説明

遊技機

【課題】入賞が発生しても遊技媒体を直接払い出すことなくデータの演算によって遊技者の遊技結果を特定できながらも、旧来の遊技機と比べたときに極力遊技者に混乱を与えることがない遊技機を提供する。
【解決手段】メダルがメダル点として付与されることでメダルの払出がない得点式スロットマシンにおいてビッグボーナスが終了すると、自動的に全クレジットがメダル点に変換され、さらに全メダル点が持点に変換されるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、得点を用いて遊技が行なわれる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の遊技機としては、遊技に使用可能なメダル数を持点表示手段に表示し、さらに貸出指示手段によって貸出したメダル数と配当メダル数とを集計して持点表示手段に表示することによって、メダルなどの遊技媒体を不要とした得点付与式の遊技機が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−183491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の遊技機の中には、たとえば、ビッグボーナスの終了などの所定の条件が成立すると自動的にそれまでに獲得していたクレジットをメダルなどとして払出して精算を要求する機能を備えるスロットマシンがある。ところが、このような自動精算機能を備える遊技機は、従来の得点付与式の遊技機には存在しなかった。このため、遊技媒体を払い出すタイプの遊技機に慣れ親しんだ遊技者が得点付与式の遊技機で遊技をした場合、慣れ親しんでいる遊技機であれば自動精算が機能するタイミングであるにもかかわらずこれが機能しない場面に出くわしたときに、違和感を感じ、場合によっては混乱するおそれがある。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、入賞が発生しても遊技媒体を直接払い出すことなくデータの演算によって遊技者の遊技結果を特定できながらも、旧来の遊技機と比べたときに極力遊技者に混乱を与えることがない遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、得点(メダル点、クレジット)を用いて遊技が行なわれる遊技機(S台2S)であって、
前記得点を特定可能な情報を記憶する得点記憶手段(図5のメダル点数カウンタ、クレジット数カウンタ)と、
前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果(ビッグボーナスの終了)となったか否かを判定する遊技結果判定手段(図16のS61)と、
前記遊技結果判定手段により前記特定遊技結果になったと判定されたときに、前記得点記憶手段の記憶情報により特定される得点を前記得点記憶手段と別の記憶手段で記憶されるデータ(図5のCU3で記憶する持点)に変換するための変換処理を行なう変換処理手段(図16の自動精算処理)とを含む。
【0007】
上記の構成によれば、前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果になると遊技に用いられる得点が別のデータに変換されるため、特定遊技結果になれば遊技に用いられるクレジットなどが自動的にメダルなどの遊技媒体として排出されて精算段階に移行するような現状の遊技機と同様の動作を得点付与式の遊技機において再現することができる。その結果、旧来の遊技機に慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技媒体を用いることがない得点付与式の新たな遊技機による遊技を提供できる。
【0008】
(2) 前記(1)の遊技機は、前記得点を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技者所有の遊技用価値(残高、持点、貯メダル)を用いて遊技機による遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続されており、
前記遊技用装置からの要求に応じて、前記得点を加点する得点加点手段(図21、図22;状態情報要求(メダル点加算要求=ON)に応じて、S台はメダル点を加算)と、
前記得点を所定のクレジットに変換する得点変換手段(図14のメダル点使用処理)と、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定する賭数設定手段(図23のMAXBETスイッチ6の操作時、図24の1枚BETスイッチ5の操作時参照)とを含み、
前記変換処理手段は、前記遊技用装置において前記得点を精算用の持点に変換するための処理を行なう(図13のメダル点精算処理)。
【0009】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になると遊技に用いられる得点が精算用の持点に変換されるため、自動的に精算段階に移行したことを遊技者が理解しやすくなる。
【0010】
(3) 前記(2)の遊技機において、
遊技者所有の遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体(プリペイドカード、会員カード、ビジタカード、携帯端末)の受付(挿入、タッチ、翳し)要求があったことを示す受付要求情報(図20のカード挿入通知)、および前記遊技用装置において前記記録媒体が非受付状態になったことを示す非受付情報(図28のカード挿入状態=OFFを含む状態情報要求)を前記遊技用装置から受信する記録媒体情報受信手段と、
前記記録媒体情報受信手段が前記受付要求情報を受信したことを条件に遊技を許可し、前記記録媒体情報受信手段が前記非受付情報を受信したことを条件に遊技を禁止する遊技許否手段(図20および図28参照)とを含み、
前記変換処理手段は、前記遊技用装置において前記得点を精算用の持点に変換して当該持点を特定可能な情報が記録された前記記録媒体を前記非受付状態にすることを要求する情報を前記遊技用装置に送信する処理を行なう(図29の自動精算有=ON、打止有=ONを含む状態情報の送信)。
【0011】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になると、持点を特定可能な情報が記録された記録媒体が遊技用装置において非受付状態となることによって、遊技が禁止されるため、遊技を終える精算段階に移行したことを遊技者に理解させやすくなる。
【0012】
(4) 前記(3)に記載の遊技機であって、
前記遊技許否手段は、前記記録媒体情報受信手段が前記受付要求情報を受信したときでも、前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果となって前記記録媒体情報受信手段が前記非受付情報を受信したことを条件に遊技を禁止していたときには、遊技を許可しない(図29のシーケンス図の最後で、S台2Sは、遊技禁止をCU3に通知。)。
【0013】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になって持点を特定可能な情報が記録された記録媒体が遊技用装置において非受付状態となり、遊技が禁止されると、その後、その記録媒体の受付要求が送信されてきても遊技が許可されないため、変換処理後、再度、遊技者が遊技を行なうことを止めさせることができる。
【0014】
(5) 前記(2)に記載の遊技機であって、
前記変換処理手段により前記変換処理が行なわれたときに、遊技が不可能な遊技禁止状態に制御する遊技禁止手段(図29でS台2Sは、「遊技禁止状態」に制御)と、
前記遊技禁止状態を解除するための解除操作手段(図3の設定スイッチ56)と、
前記解除操作手段の操作が検出されたときに前記遊技禁止状態を解除する解除手段(図3の主制御部161)とを含む。
【0015】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になって変換処理が行なわれると、解除操作がなされるまで遊技が禁止されるため、再度、遊技者が遊技を行なうことを止めさせることができる。
【0016】
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記変換処理を行なうための変換操作手段(図3のメダル点精算スイッチ11、クレジット精算スイッチ12)を含み、
前記変換処理手段は、前記変換操作手段の操作に基づいて前記変換処理を行なう(図26、図27)。
【0017】
上記の構成によれば、特定遊技結果となったときばかりでなく、遊技者自らの意思によって変換処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】カードユニットおよびスロットマシンを示す正面図である。
【図2】リールに配列された図柄を示す図である。
【図3】カードユニットとスロットマシンとの構成を示すブロック図である。
【図4】第2表示器に機種関連情報を表示するための制御の概要を説明するための図である。
【図5】カードユニット側とスロットマシン側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。
【図6】加算用擬似メダルユニットの構成を示す図である。
【図7】持点やメダル点、クレジットのデータが変動する遊技状況と、擬似メダルユニットの動作の有無との関係を説明するための図である。
【図8】メダル点を加算するメダル点加算条件が成立する場合について説明するための図である。
【図9】メダル点を減算するメダル点減算条件が成立する場合について説明するための図である。
【図10】疑似メダル初期位置処理を示すフローチャートである。
【図11】払出制御部が実行するメダル点加算処理を示すフローチャートである。
【図12】メダル点加算処理中に実行される分岐加算処理を示すフローチャートである。
【図13】メダル点精算処理を示すフローチャートである。
【図14】メダル点使用処理を示すフローチャートである。
【図15】メダル点使用処理中において実行される連続処理を示すフローチャートである。
【図16】自動精算処理を示すフローチャートである。
【図17】入賞が発生したときの加算用擬似メダルユニットの動作とメダル点の表示の更新タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。
【図18】カードユニットとスロットマシンとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスを示すシーケンス図である。
【図19】電源投入時にCUとS台との間で行なわれる接続シーケンスを示す図である。
【図20】カードが挿入されたときにCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図21】プリペイド残高に基づいてメダル点を貸出すときにCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図22】持点払出、貯メダル払出(貯メダル再プレイ)をしてメダル点を加算する場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図23】MAXBET操作、および賭数設定のキャンセル操作が行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図24】1枚BET操作とメダル点使用スイッチの短押しによるBET操作とのそれぞれが行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図25】メダル点使用スイッチの長押しによるBET操作が行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図26】クレジット精算が行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図27】メダル点精算が行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図28】カード返却の操作が行なわれた場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図29】自動精算条件が成立した場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【図30】持点共有が行なわれる場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<スロットマシンの構成>
図1は、遊技用装置の一例となるカードユニット3および遊技機の一例となるスロットマシン2Sを示す正面図である。
【0020】
図1を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称することがある)2Sが併設されており、そのスロットマシン2Sの所定側の側方位置に該スロットマシン2Sに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
【0021】
スロットマシン2Sの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓10から見えるように配置されている。
【0022】
図2は、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓10において各々上中下三段に表示される。
【0023】
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転する。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓10に連続的に変化しつつ表示される。また、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓10に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
【0024】
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図3参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示せず)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
【0025】
透視窓10よりも下方の所定位置からは奥から手前側へと緩やかに傾斜する傾斜面14が形成され、そこからさらに手前側に張り出すように操作部9が形成されている。操作部9の上面には1BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、クレジット精算スイッチ12が設けられ、操作部9の手前側側面にはスタートレバー7、ストップスイッチ8L,8C,8R、およびメダル点精算スイッチ11が設けられている。
【0026】
傾斜面14には第1表示器54が取り付けられている。この第1表示器54の表示面は正面から見て奥行き方向に傾斜しており、その奥行き方向を有効活用して、画面サイズが大きい第1表示器54を取付けられるように工夫されている。また、画面が傾斜しているため、遊技者がその画面を見易くなるという効果も奏される。第1表示器54はタッチパネル式の液晶表示装置である。第1表示器54の表示画面には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネル(図示省略)が設けられている。第1表示器54には、ゲームにおいて設定された賭数、入賞発生時の獲得点数、その他の各種の情報が表示される。
【0027】
操作部9の下方には、第2表示器55が設けられている。第2表示器55も第1表示器54と同様にタッチパネル式の液晶表示装置が採用されている。メダルを用いて遊技が行なわれるメダル払出し方式のスロットマシンの場合には、第2表示器55に対応する箇所にその機種のキャラクタなどのデザインが施された前面パネルが取り付けられている。第2表示器55には、そのような前面パネルに表示されるキャラクタなどの他、その機種の入賞役の説明、ゲーム方法、あるいは攻略情報など、様々な情報が表示される。
【0028】
さらに、第2表示器55の下方には、2つの縦長の透明窓W0、W1が形成されており、一方の透明窓W0の内側には加算用擬似メダルユニット120の一部が目視可能に設けられ、他方の透明窓の内側には減算用擬似メダルユニット121の一部が目視可能に設けられている。
【0029】
加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121内には、8枚のメダルを観覧車のゴンドラ状に配置して回転させるための機構が設けられている。加算用擬似メダルユニット120は、スロットマシン2Sにおける得点(メダル点)の加算に応じて加算数に相当する数のメダルを回転させる。減算用擬似メダルユニット121は、スロットマシン2Sにおける得点(メダル点)の減算に応じて減算数に相当する数のメダルを回転させる。
【0030】
以下、両擬似メダルユニット内のメダルを“擬似メダル”と称する。
メダル払出し方式のスロットマシンの場合には、筐体内部にメダルを払い出すためのホッパーが設けられている。しかしながら、本実施の形態の場合、メダルを払い出さない得点付与式のスロットマシン2Sを採用しているため、ホッパーが不要であり、また、前面側にメダル投入口やメダル払出し口を設ける必要もなく、それゆえ、メダル投入口からホッパー、あるいはホッパーからメダル払出し口へとメダルを案内するための流路構造を設ける必要もない。
【0031】
そこで、本実施の形態では、メダル払出し方式ではなく得点方式を採用することによって不要となったメダル払出関連の構造部分のスペースを有効活用し、前面パネル部分に第2表示器55を設け、また、その下方に擬似メダルユニット120,121を設けている。ただし、第2表示器55および擬似メダルユニット120,121は、図示した位置以外の任意の箇所に設けてもよい。たとえば、第2表示器55または/および擬似メダルユニット120,121を上方のスピーカ52、53の間に設けてもよい。
【0032】
操作部9に設けられた各種の操作手段について説明する。
1枚BETスイッチ5は、メダル1枚分に相当する「クレジット=1」を用いて賭数を設定する際に操作されるスイッチである。MAXBETスイッチ6は、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「クレジット=3」、ボーナスにおいては「クレジット=2」)を設定する際に操作されるスイッチである。
【0033】
スタートスイッチ7は、賭数設定後にリールを回転開始させるためのスイッチである。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、回転中のリールを停止操作するためのスイッチであり、8Lが左、8Cが中、8Rが右のそれぞれのリールに対応する。
【0034】
メダル点使用スイッチ13は、メダル点を使用する際に操作されるスイッチである。クレジット精算スイッチ12は、クレジットを計数してメダル点に変換する際に操作されるスイッチである。メダル点精算スイッチ11は、メダル点を計数して持点に変換する際に操作されるスイッチである。
【0035】
次に、スロットマシン2Sにおけるゲームの流れについて説明する。スロットマシン2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、カードユニット3を利用してメダル点を確保する。この操作は、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて、メダルの貸出を受けることに対応する操作が検出された場合に成立する。つまり、メダル払出し方式のスロットマシンにおいて貸し出されるメダルが、本実施の形態におけるメダル点に対応する。
【0036】
メダル点を用いて賭数を設定するためには、メダル点使用スイッチ13を1回押圧する。すると賭数が1追加され、メダル点が1減算される。賭数が上限に達してからさらにメダル点使用スイッチ13を操作すると、操作の度にメダル点が1減算されてクレジットが1加算される。
【0037】
本実施の形態では、クレジットの上限が定められており、クレジット数50に達してからメダル点使用スイッチ13を押してもクレジット数およびメダル点は変化しない。
【0038】
クレジットが存在する状態で1BETスイッチ5を操作すると賭数が1追加されてクレジットが1減算される。また、クレジットが存在する状態でMAXBETスイッチ6を操作すると、クレジットの範囲で賭数が最大数になるように追加設定され、クレジットがその追加設定分だけ減算される。
【0039】
賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
【0040】
ここで、入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓10に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、L1〜L5に示すラインに限らず、他のラインであってもよい。
【0041】
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
【0042】
全てのリール2L、2C、2Rが停止することで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。
【0043】
入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた点数が遊技者に対して付与される。この点数は、クレジットが上限値に達するまではクレジットに加算される。クレジットが上限値に達して以降は、メダル点に加算される。本実施の形態では、そのような態様で点数の加算動作を行なうため、上限値に達するまでクレジット加算してそれ以降はメダルを払い出すメダル払出し式のスロットマシンの動作に対応する動作を実現できる。
【0044】
クレジットは、クレジット精算スイッチ12を操作することによって、その一部または全部を計数し、メダル点に変換することができる。メダル点に変換することによって、メダル点の一部を他の遊技者に分け与えるようなメダル点共有処理や、メダル点をジュースなどと交換できるワゴンサービスを受けることが可能となる。
【0045】
クレジット精算スイッチ12を長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全クレジットが計数されてメダル点に変換される。一方、クレジット精算スイッチ12を長押し操作検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でクレジット1点のみが計数されてメダル点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
【0046】
メダル点は、メダル点精算スイッチ11を操作することによって、その一部または全部を計数し、持点に変換することができる。持点に変換することによって、遊技終了時にはその持点をカードに記録することが可能となる。
【0047】
メダル点精算スイッチ11を長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全メダル点が計数されて持点に変換される。一方、メダル点精算スイッチ11を長押し操作の検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作でメダル点1点のみが計数されて持点1点に変換される。なお、短押し操作1回で2点あるいはそれ以上の複数点が計数されるようにしてもよい。
【0048】
メダル点の加算に応じて加算用擬似メダルユニット120が擬似メダルを1つ分だけ回転駆動し、メダル点の減算に応じて減算用擬似メダルユニット121が擬似メダルを1つ分だけ回転駆動する。なお、加算用擬似メダルユニット120と減算用擬似メダルユニット121との回転方向は逆方向である。これによって、遊技者に対して、加算と減算との相違を示すことができる。
【0049】
また、クレジットが上限値に達してからメダル点使用スイッチ13を操作しても、その操作は無効となり、クレジットおよびメダル点ともに変化しないが、この時、減算用擬似メダルユニット121を一旦、擬似メダル1つ分だけ回転させてから、加算用擬似メダルユニット120を擬似メダル1つ分だけ回転させるようにしてもよい。つまり、一旦、疑似メダルが1つ投入されるものの、その疑似メダルが返却されるような動作を両疑似メダルユニット120,121で実現するのである。
【0050】
これにより、メダルを投入してクレジットを加算するようなメダル払出し方式のスロットマシンの動作に対応する動作を得点付与式のスロットマシンでも再現できるようになる。すなわち、メダルを投入してクレジットを加算するようなメダル払出し方式のスロットマシンの場合、クレジットが上限に達してから投入したメダルは一旦スロットマシンに取り込まれてメダル払出し口から返却されるが、この動きについて、減算用擬似メダルユニット121を擬似メダル1つ分だけ回転させる動作と、加算用擬似メダルユニット120を擬似メダル1つ分だけ回転させる動作とによって再現するのである。
【0051】
なお、このような方法に代えて、減算用擬似メダルユニット121で擬似メダル1つ分だけ回転させた後、減算用擬似メダルユニット121の回転を疑似メダル1つ分だけ逆転させるようにしてもよい。
【0052】
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施の形態に係るカードユニットの構成を説明する。このカードユニット3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
【0053】
それらのカードを受け付けたカードユニット3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持点、あるいは貯メダル等)を“メダル点”に変換する機能を有する。スロットマシン2Sでは、メダル点およびメダル点から変換されたクレジットを用いてゲームが行なわれる。
【0054】
カードユニット3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
【0055】
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDとも言う)ならびに会員カードIDにより特定される貯メダル数を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320が設けられている。
【0056】
表示器312は、スロットマシン2S側の第1表示器54と同様に、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高とも言う)や、メダル点、クレジット、その他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されている。表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
【0057】
持点ボタン324を操作した場合、挿入されたカードに記録されている持点数の一部が引落とされてメダル点に変換される。
【0058】
再プレイボタン319を操作した場合、ホール用管理コンピュータ等に記録されている貯メダルの一部が引落とされてメダル点に変換される。
【0059】
ここで、「メダル点」とは、賭数設定に使用可能であるとともに、「クレジット」および「持点」に変換可能なデータである。「メダル点」は、プリペイドカードの残高、持点、あるいは貯メダルを引き落とすことと引き換えにして生成される。
【0060】
「持点」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となったメダル点数を計数変換したものである。この「持点」は、遊技者のカードによって特定可能に記憶される。なお、持点数を遊技場に設定された持点数管理用の管理装置で管理してもよい。
【0061】
「貯メダル」とは、遊技場に預入れられた持点である。遊技者が遊技で獲得した持点は、当日中は持点として管理されるが、獲得した翌日以降は「貯メダル」として管理される。すなわち、遊技場において当日遊技者が獲得して計数したメダル点数を「持点」と言い、前日以前に遊技者が獲得して遊技場に預入れられた持点を「貯メダル」と言う。この「貯メダル」は、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
【0062】
以上の「残高」、「貯メダル」、「持点」、「メダル点」、「クレジット」の各データの変換可能方向を矢印で表すと、「『残高、貯メダル、持点』→『メダル点』→『クレジット』→『メダル点』→『持点』→『貯メダル』」となる。このため、たとえば、「残高、貯メダル、持点」と「クレジット」との間での直接変換はできない。
【0063】
本実施形態では、貯メダルデータは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯メダルを検索できるように構成されている。一方、持点は、カードに直接記録している。
【0064】
しかし、両者ともに上位サーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持点は、ビジターカードに直接記録している。しかし、持点を上位サーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
【0065】
なお、持点を、カード(会員カード、ビジターカード)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、メダル点精算スイッチ11が操作されて計数処理が行なわれるタイミングである。しかしながら、これに代えて、カードを返却するときに一括して記憶させるようにしてもよい。
【0066】
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
【0067】
カードユニット3の前面側には、さらに、貸出ボタン321と返却ボタン322とが設けられている。貸出ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引落としてメダル点を得るための操作(メダル点への変換操作)を行なうボタンである。返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持点数(カード挿入時の持点数−持点からメダル点への変換数+精算操作によって計数された数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
【0068】
以上、説明したように、本実施の形態に係るスロットマシン2Sによれば、カードで特定される持点を用いてメダル点が付与され、そのメダル点をクレジットに変換し、さらにはクレジットを用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを投入してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルを用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0069】
<カードユニットとスロットマシンとの構成>
図3は、カードユニット3とスロットマシン2Sとの構成を示すブロック図である。図3を参照して、カードユニット3とスロットマシン2Sとの制御回路の概略を説明する。
【0070】
カードユニット3にはスロットマシン2S側への接続部327が設けられており、スロットマシン2Sにはカードユニット3側への接続部328が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。カードユニット3とスロットマシン2Sとは、接続部327−328間を接続する通信ケーブル329で接続されている。
【0071】
CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、遊技者のカードで特定される遊技用価値(残高、持点、貯メダル)の消費に基づいたメダル点付与、その他の処理に関する各種のコマンドとレスポンスとがやりとりされるとともに、第1表示器54および第2表示器55の情報が送信される。
【0072】
カードユニット3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
【0073】
CU制御部323には、スロットマシン2Sの払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。CU側のセキュリティ基板325とS台側の払出制御基板17とは、接続部327,328および通信ケーブル(接続配線)329を介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、スロットマシン2Sのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bとが設けられている。
【0074】
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
【0075】
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の各種の遊技データを記憶する。CU制御部323からカード残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU側の表示器312および第1表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312および第1表示器54が表示する。その結果、可変表示装置(リール2L,2C,2R)と操作部9との間に設けられた第1表示器54には、カード残高、持点、メダル点、クレジット等のデータが表示される。また、表示器312および第1表示器54の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。
【0076】
遊技者が貸出ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が持点ボタン324を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
【0077】
CU制御部323には、通信制御装置であるT−BOX(ターミナルボックス)400を介して、ホールに設置されたホール用管理コンピュータやホールの外部で各ホールを集中管理する集中ホール管理用コンピュータ500と通信を行なうための通信制御部326が設けられている。
【0078】
T−BOX400と集中ホール管理用コンピュータ500とは、インターネットを介して接続されている。また、T−BOX400は、インターネットを介して後述する機種関連情報を記憶しているサーバー600(図4)とも接続されている。なお、集中ホール管理用コンピュータ500によって、機種関連情報を記憶しているサーバー600を構築してもよい。すなわち、集中ホール管理用コンピュータ500に機種関連情報を記憶するようにしてもよい。
【0079】
CU制御部323は、貸出操作に伴うカード残高の使用額を特定可能なカード残高使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。CU制御部323は、持点使用操作に伴う持点の使用数を特定可能な持点使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。CU制御部323は、貯メダル使用操作に伴う貯メダルの使用数を特定可能な貯メダル使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。
【0080】
スロットマシン2Sには、スロットマシン2Sの遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、メダル点およびクレジットを記憶する払出制御基板17と、第1表示器54と、第2表示器55と、加算用擬似メダルユニット120と、減算用擬似メダルユニット121と、各種操作スイッチ5,6,7,8L,8C,8R,56と、各リール4L,4C,4Rを駆動するためのリールモータ32L,32C,32Rと、各リール4L,4C,4Rの停止位置を特定するためのリールセンサ33L,33C,33Rと、スピーカ52、53とが設けられている。
【0081】
第1表示器54、第2表示器55は、ともにCU側の表示制御部350により表示制御される。なお、これに代えて、S台が第1表示器54、第2表示器55の双方または一方を表示制御するものとしてもよい。
【0082】
主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
【0083】
主制御部161には、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、リールセンサ33L,33C,33R、および設定スイッチ56の検出信号が入力される。
【0084】
さらに、主制御部161には、メダル点使用スイッチ13と、クレジット精算スイッチ12と、メダル点精算スイッチ11とが接続されている。主制御部161には、これらのメダル点使用スイッチ13、クレジット精算スイッチ12、およびメダル点精算スイッチ11の検出信号が入力される。主制御部161は、これらの検出信号を払出制御部171へ送信する。
【0085】
設定スイッチ56は、係員が鍵を用いてスロットマシン2Sの前面扉を開けないと操作できないよう、スロットマシン2Sの内部に設けられている。この設定スイッチ56を操作することによって、ビッグボーナス後の自動精算の有無、ビッグボーナス後の打止の有無を設定できる。
【0086】
ビッグボーナス後の自動精算とは、ビッグボーナスが終了した際に自動的に全クレジットをメダル点に計数変換の上、さらには自動的に全メダル点を持点に計数変換する機能である。打止機能との相違は、自動精算後、再び同じ遊技者が遊技を行なうことが許容されている点である。再度遊技を行ないたい遊技者は、持点を引き落とすなどしてメダル点を入手すればよい。このような自動精算機能をONにすることによって、遊技者に対して遊技の一区切りを示し、その台での遊技を終える契機を遊技者に与えることができる。
【0087】
ビッグボーナス後の打止とは、ビッグボーナスが終了した後に、その台を遊技ができない遊技禁止状態にすることである。本実施の形態では、ビッグボーナス終了後の自動精算が終わり、て遊技者のカードを排出した後、打止状態となる。この打止機能をONにすることによって、ビッグボーナス終了後に遊技者が同じ台で続けて遊技することを禁止できる。
【0088】
打止状態の解除は、設定スイッチ56の操作により行なうことが可能である。係員がスロットマシン2Sの設定スイッチ56の操作により打止の解除操作をすると、その信号が主制御部161に入力される。すると、主制御部161は、打止状態(遊技禁止状態)を解除するとともに、解除を通知する信号を払出制御部171へ送信する。払出制御部171はこれを受けて、カードユニット3へ許可信号を送信する。これによって、カードユニット3は、再度カードを受付可能となる。なお、打止状態の解除操作を行なうための解除操作スイッチを別個にスロットマシン2Sに設けてもよい。
【0089】
主制御部161は、スタートスイッチ7より検出信号が入力されると、リールモータ32L,32C,32Rを回転駆動させるとともに、入賞役の抽選を行なう。
【0090】
入賞役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
【0091】
主制御部161は、入賞役の抽選をし、リールを回転駆動させた後、遊技者によるリールの停止操作を待つ。主制御部161は、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転を停止させる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
【0092】
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
【0093】
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に引込んで停止表示させることができる。このようなリールの制御を引込み制御と称する。
【0094】
このように主制御部161は、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御部161は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた点数をクレジットまたはメダル点として遊技者に付与する。
【0095】
主制御部161は、メダル点の加算時に、スピーカ52、53からメダルの払出音を出力する。さらに、メダル点使用スイッチ13が操作されてメダル点が減算される時にはスピーカ52、53からメダルの投入音を出力する。また、主制御部161は、メダル点精算スイッチ11が操作されてメダル点が計数される際には、スピーカ52、53からメダルの精算音(計数音)を出力する。これらの払出し音、投入音、および精算音は、たとえば、メダル点1点の変動に対して1つの音が出力されるものである。これにより、点数というデータを用いながらも、あたかもメダルの投入・払出し・精算が行なわれているような感覚を遊技者に与えることができる。
【0096】
払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
【0097】
払出制御部171には、加算用擬似メダルユニット120と、減算用擬似メダルユニット121とが接続されている。
【0098】
払出制御部171にはメダル点とクレジットとが記憶されており、さらには、メダル点の精算に伴う持点の加算数も記憶されている。主制御部161から払出制御部171へは1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6、メダル点使用スイッチ13、クレジット精算スイッチ12、メダル点精算スイッチ11などの操作手段の操作を示す情報などが送信される。さらに、主制御部161から払出制御部171へは遊技状態(リール回転開始、リール停止、入賞発生、ビッグボーナス終了など)を示す情報も送信される。
【0099】
払出制御部171は、メダル点の減算に応じて減算用擬似メダルユニット121を駆動するとともに、メダル点の加算に応じて加算用擬似メダルユニット120を駆動する。
【0100】
払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点使用スイッチ13から入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算しクレジット数を加算する、またはメダル点を減算し主制御部161へ賭数設定を指示する情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161を介してクレジット精算スイッチ12から入力される検出信号に基づいて、クレジットを減算し、メダル点を加算する。払出制御部171は、主制御部161を介してメダル点精算スイッチ11から入力される検出信号に基づいて、メダル点を減算し、その分を持点加算数としてCUへ送信する。
【0101】
表示制御部350から第1表示器54へ送信される情報(表示情報)および第1表示器54から表示制御部350へ送信される情報(タッチパネル操作情報)、表示制御部350から第2表示器55へ送信される情報(表示情報)および第2表示器55から表示制御部350へ送信される情報(タッチパネル操作情報)、CU3側の通信制御IC325aとS台2S側の払出制御部171との間で送受信される各種の情報は、CU3の接続部327と、S台2Sの接続部328とを接続する通信ケーブル329を介してやりとりされる。
【0102】
図4は、第2表示器55に機種関連情報を表示するための制御の概要を説明するための図である。第2表示器55には、S台2Sの機種関連情報が表示される。
【0103】
この機種関連情報は、S台の各機種に対応する情報である。CU3は、S台2Sから送信されてくる遊技機チップ情報に基づいてS台の機種を特定する。さらに、CU3は、ネットワークによって接続されているホール外部のサーバー600から機種に応じた各種の機種関連情報を受信し、その機種関連情報をS台2Sの第2表示器55に表示する。
【0104】
以下、図4に基づいて、機種関連情報を表示するためのカードユニット3、スロットマシン2S、およびサーバー600の間での制御について説明する。スロットマシン2Sの主制御部161は主制御チップ情報を記憶し、払出制御部171は払出制御チップ情報を記憶している。主制御チップ情報および払出制御チップ情報を併せて遊技機チップ情報という。主制御チップ情報および払出制御チップ情報の各々は、図4に示されるように、チップIDと遊技台メーカコードと遊技台型式コードとを含んでいる。
【0105】
カードユニット3のセキュリティチップ325bは、電源投入時あるいは任意のタイミングにおいて、通信制御IC325aを介してS台2Sへ遊技機チップ情報を要求する。スロットマシン2Sの払出制御部171はカードユニット3からの要求を受けて主制御部161へ主制御チップ情報を要求する。主制御部161は、これを受けて払出制御部171へ主制御チップ情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161より受信した主制御チップ情報および自ら記憶している払出制御チップ情報をカードユニット3へ送信する。
【0106】
カードユニット3のセキュリティチップ325bは、通信制御IC325aを介して遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信し、その遊技機チップ情報をCU制御部323へ送信する。CU制御部323は、受信した遊技機チップ情報を記憶する。
【0107】
これにより、CU制御部323は、カードユニット3に接続されているスロットマシン2Sの機種等(遊技台メーカー、遊技台型式)を特定可能となる。さらに、CU制御部323は、その機種に応じた機種関連情報の送信をサーバー600に対して要求する。図3に示したように、CUカードユニット3には、T−BOX400を介して集中ホール管理用コンピュータ500と通信するための通信制御部326が設けられており、この通信制御部326は、同じくT−BOX400を介して、サーバー600と接続されている。
【0108】
このサーバー600は、たとえば、各社のスロットマシンの機種関連情報を機種別に管理する管理装置である。本サーバーは、たとえば、スロットマシンのメーカー各社の管理コンピュータと接続されており、各社から機種関連情報を収集して記憶している。あるいは、サーバー600は、スロットマシンのメーカー各社に設置された複数台のサーバーであってもよい。
【0109】
図4に示したように、サーバー600には、機種のキャラクタ画像のデータ、機種紹介用の動画のデータ、入賞図柄の説明用データ、攻略方法など、様々な機種関連情報が記憶されており、メーカー各社からの情報提供によって、その情報の内容が日々更新されている。サーバー600は、カードユニット3からの要求に応じた機種の機種関連情報をカードユニット3へ送信する。
【0110】
CU制御部323は、通信制御部326を介して機種関連情報を受信する。CU制御部323は受信した機種関連情報を表示制御部350へ送信する。表示制御部350は、この機種関連情報の表示制御情報を接続部327を介してS台2Sに送信する。S台2Sは、この表示制御情報を接続部328を介して受信し、その受信情報は第2表示器55に入力される。第2表示器55は、その受信情報に従い、機種関連情報を画面に表示する。このように、第2表示器55は、カードユニット3で表示制御するため、表示制御に関するスロットマシン2S側の処理負担を軽減できる。
【0111】
なお、第2表示器55の表示画面にはタッチパネルが設けられているため、タッチパネルを利用して、機種関連情報に対する遊技者の応答を入力できるようにしてもよい。たとえば、機種に関するアンケートなどの入力受付画面に表示し、入力受付画面への遊技者の入力結果を表示制御部350を介してCU制御部323が収集できるようにする。この場合、CU制御部323は、遊技者の入力結果をサーバー600へ送信するものとし、サーバー600はこれを集計できるようにしてもよい。
【0112】
以上のように構成することで、カードユニット3は、T−BOX400を介した集中ホール管理用コンピュータ500との通信に用いる通信制御部326を利用して、サーバーから機種関連情報を入手できるため、カードユニット3の通信制御部326を有効利用して、スロットマシン2Sに様々な機種関連情報を表示可能となる。
【0113】
また、スロットマシン2Sは、通信により得られる数多くの機種関連情報を表示できるために、特定の機種関連情報が予め描かれた表示パネルを前面に設けた場合よりも多種多様な機種関連情報を遊技者に知らせることができる。しかも、機種関連情報は、カードユニット3に設けられたT−BOX400との通信部、およびスロットマシン2SとCU3との接続部327、328間の既存の接続構成を利用して取得できるため、外部の装置と通信して機種関連情報を得るための専用の通信部をスロットマシン2Sに設ける必要がなく、スロットマシン2Sのコストダウンを図ることができる。
【0114】
さらに、スロットマシン2Sは、カードユニット3に対して払出制御部171および主制御部161に記憶されたチップ情報を送信することによって、機種をカードユニット3に特定させるため、スロットマシン2Sの機種をわざわざホールの係員などがカードユニット3に入力するなどの手間を省くことができる。
【0115】
なお、上記の構成では、機種を特定するためのチップ情報は、払出制御部171および主制御部161の夫々に記憶しているが、一方のみに記憶させてもよい。あるいは、双方に記憶しつつも、機種特定のためにはいずれか一方の情報のみをカードユニット3へ送信するようにしてもよい。
【0116】
<カードユニット側とスロットマシン側との送受信態様>
次に、図5は、カードユニット3側とスロットマシン2S側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図5を参照して、カードユニット3側(CU側)とスロットマシン2S側(S台側)とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
【0117】
本実施の形態においては、メダル点とクレジットとは、スロットマシン2Sとカードユニット3との双方で記憶している。一方、持点や貯メダル、カード残高はスロットマシン2Sでは記憶しておらず、カードユニット3のみで記憶している。ただし、持点や貯メダル、カード残高をスロットマシン2S側でも記憶するものとしてもよい。
【0118】
図5では、カードユニット3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、スロットマシン2S側の払出制御部171に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、スロットマシン2Sとカードユニット3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、スロットマシン2S側の払出制御部171は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをカードユニット3側に送信するとともに、払出制御部171自身が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をカードユニット3側へ送信する。
【0119】
カードユニット3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちカードユニット3側とスロットマシン2S側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがカードユニット3側からスロットマシン2S側へ送信され、スロットマシン2S側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
【0120】
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびカードユニット3側で識別された接続時刻の3つの情報がカードユニット3側とスロットマシン2S側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、スロットマシン2S側からカードユニット3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
【0121】
カードユニット3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じスロットマシン2Sが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にカードユニット3側とスロットマシン2S側との通信が開始された新たな接続時刻データがカードユニット3側からスロットマシン2S側へ送信されてその新たな接続時刻データをスロットマシン2S側において記憶することとなる。
【0122】
また、カードユニット3側とスロットマシン2S側とにおいてデータの送信が行なわれる毎に通番が“1”ずつ加算更新され、その通番がカードユニット3側とスロットマシン2S側とにおいて記憶される。この通番とは、カードユニット3とスロットマシン2Sとの間でのデータの送受信が行なわれる毎に番号が更新されて通信が適正に行なわれているか否かを確認するための通信番号のことであり、最終通番とは、その更新される通信番号の最後に更新された番号のことである。
【0123】
スロットマシン2S側には、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)と、メダル点数カウンタと、クレジット数カウンタと、前回遊技台情報情報とが記憶されている。
【0124】
最新遊技台情報は、クレジット、メダル点数、持点などの遊技データの更新量をカードユニット3へ通知するための情報である。スロットマシン2Sは、これらの最新遊技台情報をカードユニット3へ送信する。カードユニット3は、この最新遊技台情報に基づいて自ら記憶しているクレジット、メダル点数、持点などの遊技データを更新する。
【0125】
前回遊技台情報は、直前(1回前)に送信した最新遊技台情報である。スロットマシン2Sは、最新遊技台情報を送信する毎に、この前回遊技台情報をその送信した最新遊技台情報で上書き更新する。この前回遊技台情報情報は、1回前に送信した最新遊技台情報がカードユニット3に正しく受信されなかった場合などのエラー発生時に備えたバックアップ情報である。
【0126】
最新遊技台情報には、クレジットへの加算数を計数するクレジット加算数カウンタ、クレジットからの減算数を計数するクレジット減算数カウンタ、メダル点への加算数を計数するメダル点加算数カウンタ、メダル点からの減算数を計数するメダル点減算数カウンタ、持点への加算数を計数する持点加算数カウンタの各カウント値が含まれる。
【0127】
スロットマシン2Sは、これらの最新台遊技情報を定期的(たとえば、200ms毎)にカードユニット3へ送信し、送信する毎に前回遊技台情報を送信済みの最新遊技台情報で上書きし、最新台遊技情報を次回の計数のために0クリアすることを繰り返す。その結果、カードユニット3にはメダル点やクレジット、持点などの更新情報が逐次送信されるとともに、1回送信前の更新情報が前回遊技台情報としてバックアップされることになる。
【0128】
メダル点加算数カウンタは、メダル点を加算する条件が成立することにより加算用擬似メダルユニット120が動作して疑似メダルが1つ検出されることによってその値が更新される。また、メダル点減算数カウンタは、メダル点を減算する条件が成立することにより減算用擬似メダルユニット121が動作して疑似メダルが1つ検出されることによってその値が更新される。
【0129】
本実施の形態では200ms毎に最新遊技台情報(メダル点の更新数を含む)が送信されているが、加算用擬似メダルユニット120または減算用擬似メダルユニット121で疑似メダルが検出されないことにはメダル点が更新されないため、1回前にメダル点の更新数をカードユニット3側に送信した後、次の更新数が送信されるタイミングは、200msよりもはるかに遅れたタイミングになり、その間は、更新数=0の情報がスロットマシン2Sからカードユニット3へ送信されることになる。
【0130】
つまり、メダル点の更新数を送ってから次の更新数を送るまでのタイムラグは、加算用擬似メダルユニット120または減算用擬似メダルユニット121の回転スピードに依存する。本実施の形態では、算用擬似メダルユニット120または減算用擬似メダルユニット121の回転スピードを制御することによって、スロットマシン2Sからカードユニット3に対して、メダル点の加算数および減算数が1点単位で送信されるようにしている。
【0131】
メダル点数カウンタは、現時点でのメダル点数を記憶保持するためのカウンタであり、クレジット数カウンタは、現時点でのクレジット数を記憶保持するためのカウンタである。これらのメダル点数カウンタおよびクレジット数カウンタの値は、最新遊技台情報とともにカードユニット3へ送信される。
【0132】
以上、説明したスロットマシン2S側の各種カウンタや情報は、スロットマシン2S側の払出制御部171(図3参照)のRAMに記憶されている。
【0133】
カードユニット3側のCU制御部323(図3参照)には、メダル点数と、クレジット数と、カード持点数(持点数)と、貯メダル数と、残高(カード残高)と、クレジット総加算数(クレジット加算数累計)と、クレジット総減算数(クレジット減算数累計)と、メダル点総加算数(メダル点加算数累計)と、メダル点総減算数(メダル点減算数累計)と、持点総加算数(持点加算数累計)と、持点総減算数(持点減算数累計)と、カード挿入時持点数とが記憶されている。
【0134】
CU制御部323は、それらの記憶情報に基づいて、表示制御部350の表示制御により第1表示器54および表示器312に持点やメダル点、クレジットを表示する。
【0135】
CU制御部323は、スロットマシン2Sから最新遊技台情報情報を受信すると、その情報に応じて、メダル点数、クレジット数、あるいは持点数を更新する。このとき、CU制御部323は、スロットマシン2Sから併せて送信されてくるメダル点数およびクレジット数と、CU側での更新後のメダル点数およびクレジット数とが一致しているか否かの一致判定を行なう。一致していない場合にはエラー処理を実行する。その結果、たとえば、異常報知ランプや第1表示器54によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータなどにエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータによるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
【0136】
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、カードユニット3側で記憶しているメダル点数をスロットマシン2S側から送信されてきたメダル点数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、カードユニット3側で管理しているメダル点数と、スロットマシン2S側で記憶しているメダル点数との平均値に補正してもよい。
【0137】
さらに、CU制御部323は、貸出操作、持点の引き落とし操作、あるいは貯メダル再プレイ操作に応じて、メダル点の加算数をスロットマシン2Sへ送信する。スロットマシン2Sは、これを受けてメダル点カウンタをその加算数で加算更新する。なお、このとき、スロットマシン2S側では加算用擬似メダルユニット120が駆動する。その加算用擬似メダルユニット120の駆動を受けてメダル点カウンタが加算更新されるとともに、最新遊技台情報のメダル点加算数カウンタが加算され、その加算後のメダル点加算カウンタの値がカードユニット3へ送信される。CU制御部323は、これを受けて、メダル点数をようやく更新する。つまり、本実施の形態では、貸出操作などが行なわれた場合、スロットマシン2S側での加算用擬似メダルユニット120の駆動を条件にして、メダル点数が加算更新され、第1表示器54でのメダル点の表示が更新される。
【0138】
本実施の形態では、カードユニット3側にもメダル点数を記憶させているが、そのメダル点数がスロットマシン2S側で記憶しているメダル点数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(カードユニット3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情でスロットマシン2S側で記憶しているメダル点数がカードユニット3側で記憶しているメダル点数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。
【0139】
なお、ここでは、カードユニット3側にその判定機能を設けたが、たとえば、カードユニット3と接続される上位サーバまたはホール用管理コンピュータによって、カードユニット3側で記憶しているメダル点数とスロットマシン2S側で記憶しているメダル点数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
【0140】
図6は、加算用擬似メダルユニット120の構成を示す図である。特に、図6(a)は図6(b)のX−X線断面図であり、図6(b)は図6(a)のY−Y線断面図である。図6には、加算用擬似メダルユニット120が示されているが、減算用擬似メダルユニット121もこれと同じ構成である。そこで、ここでは、加算用擬似メダルユニット120の構成について説明し、減算用擬似メダルユニット121の構成の説明は省略する。
【0141】
図6(a)(b)において、加算用擬似メダルユニット120は、直方体状の中空の筐体122を備える。筐体122の正面には、透明窓W0(図1参照)よりも大きな長方形状の窓122aが開口されている。透明窓W0から筐体122の内部が見えるように、筐体122の正面側の外壁122bがスロットマシン2Sの前面扉の内壁に固着される。
【0142】
筐体122内の中央部には、回転体123が回転可能に設けられている。回転体123は、複数(図では、8個)の擬似メダル124と、複数(この場合、8本)のアーム125と、円筒状の支持部材126とを含む。回転体123は、プラスチックあるいは金属により一体的に形成されている。また、擬似メダル124は、いわゆるパチスロにおいて遊技に用いられる遊技用メダルと略同じ寸法、形状に形成されている。
【0143】
なお、図6に示す擬似メダル124をパチンコ玉のような球体にしてもよい。
複数の擬似メダル124は、支持部材126の回転中心線の周りに等角度間隔で円形に配置されている。各擬似メダル124の中心を垂直に貫通する中心線は、支持部材126の回転中心線と同じ方向に向けられている。各擬似メダル124の端面は、アーム125を介して支持部材126の外周面に固定されている。
【0144】
筐体122の一方側(図では左側)の側面の中央部には、モータ127が固定されている。モータ127としては、たとえば、駆動パルスφPが入力される毎に回転軸127aを微小な所定角度だけ回転駆動させるステッピングモータが使用される。筐体123の他方側(図では右側)の側面の中央部には、軸受128が固定されている。モータ127の回転軸127aは、筐体122と支持部材126の孔を貫通しており、その先端部は軸受128によって回転可能に支持される。
【0145】
駆動パルスφPをモータ127に供給すると、回転軸127aが回転駆動され、回転体123が回転駆動されて複数の擬似メダル124が円環状の通路を循環する。駆動パルスφPの供給を停止すると、回転軸127aの回転は即座に停止される。
【0146】
筐体122の側面の上端部の中央の孔には、擬似メダル124の通路に対向して光センサ130が設けられている。光センサ130は、擬似メダル124の通路に向けて光を照射し、反射光を検出し、反射光強度に応じたレベルの信号φS0を出力する。光センサ130に擬似メダル124が対向している場合は、光センサ130から出射された光は擬似メダル124で反射して光センサ130に入射し、信号φS0はたとえば「H」レベルになる。光センサ130に擬似メダル124が対向していない場合は、光センサ130から出射された光は擬似メダル124で反射せず、信号φS0はたとえば「L」レベルになる。光センサ130出力信号φS0は、スロットマシン2Sの電源オン時に擬似メダル123の位置を基準位置にリセットするために使用される。
【0147】
筐体122の側面の下端部の中央の孔には、擬似メダル124の通路に対向して光センサ131が設けられている。光センサ131は、擬似メダル124の通路に向けて光を照射し、反射光を検出し、反射光強度に応じたレベルの信号φS1を出力する。光センサ131に擬似メダル124が対向している場合は、光センサ131から出射された光は擬似メダル124で反射して光センサ131に入射し、信号φS1はたとえば「H」レベルになる。光センサ131に擬似メダル124が対向していない場合は、光センサ131から出射された光は擬似メダル124で反射せず、信号φS1はたとえば「L」レベルになる。光センサ131の出力信号φS1は、通路を通った擬似メダル124の数をカウントするために使用される。
【0148】
なお、擬似メダル124の光センサ130、131側の表面の中央部に擬似メダル124の表面と光反射率が異なるマークを設けて、擬似メダル124の検出精度を高めてもよい。擬似メダル124の表面に設けた反射膜、凸部、凹部等が、マークとして使用可能である。また、複数の擬似メダル124のうちの1つの擬似メダル124のみにマークを設け、電源オン時には、マークを検出したときに駆動パルスφPの供給を停止することにより、擬似メダル124の位置を初期位置にリセットしてもよい。また、光センサ130、131のうちのいずれか1つのみを設け、1つの光センサの出力信号を用いて電源オン時における擬似メダル124の位置決めと、擬似メダル124の数のカウントの両方を行なってもよい。
【0149】
また、複数の光センサ130,131を用いて擬似メダル124の数をカウントすることにより、カウント精度を高めたり、不正行為を防止してもよい。また、光センサ130、131の代わりに磁気センサを用いてもよい。磁気センサを使用する場合は、擬似メダル124を磁性体で形成する必要がある。また、透明窓W0、W1を無くし、遊技者が擬似メダル124を見ることができないようにしてもよい。
【0150】
図7は、持点やメダル点、クレジットのデータが変動する遊技状況と、加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121の動作の有無との関係を説明するための図である。
【0151】
カード残高を使用しての貸出操作に応じて、カード残高が減算されてその減算分に相当するメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0152】
持点引き落とし操作に応じて、持点が減算されてその減算分に相当するメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0153】
貯メダル再プレイ操作に応じて、貯メダルが減算されてその減算分に相当するメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0154】
1枚BETスイッチ5あるいはMAXBETスイッチ6の操作による1BETあるいはMAXBET操作に応じて、クレジットが減算されてその減算分に相当する賭数が加算設定される。このとき、メダル点に変動はないため、加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121のいずれも動作しない。
【0155】
メダル点を使用したクレジット加算操作(賭数=MAX、クレジット<50でのメダル点使用スイッチ13の操作)に応じて、メダル点が減算されてその減算分に相当するクレジットが加算される。このメダル点の減算時に減算用擬似メダルユニット121が動作する。
【0156】
メダル点を使用したBET操作(賭数≠MAX、クレジット≠0でのメダル点使用スイッチ13の操作)に応じて、メダル点が減算されてその減算分に相当する賭数が加算設定される。このメダル点の減算時に減算用擬似メダルユニット121が動作する。
【0157】
賭数のキャンセル操作(賭数≠0でのクレジット精算スイッチ12の操作)に応じて、設定されている賭数がキャンセルされてそのキャンセル分に相当するメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0158】
入賞の発生に応じて、クレジットが50に達するまでクレジットが加算され、クレジットが50に達して以降はメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0159】
メダル点の精算操作(メダル点精算スイッチ11のON)に応じて、メダル点が減算(計数)され、その減算分に相当する持点が加算される。このメダル点の減算時に減算用擬似メダルユニット121が動作する。
【0160】
クレジットの精算操作(クレジット精算スイッチ12のON)に応じて、クレジットが減算(計数)され、その減算分に相当するメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。
【0161】
持点共有あるいはワゴンサービスを要求する操作に応じて、持点が減算される。このときメダル点が変動しないため、加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121ともに動作しない。
【0162】
遊技中にビッグボーナス(BB)が終了するという特定遊技結果となることにより自動精算条件が成立すると、初めに全クレジット点が減算(計数)されてメダル点が加算される。このメダル点の加算時に加算用擬似メダルユニット120が動作する。続いて、全メダル点が減算(計数)されて持点が加算される。このメダル点の減算時に減算用擬似メダルユニット121が動作する。
【0163】
図7には、さらに、クレジット精算操作(クレジット精算スイッチ12のON)に応じて、クレジットを減算し、その減算分を持点に加算する変形例が示されている。この場合には、メダル点が変動しないため、疑似メダルユニット120,121は動作させない。このような変形例によれば、遊技者が遊技を終了したい場合、クレジットをメダル点に変換した上で、さらにメダル点を持点に変換するための操作をすることがなく、遊技終了時の操作性を向上できる。
【0164】
なお、この変形例においては、S台2Sは、クレジット精算スイッチ12の長押し操作が検出されたときに、クレジット数カウンタを1減算し、クレジット減算数カウンタを1加算し、持点加算数カウンタを1加算し、その結果をCU3へ送信する。これを受けたCU3は、持点を1加算する。このような動作をクレジット数=0になるまで繰り返し実行する。その結果、全クレジットが持点に変換される。
【0165】
また、この変形例を採用した場合、S台2Sは、メダル点精算スイッチ11の操作によって持点が加算されるときと、クレジット精算スイッチ12の操作によって持点が加算されるときとで、持点加算時の精算音を異ならせる。その結果、持点がメダル点およびクレジットのいずれに基づいて加算されているのかを遊技者やホールの係員が確認できる。
【0166】
図8は、メダル点を加算するメダル点加算条件が成立する場合について説明するための図である。図示するように、メダル点加算条件は条件1〜条件7に分けることができる。
【0167】
条件1は、カード残高を使用する貸出操作が検出された場合に成立する。貸出ボタン321の操作である貸出操作が検出されると、25点のメダル点が加算される。条件2は、持点の引き落とし操作が検出された場合に成立する。持点ボタン324の操作である持点引き落とし操作が検出されると、25点のメダル点が加算される。ただし、持点が25点未満の場合には全持点が引き落とされてそれに対応するメダル点が加算される。条件3は貯メダル再プレイ操作が検出された場合に成立する。再プレイボタンの操作である再プレイ操作が検出されると、25点のメダル点が加算される。ただし、貯メダルが25点未満の場合には全貯メダルが引き落とされてそれに対応するメダル点が加算される。
【0168】
条件4は賭数キャンセル操作が検出された場合に成立する。賭数設定が存在するときに検出されたメダル点精算スイッチ11の操作はキャンセル操作となり、賭数キャンセルされ(賭数=0)、そのキャンセル分のメダル点が加算される。条件5はクレジット=50のときの入賞の発生である。入賞が発生してクレジット数を加算しようとするときにそのクレジット数が上限値に達している場合、入賞役に応じた払出数分のメダル点が加算される。
【0169】
条件6はクレジット精算スイッチ12の短押し操作(3秒未満)が検出された場合に成立し、1クレジット分がクレジットから減算されて、メダル点1点が加算される。条件7はクレジット精算スイッチ12の長押し操作(3秒以上)が検出された場合に成立し、全クレジットが減算されて、それに対応するメダル点が加算される。
【0170】
以上、説明したメダル点の各加算条件が成立したときには、加算用擬似メダルユニット120が動作し、各加算条件の成立に対応して加算すべきメダル点数の疑似メダルが検出されるまで、疑似メダルを回転させる。その後、疑似メダルの検出を待ってメダル点が加算される。その結果、スロットマシン2Sの前面側の縦長の透明窓W0で疑似メダルが1つ回転してくることに連動してメダル点が1点加算更新される演出が行なわれることになる。
【0171】
図9は、メダル点を減算するメダル点減算条件が成立する場合について説明するための図である。図示するように、メダル点減算条件は条件1〜条件6に分けることができる。
【0172】
条件1は、メダル点を用いてクレジットを加算する操作(メダル点使用スイッチ13の短押し操作)が検出された場合に成立する。クレジット<50かつ賭数設定値が最大のときにメダル点使用スイッチ13の短押し操作(3秒未満の操作)が検出されると、1点のメダル点が減算されて、クレジットが1点加算される。
【0173】
条件2は、メダル点を用いてクレジットを加算する操作(メダル点使用スイッチ13の長押し操作)が検出された場合に成立する。クレジット<50かつ賭数設定値が最大のときにメダル点使用スイッチ13の長押し操作(3秒以上の操作)が検出されると、メダル点の範囲内でクレジットが50に達するまでクレジットが加算され、メダル点が減算される。
【0174】
条件3は、賭数設定値が最大でないときにメダル点を用いたBET操作(短押し操作)が検出された場合に成立する。賭数設定値が最大でないときにメダル点使用スイッチ13の短押し操作(3秒未満の操作)が検出されると、メダル点が1点減算されて賭数が1追加して設定される。
【0175】
条件4は、賭数設定値が最大でないときにメダル点を用いたBET操作(長押し操作)が検出された場合に成立する。賭数設定値が最大でないときにメダル点使用スイッチ13の長押し操作(3秒以上の操作)が検出されると、メダル点の範囲内で賭数が最大の3になるまで追加設定されてその分のメダル点が減算される。
【0176】
条件5は、メダル点精算操作(短押し)が検出された場合に成立する。メダル点精算スイッチ11の短押し操作(3秒未満の操作)が検出されると、メダル点が1点減算されて持点が1点加算される。条件6は、メダル点精算操作(長押し)が検出された場合に成立する。メダル点精算スイッチ11の長押し操作(3秒以上の操作)が検出されると、全てのメダル点が減算されて、その分だけ持点が加算される。
【0177】
以上、説明したメダル点の各減算条件が成立したときには、減算用擬似メダルユニット121が動作し、各減算条件の成立に対応して減算すべきメダル点数の疑似メダルが検出されるまで、疑似メダルを回転させる。その後、疑似メダルの検出を待ってメダル点が減算される。その結果、スロットマシン2Sの前面側の縦長の透明窓W1で疑似メダルが1つ回転してくることに連動してメダル点が1点減算更新される演出が行なわれることになる。
【0178】
図10は、疑似メダル初期位置処理を示すフローチャートである。この疑似メダル初期位置処理は、スロットマシン2Sの電源がオンされたときに払出制御部171が実行する。
【0179】
まず、払出制御部171は、電源がオンされるまで待機し(S1)、電源がオンされた場合は駆動パルスφPを所定周期で加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121のモータφPに供給し、擬似メダル124を移動させる(S2)。
【0180】
次に払出制御部171は、ステップS3において、光センサ130からの信号φS0に基づいて、疑似メダル123が検出されたか否かを検出し(S3)、検出されない場合はステップS2に戻って駆動パルスφPの出力を継続し、疑似メダル124を移動させる。ステップS3において疑似メダル124が検出された場合は、駆動パルスφPの出力を停止し(S4)、疑似メダル124を基準位置に停止させる。
【0181】
払出制御部171は、たとえば、光センサ130の信号φS0が「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられた後、その信号φS0が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられたときに、疑似メダル124が検出されたと判断して疑似メダル124を停止させる。したがって、電源がオフされている期間に疑似メダル124が任意の位置に移動した場合でも、疑似メダル124の位置を基準位置にリセットすることができ、光センサ131の正面を通過する疑似メダル124の数を正確にカウントすることができる。
【0182】
図11は、払出制御部171が実行するメダル点加算処理を示すフローチャートである。また、図12は、メダル点加算処理中に実行される分岐加算処理を示すフローチャートである。
【0183】
払出制御部171は、メダル点加算処理において、メダル点の加算条件が成立するまで待機する(S10)。加算条件は図8に示したとおりである。メダル点の加算条件が成立した場合は、加算条件に応じた加算目標値(加算すべきメダル点数)を設定する(S11)。
【0184】
次に、加算用擬似メダルユニット120を駆動するための駆動パルスを出力する(S12)。これにより、その駆動パターンに基づいた駆動パルスφPが所定周期で加算用疑似メダルユニット120に供給され、回転体123が回転する。
【0185】
次に、払出制御部171は、光センサ131の出力信号φS1に基づいて、疑似メダル124が検出されたか否かを判定する(S13)。疑似メダル124が検出されない場合はステップS12に戻り、疑似メダル124が検出された場合は2回目以降の検出か否かを判別する(S14)。
【0186】
ステップS14において、2回目以降の検出であると判別した場合は、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内か否かを判定する(S15)。前回検出から今回検出までの時間が規定範囲内でないと判定した場合は、加算用擬似メダルユニット120が故障したか、不正行為が行なわれた可能性があるので、エラー処理を行なう(S16)。エラー処理としては、ゲームの停止、異常発生の表示、異常発生の通報等が行なわれる。
【0187】
ステップS15において、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内であると判定した場合は、メダル点加算数カウンタおよびメダル点数カウンタをインクリメント(+1)する(S17)。なお、メダル点加算数カウンタおよびメダル点数カウンタの値は、その後、CU3側へ送信される。CU3側では、そのカウンタの値に基づいてメダル点数を加算更新し、メダル点数の表示も加算更新する。一方、払出制御部171側では、次回のS17でのインクリメントに備えるべく、その送信に伴ってメダル点加算数カウンタの値は0クリアされる。
【0188】
次に、払出音コマンドを主制御部161へ送信する(S18)。主制御部161は、この払出音コマンドに基づいてメダルの払出音をスピーカ52、53から出力させる。その結果、メダル点の加算更新表示と連動して、メダルの払出音が出力されることになり、遊技者に対してあたかもメダルが払い出されているような演出を行なうことができる。
【0189】
次に、S10で成立と判定したメダル点の加算条件は、クレジット精算または賭数キャンセルであるか(図8の条件4,6,7)否かを判定する(S19)。クレジット精算または賭数キャンセルである場合には、今回のメダル点の加算によってクレジットまたは賭数を減少させる必要がある。そこで、この場合には、分岐加算処理に移行する(S20)。
【0190】
ここで、図12を参照して、分岐加算処理を説明する。初めに、今回の加算条件がクレジット精算により成立したもの(図8の条件6,7)であるか否かを判定する(S191)。今回の加算条件がクレジット精算により成立したものである場合には、クレジット減算数カウンタをインクリメント(+1)するとともに、クレジット数カウンタをデクリメント(−1)する(S192)。一方、今回の加算条件がクレジット精算により成立したもので場合、すなわち、賭数キャンセルにより成立したものである場合(図8の条件4)、賭数を1つ減らすべく、賭数カウンタをデクリメント(−1)する(S193)。これにより、分岐加算処理が終了して、図11のS20に復帰する。
【0191】
図11の説明に戻る。S20での分岐加算処理の終了後、またはS19でNOと判断された場合、加算目標値に対応する数の疑似メダルが検出されたか否を判定する(S21)。S11で設定された加算目標値に対応する数の疑似メダルが検出された場合には駆動パルスの出力を停止し(S22)、処理を終える。
【0192】
一方、まだ、加算目標値に対応する数の疑似メダルが検出されていない場合には、さらに駆動パルスを出力する必要があるが、その前に、予め定めた1枚払出待時間の経過まで待機する(S23)。その後、この1枚払出待時間の経過を待って、S12に戻り、駆動パルスの出力を行なう。
【0193】
このように、1枚払出待時間の経過を待つことによって、たとえば、入賞の発生などにより複数点のメダル点が加算される場合、1枚払出待時間の経過を待って次の疑似メダルが1つ検出されることになる(図17参照)。
【0194】
なお、駆動パルスの駆動パターンを、加算条件別に異ならせるようにして、疑似メダルの動き方の違いによって遊技者がどのような加算条件が成立しているのかを理解できるようにしてもよい。
【0195】
図13は、払出制御部171が実行するメダル点精算処理を示すフローチャートである。まず、払出制御部171は、メダル点精算スイッチ11による精算操作が検出されるまで待機する(S30)。なお、賭数設定が有る場合にメダル点精算スイッチ11の操作が検出された場合には、賭数キャンセルの操作であるため(図8の加算条件4)、払出制御部171は、図13ではなく、図11のメダル点加算処理を実行する。
【0196】
S30においてYESと判定した場合、メダル点精算スイッチ11による精算操作が短押し操作であるか長押し操作であるかに応じて、減算目標値を設定し、駆動パターンを設定する(S31)。なお、短押し操作では1点が設定され、長押し操作では全メダル点が設定される。
【0197】
次に、設定した駆動パターンで減算用擬似メダルユニット121を駆動するための駆動パルスを出力する(S32)。これにより、その駆動パターンに基づいた駆動パルスφPが所定周期で減算用擬似メダルユニット121に供給され、回転体123が回転する。
【0198】
次に、払出制御部171は、光センサ131の出力信号φS1に基づいて、疑似メダル124が検出されたか否かを判定する(S33)。疑似メダル124が検出されない場合はステップS32に戻り、疑似メダル124が検出された場合は2回目以降の検出か否かを判別する(S34)。
【0199】
ステップS34において、2回目以降の検出であると判別した場合は、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内か否かを判定する(S35)。前回検出から今回検出までの時間が規定範囲内でないと判定した場合は、減算用擬似メダルユニット121が故障したか、不正行為が行なわれた可能性があるので、エラー処理を行なう(S36)。エラー処理としては、ゲームの停止、異常発生の表示、異常発生の通報等が行なわれる。
【0200】
ステップS35において、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内であると判定した場合は、メダル点減算数カウンタをインクリメント(+1)し、メダル点数カウンタを1デクリメント(−1)し、持点数加算カウンタをインクリメント(+1)する(S37)。
【0201】
なお、これらのカウンタの値は、その後、CU3側へ送信される。CU3側では、そのカウンタの値に基づいてメダル点数を減算更新し、持点数を加算更新し、メダル点数および持点数の表示も更新する。一方、払出制御部171側では、次回のS37でのカウンタの更新に備えるべく、その送信に伴ってメダル点減算数カウンタおよび持点数加算カウンタの値は0クリアされる。
【0202】
次に、精算音コマンドを主制御部161へ送信する(S38)。主制御部161は、この精算音コマンドに基づいてメダルの精算音(計数音)をスピーカ52、53から出力させる。その結果、メダル点の減算更新表示と連動して、メダルの精算音が出力されることになり、遊技者に対してあたかもメダルが計数されているような演出を行なうことができる。
【0203】
次に、減算目標値に対応する数の疑似メダルが検出されたか否を判定する(S39)。S31で設定された減算目標値に対応する数の疑似メダルが検出された場合には駆動パルスの出力を停止し(S40)、処理を終える。
【0204】
一方、まだ、減算目標値に対応する数の疑似メダルが検出されていない場合には、S32に戻り、駆動パルスの出力を行なう。なお、この際、図11のS23と同様に、予め定めた1枚払出待時間の経過まで待機するようにしてもよい。
【0205】
図14は、払出制御部171が実行するメダル点使用処理を示すフローチャートである。また、図15は、メダル点使用処理中において実行される連続処理を示すフローチャートである。
【0206】
払出制御部171は、メダル点使用処理においては、初めに、メダル点使用スイッチ13の操作があるか否かを判定し(S41)、メダル点使用スイッチ13の操作が検出された場合には、現在のクレジット数が50(上限値)に達しており、かつ、設定されている賭数が最大の3になっているか否かを判定する(S42)。このような場合には、メダル点を使用してもクレジットおよび賭数の双方共に加算できないため、処理を終える。
【0207】
S42においてNOと判定した場合、加算目標値を1に設定し(S43)、減算用擬似メダルユニット121への駆動パルスを出力する(S44)。次に、払出制御部171は、光センサ131の出力信号φS1に基づいて、疑似メダル124が検出されたか否かを判定する(S45)。疑似メダル124が検出されない場合はステップS44に戻り、疑似メダル124が検出された場合は2回目以降の検出か否かを判別する(S46)。
【0208】
ステップS46において、2回目以降の検出であると判別した場合は、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内か否かを判定する(S47)。前回検出から今回検出までの時間が規定範囲内でないと判定した場合は、減算用擬似メダルユニット121が故障したか、不正行為が行なわれた可能性があるので、エラー処理を行なう(S48)。エラー処理としては、ゲームの停止、異常発生の表示、異常発生の通報等が行なわれる。
【0209】
ステップS47において、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内であると判定した場合は、現在、設定されている賭数が3未満(最大賭数未満)であるか否かを判定する(S49)。既に、賭数が3に設定されているときには、メダル点使用スイッチ13の操作に応じてクレジットを加算するため、メダル点減算数カウンタをインクリメント(+1)し、メダル点数カウンタを1デクリメント(−1)し、クレジット数カウンタをインクリメント(+1)し、クレジット加算数カウンタをインクリメント(+1)する(S50)。
【0210】
一方、賭数が最大値に達していないときには、メダル点使用スイッチ13の操作に応じて賭数を追加設定するため、メダル点減算数カウンタをインクリメント(+1)し、メダル点数カウンタを1デクリメント(−1)し、賭数カウンタをインクリメント(+1)する(S54)。
【0211】
なお、これらのカウンタの値は、その後、CU3側へ送信される。CU3側では、そのカウンタの値に基づいてメダル点数およびクレジット数を更新し、メダル点数およびクレジット数の表示も更新する。一方、払出制御部171側では、次回のS37でのカウンタの更新に備えるべく、その送信に伴ってメダル点減算数カウンタおよびクレジット加算数カウンタの値は0クリアされる。
【0212】
S50またはS54の後、メダル投入音コマンドを主制御部161へ送信する(S51)。主制御部161は、このメダル投入音コマンドに基づいてメダルの投入音をスピーカ52、53から出力させる。その結果、メダル点の使用と連動して、メダルの投入音が出力されることになり、遊技者に対してあたかもメダルを投入しているような演出を行なうことができる。
【0213】
次に、メダル点使用スイッチ13の操作が3秒以上連続する長押し操作であるかを判定する(S52)。長押し操作でなければ、メダル点使用処理を終える。一方、長押し操作の場合、連続処理を実行することにより(S53)、メダル点を使用する処理を継続する。
【0214】
ここで、図15を参照して、連続処理を説明する。初めに、メダル点数カウンタが0であるか否かを判定し(S451)、0になっている場合には連続処理を終える。メダル点数カウンタの値が0でなければ、賭数が3未満(最大賭数未満)であるか否かを判定し(S452)、賭数が3未満のときには賭数を優先して加算するべく、賭数フラグをセットする(S453)。以降、賭数が最大値に達するまで優先して、メダル点が賭数設定に用いられる。
【0215】
一方、S452において賭数が既に3に達していると判断したときには、クレジットが50未満(上限値未満)であるかを判定し(S463)、クレジットが50未満のときにはクレジットを加算するべく、クレジット数フラグをセットする(S464)。もし、賭数もクレジットも上限に達している場合には、それ以降のメダル点の使用を制限するべく、S463でNOと判定して連続処理を終える。
【0216】
S453またはS464の後、メダル点の減算目標値を1に設定し(S454)、減算用擬似メダルユニット121への駆動パルスを出力する(S455)。これにより、駆動パルスφPが所定周期で減算用擬似メダルユニット121に供給され、回転体123が回転する。
【0217】
次に、払出制御部171は、光センサ131の出力信号φS1に基づいて、疑似メダル124が検出されたか否かを判定する(S456)。疑似メダル124が検出されない場合はステップS455に戻り、疑似メダル124が検出された場合は2回目以降の検出か否かを判別する(S457)。
【0218】
ステップS457において、2回目以降の検出であると判別した場合は、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内か否かを判定する(S458)。前回検出から今回検出までの時間が規定範囲内でないと判定した場合は、減算用擬似メダルユニット121が故障したか、不正行為が行なわれた可能性があるので、エラー処理を行なう(S459)。エラー処理としては、ゲームの停止、異常発生の表示、異常発生の通報等が行なわれる。
【0219】
ステップS458において、前回検出から今回検出までの時間は規定範囲内であると判定した場合は、今回のメダル点の使用と引き換えにした加算対象が賭数であるかクレジットであるかを特定するために、賭数フラグがセットされているか否かを判定する(S460)。賭数フラグがセットされている場合には、メダル点減算数カウンタをインクリメント(+1)し、メダル点数カウンタをデクリメント(−1)し、賭数カウンタをインクリメント(+1)する(S461)。
【0220】
一方、賭数フラグがセットされていない場合、すなわち、クレジットフラグがセットされている場合には、メダル点減算数カウンタをインクリメント(+1)し、メダル点数カウンタをデクリメント(−1)し、クレジット数カウンタをインクリメント(+1)し、クレジット加算数カウンタをインクリメント(+1)する(S465)。
【0221】
なお、これらのメダル点減算数カウンタおよびクレジット加算数カウンタの値は、その後、CU3側へ送信される。CU3側では、そのカウンタの値に基づいてメダル点数およびクレジット数を更新し、それらの表示も更新する。一方、払出制御部171側では、次回のカウンタの更新に備えるべく、その送信に伴ってメダル点減算数カウンタおよびクレジット加算数カウンタの値は0クリアされる。
【0222】
S461またはS465の後、メダル投入音コマンドを主制御部161へ送信する(S462)。主制御部161は、このメダル投入音コマンドに基づいてメダルの投入音をスピーカ52、53から出力させる。その結果、メダル点の使用と連動して、メダルの投入音が出力されることになり、遊技者に対してあたかもメダルを投入しているような演出を行なうことができる。
【0223】
次に、S451に戻る。その後、メダル点数カウンタが0になるか、賭数およびクレジットの双方が上限値に達するまで、連続処理が繰り返し実行されて、メダル点使用スイッチ13の長押し操作に基づいたメダル点の連続的な使用処理が行なわれる。
【0224】
以上、図14および図15を用いて説明したとおり、本実施の形態では、賭数が最大賭数に達していないことを条件にメダル点使用スイッチ13の操作で賭数が設定される一方、賭数が最大賭数に達しているときはクレジットが予め定めた最大数に達していないことを条件にメダル点使用スイッチ13の操作ででクレジットが加算される。
【0225】
このため、賭数が最大賭数に達していないことを条件にメダル投入で賭数が設定される一方、賭数が最大賭数に達しているときはクレジットが予め定めた最大数に達していないことを条件にメダル投入でクレジットが加算される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できる。それゆえ、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0226】
図16は、払出制御部171が実行する自動精算処理を示すフローチャートである。自動精算処理においては、初めに、自動精算条件(特定遊技結果)の一例となるビッグボーナスの終了を検知したか否かを判定する(S61)。払出制御部171は、遊技状態に関する情報を主制御部161から受信しており、この情報の内にビッグボーナスの終了を示すBB終了情報が含まれる。払出制御部171は、BB終了情報の受信により、S61でYESと判定する。
【0227】
なお、主制御部161から払出制御部171に送信される遊技状態に関する情報には、「設定された賭数」、「スタート操作」「リールの回転開始」、「入賞役別の内部当選結果」、「第1〜第3停止操作の実行」、「リールの停止結果(可変表示装置の表示結果)」、「遊技状態の変化(通常状態からビッグボーナス、ビッグボーナスの終了など)」などが含まれている。
【0228】
S61でYESと判定した場合、自動精算の設定が有になっているか否かを判定する(S62)。スロットマシン2Sの設定スイッチ56(図3参照)の操作により自動精算設定無しになっている場合には自動精算処理を終える。自動精算の設定が有になっている場合には、クレジットが有るか(0でないか)否かを判定する(S63)。クレジットが無い場合には、後述するS66に進む。クレジットがある場合には、すべてのクレジット数を加算目標値に設定の上で(S64)、クレジット精算処理を実行する(S65)。クレジット精算処理は、すべてのクレジットをメダル点に計数変換する処理である。この処理は、図11のメダル点加算処理において、図8の条件7の加算条件が成立したときと同様の処理の内容であるので、ここでは、クレジット精算処理の詳細な説明を省略する。
【0229】
次に、メダル点が有るか否かを判定する(S66)。メダル点が存在しない場合には処理するが、メダル点が存在する場合には、現在(S65による加算分も含む)のすべてのメダル点数を減算目標値に設定する(S67)。次に、設定した減算目標値のメダル点数の計数を行なうべく、メダル点精算処理を実行する(S68)。ここでのメダル点精算処理は、図13のメダル点精算処理において、メダル点精算スイッチ11の長押し操作が検出された場合の処理と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0230】
S68の処理を終えた段階では、遊技者のクレジットとメダル点とがすべて自動精算されて持点に変換された状態となる。次に、打止設定が有になっているか否かを判定する(S69)。スロットマシン2Sの設定スイッチ56(図3参照)の操作により打止設定無しになっている場合には自動精算処理を終える。この場合、遊技者は、持点ボタン324(図3参照)を操作して持点をメダル点に変換の上で、ビッグボーナス終了後に継続して遊技を行なうことが可能である。
【0231】
一方、打止設定有になっている場合には、打止有の情報をセットし、次回、打止情報(打止有=ON)を含む状態情報応答をCU3に対して送信する(S70)。
【0232】
なお、図29を用いて後述するように、打止有の設定になっている場合には、ビッグボーナスが終了した時点で主制御部161が再度の遊技を禁止する遊技禁止状態に制御し、打止情報(打止有=ON)を受信したCU3は、遊技者のカードを排出する。さらに、払出制御部171は、再度、カードがCU3へ挿入されたときに、遊技禁止状態であることをCU3へ通知することによって、再度の遊技者による遊技を禁止する。
【0233】
このように、自動精算条件が成立すると遊技に用いられるクレジットおよびメダル点の双方が計数されて、最終的にCU3側で記憶される持点に変換されるため、自動精算条件が成立すれば遊技に用いられるクレジットなどが自動的にメダルなどの遊技媒体として排出されて精算段階に移行するような現状のメダル払出式遊技機と同様の動作を得点付与式の遊技機において再現することができる。その結果、旧来のメダル払出式遊技機に慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技媒体を用いることがない得点付与式の新たな遊技機による遊技を提供できる。
【0234】
なお、自動精算処理としては、クレジットを直接、持点に変換してもよい。すなわち、クレジットを持点に変換するとともにメダル点を持点に変換する。あるいは、自動精算処理としては、メダル点のみを対象として、クレジットは対象としないようにしてもよい。この場合、自動精算条件が成立すると、クレジット精算の操作を促す報知をCU3あるいはS台において行なうようにしてもよい。
【0235】
図17は、入賞が発生したときの加算用擬似メダルユニット120の動作とメダル点の表示の更新タイミングとの関係を説明するためのタイミングチャートである。
【0236】
本実施の形態では、入賞の発生に基づいて複数のメダル点を加算表示する際に、メダル点を瞬時あるいは短時間で加算更新せず、敢えて、ゆっくりとした動作で、メダルがホッパーから1枚1枚払い出されるときのタイミングで、メダル点が1点ずつ加算表示されるように処理している。さらには、加算すべきメダル点の加算がすべて終了した段階で、ようやく次のBET操作(賭け操作)が許容されるようにし、メダル点の加算表示中は、BET操作を禁止している。
【0237】
敢えてこのような処理を採用している理由は2つある。ひとつは、ホッパーからメダルを払い出すメダル払出し方式のスロットマシンと同様の動作を行なうことで、メダル払出し方式のスロットマシンに慣れている遊技者が本実施の形態のスロットマシンで遊技をしたときに違和感を感じないようにするためである。
【0238】
もうひとつの理由は、本実施の形態のような得点付与方式のスロットマシンを採用することによって、単位時間当たりに遊技者が遊技可能なゲーム数が、メダル払出し方式のスロットマシンよりも多くなってしまうことを防止するためである。
【0239】
単位時間当たりのゲーム数を規制するために、リプレイ入賞(再ゲーム役による入賞)の発生率を一定以上にすることや、1ゲーム時間(たとえば、リールの回転開始から次のリール回転開始までの時間)を規定して、1ゲーム時間以内にゲームスタート操作が実行されたときには1ゲーム時間経過までリールを回転開始させないように制御することは知られており、本実施の形態に係るスロットマシン2Sでもこれらの技術を採用して単位時間当たりのゲーム数を規制することが可能である。なお、この場合の制御は、主制御部161で行なう。すなわち、主制御部161により、予め定めた1ゲーム規制期間に2ゲーム目が開始されることを規制する規制制御手段(所定の規制期間で実行可能なゲーム数を規制する規制制御手段)が構成されている。
【0240】
しかしながら、従来知られたような規制方法のみでは、メダル払出し方式と得点付与方式との方式の違いによって、単位時間当たりのゲーム数に差異が生じてしまう。すなわち、得点付与式の場合には、入賞発生時に瞬時にメダル点を加算更新できてしまうため、入賞発生からメダル点の付与を経て時間のゲームを開始できるまでの時間が、ホッパーから1枚1枚入賞に応じた数のメダルの払い出しを終えてようやく次のゲームを開始可能となるメダル払い出し方式よりも極端に短くなる。その結果、得点付与方式とメダル払出方式とでは単位時間当たりのゲーム数に差が生じてしまうという問題が生じる。
【0241】
そこで、本実施の形態に係るスロットマシン2Sでは、図17に示すように、この問題を解消するための制御が実行される。
【0242】
すなわち、リールの回転が開始するとともにBET禁止状態にする。なお、このBET禁止状態への制御は、主制御部161が実行する。その後、時刻t1にてリールが停止して入賞有と発生された場合(ここではメダル点3点が付与される入賞とする)、所定の1枚払出待時間Twを待って、払出制御部171により加算用擬似メダルユニット120への駆動パルスが出力され、やがて、時刻t2にて1つ目の疑似メダルが検出される。この検出に基づいてメダル点の表示が当初の60から61に更新されるとともに、払出音が出力される。なお、1枚払出待時間TwはS台2Sが記憶(たとえば、払出制御部171が記憶)している。
【0243】
次に、1枚払出待時間Twを待って、加算用擬似メダルユニット120への駆動パルスが出力され、やがて、時刻t3にて2つ目の疑似メダルが検出される。この検出に基づいてメダル点の表示が62から63に更新されるとともに、払出音が出力される。
【0244】
続いて、1枚払出待時間Twを待って、加算用擬似メダルユニット120への駆動パルスが出力され、やがて、時刻t4にて3つ目の疑似メダルが検出される。この検出に基づいてメダル点の表示が63から64に更新されるとともに、払出音が出力される。これにより、入賞に応じたすべてのメダル点の加算処理が終了する。すると、払出制御部171は主制御部161に対して払出処理の終了(入賞に基づくメダル点の加算処理の終了)を通知する。これを受けて、主制御部161は、BET禁止状態が解除をする。その結果、次のゲームのための賭数設定が可能とされる。
【0245】
さらに、図17では、以上の制御をメダル払出式のスロットマシンのホッパー動作と比較している。図示のとおり、本実施の形態においては、入賞の発生に応じてメダル点が加算表示されていくタイミングが、メダル払出方式のスロットマシンにおいてホッパーからメダルを1枚1枚払い出すタイミングと同じになるように、1枚払出待時間Twなどを調整している。その結果、入賞の発生によって得点付与方式とメダル払出方式とで単位時間当たりのゲーム数に差が生じてしまうという問題を防止できる。
【0246】
なお、ここでは、入賞の発生に応じてメダル点が加算表示されていくタイミングが、メダル払出方式のスロットマシンにおいてホッパーからメダルを1枚1枚払い出すタイミングと同じになるように、1枚払出待時間Twなどを調整している例を示しているが、メダル払出方式よりも本実施の形態に係るスロットマシン2Sの方が却ってメダル点の加算に時間がかかるように調整してもよく、あるいは、若干、メダル払出方式よりも本実施の形態に係るスロットマシン2Sの方がその時間が短いものとなるように調整してもよい。
【0247】
また、S台2Sには、予め長さの異なる複数種類の1枚払出待時間Twを記憶させておき、S台2Sに設けた処理の時間設定操作部の操作により、いずれかの時間を選択できるようにしてもよい。あるいは、時間設定操作部の操作により、任意の時間を設定できるようにしてもい。
【0248】
また、ここでは入賞が発生したときを例に挙げて説明しているが、入賞発生時のみならず(あるいは、入賞発生時ではなく)、メダル点の精算時など、メダル点が更新されるときにも同様にメダル払出方式のスロットマシンのタイミングに合うように、疑似メダルユニット120、121の駆動などを制御してもよい。
【0249】
<CUとS台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
図18は、カードユニットとスロットマシンとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスを示すシーケンス図である。ここでは、図18を参照して、カードユニット(CU)3とスロットマシン(S台)2Sとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
【0250】
CU3とS台2Sとでは、CU3側の接続部327とS台2S側の接続部328とを接続する通信ケーブル329(図3参照)を介して、コマンドとレスポンスとがやりとりされる。
【0251】
図18には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別が示されている。本実施の形態は、CUがコマンドを送信する1次局であり、S台がレスポンスを送信する2次局である。このため、S台は、CUからのコマンドを受けて初めてデータを送信する。ただし、このような形態に限定されるものではなく、S台を1次局とし、CUを2次局としてもよい。あるいは、1次局−2次局の構成を採用するのではなく、双方が自発的にデータを送信できるような構成を採用してもよい。
【0252】
図18に示すように、CUからS台への最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの周期は、200msすなわち0.2秒である。またS台からCUへのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの周期も同じである。
【0253】
このように、CUとS台との間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスが送信される。一方、S台は、たとえば、1ゲーム時間として、4.1秒の1規制時間を設けており、その間に2ゲームを実行することができないものである。その結果、本実施の形態では、1ゲームの間に複数のコマンドおよびレスポンスが送受信されることになる。
【0254】
CUはコマンド送信後、200ミリ秒間レスポンスを受信できなかった場合、コマンドを最大2回まで再送する。さらに、CUは、コマンドを再送してもレスポンスを受信できなかった場合に「通信断」とする。なお、再送時には、通番はカウントアップしない。このため、再送前のコマンドに含まれる通番と再送時のコマンドに含まれる通番とは同じである。
【0255】
本実施の形態におけるCU3とS台2Sとにおける通番のバックアップの具体的態様を説明する。CU3は、コマンドでS台2Sへ送信した通番をバックアップ記憶し、次にS台2Sからの通番を受信すると、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。その後、次のコマンドを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新してS台2Sへ送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。CU3ではこのような処理を繰返す。
【0256】
S台2Sでも同様に、コマンドでCU3から受信した通番をバックアップ記憶し、次にS台2SからCU3へレスポンスを送信するときに、バックアップ記憶している通番を1加算更新して送信し、その送信済みの通番をバックアップ記憶する。その後、次のレスポンスを受信したときに、バックアップ記憶している通番をその受信した通番に書換えて記憶する。S台2Sではこのような処理を繰返す。
【0257】
たとえば、CU3側からS台2S側に対して、あるコマンドを送信するとともにそのときの通番nを送信し、S台2S側ではその送信されてきた通番nを記憶する。その後、レスポンスをS台2S側からCU3側へ返信するときにその記憶している通番nに1加算したもの(n+1)も合わせて送信する。CU3側では返信されてきた通番n+1が既に記憶していた通番nより1加算されているためにデータの交信が正常に行なわれたと判断し、次にコマンドを送るときには通番を+1してn+2の通番をS台2S側へ送る。
【0258】
なお、本実施の形態では、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよく、たとえば、その送信間隔をS台の1ゲーム規制時間と一致させることも考えられる。あるいは、その送信間隔を1ゲーム規制時間の半分としてもよく、それ以下としてもよい。さらには、この実施の形態では、S台はCUからのコマンドを受けてレスポンスを返信するものであるが、これに代えて、BET操作が検出されたときや入賞が発生したときなど、S台側で状況に変化が生じたときに、必要に応じてデータをCUへ送信するような構成を採用してもよい。
【0259】
図19は、電源投入時にCU3とS台2Sとの間で行なわれる接続シーケンスを示す図である。ここでは、図19を参照して、電源投入時の接続シーケンスの処理を説明する。図19の接続シーケンスの処理は、CU3とS台2Sとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げた場合である。
【0260】
まず、電源を投入する。電源投入時においては、S台2Sでは遊技禁止状態にしてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとにより特定されるS台2Sに対して、認証要求のデータをS台2Sへ送信する。認証要求を受信したS台2Sは、認証応答をCU3へ返信する。
【0261】
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、および図5に示したメダル点数などの各種情報が含まれている。
【0262】
それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリデータに基づいてリカバリ処理を実行し、S台2S内部(具体的には払出制御部171)でバックアップしているリカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。
【0263】
このリカバリデータとしては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回遊技台情報情報、および最新遊技台情報が含まれている。
【0264】
このリカバリ応答を受信したCU3はその時点からリカバリ処理を開始する。このリカバリ処理とは、CU3とS台2Sとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
【0265】
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。S台2Sは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信時に通番をバックアップする。S台2Sは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、レスポンスの再送時の際にはカウントアップしない。CU3は、前回受信した通番と同じ通番のレスポンスを受信した場合には、通信不良が発生してS台2Sがレスポンスを再送したと判断する。S台2Sはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
【0266】
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を「n」としてリカバリ要求のコマンドをS台2Sに送信する。S台2Sは、通番をカウントアップして「n+1」としてリカバリ応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0267】
その後、CU3は、通番をカウントアップして「n+2」として、通信開始要求(リカバリクリアON)のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。その後、S台2Sは、通番をカウントアップして「n+3」として、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。CU3では、それを受けて、リカバリデータをクリアする。これ以降、CU3とS台2Sとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
【0268】
CU3は、通番=n+4の状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、「状態情報応答」送信毎に図19に示すように各カウンタのデータを前回遊技台情報としてバックアップした上で、各カウンタをクリアする。その後、S台2Sは、通番=n+5の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0269】
そのレスポンスを受けたCU3は、その状態情報応答に基づき、図19に示す各種のデータをバックアップする。
【0270】
その後、CU3は、通番=n+6の状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、通番=n+7の状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、状態情報応答のレスポンスを送信する毎に前述のデータをバックアップし、前述のカウンタをクリアする。また、CU3は、状態情報応答のレスポンスを受信する毎に前述のデータをバックアップする。
【0271】
次に、図20〜図30を参照して、各種の遊技状況に応じたCUとS台との間での通信について具体的に説明する。なお、図20〜図30にも示されているとおり、CUおよびS台においてコマンドとレスポンスとがやりとりされる際に通番は双方で更新されており、この点は既に説明したとおりである。そこで、以下においては、図20〜図30に示す通番の変化についての説明を省略する。
【0272】
図20は、カードが挿入されたときにCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。まず、図20を参照して、カードが挿入されたときのCU3とS台2Sとの処理を説明する。まず、CU3は、カード挿入前において、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0273】
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
【0274】
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か等をたとえば上位のサーバに問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにS台2S側の第1表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
【0275】
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2S側の第1表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
【0276】
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、カードID、カード挿入時刻を含むカード挿入通知のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻のデータをバックアップするとともに、カード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0277】
CU3は、それを受けて、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信することで、カード挿入中である状態をS台2Sに対して通知する。S台2Sは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0278】
カード挿入中、CU3は、カード挿入状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。これにより、S台2Sは、遊技禁止状態を解いて、遊技が可能な状態にする。
【0279】
図21は、プリペイド残高に基づいてメダル点を貸出すときにCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図21を参照して、挿入されたカードのプリペイド残高に基づいてメダル点を貸出すときの処理(挿入されたカードに記録されているプリペイド残高を消費するときの処理)を説明する。ここでは、貸出操作前のメダル点数が50点である場合を例としている。
【0280】
まず、CU3は、メダル点加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、メダル点数=50を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
【0281】
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作を行なうことにより、CU3は、500円分すなわち25点のメダル点の加算をS台2Sに要求する。CU3は、貸出ボタン321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、メダル点加算要求=ON、メダル点加算数=25の状態情報要求をS台2Sへ送信する。
【0282】
S台2Sは、これを受けて、加算要求分の加算用擬似メダルユニット120の駆動を開始する。その後、疑似メダルが1つ検出されると、記憶しているメダル点を1つ加算更新する。さらに、メダル点数=51、メダル点加算数=1、メダル点加算結果=OKの状態情報応答をCU3へ送信する。
【0283】
CU3は、これを受けて、メダル点数=50+1をバックアップする。また、CU3は、第1表示器54におけるメダル点数の表示を51に更新する。その後、CU3は、S台2Sへメダル点加算要求OFFを含む状態情報応答を送信する。
【0284】
一方、S台2Sは、加算要求分の疑似メダルが検出されるまで、加算用擬似メダルユニット120の駆動、疑似メダルの検出に基づいたメダル点の加算更新、およびメダル点加算数=1を含む状態情報応答のCU3への送信を繰り返す。
【0285】
その結果、図21のとおり、最終的には、S台2S側で記憶しているメダル点数が75となり、また、S台2SからCU3に対して、メダル点数=75、メダル点加算数=1、メダル点加算結果=OKの状態情報応答が送信される。
【0286】
CU3側でも上記の処理が繰り返し実行されることによって、擬似メダルが検出される毎にメダル点の表示が1つずつ更新され、やがて、CU3側でバックアップ記憶するメダル点数が75(74+1)になる。
【0287】
なお、このシーケンス図では、CU3は、最初にメダル加算要求ONの状態情報要求を送信し、それがS台2Sに認識されると、それ以降、メダル加算要求OFFにしているが、加算要求分のメダル点数の加算が終了するまで、継続してメダル加算要求ONの状態情報要求を送信するようにしてもよい。
【0288】
図22は、持点払出、貯メダル払出(貯メダル再プレイ)をしてメダル点を加算する場合にCUとS台との間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図22を参照して、持点払出、貯メダル払出(貯メダル再プレイ)をしてメダル点を加算する場合について説明する。この図22では、当初のメダル点数が「50」の状態となっている。
【0289】
CU3とS台2Sとの間で、メダル点加算要求=OFFを含む状態情報要求のコマンドと、メダル点数=50を含む状態情報応答のレスポンスとのやりとりが行なわれている状態において、再プレイボタン319または持点ボタン324の操作が検出される。
【0290】
すると、CU3は、持点または貯メダルからの消費25を確定させ、CU3は、500円分すなわち25点のメダル点の加算をS台2Sに要求する。すなわち、メダル点加算要求=ON、メダル点加算数=25の状態情報要求をS台2Sへ送信する。
【0291】
これ以降のS台2SとCU3との動作は、既に説明した図21の場合と同じである。すなわち、S台2Sは、加算要求分の疑似メダルが検出されるまで、加算用擬似メダルユニット120の駆動、疑似メダルの検出に基づいたメダル点の加算更新、およびメダル点加算数=1を含む状態情報応答のCU3への送信を繰り返す一方、CU3は、S台2Sからのメダル点加算数=1の状態情報応答に基づいてメダル点数のバックアップ記憶を更新するとともにメダル点数の表示を更新する。その結果、最終的には、S台2S側で記憶しているメダル点数が75となり、また、CU3側でバックアップ記憶するメダル点数が75(74+1)になる。
【0292】
なお、本実施の形態では、持点ボタン324と再プレイボタン319との2つを備えているが、これを1つのボタンで構成し、持点と貯メダルとの双方が存在する場合には、持点消費が優先されるように制御してもよい。
【0293】
以上、図21および図22に示したとおり、カード残高あるいはカードにより特定される持点や貯メダルを消費して、現状のスロットマシンにおけるメダルの貸し出しに相当するメダル点の加点が行なわれるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0294】
図23は、MAXBET操作、および賭数設定のキャンセル操作が行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図23を参照して、MAXBET操作、および賭数設定のキャンセル操作が行なわれた場合について説明する。この図23では、当初のクレジット数が50、メダル点数が10、賭数設定なしの状態において、MAXBETスイッチ6の操作により賭数が3に設定され、その後、メダル点精算スイッチ11の操作により賭数設定のキャンセル操作が行なわれた場合について説明する。
【0295】
初めに、S台2S側でMAXBETスイッチ6の操作が検出されると、S台2S側で記憶しているクレジット数が50から47に減算されて賭数が3に設定される。その後、状態情報要求を待って、S台2SからCU3に対して、クレジット数=47、メダル点数=10、クレジット減算数=3、賭数加算数=3を含む状態情報応答が送信される。
【0296】
CU3は、この状態情報応答を受けて、メダル点数=10、クレジット数=47、クレジット減算数=3、賭数加算数=3をバックアップ記憶するとともに、クレジット数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0297】
続いて、S台2S側で、メダル点精算スイッチ11の短押し操作(賭数設定キャンセル操作)が検出される。
【0298】
すると、S台2Sは、加算用擬似メダルユニット120の駆動を開始して、疑似メダルが検出される毎にメダル点を1つずつ加算する。その結果、1つ目の疑似メダルが検出された時点でメダル点数が10から11になり、メダル点加算数が1になり、賭数減算数が1になる。クレジット数は変化せず、47である。その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、CU3に対して、クレジット数=47、メダル点数=11、メダル点加算数=1、賭数減算数=1を含む状態情報応答を送信する。
【0299】
これを受けたCU3は、メダル点数=10+1、クレジット数=47、メダル点加算数=1、賭数減算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0300】
以降、S台2Sは、賭数設定キャンセル相当分の3つ目の疑似メダルが検出されるまで、加算用擬似メダルユニット120の駆動、疑似メダルの検出に基づいたメダル点の加算更新、賭数の減算更新、メダル点加算数=1、および賭数減算数=1を含む状態情報応答のCU3への送信を繰り返す。
【0301】
その結果、図23のとおり、最終的には、S台2S側で記憶しているメダル点数が13となるとともに賭数が0となり、また、S台2SからCU3に対して、クレジット数=47、メダル点数=13、メダル点加算数=1、賭数減算数=1を含む状態情報応答が送信される。
【0302】
CU3側でも上記の処理が繰り返し実行されることによって、擬似メダルが検出される毎にメダル点の表示が1つずつ更新され、やがて、CU3側でバックアップ記憶するメダル点数が13(12+1)になる。また、第1表示器54のメダル点数の表示も当初の10から、11、12、13と更新される。
【0303】
このように、本実施の形態では、メダル点精算スイッチ11の操作により賭数設定をキャンセルして賭数分の価値をメダル点に戻すことが可能であるために、賭数設定のキャンセル操作をしたときに賭数相当のメダルが払い戻されるような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることがない。
【0304】
図24は、1枚BET操作とメダル点使用スイッチ13の短押しによるBET操作とのそれぞれが行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図24を参照して、1枚BET操作とメダル点使用スイッチ13の短押しによるBET操作とのそれぞれが行なわれた場合の処理を説明する。この図24では、当初のクレジット数が20、メダル点数が10、賭数設定なしの状態において、1枚BETスイッチ5の操作により賭数が1に設定され、その後、メダル点使用スイッチ13の操作により賭数がさらに1追加された場合について説明する。
【0305】
初めに、S台2S側で1枚BETスイッチ5の操作が検出されると、S台2S側で記憶しているクレジット数が20から19に減算されて賭数が1に設定される。その後、状態情報要求を待って、S台2SからCU3に対して、クレジット数=19、メダル点数=10、クレジット減算数=1、賭数加算数=1を含む状態情報応答が送信される。
【0306】
CU3は、この状態情報応答を受けて、メダル点数=10、クレジット数=19、クレジット減算数=1、賭数加算数=1をバックアップ記憶するとともに、クレジット数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0307】
続いて、S台2S側で、メダル点使用スイッチ13の短押し操作が検出される。すると、S台2Sは、減算用擬似メダルユニット121の駆動を開始し、疑似メダルが1つ検出されたときにその駆動を停止するとともに、メダル点を1減算し、賭数を2に設定する。その結果、メダル点数が10から9になり、メダル点減算数が1になり、賭数加算数が1になる。クレジット数は変化せず、19である。その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、CU3に対して、クレジット数=19、メダル点数=9、メダル点減算数=1、賭数加算数=1を含む状態情報応答を送信する。
【0308】
これを受けたCU3は、メダル点数=10−1、クレジット数=19、メダル点減算数=1、賭数加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0309】
以上のとおり、本実施の形態では、1枚BETスイッチ5(あるいはMAXBETスイッチ6)の操作によりクレジットを消費して賭数設定できるのみならず、メダル使用スイッチ13の操作によりメダル点を消費して賭数設定することもできるため、クレジットを消費した賭数設定のみならず、メダルを1枚ずつ投入することによる賭数設定も可能とされる現状のスロットマシンと同様の動作を再現することができる。
【0310】
また、メダル点使用スイッチ13の1回の操作に基づいて賭数が1つ加算設定されることによって、1回のメダルの投入操作により賭数が1つ加算設定される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。その結果、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。なお、メダル点使用スイッチ13の1回の操作(短押し操作)に基づいて、2以上の複数の賭数が一度に設定されるようにしてもよい。
【0311】
図25は、メダル点使用スイッチ13の長押しによるBET操作が行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図25を参照して、メダル点使用スイッチ13の長押しによるBET操作が行なわれた場合の処理を説明する。この図25では、当初のクレジット数が20、メダル点数が10、賭数設定なしの状態において、メダル点使用スイッチ13の長押し操作が検出された場合について説明する。
【0312】
初めに、S台2S側でメダル点使用スイッチ13の操作が検出される。この時点ではメダル点使用スイッチ13の操作開始から3秒の経過を判定できないので、短押し操作の場合と同様にして、S台2Sは、減算用擬似メダルユニット121の駆動を開始し、疑似メダルが1つ検出されたときに、メダル点を1減算し、賭数を1に設定する。その結果、メダル点数が10から9になり、メダル点減算数が1になり、賭数加算数が1になる。
【0313】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、CU3に対して、クレジット数=20、メダル点数=9、メダル点減算数=1、賭数加算数=1を含む状態情報応答を送信する。
【0314】
これを受けたCU3は、メダル点数=9(10−1)、クレジット数=20、メダル点減算数=1、賭数加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0315】
メダル点使用スイッチ13の操作開始から3秒が経過した時点でS台2Sは長押し操作と判定し、さらに、減算用擬似メダルユニット121の駆動を進める。その結果、2つ目の疑似メダルが検出される。2つ目の疑似メダルが検出されたされたときに、S台2Sはメダル点をさらに1減算し、賭数を2に設定する。その結果、メダル点数が9から8になり、メダル点減算数が1になり、賭数加算数が1になる。
【0316】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、CU3に対して、クレジット数=20、メダル点数=8、メダル点減算数=1、賭数加算数=1を含む状態情報応答を送信する。
【0317】
これを受けたCU3は、メダル点数=8(9−1)、クレジット数=20、メダル点減算数=1、賭数加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0318】
さらに、S台2Sは、減算用擬似メダルユニット121の駆動を進める。その結果、3つ目の疑似メダルが検出される。3つ目の疑似メダルが検出されたされたときに、S台2Sはメダル点をさらに1減算し、賭数を最大値の3に設定する。その結果、メダル点数が8から7になり、メダル点減算数が1になり、賭数加算数が1になる。
【0319】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、CU3に対して、クレジット数=20、メダル点数=7、メダル点減算数=1、賭数加算数=1を含む状態情報応答を送信する。
【0320】
これを受けたCU3は、メダル点数=7(8−1)、クレジット数=20、メダル点減算数=1、賭数加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0321】
以上、図24および図25に示したとおり、本実施の形態によれば、メダル点使用スイッチ13の長押し操作と短押し操作とで1回の操作により加算設定する賭数が異なる。このため、複数枚のメダルを連続的に投入する操作で賭数が連続的に加算設定され、1枚のメダルのみを投入する操作で賭数が1つ加算設定される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できる。それゆえ、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0322】
図26は、クレジット精算が行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図26を参照して、クレジット精算が行なわれた場合の処理を説明する。この図26では、当初のクレジット数が50、メダル点数が10の状態において、クレジット精算スイッチ12の長押し操作が検出された場合について説明する。
【0323】
初めに、S台2S側でクレジット精算スイッチ12の操作が検出される。この時点ではクレジット精算スイッチ12の操作開始から3秒の経過を判定できないので、短押し操作の場合と同様にして、S台2Sは、加算用擬似メダルユニット120の駆動を開始し、疑似メダルが1つ検出されたときに、クレジットを1減算し、メダル点を1加算する。その結果、メダル点数が11になり、クレジット数が49になり、メダル点加算数が1になり、クレジット減算数が1になる。また、クレジットを1減算し、メダル点を1加算する際に、クレジット精算音をスピーカ52、53から出力する。
【0324】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待つ。その後、CU3から送信されてくる状態情報要求のコマンドには、計数受領=OFFのデータが含まれており、このデータによって、CU3側ではクレジット精算を未だ認識していないことが示されている。S台2Sは、この状態情報要求に対して、クレジット数=49、メダル点数=11、メダル点加算数=1、クレジット減算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0325】
これを受けたCU3は、メダル点数=11(10+1)、クレジット数=49(50−1)、クレジット減算数=1、メダル点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0326】
クレジット精算スイッチ12の操作開始から3秒が経過した時点でS台2Sは長押し操作と判定し、さらに、加算用擬似メダルユニット120の駆動を進める。その結果、2つ目の疑似メダルが検出される。2つ目の疑似メダルが検出されたされたときに、S台2Sはメダル点をさらに1加算し、クレジットを1減算する。その結果、メダル点数が12になり、クレジット数が48になり、メダル点加算数が1になり、クレジット減算数が1になる。また、クレジットを1減算し、メダル点を1加算する際に、クレジット精算音をスピーカ52、53から出力する。
【0327】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待つ。その後、CU3から送信されてくる状態情報要求のコマンドには、計数受領=ONのデータが含まれており、このデータによって、CU3側ではクレジット精算中であることを認識していることが示されている。S台2Sは、この状態情報要求に対して、クレジット数=48、メダル点数=12、メダル点加算数=1、クレジット減算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0328】
これを受けたCU3は、メダル点数=12(11+1)、クレジット数=48(49−1)、クレジット減算数=1、メダル点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0329】
その後、同様の処理を繰り返し行なうことにより、やがて、図示のとおり、S台2S側でメダル点数が60になり、クレジット数が0になり、メダル点加算数が1になり、クレジット減算数が1になる。
【0330】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、クレジット数=0、メダル点数=60、メダル点加算数=1、クレジット減算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0331】
これを受けたCU3は、メダル点数=60(59+1)、クレジット数=0(1−1)、クレジット減算数=1、メダル点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、メダル点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0332】
その後、S台2Sは、CU3からの状態情報要求を待って、計数中=OFFを含む状態情報応答をCU3へ送信し、クレジット精算の終了をCU3へ通知する。
【0333】
なお、この図26は、クレジット精算スイッチ12の操作によってメダル点が加算される場合を示すが、図7において変形例として説明したように、クレジット精算スイッチ12の操作によって持点が加算されるようにしたときの精算音としては、この図26の「クレジット精算音」を採用してもよい。一方、メダル点精算スイッチ11の操作によるメダル点精算時には、次の図27で説明するように「クレジット精算音」と異なる「メダル点精算音」が出力される。その結果、図7の変形例を採用した場合、クレジット精算スイッチ12の操作によって持点が加算されるときの精算音と、メダル点精算スイッチ11の操作によって持点が加算されるときの精算音とを異ならせることができる。
【0334】
図27は、メダル点精算が行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図27を参照して、メダル点精算が行なわれた場合の処理を説明する。この図27では、当初のカード持点数が0、クレジット数が0、メダル点数が60の状態において、メダル点精算スイッチ11の長押し操作が検出された場合について説明する。
【0335】
初めに、S台2S側でメダル点精算スイッチ11の操作が検出される。この時点ではメダル点精算スイッチ11の操作開始から3秒の経過を判定できないので、短押し操作の場合と同様にして、S台2Sは、減算用擬似メダルユニット121の駆動を開始し、疑似メダルが1つ検出されたときに、メダル点を1減算し、持点加算数を1とする。なお、S台2S側では持点(持点総数)を記憶しておらず、持点に関しては、持点加算数あるいは持点減算数のみを記憶しているため、持点自体のデータをS台2S側で変動させることはない。その結果、メダル点数が59になり、持点加算数が1になり、メダル点減算数が1になる。
【0336】
また、メダル点を1減算する際に、メダル点精算音をスピーカ52、53から出力する。このメダル点精算音は、図26に示したクレジット精算音とは異なる音である。このため、遊技者やホールの係員はこの音によってメダル点精算であるかクレジット精算であるかを特定できる。なお、メダル点精算であるかクレジット精算であるかは、疑似メダルが加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121のいずれで動いているのかによっても特定可能である。すなわち、疑似メダルが加算用擬似メダルユニット120で動いている場合には、クレジット精算であり、疑似メダルが減算用擬似メダルユニット121で動いている場合には、メダル点精算である。
【0337】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待つ。その後、CU3から送信されてくる状態情報要求のコマンドには、計数受領=OFFのデータが含まれており、このデータによって、CU3側ではメダル点精算を未だ認識していないことが示されている。S台2Sは、この状態情報要求に対して、クレジット数=0、メダル点数=59、メダル点減算数=1、持点加算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0338】
これを受けたCU3は、メダル点数=59(60−1)、クレジット数=0、持点数=1(0+1)、メダル点減算数=1、持点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、持点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0339】
メダル点精算スイッチ11の操作開始から3秒が経過した時点でS台2Sは長押し操作と判定し、さらに、減算用擬似メダルユニット121の駆動を進める。その結果、2つ目の疑似メダルが検出される。2つ目の疑似メダルが検出されたされたときに、S台2Sはメダル点を1減算し、持点加算数を1にする。その結果、メダル点数が48になり、メダル点減算数が1になる。また、メダル点を1減算する際に、メダル点精算音をスピーカ52、53から出力する。
【0340】
その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待つ。その後、CU3から送信されてくる状態情報要求のコマンドには、計数受領=ONのデータが含まれており、このデータによって、CU3側ではメダル点精算中であることを認識していることが示されている。S台2Sは、この状態情報要求に対して、クレジット数=0、メダル点数=58、メダル点減算数=1、持点加算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0341】
これを受けたCU3は、メダル点数=58(59−1)、クレジット数=0、持点数=2(1+1)、メダル点減算数=1、持点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、持点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。
【0342】
その後、同様の処理を繰り返し行なうことにより、やがて、図示のとおり、S台2S側でメダル点数が0になり、持点加算数が1になり、メダル点減算数が1になる。その後、S台2Sは、この変化を通知すべく、状態情報要求を待って、クレジット数=0、メダル点数=0、メダル点減算数=1、持点加算数=1、計数中=ONを含む状態情報応答を送信する。
【0343】
これを受けたCU3は、持点数=60(59+1)、メダル点数=0(1−1)、メダル点減算数=1、持点加算数=1をバックアップ記憶するとともに、持点数の変化を第1表示器54の表示にも反映させる。その後、S台2Sは、CU3からの状態情報要求を待って、計数中=OFFを含む状態情報応答をCU3へ送信し、メダル点精算の終了をCU3へ通知する。
【0344】
図28は、カード返却の操作が行なわれた場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図28を参照して、カード返却の操作が行なわれた場合の処理を説明する。この図28では、当初のカード持点数が200、クレジット数が50、メダル点数が400の状態において、返却ボタン322が操作されたときに精算操作を促す表示が行なわれ、その後、遊技者の操作により精算が終了した後、再度、返却ボタン322が操作された場合について説明する。
【0345】
初めに、CU3からは計数受領=OFFの状態情報要求が送信され、S台2Sからはメダル点数=400、クレジット数=50、計数値=0、計数中=OFFの状態情報応答が送信されている状態において、CU3側で返却ボタン322の操作が検出される。しかし、クレジット数およびメダル点数ともに0ではないため、CU3は、カードの返却を禁止し、第1表示器54および表示器312に精算操作を促す表示を行なう。また、CU3はS台2Sに対してカード挿入状態=ONを含む状態情報要求を送信し、カードが挿入されていることを通知する。
【0346】
精算操作を促す表示は、たとえば、「初めにクレジット精算をして下さい。続いて、メダル点の精算をして下さい。」というメッセージの表示である。さらに、クレジット精算にはクレジット精算スイッチ12の長押し操作が必要であり、メダル点の精算にはメダル点精算スイッチ11の長押し操作が必要であることを表示してもよい。
【0347】
次に、クレジット精算スイッチ12を用いたクレジット精算操作が検出される。すると、図26を用いて説明したように、クレジットを計数してメダル点に変化するクレジット精算の処理が行なわれる。その結果、クレジット数が0、メダル点数が450となる。
【0348】
続いて、メダル点精算スイッチ11を用いたメダル点精算操作が検出される。すると、図27を用いて説明したように、メダル点を計数して持点に変化するメダル点精算の処理が行なわれる。その結果、クレジット数およびメダル点数ともに0となる。
【0349】
このとき、CU3側では、S台2S側から送信されてくる状態情報要求に含まれる持点加算数を持点に加算する処理が行なわれることによって、カードに記録すべき持点が650(200+450)として記憶されている。
【0350】
続いて、遊技者が再び返却ボタン322を操作する。すると、CU3側で返却ボタン322の操作が検出される。このとき、クレジット数およびメダル点数はともに0であるので、CU3からS台2Sに対して、カード返却を示すカード返却通知が送信される。これに対して、S台2Sは、カード挿入時に記憶したカードIDとカード挿入時刻とを含むカード返却応答をCU3へ返信する。
【0351】
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードに持点=650を記録し、排出する。なお、一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持点のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、CU3へ接続されているサーバへの異常発生の通知等を行なう。
【0352】
その後、CU3は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sは、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。また、S台2Sは、これ以降、遊技禁止状態(賭数操作ができない状態、)を維持する。
【0353】
このように、本実施の形態では、遊技を終了させる際には、まず、クレジット精算スイッチ12の操作でクレジットをメダル点に変換し、さらに、メダル点精算スイッチ11の操作でメダル点を持点に変換するため、精算ボタンを押してクレジットをメダルとして払出し、次に、その払い出されたメダルの計数操作によって計数結果を特定するような段階的操作を必要とする旧来のスロットマシンと同様に、最終持点特定のために段階的な操作が要求されるようになっている。その結果、旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることを防止できる。
【0354】
図29は、自動精算条件が成立した場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図29を参照して、自動精算条件が成立した場合の処理を説明する。この図28では、S台2Sにおいて、自動精算設定がONかつ打止設定がONに設定されており、カード持点数が200、クレジット数が50、メダル点数が400の状態でビッグボーナスが終了した場合について説明する。
【0355】
S台2Sでは、ビッグボーナスの終了という遊技結果となった場合に自動精算条件が成立する。この場合、まず、自動的にS台2Sが遊技禁止状態に制御される。具体的には賭数設定の操作が無効化され、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6の操作をしても、メダル点使用スイッチの操作をしても、賭数設定が行なわれない状態となる。
【0356】
次に、CU3とS台2Sとの間で自動的にクレジット精算のシーケンス(図26参照)が行なわれて、全クレジット点がメダル点に計数・変換される。その結果、クレジット数が0、メダル点数が450になる。
【0357】
さらに、CU3とS台2Sとの間で自動的にメダル点精算のシーケンス(図27参照)が行なわれて、全メダル点が持点に計数・変換される。その結果、クレジット数が0、メダル点数が0になる。一方、CU3側では持点が200+450になる。
【0358】
その後、S台2SからCU3に対して、自動精算を示す自動精算有=ONの情報と、打止有を示す打止有=ONを示す情報とを含む状態情報応答が送信される。すると、CU3は、カードに記録すべき持点を200+450とした上で、カード返却を示すカード返却通知をS台2Sへ送信する。これに対して、S台2Sは、カード挿入時に記憶したカードIDとカード挿入時刻とを含むカード返却応答をCU3へ返信する。
【0359】
それを受けて、CU3は、返信されてきたカードIDおよびカード挿入時刻と、カード挿入時にバックアップ記憶しておいたカードIDおよびカード挿入時刻とを比較し、両者が一致しているか否か判定する。一致することを条件に、カード挿入/排出口309に挿入してあったカードに持点=650を記録し、排出する。なお、一致しない場合には、エラー判定し、エラー処理を実行する。このエラー処理としては、たとえば、返却操作に応じたカードの返却を禁止する制御を行なってカードをCU3内部に保持したり、あるいは、持点のカードへの書込み処理を禁止したりする。さらには、異常報知ランプ等によるエラーの報知や、CU3へ接続されているサーバへの異常発生の通知等を行なう。
【0360】
その後、CU3は、カード挿入状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sは、カード挿入状態=OFFを含む状態情報応答を受信したとき、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
【0361】
その後、カードが挿入されると、カードIDと挿入時刻とを含むカード挿入通知がCU3からS台2Sへ送信される。S台2Sは、これらの情報をバックアップした上で、CU3に対して、カード挿入応答を返信する。すると、CU3はカード挿入状態=ONの状態状態要求をS台2Sに送信する。しかし、S台2Sは、打止状態にあり、遊技禁止しているため、遊技禁止を示す状態情報応答をCU3へ送信する。CU3は、これを受けてカードを自動的に排出する。
【0362】
その後、係員がS台2Sの設定スイッチ56の操作により解除操作をすると、打止状態が解除される。それ以降、カードをCU3へ挿入したときには、カードが自動排出されることなく受け付けられる。
【0363】
このように、自動精算条件が成立して精算処理を終えると、遊技者のカードが受け付けられなくなり、遊技が禁止されるため、再度、遊技者が遊技を行なうことを確実に止めさせることができる。
【0364】
なお、S台2Sは、CU3からカード挿入通知を受信したときに、カード挿入応答ではなく、遊技禁止を示す状態情報応答を即座に返信し、その時点でCU3がカードを排出するようにしてもよい。
【0365】
また、打止有の情報をCU3で記憶しておき、カードがCU3へ挿入されたときには、CU3自身でカードの受付を禁止してカードを排出するようにしてもよい。この場合には、カードが挿入されてから自動排出されるまでの間に、S台2Sに対してカードの挿入に関する情報を送信しなくてもよい。
【0366】
さらに、自動精算条件が成立したときには、その段階で、S台2SからCU3に対して、自動精算を示す自動精算有=ONの情報と、打止有を示す打止有=ONを示す情報とを含む状態情報応答を送信し、それ以降、図29のカード返却に至るまで、状態情報応答に自動精算を示す自動精算有=ONの情報と、打止有を示す打止有=ONを示す情報とを含めるようにしてもよい。
【0367】
図30は、持点共有が行なわれる場合にCU3とS台2Sとの間で行なわれる処理を示すシーケンス図である。図30を参照して、持点共有が行なわれる場合のCU3とS台2Sとの間での処理を説明する。この図30では、持点が0でメダル点数が200のときに、持点5点の共有の要求が発生した場合について説明する。
【0368】
まず、CU3において、持点5点の共有要求が検出される。この検出は、たとえば、第1表示器54のタッチパネル操作により行なわれる。しかしながら、持点は0点であるため、CU3は、第1表示器54に「持点不足のため、メダル点を計数して下さい」とのメッセージを表示させる。この表示は、持点不足が解消されるまで維持される。
【0369】
遊技者がこれに応じてメダル点精算スイッチ11の短押し操作を5回行なう。すると、その都度、疑似メダル1つが検出されるまで減算用擬似メダルユニット121が駆動されて、メダル点が1つ減算され、持点加算数が1に設定され、メダル点減算数=1、持点加算数=1、計数中=ONを含む状態情報要求がCU3へ送信される。CU3は、これを受けて、持点を0から1、2、3、4、5と加算更新する。その後、持点が5点になった段階で、第1表示器54へのメッセージ表示を終える。その後、持点5点を用いた持点を精算して持点共有処理が終了する。
【0370】
以上、説明したように、本実施の形態によれば、メダル点の更新条件が成立したときには疑似メダル124の移動が検出されたことを条件にしてメダル点が更新される。このため、メダル払出式のスロットマシンのメダルの払出あるいはメダルの投入(回収)に対応する動作を擬似的に行なうことができる。
【0371】
特に、本実施の形態では、疑似メダル124が移動する様子を遊技者が視認できるのであり、かつ、疑似メダル124の移動とメダル点の更新とが完全に連動しているため、疑似メダル124の動きとメダル点の更新表示の様子との間に齟齬が生じず、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
【0372】
また、本実施の形態では、所定個数の疑似メダル124が配置された回転体123を回転駆動することによって疑似メダル124を繰り返し回転移動させるものであって、所定個数の疑似メダル124を繰り返し使用することができるため、低コスト化を図ることができる。
【0373】
さらに、本実施の形態では、疑似メダル124が検出される時間間隔が基準範囲外である場合には所定のエラー処理が実行されるため、たとえば、疑似メダルユニット120、121での疑似メダル124の移動とは無関係に、疑似メダルユニットから出力される検出信号と同様の信号を遊技機あるいはCUに入力することで持点を不正に加算更新させるような不正行為を極力防止できる。
【0374】
また、本実施の形態では、電源投入時には疑似メダルユニット120、121内の回転体123を所定の初期位置にまで移動させ、疑似メダル124を移動する条件が成立した場合にはその位置から回転体123を開始させるため、電源投入後に疑似メダル124の移動が検出されるまでの時間を一定にすることができる。
【0375】
<変形例や特徴点など>
次に、以上説明した実施の形態における変形例や特徴点等を以下に説明する。
【0376】
(1) メダル点精算スイッチ11を短押し操作すると1点あるいは2点などの比較的少数の点数が持点に変換され、短押し操作時間以上、スイッチを押し続けると、その時間の経過に伴い、メダル点の計数変換が加速度的に実行され、スイッチから手を離すと計数変換動作が停止するように制御してもよい。
【0377】
たとえば、このように、遊技者がメダル点の一部を計数変換し易くすることによって、ゲームとゲームの途中で、一旦、メダル点の一部を持点に変換してしまうことがし易くなる。また、このとき、メダル点精算スイッチ11の操作によって計数変換された持点数が所定数以上に達する毎に、ドル箱を積み上げるような表示を表示器312、第1表示器54、第2表示器55のいずれかにするようにして、遊技者の達成感を盛り上げるようにしてもよい。
【0378】
(2) 加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニット121は、主制御部161に接続してもよい。あるいは、これらをCU3側に接続してもよい。
【0379】
(3) T−BOX400と、遊技機メーカ各社のサーバとを接続し、CU3の通信制御部326は、T−BOX400経由で各社のサーバーから必要な機種関連情報を入手するようにしてもよい。あるいは、ホール内に機種関連情報を記憶するためのサーバを設置し、これにCU3を接続し、サーバがホール外部のネットワークで遊技機メーカ各社のサーバと接続されるように構成してもよい。また、CU3の通信制御部326は、T−BOX400経由でサーバー600と通信するのでなく、T−BOX400を介さずにサーバー600と通信するようなネットワーク構成を採用してもよい。
【0380】
(4) CU3およびS台2Sは、カード残高や貯メダル、持点からクレジットに変換する処理を行なうようにしてもよい。
【0381】
(5) 前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果となったか否かを判定する遊技結果判定手段による判定対象としての特定遊技結果(自動精算条件)の一例として、ビッグボーナスの終了を例に挙げて説明した。しかしながら、自動精算条件は次のいずれにも適用可能であり、あるいは、いずれか2つ以上を組合せたものとすることも可能である。
【0382】
すなわち、自動精算条件としては、レギュラーボーナスの終了、レギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態の終了、メダル点数が所定の制限値に達したこと、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル点数(メダル点数のうち、入賞の発生により加算されたメダル点数)が所定の制限値に達したこと、同一遊技者(カードIDが同じ)による連続した遊技の回数(ゲーム数)が所定の制限回数に達したこと、同一遊技者(カードIDが同じ)による連続した遊技時間が所定の制限時間に達したこと、営業終了時刻になったこと、同一遊技者(カードIDが同じ)による遊技によってビッグボーナス等の特別遊技状態が発生した回数が制限回数に達したこと、などを例示できる。
【0383】
(6) S台2Sに主制御基板16と接続されるサブ基板を設けて、サブ基板に搭載したサブ制御部が主制御部161の指令に従って、スピーカ52、53や各種の演出用のランプなどを制御するようにしてもよい。
【0384】
(7) 持点を直接、賭数設定に使用できるようにしてもよい。たとえば、持点使用スイッチをさらにS台2SあるいはCU3に設けて、そのスイッチを操作することによって、CU3は持点を賭数操作分だけ減算する一方、S台2Sは賭数を追加する。
【0385】
(8) 賭数が設定されている状態で、メダル点精算スイッチ11の操作が検出された場合、賭数設定分に加えて、全クレジットがメダル点に変換されるようにしてもよい。
【0386】
(9) 疑似メダルユニット120、121の回転体123は、外周上に玉などの所定物体を所定間隔で配置するための配置部が形成された1枚の円盤部材であってもよい。また、所定物体は、回転体に対して着脱自在に取り付けるようにしても、あるいは、回転体と一体成形したものであってもよい。
【0387】
(10) 本実施の形態では、疑似メダルの動きが遊技者に見えるようにした。これにより、実際の疑似メダルの動きが持点の減算更新あるいは加算更新の表示に反映されている様子を遊技者に見せることができ、持点が更新表示される様子と疑似メダルの移動との間に齟齬が生じない。
【0388】
しかしながら、疑似メダルの動きが遊技者から見えないように、本実施の形態において遊技機前面に設けたようなスリットのような窓は設けないようにしてもよい。あるいは、窓部分にシャッターを設けて、視認可能な状態と視認不可能な状態とに切換え可能としてもよい。さらにその切換え操作は遊技場の管理者が可能で遊技者には不可能とするために切換え操作部を遊技機の内部に設けたり、あるいは、管理者が携帯する管理装置からのコマンド信号でシャッターが開閉するものとしてもよい。
【0389】
(11) 疑似メダルユニットは、加算用と減算用との2つを設ける他、メダル点の更新条件別(図8、図9参照)に複数を設けてもよい。
【0390】
(12) 疑似メダルユニットは、回転体123の回転により所定物体を移動させる構造のものに限られない。たとえば、疑似メダルユニット内に所定物体を循環移動させるための循環通路を形成するとともに、循環通路の所定箇所に所定物体を検出するセンサを設ける。そのような疑似メダルユニット内に所定個数の所定物体を封入する。なお、この場合、所定物体を上方から下方へ落下させた後にスクリューなどの揚送機構で再び上方へ所定物体を送り込むようにして所定物体の移動を実現することなどが考えられる。あるいは、循環通路一杯に所定物体を一列封入した状態として、循環通路の所定箇所に所定物体を一方向へ送るような送り機構を設けることも考えられる。
【0391】
(13) 疑似メダルは加算および減算の一方の場合にのみ、移動させるものとしてもよい。つまり、本実施の形態における加算用の疑似メダルユニット120と減算用の疑似メダルユニット121とのうちの一方のみを設けるものとしてもよい。
【0392】
(14) 本実施の形態では、クレジットの更新表示は、疑似メダルの移動・検出が条件とされない。しかしながら、クレジットの更新表示も疑似メダルの移動・検出を条件とするようにしてもよい。この場合、メダル点用とは別のクレジットのための疑似メダルユニットを遊技機に設けてもよい。
【0393】
(15) また、上記循環通路は、疑似メダルユニットというユニット内に設けるのではなく、P台の発射玉用の循環経路のごとく、遊技機内に設けられるようにしてもよい。あるいは、パチンコ遊技機(以下、P台とも称する。)の場合には、発射玉用の循環経路の一部に疑似メダル用の循環経路に連絡する連絡部を設けて、その連絡部を開閉することによって、発射玉を疑似メダルとして取り込むようにしてもよい。たとえば、疑似メダル用の循環経路内の疑似メダルが満タンであるか否かを検出するための疑似メダル満タンセンサを設けて、満タン検出がされるまで前記連絡部を開放し、満タン検出がされた段階で前記連絡部を閉成する制御を払出制御部17あるいは主制御基板が実行するものとしてもよい。
【0394】
(16) また、循環経路の所定箇所には必要に応じて疑似メダルを排出・投入可能な排出・投入部を設けてもよい。
【0395】
(17) メダル点の加算条件が成立すると、遊技機は、循環経路内の複数の疑似メダルのうち、加算するメダル点数に応じた数の疑似メダルを循環経路内の所定の第1の箇所から第2の箇所へと移動させるとともに、クレジット数との関係を考慮し、記憶しているメダル点を加算更新し、かつ、メダル点を加算するための応答コマンドをCUへ送信する。CUは、記憶しているメダル点数を加算更新するようにしてもよい。
【0396】
(18) また、メダル点の減算条件が成立すると、遊技機は、循環経路内の複数の疑似メダルのうち、減算するメダル点数に応じた数の疑似メダルを循環経路内の前記第2の箇所から前記第1の箇所へと移動させるとともに、クレジット数との関係を考慮し、記憶しているメダル点を減算更新し、かつ、メダル点を減算するための応答コマンドをCUへ送信する。CUは、記憶しているメダル点数を減算更新するようにしてもよい。
【0397】
(19) なお、減算条件が成立した場合にも、加算条件が成立した場合と同じく、第1の箇所から第2の箇所へと疑似メダルと移動させるものとしてもよい。あるいは、加算条件が成立した場合にのみ、疑似メダルの移動を行なうものとしてもよく、または、減算条件が成立した場合にのみ、疑似メダルの移動を行なうものとしてもよい。
【0398】
(20) さらに、前記第1の箇所と前記第2の箇所との間には所定物体を移動させるための移動通路を複数条設けておけば、1回の加算条件あるいは減算条件の成立で更新すべきメダル点の更新数が多い場合(たとえば、メダル点からクレジットへの変換に基づく減算数が多い場合)に、メダル点の更新数に対応する疑似メダルを速やかに移動させることができる。その結果、メダル点の更新表示が終了しているにも関わらず疑似メダルの移動が延々と続くような違和感のある動作になることを防止できる。
【0399】
(21) また、前記第1の箇所と前記第2の箇所とが鉛直方向上部と下部との関係になるように配置すれば、前記第1の箇所から前記第2の箇所へと所定物体を自重による自然落下させることができ、疑似メダルの移動機構を単純化できる。この場合には、メダル点の加算更新および減算更新の双方共に疑似メダルを前記第1の箇所から前記第1の箇所へと流下させるものとする。または、メダル点の加算更新とメダル点の減算更新との一方の場合にのみ、疑似メダルを前記第1の箇所から前記第1の箇所へと流下させるものとしてもよい。あるいは、メダル点の加算更新用の流下経路と、メダル点の減算更新用の流下経路とを別個に設けて、加算更新視認用の透視窓と、減算更新視認用の透視窓をそれぞれ設けてもよい。
【0400】
(22) 特に、上記所定物体として遊技球を用いた場合には、その形が球形であることから所定物体としてメダルを用いた場合よりも所定物体の循環をスムーズに行なえる。また、遊技球としては、遊技店でごく普通に用いられるパチンコ玉を採用することが考えられる。この場合、たとえば、遊技機がS台の場合、スロットマシンのメダル1枚の価値(メダル点=1の価値)に対してパチンコ玉5球が対応するものとすれば、メダル点数が更新される場合には更新メダル点数の5倍のパチンコ玉を第1の箇所と第2箇所との間で移動させることになる。また、第1の箇所と第2の箇所との間に設けた透視窓から視認されるパチンコ玉は、専ら、メダル点の更新が行なわれていることを遊技者に示すための“見せ玉”として機能することになる。
【0401】
(23) また、上記の例では、メダル点方式を採用しつつも、所定物体を所定方向へ移動させることに連動してメダル点を更新させるようなスロットマシンを採用することを説明したが、メダルあるいは遊技玉といった所定物体に代えて、その移動に連動してメダル点を更新させるための専用の物体(たとえば、一般的なパチンコ玉とは異なる材質から成る球形物体など)を採用してもよい。
【0402】
(24) 疑似メダルユニットは、加算用と減算用との2つに分けるのではなく、双方を兼用する加減算用ユニットとしてもよい。この場合には、CUあるいは遊技機の一方に疑似メダルユニットを設けることで事足りる。もちろん、CUと遊技機とのうちの一方のみに加減算用ユニットを設けて、他方には疑似メダルユニットを設けない構成、他方にも加減算用ユニットを設ける構成、他方には加算用と減算用との2つの疑似メダルユニットを設ける構成、のいずれを採用してもよい。
【0403】
(25) 疑似メダルユニットとして、兼用型の加減算用ユニットを採用した場合には、メダル点を加算するときと減算するときとで疑似メダルの移動方向を異ならせるようにしてもよい。これにより、疑似メダルの移動方向を確認することで、メダル点加算であるかメダル点減算であるかを特定可能となる。あるいは、疑似メダルの移動方向は共通で、移動速度などを異ならせるようにしてもよい。
【0404】
(26) 疑似メダルユニットとして、兼用型の加減算用ユニットを採用した場合には、メダル点の加算条件と減算条件とがともに成立した場合の制御方法が問題になる。このような場合には、たとえば、一方を先に処理し、他方をその後に処理することが考えられる。その場合、一方の処理を終えてから他方の処理を開始するまでの間に一定の休止期間を設けて、一方の処理と他方の処理とを区別できるようにするのが望ましい。
【0405】
(27) メダル点の加算条件と減算条件とがともに成立した場合、加算条件成立による加算点と減算条件成立による減算点との差を算出し、その算出点だけ疑似メダルユニットで疑似メダルを移動させるようにしてもよい。この場合、加算用の疑似メダルユニットと減算用の疑似メダルユニットとを設ける場合には、いずれか一方のみを稼動すれば事足りることになる。一方、兼用型の加減算用ユニットを採用した場合には、疑似メダルの移動数を少なくすることができる。
【0406】
(28) 本実施の形態では、点数1つに対して疑似メダルを1つ移動させるようにしたが、1点に対して疑似メダルを複数移動させるものとしてもよい。あるいは、複数点に対して疑似メダルを1つ移動させるものとしてもよく、複数点n1に対して疑似メダルを複数個n2(n1≠n2)移動させるものとしてもよい。
【0407】
(29) 疑似メダルユニットを稼動させる条件のうち、CU側で発生する条件としては、残額の引き落とし、貯メダル再プレイ操作などが該当する。上記実施の形態では、これらの条件が成立した場合には、CU側からS台に対してメダル点の変動を要求するコマンドが送信される。しかしながら、これらの条件の成立に関する操作信号はすべて疑似メダルユニットを備えるS台側の払出制御部へ入力されるようにしてもよいそのようにすると、CUからS台へ送信するコマンドの一部を不要とすることができる。
【0408】
(30) 本実施の形態では、メダル点を所定点だけ更新する場合には、疑似メダルユニットでその所定点に対応する疑似メダルの移動が検出されたことを条件にメダル点数の表示を前記所定点だけ更新させた。しかしながら、これに代えて、メダル点を所定点だけ更新するために疑似メダルユニットで1つ目の疑似メダルが検出された段階で早々とメダル点の表示を所定点だけ更新させるようにしてもよい。
【0409】
(31) また、本実施の形態では、疑似メダルユニットで疑似メダルの移動が検出されるたびにメダル点数カウンタ、メダル点加算・減算数カウンタを更新し、疑似メダルユニットが未だ稼動途中であっても、レスポンスを返信できるタイミングになった段階で、それまでに更新されているメダル点加算・減算数カウンタの値をCUへ送信する。そして、一旦、メダル点加算・減算数カウンタの値を0クリアし、続いて疑似メダルユニットの稼動により検出される疑似メダルに基づいて再度、メダル点加算・減算数カウンタの値を更新し、次のレスポンスの送信タイミングにおいて、それらのカウンタの値を送信する。その結果、メダル点の更新表示が徐々に(レスポンスがCUへ到着する毎に)行なわれることになる。しかしながら、このような制御に代えて、疑似メダルユニットで予定されているすべての疑似メダルの移動が完了するまでメダル点加算・減算数カウンタの値を0クリアすることなく更新し続けるとともにその値をレスポンスとして送信することを控え、すべての疑似メダルの移動が完了した段階でメダル点加算・減算数カウンタの値を反映させたレスポンスをCUへ送信するようにしてもよい。
【0410】
(32) 加算用疑似メダルユニットの疑似メダルの回転方向と減算用疑似メダルユニットの疑似メダルの回転方向とが逆方向になるように各ユニットを制御するようにして、それぞれが加算および減算に関わるものであることを理解し易いようにしてもよい。
【0411】
(33) 疑似メダルの移動検出数を累積記憶するための累積記憶手段(カウンタ)をCUあるいは遊技機に設けてもよい。また、その累積記憶手段の記憶に基づいて算出されるメダル点数と、実際のメダル点数とを比較判定する比較判定手段をCUあるいは遊技機に設けてもよい。さらに、比較判定手段の判定結果を報知(表示器への表示や報知音の発生)する報知手段をCUあるいは遊技機に設けてもよい。このような比較判定手段を設けることによって、疑似メダルの移動を伴うことなく不正にメダル点を加算更新させるような不正の有無を発見できるようにしてもよい。なお、以上の各手段は、CUあるいは遊技機と通信可能に接続される管理装置(ホール管理コンピュータなど)に設けるようにしてもよい。
【0412】
(34) S台においてリプレイが発生した次回のゲームでは、自動的に賭数設定されるが、この賭数についてはキャンセル操作あるいはBET数を減少する操作をしても操作が受付けられないようにしてもよい。これにより、リプレイが発生したときにキャンセル操作などをすることによって遊技者に対して再ゲームと異なる利益が付与されてしまう不都合を防止できる。
【0413】
(35) 賭数設定をキャンセルするための専用のキャンセルボタンを設けるようにしてもよい。この場合、キャンセルボタンを1回操作する毎に、現在設定されている賭数が1つづつ減少する一方、キャンセルボタンを長押し操作(所定時間以上、押しっぱなし)することによって現在設定されている賭数のすべてが取り消されるものとしてもよい。あるいは、これに代えて、キャンセルボタンを操作することによって、現在設定されている賭数のすべてが取り消される一方、3BETされている状態で1枚BETスイッチを押すことによって3BETが1BETに減少されるようにしてもよい。あるいは、現在設定されている賭数のすべてを取り消すためのキャンセルボタンに加えて、設定されている賭数を1つだけ減少させる賭数減少ボタンを設けてもよい。
【0414】
(36) 本実施の形態は、第1得点を第2得点に変換する場合に前記移動手段による前記所定物体の移動を開始させ、前記移動検出手段により持点変換量に対応する所定回数の前記所定物体の移動が検出された場合に前記移動手段による前記所定物体の移動を停止させる移動制御手段を含む。また、本実施の形態では、遊技者所有の遊技用価値を所定の第1持点(メダル点)に変換可能な遊技用装置と、前記第1持点から遊技に使用するために変換された第2持点(クレジット)による遊技が可能であり前記遊技用装置と通信可能に接続される遊技機とを備える遊技用システムであって、前記第1持点を前記第2持点に変換する変換手段と、第1持点を表示する第1持点表示手段と、第2持点を記憶する第2持点記憶手段と、前記第2持点記憶手段に所定点以上の前記第2持点が記憶されていることに基づいて前記遊技機の遊技制御を行なう遊技制御手段と、所定物体を移動させるための移動手段と、前記所定物体の移動を検出する移動検出手段と、前記第1持点を前記第2持点に変換する場合に前記移動手段により前記所定物体を移動させる移動制御手段と、前記所定物体の移動が前記移動検出手段により検出されたことに基づいて、前記第1持点を前記第2持点に変換するために用いる点数を、前記第1持点表示手段が表示している第1持点から減点する第1持点表示更新手段とを備える、遊技用システムを含む。
【0415】
(37) 前述の実施の形態の内容は、スロットマシンばかりでなくパチンコ遊技機のような遊技機にも適用できる。
【0416】
ここに、パチンコ遊技機とは、記録媒体(カード)を受付けて該記録媒体に記録されている記録情報により特定される遊技者所有の有価価値(プリペイド残高、あるいは貯玉数)を遊技に使用可能にする遊技用装置(カードユニット3)と通信する通信部を備え、遊技領域に遊技媒体を発射して遊技が行なわれる遊技機である。
【0417】
また、他の表現をすれば、パチンコ遊技機とは、持点による遊技が可能であり、遊技領域に遊技媒体を発射して遊技が行なわれ、遊技者所有の遊技用価値を用いて持点を加算する遊技用装置と通信する通信部を備え、入賞の発生に応じて持点が加算される遊技機である。
【0418】
(38) CUのコマンド送信間隔を変更可能としたもよい。たとえば、CUに設けた送信間隔切換え用のスイッチを操作することによって、コマンドの送信間隔を細やかに変更設定可能とすることが考えられる。この場合、CUには、予め複数種類の送信間隔データ記憶したテーブルを設けておき、スイッチ操作に応じた送信間隔がそのテーブルから選択されるようにする。あるいは、CUは、管理コンピュータからの切り替え指令に応じて送信間隔を切り替え可能としてもよい。なお、送信間隔の切り替えは、たとえば、CUとS台とで通信を開始する際の相互認証時に行なわれるようにしてもよい。
【0419】
(39) 本実施の形態には、「遊技用価値を用いて1ゲームに対して賭数を設定することによりゲームが開始可能になるとともに、複数種類の図柄を可変表示させる可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置の表示結果として所定の入賞ライン上に導出表示された図柄の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、前記可変表示装置に表示結果が導出されるより前に前記入賞を発生させる入賞図柄の組合せの前記入賞ライン上への導出を許容するか否かを決定する事前決定手段と、前記可変表示装置に表示結果を導出させるための操作を受け付ける導出操作受付手段と、前記事前決定手段の決定結果および前記導出操作受付手段が受け付けた操作に応じて、前記可変表示装置に表示結果を導出させる制御を行なう導出制御手段と、前記入賞を発生させる入賞図柄の組合せのうち遊技用価値の付与を伴う付与入賞図柄の組合せが前記入賞ライン上に導出されたときに、所定量の遊技用価値を遊技者に付与する遊技用価値付与手段とを含む、スロットマシン。」が開示されている。
【0420】
(40) 本実施の形態に係るスロットマシン2Sは、予め内部抽選に当選し、かつ、いわゆる目押しによって当選図柄を停止させることによって入賞が発生する。しかしながら、このようなスロットマシンに代えて、必ず内部抽選どおりの結果が可変表示装置に停止表示されるようなスロットマシンであってもよい。この場合、停止操作をしなくとも所定時間の経過で各リールが次々と自動停止していくようなスロットマシンとしてもよく、あるいは、各リール別に停止操作ボタンを設けながらも、どのようなタイミングで停止操作をしても必ず内部抽選どおりの結果が停止表示されるようなスロットマシンとしてもよい。
【0421】
このように、必ず内部抽選どおりの結果が停止表示するようなスロットマシンを採用した場合には、内部抽選が実行された段階で既に入賞の有無および入賞に基づいて加算すべき点数(クレジットまたはメダル点)が確定する。そこで、たとえば、内部抽選をリールのスタート操作が検出されたときに実行する場合には、そのスタート操作の時点で賭数設定による減点数と入賞に応じた加点数とが確定することになる。このような場合、S台は、賭数設定に伴う減点数を送信する際に併せて入賞に応じた加点数を送ってもよい。つまり、加点数のデータを実際の入賞の発生タイミングよりも早い段階で送信するようにしてもよい。
【0422】
さらに、CUは、遊技終了操作に応じて、カードを排出(返却)するのではなく、持点を特定可能な所定のチケットやトークンなどを排出するようにしてもよい。
【0423】
(41) 可変表示装置は回胴ではなく液晶表示装置などの画像表示装置によって構成してもよい。
【0424】
(42) 本実施の形態においては、持点数やメダル数、クレジット数などの点数をCU側に設けた表示器312とS台側に設けた第1表示器54との双方により表示しているが、いずれか一方にのみ表示するようにしてもよい。CU側の表示器により表示する場合には、表示部のないS台にも、本実施の形態におけるCUを適用してそれらの点数の表示ができるというメリットがある。一方、S台側で点数を表示する場合には、その表示制御をCU側で行なってもよい。
【0425】
(43) あるいは、その表示制御をS台側で行なってもよい。表示制御をS台側で行なう場合には、表示すべき点数の情報をCU側からもらい受けるようにすることによって、第1表示器54にはCUで管理している持点数を表示することが可能となる。また、このように、表示制御をS台側で行なうと、装飾的(演出的)価値の高い点数の表示を行なうことが可能になるというメリットがある。なお、表示制御をS台側で行なう場合、表示すべき点数の情報をCU側からもらい受けるのではなく、S台自身が記憶している持点数カウンタの値に基づいて、点数の表示制御をするものとしてもよい。
【0426】
(44) カードユニット3をS台2Sの内部に組込むように構成してもよい。この場合には、S台2Sにカードの挿入口や排出口、その他、図1に示したCU3の各種の操作ボタンが設けられることになって、カードユニット付きあるいはカードユニット機能付のS台となる。
【0427】
(45) 従来のS台にはクレジット機能が設けられており、これが有効になっているときには、賭数を設定するとクレジットが減算され、入賞が発生するとクレジットが加算される。ただし、クレジットには上限が定められており、クレジット数が上限値に達している状態で入賞が発生すると、ホッパーからメダルが払い出される。一方、本実施の形態に係るS台では、ホッパーを設ける必要がない。
【0428】
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
【0429】
(46) 本実施の形態では、精算操作(計数操作)によって、クレジットがメダル点に、メダル点が持点にそれぞれ変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、メダル点100点を変換した場合、そのうちの3点を差し引いた97点が持点に変換されるようにしてもよい。または、持点に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数のメダル点に変換されるようにしてもよい。このことはクレジットとメダル点との間でも同様である。
【0430】
(47) 持点を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CUに携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCUが認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持点に加算されるようにする。
【0431】
(48) 図3に示したメダル点精算スイッチ11、クレジット精算スイッチ12、メダル点使用スイッチ13のすべて、またはいずれか1つあるいは2つについて、CU側に設けてもよい。その場合のスイッチは、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
【0432】
(49) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、クレジットやメダル点が残っているときには、S台あるいはCU側の表示器にて精算を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、メダル点などが残っているときには、自動的に精算を開始するとともに、S台あるいはCU側の表示器にて、メダル点などが残っているために自動精算を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動精算が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
【0433】
あるいは、カード返却操作をしたときに、メダル点などが残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはS台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU側あるいはS台側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
【0434】
(50) 本実施の形態では、メダル点精算スイッチ11あるいはクレジット精算スイッチ12を短押し操作(所定時間未満操作)すると、第1の点数が計数され、長押し操作(所定時間以上操作)すると、全点数が計数変換される。これに代えて、スイッチを押圧している時間に応じた点数だけ、計数変換され、スイッチから手を離すと計数変換処理が終了するように構成してもよい。
【0435】
(51) メダル点が所定数以上(たとえば、600点以上)であるときに、所定数まで精算操作をすることを促すメッセージを表示するようにしてもよい。また、その精算操作が終わるまで、次回のゲームができないように制御してもよい。たとえば、スタートレバーを操作してリールが回転開始しない、あるいは、賭数設定が無効化される、などの制御によって遊技不能状態を実現できる。
【0436】
(52) 第1表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に第2表示器55あるいはCU3側の表示器312で行なうようにしてもよい。
【0437】
(1−1) 本発明は、得点(メダル点、クレジット)を用いて遊技が行なわれる遊技機(S台2S)であって、
前記得点を特定可能な情報を記憶する得点記憶手段(図5のメダル点数カウンタ、クレジット数カウンタ)と、
前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果(ビッグボーナスの終了)となったか否かを判定する遊技結果判定手段(図16のS61)と、
前記遊技結果判定手段により前記特定遊技結果になったと判定されたときに、前記得点記憶手段の記憶情報により特定される得点を前記得点記憶手段と別の記憶手段で記憶されるデータ(図5のCU3で記憶する持点)に変換するための変換処理を行なう変換処理手段(図16の自動精算処理)とを含む。
【0438】
上記の構成によれば、前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果になると遊技に用いられる得点が別のデータに変換されるため、特定遊技結果になれば遊技に用いられるクレジットなどが自動的にメダルなどの遊技媒体として排出されて精算段階に移行するような現状の遊技機と同様の動作を得点付与式の遊技機において再現することができる。その結果、旧来の遊技機に慣れている遊技者に混乱を与えることなく、遊技媒体を用いることがない得点付与式の新たな遊技機による遊技を提供できる。
【0439】
(1−2) 前記(1−1)の遊技機は、前記得点を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
遊技者所有の遊技用価値(残高、持点、貯メダル)を用いて遊技機による遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続されており、
前記遊技用装置からの要求に応じて、前記得点を加点する得点加点手段(図21、図22;状態情報要求(メダル点加算要求=ON)に応じて、S台はメダル点を加算)と、
前記得点を所定のクレジットに変換する得点変換手段(図13のメダル点精算処理)と、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定する賭数設定手段(図23のMAXBETスイッチ6の操作時、図24の1枚BETスイッチ5の操作時参照)とを含み、
前記変換処理手段は、前記遊技用装置において前記得点を精算用の持点に変換するための処理を行なう(図13のメダル点精算処理)。
【0440】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になると遊技に用いられる得点が精算用の持点に変換されるため、自動的に精算段階に移行したことを遊技者が理解しやすくなる。
【0441】
(1−3) 前記(1−2)の遊技機において、
遊技者所有の遊技用価値を特定可能な情報が記録された記録媒体(プリペイドカード、会員カード、ビジタカード、携帯端末)の受付(挿入、タッチ、翳し)要求があったことを示す受付要求情報(図20のカード挿入通知)、および前記遊技用装置において前記記録媒体が非受付状態になったことを示す非受付情報(図28のカード挿入状態=OFFを含む状態情報要求)を前記遊技用装置から受信する記録媒体情報受信手段と、
前記記録媒体情報受信手段が前記受付要求情報を受信したことを条件に遊技を許可し、前記記録媒体情報受信手段が前記非受付情報を受信したことを条件に遊技を禁止する遊技許否手段(図20および図28参照)とを含み、
前記変換処理手段は、前記遊技用装置において前記得点を精算用の持点に変換して当該持点を特定可能な情報が記録された前記記録媒体を前記非受付状態にすることを要求する情報を前記遊技用装置に送信する処理を行なう(図29の自動精算有=ON、打止有=ONを含む状態情報の送信)。
【0442】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になると、持点を特定可能な情報が記録された記録媒体が遊技用装置において非受付状態となることによって、遊技が禁止されるため、遊技を終える精算段階に移行したことを遊技者に理解させやすくなる。
【0443】
(1−4) 前記(1−3)に記載の遊技機であって、
前記遊技許否手段は、前記記録媒体情報受信手段が前記受付要求情報を受信したときでも、前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果となって前記記録媒体情報受信手段が前記非受付情報を受信したことを条件に遊技を禁止していたときには、遊技を許可しない(図29のシーケンス図の最後で、S台2Sは、遊技禁止をCU3に通知。)。
【0444】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になって持点を特定可能な情報が記録された記録媒体が遊技用装置において非受付状態となり、遊技が禁止されると、その後、その記録媒体の受付要求が送信されてきても遊技が許可されないため、変換処理後、再度、遊技者が遊技を行なうことを止めさせることができる。
【0445】
(1−5) 前記(1−2)に記載の遊技機であって、
前記変換処理手段により前記変換処理が行なわれたときに、遊技が不可能な遊技禁止状態に制御する遊技禁止手段(図29でS台2Sは、「遊技禁止状態」に制御)と、
前記遊技禁止状態を解除するための解除操作手段(図3の設定スイッチ56)と、
前記解除操作手段の操作が検出されたときに前記遊技禁止状態を解除する解除手段(図3の主制御部161)とを含む。
【0446】
上記の構成によれば、遊技の結果が特定遊技結果になって変換処理が行なわれると、解除操作がなされるまで遊技が禁止されるため、再度、遊技者が遊技を行なうことを止めさせることができる。
【0447】
(1−6) 前記(1−1)〜(1−5)のいずれかに記載の遊技機であって、
前記変換処理を行なうための変換操作手段(図3のメダル点精算スイッチ11、クレジット精算スイッチ12)を含み、
前記変換処理手段は、前記変換操作手段の操作に基づいて前記変換処理を行なう(図26、図27)。
【0448】
上記の構成によれば、特定遊技結果となったときばかりでなく、遊技者自らの意思によって変換処理を行なうことができる。
【0449】
(2−1) 本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(各リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(S台2S)であって、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(図3の1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
所定の遊技点(メダル点)を使用するための遊技点使用操作手段(図3のメダル点使用スイッチ13)と、
前記賭数が設定されているときの前記遊技点使用操作手段の操作による前記遊技点の使用により加点されるか(図7の「メダル点でのクレジット加算操作」)、または、入賞が発生したときに加点される(図7の「入賞(クレジット<50)」)クレジットを記憶するクレジット記憶手段(図5のクレジット数カウンタ)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定するとともに、賭数が設定されていないときの前記遊技点使用操作手段の操作により前記遊技点を減点して賭数を設定する賭数設定手段(図14のS54、図15のS461、図23〜図25参照)とを含む。
【0450】
上記の構成によれば、賭数設定操作手段の操作によりクレジットを消費して賭数設定できるのみならず、遊技点使用操作手段の操作により遊技点を消費して賭数設定することもできるため、クレジットを消費した賭数設定のみならず、メダルを1枚ずつ投入することによる賭数設定も可能とされる現状のスロットマシンと同様の動作を再現することができる。その結果、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0451】
(2−2) 前記(2−1)のスロットマシンであって、
遊技者所有の遊技用価値(カード残高、持点、貯メダル)を用いて前記遊技点(メダル点)を付与する遊技用装置(CU3)と通信可能に接続され、
前記遊技用装置に受け付けられた記録媒体(プリペイドカード、会員カード、ビジタカード、携帯端末)の記録情報により特定される遊技者所有の所定の持点の消費と引き換えにした前記遊技点の加点要求を受信する加点要求受信手段(図22の持点払出;メダル点加算要求=ONを含む状態情報要求を受信)と、
前記加点要求受信手段が前記加点要求を受信したときに前記遊技点を加点する遊技点加点手段(図22;加算用擬似メダルユニット120を駆動し、疑似メダル検出でメダル点を加算)とを含む。
【0452】
上記の構成によれば、遊技用装置に受け付けられた記録媒体の記録情報により特定される持点を消費して、現状のスロットマシンにおけるメダルの貸し出しに相当する遊技点の加点が行なわれるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0453】
(2−3) 前記(2−1)(2−2)に記載のスロットマシンであって、
前記賭数設定手段は、前記遊技点使用操作手段の1回の操作に基づいて賭数を1つ加算設定する(図24において、メダル点使用スイッチ13の1回の短押し操作で賭数加算数=1、図14のS54)。
【0454】
上記の構成によれば、遊技点使用手段の1回の操作に基づいて賭数が1つ加算設定されることによって、1回のメダルの投入操作により賭数が1つ加算設定される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0455】
(2−4) 前記(2−1)〜(2−3)のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記賭数設定手段は、前記遊技点使用操作手段の長押し操作と短押し操作とで1回の操作により加算設定する賭数を異ならせる(図24、図25)。
【0456】
上記の構成によれば、遊技点使用手段の長押し操作と短押し操作とで1回の操作により加算設定する賭数を異ならせることによって、複数枚のメダルを連続的に投入する操作で賭数が連続的に加算設定され、1枚のメダルのみを投入する操作で賭数が1つ加算設定される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0457】
(2−5) 前記(2−1)〜(2−4)のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記賭数設定手段は、前記遊技点使用操作手段の操作が検出されたとき、賭数が予め定めた最大賭数に達していないことを条件に前記遊技点を使用して賭数を設定し(図14のS49、S54、図15のS452)、
前記遊技点使用操作手段の操作が検出されたとき、賭数が前記最大賭数に達しておりかつ前記クレジットが予め定めた最大数に達していないことを条件に前記遊技点を前記クレジットに変換する変換手段(図14のS42、図15のS452、S463)を含む。
【0458】
上記の構成によれば、賭数が最大賭数に達していないことを条件にメダル投入で賭数が設定される一方、賭数が最大賭数に達しているときはクレジットが予め定めた最大数に達していないことを条件にメダル投入でクレジットが加算される現状のスロットマシンと同様の動作を実現できるため、このような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0459】
(3−1) 本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(S台2S)であって、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(図3の1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
所定の遊技点を使用するための遊技点使用操作手段(図3のメダル点使用スイッチ13)と、
前記賭数が設定されているときの前記遊技点使用操作手段の操作による前記遊技点の使用により加点されるか(図7の「メダル点でのクレジット加算操作」)、または、入賞が発生したときに加点される(図7の「入賞(クレジット<50)」)クレジットを記憶するクレジット記憶手段(図5のクレジット数カウンタ)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定する賭数設定手段(図23、図24参照)と、
前記クレジットを所定の持点に変換するためのクレジット変換操作手段(図3のクレジット精算スイッチ12に関する変形例として説明した図7の「クレジット精算の変形例」参照)と、
前記遊技点を前記持点に変換するための遊技点変換操作手段(図3のメダル点精算スイッチ11)と、
前記クレジット変換操作手段の操作が検出されたときに前記クレジットを前記持点に変換するための処理を行ない、前記遊技点変換操作手段の操作が検出されたときに前記遊技点を前記持点に変換するための処理を行なう変換処理手段(図13のメダル点精算処理、および図7の「クレジット精算の変形例」参照)とを含む。
【0460】
上記の構成によれば、記録媒体の記録情報により特定される持点を用いて遊技点が付与されるとともに、遊技点をクレジットに変換し、さらにはクレジットを用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを使用してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0461】
また、クレジット変換操作手段の操作でクレジットを持点に変換し、また、遊技点変換操作手段の操作で遊技点を持点に変換するため、精算ボタンを押してクレジットをメダルとして払出し、次に、その払い出されたメダルの計数操作によって計数結果を特定するような段階的操作を必要とする旧来のスロットマシンと同様に、最終持点特定のために段階的な操作が要求されるようになっている。その結果、より一層、旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることを防止できる。
【0462】
しかも、クレジット変換操作手段を操作すればクレジットが持点へ、遊技点変換操作手段を操作すれば遊技点が持点へ、それぞれ変換されるため、たとえば、遊技点が残っておらず、クレジットのみが僅かに残っているだけであるにも関わらずクレジットを一旦、遊技点に変換した上で、その遊技点を持点に変換するというような手間の係る操作をする必要がない。
【0463】
(3−2) 前記(3−1)に記載のスロットマシンであって、
賭数が設定されている状態で前記遊技点変換操作手段の操作が検出されたとき、賭数の設定をキャンセルして当該賭数相当の価値を前記遊技点に加算する遊技点加算手段(図8のメダル点加算条件4、図23参照)を含む。
【0464】
上記の構成によれば、遊技点変換操作手段の操作により賭数設定をキャンセルして遊技点として戻すことが可能であるために、賭数設定をキャンセルしたときに賭数相当のメダルが払い戻されるような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることがない。
【0465】
(3−3) 前記(3−1)(3−2)に記載のスロットマシンであって、
前記持点に変換するための処理の実行を所定の報知態様で報知する変換処理報知手段(図1および図3のスピーカ52、53、図13のS38、図27のメダル点精算音)を含み、
前記変換処理報知手段は、前記持点に変換するための処理の実行が前記クレジット変換操作手段の操作に基づくものであるか前記遊技点変換操作手段の操作に基づくものであるかで前記報知態様を異ならせる(たとえば、図26のクレジット精算音を図7の変形例に採用し、図27のメダル点精算音と異ならせるようにする)。
【0466】
上記の構成によれば、持点への変換が遊技点に基づいて行なわれたのかクレジットに基づいて行なわれたのかを報知態様によって特定できる。
【0467】
(4−1) 本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(S台2S)であって、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(図3の1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
所定の遊技点を使用するための遊技点使用操作手段(図3のメダル点使用スイッチ13)と、
前記賭数が設定されているときの前記遊技点使用操作手段の操作による前記遊技点の使用により加点されるか(図7の「メダル点でのクレジット加算操作」)、または、入賞が発生したときに加点される(図7の「入賞(クレジット<50)」)クレジットを記憶するクレジット記憶手段(図5のクレジット数カウンタ)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定する賭数設定手段(図23、図24参照)と、
前記クレジットを前記遊技点に変換するためのクレジット変換操作手段(図3のクレジット精算スイッチ12)と、
前記遊技点を所定の持点に変換するための遊技点変換操作手段(図3のメダル点精算スイッチ11)と、
前記クレジット変換操作手段の操作が検出されたときに前記クレジットを前記遊技点に変換するための処理を行ない、前記遊技点変換操作手段の操作が検出されたときに前記遊技点を前記持点に変換するための処理を行なう変換処理手段(図11のS17、S19、S20、図12のS191、S192、図13のメダル点精算処理)とを含む。
【0468】
上記の構成によれば、記録媒体の記録情報により特定される持点を用いて遊技点が付与されるとともに、遊技点をクレジットに変換し、さらにはクレジットを用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを使用してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルのような遊技媒体を用いることがない新たなスロットマシンによる遊技を提供できる。
【0469】
また、クレジット変換操作手段の操作でクレジットを遊技点に変換し、また、遊技点変換操作手段の操作で遊技点を持点に変換するため、精算ボタンを押してクレジットをメダルとして払出し、次に、その払い出されたメダルの計数操作によって計数結果を特定するような段階的操作を必要とする旧来のスロットマシンと同様に、最終持点特定のために段階的な操作が要求されるようになっている。その結果、より一層、旧来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることを防止できる。
【0470】
(4−2) 前記(4−1)のスロットマシンであって、
賭数が設定されている状態で前記遊技点変換操作手段の操作が検出されたとき、賭数の設定をキャンセルして当該賭数相当の価値を前記遊技点に加算する遊技点加算手段(図8のメダル点加算条件4、図23参照)を含む。
【0471】
上記の構成によれば、遊技点変換操作手段の操作により賭数設定をキャンセルして遊技点として戻すことが可能であるために、賭数設定をキャンセルしたときに賭数相当のメダルが払い戻されるような現状のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることがない。
【0472】
(4−3) 前記(4−1)(4−2)に記載のスロットマシンであって、
前記クレジットを前記遊技点に変換するための処理の実行と前記遊技点を前記持点に変換するための処理の実行とを所定の報知態様で報知する変換処理報知手段を含み(図1および図3のスピーカ52、53、図13のS38、図27のメダル点精算音)、
前記変換処理報知手段は、前記クレジットを前記遊技点に変換するための処理の実行と前記遊技点を前記持点に変換するための処理の実行とで前記報知態様を異ならせる(たとえば、図26のクレジット精算音、図27のメダル点精算音)。
【0473】
上記の構成によれば、クレジットが遊技点に変換されたのか遊技点が持点に変換されたのかを報知態様によって特定できる。
【0474】
(5−1) 本発明は、遊技者所有の遊技用価値(カード残高、貯メダル、持点)を用いた遊技を可能にするとともに前記遊技用価値の使用情報を所定の情報収集装置(T−BOX400)へ送信する通信部(通信制御部326)を備える遊技用装置(CU3)と通信可能に接続され(図3、図4の接続部328で通信ケーブル329により接続)、前記遊技用価値を用いて遊技が行なわれる遊技機(S台2S)であって、
前記遊技用装置が前記通信部を介して取得した前記遊技機の機種に対応する機種関連情報(図4に示した機種のキャラクタ画像、入賞絵柄の説明など)を前記遊技用装置から受信する機種関連情報受信手段(図3、図4の接続部328)と、
前記機種関連情報受信手段が受信した前記機種関連情報を表示する表示手段(図1〜図3の第2表示器55)とを含む。
【0475】
上記の構成によれば、通信により得られた機種関連情報を表示できるために、特定の機種関連情報が予め描かれた表示パネルを遊技機に設けた場合よりも多種多様な機種関連情報を遊技者に知らせることができる。しかも、機種関連情報は、遊技用装置に設けられた情報収集装置との通信部および遊技機と遊技用装置との既存の接続構成を利用して取得できるため、外部の装置と通信して機種関連情報を得るための専用の通信部を遊技機に設ける必要がなく、遊技機のコストダウンを図ることができる。
【0476】
(5−2) 前記(5−1)に記載の遊技機であって、
前記遊技機の機種を特定可能な機種特定用情報(図3の遊技機チップ情報)を記憶する機種特定用情報記憶手段(図3の払出制御部171、主制御部161)と、
前記遊技用装置へ前記機種特定用情報を送信する機種特定用情報送信手段(図4の払出制御部171)とを含む。
【0477】
上記の構成によれば、遊技用装置に対して遊技機に記憶された機種特定用情報を送信することによって、遊技機の機種を遊技用装置に特定させ、特定した機種に対応する機種関連情報を遊技用装置に取得させることが可能となるため、遊技機の機種をわざわざ遊技場の係員などが遊技用装置に入力するなどの手間を省くことができる。
【0478】
(5−3) 前記(5−1)(5−2)に記載の遊技機であって、
前記遊技用装置が備える表示制御手段(図4の表示制御部350)が前記表示手段を表示制御するための表示制御信号を入力する表示制御信号入力手段(図4の接続部328)を含む。
【0479】
上記の構成によれば、表示手段は遊技用装置が表示制御するため、表示制御に関する遊技機側の処理負担を軽減できる。
【0480】
(5−4) 前記(5−3)に記載の遊技機であって、
前記遊技用装置からの要求に応じて、遊技に用いる遊技点(メダル点)を加点する遊技点加点手段(図3の払出制御部171、図21のプリペイド貸出処理等)と、
前記遊技点を表示する遊技点表示手段(図1〜図4の第1表示器54)とを含み、
前記表示制御信号入力手段は、前記遊技用装置が備える表示制御手段が前記遊技点表示手段を表示制御するための表示制御信号をさらに入力する(図3、図4)。
【0481】
上記の構成によれば、遊技点を表示できるために遊技者の利便性が増すとともに、表示手段および遊技点表示手段の双方ともに遊技用装置が表示制御するため、表示制御に関する遊技機側の処理負担を軽減できる。
【0482】
(5−5) 前記(5−4)に記載の遊技機は、前記遊技点を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(S台2S)であって、
前記遊技点を所定のクレジットに変換する遊技点変換手段(図14のメダル点使用処理)と、
賭数を設定するための賭数設定操作手段(図3の1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6)と、
前記遊技点を使用するための遊技点使用操作手段(図3のメダル点使用スイッチ13)と、
前記賭数設定操作手段の操作に基づいて前記クレジットを減点して賭数を設定する賭数設定手段(図23のMAXBETスイッチ6の操作による処理、図24の1枚BETスイッチ5の操作による処理)と、
前記遊技点使用操作手段の操作が検出されたときに、前記遊技点を前記クレジットに変換するか、前記遊技点を使用して賭数を設定するかを決定する遊技点使用態様決定手段(図14のS49)とを含み、
前記遊技点変換手段は、前記遊技点使用態様決定手段により前記遊技点を前記クレジットに変換することが決定されたとき、前記遊技点を前記クレジットに変換し(図14のS50)、
前記賭数設定手段は、前記遊技点使用態様決定手段により前記遊技点を使用して賭数を設定することが決定されたとき、前記遊技点を減点して賭数を設定し(図14のS54)、
前記遊技点表示手段は、前記可変表示装置と前記賭数設定操作手段との間に設けられて前記クレジットをさらに表示し(図1の第1表示器54にクレジットを表示)、
前記表示手段は、前記遊技機の前面の下方位置に設けられ、機種に対応するキャラクタを表示する(図1、図4)。
【0483】
上記の構成によれば、遊技点およびクレジットを表示する遊技点表示手段が可変表示装置と賭数設定操作手段との間に設けられることで、ゲーム中の遊技者が遊技点およびクレジットを見易くなる。また、機種に対応するキャラクタを表示する表示部は、前面の下方位置に設けられており、従来のスロットマシンの下パネル部分を有効活用することができる。
【0484】
(6−1) 本発明は、1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置(リール2L,2C,2R)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて得点が付与される入賞が発生可能とされるスロットマシン(S台2S)であって、
前記得点を表示する表示手段(図3の第1表示器54)と、
入賞が発生したときに入賞信号(図17のメダル点加算数の情報)の出力動作を開始し、入賞に対応して加点する得点に応じて定めた払出対応期間(図17のt2〜t4)が経過したときに前記入賞信号の出力動作を終える入賞信号出力手段(図3の払出制御部171)と、
前記表示手段を表示制御するための表示制御信号を入力する表示制御信号入力手段(図3の接続部328)と、
前記可変表示装置に前記得点が付与される入賞の表示結果が導出表示されることにより1ゲームが終了したときに、前記払出対応期間の経過を条件に、次回のゲームを開始可能に制御するゲーム制御手段(図3の主制御部161、図17のベット禁止期間参照)とを含み、
前記表示手段は、前記払出対応期間をかけて入力される表示制御信号に従って前記得点を前記入賞に対応して加算すべき得点まで段階的に更新表示する(図17)。
【0485】
上記の構成によれば、入賞が発生したときに入賞に対応して加点する得点に応じて定めた払出対応期間をかけて入賞信号が出力されて得点の表示が更新されるとともに、その払出対応期間の経過を条件に次回のゲームが開始可能となるため、入賞の発生によりホッパーからメダルなどの遊技媒体を払い出すような従来のスロットマシンと同様、ある程度の時間をかけて入賞の発生に基づいた価値が付与されて、その後にゲームの開始が許可される動作を実現できる。その結果、払出対応期間の設定次第で、ホッパーを備えるスロットマシンと同様の入賞処理時間が経過してからようやく次のゲームが進行できるようにすることができる。その結果、単位時間当たりに実行可能なゲーム数が多くなることを防止できる。
【0486】
(6−2) 前記(6−1)に記載のスロットマシンであって、
前記入賞信号出力手段は、入賞に対応して加算する得点数に応じた数の入賞信号(図17のメダル点加算数)を前記払出対応期間をかけて1つずつ出力する(図17のメダル点加算数の送信)。
【0487】
上記の構成によれば、得点数に応じた数の入賞信号が1つずつ出力されるため、遊技用装置側の制御により、得点を1つずつ更新表示することが可能になる。
【0488】
(6−3) 前記(6−1)(6−2)に記載のスロットマシンであって、
前記表示手段における前記得点の段階的な更新表示に合わせて前記得点の更新音(図17の払出音)を出力する更新音出力手段(スピーカ52、53)を含む。
【0489】
上記の構成によれば、得点の更新表示に合わせて更新音が出力されるため、得点が更新されていることを遊技者がわかりやすくなる。
【0490】
(6−4) 前記(6−1)〜(6−3)のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記得点を所定のクレジットに変換する得点変換手段(図14のメダル点使用処理)と、
前記クレジットを所定の上限値まで記憶するクレジット記憶手段(図5のクレジット数カウンタ)と、
入賞が発生したときに前記クレジット記憶手段の記憶が前記上限値(50クレジット)に達していないことを条件にして前記クレジットを前記クレジット記憶手段に加点し、入賞に対応して定めた数のクレジットを前記クレジット記憶手段に加点すると上限値を超えるときには前記クレジット記憶手段に前記クレジットを前記上限値まで加点(50クレジットまで加算)するクレジット加点手段(図7の「入賞(クレジット<50)」)と、
前記クレジット記憶手段の記憶が前記上限値であるために前記クレジット加点手段により加点しきれなかったクレジットを、前記入賞に対応して加点する得点として設定する入賞得点設定手段(図7の「入賞(クレジット=50)」、図8の条件5、図11のメダル点加算処理のS11(加算目標値設定))とを含み、
前記入賞信号出力手段は、前記入賞得点設定手段の設定に基づいて前記入賞信号を出力する(図17のメダル点加算数送信)。
【0491】
上記の構成によれば、入賞が発生するとクレジットが上限値まで記憶され、その上限値に達して以降、入賞の発生による価値付与分が得点として加算されるため、入賞の発生によりクレジットが上限値まで記憶されてその上限値に達して以降は入賞の発生による価値付与分がメダルなどの遊技媒体として払い出される従来のスロットマシンと同様の動作を実現可能となる。その結果、より一層、遊技媒体が払い出される従来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることがない。
【0492】
(6−5) 前記(6−1)〜(6−4)のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記スロットマシンは、遊技者所有の遊技用価値(残高、持点、貯メダル)を用いて遊技機による遊技を可能にするための遊技用装置(CU3)と通信可能に接続され、
前記入賞信号出力手段は、前記入賞信号を前記遊技用装置へ出力し(図17のメダル点加算数の送信)、
前記表示制御信号入力手段は、前記遊技用装置が備える表示制御手段(図3の表示制御部350)から前記表示制御信号を入力する(図3)。
【0493】
上記の構成によれば、表示制御信号は、遊技用装置の表示制御手段によって出力されるのであり、表示手段の表示制御が遊技用装置によって行なわれるため、表示制御に関するスロットマシンの制御負担を軽減できる。
【0494】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0495】
2S スロットマシン、2L,2C,2R リール、3 カードユニット、5 1枚BETスイッチ、6 MAXBETスイッチ、11 メダル点精算スイッチ、12 クレジット精算スイッチ、13 メダル点使用スイッチ、16 主制御基板、17 払出制御基板、54 第1表示器、55 第2表示器、120 加算用擬似メダルユニット、121 減算用擬似メダルユニット、161 主制御部、171 払出制御部、326 通信制御部、327 接続部、328 接続部、350 表示制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
得点を用いて遊技が行なわれる遊技機であって、
前記得点を特定可能な情報を記憶する得点記憶手段と、
前記遊技機による遊技の結果が特定遊技結果となったか否かを判定する遊技結果判定手段と、
前記遊技結果判定手段により前記特定遊技結果になったと判定されたときに、前記得点記憶手段の記憶情報により特定される得点を前記得点記憶手段と別の記憶手段で記憶されるデータに変換するための変換処理を行なう変換処理手段とを含む、遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2013−56053(P2013−56053A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196504(P2011−196504)
【出願日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】