説明

運転行動推定装置

【課題】運転行動の推定精度を向上させる
【解決手段】アクセル開度A(t),ブレーキ操作量B(t),車速V(t)を要素とする運転データDU(t)={A(t),B(t),V(t)}を取得するとともに、自車両の現在位置から対象交差点の位置までの距離と、最新の車速データとに基づいて、対象交差点に到達するまでの残り時間τを算出する。ROM19bには、複数の異なる残り時間τ毎に、残り時間τから、予め設定されたテンプレート時間範囲(例えば5秒)までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、停止行動テンプレートと右左折行動テンプレートと直進行動テンプレートとが記憶される。そして、算出された残り時間τに基づいて、残り時間τに対応した各運転行動のテンプレートを選択し、取得した運転データDU(t)の履歴と、選択したテンプレートとに基づき、対象交差点での運転者の運転行動を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の運転行動を推定する運転行動推定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者の運転行動を推定してその運転行動に応じた支援を行う運転支援システムにおいては、運転者の運転行動に対して適切な支援が行われないと、支援自体が運転者にとって負荷となってしまうことも考えられる。このため、運転者の運転行動を的確に推定してその運転行動に応じた支援を行うことが重要となる。そこで、運転者の運転行動を推定する運転行動推定装置が提案されている。
【0003】
例えば、隠れマルコフモデルを用いた運転行動の認識において、パラメータの推定および認識を、運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン単位で行うとともに、運転行動パターンを構成する運転行動サブパターン間の時間的前後関係を記述する運転行動パターンテンプレートを設け、認識結果であるサブパターン系列とサブパターンテンプレートとの照合によって、運転行動パターンの認識を行うように構成された運転行動推定装置が知られている(例えば特許文献1を参照)。このように構成された運転行動推定装置では、右折の認識の場合には「認識開始→減速→右転舵→加速→認識終了」、停止の認識の場合には「認識開始→減速→車両停止→認識終了」というように、運転行動が完了した時点または完了する直前で運転行動を推定することができるものであり、運転者の状況に合わせた支援(例えば、警報またはガイダンス)ができるとは言い難い。
【0004】
そこで、対象ポイント(例えば交差点)で曲がる運転行動の推定に特化し、対象ポイントで曲がるための減速を捉えて、対象ポイントに到達するまでに時間的余裕がある早い時点で、運転行動の推定を完了させようとする運転行動推定装置が提案されている(例えば特許文献2を参照)。具体的には、運転者が対象ポイントで曲がる場合に、対象ポイントに到達するまでのアクセル量、ブレーキ量、および速度のデータをクラスタリング手法によって分類し、分類したデータを平均化したものを、曲がる運転行動のテンプレートとし、このテンプレートと実際の運転データとの照合によって、運転行動パターンの認識を行うように構成されている。このように構成された運転行動推定装置では、対象ポイントに到達する前の早い段階で、運転者が対象ポイントで曲がろうとしているか否かに応じて、経路案内のガイダンスを行うか否かを決定することができ、運転者の状況に合わせた支援を行うことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−99846号公報
【特許文献2】特開2006−133216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献2に記載の運転行動推定装置では、アクセル量、ブレーキ量、および速度などの運転データの時系列変化のみに注目して、テンプレートと実際の運転行動との照合を行うため、それぞれ異なる運転行動において類似する時系列変化を有する部分があると、運転者の運転行動を高い精度で推定することが難しくなるという問題があった。例えば、曲がる運転行動と止まる運転行動では、運転者は、対象ポイントに到達する前にブレーキを踏んで車両を減速させる運転行動を行う。このため、図10に示すように、曲がる運転行動のテンプレートTP11と、止まる運転行動のテンプレートTP12において、異なる時間領域で、ブレーキ量が増加するとともにアクセル量および速度が減少する時間領域が存在する(図10中のサブパターンSP11とサブパターンSP12を参照)。これにより、運転者が曲がる運転行動を行っているにもかかわらず、止まる運転行動を行っていると運転行動推定装置が推定してしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、運転行動の推定精度を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の運転行動推定装置では、現在位置情報取得手段が、自車両の現在位置を示す現在位置情報を取得するとともに、対象ポイント位置情報取得手段が、自車両の運転行動を推定する対象となる地点である対象ポイントの位置を示す対象ポイント位置情報を取得する。
【0009】
また運転データ取得手段が、自車両の速度情報と、自車両の走行状態に影響を与える運転者の車両操作に関わる操作情報とからなる運転データを取得する。さらに残時間算出手段が、現在位置情報取得手段にて取得された現在位置情報と、対象ポイント位置情報取得手段にて取得された対象ポイント位置情報と、自車両の速度を算出するための速度算出情報とに基づいて、自車両が対象ポイントに到達するまでの時間であるポイント到達残時間を算出する。
【0010】
またテンプレート記憶手段が、複数の異なるポイント到達残時間毎に、対象ポイントに到達するポイント到達残時間前から、ポイント到達残時間以前の予め設定された一定期間までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、運転行動毎のテンプレートを記憶する。
【0011】
そしてテンプレート取得手段が、残時間算出手段にて算出されたポイント到達残時間に基づいて、ポイント到達残時間に対応したテンプレートをテンプレート記憶手段から取得し、運転行動推定手段が、運転データ取得手段にて取得された運転データの履歴と、テンプレート取得手段にて取得されたテンプレートとを照合することで、対象ポイントでの運転者の運転行動を推定する。
【0012】
このように構成された請求項1に記載の運転行動推定装置では、ポイント到達残時間前から、ポイント到達残時間以前の予め設定された一定期間までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、運転行動毎のテンプレートが、複数の異なるポイント到達残時間毎に設けられており、ポイント到達残時間に対応したテンプレートと、運転データの履歴とを用いて、運転行動を推定する。
【0013】
そして、それぞれ異なる複数の運転行動において、対象ポイントに到達する前における車両の速度および運転者の車両操作の時間変化で類似する部分を有していても、この類似部分が発生する時間領域が運転行動毎に異なっている。例えば、曲がる運転行動と止まる運転行動とを比較すると、両者ともに、交差点前でブレーキ量が増加するとともにアクセル量および速度が減少する時間領域が存在する。しかし、曲がる運転行動よりも止まる運転行動のほうが、ブレーキ量が増加するとともにアクセル量および速度が減少する時点が早い(図10を参照)。
【0014】
このため、同じポイント到達残時間に対応した夫々異なる運転行動のテンプレートを比較すると、特許文献2に記載の運転行動推定装置のように対象ポイントに接近してから対象ポイントに到達するまでの長い時間領域についての夫々異なる運転行動のテンプレートを比較する場合よりも、互いに類似する部分が少なくなる。つまり、異なる運転行動間での相違が明確なテンプレートを用いて運転行動の推定を行うことができるため、運転行動の推定精度を向上させることができる。
【0015】
また請求項1に記載の運転行動推定装置において、請求項2に記載のように、残時間算出手段がポイント到達残時間を算出するために用いる速度算出情報として、自車両の速度および加速度の少なくとも一方を用いるようにするとよい。
【0016】
そして、車両の速度および運転者の車両操作の時間変化で類似する部分を有するのは、曲がる運転行動と止まる運転行動であるので、請求項1または請求項2に記載の運転行動推定装置において、請求項3に記載のように、運転行動は、右左折行動と停止行動であるようにするとよい。
【0017】
また、車両の速度および運転者の車両操作の時間変化で類似する部分を有する曲がる運転行動と止まる運転行動とを区別して推定する必要があるのは、交差点であるので、請求項1〜請求項3の何れかに記載の運転行動推定装置において、請求項4に記載のように、対象ポイントは、自車両の走行経路上の次の交差点であるようにするとよい。
【0018】
また、請求項1〜請求項4の何れかに記載の運転行動推定装置において、自車両の走行状態とは、具体的には、車両の加減速が考えられる。この場合、操作情報としては、例えば、請求項5に記載のように、アクセルペダル及びブレーキペダルに関するものを用いればよい。但し、自車両の走行状態は車両の加減速に限ったものではなく、例えば車両の向きなども考えられ、その場合の操作情報としては、例えばステアリングに関するもの(ステアリング操作量等)を用いればよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ナビゲーション装置10の構成、及びナビゲーション装置10が接続された車内LANの概略構成を示すブロック図である。
【図2】テンプレート作成手順を示すフローチャートである。
【図3】テンプレートの構成を示す説明図である。
【図4】交差点案内処理を示すフローチャートである。
【図5】運転行動推定処理を示すフローチャートである。
【図6】音声ガイダンス実行処理を示すフローチャートである。
【図7】残り時間τに応じた停止行動テンプレートの選択を説明する図である。
【図8】残り時間τに応じた右左折行動テンプレートの選択を説明する図である。
【図9】音声ガイダンスの実行条件を示すグラフである。
【図10】特許文献2で用いられるテンプレートを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施形態について図面とともに説明する。
図1は、本実施形態のナビゲーション装置10の構成、及びナビゲーション装置10が接続された車内LAN25の概略構成を示すブロック図である。
【0021】
図1に示すように、ナビゲーション装置10は、車両に搭載され、車内LAN25を介してエンジンECU31,ブレーキECU32,ステアリングECU33をはじめとする各種ECUや車載機器と接続されている。
【0022】
このうちエンジンECU31は、少なくとも、運転者のアクセルペダルの踏込量に応じたアクセル開度を検出するアクセル開度センサからの検出信号に基づいて、エンジンの回転を制御するように構成されている。またブレーキECU32は、少なくとも、運転者のブレーキペダル操作に応じてブレーキ油を圧送するマスタシリンダの油圧からブレーキ操作量を検出するマスタシリンダ圧センサや、車速を検出する車速センサからの検出信号に基づいて、ABS制御やトラクション制御等を実行するように構成されている。またステアリングECU33は、少なくとも、ドライバのステアリング操作時における前輪の操舵角を検出するステア角センサからの検出信号に基づいて、操舵輪の舵角変更時のアシスト力を発生させるパワーステアリング制御を実行するように構成されている。
【0023】
そして、これらECU31〜33等にて検出される各種車両情報(アクセル開度,ブレーキ操作量,車速など)は、車内LAN25を介して相互に任意に送受信できるようにされている。
【0024】
次にナビゲーション装置10は、車両の現在位置を検出する位置検出器11と、ユーザーからの各種指示を入力するための操作スイッチ群12と、操作スイッチ群12と同様に各種指示を入力可能であってナビゲーション装置10とは別体となったリモートコントロール端末(以下、「リモコン」という)13aと、リモコン13aからの信号を入力するリモコンセンサ13bと、地図データや各種の情報を記録した地図記憶媒体から地図データ等を入力する地図データ入力器14と、地図や各種情報の表示を行うための表示部15と、各種のガイド音声等を出力するための音声出力部16と、ユーザーが発話した音声に基づく電気信号を出力するマイクロフォン17と、車内LAN25を介して他の装置と各種車両情報等をやりとりする車内LAN通信部18と、上述した位置検出器11,操作スイッチ群12,リモコンセンサ13b,地図データ入力器14,マイクロフォン17,車内LAN通信部18からの入力に応じて各種処理を実行し、表示部15,音声出力部16,車内LAN通信部18を制御する制御部19とを備えている。
【0025】
このうち位置検出器11は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信してその受信信号を出力するGPS受信機11aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ11bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出するための距離センサ11cと、地磁気から進行方位を検出するための地磁気センサ11dとを備えている。そして、これら各センサ等11a〜11dからの出力信号に基づいて制御部19が、車両の位置,方位,速度等を算出する。
【0026】
なお、GPS受信機11aからの出力信号に基づいて現在位置を求める方式は様々な方式があるが、単独測位方式、相対測位方式(D−GPS方式,干渉測位方式)の何れであってもよい。特に干渉測位方式のうちのRTK−GPS(Real Time Kinematics Global Positioning System)方式を利用するようになっているとよい。
【0027】
操作スイッチ群12は、表示部15の表示面と一体に構成されたタッチパネル及び表示部15の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成される。なお、タッチパネルと表示部15とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0028】
地図データ入力器14は、図示しない地図記憶媒体に記憶された各種データを入力するための装置である。地図記憶媒体には、地図データ(ノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、マークデータ、交差点データ、一時停止地点データ、施設のデータ等)、対象用の音声データ、音声認識データ等が記憶されている。このようなデータを記憶する記憶媒体の種類としては、CD−ROMやDVD−ROMの他、ハードディスクやメモリカード等の記憶媒体を用いてもよい。
【0029】
表示部15は、カラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRTなどがあるが、その何れを用いてもよい。表示部15の表示画面には、地図データ入力器14より入力された地図データに基づく地図画像が表示され、この地図画像に重ねて位置検出器11にて検出した車両の現在位置を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のマーク等の付加データも表示される。
【0030】
音声出力部16は、地図データ入力器14より入力した施設のガイドや各種対象の音声を出力する。
マイクロフォン17は、利用者が音声を入力(発話)するとその入力した音声に基づく電気信号(音声信号)を制御部19に出力するものである。このマイクロフォン17を介して入力される音声コマンドによって、ナビゲーション装置10の操作が可能なように構成されている。
【0031】
車内LAN通信部18は、車内LAN25を介して車内LAN25に接続された様々な機器(エンジンECU31等)と通信を行う。
制御部19は、CPU19a,ROM19b,RAM19c,I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、ROM19bに記憶されたプログラムに基づいて、位置検出器11からの各検出信号に基づき座標及び進行方向の組として車両の現在位置を算出し、地図データ入力器14から読み込んだ現在位置付近の地図等を表示部15に表示する地図表示機能や、地図データ入力器14から読み込んだ地点データに基づき、操作スイッチ群12の操作や、マイクロフォン17を介した音声入力に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算(例えば、ダイクストラ法)を行って経路案内を行う経路案内機能や、音声出力部16とマイクロフォン17を介して運転者との対話を行いながら運転者からの音声コマンドを入力することによってナビゲーション装置10を制御する対話機能(エージェント機能)を備える。
【0032】
このように構成されたナビゲーション装置10において、制御部19は、車両が交差点に接近したときに運転者に案内を行う交差点案内処理を実行する。
また、制御部19を構成するROM19bには、運転者の行動を推定する際に使用される行動パターンテンプレート(以下、単にテンプレートともいう)が記憶されている。
【0033】
ここで、ROM19bに記憶された行動パターンテンプレートの作成手順を図2に示すフローチャート、及び図3に示す説明図を用いて説明する。なお、行動パターンテンプレートは、ナビゲーション装置10外部のコンピュータ上で実行される処理によって作成される。また図2〜図3では、交差点で止まる運転行動について、交差点に到達するまでの残り時間がτである行動パターンテンプレートの作成手順を説明する。
【0034】
図2に示すように、テンプレート作成手順が開始されると、まずS110で、車両の状態を表す各種車両情報を時系列でサンプリングしたデータが蓄積されたデータベースから、複数の交差点についての止まる運転行動において、交差点に到達するまでの残り時間τまでの停止蓄積データ群UGstopτを取得する。なお、残り時間τは、交差点までの距離をLc、車両の走行速度をVcとして、Lc/Vcで算出される。
【0035】
また停止蓄積データ群UGstopτは、予め指定された複数の車両情報(本実施形態では、アクセル開度A,ブレーキ操作量B,車速V)で構成されている。さらに停止蓄積データ群UGstopτは、車両が交差点に到達するまでに残り時間τを要する地点から、予め設定されたテンプレート時間範囲(本実施形態では、例えば5秒)前までの間における運転データを、複数の運転者および複数の交差点について、収集したものである。なお、データベースに蓄積された運転データは、実車を用いた測定により収集されたものであってもよいし、ドライビングシミュレータを用いて収集されたものであってもよい。
【0036】
続いてS120では、S110で取得された停止蓄積データ群UGstopτの各要素A,B,Vを、いずれも0〜1の値を持つように正規化する。
続いてS130では、停止蓄積データ群UGstopτをクラスタリング手法を用いて分類する。具体的には、停止蓄積データ群UGstopτ間の距離を定義し、この距離が互いに近いもの同士を同一クラスタに分類する。なお、このようなクラスタリング手法は周知のものであり、例えばK−means法を用いることができるが、これに限るものではない。
【0037】
続いてS140では、S130での分類結果に従って、図3に示すように、分類されたM個のクラスタ(m=1〜M)毎に、停止蓄積データ群UGstopτの平均値を算出する。
以下、クラスタmの停止蓄積データ群UGstopτの平均値を停止平均データ群UGstopτmと呼び、(1)式で表すものとする。ただし、(1)式におけるUstopτm(i)は、停止平均データ群UGstopτmを構成するi(i=1〜Tp/S)番目の平均運転データであり、(2)式で表すものとする。また、(2)式におけるAstopτm(i)は、同じクラスタmに含まれる全ての停止蓄積データ群UGstopτから、i番目の運転データのアクセル開度Aを抽出して求めたアクセル開度Aの平均値であり、Bstopτm(i),Vstopτm(i)も同様にして求めたブレーキ操作量B及び車速Vの平均値である。
【0038】
UGstopτm
={Ustopτm(1),Ustopτm(2),…,Ustopτm(Tp/S)} (1)
stopτm(i)
={Astopτm(i),Bstopτm(i),Vstopτm(i)} (2)
その後S150では、停止平均データ群UGstopτmを、止まる運転行動のテンプレートTstopτm(以下、停止行動テンプレートTstopτmともいう)とし、テンプレート作成手順を終了する。
【0039】
なお、交差点で曲がる運転行動のテンプレートTturnτm(以下、右左折行動テンプレートTturnτmともいう)と、交差点で直進する運転行動のテンプレートTstraightτm(以下、直進行動テンプレートTstraightτmともいう)についても、上述と同様の手順で作成される。
【0040】
したがって、制御部19を構成するROM19bには、複数の異なる残り時間τ毎に、残り時間τからテンプレート時間範囲までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、停止行動テンプレートTstopτmと右左折行動テンプレートTturnτmと直進行動テンプレートTstraightτmとが記憶される。
【0041】
次に、ナビゲーション装置10の制御部19が実行する交差点案内処理の手順を、図4を用いて説明する。図4は交差点案内処理を示すフローチャートである。この交差点案内処理は、制御部19が起動(電源オン)している間に繰り返し実行される処理である。
【0042】
この交差点案内処理が実行されると、制御部19は、まずS210にて、直近の交差点(以下、対象交差点という)までの距離を算出する。具体的には、位置検出器11で検出された自車両の現在位置から直近の交差点(対象交差点)の位置を地図データ入力器14から読み込む。そして、自車両の現在位置から対象交差点の位置までの距離Cdを算出する。
【0043】
その後S220にて、距離Cdが予め設定された判定開始距離(本実施形態では300m)以下であるか否かを判定する。そして、距離Cdが判定開始距離より大きければ(S220:NO)、S210に戻って上述の処理を繰り返し、一方、距離Cdが判定開始距離以下であれば(S220:YES)、自車両が対象交差点に十分に接近したと判断し、S230にて、運転者の行動を推定する運転行動推定処理(後述)を実行し、さらにS240にて、対象交差点に関するガイダンスを音声出力部16を介して音声により実行する音声ガイダンス実行処理(後述)を行う。
【0044】
その後S250にて、自車両の現在位置から対象交差点の位置までの距離Cdを算出し、S260にて、S250で算出した距離Cdに基づいて、対象交差点を通過したか否かを判定する。そして、対象交差点を未だ通過していなければ(S260:NO)、S220に戻って、上記S220〜S260の処理を繰り返し実行し、一方、対象交差点を既に通過していれば(S260:YES)、交差点案内処理を一旦終了する。
【0045】
次に、S230にて実行される運転行動推定処理の手順を、図5を用いて説明する。図5は運転行動推定処理を示すフローチャートである。
この運転行動推定処理が開始されると、まずS310にて、車内LAN通信部18を介してアクセル開度A(t),ブレーキ操作量B(t),車速V(t)を要素とする運転データDU(t)={A(t),B(t),V(t)}を取得する。
【0046】
そしてS320にて、S310で取得した運転データDU(t)の各要素A(t),B(t),V(t)を、いずれも0〜1の値をとるように正規化する。なお、tは、データをサンプリングした時刻を表し、運転データDU(t)は、予め設定されたサンプリング間隔S(本実施形態では0.5秒)毎に読み込まれるものとする。
【0047】
さらにS330にて、S320で正規化された運転データDU(t)を含む、過去Tw(=5秒)間分の運転データDU(t),DU(t−S),…,DU(t−Tw)が、制御部19を構成するRAMに保存されるように、RAMの保存データを更新する。なお以下では、このRAMに保存されたTw秒間分(Tw/S個)の運転データを運転データ群MGとして(3)式にて表し、運転データ群MGに属する各運転データMU(j)を(4)式にて表す。但し、j=1〜Tw/Sであり、j=1が最古のデータ、j=Tw/Sが最新のデータを表す。すなわち、DU(t−Tw)=MU(1),…,DU(t)=MU(Tw/S)であるものとする。
【0048】
MG={MU(1),MU(2),…,MU(Tw/S)} (3)
MU(j)={A(j),B(j),V(j)} (4)
またS340にて、対象交差点に到達するまでの残り時間τを算出する。具体的には、自車両の現在位置から対象交差点の位置までの距離Cdを算出するとともに、S310で取得した最新の車速データVcとを用いて、(5)式により算出する。
【0049】
τ = Cd/Vc (5)
そしてS350にて、制御部19を構成するROM19bに記憶されており、複数の異なる残り時間τ毎に設けられた停止行動テンプレートTstopτm、右左折行動テンプレートTturnτm、および直進行動テンプレートTstraightτmの中から、S340で算出した残り時間τに対応した停止行動テンプレートTstopτm、右左折行動テンプレートTturnτm、および直進行動テンプレートTstraightτmを選択する。
【0050】
例えば、残り時間τが4秒であるときには、τ=4[秒]に対応する停止行動テンプレートTstopτm(図7中のテンプレート群TG01を参照)と、τ=4[秒]に対応する右左折行動テンプレートTturnτm(図8中のテンプレート群TG11を参照)と、τ=4[秒]に対応する直進行動テンプレートTstraightτmを選択する。また、残り時間τが2秒であるときには、τ=2[秒]に対応する停止行動テンプレートTstopτm(図7中のテンプレート群TG02を参照)と、τ=2[秒]に対応する右左折行動テンプレートTturnτm(図8中のテンプレート群TG12を参照)と、τ=4[秒]に対応する直進行動テンプレートTstraightτmを選択する。
【0051】
なお、図7および図8に示すように、同じ運転行動のテンプレートであっても、残り時間τによって、選択されるテンプレートの数が異なる。また、同じ残り時間τであっても、運転行動によって、選択されるテンプレートの数が異なる。
【0052】
その後S360にて、S330で更新した運転データ群MGと、S350で選択した各行動のテンプレートTstopτm,Tturnτm,Tstraightτmとの時刻tにおける重みつき距離Dstopτ(t),Dturnτ(t),Dstraightτ(t)を算出する。
【0053】
具体的には、まず、(6),(7),(8)式により、各行動のテンプレートTstopτm,Tturnτm,Tstraightτmのそれぞれについて、運転データ群MGとの距離を表す指標データdstopτm(t),dturnτm(t),dstraightτm(t)を算出する。なお、(6),(7),(8)式のastopτm,aturnτm,astraightτmは、テンプレートの重み係数である。
【0054】
【数1】

そして、(9),(10),(11)式に示すように、各行動のテンプレートTstopτm,Tturnτm,Tstraightτm毎に算出した指標データdstopτm(t),dturnτm(t),dstraightτm(t)のうち、その値が最も小さいもの(即ち、運転データ群MGに最も類似した行動パターンテンプレートとの距離)を、時刻tにおける重みつき距離Dstopτ(t),Dturnτ(t),Dstraightτ(t)とする。
【0055】
【数2】

またS370にて、(12),(13),(14)式に示すように、重みつき距離Dstopτ(t),Dturnτ(t),Dstraightτ(t)の差E1τ(t),E2τ(t),E3τ(t)を算出する。
【0056】
1τ(t)=Dstopτ(t)−Dturnτ(t) (12)
2τ(t)=Dstopτ(t)−Dstraightτ(t) (13)
3τ(t)=Dturnτ(t)−Dstraightτ(t) (14)
次にS380にて、(15),(16),(17)式に示すように、差E1τ(t),E2τ(t),E3τ(t)を正規化したものを類似度R1(t),R2(t),R3(t)とする。
【0057】
【数3】

ここで類似度R1(t)は、実際の運転データが、止まる運転行動のテンプレートと曲がる運転行動のテンプレートのうちの何れに類似しているかを示すものである。すなわち、類似度R1(t)が、0に近付くほど、曲がる運転行動のテンプレートに類似し、1に近付くほど、止まる運転行動のテンプレートに類似していることを示す。
【0058】
同様に類似度R2(t)は、実際の運転データが、止まる運転行動のテンプレートと直進する運転行動のテンプレートのうちの何れに類似しているかを示すものである。すなわち、類似度R2(t)が、0に近付くほど、直進する運転行動のテンプレートに類似し、1に近付くほど、止まる運転行動のテンプレートに類似していることを示す。
【0059】
また類似度R3(t)は、実際の運転データが、曲がる運転行動のテンプレートと直進する運転行動のテンプレートのうちの何れに類似しているかを示すものである。すなわち、類似度R3(t)が、0に近付くほど、直進する運転行動のテンプレートに類似し、1に近付くほど、曲がる運転行動のテンプレートに類似していることを示す。
【0060】
そしてS390にて、表1に示すように、類似度R1(t),R2(t),R3(t)と、閾値θstop-turn,θturn-stop,θstop-straight,θturn-straightとの大小関係により、運転行動を決定する。
【0061】
【表1】

ここで閾値θstop-turn,θturn-stopは、類似度R1(t)との比較のために用いられるものであり、θstop-turnはθturn-stopより大きくなるように設定されている。すなわち、類似度R1(t)がθstop-turnより大きい場合には、止まる運転行動を行うと決定され易くなり、類似度R1(t)がθturn-stopより小さい場合には、曲がる運転行動を行うと決定され易くなる。
【0062】
またθstop-straightは、類似度R2(t)との比較のために用いられるものである。すなわち、類似度R2(t)がθstop-straightより大きい場合には、止まる運転行動を行うと決定され易くなり、類似度R2(t)がθstop-straight以下の場合には、直進する運転行動を行うと決定され易くなる。
【0063】
またθturn-straightは、類似度R3(t)との比較のために用いられるものである。すなわち、類似度R3(t)がθturn-straightより大きい場合には、曲がる運転行動を行うと決定され易くなり、類似度R3(t)がθturn-straight以下の場合には、直進する運転行動を行うと決定され易くなる。
【0064】
これにより、例えば表1の「ケース1」および「ケース2」では、類似度R1(t)がθstop-turnより大きく、且つ類似度R2(t)がθstop-straightより大きいため、類似度R3(t)の値にかかわらず、止まる運転行動を行うと決定される。
【0065】
また、表1の「ケース3」および「ケース4」では、類似度R1(t)がθstop-turnより大きく、且つ類似度R2(t)がθstop-straight以下であるため、類似度R3(t)の値にかかわらず、止まる運転行動および曲がる運転行動以外の運転行動(以下、その他の運転行動という)を行うと決定される。
【0066】
また、表1の「ケース5」では、類似度R1(t)がθturn-stopより小さく、且つ類似度R2(t)がθstop-straightより大きく、且つ類似度R3(t)がθturn-straightより大きいため、曲がる運転行動を行うと決定される。
【0067】
また、表1の「ケース6」では、類似度R1(t)がθturn-stopより小さく、且つ類似度R2(t)がθstop-straightより大きく、且つ類似度R3(t)がθturn-straight以下であるため、その他の運転行動を行うと決定される。
【0068】
また、表1の「ケース9」では、類似度R1(t)がθstop-turnより小さくθturn-stopより大きく、且つ類似度R2(t)がθstop-straightより大きく、且つ類似度R3(t)がθturn-straightより大きいため、止まる運転行動または曲がる運転行動を行うと決定される。
【0069】
そしてS390の処理が終了すると、S400にて、S390で曲がる運転行動を行うと決定されたか否かを判断する。ここで、曲がる運転行動を行うと決定された場合には(S400:YES)、S410にて、推定結果フラグFnを1に設定し、運転行動推定処理を終了する。
【0070】
一方、曲がる運転行動を行うと決定されなかった場合には(S400:NO)、S420にて、推定結果フラグFnを0に設定し、運転行動推定処理を終了する。
次に、S240にて実行される音声ガイダンス実行処理の手順を、図6を用いて説明する。図6は音声ガイダンス実行処理を示すフローチャートである。
【0071】
この音声ガイダンス実行処理が開始されると、まずS510にて、経路案内機能で設定された経路を参照して、対象交差点で曲がるべきか否かを判断する。ここで、対象交差点で曲がるべきである場合に(S510:YES)、S520にて、推定結果フラグFnが1に設定されているか否かを判断する。ここで、推定結果フラグFnが1に設定されている場合には(S520:YES)、設定経路に基づく対象交差点での進路と運転者の行動とが一致しているため、音声ガイダンスを行うことなく、そのまま音声ガイダンス実行処理を終了する。
【0072】
一方、推定結果フラグFnが1に設定されてない場合には(S520:NO)、S530にて、対象交差点までの距離Cdが、先のS320にて正規化された車速Vを入力として関数f(V)を用いて算出される必要距離Dneed=f(V)より小さいか否かを判定する。
【0073】
なお、関数f(V)は、図9に示すように、車速Vが大きいほど、必要距離Dneedも大きくなり、しかも、最初の音声ガイダンスが、運転者にとって余裕を持って従うことができるようなタイミングで開始されるように設定されている。
【0074】
そしてS530で、対象交差点までの距離Cdが必要距離Dneedより小さい場合(図中d1参照)は(S530:YES)、S540へ移行し、対象交差点では曲がるべきであること(或いは直進すべきではないこと)を案内する音声ガイダンスを実行し、その後、音声ガイダンス実行処理を終了する。
【0075】
一方、S530で、対象交差点までの距離Cdが必要距離Dneed以上である場合(図中d2参照)は(S530:NO)、音声ガイダンスを実行するには未だ早過ぎるものとして、音声ガイダンスを実行することなく、そのまま音声ガイダンス実行処理を終了する。
【0076】
また、S510で、対象交差点で曲がるべきではないと判定した場合には(S510:NO)、S550へ移行し、推定結果フラグFnが1に設定されているか否か、即ち運転者は交差点で曲がろうとしているか否かを判定する。
【0077】
そして、S550で、推定結果フラグFnが1に設定されていると判定した場合には(S550:YES)、S560へ移行し、対象交差点では曲がるべきではないこと(或いは直進すべきこと)を案内する音声ガイダンスを実行し、その後、音声ガイダンス実行処理を終了する。一方、S550で、推定結果フラグFnが1に設定されていないと判定した場合には(S550:NO)、音声ガイダンスを実行することなく、そのまま音声ガイダンス実行処理を終了する。
【0078】
このように構成されたナビゲーション装置10では、位置検出器11により自車両の現在位置を検出するとともに、位置検出器11で検出された自車両の現在位置から直近の交差点(対象交差点)の位置を地図データ入力器14から読み込む(S210)。
【0079】
また、車内LAN通信部25を介してアクセル開度A(t),ブレーキ操作量B(t),車速V(t)を要素とする運転データDU(t)={A(t),B(t),V(t)}を取得する(S310)。さらに、自車両の現在位置から対象交差点の位置までの距離Cdと、最新の車速データVcとに基づいて、対象交差点に到達するまでの残り時間τを算出する(S340)。
【0080】
また、制御部19を構成するROM19bには、複数の異なる残り時間τ毎に、残り時間τからテンプレート時間範囲までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、停止行動テンプレートTstopτmと右左折行動テンプレートTturnτmと直進行動テンプレートTstraightτmとが記憶される。
【0081】
そして、算出された残り時間τに基づいて、残り時間τに対応した停止行動テンプレートTstopτmと右左折行動テンプレートTturnτmと直進行動テンプレートTstraightτmを選択し(S350)、取得した運転データDU(t)の履歴と、選択したテンプレートとに基づいて、対象交差点での運転者の運転行動を推定する(S360〜S390)。
【0082】
このように構成されたナビゲーション装置10では、残り時間τ前から、残り時間τ以前の予め設定されたテンプレート時間範囲までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、運転行動毎のテンプレートが、複数の異なる残り時間τ毎に設けられており、残り時間τに対応したテンプレートと、運転データDU(t)の履歴とを用いて、運転行動を推定する。
【0083】
そして、それぞれ異なる複数の運転行動において、対象交差点に到達する前における車両の速度および運転者の車両操作の時間変化で類似する部分を有していても、この類似部分が発生する時間領域が運転行動毎に異なっている。例えば、曲がる運転行動と止まる運転行動とを比較すると、両者ともに、交差点前でブレーキ量が増加するとともにアクセル量および速度が減少する時間領域が存在する。しかし、曲がる運転行動よりも止まる運転行動のほうが、ブレーキ量が増加するとともにアクセル量および速度が減少する時点が早い(図10を参照)。
【0084】
このため、同じ残り時間τに対応した夫々異なる運転行動のテンプレートを比較すると、対象交差点に接近してから対象交差点に到達するまでの長い時間領域についての夫々異なる運転行動のテンプレートを比較する場合よりも、互いに類似する部分が少なくなる。つまり、異なる運転行動間での相違が明確なテンプレートを用いて運転行動の推定を行うことができるため、運転行動の推定精度を向上させることができる。
【0085】
以上説明した実施形態において、ナビゲーション装置10は本発明における運転行動推定装置、位置検出器11は本発明における現在位置情報取得手段、S210の処理は本発明における対象ポイント位置情報取得手段、S310の処理は本発明における運転データ取得手段、S340の処理は本発明における残時間算出手段、ROM19bは本発明におけるテンプレート記憶手段、S350の処理は本発明におけるテンプレート取得手段、S360〜S390の処理は本発明における運転行動推定手段、残り時間τは本発明におけるポイント到達残時間である。
【0086】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採ることができる。
例えば上記実施形態では、自車両の走行速度を示す情報を用いて残り時間τを算出するものを示したが、自車両の加速度を用いてもよいし、自車両の走行速度と加速度の両方を用いてもよい。
【0087】
また上記実施形態では、交差点での運転行動を推定するものを示したが、これに限定されるものではなく、停止する必要がある地点(例えば、一時停止地点)や、経路が分岐する地点(例えば、高速道路のランプ)などで推定を行うようにしてもよい。
【0088】
また上記実施形態では、運転者の行動の推定に用いる車両情報として、アクセル開度A,ブレーキ操作量B,車速Vを用いたが、車速V以外の情報については、自車両の走行状態に影響を与える運転者の車両操作に関わる操作情報であれば、これら以外のものであってもよく、また、その個数も3個に限るものではなく、2個以下または4個以上であってもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…ナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、13a…リモコン、13b…リモコンセンサ、14…地図データ入力器、15…表示部、16…音声出力部、17…マイクロフォン、18…車内LAN通信部、19…制御部、19a…CPU、19b…ROM、19c…RAM、25…車内LAN、31…エンジンECU、32…ブレーキECU、33…ステアリングECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置を示す現在位置情報を取得する現在位置情報取得手段と、
自車両の運転行動を推定する対象となる地点である対象ポイントの位置を示す対象ポイント位置情報を取得する対象ポイント位置情報取得手段と、
自車両の速度情報と、自車両の走行状態に影響を与える運転者の車両操作に関わる操作情報とからなる運転データを取得する運転データ取得手段と、
前記現在位置情報取得手段にて取得された前記現在位置情報と、前記対象ポイント位置情報取得手段にて取得された前記対象ポイント位置情報と、自車両の速度を算出するための速度算出情報とに基づいて、自車両が前記対象ポイントに到達するまでの時間であるポイント到達残時間を算出する残時間算出手段と、
複数の異なる前記ポイント到達残時間毎に、前記対象ポイントに到達する前記ポイント到達残時間前から、該ポイント到達残時間以前の予め設定された一定期間までの間における運転者の典型的な運転行動を示す、運転行動毎のテンプレートを記憶するテンプレート記憶手段と、
前記残時間算出手段にて算出された前記ポイント到達残時間に基づいて、該ポイント到達残時間に対応した前記テンプレートを前記テンプレート記憶手段から取得するテンプレート取得手段と、
前記運転データ取得手段にて取得された前記運転データの履歴と、前記テンプレート取得手段にて取得された前記テンプレートとに基づいて、前記対象ポイントでの運転者の運転行動を推定する運転行動推定手段と
を備えることを特徴とする運転行動推定装置。
【請求項2】
前記速度算出情報は、自車両の速度および加速度の少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項1に記載の運転行動推定装置。
【請求項3】
前記運転行動は、右左折行動と停止行動である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の運転行動推定装置。
【請求項4】
前記対象ポイントは、自車両の走行経路上の次の交差点である
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の運転行動推定装置。
【請求項5】
前記操作情報は、アクセルペダル及びブレーキペダルに関するものである
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の運転行動推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−221962(P2010−221962A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−74340(P2009−74340)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】