説明

遊技機

【課題】
複雑な回路によって駆動部を駆動する構成を用いなくとも駆動可能な構成となり、効率的に装飾性を高め得る構成を提供する。
【解決手段】
遊技機1は遊技球が流下可能に構成されると共に、圧電素子101と、圧電素子101と電気的に接続された駆動部(発光素子103)を有する装飾部品とを備えている。そして、圧電素子101に接続される接続部110に対し、遊技球が衝突可能に構成されており、遊技球の衝突に基づいて圧電素子101が変形することにより駆動電流が発生し、圧電素子101からの駆動電流によって発光素子103が発光するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種として例えばパチンコ機が広く知られている。このようなパチンコ機等の遊技機では、遊技領域に配置される遊技部品(例えば、風車、装飾ランプ、表示装置など)に様々なデザインを施し、装飾効果を上げて遊技者の興味をなるべく引くように構成されている。このような背景のなか、より一層装飾効果を高めようとする技術として例えば特許文献1のようなものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−325770公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の遊技機では、発光素子等の駆動部を駆動させる構成としては、駆動部を各種基板に接続するとともに、メイン基板からの制御信号に応じて駆動部を通電して駆動するような構成が用いられている。このような構成では、駆動部は必ず何らかの基板に接続する必要があり、かつ、駆動の際には何らかの制御信号を与えなければならない。したがって、ワイヤ−ハーネス、基板等などといった駆動部を駆動させるために必要となる部品数が多くなりがちであり、遊技機全体の複雑化、部品点数の増加等を招いていた。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、複雑な回路によって駆動部を駆動する構成を用いなくとも駆動可能な構成となり、効率的に装飾性を高め得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために有効な手段等を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
手段1.遊技球が流下可能に構成された遊技機であって、
圧電素子と、
前記圧電素子と電気的に接続された駆動部を有する装飾部品とを備え、
前記圧電素子又は前記圧電素子に接続される部品に対し、前記遊技球の衝突が伝達可能に構成されており、
前記遊技球の衝突に基づいて前記圧電素子が変形することにより駆動電流が発生し、当該圧電素子からの前記駆動電流によって前記駆動部が駆動することを特徴とする遊技機。
【0007】
このようにすれば、複雑な回路によって駆動部を駆動する構成を用いなくとも圧電素子により遊技球の衝突エネルギーを有効に利用して駆動できる構成となり、効率的に装飾性を高め得る構成となる。なお、「遊技球の衝突が伝達可能に構成されている」とは、圧電素子又は圧電素子に接続される部品に対して直接遊技球が衝突する構成と、圧電素子又は圧電素子に接続される部品以外の第3の部品に遊技球が衝突し、その第3の部品が圧電素子又は圧電素子に接続される部品に作用(例えば、第3の部品が圧電素子又は圧電素子に接続される部品を押し出す等)して、その結果圧電素子が変形するような態様をも包含する。
【0008】
手段2.前記圧電素子の一部が前記遊技球が衝突を受ける衝突部として構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0009】
このように、遊技球を直接圧電素子に衝突させるようにすれば、圧電素子の変形を大きくすることができ、効率的に電流を発生させることができることとなる。具体的には、例えば、圧電素子を板状に構成し、その板面に直接遊技球を衝突させるようにすることができる。
【0010】
手段3.前記圧電素子の板面を覆うようにカバー部が配置されており、当該カバー部の外面に前記遊技球が衝突するように構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0011】
このようにすれば、圧電素子の劣化を効果的に保護できる。なお、例えば、圧電素子の板面を覆うように非導電性のカバー部を配置してもよく、導電性のカバー部を板面上に配置し、電極として機能させるようにしてもよい。また、カバー部は単層でもよく、複数の層によって構成されていてもよい。
【0012】
手段4.前記圧電素子は、板状に形成され、かつ撓むように変形可能に構成されていることを特徴とする手段2又は手段3に記載の遊技機。
【0013】
このようにすれば、圧電素子がより変形しやすくなり、起電力が生じやすい構成となる。具体的には例えば、圧電素子の一端を自由端として構成し、当該圧電素子においてこの自由端側が撓むように構成してもよく、圧電素子の両端を支持して両持ち状に構成し、当該圧電素子の中央付近が撓むように構成してもよい。
【0014】
手段5.複数の前記圧電素子が積層された構成をなし、その積層体が変形可能に構成されていることを特徴とする手段2ないし手段4のいずれかに記載の遊技機。
【0015】
このように、複数の前記圧電素子を積層して構成し、積層体全体を変形させるようにすれば、より大きな起電力を生じさせることができ、強度的にも優れた構成となる。
【0016】
手段6.前記積層体は、2枚の前記圧電素子を有し、これら圧電素子の間に導体からなる又は導電性を有する接続板が配置された構成をなすことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
【0017】
このようにすれば、2枚の圧電素子から効率的に電流を取り出すことができる構成となる。
【0018】
手段7.前記積層体は、一端側が自由端とされて当該自由端付近に遊技球が衝突可能とされていることを特徴とする手段5又は手段6に記載の遊技機。
【0019】
このようにすれば、遊技球の衝突によって圧電素子がより一層変形しやすい構成となる。具体的には、手段7に記載の遊技機において、積層体を長手状に構成すると共に長手方向一端側を自由端とし、他端側を所定の保持部材によって保持するように構成し、前記自由端側に遊技球が衝突することによって撓みが生じるように構成できる。
【0020】
手段8.前記遊技盤の前面よりさらに前方に前記積層体の一部が配置され、当該積層体における前記前面よりも前方に配置される部分に対して前記遊技球が衝突するように構成されていることを特徴とする手段5ないし手段7のいずれかに記載の遊技機。
【0021】
このようにすれば、積層体に遊技球の衝撃を加えやすい構成となる。なお、本発明全体を通して、遊技盤の前面と直交する方向を遊技機の前後方向とし、遊技者側を前方側、遊技機裏側を後方側とする。また、長手状に構成される遊技機の長手方向を上下方向、短手方向を左右方向とする。手段8の構成では、遊技盤の前面よりも前方側に構成される遊技球の流路に積層体の一部が配置されることとなり、流下する遊技球が積層体の一部に衝突しやすくなる。
【0022】
手段9.前記積層体は、前記遊技盤の前面に沿った方向に撓むように構成されていることを特徴とする手段5ないし手段8のいずれかに記載の遊技機。
【0023】
このようにすれば、遊技球の流下による力によって積層体が変形しやすい構成となる。手段9の構成において、より具体的には、前記積層体を長手状に構成し、前記積層体の板面方向と前記遊技盤の前面がほぼ直交し、前記前面の面方向に沿った長手方向となるように(即ち、遊技盤の前面と積層体の長手方向とがほぼ平行方向となるように)、前記積層体を配置できる。このようにすれば、遊技盤の前面に沿った方向により撓みが生じやすくなる。
【0024】
手段10.前記遊技盤の前面より後方に前記積層体の一部が配置されていることを特徴とする手段5ないし手段9のいずれかに記載の遊技機。
【0025】
このようにすれば、遊技盤の前面に積層体全体を配置しなくてもよく、遊技盤前面上のスペースを確保しやすい構成となる。
【0026】
手段11.前記圧電素子と接続される接続部が遊技球からの衝突を受ける衝突部として構成されており、当該接続部の変位又は変形により前記圧電素子を変形させる力が生じることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0027】
このようにすれば、圧電素子に直接遊技球が衝突されず、圧電素子自体を効果的に保護でき、耐久性の高い構成となる。
【0028】
手段12.前記接続部は、板状部品からなり、当該板状部品の板面に前記圧電素子が接合されていることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
【0029】
このように接続部を板状に構成すれば、圧電素子を保持しやすく、圧電素子に力を作用させやすい好適構成となる。
【0030】
手段13.前記接続部は、撓むように変形可能に構成されており、当該接続部が撓むことにより当該接続部に接続される前記圧電素子が変形して前記駆動電流が生じることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
【0031】
このようにすれば、接続部が変形しやすく、かつ接続部の変形に伴って圧電素子を変形させやすい構成となる。手段13に記載のものにおいて、より具体的には、例えば接続部を板状に構成し、当該接続部が、当該接続部の板面方向と直交する方向に撓むように構成できる。
【0032】
手段14.前記接続部は、一端側が自由端とされてこの自由端付近に遊技球が衝突可能とされており、当該接続部の自由端から所定距離離れた位置に前記圧電素子が接合されていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
【0033】
このようにすれば、遊技球の衝突によってより圧電素子を大きく変形させることのでき
る構成となる。手段14に記載の遊技機において、より具体的には、例えば接続部を板状に、かつ長手状に構成し、長手方向の一端側を当該接続部の自由端として構成し、その長手状に構成される接続部の少なくとも中央付近又は少なくとも他端側に圧電素子を配置するように構成できる。
【0034】
手段15.前記圧電素子から、当該圧電素子の板面方向所定距離離れた位置において前記接続部が前記遊技球の衝突を受けるように構成されていることを特徴とする手段11ないし手段14のいずれかに記載の遊技機。
【0035】
このようにすれば圧電素子を効果的に保護しつつ変形させることができる好適構成となる。
【0036】
手段16.前記遊技盤の前面よりもさらに前方に前記接続部の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする手段11ないし手段15のいずれかに記載の遊技機。
【0037】
このようにすれば、接続部に遊技球の衝撃を加えやすい構成となる。即ち、手段16の構成では、遊技盤の前面よりも前方側に構成される遊技球の流路に接続部の一部が配置されることとなり、流下する遊技球が接続部の一部に衝突しやすくなる。なお、遊技盤の前面よりも前方に接続部の一部のみを配置してもよく、接続部の全部を配置してもよい。
【0038】
手段17.前記接続部は、前記遊技盤の前面に沿った方向に撓むように構成されていることを特徴とする手段11ないし手段16のいずれかに記載の遊技機。
【0039】
このようにすれば、遊技球の流下による力によって接続部が変形しやすい構成となる。手段17の構成において、より具体的には、前記接続部を長手状に構成し、前記接続部の板面方向と前記遊技盤の前面がほぼ直交し、前記前面の面方向に沿った長手方向となるように(即ち、遊技盤の前面と接続部の長手方向とがほぼ平行方向となるように)、前記接続部を配置できる。このようにすれば、遊技盤の前面に沿った方向により撓みが生じやすくなる。
【0040】
手段18.前記遊技盤の前面より後方に前記接続部の少なくとも一部が配置されていることを特徴とする手段11ないし手段17のいずれかに記載の遊技機。
【0041】
このようにすれば、遊技盤前面上のスペースを効果的に確保できる構成となる。なお、遊技盤の前面よりも後方に接続部の一部のみを配置してもよく、接続部の全部を配置してもよい。
【0042】
手段19.前記圧電素子と前記駆動部とを備えてなる圧電素子ユニットにおいて、少なくとも前記駆動部は、デザインが施された樹脂カバー部の内部に収容されており、当該樹脂カバー部から前記衝突部が、遊技球の流路に露出した構成をなしていることを特徴とする手段2ないし手段18のいずれかに記載の遊技機。
【0043】
このようにすれば、デザインが施された樹脂カバー部内に駆動部(例えば発光素子)を配置できる構成となり、他方、衝突部は遊技球の衝突を受けやすく、駆動部は遊技球から効果的に保護できる構成となる。
【0044】
手段20.前記圧電素子と前記駆動部とを備えてなる圧電素子ユニットの全体が前記遊技盤の前面よりも前方に配置されることを特徴とする手段1ないし手段19のいずれかに記載の遊技機。
【0045】
このようにすれば、遊技盤にルータ加工等の特殊な加工を施さずとも駆動部を備えてなる圧電素子ユニットを遊技盤前方位置に配置できることとなる。
【0046】
手段21.前記圧電素子と前記駆動部とを備えてなる圧電素子ユニットの少なくとも一部が、遊技盤に形成された加工孔に挿入された状態で配置されていることを特徴とする手段1ないし手段19のいずれかに記載の遊技機。
【0047】
このようにすれば、奥行き方向のスペースを利用して圧電素子ユニットを効率的に配置することができる。
【0048】
手段22.前記駆動部は、制御手段を備えてなる制御基板に直接的又は間接的に接続されておらず、前記圧電素子のみが電源とされ、他の電源は用いられないことを特徴とする手段1ないし手段21のいずれかに記載の遊技機。
【0049】
このようにすれば、制御手段(CPU)を備えてなる制御基板或いは当該制御手段に接続される別基板の端子や電源を用いずとも駆動が可能となり、制御基板やこの制御基板に接続される別基板に影響を与えない極めて有効な構成となる。
【0050】
手段23.前記駆動部は、前記駆動電流によって発光する発光素子からなることを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
【0051】
手段23の構成によれば、複雑な構成を用いずとも発光素子を発光できることとなり、効率的に装飾性を高め得る構成となる。また、発光素子は大電流を用いずとも駆動が可能となるため、駆動部として好適な構成となる。具体的には、例えばLEDによって発光素子を構成できる。
【0052】
手段24.前記発光素子の一対の端子が前記圧電素子又は前記圧電素子に接合された導体に接合されていることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
【0053】
このように圧電素子又は圧電素子に接合された導体に直接発光素子の端子を接続すれば、圧電素子と発光素子との間の配線が省略され、極めてコンパクトな構成となる。具体的には圧電素子の板面に直接発光素子の端子を接合してもよく、圧電素子の板面に導体を接合し、この導体に発光素子の端子を接合してもよい。
【0054】
手段25.前記圧電素子は所定のベース部材に接合されており、このベース部材に前記発光素子が実装されていることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
【0055】
このようにすれば、ハーネスを省略することができ、部品点数の削減、装置のコンパクト化を図ることができる。具体的には、ベース部材を板状部材によって構成し、この板状部材に圧電素子と発光素子の各々を接合するように構成できる。この場合、ベース部材(板状部材)においてスルーホール、ビアホール、ワイヤボンディング、或いは所定パターン等の配線部を設け、圧電素子と発光素子を電気的に接続することができる。
【0056】
手段26.前記圧電素子は、当該圧電素子の変形状態に応じて生じる前記駆動電流の向きが変化するようになっており、
前記駆動部は、前記駆動電流が一方の向きの場合に駆動する第1駆動部と、他方の向きの場合に駆動する駆動する第2駆動部とを備えてなることを特徴とする手段1ないし手段25のいずれかに記載の遊技機。
【0057】
このようにすれば、双方の電流の向きに対応して各々駆動部が配置されることとなり、
2つの駆動態様を生じさせることができる構成となる。具体的には、撓み方向に応じて駆動電流が変更されるように構成でき、自然状態から第1方向に撓んだ場合に一方の向きに駆動電流が生じ、第1方向とは反対の第2方向に撓んだ場合に他方の向きに駆動電流が生じるように構成できる。
【0058】
手段27.前記圧電素子は、当該圧電素子の変形状態に応じて生じる前記駆動電流の向きが変化するようになっており、
前記発光素子は、前記駆動電流が一方の向きの場合に発光する第1発光素子と、他方の向きの場合に発光する第2発光素子とを備えてなることを特徴とする手段23ないし手段25のいずれかに記載の遊技機。
【0059】
このようにすれば、双方の電流の向きに対応して各々発光素子が配置されることとなり、2つの発光態様を生じさせることができる構成となる。この場合でも、撓み方向に応じて駆動電流が変更されるように構成でき、自然状態から第1方向に撓んだ場合に一方の向きに駆動電流が生じ、第1方向とは反対の第2方向に撓んだ場合に他方の向きに駆動電流が生じるように構成できる。
【0060】
手段28.前記圧電素子と前記駆動部との間にハーネス部が介在するように接続されていることを特徴とする手段1ないし手段27のいずれかに記載の遊技機。
【0061】
このようにすれば、圧電素子からある程度離れた場所で駆動部を駆動させたい場合に都合のよい構成となる。具体的には、可撓性を有するハーネス部を配置することができる。
【0062】
手段29.前記圧電素子はバイモルフ構造をなすことを特徴とする手段1ないし手段28のいずれかに記載の遊技機。
【0063】
このようにすれば、小型化を実現しつつ駆動電流を確保できる構成となる。
【0064】
手段30.遊技球の戻りを防止する戻り球防止部材を有し、前記戻り球防止部材が前記衝突部として構成されることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0065】
このようにすれば、遊技球によって大きなエネルギーを得ることができ、かつ衝突回数が大きい構成となる。
【0066】
手段31.遊技球の流路の境界付近に配置されると共に、遊技球の衝突を受ける衝突受け部材を有し、前記衝突受け部材が前記衝突部として構成されることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0067】
このようにすれば、遊技球の衝突を緩衝しつつ、受けたエネルギーを効果的に装飾に用いることができる構成となる。
【0068】
手段32.遊技球が進入可能に構成された入賞口を有し、前記衝突部が前記入賞口に配置されることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0069】
このようにすれば、入賞口に進入する遊技球のエネルギーを効果的に装飾に用いることができ、斬新な入賞口構成となる。具体的には、例えば、入賞口に進入した遊技球のみが前記衝突部に衝突するように構成できる。
【0070】
手段33.前記衝突部が前記入賞口開閉部材に配置されることを特徴とする手段1ない
し手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0071】
このようにすれば入賞口開閉部材が斬新な構成となる。具体的には、例えば、入賞口に進入する遊技球のみが前記衝突部に衝突するように構成できる。一例としては、入賞口開閉部材が開放した場合にのみ前記衝突部に遊技球が衝突可能となるように構成できる。
【0072】
手段34.遊技盤において表示装置が設けられ、前記表示装置の上部に前記圧電素子が配置されることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0073】
このようにすれば、表示装置の上部スペースを利用して効率的な装飾が可能となる。
【0074】
手段35.前記装飾部品内部において遊技球が通過可能に構成されたワープルートが設けられ、前記衝突部はワープルートの内部に配置されており、前記ワープルートを流下する遊技球の衝突によって前記駆動電流が生じるように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0075】
このようにすれば、ワープルートが斬新な構成となる。
【0076】
手段36.前記遊技盤において釘部品が設けられており、当該釘部品に前記圧電素子が接続されていることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0077】
このようにすれば、釘部品が受ける衝撃を効果的に装飾に利用できる構成となる。
【0078】
手段37.前記遊技盤において遊技機用の風車部品が設けられており、当該風車部品の回転に応じて前記圧電素子が変形するように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段29のいずれかに記載の遊技機。
【0079】
このようにすれば、風車部品が受けるエネルギーを効果的に装飾に用いることができ、かつ斬新な風車部品を実現できる。
【発明の効果】
【0080】
請求項1の構成によれば、複雑な回路によって駆動部を駆動する構成を用いなくとも圧電素子により遊技球の衝突エネルギーを有効に利用して駆動できる構成となり、効率的に装飾性を高め得る構成となる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する斜視図
【図2】本発明の実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する正面図
【図3】図2の遊技機の遊技盤構成を概念的に示す正面図
【図4】圧電素子ユニットの構成を例示する斜視図
【図5】図4の圧電素子ユニットの回路図
【図6】図4の圧電素子ユニットの正面図及び側面図
【図7】発光素子の配置例を示す図
【図8】本発明の実施形態2に係る遊技機の遊技盤構成を概念的に例示する正面図
【図9】実施形態3の要部を例示する説明図
【図10】実施形態4の要部を例示する説明図
【図11】実施形態5の遊技盤構成を例示する説明図
【図12】実施形態5の要部を例示する説明図
【図13】実施形態6の圧電素子ユニットの構成を例示する斜視図
【図14】図13の圧電素子ユニットの回路図
【図15】図13の圧電素子ユニットに関し、発光素子の配置例を示す図
【図16】実施形態7の圧電素子ユニットの構成を例示する斜視図
【図17】図16の圧電素子ユニットの回路図
【図18】図16の圧電素子ユニットの正面図及び側面図
【図19】本発明の実施形態7に係る遊技機を概念的に例示する正面図
【図20】回路構成の別例を示す図
【図21】実施形態8の圧電素子ユニットの構成を例示する斜視図
【図22】図21の圧電素子ユニットの正面図及び側面図
【発明を実施するための形態】
【0082】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する斜視図、図2は図1の正面概念図、図3はその遊技機の遊技盤構成を概念的に説明する説明図である。
【0083】
本実施形態の一例である遊技機1はパチンコ機として構成されるものであり、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。遊技機1は、図1及び図2に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2にガラス扉枠3(ガラス扉枠3が本発明の透明板保持部に相当する)が取付けられている。ガラス扉枠3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部81により前枠2(本体枠)に開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた金属製の枠(図示略)を備えている。この枠に二枚のガラス(前方ガラス、後方ガラス)が嵌め込まれてガラスユニットが構成されている。なお、枠は樹脂製であってもよい。
【0084】
ガラス扉枠3の後方には、図3のような構成をなす遊技盤7が配置されている。遊技盤7は、図3に示すように略円形の遊技領域(レール22に沿った境界によって囲まれる領域)を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。
【0085】
図1及び図2に示すように、ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
【0086】
図1ないし図3に示すように、表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。また、上下に図柄列が並ぶ構成であってもよい。例えば、上図柄列、中図柄列、下図柄列といったように並ぶ構成であってもよい。なお、図柄構成については後述する。
【0087】
図3に示すように、表示装置5では、図柄列の図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は例えば左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
【0088】
さらに、遊技機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、右図柄列での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列での図柄変動が左右両図柄列での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
【0089】
図3に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14(入賞口開閉部材に相当する)は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
【0090】
図3に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球の第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球のVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球の大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU(CPUが制御手段に相当する))、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。なお、CPUが特許請求の範囲でいう表示制御手段に相当する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、遊技機1の主制御を行うメイン基板(メイン基板が手段22でいう制御基板に相当する)と、当該メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板(サブ基板は、手段22でいう制御基板に接続される別基板に相当する)とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
【0091】
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)である
と高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
【0092】
次に圧電素子ユニットについて説明する。
図1ないし図3に示すように、遊技機1において、装飾部品90には、圧電素子ユニット100が設けられており、この圧電素子ユニット100には、圧電素子101(符号101は両圧電素子121、122を総称する符号とする)と、圧電素子101と電気的に接続された発光素子103(発光素子103が駆動部に相当する)が設けられている。そして、圧電素子101又は当該圧電素子をカバーする図示しないカバー部に対し、遊技球が衝突可能に構成されており、遊技球の衝突に基づいて圧電素子101が変形することにより駆動電流が発生し、当該圧電素子101からの駆動電流によって発光素子103が発光するように構成されている。これにより、複雑な回路によって駆動部を駆動する構成を用いなくとも駆動可能な構成となり、効率的に装飾性を高め得る構成となっている。
【0093】
接続部110は、遊技球の戻りを防止する戻り球防止部材として構成されており、この戻り球防止部材に圧電素子101(各圧電素子121、122)が接続される構成をなしている。したがって、遊技球によって圧電素子101を変形させるための大きなエネルギーを得ることができ、かつ衝突回数が大きい構成となっている。具体的には、各圧電素子121、122の各々の板面と接合し、かつこれらに挟まれるようにして接続される接続部110に対し遊技球からの衝突が伝達されるように構成されており、接続部110の変位又は変形により各圧電素子121、122を変形させる力が生じるように構成されている。したがって、圧電素子には直接遊技球が衝突せず耐久性の高い構成となっている。
【0094】
図4に示すように、本実施形態での接続部110は、板状部品からなり、板状部品の両方の板面に各圧電素子121、122がそれぞれ接合されており、圧電素子101は2枚の圧電素子121、122によってバイモルフ構造をなしている。接続部110は弾性変形可能な可撓性部品を有し、一端側が保持部102、102によって挟圧保持されて固定されており、図4の破線部110a、110bにて示すように接続部110の他端側(自由端側)が撓むことによりそれと連動して両圧電素子121、122が変形して(より具体的には、接続部110の自由端側が撓むことにより積層体106全体が撓んで圧電素子121、122が変形し)起電力が発生して駆動電流が生じ、発光素子103へ流れるようになっている。
【0095】
図1ないし図4にて示すように、可撓性部品からなる接続部110は、一端側が自由端とされて当該自由端付近に遊技球が衝突可能とされており、自由端から所定距離離れた位置に圧電素子101(両圧電素子121、122)が接合されている。これにより、遊技球の衝突力を増幅させて圧電素子101(両圧電素子121、122)に伝達することができるようになっている。さらに、圧電素子101(両圧電素子121、122)から、両圧電素子121、122の板面方向所定距離離れた位置において接続部110が遊技球の衝突を受けるように構成されており、圧電素子を効果的に保護しつつ変形させることができるようになっている。
【0096】
本実施形態では、図1にて示すように、遊技盤7の前面7aより前方に接続部110が配置されており、接続部110に遊技球の衝撃を加えやすい構成となっている。さらに、接続部110は、遊技盤7の前面7aに沿った方向に撓むように構成されており、遊技球の流下による力によって変形しやすい構成となっている。
【0097】
図1ないし図3に示すように、圧電素子101と発光素子103とを備えてなる圧電素子ユニット100において、少なくとも発光素子103(駆動部)は、デザインが施され
た樹脂カバー部92の内部に収容されており、当該樹脂カバー部92から接続部110(ここでは接続部110が手段11でいう衝突部に相当する)が、遊技球の流路に露出した構成をなしている。これにより、デザインが施された樹脂カバー部92を効果的に発光させることのできる構成となり、他方、接続部110は遊技球の衝突を受けやすく、発光素子103は遊技球から効果的に保護される構成となっている。また、本実施形態では、圧電素子ユニット100全体が遊技盤7の前面7aよりも前方に配置されており、遊技盤7にルータ加工を施さずとも発光可能な構成となっている。なお、樹脂カバー部92は、発光素子103の全体をカバーしており、発光素子103の前方には透光性を有する部分が設けられて発光素子103からの光を前方に照射可能に構成さている。
【0098】
本実施形態では、図4及び図5に示すように、発光素子103は制御装置21のメイン基板に直接的又は間接的に接続されておらず、圧電素子101のみが電源とされ、他の電源は用いられない構成をなしている。これにより、制御基板(即ちメイン基板)或いは制御基板に接続される別基板(即ちサブ基板)の端子を用いずとも装飾部品90の発光が可能となり、仮に駆動部の数を増大させてもメイン基板やサブ基板に影響を与えない構成となっている。
【0099】
さらに本実施形態では、駆動部が駆動電流によって発光する発光素子によって構成されているため、大電流を用いずとも駆動が可能となっており、あまり衝突力が大きくなくても駆動がなされることとなる。また、図4は圧電素子ユニット100の斜視図を概念的に示し、図6は正面図及び側面図を概念的に示しているが、圧電素子101(両圧電素子121、122)は所定のベース部材(即ち接続部110)の板面にそれぞれ接合されており、このベース部材(接続部110)に発光素子103が実装されている。これによりハーネスを省略することができ、部品点数の削減、装置のコンパクト化が図られている。なお、圧電素子121、122と、ベース部材(接続部110)と、発光素子103を電気的に接続するように、図5に示すような回路が構成されている。具体的には、圧電素子121における外側の板面121a側に接続される配線と、圧電素子122の外側の板面122a側に接続される配線とが共に端子T2に接続される構成をなしている(図6(b)においてT2への接続経路は破線部にて概念的に示している)。一方、圧電素子121の内側の板面121b側に接続される配線と、圧電素子122の内側の板面122b側に接続される配線とが共に端子T1に接続されており、図6(b)には、T1への接続経路C1を実線にて概念的に示している。なお、板状部材における配線(即ち、図6(b)における経路C1、C2)はパターニング、ワイヤボンディング、スルーホール、ビアホールなどを用いて様々に構成できる。なお、本実施形態では、接続部110は非導電性の材質によって構成されている。また、図4ないし図6では図示していないが、圧電素子121、122の各々の板面121a、121b、122a、122bにおいて部分的に、或いは板面全体を覆うように電極層を接合させ、この電極層と端子T1、T2とを経路C1,C2によって接続するようにしてもよい。なお、本実施形態において、圧電素子121、122は互いに同様の性質のものが設けられており、積層体106が前面7a(図1)に沿って撓んだ場合に(即ち図4のように撓んだ場合)、板面121aと板面122aとが同極となり、板面121bと板面122bとが同極となるように構成されている。
【0100】
また、図7のような回路構成を採ることもできる。
図7は、図5において端子T1,T2に接続される発光素子103(LED)の代用構成を例示しており、端子T1、T2に発光素子103aの群と、発光素子103bの群とを並列に接続している。本実施形態の圧電素子101は振動によって生じる電流の向きが変化するようになっており.駆動部は、一方の向きにおいて駆動する第1駆動部と、他方の向きにおいて駆動する第2駆動部とを備えた構成とすることができる。具体的には、発光素子103として、一方の向きにおいて発光する第1発光素子103aと、他方の向きにおいて発光する第2発光素子103bとを備えており、双方の電流の向きに対応して各
々の発光素子が駆動し2つの発光態様を生じさせることができる構成となっている。なお、第1発光素子103aを例えば赤色LEDによって構成し、第2発光素子を緑色LEDによって構成すれば、赤色と緑色が交互に点灯することとなる。また第1及び第2発光素子を双方同色によって構成してもよい。
【0101】
<実施形態2>
次に、図8を参照して実施形態2について説明する。
図8は、実施形態2に係る遊技盤構成を例示しており、実施形態2では、実施形態1とは異なる遊技部品に圧電素子ユニット100を配置した例を示している。本実施形態では、遊技球の流路の境界付近(より具体的にはレール22の近傍位置)に配置され、かつ遊技球の衝突を受けるように構成される衝突受け部材120を有し、衝突受け部材120の一部が、圧電素子101に接続される接続部110によって構成されている。このようにすれば、遊技球の衝突を緩衝しつつ、受けたエネルギーを効果的に装飾に用いることができる構成となる。
【0102】
<実施形態3>
次に、図9を参照して実施形態3について説明する。
上述したように、遊技機1には、遊技球が進入可能に構成された入賞口4(スタートチャッカ)が設けられているが、本実施形態ではこの入賞口4に圧電素子ユニット100を配置した例を示している。ここでは、圧電素子101に接続される接続部が入賞口4の内部に配置されており入賞口に進入する遊技球のエネルギーを効果的に装飾に用いるように構成されている。遊技盤7の前面7aより後方に接続部110の一部が配置されており、かつ接続部110が遊技盤7の前面位置よりも前方に突出した構成をなしている。また、圧電素子ユニット100の少なくとも一部が、遊技盤7に形成された加工孔7bに挿入された状態で配置されており、奥行き方向のスペースを利用して圧電素子ユニット100を効率的に配置できるようになっている。本構成では、開口部4bから進入する遊技球Bの衝突によって接続部110が撓み、それに伴って発光する光が、透明部4cを介して前方に照射されることとなる。
【0103】
<実施形態4>
次に図10を参照して実施形態4について説明する。
実施形態4では、図10(a)のように入賞口開閉部材に圧電素子ユニット配置された例を示している。より具体的には、遊技球の径の2倍以上の開口幅を構成する大入賞口6が設けられており、この大入賞口6を開閉する入賞口開閉部材6aに圧電素子ユニット100が設けられている。
【0104】
本実施形態では、図10(b)のように、カバー部109(接続部に相当する)が圧電素子101に積層されており、当該圧電素子101の板面直交方向の所定位置においてカバー部109に遊技球が衝突するように構成されている。カバー部109が変形(例えば弾性変形)することにより圧電素子101にも変形が生じ、駆動電流が発生して当該圧電素子101に接続される発光素子が発光することとなる。発光素子103からの光は、透明部6cを介して前方に照射されることとなる。なお、ここに示す配置例はあくまで一例である。
【0105】
<実施形態5>
次に、図11及び図12を参照して実施形態5について説明する。
実施形態5では、圧電素子ユニット100が遊技機用役物60に適用された構成を例示している。図11には遊技盤構成、図12には要部の拡大図を示している。本構成では、図12に示すように、入口付近において保持部65に保持された状態で接続部110が配置されており、開閉部材69の開閉(例えば、図示しない入賞口に遊技球が入賞すること
に基づく開閉)に伴って遊技球が進入した場合に接続部110に衝突するようになっている。当該接続部110が衝突によって撓むと、圧電素子101が変形し、その変形によって生じる駆動電流によりキャラクターの一部(ここでは手の部分)に配置された発光素子103が発光するようになっている。
【0106】
<実施形態6>
実施形態6について図13ないし図15を参照して説明する。
図13は実施形態6に係る圧電素子ユニット100の構成を例示する斜視図、図14は回路構成図、図15は発光素子の接続例を示している。実施形態6の圧電素子ユニット100は、接続部110に複数の端子が設けられており、複数の発光素子107が実装されるようになっている。本実施形態では、発光素子107aと107bが並列接続されており、一方の電流方向で発光素子107aが発光し、他方の電流方向で発光素子107bが発光するように構成されている。ここでは、圧電素子101の振動によって電流方向が交互に変更するようになっており、発光素子107Aと107bが交互に通電されるように構成されている。
【0107】
<実施形態7>
次に図16ないし図20を参照して実施形態7について説明する。
なお、図16は、実施形態7に係る圧電素子ユニット200が保持部材204に保持された状態を概念的に例示する斜視図、図17は、その回路構成を例示する図、図18は、図17の正面図及び側面図である。図19は、本実施形態に係る圧電素子ユニット200を実施形態1と同様の戻り球防止部材に適用した構成を例示している。実施形態7では、圧電素子201(符号201は両圧電素子221、222を総称する符号とする)の一部が遊技球が衝突を受ける衝突部として構成されている例について説明する。本実施形態の両圧電素子221、222は、ともに板状に形成され、かつ双方が撓み変形可能に構成されており、圧電素子がより変形しやすくなり、起電力が生じやすい構成をなしている。ここでは、2枚の圧電素子221、222が接続板205を介して積層された構成をなし、その積層体202の少なくとも一部が変形可能に構成されている。積層体202は、2枚の圧電素子221,222を有するバイモルフ構造をなしており、これら圧電素子221,222の間に導体からなる又は導電性を有する接続板205が配置された構成をなしている。
【0108】
さらに、積層体202は、図16に示すように、一端側が自由端とされ、他端側が保持部材204、204によって挟圧保持されて固定されており、当該自由端付近に遊技球が衝突可能とされている。ここでは、実施形態1と同様に(図1と同様に)、遊技盤7の前面よりさらに前方に積層体202全体が配置されており、図19のように、当該積層体202において前面よりも前方に配置される部分に遊技球(図19では発射レーンから飛び出してくる遊技球)が衝突するように構成されている。
【0109】
そして、積層体202は、図16、図19に示すように遊技盤7の前面に沿った方向(矢印の方向)に撓むように構成されており、遊技球の流れによる力によって変形しやすい構成をなしている。また、本実施形態においても、図19に示すように、圧電素子201(両圧電素子221、222)と駆動部(発光素子203)とを備えてなる圧電素子ユニット200において、少なくとも駆動部(発光素子203)が、デザインが施された樹脂カバー部292の内部に収容されるように装飾部290が構成されており、樹脂カバー部292から衝突部(即ち圧電素子201の一部)が、遊技球の流路に露出した構成をなしている。なお、樹脂カバー部292は、発光素子203の全体をカバーしており、発光素子203の前方には透光性を有する部分が設けられて発光素子203からの光を前方に照射可能に構成さている。また、本実施形態でも、圧電素子201と駆動部(発光素子203)とを備えてなる圧電素子ユニット200全体が遊技盤7の前面よりも前方に配置され
た構成をなしている。
【0110】
さらに、駆動部たる発光素子203は制御基板(上述のメイン基板)に直接的(即ちメイン基板に)又は間接的に(メイン基板に接続されるサブ基板を介して)接続されておらず、圧電素子221,222のみが電源とされ、他の電源は用いられないようになっている。ここでは、発光素子203の一対の端子が圧電素子221,222にそれぞれに接合されており、圧電素子221、222と発光素子203との間の配線が省略され、極めてコンパクトな構成が実現されている。具体的には、図18(b)に示すように、圧電素子221の一方の板面221bと圧電素子222の一方の板面222bとが導電性を有する接続板205に接続されている。一方、圧電素子221の外側の板面221aが端子T9において発光素子203の一方の端子に接続されており、圧電素子222の外側の板面222aが端子T10において発光素子203の他方の端子に接続されている。本実施形態では、図16のように積層体202が一方側に撓むと、板面221aと板面222bとが同極となり、板面221bと板面222aとが同極となるように圧電素子221、222が構成、配置されている。なお、圧電素子221の板面221aと圧電素子222の板面222aとをそれぞれ部分的に、或いはそれぞれの板面全体を覆うように図示しない電極層を設けてもよい。この場合各々の電極層に発光素子203の各端子を接続するように構成できる。なお、このようにせずに、圧電素子203を所定のベース部材に接合し、このベース部材に発光素子203が実装されるような構成であってもよい。
【0111】
なお、本実施形態では、撓む方向によって生じる電流の向きが変化するように圧電素子201が構成されているため、図20のような回路構成を用いてもよい。ここでは、駆動部として一方の向きにおいて駆動する第1駆動部と、他方の向きにおいて駆動する第2駆動部とを備えており、より具体的には、一方の向きにおいて発光する第1発光素子203aと、他方の向きにおいて発光する第2発光素子203bとを備えた構成をなしている。このようにすれば、双方の電流の向きに対応して各々発光素子が配置されることとなり、例えば2つの発光態様を生じさせることができる構成となる。
【0112】
なお、図16ないし図20の例では、積層体全体が遊技盤の前面より前方に配置された例を示したが、遊技盤の前面より後方に積層体の一部が配置されていてもよい。例えば、図9と同様の構成とし、圧電素子201と駆動部(発光素子203)とを備えてなる圧電素子ユニット200の少なくとも一部が、遊技盤7に形成された加工孔に挿入された状態で配置されていてもよい。このようにすれば、奥行き方向のスペースを利用して圧電素子ユニット200を効率的に配置することができる。
【0113】
なお、本実施形態に係る圧電素子ユニット200の適用例を図19に示したが、これ以外の遊技部品に適用してもよい。例えば図8ないし図12に示すような遊技部品に適用してもよい。
【0114】
<実施形態8>
次に図21及び図22を参照して実施形態8について説明する。
図21は実施形態8に係る圧電素子ユニット200を保持部材204と共に概念的に示す斜視図であり、図22は、図21の平面図及び側面図である。
実施形態8では、図21及び図22に示すように、両圧電素子201(両圧電素子221,222)の各々の板面を覆うようにカバー部206,206が配置されており、当該カバー部206,206の外面に遊技球が衝突するように構成されている。なお、回路構成や発光素子203の実装構成は実施形態7とほぼ同様であるが、実施形態8では実施形態7の構成に加えて圧電素子206の板面を覆うようにカバー部206,206を配置しており、カバー部206と圧電素子201との間において発光素子203と圧電素子201とが(より具体的には、発光素子203の一方の端子と圧電素子221とが接続され、
発光素子203の他方の端子と圧電素子222とが)それぞれ接合されている。なお、本実施形態でも、実施形態7と同様に、遊技球の衝突により積層体202全体が撓み変形するように構成されている。なお、本実施形態に係る圧電素子ユニットも、上記実施形態と同様に、図2あるいは、図8ないし図12に示すような各遊技部品に適用することができる。
【0115】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)接続部を圧電素子に積層し、当該圧電素子の板面直交方向の所定位置において接続部に遊技球が衝突するように構成してもよい。
【0116】
(2)圧電素子の板面に遊技球が衝突するように構成してもよい。このようにすれば、圧電素子の変形を大きくすることができ、効率的に電流を発生させることができることとなる。
【0117】
(3)圧電素子を所定のベース部材に接合し、このベース部材からハーネスを介して駆動部が接続されていてもよい。このようにすれば、圧電素子からある程度離れた場所で発光させたい場合に都合のよい構成となる。
【0118】
(4)図1等に示すように、遊技盤7において表示装置5を設け、この表示装置の上部に圧電素子ユニットを配置してもよい。このようにすれば、表示装置の上部スペースを利用して効率的な装飾が可能となる。
【0119】
(5)装飾部品内部において遊技球が通過可能となるようにワープルートを設け、このワープルートを流下する遊技球の衝突によって駆動電流が生じるように圧電素子ユニットを配置してもよい。このようにすれば、ワープルートが斬新な構成となる。
【0120】
(6)遊技盤に設けられる釘部品の一部又は全部に圧電素子が接続されていてもよい。このようにすれば、釘部品が受ける衝撃を効果的に装飾に利用できる構成となる。
【0121】
(7)遊技機用の風車部品を設け、当該風車部品の回転に応じて圧電素子が変形するように構成されていてもよい。このようにすれば、風車部品が受けるエネルギーを効果的に装飾に用いることができ、かつ斬新な風車部品を実現できる。
【符号の説明】
【0122】
1…遊技機
7…遊技盤
7a…前面
90,290…装飾部品
92,292…樹脂カバー部
100,200…圧電素子ユニット
101,201…圧電素子
103,203…発光素子(駆動部)
110…接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下可能に構成された遊技機であって、
圧電素子と、
前記圧電素子と電気的に接続された駆動部を有する装飾部品とを備え、
前記圧電素子又は前記圧電素子に接続される部品に対し、前記遊技球の衝突が伝達可能に構成されており、
前記遊技球の衝突に基づいて前記圧電素子が変形することにより駆動電流が発生し、当該圧電素子からの前記駆動電流によって前記駆動部が駆動することを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−48994(P2013−48994A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−273971(P2012−273971)
【出願日】平成24年12月14日(2012.12.14)
【分割の表示】特願2010−148771(P2010−148771)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(000144522)株式会社三洋物産 (4,662)
【Fターム(参考)】