遊技機
【課題】遊技機のフラッシュ電飾演出に要するデータ量を削減する。
【解決手段】発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、電飾装置を、前記合成部の出力により点滅制御するようにしたので、輝度データ及びフラッシュデータを共用でき、輝度データとフラッシュデータを予め合成した最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減することができる。
【解決手段】発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、電飾装置を、前記合成部の出力により点滅制御するようにしたので、輝度データ及びフラッシュデータを共用でき、輝度データとフラッシュデータを予め合成した最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電飾装置を備えるスロットマシンやパチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の遊技機にはメダルの投入口が設けられており、遊技者は所定の枚数のメダルを投入してゲームを楽しむことができる。遊技に必要なメダルは、遊技ホール内に設けられたメダル貸機等で借りることができ、所望の遊技機のメダル投入口に投入することによりゲームを開始することができる。
【0003】
従来の遊技機の動作は次のようなものであった。
先ず、スタートスイッチが操作されることにより、スタートスイッチがONとなる。これを受けて遊技機内部の当選判定手段により抽選処理が行われる。ここで所定の役に当選すると当選フラグがセットされる。回転リールの回転が開始する。ストップスイッチが操作されることにより、ストップスイッチがONとなる。そして、対応する回転リールの回転が停止する。全部の回転リールに対応するストップスイッチの操作が行われた後、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。入賞が確定したと判定された場合、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0004】
抽選処理の評価が例えば外れの場合は所定の図柄が揃わないように設定され(いわゆる蹴飛ばし)、当たりの場合はストップスイッチが所定のタイミングで押下されることなどを条件に所定の図柄が揃うように設定される(いわゆる引き込み)。つまり、抽選処理において当選しているときのみ所定の条件の下で図柄が揃い入賞することにより、メダルが払い出されるが、当選しないときはストップスイッチをどのように操作してもメダルが払い出されることはない。これはメダルの払い出しを一定確率に保つためである。これを実現するため抽選処理において乱数発生器が用いられている。
【0005】
また、スロットマシンなどの遊技機は、演出表示を行うための発光ダイオードなどの発光素子を含む電飾装置(電飾)を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−130171号公報 オンオフのデューティ比により発光ダイオードの階調(輝度)を制御する。
【特許文献2】特開2006−095140号公報 可変抵抗器により発光ダイオードの点灯時に流れる電流の電流値を変更して、発光ダイオードの輝度を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遊技機の電飾を用いた演出には、電飾を比較的短い時間間隔(例えば0.2秒程度)で点滅させるフラッシュ演出がある。フラッシュ演出は非常に目立ち、遊技者に強くアピールできる演出である。
【0008】
一般的なフラッシュ演出は光源のオン(輝度100%)とオフ(輝度0%)のみで行うものであるが、遊技機には光源の輝度調整機能を有しているものがあり、オン(0<輝度≦100%)とオフ(輝度0%)を交互に行うことができる。すなわち、輝度を変化させつつ激しい点滅というフラッシュ演出を行うことができる。
【0009】
ところで、フラッシュ演出の構築にあたっては、輝度の変化の様子(例えば変化時間と変化の大きさ(傾き))が同じものであっても、フラッシュする間隔などが変われば新たに別のデータを作成する必要があった。すなわち、全く同一で無い限りデータテーブルを共用することができず、別々のデータを作成する必要がある。このため、フラッシュ演出の種類を増やすとデータ量が増加するという問題があった。
【0010】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、フラッシュ演出の種類を増やす場合でもデータ量の増加を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る遊技機は、発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されるものである。
【0012】
例えば、前記輝度データの前記パラメータは、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記輝度データは、前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、開始と終端の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すデータであり、前記フラッシュデータの前記パラメータは、前記電飾装置のオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記フラッシュデータは、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである。
【0013】
この発明に係る遊技機は、発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め記憶する輝度データ記憶部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め記憶するフラッシュデータ記憶部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されるものである。
【0014】
前記輝度データによる発光素子の輝度変化と前記フラッシュデータによる発光素子の点滅は所定のパターンの繰り返しを含み、
好ましくは、前記輝度データの繰り返し周期をT、前記フラッシュデータの繰り返し周期をTf1として、Tf1<Tとする。例えば、Tf1をTの略五分の一、又は、略四分の一とする。
【0015】
前記合成部は、例えば、前記輝度データと前記フラッシュデータを乗算する乗算器を含むものである。
【0016】
前記合成部は、例えば、前記輝度データの各ビットと前記フラッシュデータの論理積又は、前記輝度データの各ビットと前記フラッシュデータの論理反転したものの論理積を求める論理積回路を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、発光素子の輝度を指定する輝度データと発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを合成する合成部を備え、電飾装置を、前記合成部の出力により点滅制御するようにしたので、輝度データ及びフラッシュデータを共用しつつこれらを組み合わせることで多様な演出を提供できるとともに、輝度データとフラッシュデータを予め合成した最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】発明の実施の形態に係る電飾制御系統のブロック図である。
【図5】発明の実施の形態に係る電飾制御部の合成部の説明図である。
【図6】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの説明図である。
【図7】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図である。
【図8】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの説明図(タイミングチャート)である。
【図9】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【図10】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【図11】発明の実施の形態に係る電飾制御部の処理フローチャートである。
【図12】発明の実施の形態に係る電飾制御系統の他のブロック図である。
【図13】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータの説明図である。
【図14】発明の実施の形態に係る電飾制御系統の他のブロック図である。
【図15】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータの説明図である。
【図16】発明の実施の形態に係る輝度データ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。その両側にはアーチランプAHが設けてある。アーチランプAHは、その内部に設けられた発光素子(これは後述の電飾装置の発光素子に相当する)の点滅を通じて所定の演出を行うものである。
【0020】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0021】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0022】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0023】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部205を備える。
【0024】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、メイン基板10を取り外す際に、ケースに痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0025】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0026】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0027】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リールユニット(リール駆動装置を含む)203、リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(ホッパ駆動部80、ホッパ81及びメダル検出部82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
【0028】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0029】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0030】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0031】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0032】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0033】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0034】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0035】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0036】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0037】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0038】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0039】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0040】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0041】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0042】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0043】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0044】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0045】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0046】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0047】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0048】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0049】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0050】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0051】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0052】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0053】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0054】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0055】
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
【0056】
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
【0057】
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
【0058】
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
【0059】
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
【0060】
スロットマシンでは、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
【0061】
図4に、発明の実施の形態に係る電飾制御系統のブロック図を示す。図4は、サブ基板20及びLED基板202を含む系統図を示す。図4の電飾装置LED以外の各要素は、例えばLED基板202の駆動回路(ドライバ、増幅器など)や、サブ基板20のCPUやメモリであり、予め用意された所定のプログラムをCPUが実行することで実現されるものである。あるいは、ICなどのハードウエアで構成することもできる。
【0062】
LEDは、発光ダイオードなどの発光素子を含む電飾装置である。電飾装置LEDは、例えばアーチランプやバックライトのようなものに適用される。アーチランプは、図1に示すように液晶表示装置LCDの両側に設けられ、その内部に設けられた発光素子の点滅を通じて所定の演出を行うものである。バックライトは、例えば、リールユニット203に内蔵される3つの回胴の内部にそれぞれ設けられた3つの発光ユニットであり、これらの発光をゲーム表示部131を通じて遊技者に見せるものである。電飾装置LEDは、単色(電球色、白色など)で発光するもの、あるいは、三原色を含むカラーで発光するものいずれでもよい。カラーで発光する場合では、その色彩ではなく輝度について以下に説明する処理を適用することになる。
【0063】
211は、電飾装置(発光素子)LEDの輝度を指定する輝度データやその点滅を制御するフラッシュデータのパラメータを設定するパラメータ設定部である。
【0064】
輝度データのパラメータは、例えば、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータである。このデータは前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、この開始と終期の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すものである。フラッシュデータのパラメータは、例えば、電飾装置LEDのオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータである。
【0065】
輝度データは、時間と輝度の関係を示すデータであり、フラッシュデータは、電飾装置LEDのオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであって、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである(具体例については図6〜図10参照)。
【0066】
輝度データのパラメータは、輝度データが直線的に変化するとして、例えば、開始輝度=0(0%)、終端輝度=15(100%)、継続時間=100というものである。フラッシュデータのパラメータは、例えばオンの継続時間=4、オフの継続時間=2である。フラッシュデータはこのパラメータにしたがってオンオフを繰り返す。
【0067】
なお、輝度データやフラッシュデータのパラメータに関して具体的な数値を示して説明を加えることがあるが、言うまでもなくこれらの数値は一例である。例えば、輝度を0〜15の範囲で定義する。これらの数値は電飾装置LEDの発光素子の輝度に対応している(具体的には輝度の数値は電流値に対応している。パルス駆動の場合はそのデューティ比に対応している)。継続時間の数値は、予め定められた時間を単位としてこれの何倍の時間であるかを示すものである。数値が大きいほど時間が長くなる。
【0068】
212は、与えられたパラメータに基づき輝度データ及びフラッシュデータを生成するとともにこれらを合成し、合成したものを最終輝度データとして電飾装置LEDへ与える電飾制御部である。電飾制御部212は、輝度データ生成部212a、フラッシュデータデータ生成部212b及び合成部212cを含む。
【0069】
212aは、電飾装置LEDの輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部である。
【0070】
212bは、電飾装置LEDの点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部である。
【0071】
212cは、輝度データ生成部212aで生成した輝度データとフラッシュデータ生成部212bで生成したフラッシュデータを合成する合成部である。電飾装置LEDは、合成部212cの出力により点滅制御される。
【0072】
図5は、合成部212cの説明図である。合成部212cとして、図5(a)〜(c)のいずれの構成も採用することができる。
【0073】
図5(a)は、合成部212cとして論理積(AND)回路212c−1を備え、輝度データとフラッシュデータの論理積を求め、これを最終輝度データとして出力するものである。フラッシュデータは1ビットのデータであるが、輝度データは階調をもつ複数ビットのデータであるので、論理積は輝度データの各ビットごとに行うようにする。
【0074】
図5(a)の処理について、図6を参照して説明を加える。
【0075】
図6(a)は輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの時間変化を示す参考図(表)であり、図6(b)は最終輝度データをグラフとして表したものである。なお、各データはデジタル信号であり離散的なものである。同図のグラフにおいて黒丸でプロットされているものが最終輝度データを示す。同時に黒丸を直線(あるいは曲線でもよい)で結んだもの(グラフ)も併せて示す。当該グラフは最終輝度データの時間変化をわかりやすく示し理解を容易にできるため、他の図8〜図9ではグラフのみを示し、データのプロットの表示は省略することにする。
【0076】
図6(a)によれば、輝度は単位時間に1だけ増加する、という線形変化をしている(各輝度データは直線上にある)。フラッシュデータは一定時間でオンとオフを繰り返す。この輝度データのパラメータは、例えば、開始輝度=0、単位時間増加率=1、継続時間=100である(同図では示していないが、時間=99で輝度データ=99となり、輝度データはこれで終わる。必要に応じてこの輝度変化が周期的に繰り返される)。このフラッシュデータのパラメータは、例えばオンの継続時間=4、オフの継続時間=2である。
【0077】
同図の輝度データとフラッシュデータの論理積を求めると、フラッシュデータがオフのときに0になり、オンのとき輝度データがそのまま出力される。その結果、図6(b)の最終輝度データが得られる。
【0078】
図5(b)は、合成部212cとして乗算器212c−2を備え、輝度データとフラッシュデータの積を求め、これを最終輝度データとして出力するものである。フラッシュデータは1ビットのデータであれば、図6(a)と同じ結果を与える。フラッシュデータが2ビット以上であれば、これを用いて輝度変化をさらに付け加えることができる。図7(a)はフラッシュ=オンのときに輝度=1,2、・・・のように選択するものであり、これによれば、さらに多様な演出を行うことができるようになる。このフラッシュデータのパラメータは、例えば第1オンの継続時間=4、第1オンの輝度=2、オフの継続時間=2、第2オンの継続時間=4、第2オンの輝度=1である。
【0079】
以上の例では、フラッシュデータ=オンで電飾装置LEDを点灯させ、オフで消灯させていたが、この対応関係(論理)を逆にすることもできる(図7(b)参照)。例えば、図5(c)のように、フラッシュデータの論理を反転させる反転回路(インバータ)212c−3を設けることで、輝度データ・フラッシュデータに変更を加えることなく、対応関係を反対(負論理)にすることができる。
【0080】
図8〜図10は、輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの例を示す。
【0081】
図8は直線的に右下がり(時間変化に伴い輝度が減少する)の輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示し、図9は直線的に右下がりの後に右上がりになる輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示し、図10は任意曲線に従って変化する輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示す。いずれも、図4の装置で実現することができる。
【0082】
図11は、図4の装置の処理フローチャートである。同図のS3とS8はループ端を意味し、これらで挟まれた処理S4〜S7を、所定条件を満たすまで繰り返すための処理である。図11では予め定められた実行時間において処理S4〜S7を繰り返す。例えば、図示しないタイマーを起動して計時を行い、これが実行時間に達したら処理S4〜S7を中止し、メインルーチンに戻る。
【0083】
S1:パラメータ設定部211により、フラッシュパターンを設定する。
フラッシュパターンのパラメータについては前述した。
【0084】
S2:パラメータ設定部211により、輝度パターンを設定する。
輝度パターンのパラメータについては前述した。
【0085】
S3:電飾制御部212で繰り返し処理を開始する。
図6(a)に示すように、時間を0,1,2,・・・のように増やしつつ、処理S4〜S7を繰り返す。ここで、1は単位時間を意味する。
【0086】
S4:輝度データ生成部212aにより、輝度データを算出する。
パラメータに従い、指定された時間(時刻)における輝度データを算出する。図6(a)の例では、時間=0,1,2,・・・に対して輝度=0,1,2,・・・となる。この結果、図6,図8、図9のような直線的に時間変化する輝度データあるいは図10のような任意曲線に従い時間変化する輝度データを生成することになる。
【0087】
S5:フラッシュデータ生成部212bにより、フラッシュデータを算出する。
パラメータに従い、指定された時間(時刻)におけるフラッシュデータを算出する。図6(a)の例では、時間=0,1,2,3に対してフラッシュ=オン、時間=4,5に対してフラッシュ=オフとなる。
【0088】
S6:合成部212cにより、輝度データとフラッシュデータを合成し、最終輝度データを得る。
合成の具体的な手法については前述した。
【0089】
S7:電飾制御部212により、最終輝度データを出力する。
例えば、図6(a)の最終輝度データを出力する。
【0090】
S8:電飾制御部212で繰り返し処理を開始する。
S4〜S7の処理を実行時間が終了するまで繰り返す。
【0091】
発明の実施の形態によれば、輝度データ(上記最終輝度データ)を異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減できる(この点は後述する。図16及びその説明参照)。
【0092】
また、パラメータを指定して輝度データ及びフラッシュデータを生成するため、予め記憶しておくデータはパラメータのみで済み、データそのものを記憶する場合に比べて大幅にデータ量を削減することができる。
【0093】
次に変形例について説明を加える。図4ではパラメータを与えて輝度データ及びフラッシュデータを生成していたが、パラメータを与えて生成する代わりに、輝度データ及びフラッシュデータのデータを予めメモリに記憶しておき、処理をする際にこれらを読み出すようにしてもよい。図12はこの変形例のブロック図を示す。同図において、図4と同一又は相当部分のものは同一符号を付してその説明は省略する。
【0094】
図12において、213は輝度データを予め記憶している輝度データ記憶部、214はフラッシュデータを予め記憶しているフラッシュデータ記憶部である。図13(a)に輝度データ記憶部213の輝度データの一例を示し、同図(b)にフラッシュデータ記憶部214のフラッシュデータの一例を示す。
【0095】
212a’は輝度データ記憶部213から輝度データを読み出す輝度データ読出部、212b’はフラッシュデータ記憶部214からフラッシュデータを読み出すフラッシュデータ読出部である。
【0096】
図13の輝度データ・フラッシュデータは図6のものと同じであり、図12の合成部212cは、図4の合成部212cと同様に動作する。すなわち、合成部212cは、輝度データ読出部212a’で読み出した輝度データとフラッシュデータ読出部212b’で読み出したフラッシュデータを乗算することにより、あるいは所定の論理演算を行うことにより、合成する。この結果得られる最終輝度は、図6(a)の最下段の値、及び、同図(b)の実線のグラフのようになる。合成部212cの具体的な処理は、図4のものと同じであるので、その説明は省略する。
【0097】
このように図12の構成によっても、図4の装置と同じ効果を得ることができる。
【0098】
図12(及び次に説明する図14)は単純に記憶内容を読み出すだけなので、図4のパラメータ設定によりフラッシュを行う場合に比べ、処理が簡単になるという利点がある。他方、フラッシュパターンをそのまま記憶するので、場合によってはメモリ容量が大きくなる可能性もある。例えば、フラッシュパターンが不規則に変化する(すなわち、オンあるいはオフの間隔が頻繁に変わる)ようなときはパラメータのデータ量が多くなるから、フラッシュパターンをそのまま記憶しても特段メモリ容量が大きくなるとは言えない。これに対し、フラッシュパターンが規則的であればこれを記述するためのパラメータは少くて済むから、フラッシュパターンをそのまま記憶するとデータ量が比較的大きくなる。実機において提供するフラッシュパターンがどのようなものであるかに応じて、図4又は図12のいずれかを選択するようにすればよい(この点は図14の装置においても同じ)。
【0099】
図14は他の変形例を示す。これは複数の輝度データと複数のフラッシュデータを持つものを示す。輝度データ記憶部213−1と213−2はそれぞれ異なる輝度データを予め記憶し、フラッシュデータ記憶部214−1と214−2はそれぞれ異なるフラッシュデータを予め記憶している。
【0100】
図15(a1)と(a2)に輝度データ記憶部213−1と213−2の輝度データの一例を示し、同図(b1)と(b2)にフラッシュデータ記憶部214−1と214−2のフラッシュデータの一例を示す。
【0101】
図14及び図15によれば、複数の輝度データと複数のフラッシュデータを任意に組み合わせた最終輝度データを生成することができる。例えば、図15(a1)のひとつの輝度データに対して、同図(b1)と(b2)の互いに異なる2つのフラッシュデータを組み合わせることで、異なる2つの最終輝度データを生成することができる(図15(a1)と(b1)の組み合わせで図6の最終輝度データが得られ、同図(a1)と(b2)の組み合わせで図7(b)の最終輝度データが得られる)。
【0102】
図14において、212dは複数の輝度データから所定の輝度データを選択する輝度データ選択部、212eは複数のフラッシュデータから所定のフラッシュデータを選択するフラッシュデータ選択部である。図14の装置によれば、輝度データ選択部212dとフラッシュデータ選択部212eの動作により、図15の2つの輝度データのひとつと2つのフラッシュデータのひとつを組み合わせることができる。この組み合わせは、(a1)輝度データ1と(b1)フラッシュデータ1、(a2)輝度データ2と(b2)フラッシュデータ2、(a1)輝度データ1と(b2)フラッシュデータ2、(a2)輝度データ2と(b1)フラッシュデータ1の合計4通りである。
他の要素の動作は図12のものと異ならないので、それらの説明は省略する。
【0103】
また、図14では、図15の輝度データとフラッシュデータを予め記憶しているが、図4のようにパラメータを与えることでこれらのデータを生成するようにしてもよい。すなわち、パラメータ設定部211で複数のパラメータを設定することで複数の輝度データと複数のフラッシュデータを生成することができる。
【0104】
発明の実施の形態によれば、輝度データ(上記最終輝度データ)を異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減できる。以下、この点について図16を参照して説明を加える。
【0105】
もし、最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合、図16(a)〜(c)それぞれに対応する3つのデータを用意することになる。ここで、各データのデータ量(メモリ量)をXとすると、合計のデータ量は3Xとなる。
【0106】
これに対し、発明の実施の形態によれば、図16(a)の輝度データ(データ量=X)と、同図(b)のフラッシュデータと同図(c)のフラッシュデータを用意することになる。ここで、フラッシュデータのデータ量をYとすると、合計のデータ量は(X+2Y)となる。
【0107】
次の2つの理由からフラッシュ自体のデータ量は大幅に少なくて済む(X≫Y)。
【0108】
(1)オンとオフの1ビット程度の最小限のデータしかもたないこと(これに対し階調を表現するために輝度データは4ビット以上必要)
【0109】
(2)フラッシュは特定のパターンの繰り返しとなるため、データとして保持するのは当該繰り返し部分のみで済み、輝度データの期間全体について持つ必要がないこと
【0110】
図16では、輝度データとフラッシュデータのいずれも特定のパターンの繰り返しとなるため規則的である。特に、フラッシュデータの繰り返し周期が短い点に注意されたい。この点がフラッシュデータのデータ量を削減する上で重要である。フラッシュデータの繰り返し周期を輝度データの繰り返し周期の整数分の一とする。好ましくは、データ量の削減を意味のあるものとするために、数分の一とするとよい。図16(b)において輝度データの繰り返し周期をT、フラッシュデータの繰り返し周期をTf1とすると、Tf1は、Tの五分の一程度である。図16(c)においても同様に、Tf2は、Tの四分の一程度である。このことから、上記(2)によって数分の一程度のデータ量で済むことになる。上記(1)(2)を考慮すれば、Yは、Xの数十分の1程度になると期待できる。
【0111】
前述のように、最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合の合計のデータ量は3Xであり、発明の実施の形態による合計のデータ量は(X+2Y)であるが、X≫Yであるから3X≫(X+2Y)となる。したがって、発明の実施の形態によれば大幅なデータ量の削減が可能である。
【0112】
また、複数の輝度データ(例えば4通り)と複数のフラッシュデータ(例えば4通り)を組み合わせて多様な最終輝度データを生成できる(4×4=16通り)から、多様な演出表現により興趣を高めることもできる。
【0113】
なお、以上の説明において、主にソフトウエアによる制御として合成処理を用いて表現しているが、フラッシュのオンオフをスイッチなどにより電飾装置LEDに流れる電流を直接オンオフすることでも実現できることは言うまでもない。
【0114】
以上の説明において、遊技機としてもっぱらスロットマシンを例にとったが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
【0115】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
20 サブ基板
211 パラメータ設定部
212 電飾制御部
212a 輝度データ生成部
212a’ 輝度データ読出部
212b フラッシュデータ生成部
212b’ フラッシュデータ読出部
212c 合成部
212c−1 論理積(AND)回路
212c−2 乗算器
212c−3 反転回路(インバータ)
212d 輝度データ選択部
212e フラッシュデータ選択部
213 輝度データ記憶部
214 フラッシュデータ記憶部
LED 電飾装置
【技術分野】
【0001】
この発明は、電飾装置を備えるスロットマシンやパチンコ機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スロットマシン等の遊技機にはメダルの投入口が設けられており、遊技者は所定の枚数のメダルを投入してゲームを楽しむことができる。遊技に必要なメダルは、遊技ホール内に設けられたメダル貸機等で借りることができ、所望の遊技機のメダル投入口に投入することによりゲームを開始することができる。
【0003】
従来の遊技機の動作は次のようなものであった。
先ず、スタートスイッチが操作されることにより、スタートスイッチがONとなる。これを受けて遊技機内部の当選判定手段により抽選処理が行われる。ここで所定の役に当選すると当選フラグがセットされる。回転リールの回転が開始する。ストップスイッチが操作されることにより、ストップスイッチがONとなる。そして、対応する回転リールの回転が停止する。全部の回転リールに対応するストップスイッチの操作が行われた後、当選フラグ成立中に当該当選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。入賞が確定したと判定された場合、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0004】
抽選処理の評価が例えば外れの場合は所定の図柄が揃わないように設定され(いわゆる蹴飛ばし)、当たりの場合はストップスイッチが所定のタイミングで押下されることなどを条件に所定の図柄が揃うように設定される(いわゆる引き込み)。つまり、抽選処理において当選しているときのみ所定の条件の下で図柄が揃い入賞することにより、メダルが払い出されるが、当選しないときはストップスイッチをどのように操作してもメダルが払い出されることはない。これはメダルの払い出しを一定確率に保つためである。これを実現するため抽選処理において乱数発生器が用いられている。
【0005】
また、スロットマシンなどの遊技機は、演出表示を行うための発光ダイオードなどの発光素子を含む電飾装置(電飾)を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−130171号公報 オンオフのデューティ比により発光ダイオードの階調(輝度)を制御する。
【特許文献2】特開2006−095140号公報 可変抵抗器により発光ダイオードの点灯時に流れる電流の電流値を変更して、発光ダイオードの輝度を変更する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
遊技機の電飾を用いた演出には、電飾を比較的短い時間間隔(例えば0.2秒程度)で点滅させるフラッシュ演出がある。フラッシュ演出は非常に目立ち、遊技者に強くアピールできる演出である。
【0008】
一般的なフラッシュ演出は光源のオン(輝度100%)とオフ(輝度0%)のみで行うものであるが、遊技機には光源の輝度調整機能を有しているものがあり、オン(0<輝度≦100%)とオフ(輝度0%)を交互に行うことができる。すなわち、輝度を変化させつつ激しい点滅というフラッシュ演出を行うことができる。
【0009】
ところで、フラッシュ演出の構築にあたっては、輝度の変化の様子(例えば変化時間と変化の大きさ(傾き))が同じものであっても、フラッシュする間隔などが変われば新たに別のデータを作成する必要があった。すなわち、全く同一で無い限りデータテーブルを共用することができず、別々のデータを作成する必要がある。このため、フラッシュ演出の種類を増やすとデータ量が増加するという問題があった。
【0010】
この発明は上記課題を解決するためになされたもので、フラッシュ演出の種類を増やす場合でもデータ量の増加を抑制できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る遊技機は、発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されるものである。
【0012】
例えば、前記輝度データの前記パラメータは、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記輝度データは、前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、開始と終端の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すデータであり、前記フラッシュデータの前記パラメータは、前記電飾装置のオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記フラッシュデータは、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである。
【0013】
この発明に係る遊技機は、発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め記憶する輝度データ記憶部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め記憶するフラッシュデータ記憶部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されるものである。
【0014】
前記輝度データによる発光素子の輝度変化と前記フラッシュデータによる発光素子の点滅は所定のパターンの繰り返しを含み、
好ましくは、前記輝度データの繰り返し周期をT、前記フラッシュデータの繰り返し周期をTf1として、Tf1<Tとする。例えば、Tf1をTの略五分の一、又は、略四分の一とする。
【0015】
前記合成部は、例えば、前記輝度データと前記フラッシュデータを乗算する乗算器を含むものである。
【0016】
前記合成部は、例えば、前記輝度データの各ビットと前記フラッシュデータの論理積又は、前記輝度データの各ビットと前記フラッシュデータの論理反転したものの論理積を求める論理積回路を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明は、発光素子の輝度を指定する輝度データと発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを合成する合成部を備え、電飾装置を、前記合成部の出力により点滅制御するようにしたので、輝度データ及びフラッシュデータを共用しつつこれらを組み合わせることで多様な演出を提供できるとともに、輝度データとフラッシュデータを予め合成した最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図2】前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図である。
【図3】スロットマシンのブロック図である。
【図4】発明の実施の形態に係る電飾制御系統のブロック図である。
【図5】発明の実施の形態に係る電飾制御部の合成部の説明図である。
【図6】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの説明図である。
【図7】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図である。
【図8】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの説明図(タイミングチャート)である。
【図9】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【図10】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【図11】発明の実施の形態に係る電飾制御部の処理フローチャートである。
【図12】発明の実施の形態に係る電飾制御系統の他のブロック図である。
【図13】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータの説明図である。
【図14】発明の実施の形態に係る電飾制御系統の他のブロック図である。
【図15】発明の実施の形態に係る輝度データ、フラッシュデータの説明図である。
【図16】発明の実施の形態に係る輝度データ、最終輝度データの他の説明図(タイミングチャート)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
図1及び図2中、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、図1に示すように、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップスイッチ140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。その両側にはアーチランプAHが設けてある。アーチランプAHは、その内部に設けられた発光素子(これは後述の電飾装置の発光素子に相当する)の点滅を通じて所定の演出を行うものである。
【0020】
スロットマシン本体120の内部には、図2に示すように、その内底面に固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴を含むリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1リール〜第3リール)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0021】
前記前扉130の裏面には、図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたリジェクトボタン133の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0022】
また、メダルセレクタ1の下側には、図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0023】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部205を備える。
【0024】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、メイン基板10を取り外す際に、ケースに痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0025】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0026】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンド信号を受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンド信号に応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0027】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134、ストップボタン140、リールユニット(リール駆動装置を含む)203、リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(ホッパ駆動部80、ホッパ81及びメダル検出部82は前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板(ローカル基板)が接続されている。
【0028】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0029】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0030】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0031】
投入受付部1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0032】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0033】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0034】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1050から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0035】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0036】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0037】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0038】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0039】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイ処理手段1600については、後に再度説明を加える。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0040】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0041】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0042】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0043】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0044】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップスイッチ140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0045】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0046】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0047】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0048】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0049】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0050】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0051】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0052】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0053】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0054】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0055】
ステッピングモータは、各相の巻線への電流の与え方を変えることにより、特性を変えることができる(励磁モードが変わる)。二相型については次の通りである。
【0056】
・一相励磁
常に巻線一相のみに電流を流す。位置決め精度は良い。
【0057】
・二相励磁
二相に電流を流す。一相励磁の約2倍の出力トルクが得られる。位置決め精度は良く、停止したときの静止トルクが大きいため、停止位置を確実に保持できる。
【0058】
・一−二相励磁
一相と二相を交互に切り替えて電流を流す。一相励磁・二相励磁の場合のステップ角度の半分にすることができるので、滑らかな回転を得られる。
【0059】
なお、ステッピングモータを「駆動する」とは、当該モータを上記励磁により回転させることとともに、所望の位置で停止させその位置を保持するために各相を励磁することも含むものとする。
【0060】
スロットマシンでは、例えば、4相の基本ステップ角度1.43度のステッピングモータを使用し、パルスの出力方法として一−二相励磁を採用している。
【0061】
図4に、発明の実施の形態に係る電飾制御系統のブロック図を示す。図4は、サブ基板20及びLED基板202を含む系統図を示す。図4の電飾装置LED以外の各要素は、例えばLED基板202の駆動回路(ドライバ、増幅器など)や、サブ基板20のCPUやメモリであり、予め用意された所定のプログラムをCPUが実行することで実現されるものである。あるいは、ICなどのハードウエアで構成することもできる。
【0062】
LEDは、発光ダイオードなどの発光素子を含む電飾装置である。電飾装置LEDは、例えばアーチランプやバックライトのようなものに適用される。アーチランプは、図1に示すように液晶表示装置LCDの両側に設けられ、その内部に設けられた発光素子の点滅を通じて所定の演出を行うものである。バックライトは、例えば、リールユニット203に内蔵される3つの回胴の内部にそれぞれ設けられた3つの発光ユニットであり、これらの発光をゲーム表示部131を通じて遊技者に見せるものである。電飾装置LEDは、単色(電球色、白色など)で発光するもの、あるいは、三原色を含むカラーで発光するものいずれでもよい。カラーで発光する場合では、その色彩ではなく輝度について以下に説明する処理を適用することになる。
【0063】
211は、電飾装置(発光素子)LEDの輝度を指定する輝度データやその点滅を制御するフラッシュデータのパラメータを設定するパラメータ設定部である。
【0064】
輝度データのパラメータは、例えば、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータである。このデータは前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、この開始と終期の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すものである。フラッシュデータのパラメータは、例えば、電飾装置LEDのオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータである。
【0065】
輝度データは、時間と輝度の関係を示すデータであり、フラッシュデータは、電飾装置LEDのオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであって、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである(具体例については図6〜図10参照)。
【0066】
輝度データのパラメータは、輝度データが直線的に変化するとして、例えば、開始輝度=0(0%)、終端輝度=15(100%)、継続時間=100というものである。フラッシュデータのパラメータは、例えばオンの継続時間=4、オフの継続時間=2である。フラッシュデータはこのパラメータにしたがってオンオフを繰り返す。
【0067】
なお、輝度データやフラッシュデータのパラメータに関して具体的な数値を示して説明を加えることがあるが、言うまでもなくこれらの数値は一例である。例えば、輝度を0〜15の範囲で定義する。これらの数値は電飾装置LEDの発光素子の輝度に対応している(具体的には輝度の数値は電流値に対応している。パルス駆動の場合はそのデューティ比に対応している)。継続時間の数値は、予め定められた時間を単位としてこれの何倍の時間であるかを示すものである。数値が大きいほど時間が長くなる。
【0068】
212は、与えられたパラメータに基づき輝度データ及びフラッシュデータを生成するとともにこれらを合成し、合成したものを最終輝度データとして電飾装置LEDへ与える電飾制御部である。電飾制御部212は、輝度データ生成部212a、フラッシュデータデータ生成部212b及び合成部212cを含む。
【0069】
212aは、電飾装置LEDの輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部である。
【0070】
212bは、電飾装置LEDの点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部である。
【0071】
212cは、輝度データ生成部212aで生成した輝度データとフラッシュデータ生成部212bで生成したフラッシュデータを合成する合成部である。電飾装置LEDは、合成部212cの出力により点滅制御される。
【0072】
図5は、合成部212cの説明図である。合成部212cとして、図5(a)〜(c)のいずれの構成も採用することができる。
【0073】
図5(a)は、合成部212cとして論理積(AND)回路212c−1を備え、輝度データとフラッシュデータの論理積を求め、これを最終輝度データとして出力するものである。フラッシュデータは1ビットのデータであるが、輝度データは階調をもつ複数ビットのデータであるので、論理積は輝度データの各ビットごとに行うようにする。
【0074】
図5(a)の処理について、図6を参照して説明を加える。
【0075】
図6(a)は輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの時間変化を示す参考図(表)であり、図6(b)は最終輝度データをグラフとして表したものである。なお、各データはデジタル信号であり離散的なものである。同図のグラフにおいて黒丸でプロットされているものが最終輝度データを示す。同時に黒丸を直線(あるいは曲線でもよい)で結んだもの(グラフ)も併せて示す。当該グラフは最終輝度データの時間変化をわかりやすく示し理解を容易にできるため、他の図8〜図9ではグラフのみを示し、データのプロットの表示は省略することにする。
【0076】
図6(a)によれば、輝度は単位時間に1だけ増加する、という線形変化をしている(各輝度データは直線上にある)。フラッシュデータは一定時間でオンとオフを繰り返す。この輝度データのパラメータは、例えば、開始輝度=0、単位時間増加率=1、継続時間=100である(同図では示していないが、時間=99で輝度データ=99となり、輝度データはこれで終わる。必要に応じてこの輝度変化が周期的に繰り返される)。このフラッシュデータのパラメータは、例えばオンの継続時間=4、オフの継続時間=2である。
【0077】
同図の輝度データとフラッシュデータの論理積を求めると、フラッシュデータがオフのときに0になり、オンのとき輝度データがそのまま出力される。その結果、図6(b)の最終輝度データが得られる。
【0078】
図5(b)は、合成部212cとして乗算器212c−2を備え、輝度データとフラッシュデータの積を求め、これを最終輝度データとして出力するものである。フラッシュデータは1ビットのデータであれば、図6(a)と同じ結果を与える。フラッシュデータが2ビット以上であれば、これを用いて輝度変化をさらに付け加えることができる。図7(a)はフラッシュ=オンのときに輝度=1,2、・・・のように選択するものであり、これによれば、さらに多様な演出を行うことができるようになる。このフラッシュデータのパラメータは、例えば第1オンの継続時間=4、第1オンの輝度=2、オフの継続時間=2、第2オンの継続時間=4、第2オンの輝度=1である。
【0079】
以上の例では、フラッシュデータ=オンで電飾装置LEDを点灯させ、オフで消灯させていたが、この対応関係(論理)を逆にすることもできる(図7(b)参照)。例えば、図5(c)のように、フラッシュデータの論理を反転させる反転回路(インバータ)212c−3を設けることで、輝度データ・フラッシュデータに変更を加えることなく、対応関係を反対(負論理)にすることができる。
【0080】
図8〜図10は、輝度データ、フラッシュデータ、最終輝度データの例を示す。
【0081】
図8は直線的に右下がり(時間変化に伴い輝度が減少する)の輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示し、図9は直線的に右下がりの後に右上がりになる輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示し、図10は任意曲線に従って変化する輝度をフラッシュデータに基づき点滅させた例を示す。いずれも、図4の装置で実現することができる。
【0082】
図11は、図4の装置の処理フローチャートである。同図のS3とS8はループ端を意味し、これらで挟まれた処理S4〜S7を、所定条件を満たすまで繰り返すための処理である。図11では予め定められた実行時間において処理S4〜S7を繰り返す。例えば、図示しないタイマーを起動して計時を行い、これが実行時間に達したら処理S4〜S7を中止し、メインルーチンに戻る。
【0083】
S1:パラメータ設定部211により、フラッシュパターンを設定する。
フラッシュパターンのパラメータについては前述した。
【0084】
S2:パラメータ設定部211により、輝度パターンを設定する。
輝度パターンのパラメータについては前述した。
【0085】
S3:電飾制御部212で繰り返し処理を開始する。
図6(a)に示すように、時間を0,1,2,・・・のように増やしつつ、処理S4〜S7を繰り返す。ここで、1は単位時間を意味する。
【0086】
S4:輝度データ生成部212aにより、輝度データを算出する。
パラメータに従い、指定された時間(時刻)における輝度データを算出する。図6(a)の例では、時間=0,1,2,・・・に対して輝度=0,1,2,・・・となる。この結果、図6,図8、図9のような直線的に時間変化する輝度データあるいは図10のような任意曲線に従い時間変化する輝度データを生成することになる。
【0087】
S5:フラッシュデータ生成部212bにより、フラッシュデータを算出する。
パラメータに従い、指定された時間(時刻)におけるフラッシュデータを算出する。図6(a)の例では、時間=0,1,2,3に対してフラッシュ=オン、時間=4,5に対してフラッシュ=オフとなる。
【0088】
S6:合成部212cにより、輝度データとフラッシュデータを合成し、最終輝度データを得る。
合成の具体的な手法については前述した。
【0089】
S7:電飾制御部212により、最終輝度データを出力する。
例えば、図6(a)の最終輝度データを出力する。
【0090】
S8:電飾制御部212で繰り返し処理を開始する。
S4〜S7の処理を実行時間が終了するまで繰り返す。
【0091】
発明の実施の形態によれば、輝度データ(上記最終輝度データ)を異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減できる(この点は後述する。図16及びその説明参照)。
【0092】
また、パラメータを指定して輝度データ及びフラッシュデータを生成するため、予め記憶しておくデータはパラメータのみで済み、データそのものを記憶する場合に比べて大幅にデータ量を削減することができる。
【0093】
次に変形例について説明を加える。図4ではパラメータを与えて輝度データ及びフラッシュデータを生成していたが、パラメータを与えて生成する代わりに、輝度データ及びフラッシュデータのデータを予めメモリに記憶しておき、処理をする際にこれらを読み出すようにしてもよい。図12はこの変形例のブロック図を示す。同図において、図4と同一又は相当部分のものは同一符号を付してその説明は省略する。
【0094】
図12において、213は輝度データを予め記憶している輝度データ記憶部、214はフラッシュデータを予め記憶しているフラッシュデータ記憶部である。図13(a)に輝度データ記憶部213の輝度データの一例を示し、同図(b)にフラッシュデータ記憶部214のフラッシュデータの一例を示す。
【0095】
212a’は輝度データ記憶部213から輝度データを読み出す輝度データ読出部、212b’はフラッシュデータ記憶部214からフラッシュデータを読み出すフラッシュデータ読出部である。
【0096】
図13の輝度データ・フラッシュデータは図6のものと同じであり、図12の合成部212cは、図4の合成部212cと同様に動作する。すなわち、合成部212cは、輝度データ読出部212a’で読み出した輝度データとフラッシュデータ読出部212b’で読み出したフラッシュデータを乗算することにより、あるいは所定の論理演算を行うことにより、合成する。この結果得られる最終輝度は、図6(a)の最下段の値、及び、同図(b)の実線のグラフのようになる。合成部212cの具体的な処理は、図4のものと同じであるので、その説明は省略する。
【0097】
このように図12の構成によっても、図4の装置と同じ効果を得ることができる。
【0098】
図12(及び次に説明する図14)は単純に記憶内容を読み出すだけなので、図4のパラメータ設定によりフラッシュを行う場合に比べ、処理が簡単になるという利点がある。他方、フラッシュパターンをそのまま記憶するので、場合によってはメモリ容量が大きくなる可能性もある。例えば、フラッシュパターンが不規則に変化する(すなわち、オンあるいはオフの間隔が頻繁に変わる)ようなときはパラメータのデータ量が多くなるから、フラッシュパターンをそのまま記憶しても特段メモリ容量が大きくなるとは言えない。これに対し、フラッシュパターンが規則的であればこれを記述するためのパラメータは少くて済むから、フラッシュパターンをそのまま記憶するとデータ量が比較的大きくなる。実機において提供するフラッシュパターンがどのようなものであるかに応じて、図4又は図12のいずれかを選択するようにすればよい(この点は図14の装置においても同じ)。
【0099】
図14は他の変形例を示す。これは複数の輝度データと複数のフラッシュデータを持つものを示す。輝度データ記憶部213−1と213−2はそれぞれ異なる輝度データを予め記憶し、フラッシュデータ記憶部214−1と214−2はそれぞれ異なるフラッシュデータを予め記憶している。
【0100】
図15(a1)と(a2)に輝度データ記憶部213−1と213−2の輝度データの一例を示し、同図(b1)と(b2)にフラッシュデータ記憶部214−1と214−2のフラッシュデータの一例を示す。
【0101】
図14及び図15によれば、複数の輝度データと複数のフラッシュデータを任意に組み合わせた最終輝度データを生成することができる。例えば、図15(a1)のひとつの輝度データに対して、同図(b1)と(b2)の互いに異なる2つのフラッシュデータを組み合わせることで、異なる2つの最終輝度データを生成することができる(図15(a1)と(b1)の組み合わせで図6の最終輝度データが得られ、同図(a1)と(b2)の組み合わせで図7(b)の最終輝度データが得られる)。
【0102】
図14において、212dは複数の輝度データから所定の輝度データを選択する輝度データ選択部、212eは複数のフラッシュデータから所定のフラッシュデータを選択するフラッシュデータ選択部である。図14の装置によれば、輝度データ選択部212dとフラッシュデータ選択部212eの動作により、図15の2つの輝度データのひとつと2つのフラッシュデータのひとつを組み合わせることができる。この組み合わせは、(a1)輝度データ1と(b1)フラッシュデータ1、(a2)輝度データ2と(b2)フラッシュデータ2、(a1)輝度データ1と(b2)フラッシュデータ2、(a2)輝度データ2と(b1)フラッシュデータ1の合計4通りである。
他の要素の動作は図12のものと異ならないので、それらの説明は省略する。
【0103】
また、図14では、図15の輝度データとフラッシュデータを予め記憶しているが、図4のようにパラメータを与えることでこれらのデータを生成するようにしてもよい。すなわち、パラメータ設定部211で複数のパラメータを設定することで複数の輝度データと複数のフラッシュデータを生成することができる。
【0104】
発明の実施の形態によれば、輝度データ(上記最終輝度データ)を異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合に比べて、必要なデータ量を削減できる。以下、この点について図16を参照して説明を加える。
【0105】
もし、最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合、図16(a)〜(c)それぞれに対応する3つのデータを用意することになる。ここで、各データのデータ量(メモリ量)をXとすると、合計のデータ量は3Xとなる。
【0106】
これに対し、発明の実施の形態によれば、図16(a)の輝度データ(データ量=X)と、同図(b)のフラッシュデータと同図(c)のフラッシュデータを用意することになる。ここで、フラッシュデータのデータ量をYとすると、合計のデータ量は(X+2Y)となる。
【0107】
次の2つの理由からフラッシュ自体のデータ量は大幅に少なくて済む(X≫Y)。
【0108】
(1)オンとオフの1ビット程度の最小限のデータしかもたないこと(これに対し階調を表現するために輝度データは4ビット以上必要)
【0109】
(2)フラッシュは特定のパターンの繰り返しとなるため、データとして保持するのは当該繰り返し部分のみで済み、輝度データの期間全体について持つ必要がないこと
【0110】
図16では、輝度データとフラッシュデータのいずれも特定のパターンの繰り返しとなるため規則的である。特に、フラッシュデータの繰り返し周期が短い点に注意されたい。この点がフラッシュデータのデータ量を削減する上で重要である。フラッシュデータの繰り返し周期を輝度データの繰り返し周期の整数分の一とする。好ましくは、データ量の削減を意味のあるものとするために、数分の一とするとよい。図16(b)において輝度データの繰り返し周期をT、フラッシュデータの繰り返し周期をTf1とすると、Tf1は、Tの五分の一程度である。図16(c)においても同様に、Tf2は、Tの四分の一程度である。このことから、上記(2)によって数分の一程度のデータ量で済むことになる。上記(1)(2)を考慮すれば、Yは、Xの数十分の1程度になると期待できる。
【0111】
前述のように、最終輝度データを異なるフラッシュ演出それぞれについて用意する場合の合計のデータ量は3Xであり、発明の実施の形態による合計のデータ量は(X+2Y)であるが、X≫Yであるから3X≫(X+2Y)となる。したがって、発明の実施の形態によれば大幅なデータ量の削減が可能である。
【0112】
また、複数の輝度データ(例えば4通り)と複数のフラッシュデータ(例えば4通り)を組み合わせて多様な最終輝度データを生成できる(4×4=16通り)から、多様な演出表現により興趣を高めることもできる。
【0113】
なお、以上の説明において、主にソフトウエアによる制御として合成処理を用いて表現しているが、フラッシュのオンオフをスイッチなどにより電飾装置LEDに流れる電流を直接オンオフすることでも実現できることは言うまでもない。
【0114】
以上の説明において、遊技機としてもっぱらスロットマシンを例にとったが、本発明の実施の形態はこれに限定されず、パチンコ機などの他の遊技機にも適用することができる。
【0115】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0116】
20 サブ基板
211 パラメータ設定部
212 電飾制御部
212a 輝度データ生成部
212a’ 輝度データ読出部
212b フラッシュデータ生成部
212b’ フラッシュデータ読出部
212c 合成部
212c−1 論理積(AND)回路
212c−2 乗算器
212c−3 反転回路(インバータ)
212d 輝度データ選択部
212e フラッシュデータ選択部
213 輝度データ記憶部
214 フラッシュデータ記憶部
LED 電飾装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記輝度データの前記パラメータは、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記輝度データは、前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、開始と終端の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すデータであり、
前記フラッシュデータの前記パラメータは、前記電飾装置のオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記フラッシュデータは、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである、ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め記憶する輝度データ記憶部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め記憶するフラッシュデータ記憶部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記輝度データによる発光素子の輝度変化と前記フラッシュデータによる発光素子の点滅は所定のパターンの繰り返しを含み、
前記輝度データの繰り返し周期をT、前記フラッシュデータの繰り返し周期をTf1として、Tf1<Tとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め設定されたパラメータに基づき生成する輝度データ生成部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め設定されたパラメータに基づき生成するフラッシュデータ生成部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記輝度データの前記パラメータは、始期における開始輝度、終期における終端輝度、及び、継続時間を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記輝度データは、前記開始輝度で始まり、前記終端輝度で終わり、開始と終端の間が前記継続期間に相当する期間における時間と輝度の関係を示すデータであり、
前記フラッシュデータの前記パラメータは、前記電飾装置のオンとオフの時間又はこれらの比率を示すデータであり、前記パラメータに基づき生成される前記フラッシュデータは、当該時間又は比率に従ってオンとオフを繰り返すものである、ことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
発光素子を含む電飾装置と、前記発光素子の輝度を指定する輝度データを予め記憶する輝度データ記憶部と、前記発光素子の点滅を制御するフラッシュデータを予め記憶するフラッシュデータ記憶部と、前記輝度データと前記フラッシュデータを合成する合成部と、を備え、
前記電飾装置は、前記合成部の出力により点滅制御されることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記輝度データによる発光素子の輝度変化と前記フラッシュデータによる発光素子の点滅は所定のパターンの繰り返しを含み、
前記輝度データの繰り返し周期をT、前記フラッシュデータの繰り返し周期をTf1として、Tf1<Tとしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2013−78455(P2013−78455A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219692(P2011−219692)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】
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