説明

運転操作装置

【課題】
ユーザが効率良く運転操作を行える運転操作装置を提供する。
【解決手段】
本発明に係る運転操作装置1は、ユーザが複数の操作画面を利用して生産機器6の運転操作を行う運転操作装置である。そして、少なくともユーザ名によって区分される運転操作区分を始動時において設定するための入力部3と、操作画面に関する操作画面情報を運転操作区分ごとに記憶する記憶部4と、始動時に設定された運転操作区分の操作画面情報に基づいて、複数の操作画面の中から初期画面となる画面を選択する演算制御部5と、演算制御部5で選択された画面を表示する表示部2とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生産機器の運転操作を行う運転操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の生産を行う生産機器は、その生産機器に組込まれているか、又は、その生産機器から独立して設けられた運転操作装置によって運転操作が行われる(例えば、特許文献1参照)。特に、製品の重量を計量する計量機器などの汎用性の高い生産機器に用いる運転操作装置には、多くの操作画面がプログラムされており、ユーザはこれらの操作画面の中から必要な操作画面を選択し、必要により操作画面を切り替えながら運転操作を行う。また、汎用性の高い生産機器では、様々な生産品種を対象とするとともに、様々なユーザが運転操作を行うことから、操作画面の表示を比較的自由に変更(カスタマイズ)できる場合が多い。
【特許文献1】特開2007−196194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
同じユーザが、同じ生産品種を対象として運転操作装置を操作する場合、表示される操作画面、操作画面の表示内容、そして、操作画面が表示される順番は同じであることが多い。ところが、上記のように、操作画面の設定変更が比較的自由な運転操作装置は、選択したり、入力したり、確認したりするための操作画面が多く、実質的に不要な操作画面をいくつか経由しなければ、必要な操作画面にたどり着かない場合がある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ユーザが効率良く運転操作を行える運転操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る運転操作装置は、ユーザが複数の操作画面を利用して生産機器の運転操作を行う運転操作装置であって、少なくともユーザ名によって区分される運転操作区分を始動時において設定するための入力部と、前記操作画面に関する操作画面情報を前記運転操作区分ごとに記憶する記憶部と、始動時に設定された前記運転操作区分の前記操作画面情報に基づいて、前記複数の操作画面の中から初期画面となる画面を選択する演算制御部と、前記演算制御部で選択された画面を表示する表示部とを備えている。
【0006】
かかる構成によれば、操作画面に関する情報に基づいて、初期画面となる画面が選択されるため、実質的に不要な画面の表示が抑えられ、ユーザは効率の良い運転操作を行うことができる。
【0007】
また、上記運転操作装置において、前記演算制御部は、前記各操作画面の利用頻度を前記運転操作区分ごとに算出し、前記操作画面情報には、前記各操作画面の利用頻度に関する情報が含まれており、前記演算制御部は、前記利用頻度の高い前記操作画面を初期画面として選択するようにしてもよい。
【0008】
かかる構成によれば、使用頻度の高い操作画面が初期画面となるため、そのユーザにとって使用する可能性の高い画面がはじめから表示される。
【0009】
また、上記運転操作装置において、前記各操作画面の表示内容は前記運転操作区分ごとに変更することが可能であって、前記操作画面情報には、最後に変更された前記表示内容に関する情報が含まれており、一旦表示内容が変更された前記操作画面は、前記最後に変更された前記表示内容に関する情報に基づいて表示されるようにしてもよい。
【0010】
かかる構成によれば、運転操作区分が同じである場合、改めて画面の変更設定を行うことなく運転操作を行うことができる。
【0011】
また、上記運転操作装置において、前記運転操作区分は、少なくともユーザ名と生産品種名とによって区分されるようにしてもよい。かかる構成によれば、ユーザ(ユーザ名)が同じでも生産品種名が変ると操作画面に関する情報が変ることになるため、ユーザが運転操作するにあたってより適切な画面を表示することができる。
【0012】
また、上記運転操作装置において、前記ユーザ名ごとにアクセスレベルが設定されており、前記アクセスレベルによって前記表示部に表示できる前記操作画面の種類及び内容が異なるようにしてもよい。かかる構成によれば、ユーザによって操作画面の画面数や内容が制限されるため、運転操作を単純化でき、また、重要な設定内容を誤って変更されてしまうのを防ぐことができる。
【0013】
始動時において、前記運転操作区分を設定する際、過去に設定された前記生産品種名の名称の一覧が前記表示部に表示され、前記一覧の中から一の前記名称が選択されることにより、選択された前記名称が前記生産品種名として設定されるようにしてもよい。かかる構成によれば、ユーザの運転操作をより単純化することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、実質的に不要な操作画面を回避して、必要な操作画面が表示されるため、ユーザが効率良く運転操作を行える運転操作装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態について図を参照して説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0016】
(実施の形態)
まず、図1を参照して、本実施形態に係る運転操作装置1の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る運転操作装置1のブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る運転操作装置1は、表示部2と、入力部3と、記憶部4と、演算制御部5と、から主に構成されている。また、本実施形態に係る運転操作装置1は、生産機器である計量機器本体(特に組合せ秤本体)6の運転操作を行う運転操作装置とする。運転操作装置1は、計量機器本体1と一体であっても良いし、独立していても良い。なお、運転操作装置1は、複数のユーザが使用するものとし、生産対象となる生産品種も複数あるものとする。
【0017】
表示部2は、後述するログイン画面(図3参照)、生産品種リスト画面(図4参照)、及び操作画面(図5〜図8参照)等の画面を表示する機能を有している。表示部2は、演算制御部5から送信される画像表示信号に基づいて画面を表示する。なお、本実施形態に係る運転操作装置1では、タッチスクリーンを採用しており、表示部2は後述の入力部3と一体になっている。
【0018】
入力部3は、ユーザ名、生産品種名、及び運転操作に必要なパラメータ等を入力する機能を有している。入力部3はユーザによって操作され、ユーザの操作内容を信号データに変換して演算制御部5に送り込むことができる。演算制御部5に送られた信号データは、場合によっては、記憶部4に送られて蓄積される。なお、上述したように、本実施形態に係る運転操作装置1ではタッチスクリーンを採用しているため、ユーザは表示部2に表示された画面を見ながら、入力部3を兼ねるタッチスクリーンに触れて入力操作を行うことになる。
【0019】
記憶部4は、コンピュータの内部メモリからなり、データを蓄積する機能を有する。本実施形態に係る記憶部4には、操作画面に関する操作画面情報が運転操作区分ごとに記憶されている。ここでいう「運転操作区分」とは運転操作のカテゴリーを表わすもので、本実施形態ではユーザ名と生産品種名とによって区分されている(構成されている)。そのため、ユーザ名と生産品種名のうちいずれかが異なれば、運転操作区分が異なることになる。本実施形態では、運転操作区分ごとにフォルダが形成される。具体的には、ユーザ名のフォルダがあらかじめ形成されており、そのユーザ名のフォルダの中に生産品種名のフォルダが形成される。つまり、ある生産品種名のフォルダが形成されていれば、過去にその生産品種名で運転が行われていたことがわかる。また、操作画面に関する操作画面情報は各フォルダ内に形成され、保存さている。この操作画面情報には、少なくとも各操作画面の使用頻度(表示回数)、及び、各操作画面の最後に設定された表示内容についての情報が含まれている。
【0020】
演算制御部5は、CPU等からなり、運転操作装置1全体のみならず計量機器本体6を制御する機能を有している。また、これに加え、演算制御部5は、各操作画面の使用頻度を算出する機能を有する。さらに、演算制御部5は、各操作画面の使用頻度についての情報を含む操作画面情報に基づいて、複数ある操作画面の中から初期画面として適切な操作画面を選択する機能も有している。これらの機能の詳細については後述する。
【0021】
次に、図2〜図9を参照して、本実施形態に係る運転操作装置の作動及び操作方法について説明する。以下では、はじめに新規の生産品種の場合(運転操作するユーザが過去にその生産品種について運転操作したことがない場合)に説明し、その後、従来の生産品種の場合(運転操作するユーザが過去にその生産品種について運転操作したことがある場合)について説明する。
【0022】
図2は、本実施形態に係る運転操作装置1のフローチャートであって、新規の生産品種の場合と従来の生産品種の場合のいずれをも含んでいる。なお、図2のフローチャートに示す作動は、演算制御部5の制御によって遂行される。
【0023】
まず、演算制御部5は、表示部2にログイン画面を表示させる(ステップS1)。図3は、ログイン画面7を示した図である。図3に示すように、ログイン画面7には、ユーザ名とパスワードのそれぞれを入力する欄8、9が設けられている。ユーザは、これらの欄8、9にユーザ名とパスワードを入力する。運転操作装置1を使用するユーザのユーザ名は、事前に登録されており、ログイン画面7の右側にユーザ名の一覧が表示されたリスト欄10が設けられている。なお、ユーザ名の登録の際には、ユーザ名ごとにアクセスレベル1〜3のいずれかが設定される。
【0024】
ユーザ名とパスワードの入力は入力部(タッチスクリーン)3によって行われる(図1参照)。このうちユーザは、図3に示すリスト欄10に表示された一覧の中から自分のユーザ名にあたる名前等に触れることにより、その名前等がユーザ名として選択される。ユーザは、必要により、スクロールボタン11、12に触れて、リスト欄10に表示されたユーザ名の一覧をスクロールすることもできる。本実施形態では、例えば、ユーザ名として「フクダ」を選択する。なお、パスワードは、パスワードの入力欄9に触れると入力キーが表示部に表示されるので(図示せず)、この入力キーを用いて入力する。
【0025】
次に、演算制御部5は、ユーザ名とパスワードの入力を待機する(ステップS2)。そして、図3のログイン画面7で、ユーザが「OK」ボタン13に触れると、演算制御部5はユーザ名とパスワードを認識し、入力されたパスワードがユーザ名ごとにあらかじめ登録されているパスワードと一致することを確認する(ステップS3)。なお、本実施形態では、ユーザがパスワードを入力し、これを演算制御部5が認識しているが、必ずしもパスワードを入力するような構成にしなくても良い。また、パスワードに代えて、ID番号、静脈確認システムなどパスワード以外の本人確認手段を用いても良い。
【0026】
次に、演算制御部5は、表示部2に生産品種リスト画面を表示させ(ステップS4)、生産品種名の入力を待機する(ステップS5)。図4は、生産品種リスト画面14を示した図である。生産品種リスト画面14にはリスト欄15が設けられており、このリスト欄15にはログインしたユーザが過去に設定した生産品種名が一覧として表示され、生産品種名はログインした日時順に並べられている。設定したい生産品種名がリスト欄15に表示された一覧にある場合は、ユーザはその生産品種名をタッチスクリーンに触れて選択する。一方、設定したい生産品種名が生産品種名の一覧にない場合であっても、ユーザは直接、入力欄16に入力することができる。今回は、新規の生産品種を対象としているため、ユーザは生産品種名の入力欄16に直接入力することになる。入力方法は、パスワードを入力した場合と同様、入力欄16に触れると入力キーが現われるのでその入力キーから入力する。本実施形態では、例えば、生産品種名として「ビスケット1」と入力する。
【0027】
次に、図4の画面で、ユーザが「OK」ボタン17に触れると、演算制御部5は生産品種名を認識する(ステップS6)。その後、認識した生産品種が、ログインしているユーザ名の下で運転操作が行われた生産品種か否か、つまり、新規の生産品種か否かを判断する(ステップS7)。ここでは、新規の生産品種を対象としているため、演算制御部5は、新規の生産品種であると判断する(ステップS7でYES)。このとき、記憶部4には、ユーザ名のファイルの中に、新たな生産品種名のファイルが形成される。具体的には、「フクダ」という名称のファイルの中に、「ビスケット1」という名称のファイルが、記憶部4に形成される。このステップS7までで、ユーザ名と生産品種名からなる運転操作区分が設定されたことになる。
【0028】
次に、演算制御部5は、表示部2に初期画面を表示させる(ステップS8)。具体的には、演算制御部5は、表示部2にメインメニュー画面を表示させる。なお、本実施形態において「初期画面」とは、運転区分設定後に最初に表示される操作画面のことをいう。図5〜図7は、メインメニュー画面18A〜18Cを示した図である。図5〜図7に示すメインメニュー画面18A〜18Cは、いずれもメインメニュー画面であるが、これらのうちいずれの画面が表示されるかは、ユーザ名のアクセスレベルによる。上述したように、各ユーザ名はアクセスレベル1〜3のいずれかに分類されている。このうち、アクセスレベル1に分類されたユーザ名でログインしたユーザは操作できる内容が最も制限されており、アクセスレベル3に分類されたユーザ名でログインしたユーザは全ての操作が可能である。アクセスレベル1に分類されたユーザ名でログインした場合は図5に示す画面18A、アクセスレベル2に分類されたユーザ名でログインした場合は図6に示す画面18B、アクセスレベル3に分類されたユーザ名でログインした場合は図7に示す画面18Cがメインメニュー画面として表示される。例えば、今回ログインしたユーザ名「フクダ」がアクセスレベル1に分類されている場合は、メインメニュー画面として図5の画面18Aが表示部2に表示されることになる。
【0029】
図5に示すように、アクセスレベル1のメインメニュー画面1Aには、「品種選択」、「自動運転」、「手動運転」、「全排出」、及び「校正」の名称が付された5つのボタン19〜23が表示されている。これらボタン19〜23に付された名称は、ログインしたユーザがアクセス可能な操作画面の名称を示している。また、図6に示すように、アクセスレベル2のメインメニュー画面18Bには、アクセスレベル1のメインメニュー画面18Aに表示されたボタンに加え、「品種設定」、「日付/時間&印字設定」「トラブル対策」の名称が付されたボタン24〜26が表示され、さらに、図7に示すように、アクセスレベル3のメインメニュー画面18Cには、これらの表示に加え、「システム設定」、「秤初期設定」の名称が付されたボタン27、28が表示されている。このように、アクセスレベルが上がるにつれて、表示可能な操作画面の種類が増えることになる。
【0030】
次に、演算制御部5は、操作画面の選択を待機する(ステップS9)。このとき、ユーザは、メインメニュー画面18A〜18Cに表示されたボタンの中から次に表示させたい操作画面の名称が付されたものをタッチスクリーン(入力部3)によって選択することができる。なお、本実施形態では、ユーザが「自動運転」ボタン20を選択したものとする。
【0031】
次に、演算制御部5は、表示部2に第2操作画面を表示させる(ステップS10)。なお、本実施形態において、「第2操作画面」とは初期画面の次に表示される操作画面である。具体的には、図5で選択した「自動運転」ボタンに対応する自動運転画面を表示部2に表示させる。図8は、自動運転画面29を表示した図である。図8に示す画面内に表示されたボタンや数値の意味や機能についての詳細な説明は省略する。ユーザは、図8に示す自動運転画面29で必要な設定を行うことによって、計量機器本体6の運転操作が自動で行なわれる。また、図8に示す円状の図形や数値の表示位置や大きさは、ユーザが独自に変更(カスタマイズ)したものである。この表示内容についての情報は、運転操作区分ごとに記憶される。本実施形態では、表示内容についての情報は、上述した「ビスケット1」のファイル内にある操作画面情報の一部(最後に設定された表示内容に関する情報)として記憶される。なお、自動運転画面29についての変更(カスタマイズ)は、その後行われなかったものとする。
【0032】
次に、演算制御部5は、操作画面の表示回数をカウントする(ステップS11)。記憶部4における「フクダ」という名称のファイル内の「ビスケット1」という名称のファイルの中に操作画面情報があることは上述したとおりである。演算制御部5は、その操作画面情報の一部として記憶されている自動運転画面29の表示回数データに1を加える。つまり、操作画面の表示回数は、運転操作区分ごとにカウントされる。
【0033】
その後、ユーザは計量機器本体6の運転操作を行ってそのまま終了するか(ステップS11、S13でNO、S14でYESの順で進んだ場合)、または、他の操作画面に切り替えて他の運転操作を行う(ステップS11、S12でYES、S7の順で進んだ場合)。なお、図8の右下にある「復帰」ボタン30を押せば、図5に示すメインメニュー画面18Aに戻るため、このメインメニュー画面18Aからさらに他の操作画面に対応するボタン19〜13を選択すれば、運転操作を切り替えることができる。また、操作画面を切り替えた場合には、上記の場合と同様、演算制御部5が切り替えられた操作画面の表示回数をカウントする(ステップS11)。そして、最終的には、ユーザによる終了操作(ステップS14でYES)で一連の作動は終了する。以上が、新規の生産品種の場合における、運転操作装置の作動及び操作方法である。
【0034】
次に、従来の生産品種の場合における、運転操作装置1の作動及び操作方法について上記と同様に図2を参照して説明する。ここでは、過去に生産品種名「ビスケット1」を対象として運転操作を行ったユーザが、再度「ビスケット1」を対象として運転操作を行うものとする。
【0035】
まず、演算制御部5は、表示部2にログイン画面7を表示させ、ユーザ名を認識する(ステップS1〜S3)。これらのステップS1〜S3は、上記で説明したステップS1〜S3と同様である。なお、演算制御部5が認識したユーザ名は先の場合と同様に「フクダ」とする。
【0036】
次に、演算制御部5は、表示部2に生産品種リスト画面を表示させ(ステップS3)、生産品種の入力を待機する(ステップS5)。図9は、生産品種リスト画面14Aを示した図である。今回は、過去に「フクダ」のユーザ名で「ビスケット1」を対象として運転操作が行われていることから、記憶部4には「ビスケット1」の生産品種名が記憶されている。そのため、図9のリスト欄15に表示された生産品種の一覧には、最後の行に「ビスケット1」が含まれている。そこで、ユーザは、タッチスクリーン(入力部3)に触れて「ビスケット1」を選択する。
【0037】
次に、演算制御部5は、生産品種名を認識する(ステップS6)。図9の画面で、ユーザが「OK」ボタン17に触れると、演算制御部5は生産品種名を認識する。そして、認識した生産品種名が新規の生産品種か否かを判断する(ステップS7)。ここでは、従来の生産品種を対象としているため、演算制御部5は、新規の生産品種ではないと判断する(ステップS7でNO)。なお、上記で説明した場合とは異なり、記憶部4において「フクダ」のファイル内に「ビスケット1」のファイルが既に形成されているため、新たなファイルが形成されることはない。このステップS7までで、ユーザ名と生産品種名からなる運転操作区分が設定されたことになる。
【0038】
次に、演算制御部5は、使用頻度の高い操作画面を選択する(ステップS21)。本実施形態では、演算制御部5は、メインメニュー画面18A〜18Cを除く操作画面のうち、最も表示回数の多い操作画面を選択する。上述したように、各操作画面の表示回数を含む操作画面情報が記憶部に記憶されているため、この操作画面情報に基づいて、演算制御部は最も表示回数の多い操作画面を選択する。ここでは、上記の「ビスケット1」のファイル内にある操作画面情報に、最も表示回数の多い操作画面として自動運転画面29(図8参照)が記憶されており、演算制御部5はこの操作画面情報に基づいて自動運転画面29を選択したとする。
【0039】
次に、演算制御部5は、表示部2に初期画面を表示させる(ステップS22)。具体的には、ステップS21で選択された操作画面を表示部2に表示させる。新規の生産品種の場合、従来の生産品種名の場合とは異なり、図5〜7に示すメインメニュー画面18A〜18Cがはじめに表示されないため、ステップS21で選択された操作画面が初期画面となる。本実施形態では、ステップS21で自動運転画面29が選択されているため、初期画面として表示部2には図8に示す自動運転画面29が表示される。なお、各操作画面は、最後に変更された表示内容に関する情報に基づいて表示される。上述したように、図8に示す自動運転画面29の表示内容が最新の設定(最後に変更されたもの)として、操作画面情報に記憶されているため、本ステップにおいても図8に示す自動運転画面29と同じ画面が表示される。
【0040】
次に、演算制御部5は、操作画面の表示回数をカウントする(ステップS11)。本ステップは、上記で説明したステップS11と同様である。具体的には、演算制御部5は、記憶部4における上記の「ビスケット1」のファイル内にある操作画面情報の一部として記憶されている自動運転画面の表示回数データに1を加える。
【0041】
その後、ユーザは計量機器本体6の運転操作を行ってそのまま終了するか(ステップS11、S13でNO、S14でYESの順で進んだ場合)、または、他の操作画面に切り替えて他の運転操作を行う(ステップS11、S12でYES、S7の順で進んだ場合)。操作画面の切り替え方法は、上述したとおりである。最後にユーザによる終了操作(ステップS14でYES)で一連の作動は終了する。以上が、従来の生産品種の場合における、運転操作装置1の作動及び操作方法である。
【0042】
以上のように、本実形態に係る運転操作装置1によれば、同じユーザ名で同じ生産品種名を対象として再度の運転操作を行う場合には、メインメニュー画面18A〜18Cが表示されずに、はじめから表示回数の多い運転画面が表示されることになる。そのため、運転画面の選択作業を省略することができ、ユーザの作業を簡略化することができる。よって、本実形態に係る運転操作装置1によれば、ユーザが効率良く運転操作を行うことができる。
【0043】
なお、以上では、メインメニュー画面18A〜18Cの表示回数をカウントしない場合について説明したが、メインメニュー画面18A〜18Cの表示回数もカウントするようにしても良い。
【0044】
また、以上では、各操作画面の表示回数をカウントすることで、操作画面の使用頻度を算出したが、他の方法によって使用頻度を算出するようにしてもよい。例えば、各操作画面の総表示時間を算出したり、各操作画面におけるユーザのタッチ回数をカウントしたりするようにしても良い。
【0045】
また、以上では、使用頻度に基づいて初期画面が選択されているが、初期画面となる操作画面を各ユーザが設定することで、操作画面データに登録することができ、このデータに基づいて初期画面が選択されるようにしてもよい。
【0046】
また、以上では、従来の生産品種を対象として運転操作するときメインメニュー画面18A〜18Cを省略する場合について説明したが、実質的に不要な設定入力画面(複数ある場合も含む)がはじめに表示されるような場合には、その画面を省略するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の運転操作装置は、組合せ秤の運転操作装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態に係る運転操作装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るフローチャート図である。
【図3】本発明の実施形態に係るログイン画面を示した図である。
【図4】本発明の実施形態に係る生産品種リスト画面を示した図である。
【図5】本発明の実施形態に係るメインメニュー画面を示した図である。
【図6】本発明の実施形態に係るメインメニュー画面を示した図である。
【図7】本発明の実施形態に係るメインメニュー画面を示した図である。
【図8】本発明の実施形態に係る自動運転画面を示した図である。
【図9】本発明の実施形態に係る生産品種リスト画面を示した図である。
【符号の説明】
【0049】
1 運転操作装置
2 表示部
3 入力部
4 記憶部
5 演算制御部
6 計量機器本体
14 生産品種リスト画面
14A 生産品種リスト画面
18A〜18C メインメニュー画面
29 自動運転画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが複数の操作画面を利用して生産機器の運転操作を行う運転操作装置であって、
少なくともユーザ名によって区分される運転操作区分を始動時において設定するための入力部と、
前記操作画面に関する操作画面情報を前記運転操作区分ごとに記憶する記憶部と、
始動時に設定された前記運転操作区分の前記操作画面情報に基づいて、前記複数の操作画面の中から初期画面となる画面を選択する演算制御部と、
前記演算制御部で選択された画面を表示する表示部とを備えた、運転操作装置。
【請求項2】
前記演算制御部は、前記各操作画面の利用頻度を前記運転操作区分ごとに算出し、
前記操作画面情報には、前記各操作画面の利用頻度に関する情報が含まれており、
前記演算制御部は、前記利用頻度の高い前記操作画面を初期画面として選択する、
請求項1に記載の運転操作装置。
【請求項3】
前記各操作画面の表示内容は前記運転操作区分ごとに変更することが可能であって、
前記操作画面情報には、最後に変更された前記表示内容に関する情報が含まれており、
一旦表示内容が変更された前記操作画面は、前記最後に変更された前記表示内容に関する情報に基づいて表示される、
請求項1又は2に記載の運転操作装置。
【請求項4】
前記運転操作区分は、少なくともユーザ名と生産品種名によって区分される、請求項1乃至3のうちいずれか一の項に記載の運転操作装置。
【請求項5】
前記ユーザ名ごとにアクセスレベルが設定されており、前記アクセスレベルによって前記表示部に表示できる前記操作画面の種類及び内容が異なる、請求項4に記載の運転操作装置。
【請求項6】
前記運転操作区分を設定する際、過去に設定された前記生産品種名の名称の一覧が前記表示部に表示され、前記一覧の中から一の前記名称が選択されることにより、選択された前記名称が前記生産品種名として設定される、請求項4又は5に記載の運転操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−271771(P2009−271771A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−122450(P2008−122450)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【出願人】(000208444)大和製衡株式会社 (535)
【Fターム(参考)】