもよい。
(停止テーブル181)
停止テーブル181は、図柄51の停止位置を定めたものであり、具体的には、回転リール2
5の回転位置に応じて、ストップスイッチ38が操作されてから前記回転リール25が停止す
るまでの移動コマ数を予め定めたものである。換言すれば、停止テーブル181は、ストッ
プスイッチ38が操作された時点において直ちに停止することができる図柄51から何コマ(
すなわち、0コマから4コマの範囲内で)移動させて回転リール25を停止させるのかを、
所定の条件に応じて各図柄51ごとに定めたものである。
【0088】
具体的には、停止テーブル181においては、所定の役に係る当選フラグが成立している
ときには、当該役を構成する図柄51の組み合わせが有効ライン上に停止するように、予め
上述のコマ数の範囲内で停止位置を決定している。また、当選フラグが成立していないと
きには、役を構成する図柄51の組み合わせが有効ライン上に停止しないように、予め上述
のコマ数の範囲内で停止位置を決定している。
また、本実施の形態に係るスロットマシン10では、役抽選手段140による抽選の結果ご
とに、それぞれ複数個の停止テーブル181が設けられている。また、各停止テーブル181は
、図6から図8までに示すように。各回転リール25ごとに別々のテーブルとなっており、
各テーブルごとにそれぞれ移動コマ数が定められている。
【0089】
具体的には、本実施の形態に係るスロットマシン10は、停止テーブル181として、BB
ゲーム役に対応する停止テーブル181、RBゲーム役に対応する停止テーブル181、スイカ
役に対応する停止テーブル181、ベル役に対応する停止テーブル181、チェリー役に対応す
る停止テーブル181、再遊技役に対応する停止テーブル181、及び、ハズレに対応する停止
テーブル181を、それぞれ複数個ずつ備えている。また、これらの各停止テーブル181は、
左リール22の移動コマ数を定めた左リール停止テーブル、中リール23の移動コマ数を定め
た中リール停止テーブル、及び、右リール24の移動コマ数を定めた右リール停止テーブル
から構成されている。
【0090】
また、本実施の形態に係るスロットマシン10では、後述する如く、いずれかのストップ
スイッチ38が操作された時点において、このストップスイッチ38に対応する回転リール25
(制御対象リール)以外の回転中の回転リール25の回転位置に基づいて、前記複数個の停
止テーブル181から、一の停止テーブル181が選択されるようになっている。
具体的には、制御対象リール以外の回転中の回転リール25の回転位置に対応して、一の
停止テーブル181を予め定めた参照テーブルを設けておく。そして、ストップスイッチ38
が操作された際、この参照テーブルに基づいて、後述の停止テーブル選択手段182により
、一の停止テーブル181が選択される。
【0091】
(停止テーブル選択手段182)
停止テーブル選択手段182は、役抽選手段140による抽選の結果、及び、制御対象リール
に対応するストップスイッチ38の操作が行われた時点における回転中の他の回転リール25
の回転位置に基づいて、複数の停止テーブル181から一の停止テーブル181を選択するため
のものである。
具体的には、一のストップスイッチ38の操作が行われると、回転位置検出手段170によ
り、この時点における回転中の回転リール25の回転位置が検出される。そして、役抽選手
段140による抽選の結果、及び、制御対象リール以外の回転リール25の回転位置に基づい
て、停止テーブル選択手段182が一の停止テーブル181を選択する。より具体的には、停止
テーブル選択手段182は、対応する参照テーブルを参照し、この参照テーブルにおいて、
制御対象リール以外の回転リール25の前記回転位置に対応付けられている停止テーブル18
1を選択する。
【0092】
たとえば、役抽選手段140による抽選によりBBゲーム役に当選した場合であって、3
個全部の回転リール25が回転しているときに、左リール22に対応するストップスイッチ38
が操作されたものとする。このとき、回転位置検出手段170により、回転中の回転リール2
5である左リール22、中リール23、及び、右リール24の回転位置が検出される。そして、
前記対応する参照テーブル(BBゲーム役に当選、及び、左リール22が最初に操作された
場合の参照テーブル)において、制御対象リールである左リール22以外の、中リール23の
回転位置及び右リール24の回転位置に対応付けられた停止テーブル181が、停止テーブル
選択手段182により選択される。
【0093】
また、同様に、BBゲーム役に当選した場合であって、中リール23及び右リール24が回
転しているときに、中リール23に対応するストップスイッチ38が操作されたものとする。
このとき、回転位置検出手段170により、回転中の回転リール25である中リール23、及び
、右リール24の回転位置が検出される。そして、前記対応する参照テーブル(BBゲーム
役に当選、及び、左リール22→中リール23の順番で停止操作された場合の参照テーブル)
において、制御対象リールである中リール23以外の、右リール24の回転位置に対応付けら
れた停止テーブル181が、停止テーブル選択手段182により選択される。
(移動コマ数取得手段183)
移動コマ数取得手段183は、停止テーブル選択手段182により選択された停止テーブル18
1、及び、ストップスイッチ38の操作が行われた時点における制御対象リールの回転位置
に基づいて、制御対象リールの移動コマ数を取得するためのものである。換言すれば、移
動コマ数取得手段183は、回転位置検出手段170により検出された制御対象リールの回転位
置に対応した移動コマ数を、選択された停止テーブル181から取得するためのものである

【0094】
そして、移動コマ数取得手段183により停止テーブル181から移動コマ数が取得されると
、後述する回転停止制御実行手段184が、制御対象リールを移動コマ数分だけ移動させた
後、回転を停止するように制御することとなる。
たとえば、上述の例における、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された
場合にあっては、回転位置検出手段170により検出された左リール22の回転位置に基づき
、停止テーブル選択手段182により選択された停止テーブル181から、移動コマ数が取得さ
れる。そして、制御対象リールである左リール22は、取得された移動コマ数分だけ移動し
た後、回転を停止することとなる。たとえば、取得された移動コマ数が「1」であった場
合には、左リール22は、1コマ移動(すなわち、1コマ滑り)して停止することとなる。
【0095】
(回転停止制御実行手段184)
回転停止制御実行手段184は、移動コマ数取得手段183により取得された移動コマ数に基
づいて、制御対象リールの停止制御を実行するものである。すなわち、回転停止制御実行
手段184は、制御対象リールを、取得された移動コマ数分だけ移動させた後、回転を停止
させる。
なお、停止テーブル181、及び、参照テーブルに基づく停止制御の具体例については、
後程詳述する。
(入賞制御手段200)
入賞制御手段200は、役抽選手段140による抽選の結果、所定の役に当選し、かつ、回転
リール25が停止した状態で表示される図柄51が、役に応じて予め定められた表示態様にな
ることにより入賞と判定するとともに、この入賞に基づいた制御を行うためのものである
。すなわち、所定の役の入賞となった場合に、この入賞の役に応じた入賞信号を出力する
ように形成されている。
【0096】
入賞制御手段200は、各種制御手段に前記入賞信号を出力する。そして、たとえば、所
定の入賞信号が入力された遊技制御手段120は、ホッパーユニット27により所定枚数の遊
技メダルが払い出されるように制御する。また、前記入賞信号が入力された後述の演出制
御手段300は、演出装置50により入賞に関する所定の演出が行われるように制御する。ま
た、再遊技役に係る入賞信号が入力された遊技制御手段120は、再遊技を行う。また、B
Bゲーム役に係る入賞信号が入力された特別遊技制御手段122は、BBゲームを開始する

(演出制御手段300)
演出制御手段300は、各種制御手段から出力される信号が入力されることを契機として
、遊技に関する演出を、液晶表示装置53などの演出装置50により実行するためのものであ
る。遊技に関する演出としては、たとえば、役抽選手段140により所定の役に当選した旨
を報知するための当選報知演出、特別遊技(たとえば、BBゲーム)が開始した場合に、
当該特別遊技を盛り上げるための演出などが挙げられる。
【0097】
具体的には、演出制御手段300は、種々の演出データを記憶するための演出テーブル、
入力された信号に基づいて、前記演出テーブルから所定の演出データを選択するためたの
演出データ選択手段、演出データ選択手段により選択された演出データに基づいて、所定
の演出装置50により演出を実行するための演出実行手段などを備えている。
(停止テーブル181、及び、参照テーブルに基づく停止制御の具体例)
以下、本実施の形態における回転リール25の停止制御について、具体的に説明する。
なおここで、説明の便宜上、最初に停止操作を行う回転リール25を「第1停止リール」
、2番目に停止操作を行う回転リール25を「第2停止リール」、最後に停止操作を行う回
転リール25を「第3停止リール」とする。さらに、説明の便宜上、後述する各回転リール
25の図柄配列における図柄51に対して図柄番号を付す。具体的には、各回転リール25の図
柄51を表示した図5において、上方から下方へ向けて順番に、「0番」→「20番」→「
19番」→・・・→「1番」という図柄番号を付している。
【0098】
上述の如く、本実施の形態における左リール22、中リール23、及び、右リール24の各回
転リール25にはそれぞれ21個ずつ図柄51が表示されている。そして、各回転リール25に
表示されている図柄51の一部は、図5に示すように、配列されている。
具体的には、左リール22は、図5の向かって上方から、「スイカ」→「7」→「リプレ
イ」→「ベル」→「スイカ」→「BAR」→「リプレイ」→・・・→「BAR」という図
柄51の配列となっている。また、中リール23は、図5の向かって上方から、「ベル」→「
7」→「リプレイ」→「BAR」→「ベル」→「スイカ」→「リプレイ」→・・・→「ベ
ル」という図柄51の配列となっている。また、右リール24は、図5の向かって上方から、
「チェリー」→「7」→「ベル」→「リプレイ」→「チェリー」→「スイカ」→「ベル」
→・・・→「リプレイ」という図柄51の配列となっている。また、回転リール25は、図5
の向かって上方から下方に向かって回転するものとなっている。したがって、回転リール
25が回転すると、各図柄51は、図5の向かって上方から下方へ向けて移動することとなる

【0099】
また、本実施の形態におけるスロットマシン10においては、たとえば、BBゲーム役当
選時の停止テーブル181として、図6から図8に示すように、第1停止リールが左リール2
2の場合における左リール用停止テーブル(L1、L2、L3)、第1停止リールが左リ
ール22及び第2停止リールが中リール23の場合における中リール用停止テーブル(C1、
C2、C3)、第3停止リールが右リール24の場合における右リール用停止テーブル(R
1)等が、備えられている。
ここで、各停止テーブル181には、各図柄51が各回転リール25の中段位置にある場合に
、対応するストップスイッチ38が操作されたとき、回転リール25の回転が停止するまでに
前記図柄51が移動するコマ数が記憶されている。
【0100】
具体的には、たとえば、左リール用停止テーブル「L1」には、左リール22の「17番
」の「スイカ」に対応して「2」という移動コマ数が定められている(図6参照)。そし
て、左リール22の停止制御において、この「L1」という停止テーブル181が選択された
場合、左リール22における「17番」の「スイカ」が中段位置にあるときにストップスイ
ッチ38が操作されていたとすると、前述の移動コマ数取得手段183により、「2」が取得
されることとなる。そして、前記「スイカ」が中段位置から2コマ移動した位置で、左リ
ール22が停止することとなる。したがって、左リール22においては、「20番」から「1
8番」までの図柄51、すなわち「7」「リプレイ」「ベル」が停止表示されることとなる

【0101】
また、本実施の形態におけるスロットマシン10においては、たとえば、BBゲーム役当
選時の参照テーブルとして、図9に示すように、第1停止リールが左リール22の場合にお
ける参照テーブル(LR1)、第1停止リールが左リール22及び第2停止リールが中リー
ル23の場合における参照テーブル(CR1)等が、備えられている。
ここで、各参照テーブルには、ストップスイッチ38が操作されたときに回転リール25の
中段位置にある図柄51に対応付けて、一の停止テーブル181が定められている。
具体的には、BBゲーム役当選時であって、かつ、第1停止リールが左リール22の場合
における参照テーブル「LR1」には、たとえば、中リール23の「18番」、及び、右リ
ール24の「20番」に対応付けて、「L1」という停止テーブル181が定められている(
図9(a)参照)。すなわち、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された際
に、回転中の中リール23における「18番」の「BAR」が中段位置にあり、かつ、回転
中の右リール24における「20番」の「7」が中段位置にあったときは、左リール22を停
止させるための停止テーブル181として「L1」が、停止テーブル選択手段182により選択
されることとなる。
【0102】
以下、役抽選手段140によりBBゲーム役に当選した場合であって、左リール22→中リ
ール23→右リール24の順番で操作した場合における各回転リール25の停止制御について、
具体的に説明する。
この場合、まず、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作されることを契機と
して、この時点における左リール22、中リール23、及び、右リール24の回転位置が、回転
位置検出手段170により検出される。そして、検出された中リール23及び右リール24の回
転位置、並びに、第1停止リールが左リール22の場合における参照テーブル「LR1」に
基づいて、停止テーブル選択手段182により、左リール用停止テーブルが選択される。そ
して、検出された左リール22の回転位置、及び、選択された左リール用停止テーブルに基
づいて、移動コマ数取得手段183により、左リール22の移動コマ数が取得される。そして
、この取得された移動コマ数に基づいて、回転停止制御実行手段184により、左リール22
の停止制御が行われる。
【0103】
具体的には、たとえば、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された時点に
おいて、回転位置検出手段170により、左リール22における「19番」の「リプレイ」が
中段位置にあり、中リール23における「16番」の「スイカ」が中段位置にあり、かつ、
右リール24における「20番」の「7」が中段位置にあると、検出されたものとする。す
ると、停止テーブル選択手段182は、参照テーブル「LR1」、並びに、中リール23の回
転位置(「16番」の「スイカ」)及び右リール24の回転位置(「20番」の「7」)に
基づいて、左リール用停止テーブルとして「L3」を選択する(図9(a)参照)。そし
て、移動コマ数取得手段183は、選択された左リール用停止テーブル「L3」、及び、左
リール22の回転位置(「19番」の「リプレイ」)に基づいて、移動コマ数「2」を取得
する(図6参照)。そして、回転停止制御実行手段184は、左リール22を前記回転位置か
ら2コマ移動させて、回転を停止させることとなる。この場合、左リール22においては、
「1番」「0番」「20番」の図柄51、すなわち「BAR」「スイカ」「7」が停止表示
されることとなる。
【0104】
次に、中リール23に対応するストップスイッチ38が操作されることを契機として、この
時点における中リール23、及び、右リール24の回転位置が、回転位置検出手段170により
検出される。そして、検出された右リール24の回転位置、並びに、第1停止リールが左リ
ール22かつ第2停止リールが中リール23の場合における参照テーブル「CR1」に基づい
て、停止テーブル選択手段182により、中リール用停止テーブルが選択される。そして、
検出された中リール23の回転位置、及び、選択された中リール用停止テーブルに基づいて
、移動コマ数取得手段183により、中リール23の移動コマ数が取得される。そして、この
取得された移動コマ数に基づいて、回転停止制御実行手段184により、中リール23の停止
制御が行われる。
【0105】
具体的には、たとえば、中リール23に対応するストップスイッチ38が操作された時点に
おいて、回転位置検出手段170により、中リール23における「17番」の「ベル」が中段
位置にあり、かつ、右リール24における「18番」の「リプレイ」が中段位置あると、検
出されたものとする。すると、停止テーブル選択手段182は、参照テーブル「CR1」、
及び、右リール24の回転位置(「18番」の「リプレイ」)に基づいて、中リール用停止
テーブルとして「C2」を選択する(図9(b)参照)。そして、移動コマ数取得手段18
3は、選択された中リール用停止テーブル「C2」、及び、中リール23の回転位置(「1
7番」の「ベル」)に基づいて、移動コマ数「3」を取得する(図7参照)。そして、回
転停止制御実行手段184は、中リール23を前記回転位置から3コマ移動させて、回転を停
止させることとなる。この場合、中リール23においては、「0番」「20番」「19番」
の図柄51、すなわち「ベル」「7」「リプレイ」が停止表示されることとなる。
【0106】
次に、右リール24に対応するストップスイッチ38が操作されることを契機として、この
時点における右リール24の回転位置が、回転位置検出手段170により検出される。また、
このとき、左リール22及び中リール23の停止位置に基づいて、停止テーブル選択手段182
により、右リール用停止テーブルが選択される。そして、検出された右リール24の回転位
置、及び、右リール用停止テーブルに基づいて、移動コマ数取得手段183により、右リー
ル24の移動コマ数が取得される。そして、この取得された移動コマ数に基づいて、回転停
止制御実行手段184により、右リール24の停止制御が行われる。
具体的には、たとえば、右リール24に対応するストップスイッチ38が操作された時点に
おいて、回転位置検出手段170により、右リール24における「18番」の「リプレイ」が
中段位置にあると、検出されたものとする。また、停止テーブル選択手段182は、左リー
ル22及び中リール23の停止位置に基づいて、右リール用停止テーブルとして「R1」を選
択したものとする。すると、移動コマ数取得手段183は、選択された右リール用停止テー
ブル「R1」、及び、右リール24の回転位置(「18番」の「リプレイ」)に基づいて、
移動コマ数「1」を取得する(図8参照)。そして、回転停止制御実行手段184は、右リ
ール24を前記回転位置から1コマ移動させて、回転を停止させることとなる。この場合、
右リール24においては、「20番」「19番」「18番」の図柄51、すなわち「7」「ベ
ル」「リプレイ」が停止表示されることとなる。
【0107】
そして、これによりBBゲーム役を構成する図柄51である「7」が、右上がりライン95
上に停止表示され、BBゲーム役の入賞となり、BBゲーム役が開始されることとなる。
なおここで、図9に示すように、参照テーブル「LR1」では、中リール23及び右リー
ル24の回転位置ごとに、左リール用停止テーブルが定められており、中リール23及び右リ
ール24の回転位置によって、選択される左リール用停止テーブルが異なる場合が生じる。
したがって、左リール22の回転位置が同じであっても、中リール23及び右リール24の回転
位置により、左リール22の停止位置が異なる場合が生じることとなる。
また、参照テーブル「CR1」では、右リール24の回転位置ごとに、右リール用停止テ
ーブルが定められており、右リール24の回転位置によって、選択される左リール用停止テ
ーブルが異なる場合が生じる。したがって、中リール23の回転位置が同じであっても、右
リール24の回転位置により、中リール23の停止位置が異なる場合が生じることとなる。
【0108】
このように、回転中の回転リール25の回転位置により、操作されたストップスイッチ38
に対応する回転リール25の停止位置が異なる場合が生じるため、バリエーションに富んだ
停止表示態様とすることができる。
(スロットマシン10の動作)
次に、上記構成を備えたスロットマシン10の動作の概略について、図10から図14ま
でに示したフローを用いて説明する。
図10に示すステップ100において、スタートスイッチ37の操作が行われたか否かが
判定される。そして、スタートスイッチ37の操作が行われたと判定された場合、次のステ
ップ101に進む。一方、スタートスイッチ37の操作が行われていないと判定された場合
、ステップ101に戻る。
【0109】
ステップ101において、スタートスイッチ37の操作が行われることにより、スタート
スイッチ37がONとなる。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、役抽選手段140により役の抽選が行われる。そして、次のス
テップ103に進む。
ステップ103において、回転開始制御手段160により、リール回転開始処理が行われ
る。そして、次のステップ104に進む。
ステップ104において、回転停止制御手段180により、リール回転停止処理が行われ
る。そして、次のステップ105に進む。
【0110】
ステップ105において、入賞制御手段200により、当選フラグの成立中に、この当選
フラグに対応する図柄表示態様がいずれかの有効ライン上に停止したか否か、すなわち、
入賞したか否かが判定される。そして、入賞したと判定された場合は所定の入賞の処理が
行われる。そして、遊技が終了する。
次に、上述したステップ103のリール回転開始処理について、図11のフローを用い
て説明する。
ステップ200において、回転開始制御手段160により、初期設定が行われる。具体的
には、所定の計時手段により計測された、スタートスイッチ37が操作されてからの経過時
間をリセットする。また、各回転リール25の加速度に、初期値として予め定められた「既
定加速度」を設定する。そして、次のステップ201に進む。
【0111】
ステップ201において、加速度変更手段162により、加速度変更処理が行われる。そ
して、次のステップ202に進む。
ステップ202において、回転開始時期変更手段161により、回転開始時期変更処理が
行われる。そして、リール回転開始処理が終了する。
次に、上述したステップ201の加速度変更処理について、図12のフローを用いて説
明する。
ステップ300において、加速度変更手段162における変更決定手段により、回転リー
ル25の加速度の変更を行うか否かが決定される。そして、次のステップ301に進む。
【0112】
ステップ301において、加速度変更手段162により、回転リール25の加速度の変更を
行う旨が決定されたか否かが判定される。そして、回転リール25の加速度の変更を行う旨
が決定されたと判定された場合、次のステップ302に進む。一方、回転リール25の加速
度の変更を行う旨が決定されていないと判定された場合、加速度変更処理が終了する。
ステップ302において、加速度変更手段162における加速度変更リール選択手段によ
り、加速度を変更する回転リール25が選択される。そして、次のステップ303に進む。
ステップ303において、加速度変更手段162における加速度データ選択手段により、
加速度データ記憶テーブルから加速度データが選択される。そして、次のステップ304
に進む。
【0113】
ステップ304において、加速度変更手段162における加速度設定手段により、前記選
択された回転リール25に対して、前記選択された加速度が設定される。そして、加速度変
更処理が終了する。
次に、上述したステップ202の回転開始時期変更処理について、図13のフローを用
いて説明する。
ステップ400において、回転開始時期変更手段161における変更決定手段により、回
転リール25の回転開始時期の変更を行うか否かが決定される。そして、次のステップ40
1に進む。
【0114】
ステップ401において、回転開始時期変更手段161により、回転リール25の回転開始
時期の変更を行う旨が決定されたか否かが判定される。そして、回転リール25の回転開始
時期の変更を行う旨が決定されたと判定された場合、次のステップ402に進む。一方、
回転リール25の回転開始時期の変更を行う旨が決定されていないと判定された場合、ステ
ップ410に進む。
ステップ402において、回転開始時期変更手段161における回転開始時期変更リール
選択手段により、回転開始時期を変更する回転リール25が選択される。そして、次のステ
ップ403に進む。
【0115】
ステップ403において、回転開始時期変更手段161における時間データ選択手段によ
り、時間データ記憶テーブルから時間データが選択される。そして、次のステップ404
に進む。
ステップ404において、回転開始時期変更手段161により、前記選択された回転リー
ル25に対して、前記選択された時間が設定される。
ステップ405において、回転開始時期変更手段161における計時手段により、計時が
開始される。そして、次のステップ406に進む。
ステップ406において、回転開始制御手段160により、選択されなかった回転リール2
5の回転が開始される。そして、次のステップ407に進む。
【0116】
ステップ407において、回転開始時期変更手段161により、計時手段により計測され
た経過時間が、回転リール25に対して設定された時間に達したか否かが判定される。そし
て、計時手段により計測された経過時間が、回転リール25に対して設定された時間に達し
たと判定された場合、次のステップ408に進む。一方、計時手段により計測された経過
時間が、回転リール25に対して設定された時間に達していないと判定された場合、ステッ
プ407に戻る。
ステップ408において、回転開始制御手段160により、前記回転リール25の回転が開
始される。そして、次のステップ409に進む。
【0117】
ステップ409において、回転開始時期変更手段161により、総ての回転リール25の回
転が開始されたか否かが判定される。そして、総ての回転リール25の回転が開始されたと
判定された場合、回転開始時期変更処理が終了する。一方、総ての回転リール25の回転が
開始されていないと判定された場合、ステップ407に戻る。
ステップ410において、回転開始制御手段160により、総ての回転リール25の回転が
開始される。そして、回転開始時期変更処理が終了する。
次に、上述したステップ104のリール回転停止処理について、図14のフローを用い
て説明する。
【0118】
ステップ500において、回転停止制御手段180により、ストップスイッチ38が操作さ
れたか否かが判定される。そして、ストップスイッチ38が操作されたと判定された場合、
次のステップ501に進む。一方、ストップスイッチ38が操作されていないと判定された
場合、ステップ500に戻る。
ステップ501において、回転停止制御手段180により、操作されたストップスイッチ3
8に対応する回転リール25(制御対象リール)の他に回転している回転リール25があるか
否かが判定される。そして、制御対象リールの他に回転している回転リール25があると判
定された場合、次のステップ502に進む。一方、制御対象リールの他に回転している回
転リール25が無いと判定された場合、ステップ507に進む。
【0119】
ステップ502において、回転位置検出手段170により、回転中の総ての回転リール25
の回転位置が検出される。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、停止テーブル選択手段182により、参照テーブル、及び、制
御対象リール以外の回転リール25の回転位置に基づいて、停止テーブル181が選択される
。なお、既に停止している回転リール25がある場合には、当該回転リール25の停止位置も
参照して、停止テーブル181が選択される。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、移動コマ数取得手段183により、選択された停止テーブル181
、及び、制御対象リールの回転位置に基づいて、移動コマ数が取得される。そして、次の
ステップ505に進む。
【0120】
ステップ505において、回転停止制御実行手段184により、制御対象リールが、取得
された移動コマ数分だけ移動した後、回転を停止するように制御される。そして、次のス
テップ506に進む。
ステップ506において、回転停止制御手段180により、総ての回転リール25が停止し
たか否かが判定される。そして、総ての回転リール25が停止したと判定された場合、リー
ル回転停止処理が終了する。一方、総ての回転リール25が停止していないと判定された場
合、ステップ500に戻る。
ステップ507において、回転位置検出手段170により、制御対象リールの回転位置が
検出される。そして、次のステップ508に進む。
【0121】
ステップ508において、停止テーブル選択手段182により、既に停止している回転リ
ール25の回転位置等に基づいて、停止テーブル181が選択される。そして、ステップ50
4に進む。
(総括)
上述の如く、本実施の形態に係るスロットマシン10では、ストップスイッチ38の操作が
行われることを契機として、回転位置検出手段170により、回転中の総ての回転リール25
の回転位置が検出される。そして、停止テーブル選択手段182により、参照テーブルが参
照されるとともに、この参照テーブルにおいて回転リール25の回転位置に対応付けて定め
られた停止テーブル181が選択される。そして、この選択された停止テーブル181、及び、
制御対象リールの回転位置に基づいて、移動コマ数取得手段183により移動コマ数が取得
される。そして、この取得された移動コマ数に基づいて、回転停止制御実行手段184によ
り、制御対象リールの停止制御が行われる。すなわち、制御対象リールは、取得された移
動コマ数分だけ回転した後、停止することとなる。
【0122】
ここで、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25について
常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点において回転中
の他の回転リール25は常に同じ回転位置となるものではない。換言すれば、回転リール25
の回転位置は、ストップスイッチ38を操作した際の若干のタイミングのズレや、前回の遊
技における停止位置などに影響されるため、同じ回転位置でストップスイッチ38が操作さ
れたとしても、この時点における他の回転リール25は、異なる回転位置となることが多い

すなわち、所定の回転リール25の回転位置は同じであっても、他の回転リール25の回転
位置は異なるため、停止テーブル選択手段182により選択される停止テーブル181も異なる
こととなり、さらには、移動コマ数取得手段183により取得される移動コマ数も異なるこ
ととなる。したがって、制御対象リールの停止位置は常に同じものとはならず、バリエー
ションに富んだものとすることができる。そして、これにより、回転リール25の停止出目
が単調になるのを防止できることとなる。
【0123】
また、本実施の形態に係るスロットマシン10では、ストップスイッチ38が操作された時
点における回転リール25の回転位置を取得し、これに基づいて、停止テーブル選択手段18
2及び移動コマ数取得手段183により、制御対象リールの停止位置が決定されるものとなっ
ている。すなわち、制御対象リールの停止位置を決定するために、ストップスイッチ38が
操作された後に新たに抽選等の負荷の大きい処理を行う必要がない。
これにより、CPU等のハードウェア手段に対する負荷を抑えつつ、回転リール25の停
止表示態様をバリエーションに富んだものとすることができる。
また、本実施の形態に係るスロットマシン10では、回転開始時期変更手段161により、
所定の回転リール25における回転開始のタイミングが変更可能なものとなっている。また
、加速度変更手段162により、所定の回転リール25の加速度が変更可能なものとなってい
る。
【0124】
ここで、もし前回の遊技が終了した時点における回転リール25の停止表示態様が同じで
あったとしても、回転リール25が回転を開始するタイミング、又は、回転リール25の加速
度が異なれば、所定時点における回転リール25の回転位置は異なるものとなる。
したがって、役抽選手段140による抽選の結果が同じ場合に、所定の回転リール25につ
いて常に同じ回転位置でストップスイッチ38が操作されたとしても、この時点における回
転中の他の回転リール25は異なる回転位置となり、制御対象リールの停止位置も異なるこ
ととなる。
これにより、毎遊技ごとの回転リール25の停止表示態様を、より確実に異なったものと
することができることとなる。
【0125】
なお、上記実施の形態は、スロットマシン10以外の遊技機にも応用できる。たとえば、
遊技媒体として遊技球を用いてスロットマシン10と同様の遊技を行わせるパロット(登録
商標)遊技機に使用してもよいものである。
(変形例1)
上記実施の形態における参照テーブルでは、回転リール25の回転位置ごとに、一の停止
テーブル181が定められているが、これに限定されるものではなく、たとえば、図15に
示すように、回転リール25の回転位置をグループ化し、このグループごとに、一の停止テ
ーブル181を定めることもできる。
【0126】
具体的には、図15に示す参照テーブル(LR1)においては、中リール23の回転位置
、及び、右リール24の回転位置をそれぞれ3個ずつ区切って複数のグループを構成し、こ
のグループに対応させて、一の停止テーブル181が定められている。そして、たとえば、
中リール23の「18番」「17番」「16番」のグループ、及び、右リール24の「0番」
「20番」「19番」のグループに対応付けて、「L2」という停止テーブル181が定め
られている。すなわち、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された際に、回
転中の中リール23における「18番」の「BAR」、「17番」の「ベル」、又は、「1
6番」の「スイカ」のうち、いずれか一つが中段位置にあり、かつ、回転中の右リール24
における「0番」の「チェリー」、「20番」の「7」、又は、「19番」の「ベル」の
うち、いずれか一つが中段位置にあったときは、左リール22を停止させるための停止テー
ブル181として「L2」が、停止テーブル選択手段182により選択されることとなる。
【0127】
そして、このように形成した場合にも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏すると
ともに、参照テーブルを記憶するための記憶領域の容量を小さくすることができるため、
効率的にハードウェア資源を使用することができる。
(変形例2)
上記実施の形態では、回転位置検出手段170によって検出された回転リール25の回転位
置それ自体に基づいて、参照テーブルから停止テーブル181が選択されていたが、これに
限定されるものではなく、たとえば、検出された回転リール25の回転位置に基づいて所定
の演算式等により導出された値によって、参照テーブルから停止テーブル181が選択され
るように形成することもできる。
【0128】
たとえば、ストップスイッチ38が操作された際に、回転リール25の回転位置に対応する
図柄番号の和を算出し、この和における一の位の値に基づいて、参照テーブルから停止テ
ーブル181が選択されるように形成することができる。
具体的には、たとえば、第1停止リールが左リール22の場合における参照テーブル「L
R1」において、「0」から「9」までの数値を3つのグループ(「0」「1」「2」の
グループ、「3」「4」「5」のグループ、及び、「6」「7」「8」「9」のグループ
)に分け、この各グループに対応させて一の停止テーブル181を定めておく。より具体的
には、図16に示すように、「0」「1」「2」のグループに対応する停止テーブル181
として「L3」を定め、また、「3」「4」「5」のグループに対応する停止テーブル18
1として「L2」を定め、また、「6」「7」「8」「9」に対応する停止テーブル181と
して「L1」を定めておく。
【0129】
この場合、たとえば、左リール22に対応するストップスイッチ38が操作された際に、中
リール23における「15番」の「リプレイ」が中段位置にあり、かつ、右リール24におけ
る「18番」の「リプレイ」が中段位置にあったときは、中リール23の回転位置の図柄番
号「15番」と、右リール24の回転位置の図柄番号「18番」との和(15+18=33
)が求められる。そして、この和「33」における一の位の値「3」に基づいて、左リー
ル22を停止させるための停止テーブル181として「L2」が選択されることとなる。
そして、このように形成した場合にも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏すると
ともに、参照テーブルを記憶するための記憶領域の容量を小さくすることができるため、
効率的にハードウェア資源を使用することができる。
【0130】
(変形例3)
上記実施の形態における回転リール25の停止制御は、停止テーブル181を用いたテーブ
ル制御により行われていたが、これに限定されるものでなく、所定の図柄51を停止させる
か否かを判断しながら制御するプログラム制御により行うこともできる。
このプログラム制御は、役抽選手段140により所定の役に当選したときには、この役を
構成する図柄51がいずれかの有効ライン上に出来る限り停止するように、また、これ以外
の図柄51がいずれの有効ライン上にも停止しないように制御するものである。
回転リール25の停止制御をプログラム制御により行う場合には、上記実施の形態と異な
り、回転停止制御手段180が、図17に示すように、停止可能位置検索手段187と、停止位
置選択手段188と、回転停止制御実行手段184とを備える。なお、回転停止制御手段180が
備える手段としては、これらに限定されるものではなく、他の手段を備えることもできる

【0131】
停止可能位置検索手段187は、ストップスイッチ38が操作されることを契機として、役
抽選手段140による抽選の結果、及び、制御対象リールの回転位置に基づき、回転リール2
5が停止するまでに移動可能な最大コマ数(4コマ)の範囲内で、停止可能な位置(停止
可能位置)を検索するためのものである。
停止位置選択手段188は、前記停止可能位置検索手段187により検索された停止可能位置
が複数ある場合に、制御対象リール以外の回転中の回転リール25の回転位置に基づいて、
前記複数の停止可能位置の中からいずれか一の停止可能位置を選択するためのものである
。また、停止可能位置の選択の態様については、特に限定されるものではない。たとえば
、前記回転リール25の回転位置に対応付けて停止可能位置が定められた選択用テーブルを
設け、この選択用テーブルに基づいて停止可能位置を選択してもよい。また、前記回転リ
ール25の回転位置に基づいて所定の演算を行い、この演算結果に基づいて停止可能位置を
選択してもよい。
【0132】
回転停止制御実行手段184は、上記実施の形態と同様の機能を有するものであって、前
記停止位置選択手段188により選択された停止可能位置に基づいて、制御対象リールの停
止制御を実行するためのものである。すなわち、回転停止制御実行手段184は、制御対象
リールを、前記停止可能位置まで移動させた後、回転を停止させる。
また、上記のような構成を備えたスロットマシン10のメイン処理は、図10に示す上記
実施の形態に係るスロットマシン10のものと略同様であるため、相違点のみ説明し、他は
省略する。具体的には、図10のステップ104におけるリール回転停止処理が異なるた
め、この処理の概略について、図18のフローを用いて説明する。
【0133】
ステップ600において、回転停止制御手段180により、ストップスイッチ38が操作さ
れたか否かが判定される。そして、ストップスイッチ38が操作されたと判定された場合、
次のステップ601に進む。一方、ストップスイッチ38が操作されていないと判定された
場合、ステップ600に戻る。
ステップ601において、回転位置検出手段170により、回転中の総ての回転リール25
の回転位置が検出される。そして、次のステップ602に進む。
ステップ602において、停止可能位置検索手段187により、制御対象リールの回転位
置に基づき、最大コマ数(4コマ)の範囲内において、制御対象リールの停止可能位置が
検索される。そして、次のステップ603に進む。
【0134】
ステップ603において、回転停止制御手段180により、制御対象リールの停止可能位
置が複数あるか否かが判定される。そして、制御対象リールの停止可能位置が複数個ある
と判定された場合、次のステップ604に進む。一方、制御対象リールの停止可能位置が
複数個無い、すなわち、1個であると判定された場合、ステップ605に進む。
ステップ604において、停止位置選択手段188により、制御対象リールの停止可能位
置、及び、制御対象リール以外の回転リール25の回転位置などに基づいて、制御対象リー
ルの停止位置が選択される。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、回転停止制御実行手段184により、制御対象リールが、選択
された停止位置まで移動した後、回転を停止するように制御される。そして、次のステッ
プ606に進む。
【0135】
ステップ606において、回転停止制御手段180により、総ての回転リール25が停止し
たか否かが判定される。そして、総ての回転リール25が停止したと判定された場合、リー
ル回転停止処理が終了する。一方、総ての回転リール25が停止していないと判定された場
合、ステップ600に戻る。
そして、このように形成した場合にも、上記実施の形態と同様の作用、効果を奏するこ
ととなる。
【符号の説明】
【0136】
10 スロットマシン
20 筐体 21 リールユニット
22 左リール 23 中リール
24 右リール 25 回転リール
26 中板 27 ホッパーユニット
28 電源装置 29 基板ユニット
30 前扉 31 装飾部
32a 上部パネル 32b 下部パネル
33 操作部 34 表示窓
35 投入スイッチ 36a シングルベットスイッチ
36b マックスベットスイッチ
37 スタートスイッチ 38 ストップスイッチ
39 精算スイッチ 40 メダル払出口
41 メダル受皿 42 鍵穴
43 メダルセレクター 44 メダル投入口
45 検知センサー 50 演出装置
51 図柄 52 ランプ
53 液晶表示装置 54 スピーカー
91 中段ライン 92 上段ライン
93 下段ライン 94 右上りライン
95 右下りライン
100 制御装置 120 遊技制御手段
121 通常遊技制御手段 122 特別遊技制御手段
140 役抽選手段 160 回転開始制御手段
161 回転開始時期変更手段
162 加速度変更手段 170 回転位置検出手段
180 回転停止制御手段 181 停止テーブル
182 停止テーブル選択手段
183 移動コマ数取得手段 184 回転停止制御実行手段
187 停止可能位置検索手段
188 停止位置選択手段 200 入賞制御手段
300 演出制御手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に複数の図柄を表示した複数個の回転リールと、
各回転リールの回転を開始させるためのスタートスイッチと、
対応する回転リールの回転を停止させるためのストップスイッチと、
遊技に関する制御を行うための制御装置と、を少なくとも備え、
制御装置は、
総ての回転リールの回転が停止した際に表示された図柄の組み合わせにより構成される
役を抽選により決定するための役抽選手段と、
回転リールの回転の開始に関する制御を行うための回転開始制御手段と、
回転中のいずれかの回転リール(以下、「制御対象リール」とする。)に対応するスト
ップスイッチの操作が行われたことを契機として、役抽選手段による抽選の結果、前記ス
トップスイッチの操作が行われた時点における前記制御対象リールの回転位置、及び、前
記時点における回転中の他の回転リールの回転位置に基づいて、前記制御対象リールの停
止制御を行う回転停止制御手段と、
役抽選手段による抽選の結果、所定の役に当選し、かつ、回転リールが停止した状態で
表示される図柄が、役に応じて予め定められた表示態様になることにより入賞と判定する
とともに、この入賞に基づいた制御を行うための入賞制御手段と、を備えていることを特
徴とする遊技機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−13815(P2013−13815A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235179(P2012−235179)
【出願日】平成24年10月24日(2012.10.24)
【分割の表示】特願2007−134937(P2007−134937)の分割
【原出願日】平成19年5月22日(2007.5.22)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】